お互いを深め、深められる良い時間を過ごしました。

ツイッターで話題にした競輪選手のこと、正直こんな選手がまだいたのかと驚くとともに、私も負けていられないと強く思いました。

私が初めて広島に来て、サッカーがプロと言う組織に変わった時の選手たちは、みんな同じように必死でした。

今でもそんな選手が多いのだとばかり思ってしまったことが、少し違うことに気付かされましたが、改めてこんな選手に関わり、真剣に向き合うことが出来ることに、この仕事をしてきて良かったと感じさせてもらいました。

さて、私の考え方や、実際に行ってきた方法論は、まさに私一代限りのもので、弟子を育成するとかいう以前の問題として、私のやっていることを誰かに伝えるなどということはできないと、自分の中でそう思い込んでいました。

それが4年前から、人に伝えることをやってみようという気持ちになり、自分のやってきたことを整理しつつ、更に試行錯誤を続けています。

私の学びの原点というか、目指すべき方向性を教えてくれるのは、誰でもない私を信頼してくれる選手や、体の悩みを改善して欲しいと、目の前に対峙する人間の体そのものです。

教科書的セオリーや固定概念の中にその答えはありません。

どうすれば選手の動きを改善できるか、痛みに対処できるか、まさに無から有を生むような、雲をつかむような試行錯誤の毎日でした。

それでもその時その瞬間、自分なりのベストを尽くし、納得できる結果を残してきたつもりです。

ただその過程をどうやって人に伝えるかという問題に関しては、私にとってこれ以上難しい問題はありませんでした。

ある意味そこを避けて通りたかったというか、正面から向き合いたくなかっただけなのかもしれません。

そんなことを考えている暇があったら、今、目の前にいる選手や一般の方に対して、もっと良い何かがあるかもしれないと考えることの方が、私にとっては重要な問題でしたから。

それがこの4年間に、西本塾を受講してくれた人の数だけでも160人を超えました。

その後学んだことをどう活かしてくれているのかは、正直分かりません。

私から学んだことを広める活動をしてくれている人もいると思いますが、本当に私の思いを正しく受け止め、実技の部分も含め正確に伝えてくれているのか不安な部分もあります。

当初から言っているように、何回受講したから修了証を出しますとか、西本理論の正式な指導者として認定しますというようなことも行っていません。

私自身の考え方が、試行錯誤の中で変化し、進化し続けていると感じている限り、ここまで理解してくれたから大丈夫ですということにはならないからです。

ですから、『深める会』という形をとって、学び続けてくれる人たちに対して、私自身の最新の考え方や新たに気付いた部分を伝え続けてきました。

しかしその参加者も回を追って少なくなってきました。

もちろんそれぞれに考えがあって、それぞれの立場で仕事をしているのですから、いつまでも私から学んだことだけにこだわってはいられないことは分かります。

私の西本塾を受講したことも、多くの講習会の一つにすぎなかったのだと思います。

おそらく、そういう人がほとんどだと思ったから、人に教えるという行為をしてこなかったのかもしれません。

本当の意味で私が安心してこの人ならという人材を育成することなど出来ないのかもしれません。

そんな中、今年に入って、今回紹介する『神戸の竹内』さんと、『香川の長尾』さんが、定期的に個人指導の形で、それぞれ目標を持って西本理論を深めるために通って来てくれるようになりました。

竹内さんの場合は、私の指導を受けることを所属する会社が認めてくれ、経費を負担し出張扱いで広島に来ることが出来るという、他の人にはない待遇を受けていますので、毎回、何かを掴んで帰らなければならないというプレッシャーはあると思いますが、組織として私の考えを取り入れてくれるというのは有難いことです。

個人指導の形をとれば、当然それぞれの問題点を詳しく修正していくことは可能です。

しかし、自分自身の成長とともに、誰かに伝える立場として考えた時に、すべてを私に依存してしまうようになりつつある、聞けばなんでも答えてくれる相手が出来てしまうことに、私自身懸念を抱いていました。

そして毎回の成長は感じながらも、内面というか今回の指導から新たに何を学び取って、それをどう活かそうとしているのか、また新たな気づきや問題点はなかったのかなど、これがスポーツ選手を相手に指導しているのでしたら、すべて私が考えて方向性を決めて行けばよいのですが、彼らはそういう立場ではないのです。

私がこうして文字を書き連ねているのも、常に今の時点での自分の考えを整理しておくためです。

日本人特有なのでしょうか、「言わなくても分かってくれる」の文化では正しく伝わって行くことはありません。

そのことを今回二人に話をし、きちんと文字に起こしてくれることを求めました。

そして送られてきたのが、以下の文章です。

西本塾深める会を受講して

いつもお世話になっております。初めて西本塾に参加させて頂いたのが第8回の2014年でそれから3年が経ちました。
この3年間は自分にとって大きな変化が多くありました。今では3年前と全く違う動きが出来るようになっていると感じます。

西本先生の考え方については、既にブログの中で多く出てきているので読み返す事が1番だと思いますが、常に「3•5•7理論」を意識して動作をする事が大切だと思います。

その中でも、普段の状態(リラックスした状態、次の動きの為の準備段階)ではいかに『5』 に近い所でいるかが鍵となってきます。

『5』 の状態を維持しながら動作を行う事により、よりスムーズに無駄な力いらずで動作が出来るようになると自分で動作をしながら感じています。

今回の深める会では、既に何度も通われている長尾さんとご一緒に参加する事ができ、一つ一つの動作を整理しながら、西本先生が指導する様子やお互いで動作確認を行いながら、時間を過ごす事が出来たのが1番良かったと思います。

伸筋優位で動作を行う為には、ただ単に背中(広背筋)を使う(意識する)だけでは足りません。

どのようにしたら楽に動かせることが出来るかを考えながら、その動作を繰り返して行う必要もあります。

そして、一つ一つの骨の動き(6方向)を意識しながら、その繋がりを利用する事も重要となってきます。

広背筋を意識するだけでは、背中を常に反ったような状態でなる事が多いので、先に述べた『5』の状態ではなく『3』に近い状態になり、動きの遊びがなくなり動きが硬くなってしまいます。

この状態を感じられるようになった今は、西本塾に参加される多くの方が気になっている、どのような方法で身に付ける事が出来るかといった枝葉の問題は気にする事が少なくなってきました。

