デュエルは体格や筋力ではない、武藤嘉紀選手に学ぶ体の使い方。

2018ロシアW杯の開幕が明日に迫り、普段あまりサッカーに興味のない人たちにとっても、なんとなくお祭り気分で、にわかサッカーファンとなって、サッカー談議に花を咲かせているはずのこの時期に、日本代表チームの監督更迭劇や、最近の国際試合での成績不振も重なり、4年前と比べても盛り上がりに欠ける大会前の雰囲気となってしまっています。

私自身、日本代表の試合をテレビ観戦しても、試合の内容自体にワクワク感がないというか、勝ち負けを通り越して試合自体を楽しいと感じられないというのが正直な感想となっていました。

私が得意としている人間の体の仕組みに沿った、効率的で効果的な体の使い方という観点から見ても、遺伝的な要素として体格や筋力に劣る我々日本人が、どうやって大きくて強い海外の選手に対抗するかという部分に、何の工夫も見られないことに不満を感じていました。

持って生まれた体が小さいというだけで、いわゆるフィジカルが弱いというレッテルを張られてしまっては、それ以上何をどう努力しても絶対に越えられない壁があると最初から認めてしまうことになってしまいます。

日本での活躍が認められ、海外のクラブへ移籍する選手が増えてきました。
私の選手の動きを見る視点からしても、この選手なら絶対に活躍してくれるだろうと、期待とともに確信をもってその後の動向をチェックしても、期待通りの活躍を見せてくれない例がたくさん見られます。

それがなぜなのかずっと考え、既に一つの結論を得ています。

そんないろいろな思いを込めて、西野新監督の元、最後の強化試合に臨む日本代表の選手たちの試合、昨夜のパラグアイ戦は最後のチャンスというか、もう後がない大事な試合でした。

相手のこの試合に臨むモチーベーションは別として、チームとして、また個々の選手の体の使い方という意味でも期待するところはありませんでした。

スイス戦のような放送の時間帯であれば、おそらくはリアルタイムで見ることもなかったと思います。

そんな中、なんとなくいつものような試合展開に、やはりだめかという気持ちで試合を見ていた私の目に飛び込んできたのが、前半27分過ぎに起こった武藤嘉紀選手のプレーでした。

この動画の中では3分25秒あたりからのシーンです。

派手なシュートシーンでもゴールをアシストしたパスを出したわけでもなく、ボールを受け前線に運び、クロスを上げるという、言ってみれば何でもないプレーで、特に気にしてみなければそれだけのことだったかもしれません。

しかし私はそのプレーを見た瞬間、久し振りに日本人の選手の動きに興奮しました、いつも私が言っている体格に劣る日本人が、大柄な海外の選手と渡り合うために必要な体の使い方が、短い時間の中に凝縮されていることがリアルタイムで伝わってきたからです。

そのプレーを追っていきます。
まず相手GKがセンターライン付近に大きくボールを蹴ります。
それに対応したのが6番の遠藤選手で、ヘディングでボールを前方に位置する武藤選手に返します。

このボールに対してどんな受け取り方をするのかと見ていると、普通なら胸トラップで前に落としてから次のプレーに移るのではという遠藤選手からのヘディングによる浮き球でしたが、武藤選手はボールの落ち際に体を左回りで90度回転させながら右足の甲の部分をボールに触らせ、弾ませることなくゴール方向に移動した左足の内側にあて、そのままドリブルでタッチライン沿いを駆け上がろうとしました、このプレーだけでも技術の高さを証明しています。

そこに相手15番の選手が左後方から体を寄せてきたことでバランスを崩し、ボールが足元から大きく離れてしまいます。
離れたボールに対して今度は左前方にいた相手DF4番が猛然とボールを追い、武藤選手より一瞬先に追いつき武藤選手とボールの間に体を入れ、良い姿勢を保ったままボールを保持したかのように見えました。

ところがここで4番の選手はなぜかバランスを崩してしまいます。

これは偶然ではなく、一歩遅れてボールに追いつけなかった武藤選手が、4番の選手の後方からその体の骨盤、それも大腿骨の大転子部分に、武藤選手の同じ部分を下からあてがうように体を寄せたことで、驚くほど簡単に4番の選手のバランスが崩れ状態が前につんのめってしまいました。

