硬球の音、黒土の香り、野球のグランド良いです!

ここ最近の私の仕事は、なぜかサッカーに関わることが多く、私自身の原点である野球に関わることがほとんどなくなってしまいました。

そんな中、以前指導させてもらっていた三菱広島の元選手で、現在香川県立飯山高校で体育教員となり、そして昨年の4月から念願の野球部の監督を務めている上田将人君の指導の手伝いに行ってきました。

上田君とはまさに親子ほどの年齢差がありますし、高校生たちから見ればかなりの年齢差がありますが、こと野球に対しての私の情熱や厳しさは上田君も十分承知していますので、選手たちの指導を受ける態度が、私が要求しているレベルになるまでは、私を呼べないと思っていたようでした。

約一年の指導を経て、やっとその準備が出来たということで今回の指導が実現しました。

以前野球に関わっている頃の私は、一切の妥協を許さないというか、練習に向かう姿勢や態度を含め、野球部員として行動しているすべての瞬間に厳しく接してきました。

私の仕事はチームを勝たせること、その一端を担うからには選手に対してはもちろんですが、自分に対してもそれ以上に律することを課してきました。

そんな私のイメージが強い上田君ですから、選手と言うより高校生としての生徒たちの日常を見ているだけに、指導に来てもらいたいけれど、選手たちの態度を見て指導以前の問題だと、私に切り捨てられるような状態から始まった監督としてのスタートに不安の方が大きかったとのだと思います。

午前8時30分から午後5時まで、1時間弱の昼食をはさんで、とにかく色々なことを伝えてきました。

ボールを投げる、バットを振るという基本動作ですが、この動きの中にこそ人間の体の仕組みが凝縮され、ボールとバットと言う道具の特性をきちんと理解しなければ、どんなに苦しい練習を繰り返しても野球が上手くなることはないということを、まず伝えることから始めました。

細かい説明は出来ませんが、ボールを握る時、小指の役割を考えている選手はほとんどいないと思います。

その小指をどう意識してどう握るかによって、ボールの質が全然違ってくることや、手首のスナップや肘の使い方以前に、股関節から背骨を介し、肩甲骨をどう動かすかで肩から肘そして手首の動きが決まってしまうことなど、選手たちはまったく考えてもみなかった視点で、人間の体の動きを考えてもらうきっかけになったと思います。

もちろん私自身がそれを表現できなければならないと話にならない訳で、そのために一ヶ月間普段以上に真剣にトレーニングを重ねてきたという訳です。

今回改めて気がついたというか、今私が指導している走るという行為の体の使い方は、90分間頭と体を動かし続けることが出来る能力を獲得してもらうために、主にサッカー選手の動き改善を目的として整理して行った考え方でした。

野球の場合は瞬間的な動きばかりで、2時間半の試合時間になったとして、選手一人が瞬発力を発揮しなければならない時間を合計しても数分にしかならないという特殊な競技です。

自分で言うのも変な話ですが、野球選手に対してこの走り方を指導することに、私に与えられた貴重な時間を割くことが、はたして選手にとってメリットのあることなのかと考えていました。

しかし、ウォーミングアップから見ていると、あまりにも屈筋に頼った力任せな動きが目立ち、効率的な走り方を身に付けさせなければ、野球以前の基本的な運動能力を高めるために行っているトレーニングが、逆に彼らの体の正しい動きを阻害していると感じました。

動きの硬さや力みが、投げて打ってのすべてにつながり、まさに力任せのプレーが目についてしまったのです。

やはり運動の基本は走ることです、自分の体を自分の思ったように操ってこそ、効率的な走りができます。

その基本の部分で力むということでしか筋力を発揮できないで、それぞれの競技動作に効率的とか柔らかさなどというイメージなど求める方がおかしいのです。

更に驚いたというか、もう何年振りか分かりませんが、ベースランニングを行ってみました。

私の軽やかな走りを選手たちにアピールすることが目的だったのですが、その際に自分が真剣に野球に向き合っていた学生時代に指導された、ベースの手前で外に膨らむというラインを描かなくても、ベースを結ぶ直線の上を真っ直ぐに走って、角を曲がるときに肩甲骨の縦の動きを大きくして、曲がりたい方向、と言ってもベースは左回りしかありませんが、目線というか顔を行きたい方向に向け、体の軸を内側に倒しだけで、ほとんど外に膨らむことなく、自分では真っ直ぐに走っているような感覚のまま1塁2塁3塁と駆け抜けて行くことが出来たのです。