動かす事に必要なことを一つ一つ丁寧に実施していくことで、考え方がクリアになり、動作も自然な動きに近づけるようになってきました。

幹の部分を意識して実施する事が大切で、ようやくこの部分が私自身の中に浸透してきたと思います。

今回の深める会のトレーニングの中では、マシンを使ってのウォーミングアップ(伸kingトレーニング)で、多方向から一つずつ伸筋に刺激を入れていく事で、段々と準備が出来てきて、スクワットやデッドリフトの動き、ランジの動きをする際には伸筋を使う為の良い状態に出来上がっていく感じも得る事が出来たと思います。

そのおかげで、走りのトレーニングの際はスムーズに体を動かす事も出来、西本先生の理想の動きに近付けるようになってきたと感じています。

その際にも『5』 の状態を意識し、頑張り過ぎないように反った猫背の姿勢から、スピードの変化を楽しんでいました。

腕の振り方はどうとか、足のどの部分から着地すれば良いのかといった事を以前は考えて走っていましたが、それも今はなく、動きの一つ一つの流れに身を任せるような状態で走っています。

それが私が進歩できた理由の一つだと思います。

継続して西本先生に刺激を入れて頂いているおかげで、動作について記載しているブログの内容もイメージしやすいものも多く、このイメージを西本先生のように多くの方に還元していきたいと思います。

会の最後は、からだほわっとや体のケアの方法についても復習を行い、自分が気持ち良いと感じる動作をしながら行うことで、直前まで硬さのあった体が緩んでいるのを実感する事ができました。

それこそが常に『5』 の状態でリラックスしたかたち(体も心も)でいるからだと思います。

『5』の状態から、ゆっくりと『3』に近づいたり、反対の『7』に近づくことで、自然とからだの硬さも取れてきます。

常に過度にストレスのかからない状態を維持する事がコンディションを高めたり、動作をよりスムーズに実施するための秘訣だと思います。

そして動作をスムーズにする為には、ひたすら反復して身に付ける他はないと思います。

これからもさらに反復継続し、更なる動作の獲得、そして関わる方に対してしっかりと伝えていこうと思います。

深める会は1日開催で、西本先生のお体にも負担がかかるものですが、そのおかげでより密度の高い1日を過ごす事が出来たと思います。
毎度、パワーに圧倒されますが、大変お世話になりました。

ご一緒に時間を共有させて頂いた長尾さんも、ありがとうございました。

今後も引き続き宜しくお願い致します。

竹内健太朗

しっかりした感想をありがとうございました。

初めて西本塾に参加してくれてから3年、竹内さんは私からの学びが、仕事に直接活かせると真剣に学び続けてくれています。

一度だけの参加や、その後自己流で行っている人、また多くの講習会の一つとしてしかとらえていないであろう参加者の人たちには、到底理解することが出来ない領域に達してくれています。

それでも私は、実技に関しては一定レベルに達していることは認めますが、西本理論を完全に理解してくれているかという部分に関しては及第点を与えていません。

それは深める会に参加する者として、私の考えを広めてくれる人間としての立ち居振る舞いに関することも含めてのことです。

そんなことを言われる筋合いはない、という所まで要求しています。

それは伝える側になった時に分かるはずです。

書いてくれた内容に関しては、よくここまでになってくれたと思います。

現在竹内さんは29歳、私がこの仕事を専業としたのは32歳、彼が本気で人間の体と向き合うことを続けてくれれば、3年後私が始めた歳になった時点で、その時点の私を超えていることは間違いありません。

続いて長尾さんからの感想です。

西本先生へ
先日は深める会でのご指導本当にありがとうございました。

今回は時期的に涼しく、天気にも恵まれたおかげで身体を動かすには絶好の日和でした。
いつも言わせていただいてますが、私は西本先生のもとを訪れる度に自分が今まで取りこぼしいた発想や、新しい気づきを得ることができています。

今回の深める会でも私はとても大切な気づきを得ることができました。
それは私はいまだにカタチを意識しすぎているということです。
身体を動かす中で背中(伸筋)への意識は重要ですが、一番大切なのはいかに全身を連動させるかということを意識していましたが、それでも背中のカタチや走る時にはこうしないとという意識が取りきれず、反りすぎた背中をつくってしまい、それにより肩の動きが制限され、股関節の自由度も減ってしまうなど1つの凝り固まりが二次的、三次的な弊害を生み連動を阻害してしまっていました。

自分ではそのような意識でトレーニングも行なっていませんし、1つの異常が全身に及ぶことはもちろんイメージ出来ていましたがそれでも間違ったカタチに出来上がっていました。
西本先生がおっしゃっていた「身体が固い人は頭も固い」というのは今の私にピッタリだと思います。(笑)

ですが、私が今現在そのような状態に陥っているということに気づけたのは、私一人で西本先生と向かい合って指導を受けているのではなく、竹内さんという第三者と一緒に受けられたことが大きな要因でもあると思います。

私は今年に入ってから西本先生のもとで個人指導を定期的に受けてきましたが、深める会のように第三者を加えて「人の身体とは」「連動とは」を探求して行ける場があると、個人指導とはまた別の視点も生まれますし、西本先生が自分とは別の方の指導をしているところも見られたりと、普段とはまた違った学びの場となるので大変貴重な時間となりました。

さらに今回は走りに特化した会だと思っていたのですが、スイングやピッチングや施術など私が個人指導で受けている部分にも時間を割いてご指導いただけました。
ですが、やはりそれも走りと別のものということではなく全てが繋がっているという事に改めて触れることができました。

最後になりましたが、先日のブログで年内に西本塾と深める会が一度ずつ行われるという事を知りました。
西本先生の様々な想いの末、昨年で一区切りをつけられた西本塾と深める会が不定期開催されています。
その事についても西本先生の中で計り知れない想いがあったことと思います。

このブログや様々な記事を通して西本先生の存在を知り、なにか少しでも心に引っかかるものがある方は西本塾でも深める会でも個人指導でも、学びの場はそれぞれの方が思う一番理想的なカタチで構わないと思うので、是非一度西本理論に触れてみていただければと思います。

こういう発信も我々西本塾生の役目だと思っていて、西本先生の視点から生まれた理論が一人でも多くの方のチカラになればと思い、一言付け加えさせていただきました。

改めまして本当に貴重な時間をありがとうございました。
西本先生と竹内さんに、また次回お会いできるのを楽しみにしています。
お二人ともお身体に気をつけて、益々のご活躍をお祈りしております。

長尾真吾

ちょうど今感想が届いたので、文章を追加させてもらいました。

長尾さんと竹内さんは、いわゆるタイプの違う方で、それぞれの特徴を補い合って、私を交え3人でなければ作り得ない空間になったと思います。

失礼な言い方になりますが、まるでウサギとカメの例えのように一歩ずつの前進ですが、だからこそ長尾さんにはきちんと伝えて確実に身に付けて欲しいと思い、厳しい言葉をかけ続けてきました。