これが私の言う、『大転子の位置が勝負の分かれ道』と言い続けている理由なのです。

人間のバランスは左右の股間節、それも大腿骨の大転子部分であることはいくつかの実験のようなドリルを体験してみればだれにでも納得できることです。

体の大きい小さいは関係なく、この部分の位置関係で相手を制することが出来るのです。

4番がバランスを崩したその一瞬を逃さず、今度は武藤選手が4番とボールの間に体を入れてボールを保持してしまいます。
バランスを崩された4番は苦し紛れに左足を出してきましたが、そのまま転倒してしまいます。

武藤選手がボールを奪い返し、自分の体勢を右回りで反転させ前方にドリブルで進もうとしたところに、今度は先ほど後ろから押してきた15番の選手が追いついてきて、起き上った4番と15番で武藤選手を挟み込む形となりました。

そこで武藤選手は、後ろから追いかけてきた15番の右股関節部分に、自分の左大転子部分を下からあてがうようにぶつけることで、後方から勢いをつけてぶつかってきた15番の圧力に押されることなく体勢を維持し、2人を置き去りにして加速しゴ-ルラインまでドリブルで進んで右足でクロスを上げるところまでのシーンでした。

武藤選手は最初に15番の選手の後方から押された時には体勢を崩し姿勢が乱れましたが、その後の動きの中では常に骨盤が一定の角度を保ち、4番からボールを奪って反転する動作の際には、見事に骨盤から背骨がすっと伸びていました。
だからこそきれいなターンが可能となるのです。

最後の2人を置き去りにするシーンでも、骨盤の角度を維持しながら体全体を前に倒す、『重心の前方への落下』というエネルギーの使い方を見事に実践しています。

方や2人は、一瞬にして置いて行かれたことで、すぐに追わなければと体に力が入り、腰が落ち背中を丸めて力んだ状態で走り出したため、両足がその場に居着いた状態から強く地面を蹴ることで反力を得て体重を移動するという、非効率な体の使い方となってしまったことで、武藤選手についていけず、結果としてクロスを上げさせてしまいます。

いかがでしょうか、動画を何度も見て頂ければ、なるほどそういうことかと分かってもらえると思います。
体の使い方という概念から見ると、骨盤から背骨の角度、それも固定的な安定ではなく、しなやかさを持った連動、そして解剖学的な重心位置、そういう視点でプレーを見ると、これまでと違った見方ができると思います。

文字に書き起こしていくとまどろっこしいですが、これはほんの数秒間の出来事で、この体の使い方を知っているというレベルの選手では絶対に不可能なことです。

武藤選手がFC東京在籍時から、その姿勢の良さ動き出しのスムーズさに目を奪われ、その時点で日本で一番体の使い方がうまい選手だと思っていました。

それがドイツに渡り屈強な選手たちと渡り合う中で、持ち前の柔らかさが少し失われているように感じていました。
今回久し振りに、私の知っている武藤嘉紀選手の柔らかくしなやかな体の使い方を見せてくれました。

ドイツでのプレーで失いかけていたものを、思い出してくれたというか経験を積み慣れてきたということかもしれません。

日本選手の中でもそれほど大きな選手というわけではありませんし、ましてや今回の相手パラグアイの選手たちの胸板の厚さは日本選手の倍くらいはありそうな屈強な体の選手ばかりでした。

そんな選手たちを相手に肉体改造という名のもとに後天的に作った体が通用するはずがありません。
もちろんトレーニングが必要ないということではなく、武藤選手のようなポイントを押さえた体の使い方ができるようになるための体づくりは必要です。

それが私のいう『体づくりから動き作りへ』、という発想の転換でした。

骨盤の角度をしっかり保ち、骨盤と背骨をしなやかに連動させること、それを可能とするのが頑張らないように見えてしっかり仕事をしてくれている『伸筋』を使いこなせるように準備することです。

相手を大きさや筋力で圧倒するのではなく、股関節部分、大腿骨の大転子部分が重心位置で、お互いのその部分の位置関係で押し負けることなくバランスを保ち続けることができることなど、まずは知識としてしっかり頭で理解し、実際にやってみて体で納得することで、誰にでも使いこなせる武器となります。

さらにそれを可能とする条件が、顔の表情です。
歯を食いしばり力んでしまっては、伸筋を上手に使うことはできません、無駄に屈筋を使い体力を消耗するばかりです。

今回の武藤選手のプレーを、今すぐにでも代表選手スタッフ全員の前で説明させてもらい、実際に体験してくれれば、個人としてチームとしての戦力は2割くらいは上げられるのではと本気で考えています。

今は私の話を真剣に聞いてくれる人が対象ですが、当たり前のことを当たり前にできるように指導することで、近い将来、今回のように代表戦を見ながら、「いいね、いいね」を連発させてくれる選手を育成するお手伝いをさせてもらっています。

武藤選手の一つのプレーが私に勇気を与えてくれました。
本当は私ではなく、サッカーを愛する全ての人といった方が良いのかもしれません。
とくに体格に恵まれない育成年代の選手には、自分にもできるかもしれないと思ってほしいと思います。

武藤選手は180センチ近い身長ですが、説明したとおり大転子の位置は低い方が相手を制することがしやすいので、身長もハンデとはなりません。

海外の選手の中には、160センチ台でも大柄な選手に負けない強さを見せる選手はたくさんいます、その秘密がここにあるのです。

予選リーグ3試合、大方の予想は厳しいものですが、それぞれがすばらしい能力を持っているからこそ選ばれた選手たちだと思います。
自分の力を伸び伸びと発揮して、良い意味で期待を裏切る活躍を見せてほしいと思います。

武藤選手には是非その笑顔を絶やさず、しなやかな身のこなしでゴールを奪ってほしいと思います。
応援しています!

最後に、最近親しい人からこんな言葉をもらいました。
「私という人間に出合うまでは、似たようなことを言う人間に対し、自分にはない発想を持った凄い人だと思わされていたかもしれないが、本物に出合った時、自分の価値判断の基準が変わり、正しくものを見ることができるようになるから、私は私のままで、何時までも何故どうしてという真理をを追い求めてください」、というものでした。
大丈夫です、誰かの何かを気にしている暇があったら、私を信頼してくれる誰かのために頑張り続けますから!

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アンドレス・イニエスタ選手、是非この目で見たいと思います。

W杯開幕が近づいてきました。
我が日本代表は、ごたごたが続いたうえに、大方の予想でも大きな期待はできそうもありませんし、個人的にも過去の試合を見る限り、選手たちの体の動きに関しても、取り立てて記事にするほどのものはないと思いますので、特別なワクワク感は感じていません。

4年前、W杯を間近にしていた頃に、雑誌の特集記事で何人かの選手の動き分析をしたことから、サッカー選手の動きを分析することが面白いと思うようになりました。

ほとんど予備知識がないまま、言われるままに指定された選手の動きをユーチューブで何度も何度も繰り返し見続けました。
あれから4年もたったのかと、月日の流れを感じています。

そして今、その中の一人だった『アンドレス・イニエスタ選手』がスペインの代表としての最後の雄姿を見せるべく、W杯に臨もうとしています。

そしてその後、バルセロナを離れ何と日本のJリーグに所属するヴィッセル神戸に加入することが決まったようです。
うわさが流れてきたときは、もし実現したら凄いことだけど、さすがにそれはないだろうという気持ちでした。
それが本当だと分かった時、サッカーは素人だと公言し、サッカーに対して特別な感情はないと言い切っていた私が、イニエスタの体の使い方をこの目で見たいと本気で思うようになりました、そしてその準備をしています。

スポーツ選手に対してこんな気持ちになったのは、ゴルフを始めた20年ほど前、当時全盛期だったタイガーウッズ見るために、宮崎で行われていた『ダンロップフェニックストーナメント』を見に行きたいと思って以来のことです。

動き分析で名前が挙がった超一流選手の中で、最も印象に残ったのが、スペイン代表のアンドレス・イニエスタとドイツ代表のメスト・エジルでした。

メッシやC・ロナルド、そしてネイマールのような派手さはなく、体も日本選手と比べても決して大きくない二人が、一つ一つのプレーを事もなくこなしていく姿に、本物のプロフェッショナルというか、サッカーがうまいって言われる選手はこういう選手なんだろうなと、まさに素人ながら感心させられました。

今回のW杯はスペイン代表としてピッチに立つイニエスタという選手をしっかり目に焼き付け、そして実際に目の前で見られるかもしれないその時のイニエスタという選手の動きをみる準備をしておきたいと思います。

予習というわけではありませんが、改めてユーチューブを検索して、イニエスタ選手のスーパープレーを堪能しています。

サッカー好きの人から言わせれば、何を今更と言われそうですが、私にとっては今見ておかなければという気持ちです。

前回のW杯前のように、動き分析のようなことを仕事として頼まれていたら、あの時以上に具体的で興味を持ってもらえる文章が書けたと思うので、そういう意味では少し残念です。