私の思いはきちんと分かっていただけているようで、その厳しさも自分にとっては必要なものだと感じてくれて、ここ最近の変化は私の期待を超えています。
やはり継続という言葉がすべてのキーワードになって行くのだと、長尾さんを見ていてそう思います。

私もまだまだ追い付かれる気も、追い抜かれる気もありません、死ぬまで試行錯誤を続け、最後まで背中しか見せないつもりです。

こうやって継続して真剣に私と向き合ってくれる人が、現在二人しかいないというのは寂しいという気持ちもありますが、二人もいてくれると思えばやる気も湧いてきます。

伝えることが大事、伝えていかなければならないことは、この4年間で実感できました。

もちろんそれは日々の活動があってのことです、それがなくなって過去の思い出話だけになってしまうのなら、伝える活動もお終いです。

それどころか、私の考え方に興味を持ち、直接指導を受けたいという連絡がちょこちょこ入ってきます。

そんな人たちや、現在進行形で夢を追っている選手たちのためにも、私の歩みを止めるわけにはいきません。

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西本塾受講生からの感想を紹介します。

報告が後先になりましたが、8月26・27日に行った西本塾のことについて書いておきます。

西本塾と銘打ってたくさんの方が受講してくれた西本塾ですが、参加者が少なくなったため定期開催をやめ、私の気の向いたときに募集を行う形となっています。

当初は、諸々事情で広島に帰ってきた私の考え方を、このまま眠らせておくのはもったいないと思ってくれたスポーツライターの木崎伸也さんが、自分の持っている媒体に記事を寄稿させてくれたりしたことで、何の肩書きもない一トレーナーである私の存在が多くの方々の知るところとなり、直接話を聞いてみたいと思ってくれる人がたくさんいて、2か月に一度のペースで開催していた西本塾でしたが、毎回全国各地から多くの方が参加してくれました。

今回の参加者の中にも、その頃目にした記事で私のことが気になっていたが、やっと今回参加することが出来たという方がいたので、同じように参加できるタイミングがあればと思っている人がいるならば、またいつか次の開催も考えた方が良いのかなと思っています。

西本塾に限らず、指導する側とされる側という立場がある限り、私の持っているものをできるだけ正確に伝えたいと考えることは当然のことです。

しかし、受け取る側の人たちが、私から何を得ようとしているかはそれぞれで、すべての人たちが受講動機の書かれた内容を、すべて納得し満足して帰ってくれているかは私には分かりません。

そういう意味でも、受講後に感想を送っていただくようお願いして、自分なりに二日間を省み、明日からの私自身の糧にしたいと思っています。

今回の参加者は3名でしたが、お二人から感想が届きました。

とくに今回はスポーツにまったく縁のない女性の方が参加していただき、受講動機から西本塾の二日間を通して、どんな考えでどんな行動を見せてくれるのか、とても興味がありました。

まずその方の感想を読んでください。

スポーツ競技に全く関わりのない一般人の参加を受け入れてくださりありがとうございました。

思い返せば、Number Webの木崎氏の記事『トレーナー・西本直が解説する、中田英寿や本田圭佑の「背中」』を読んだのが先生を知ったきっかけでした。

正しい姿勢、いかに体を使うか、整えるということができるかというところに興味をもっていたところに、記事の「背中」というキーワード。斬新に感じながらもどこか原点回帰のようにも感じられました。

それから3年以上経って、ようやく訪れる機会をつくることができました。直接ご指導いただき、様々なことを自分自身で体感できたことは、他では得ることのできない大変貴重な体験となりました。

大嫌いだったトレーニングマシンから始まりましたが、やったことのある筋力トレーニングとは全く別物でした。疲労がたまっていくのではなく、使われていなかった筋肉を目覚めさせほぐしていくような心地よい動きでした。久々に走ってみても、走れば走るほどにだんだんと動きやすくなっていきました。当然ながらあちこち筋肉痛になりましたが、驚くことに疲れは全く残りませんでした。

走りがどう変わったのかは講習前と比較の余地がありませんので、代わりに歩きでの変化について報告させていただきます。

帰り道の時点から感じたのですが、意識することなくこれまでの歩きの体の使い方とは違ってきています。脚の振られ方、足の向き、足裏への荷重バランス。もっと感覚的に言うならば股関節のロックが外れた感じでしょうか。

1日目の座学および普段使えてない筋肉を強制的に動かしていく実技があってこそ得られた感覚だと思います。
体感して初めて理解できる体の使い方、忘れてしまっていた幼き頃のような感覚を得ることができました。
これこそが参加して一番得たかったことかもしれません。

足元が整えば骨盤も整ってくる、骨盤が整えば足元も整ってくる。足が先なのか骨盤が先なのか。どちらからもアプローチできればいいのにと思いながらも、これまで骨盤の正しい向きというのがさっぱり分かりませんでした。骨盤矯正なるものをやってもらっても納得のいく答えが得られたことはありません。しかし講習を通して、言葉にできるほどまだ理解できてはいませんが、体が感じたことがその答えなのかなと思っています。

体で感じること、まさに体験に勝るものはありませんでした。ブログを通してもたくさんのヒントを頂いておりましたが、加速度的に理解が深まりました。

背中をもっと適切に使えるようになれば、まだまだよい変化が続くように感じています。

講習後のフォローアップもありがとうございました。

先生が教えてくださっている本来の目的とはかけ離れてしまっているようで恐縮ではありますが、引き続き生活の中の実践においてさらに深めていきたいと思います。

改めまして、2日間誠にありがとうございました。貴重な機会をいただきましたことを心より感謝申し上げます。
津田


津田さんは、女性の年齢のことを言うのは失礼かもしれませんが、30代後半でこれまでにも色々な経験をされている方でした。

詳しいことはお聞きしませんでしたが、大きな病気をされたことがあって、体に対する意識の高さは、西本塾に参加してくれる他の職業の方とは少し違ったものでした。

お仕事も、新宿区市谷にあるオーダーメード婦人靴を製作販売する会社にお勤めということで、日本人の歩くということに関する姿勢には特に関心があるようでした。

私も西本塾の中で毎回のように話をしていますが、姿勢の悪さ、骨盤の角度の違いから、日本人女性でハイヒールを履き颯爽と歩いている女性を見たことがありません。

モデルさんのように相当意識して練習すれば、少しの距離なら綺麗に歩けるのかもしれませんが、ほとんどの女性はヒールが着地する際膝が曲がっています。

流行の洋服に身を包み、少しでも足が長くスマートに見えるようにと、ハイヒールと言うのかピンヒールと言うのでしょうか、そういう靴を履きたい気持ちは十分わかりますが、その結果として、腰痛や膝の痛み、また外反母趾など、体を痛めつける原因になっていることに、その靴を作っている立場の津田さんとしては、心穏やかではいられなかったそうです。

3Dプリンターというものを使って、正確な足型をとり、職人さんが心を込めて作った、まさにオーダーメードの靴であっても、それを履きこなすためには、人間そのものの歩き方という問題の方が大きいのです。

私から学んだことを、これからどう活かしてその難問に対処していくのか、津田さんの活動に期待です。

それにしても普段運動に縁のない女性が、実技でも屋外を走ったり、前後左右の動きづくりのドリルまで、一生懸命に取り組んでいただいたこと、正直驚きました。

翌日の筋肉痛は大変だったことだと思いますが、それも貴重な体験だったと良い思い出にしていただけたらと思います。

私にとっても貴重な体験でした、スポーツ関係者以外の方で、こんなにも興味を持って真剣に学んでくれた人がいたことに感謝します。

次は、以前に西本塾に参加し、現在は千葉県の鍋島整形外科に勤務しながら、西本理論を広める活動をしてくれている松井真弥さんの同僚でトレーナー活動もしている方からの感想です。

西本様
2日間という短い期間でしたが貴重なお時間をありがとうございました。
西本塾で学ばせていただいた感想をお送りいたします。

最初にお伝えしましたが、今回西本塾を受講させていただいたきっかけはスポーツ障害で病院に来院する選手の多さです。

全国レベルのチームにいながら障害のせいで満足にプレーができない、競技レベル自体は上がっている現代にも関わらず全く変わっていないという現実に疑問をいだいておりました。

下肢に負担がかかっているために起こる障害ですが、皆んなが同じトレーニングをしているにも関わらず、痛みを訴える選手もいればいない選手もいる、となればその障害の原因には選手個人の動き方にもあるのではと常々思っておりました。

そうは考えていても、ではどう動けばいいのか、どういう動き方を指導すればいいのか、そこまで結論が出なかったのですが、今回受講させていただいて答えを得ることができました。

脚を前へ振り出し、前方へ着地する、本来ブレーキをかけるための筋肉を使い走り続ける、それでは下肢に負担がかかる事は明白です。

自分の重心の真下に着地すれば下肢に負担はかからない、そのためにも骨盤の上下の運動が必要である。骨盤を上下にするためにも骨盤を前傾させることが必要である、骨盤を前傾させるためにも広背筋の運動が必要である、広背筋の運動により肘が自然と後ろに引かれる、いわゆる骨盤後傾位の『悪い姿勢』ではこういった連動が行われない。

今回の受講で伸筋の重要性を改めて感じました。

今後スポーツ障害で来院する選手もそうですが、予防という観点から可能な限り自チームの選手たちにも指導をしていきたいと考えていますが、まずは自分で動けないと話になりません。
学ばせていただいた理論を頭に入れ、ドリルを継続し今後の活動に活かしていきたいと考えます。

松本 直

名前を見て、えっと思いました、私の名前と一字違い、『直』の読み方は、私と違って『なおし』と読むそうですが、それにしても、初対面から絶対に忘れない名前でした。

松本さんのような仕事をしている方が、西本塾を受講してくれた人の中で一番多いと思います、受講動機もそうです。

私がずっと言い続けているように、何年いや何十年たってもこの状況は変わって行きません。

そしてその疑問に立ち止まった時、正しく導いてくれる先人はいません。

そして私の話を聞いた後の感想は、まさに基本の基本、『人間の体はこうなっているから、その仕組まれたからくりに沿った使い方をすれば、こんなにも多くの選手が故障に悩まされることはない』という結論です。

難しい話など一切していません、私自身がが素朴に感じた疑問に対して、答えを誰かに求めるのではなく、自分自身が納得できるものを探し続けた結果が、それだったのです。

奇をてらった考え方でも、最新の理論でもありません、人間の体はそうやってできているのですから、それをシンプルに応用しているだけです。

だから私でもできるし、私が出来ることを他の人ができない訳がないと言っているのです。

それにしても固定概念、既成概念の壁は高く分厚いものです。

難しい理屈はさておき、肩の力を抜いて自分の体と対話することさえ出来れば、誰にでも分かることです。

私自身、少しずつではありますが、良い意味で力が抜けてきたように思います、そのことについてはまたいつか雑感として書いておきたいと思います。

お二人のそれぞれの分野でのご活躍を期待しています。

安心してスポーツに打ち込める環境を作るために。

来月、今年2回目の西本塾を予定しています、これまでたくさんの方が参加してくれました。
それぞれ受講の動機が違いますし、私に求めるものも違っています。

そんな中で、医療機関やそれに準ずる施設で仕事をしている方、またスポーツの指導者として、とくに育成年代を対象としている方々と接してきた中で、今日テーマにする部分はもっと声を大にして発信を続けなければならないことだと思います。

それは、大好きなスポーツの練習で、本来ならば防げるはずのケガや故障を起こしている子供たちがたくさんいるということです。

これまで参加してくれたサッカーの指導者から聞かれた声ですが、サッカーは他の競技に比べれば、指導者のライセンス制度が確立され、それぞれのカテゴリーに必要な知識や技術は、それなりに身についていることが前提となっています。

もちろん私はその講習会に参加したことはありませんが、私がここでお話ししているような、人間の体そのものに関する知識や理論、またはそれらに対する対応の仕方に関しては、まったくと言って良いほど学んでいないと言われるのです。

講習会を主催している団体に言わせれば、最低限のことはカリキュラムに入っているし、何よりサッカーを教えるための講習会であって、トレーナー的な分野まで専門的に指導することはできないということになると思います。

確かにその通りだと思います、しかし、現実として指導者としての活動をしていて、心ある指導者は子供たちのためにその分野の知識が必要だと思っているのです。

良い選手、上手い選手を育成したい、将来に繋がる指導をして、できればというか本音を言えば勝つことを目的として指導することは色々な意味で仕方がないことかもしれません。

それでも今回届いた受講動機を引用するまでもなく、工夫一つで防げたであろう故障に悩み、スポーツを離れて行く子供たちが本当にたくさんいるという現実に、もっと真剣に目を向ける必要があると思います。