とは言え、毎度のことですが、頼まれもしないのに何かをやるのが私の常で、今日は少しだけイニエスタに関して気づいたことを書いておこうと思います。

イニエスタのプレー集を見ると、必ずと言って良いほどチームメートであるメッシ選手の姿が映っています。
ならば二人のスーパースターの違いというか特徴を見つけることができれば面白いかなと、最近ずっと動画を見ていました。

見つけました、それぞれの大きな特徴というかボールと体の使い方の違いです。

メッシは基本的にゴールに近いところで仕事をしますし、進んでいく方向もサイドに開くとかではなく、ゴールに向かって直線的です。
そうなると、いかにボールを無駄なくゴール方向へ運んでいくかが最大の目的となります。

メッシは相手ディフェンダーの動きを見て、体重と重心が一緒に同じ方向に動かなければならないように仕向けています。

右なら右へ完全に移動させてしまうという感じです。

そう言う動きをしておいて、まったく逆の方向へボールを運びます。

メッシの何人抜きと呼ばれるシーンでは、まさにこれが繰り返されます。
相手ディフェンダーも一流選手のはずですが、メッシの誘う動きにまんまと騙され、逆を取られてしまいます。

メッシが仕掛ける時、体重を右へ移動させたと見せても、骨盤とくに股関節部分はしっかりどちらにでも方向を変えられるような体勢を保っています。
そして私が2分割と呼んでいる体の使い方で、上半身は右へ、しかし、下半身は逆の左へと移動できるのです。


ディフェンダーたちは、メッシの動きに体全体で反応し、右だと思ったら右に体全体が移動してしまいます。
その時メッシの骨盤は反ったままですが、ディフェンダーは重心が下がり腰が落ちて猫背になっています。
このことは各種媒体で何度も記事にして書いてきました。

これでは2分割の動きはできません。

イニエスタの動きを語るとき、こうしてメッシの動きをある程度書いておくと、違いが明確になると思って書きました。

ではイニエスタの動きの特徴は何か、それは相手の体とボールの間に自分の体を素早く割り込ませることで、ボールを奪われずにコントロールできるということです。

メッシは相手の股を通してでも、直線的にゴールに近づこうとしますが、イニエスタは基本中盤の選手ですので、まずは確実にボールを保持することを優先しているのだと思います。

その際、自分が小柄であることを利用して、股関節部分、大腿骨の大転子部分を、相手のそれより低く当てると、体格に左右されず当たり負けすることなく、相手のバランスを崩すことができることを知っているようです。

メッシも同じような使い方をしますが、イニエスタはボールを奪いに行くときにも、相手のバランスを崩すことさえできればボールを奪えると言わんばかりに、無理にボールに行くのではなく、股関節部分を押し当てるようにして、ボールと相手の体の間に割り込んでいきます。

日本人はフィジカルが弱い、体格差や筋力差はいかんともしがたいと、何の工夫もなく言い訳に使っていますが、イニエスタのような使い方をしている海外の小柄な選手は他にもたくさんいます。

そうやってボールを確実に保持する体勢を作っておいて、周りのすべての状況が分かっていたかのような絶妙なパスを出し味方の選手を使うのですから、相手にとっては脅威としか言いようがありません。

相手選手の激しいプレッシャーの中、あれだけ落ち着いたプレーができるのは、股関節という重心位置の重要性を確実に認識しているからではないかと思います。

いわゆる足が速い選手ではありませんが、相手とボールの位置を瞬時に判断して、自分がどこへどのタイミングで走り出せばいいのかが分かるのだと思います。
それが出来るのは、相手とのコンタクトに負けないという自信があるからです。

先日見に行った中学生の試合の中でも、そういうシーンが見られましたが、イニエスタに比べると相手のプレッシャーが少ない、体が離れている状態でのプレーで、イニエスタのように相手とボールの間のギリギリのスペースに、骨盤をねじ込んでいくというのは至難の業だと思います。

今回の移籍は、バルセロナの下部組織から築き上げてきた『アンドレス・イニエスタ』というスーパースターが見せる最高のプレーができなくなりつつあることを自分が自覚したなどという表現も目にしましたが、それでも現時点で世界の超一流のプレーヤーであることは間違いないと思います。