私から様々なノウハウを学び取り、自分のこれからの武器にしたいという動機を書いてくれる人もいますが、子供たちのために今回テーマとした部分に関して真剣に考えてくれている人もいます。

ある方からの受講同期の中で『ブログに書かれた内容に関して感想は?』という項目に対して、

現在整形外科に勤めリハビリテーションの中でもアスレティックリハビリテーションを担当しています。
院に来る患者様も様々な方がいらっしゃいますが、最近強く思う事が、県内でも屈指の強豪校(特に高校サッカー部)選手のシンスプリントや下腿の疲労骨折の多さです。

話を聞くと、走る事が多くその結果痛みにつながるケースが多いように思えます。
自分の考えとしてもサッカーとは走るだけの競技では無く、あくまでも90分間常に頭を働かせながらボールを扱う競技であって、ボールを扱うために走らなくてはならない競技だと思っております。

そのため、ただ走るだけのトレーニングが本当に必要なのか疑問を感じると同時にその走りで怪我をし、さらにはプレーができないというのは本末転倒なのではないかと考えておりました。

そんな中、当院で以前西本塾に参加した事のあるスタッフから西本理論の話を伺い、ブログを拝見させていただきとても感銘を受け、是非とも直接ご教授願いたく今回西本塾に参加申し込みをさせていただきました。

また『現在あなたが行っている活動について、抱えている問題点は?』という項目に対しては、

現在整形外科に勤務しながらサッカーのジュニアユース・ユースチームにトレーナーとして帯同しております。
ジュニアユース年代のスポーツ障害(分離症やオスグッド等)が多発し、チームを長期離脱する選手が多くいます。

ユース年代でも、障害は減るもののパフォーマンスが上がらず、なかなか思うようにプレーできない選手も見られます。
私の中でジュニアユース年代のスポーツ障害予防・再発防止、ユース年代のパフォーマンスアップが1つの課題となっております。

こういうことが書かれていました。
「こういう問題は、自分たちが考えることではない、痛いところがあればそっちで面倒見てくれ」、そんなスタンスの指導者が多いと思います。

ならばそれを予防する方策を我々が提案した時、聞く耳を持ってくれるのでしょうか。

私がやっていた野球でも、どんなに痛いところがあっても指導者にそれを言うとメンバーを外されるのではと無理を続け、もうどうにもならなくなってからしか声を上げないという選手をたくさん診てきました。

小学生であろうとプロの選手であろうと、選手として成長するためには正しい方法で練習を重ねなければなりません。

その「正しい方法」という部分に、ぜひ「人間の体の仕組みに沿った」という概念を加えて欲しいのです。

そのことが、実はいわゆる技術を向上させるという意味でも、大きなカギとなるのです。
そのことに早く気づいて欲しいと思います。

実際に何年も指導を続けてきて、たまたま良い選手が多く集まってきたから、その代は強いチームができて、そうでないときにはそれなりにチームにしかならないという現実に、自分の指導者としての限界を感じるというか、これ以上どんな形で指導力を向上させたら良いのかと悩んでいたときに、私の提唱する「人間の体の仕組みに沿った使い方」という概念に出会い、そういうことだったのかと、興味を持って学んでくれる指導者がたくさんいました。

そのためにも私と同じ方向性で、人間の体そのものに興味を持ち、どうすれば大好きなスポーツに思う存分取り組んでいけるのかという問いに、きちんと答えられる人材を育てて行くことも、私に課せられた役割なのかなと思っています。

私に求められるものは多岐に渡りますが、その一つ一つに精一杯お応えしていきたいと思います。


8月、西本塾を行います。

不定期開催となっております「西本塾」ですが、今年2回目、通算24回目の西本塾を、8月26・27の土日に開催を予定しました。

詳細の確認及び申し込みは、「studio操」のホームページ内にあります「講習会情報」をご覧ください。

「深める会」も9月10日に1日開催で行うつもりですので、予定しておいてください。

西本塾の開催も数を重ねてきましたが、現在は私自身が伝えておかなければならないと思うことが明確になり、伝える側としての準備が整ったと思える状況になったときに開催するというスタンスを取っています。

もちろんこれまでもそうでしたが、ブログに書いた内容をもっと知りたい、また書かれたことを体験したいという気持ちで参加してくれる人に対しても、ただそれに応えるのではなく、文字では表現できない人間の体の仕組みやその使い方を知ってもらうために、毎回真剣に取り組んできました。

今回の募集は、初めて参加してくれる人が対象ですが、どんなジャンルの方が参加してくれたとしても、レベルを落とすことなく「正しいものは正しい、良いものは良い」と確実に理解してもらえるような会にしたいと思っています。

施術行為でもそうですが、スポーツ競技を行うに際して、それぞれの経験則が重視されることは当然のことです。

しかし、施術も競技動作の指導も、最終的には誰のために行っているのかということに尽きるのではないでしょうか。

施術であれば方法論を学び、自分が身につけた技術を誠心誠意行なっているということは当然というか基本的なことだと思います。

その行為を評価してくれるのは、誰でもない施術を受けてくれたその人しかいないのです。

先日もあるスポーツ選手が、自分の気になる部分の改善を目的に施術を受け、それを行なってくれるトレーナーの一生懸命さは十分伝わってくるのだが、施術が終わって「どうですか」と問いかけられたときに、目的とした部分の改善というか変化は感じられず、「ありがとう」としか返事のしようがなかったと言うのです。

自分の技術を発揮することで改善ができないのなら、もっと効果のある技術を身に付ける努力が必要です。

競技の指導者も同じです、自分の指導したことで選手の能力の向上がないのであれば、違う何かを探さなければならないことは当然のことです。

私は特定の競技や組織の監督でもコーチでもありません、しかし、選手個人の能力を向上させるという意味では、人間そのものを相手にする監督でありコーチであると思っています。

そういう意味で私は自分のことを「指導者」と呼ばれることに違和感はありません。

今中学生のプロ棋士「藤井4段」のデビュー以来の快進撃が話題となっています。
将棋や囲碁であれば、使用する駒は共通で、我々一般人が指す将棋盤や駒とは違う高価なものだとは思いますが、当然対局する二人が使うものは同じなはずです。

しかし、スポーツ競技では駒は生身の人間です。

監督の最終的な仕事は、与えられた駒の中で最も力を発揮してくれそうな手駒を選び、それを配して戦術を組み立て戦いに勝つことだと思います。

私の仕事はまさにその駒を磨くことです。

スポーツにおける監督という立場は、最終的に勝ち負けという結果に左右されるので、選手一人一人の能力を見極め、向上させていくというところまですべて一人で行うことは難しいと思います。

また、指導者からの目線と選手本人の思いにも、微妙なズレがあると思います。

過去の経験上ですが、選手の個性というか適性を決めてかかってしまい、能力の向上を認めてあげられないこともあったように思います。

選手の能力を見極め、向上できる余地はないかと分析し、それがあると感じたら一緒に向上する努力の方向性を指し示してあげるのが私のやり方でした。

その結果として個人の能力が向上し、チーム自体の成績にも繋がっていくわけです。

「自分はもっとできるはずだ」みんなそう思っています、しかし、身の程をわきまえない勘違いしていると一蹴されることがほとんどです。

それは何故か、「人間として持って生まれた能力という概念」や、それを発揮できるようになるための努力の方向性を指し示してあげることができないからです。

私が指導していることはとても基本的なことです。
ただこの部分をおろそかにしたまま、それぞれの競技動作の習得に励んできたため、砂上の楼閣の例え通り、伸び代が少なくなっているのだと思います。

私のやっていることに指導者が興味を示さなくても、「もっと上手くなりたい、このままでは終われない」と必死にもがいている選手たちは気付き始めています。

昨年3月に出版させていただいた「1回5分 体が喜ぶ健康術」ですが、一般の方向けの健康指南書として、私のこれまでの集大成としての考え方を網羅した内容で書かせていただきました。

その最後の章に番外編として、あるスポーツ選手のエピソードと題して、私のトレーニング論のさわりのような内容を加えさせていただきました。

この本がたくさん売れてくれて重版になることが条件ではありましたが、続編の執筆を前提に書いた一章でした。

A君としてありますが、前後の文章からサンフレッチェ広島の青山敏弘選手であることは、サッカーファンならすぐに分かったと思います。

一昨年、JリーグのMVPを獲得した大活躍は記憶に新しいところですが、スポーツ選手にとって過去はどうでもいいことで、今この瞬間に不安があると、明日の自分に大きな不安がのしかかってきます。

西本理論を知り、その効果を身を以て体験したからこそ、指導の継続という最も重要な部分がネックになっていました。

今私のいる場所と、チームの練習場や自宅との距離、その移動時間を考えると足が遠のいてしまうことも仕方がないこととだと思っていました。

しかし、あの頃の動きを取り戻せない自分に危機感を持ち、私と同じ感性と技術を身に付けた息子智志に白羽の矢を立ててくれ、現在二人三脚で復活に向けて努力してくれています。

これまで何人かのJリーグの選手が私の指導を受けにきてくてました。
「良いものは良い、正しいものは正しい」と心から思ってくれたとしても、「継続」のふた文字が選手の能力向上という、一番大切な目標に届かないことが現実でした。

智志にはしっかり頑張ってもらって、続編のトレーニング論の内容は私との合作になってほしいと思っています。

そのためにも重版になってほしいと思っていますので、改めて多くの人に本を買っていただけるよう、周りの方にも是非勧めていただきたいと思います。

私の理論による指導は確実に選手の動きを改善します。
この考え方を知り身に付けていく過程は、選手にとってとてもエキサイティングな日々だと思います。

小学生からトップ選手まで、私を信頼し期待してくれる選手に対して、私の全てを発揮してその期待と信頼に応えます。

来週また一人トップレベルの選手を迎えます。
大きな声では言えませんが、私から見るとまだまだです。

だからこそ迎える私の方がやりがいを感じています。
短い時間だとは思いますが、大きなお土産を持って帰ってもらう指導をしようと思います。

個人指導、そして今回募集を始める「西本塾」、私がやらなければならないことは結果を出させることです。
そして選手が結果を見せてくれることで、私の理論の正当性を広く知らしめ、指導者として学んでくれた人たちが胸を張って指導ができるようにしていきたいと思います。

もう私一人の問題ではなくなっています、自己満足ではなく、私が誰かの役に立ったと心底思えるように精一杯頑張ります。

声を上げることの大切さ。

私の愚痴というかボヤキが届いたのでしょうか、記事として紹介することを認めてくれなかった方から、手直しをしたので表に出しても良いという連絡が届きました。

この方も含めて、私から何かを学んだと思ってくれた人たちが、それぞれの環境に戻り、それをどう伝えどう活かしているのか、私が一番知りたいのはそこなのです。

同じようにこのブログを読んでくれている人たちも、まったく同じ気持ちを持っている方が多いこともわかりました。

正直この4年間で、私が経験してきたことからたどり着いた、体に対する知見や方法論は、既に語り尽くしていると言ってもいいと思います。

ではなぜ書き続けているかといえば、ブログを読んでくれたり直接指導を受けてくれた人たちが、どうやって私の理論に向き合い広める活動をし、それが上手く行ったり行かなかったりという苦労話を聞かせてもらうことで、私自身が進むべき方向や指導内容を修正していく、大きな学びを頂いているからです。

そういう意味も含めて、これから紹介する内容は大きな意味を持っていると思います。
読んでください。

<西本塾に参加して>
西本塾を二日間受講し,身体やトレーニングに対する考え方が変わりはじめました。
まず,私は「身体を痛いぐらい押したり揉んだりしなければ,効果はない」思い込んでいたので,西本先生の整体法は,新鮮でした。あの「からだほわっと」の整体を,年老いて腰が曲がった私の母にしてやりたいなと思いました。単に整体の手技だけでなく,相手の身体に「楽になって下さい」と心の中で呼びかけながら行うことが大切とおっしゃったことが一番心に残りました。
また,今までの走り方についての考え方も大きく揺らぎ始めました。「大腰筋等をしっかり使って,速く膝をたたんで前方に運んで,走る」というこれまでの指導方法について,西本先生に「それは誤りだ」と指摘されました。筋肉の「アクチンとミオシンの関係」や「357理論」,「骨盤と背骨を中心に」,「伸筋を使って」と説明していただいて,理屈の上では分かったつもりでしたが,長年信じてきたことを変えるのは,容易ではありませんでした。 他の受講者の方々の感想を読んでいると,「皆さん,よく理解しておられるな」を感心もしました。
今まで私は,「地面を蹴ろうとせずに走る,跳ぶ」「腕をできるだけ振ろうとせずに走る」「力まずに,踏ん張ろうとせずに運動する」と生徒に言い続けてきましたが,その手本を具体的に示せずにいました。講習会で,その具体的な練習方法や走り方を西本先生に教えていただいても,「これで実際に速く走れるのだろうか?」という疑問は付きまといました。
そんな私ですが,受講の翌日から,職場で同僚や生徒たちに,受講内容や西本先生理論の素晴らしさを,話しました。私が興奮気味に話していることは分かったようでしたが,「ふーん」,「本当に?」程度の反応しかありませんでした。当然と言えば当然です。私自身が曖昧な知識としてしか理解していないのですから。