イニエスタとメッシの特徴をあげましたが、大きく分類すると、この二つの体の使い方にすべての選手が集約されると言っても過言ではないようです。
もちろんその状況に応じて使い分けているとは思いますが、今回のW杯をそういう視点で見てみることも一興ではないでしょうか。

「今のは相手の体重と重心を完全に移動させてバランスを崩したとか、少し遅れたにもかかわらず、股関節ねじ込んで大腿骨の大転子を下からあてがったので、押されることなくバランスをキープできたな」、などと思いながらサッカーを見ると、人間の体の不思議さに感動するかもしれませんよ。

もちろん、その動きにどうやったら対抗できるかということも、裏返しの話ですから方策はできています。
しかし、守るも攻めるも「なるほど、はい分かりました」などという簡単なことではありません。
そのために必要な体の使い方、それを可能にするためのトレーニングに真剣に取り組み継続する必要があります。

相手チームの戦術や戦略を分析する専門家もいる世の中になったのですから、私のような観点で選手の動きそのものを分析し、特徴を発揮しやすくしたり、相手の動きの先回りをするといった対応策を取るなど、発想は広がるばかりですがいかがでしょうか。

なかなか他の選手の動き分析までやっている時間はないので、この選手を是非という希望もあるかもしれませんがご容赦ください。
ただ私が知らない選手の中にもたくさん素晴らしい選手がいると思いますので、どこの国のなんとかという選手は見ておいて損はないよというお勧めの選手がいましたら、教えていただければ有難いです。
一人二人なら録画してみられるかもしれませんので、よろしくお願いします。

まずは大会二日目、イニエスタのスペイン対C・ロナルドのポルトガルの戦い、夜中の試合でリアルタイムで見られるか自信はありませんが、とにかく楽しみにしています。

固定概念にとらわれず、大きな夢と希望を持ち、理想に向かって進んでいこう!

週末、久し振りにサッカーの試合を見に行きました。
J1でもJ2でもありません、育成年代の中学生たちの試合です。

先月の東京、そして来週に迫った大阪でのセミナーと、現在、育成年代の指導者を相手に話をする機会をもらっているので、現場を見るちょうど良い機会となりました。

西本塾生が指導するチームが、私の自宅からも遠くないスタジアムで試合をするから見に来て感想を聞かせてほしいということで、朝から出掛けて行きました。

対戦相手の監督も旧知の間柄でしたが、会うのは20年以上振りでした。
短い時間でしたが、昔話に話が咲きました。

試合を見ての感想ですが、私の影響を受けている方のチームの選手たちですが、聞いてみるとクラブの方針というか、私の考え方を全面的に取り入れるところまではいかないようで、FBTや走りのドリルを常時行っているわけではないそうで、ならば私に選手たちの体の使い方に対して感想を求められても答えようがないはずでしたが、やはり指導する側にそういう意識があるかないかで、選手の動きがこれほどまでに違って見えることに驚かされました。

まずは姿勢です。
明らかに骨盤の角度が違うというか、背中がすっと自然に起きている選手が何人か目につきました。
そう言う選手は動き出しが早く、ボールと相手選手の間に体を入れるという基本の動作が簡単にできるので、ボールを失わず、また奪うことも上手にできていました。


対するチームは、出足の遅れをカバーしようと、力んで上体が突っ込み、バランスを崩してしまいます。
どこかで見た光景だと思ったら、テレビで見る日本代表の試合そのものでした(笑)

とくに3人の選手の動きが目に留まり、動きを追いましたが、一般的な指導者たちは、彼らの動きを見て、『上手い選手』の一言で片づけてしまうのでしょうね。

私の選手の動きをみる視点を勉強したいという目的で、試合を見に来てほしいと言ってきたわけですが、良い動きができている選手と、そうでない選手の動きの何が違うか、どう指導すればもっと上手な動きを身につけさせてあげられるのか、まだ自信がないということでした。

私はまず、先に上げた3人の選手たちのどこが良いと言っているのかを説明し、まずは彼ら自身に自分の長所を理解させ、それを常に発揮できるように指導しなければならないことを伝えました。

自分がなぜボールを失わないのか、なぜボールを奪えるのか、そして正確なキックができるのか、それらをなんとなくできているのではなく、体の使い方という観点からしっかり理解させてあげられるようになって初めて他の選手へ波及していくということも話しました。