<迷いながら,復習しながら>
そこで,さらに毎日,講習会の資料を読み返し,西本先生のご著書を読み直し,筋肉や骨について本で調べ直したりもしました。
操体法の6方向運動を,自分でも毎日行ってみました。すると,身体が「シャキッ」としたように感じ,毎日の便通も楽になりました。(大変失礼な話ですが,受講者のお一人が,身体や便通について似たようなことをおっしゃっていましたが,そのときは「本当にそんなことがあるのかな」と半信半疑で聞いていました。)
また,マイケル・ジョンソンの400mの走り方を毎日のように見ました。
さらに生徒や同僚に手伝ってもらいながら,西本先生理論を一つずつ身体で確かめて,どうしたら実践に役立てることができるのかを模索しました。生徒は,理論よりも具体的な効果を先ず示さないと,関心を持ってくれません。西本先生がおっしゃるように,現在の私の運動パフォーマンスでは,走ってみせても,生徒たちには何のことかよく分からないと思います。
実は,昨年度から,私は授業で,「疲れにくく,肩が凝りにくい座り方」を指導しています。「尾骨」を椅子に接触させないような座り方です。これが,西本先生に教えていただいた「背骨のS字」を意識した姿勢と似ていると思いました。
これなら応用できるかもしれないと思い,試行錯誤の末,西本先生に教えていただいた,背骨のS字を意識した「身体起こし運動」(私は,骨盤や背骨,広背筋を使った身体起こしだと理解しています)を,「通常の腹筋運動」と比較しながら,簡単な実験をさせてみました。
私は,日頃,生徒たちに身体の使い方を指導するときに,生徒自身で身体をチェックするために,腕をぐるぐる回させたり,前屈運動をさせたりして,身体の柔軟性を確認させています。また,立ったままの腕相撲や,掌を重ね両手を伸ばして互いに押し合う「押し相撲」などをさせて,どんなときに力が出やすいかを考えさせています。
背骨のS字を意識させた「身体起こし運動」と「通常の腹筋運動」をそれぞれ行ったあとで,これらのチェックをさせると,明らかな違いが現れました。
当然のことながら,「通常の腹筋運動」後は背中がやや丸くなってしまい,立ったままの腕相撲をすると,容易には相手に勝てなくなります。次に「身体起こし運動」を数回させてから同じ相手と腕相撲をすると,簡単に勝つことができました。さらに,腕回しや前屈運動をして比較しても,「身体起こし運動」をした後は,柔軟性が驚異的に向上していることが体感できたようです。
また,こんな例もありました。部活動のハードな練習で,両腕が痛くてほとんど上がらなくなり,前屈運動をしょうにもできなくなっていた生徒が,この「身体起こし」を5回しただけで,両腕がグルグル回り,前屈運動では床に両手が届きました。その後,再度「腹筋運動」を5回させたところ,また「また腕が痛くて上がりません,前屈ができません」と言い始めました。再再度「身体起こし」をすると,また身体の柔軟性が回復しました。
これらの効果に生徒たちは関心を示し,「なぜ,そうなるの?」「すごい!」と驚きの連続でした。数名の部活担当顧問の先生方にも同様の実験を行ってもらいましたが,生徒と同様の結果に「不思議!」「なぜ?」の反応でした。他の部活動の生徒も興味を示し,「力が強くなった」とか「身体が楽に動く」という感想を述べていました。
このことに興味を持った生徒2名に,西本先生流のランニングを教えてみました。まだ,私自身が完全にマスターしてはいないのですが,「背骨のS字を意識してテンションを保ち,手は振ろうとせず,脚を無理に前に振り出そうとしない」ことだけを教えてジョギングさせてみたところ,「今までの走りより,楽です」と言いました。その生徒は体育祭の練習でも楽に走れたと言い,競技会でも自己ベスト記録を大きく更新したのです。
また,他校の選手も興味を持ってくれたので,簡単にやり方だけを教えたところ,「楽に進みます,脚と腕の付け根があまり痛くなりません」と言い,競技会でも好成績を残しました
もちろん,どの生徒も日頃の練習を積み重ねているからの結果ですが,それにしても「西本先生メソッド」の効果恐るべし!です。このような生徒たちのおかげで,私も「西本先生メソッド」に対する確信が持てるようになりました。先生もおっしゃいましたが,まさに「教えることは,教えられること」です。
その後,本校の生徒男女5人が「あのトレーニングや走り方を教えてほしい」と申し出てきました。仲間が劇的に変化(進化)したので,強い関心を持ったのでしょう。まだまだ未熟な私ですが,生徒とともに学習しながら,西本先生の教えを実践していきたいと思います。

また,他校の先生の中にも,興味を示している若い世代の方もおられます。その方たちにが,西本先生理論に関心を持ってくださればと思い,西本先生のご著書や「Conditioning Studio 操」のことを紹介しました。

あと何年この仕事に携われるか分かりませんが,西本先生理論をもとにさらに学習し,生徒たちが怪我なく競技生活を送れるようにしていきたいと思います。
今後とも機会がありましたら,ご指導のほどよろしくお願いいたします。
(広島県 中学校勤務  安田 美喜雄)


さらに加えて、こんな文章も届きましたので、合わせて紹介します。

<昨日,TV放送を見た感想です>
TVで100mの吉岡隆徳さんや,山縣選手の特集を見ました。「山縣選手は以前よりスピードが上がったから,足首にかかる負担も大きくなり,故障した」という内容のコメントが流れました。確かにそれもあるでしょう。
しかし,彼の行っている「脚の切り返し」を速くするための「ラダー・トレーニング」や,走るときの「腕振り」を見ていると,「痛み」が伝わってきそうです。彼のトレーナーは,足を「ポン」と軽い感じで踏み下ろすように指示していましたが,「ラダー」は上手にやらないと,下ばかり見て背中が曲がり,足先で踏みつけたり,腿上げのトレーニングになりがちだと思います。
また,女子100mの福島選手の「割れた腹筋」を見て,多くの人やマスコミは「素晴らしく鍛え上げられた身体」と絶賛します。本校の生徒の中には,「福島選手のようなお腹になりたい」とか,「お腹に貼っている,あの丸いテープが欲しい」と言うものまでいます。 しかし,「あの腹筋だから,故障しやすいのでは?」と思ってしまいます。両者とも,素晴らしい選手であり,子どもたちの憧れであり,真似をする対象になっているので,考えさせられます。