名選手が必ずしも名コーチになれないのは、自分の体の動かし方を明確な言葉に置き換えることができないからです、自分はできていた、自分はできなかったでは、指導ではありませんから。

対するチームは、まさに旧泰然とした雰囲気で、ベンチから飛ぶ激も、そうじゃないだろうと突っ込みたくなるものばかりでした。

この違いは何か、大げさな表現かもしれませんが、指導者に『夢とロマン』があるかないか、それだけだと思います。

自分がそれなりのレベルまでたどり着いた選手たちは、もっとレベルの高い選手や、世界の超一流選手のことを違う世界の生き物のように思っています。
自分がどれだけ努力してもここまでだったのに、という思いが根底にはあるのでしょう。

「それなりのレベルの子供たちが揃った年は、良いチームができて成績も良かったが、今年はだめです」、これではまさに自分の指導力の限界を自分で認め、それ以上のことはできないと言っているのと同じです。

そんな指導者の元では、選手たちが持っている無限の可能性を引き出してあげるどころか、蓋をしてしまうことにもなりかねません。

私に対しても、20数年前、彼が知っているトレーナーとしての私のままで、現在までの経験の蓄積や理論の構築など興味など感じてはいませんでした。

それは彼に限りません、昔出合った人間たちはその頃の私のイメージしか持っていないのですから当然のことかもしれません。
まさか私がこんなことを考え、こんな声を上げているなどとは想像もしていないでしょうから。

私はすべての物事に対して、常になぜどうしてを繰り返してきました。
「こんなことができるはずがない、考えるだけ無駄なこと」、そんな風には一度も考えたことはありません。


今回見た二つのチーム、指導者の発想の違いが、私の進化し続ける体に対する考え方を、自らが高く掲げたアンテナで捉え、それを学び指導に生かすことで、選手たちを少しでも上手にしてあげたいという、指導者として最もシンプルな欲求を満たしていくのではないでしょうか。

色々なことが重なるものです、東京でのセミナーの後、日本代表の試合をテレビで見て、改めて私が考えてきたことを指導者に伝えなければならないと思いました。

そして現場で育成年代の選手たちの試合を見る機会を得て、その思いを強くしました。

夢も希望も理想も大きく高く持つのです。

そうすれば、そこに近づくための道筋が見えてきます。
自分が上ったことのある山の頂から見える景色などちっぽけなものだと認めて、まだ見ぬ高みを子供たちと一緒に目指せばいいのです。

そうでなければ育成年代を預かる指導者として何が楽しいのでしょうか。
一緒に夢を語れる指導者の元でなければ、選手たちが本当に楽しいはずがありません。

クラブの運営等々、私が知り得ない苦労がたくさんあると思います。
それでも話をしていて夢も理想もなく現実そのものばかりを聞かされては、話が弾むはずもありません。

もちろんたった1試合を見ただけですし、久しぶりに会った私に本音を語ってくれたとも思いません。
それでも私には物足りなかったのです。

夢や理想を語るだけだは何も変わらないかもしれません、それでもそれを私なりに発信し続けてきたことで今があります。
今まで以上に夢と理想を追い求め、それが誰かの役に立つことであると信じて続けていきます。

さて今日はもう一つ、同じく西本塾生から届いた報告です。
ちょうどテレビで日本代表とガーナが試合をしている最中で、リアルタイムツイーとをしている時に届きました。
とても興味深い内容でしたので、紹介させてもらいます。

こんばんは、お久しぶりです、連絡が出来ておらず申し訳ありませんでした。
岡山市の中学校の教員となり、二ヶ月が経ちました。

県も違い、生徒の年齢も違う、ということで、この二ヶ月ドタバタかつ学びの連続でした。
いわゆるヤンキーもいる学校で、今は特別支援学級の担任をしながら、女子ソフトテニス部の顧問をしております。

本題ですが、特別支援学級の担任をしたりヤンキーたちの相手をする中で分かったことがあるのですが、彼らを追いかけた後(もちろん彼らは屈筋で走るために、西本走りがまだまだの僕でも余裕で追いつけます。)捕まえたりする中で、伸筋を使うと相手の動きが落ち着くというか、すんなり従ってくれることが多いのです。

特にあえて屈筋を使った時は、あからさまに余計に興奮してしまったりします。
伸筋は、相手の心にも響くものなのかな、と思い始めたりしています。


特別支援学級の担任となり、少しまた西本理論を僕なりにですが、勉強することができました。

ソフトテニス部はまだまだ身体の動きなどの部分に至らず、ちゃんと話を聞くとか、そういう部分に注力しています。
サッカー観戦中だと思います、お邪魔致しました。
H選手はめちゃくちゃ腕振って走って当たり前してますね、残念です。
ガーナの左サイドにいる14番に少しばかり期待しています。
また連絡させていただきます!

いかがでしょうか、私もそういう分野にまで伸筋理論が当てはまるとは正直思ってもいませんでしたが、言われてみるとまさにそういうことだったのですね。

私がやって見せる屈筋対伸筋の腕相撲が、これで説明できると思います。
むきになって屈筋で対抗しようとすれば、相手も屈筋で対抗する、まさに力と力のぶつかり合いで感情もコントロールすることはできません。

それが屈筋の意識を消し、伸筋に切り替えると、相手は力のぶつけどころを失います、力んでしか筋力を発揮できない屈筋が力めなくなれば、十分伸筋だけで押し切れるというわけです。

私が体当たりの練習を壁に向かってやったらだめですよと言っているのもこのことです。
いくら自分が、グーではなくパーとかスライムとか言って、伸筋メインのぶつかり方をしても、壁には感情がありませんので無情に跳ね返されるだけです。

大げさな言い方になりますが、人間関係も同じではないでしょうか。
自らを固くして相手を受け入れる態勢を取らなければ、相手も同じく体を固くしてぶつかってくるだけです。

相手がどんなに頑なで、取りつく島もないような人間だったとしても、こちらが柔らかく受け止めてあげることができれば、いつまでも固まったままでは人間苦しくなりますから。

伸筋屈筋だと、訳の分からないことを長年試行錯誤してきた私ですが、こういう部分の頑なさはだれにも負けない偏屈な男でしたので、「お前が言うなと」突込みが入りそうですが、今になって思うと、そういうことなのだと思います。

『体が固い奴は頭も固い、頭が固い奴は体も固い』、私がよく使う言葉ですが、いや自分は違うと思っている方も、よくよく考えてもらうと当たらずとも遠からずではないでしょうか。

いろいろ書きましたが、今自分がやっていることに満足せず、指導者であれば、もっと良い指導方法はないか、もっと選手たちのためになることはないか、無理だ出来ないと思っていることに対して、なぜどうしてと自問自答を繰り返すことで、固定概念にとらわれず、大きな夢希望を持ち、理想に向かって進んでいこうではありませんか!

付け足しですが、本当に暑くなってきました、明日以降梅雨入りが予想され、気温は一段落するかもしれませんが、気温だけではなく湿度も大きく影響するので、『熱中症』には念には念を入れて対策を講じてください、命の危険まで考えてください、後でこうしていればよかったでは済まされませんから。



プロフィール

Author:西本 直
1993年、Jリーグサンフレッチェ広島を皮切りに、社会人野球三菱重工広島・協和発酵・ヴィッセル神戸・川崎フロンターレ、そして広島カープ佐々岡真司投手など、プロアマ問わず競技レベルのスポーツ選手から一般の方まで、トレーニングやメンテナンスの指導を行ってきました。
その経験と知識の蓄積を「西本理論」としてまとめ、一人でも多くの方に実践していただくことが、これからの私の使命であると信じ、このブログから発信していきます。
私の理論はスポーツ選手のみを対象としたものではなく、ビジネスマンや家庭の主婦まで老若男女すべてに当てはまる不変のものです。
指導や講演のご依頼も受け付けています。
実名でツイッターも書いていますので、チェックしてみてください。
2013年9月9日にConditioning Studio 操をオープンしました。
また、遠隔地にお住まいの方を対象とした動き分析とアドバイスを行っています。
詳細は「スタジオ操」のホームページ内の「遠隔サポート」をご覧ください。
今年は「西本塾」3月10・11日と9月8・9日に、「深める会」を4月8日と10月7日に、そして「走り方錬成会」を12月29日に予定しています。
詳細はStudio操ホームページ内の「講習会情報」をご覧ください.
「1回5分体が喜ぶ健康術」はアマゾンで在庫切れのことが多く、購入希望の方にはご迷惑をおかけしています。
出版元からの購入は可能ですので、ガリバープロダクツ(代)082-240-0768までお問い合わせください。

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