<中国新聞 5月29日付け>を見て
広島県高校総体陸上競技男子200m1位の選手のコメントの中に,「高校2年生の秋、体の力を抜き,リラックスして走るとどんどん記録が伸びた」とありました。その前の100mは,腰痛もあったらしく,やや硬い走りでしたが,「リラックスして速く走る」というのは,これからの私たちの課題だと思います。
私も二日間この総体を見てきましたが,多くの選手が「力いっぱい頑張って,前方に脚や膝を出して,腕を前後にしっかり振って,苦痛に顔をゆがめながら」走っていました。
西本先生の理論がもっと現場に浸透して,選手たちが故障なく競技人生を過ごせるようにしていきたいものです。


いかがでしょうか、安田さんは私よりも年長で、西本塾でも実技の時間には、正直ついてこられないというか、生徒たちにお手本を見せられるレベルには程遠い状態でした。

これでわかったような顔をして指導されたら、生徒たちがかわいそうだと思いました。

しかし、文面の通り思考錯誤しながら私からの学びを伝えようとしてくれています。

座学でお話ししたことに関しては、よく理解してくれていると思います。
細かいところは言いませんが、私の話を聞いた人たちなら頷いてくれるところが何箇所もあったと思います。

それは取りも直さず、目の前で故障に悩む生徒たちを思う気持ちからです。

自分の学びで足らなければ、そして指導される側も満足できないのなら、直接私のところにくればいいだけのことです。

今の所そこまでのアクションを起こす選手や指導者はいないようです。

例えば学校の生徒や指導者を相手に、本気で学ぼうという意識がない人も含めたところへ出向いて行っても、私の思いは伝わらないと思います。

覚悟を持って真剣に学ぼうという気持ちのない人には、もう教えたくありませんから。

私から学んだ視点を持つと、今まで何気無く見過ごしてきた現象や記事を見ても、感じるところが違ってくると思います。

これからもしっかりと「正しいものは正しい、良いものは良い」と言い続けてください。
記事をの掲載をお許しいただいきありがとうございました。

ついでと言ってはなんですが、西本塾生でご自身も長距離ランナーの、私と同性の西本さんからもコメントをいただいたので紹介します。

広島県の県北で行われた64キロメートルを走るトレイルランニングの大会に参加した時、私が指導した走り方を実行するランナーに出会い、声をかけて話をしたところ、1年ほど前に個人指導を受けにきてくれた岡山の西山さんという方だったことがわかったそうです。
こうして色々なところで、同じ感覚を共有する仲間に出会えたことは、私の活動もけして広がっていないなどということはないのですね、とても嬉しい報告でした。
以下、少し端折って紹介します。

トレイルランニングは急勾配の登り坂などは走れないことが多いのですが、プロのトレイルランナーからの伝え聞きで、ステップを踏むように登るといいという教えも聞かれて、西山さんはまさにアイドリング状態をキープして実践されていたように思います。
私は、それをすると脚は楽なのですが、心肺的に苦しいので前かがみになって、足ををあげてよっこいしょとなりがちな登り坂でも背中のアーチを保って、広背筋で骨盤・股関節を上下に動かしてサッサッと登ってます。

勝手な解釈になっているかもしれませんが屈筋の意識を消して、比較的ゆっくりとした動作でも西本理論を生かしているつもりです。
登り坂では勾配がきつくなるほど、よりアドバンテージを感じることがあり、高齢者にも流行している登山にも生かせる場面もあるのではないかと思っています。

息子を通じて教わった西本理論ですが、今後も自分の活動に生かしていきたいと思いますし、息子も陸上以外でも根底には残っていますので、ずっと生かしてくれると思います。身体のことですが、知的財産になっていると思います。

ちなみに64kmもの距離のトレイルランニングの大会の後ですが、西山さんは今週末には福山市で開催されるトライアスロンに出られるそうです。
近いので、最近トライアスロンもいいなとつぶやいてる息子と応援に行ってみたいと思っています。


私自身もちろん感じるところがあって、これからの指導に生かしていけるヒントをお二人からたくさんいただきました。
私よりも読んでくれている皆さんにとって興味深い内容がたくさん書かれていたと思います。

これからも私に縁があった皆さんには、自分の中だけで収めて置かず、どんどん近況報告をいただきたいと思います。

西本塾生で、その後個人指導にきてくれる人もいますが、その都度の個人的な感想やお礼のメールやメッセージをいただくことは嬉しいのですが、それこそ自分がどういう目的で私のもとに通い続け、何を感じ何を得ているのか、私に対してではなく多くの読者に対して発表してほしいと思います。

とにかく「正しいものは正しい、良いものは良い」と心から思ってくれたのであれば、正々堂々と声をあげ周りに広げてください。

そのためにみなさんは私の元を訪れてくれたのでしょうから。

私もまだまだ頑張ります、みなさんも私以上に頑張ってください。

今年2回目の西本塾を8月26・27の土日で開催を検討しています、詳細は後日になりますが、参加を希望の方は日程の調整をお願いします。


プロフィール

Author:西本 直
1993年、Jリーグサンフレッチェ広島を皮切りに、社会人野球三菱重工広島・協和発酵・ヴィッセル神戸・川崎フロンターレ、そして広島カープ佐々岡真司投手など、プロアマ問わず競技レベルのスポーツ選手から一般の方まで、トレーニングやメンテナンスの指導を行ってきました。
その経験と知識の蓄積を「西本理論」としてまとめ、一人でも多くの方に実践していただくことが、これからの私の使命であると信じ、このブログから発信していきます。
私の理論はスポーツ選手のみを対象としたものではなく、ビジネスマンや家庭の主婦まで老若男女すべてに当てはまる不変のものです。
指導や講演のご依頼も受け付けています。
実名でツイッターも書いていますので、チェックしてみてください。
また、2013年9月9日にConditioning Studio 操をオープンしました。
また、遠隔地にお住まいの方を対象とした動き分析とアドバイスを行っています。
詳細は「スタジオ操」のホームページ内の「遠隔サポート」をご覧ください。
「第25回西本塾」を11月18・19日の土日に開催を予定しています。
詳細はStudio操ホームページ内の「講習会情報」をご覧ください
尚、深める会も12月10日に予定しています。

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