ずいぶん前に香川慎司選手の動きを振り子ドリブルと勝手に呼んだことがありましたが、まさにダイヤモンドの内側に体の軸を倒すだけで、振り子のように90度のコーナーを回って行くことが出来ることに、私が一番驚きました。

もちろん私なりですがそれなりのスピードで走っていますから、この感覚を知らなければ真っ直ぐベースに向かって行けば、次のベースに対してはかなりの大回りとなったはずです。

それがいとも簡単にというか、とても90度曲がって行かなければならない正方形のコースを走っているとは思えない滑らかなコーナリングが出来たのです。

サッカー選手が状況に応じて、「ダッシュしながら自由に方向を変えられるようになった」、と言ってくれることとまったく同じことです。

これも自分で走ってみなければ、こういう感覚にはならなかったと思います。

最初は変な走り方だと笑っていた選手たちでしたが、自分がやってみると分かるのです。

世の中のの99.99・・・・%、私が指導した人以外のほとんどすべての人から見れば、確かに変な走り方かもしれません。

しかし、一度体が効率的で楽な走りを知り、こちらを選んでしまったら、もう以前の走り方には戻れないのです。

なぜかって、体の負担が無駄に大きくしんどいからです、誰でもそう感じるのです。

おそらく彼らもなんだその走り方と笑われるでしょう、事実午前中グランドの半分を占拠して練習していた男女のグランドホッケー部の選手たちからは、私の走り方を見て笑い声が聞こえていました。

選手たちにはこう言いました、「見とけよ、そのうち僕の指導を受けた選手たちがメジャーなステージで活躍するようになって、あれどこかで見たは走り方だなと思った時に、野球部の選手たちが似たような走り方を指導されていたような・・・」という時が来るからと。

固定概念などなんの意味も持たないのです、今この瞬間自分の体がどう感じるのか、それがすべてなのです。

部員数は15人と少なく、野球のレベルも香川県で甲子園を目指すとはまだ言えないと謙遜していましたが、そう聞いていたせいもあってか、私が想像していた以上に選手たちのレベルは高かったと思います。

もっと近くだったら、今年の夏このメンバーで甲子園を本気で目指せるようなチームに出来るように、応援してあげられるのにと少し残念です。

何と言っても、私が人生で最初に描いた夢は高校野球の監督になって甲子園に出場することでしたから。

ここからは上田君の指導者としての手腕に期待です!

今日は定休日でしたので、午前中にゴルフの練習に行ってきました。

隣の打席、背中側で練習している方ですが、アイアンがことごとくだふって、ボールではなく手前のマットを叩くドスンという音ばかりが聞こえてくるのです。

練習場では他の方に声をかけるのは嫌がられるのですが、あまりにもそれが続くので、少しスイングを観察してから声をかけてみました。

「私は特別上手なわけではない月一ゴルファーですが、気になるポイントがあるのでよかったら聞いてくれませんか」、と。

30代半ばくらいの男の方でしたが、よほど悩んでいたのか素直に頷いてくれました。

私が指摘したポイントはこうです、まずアドレスした時に左腕とシャフトに角度が付きすぎていて、左腕とシャフトに角度が付きすぎていて、いわゆるハンドファーストのインパクトにならないこと、そしてボールを見る目線が、右目でボールの手前を見ていることです。

これではクラブを振る時に振り子の中心が当然ボールの後ろになるため、スイングの最下点がそこになります。

人間の体はよくできていた、手前を叩きそうになるので左肩をあげて、ヘッドのリ-ディングエッジをボールの下に潜り込ませようとするので、右肩が下がり、更に手前にヘッドが落ちて「ドスン」と言うことになるわけです。

まずやってもらったのは目線です、ボールを見るのではなく、ボールの左側を右目ではなく左目で見てくださいと、たったそれだけで振り子の中心が左に寄りますから、当然ですが最下点が左になって、だふるどころか「カツン」と乾いた音とともにロフト通りの高さのあるボールが打てたのです。

これにはその方もびっくりしていました。

後は右肩が落ちる癖はアドレスのグリップの位置に問題がることを指摘し、私が最も得意とする自然で再現性のあるポジションを探してもらいました。

暫くすると若さと体格にも恵まれていた方でしたので、私より良いボールを打てるようになっていきました。

この話は私がゴルフが上手いとか下手とか、正しい動きを知っているというレベルの話ではありません。

正しいことを知っている人はたくさんいますし、この方の間違い探しができる人もたくさんいるでしょう。

その方自身がそのことを何度も指摘され気付いていたからこそ、悩み続けてきたのです。

なぜ言われていることが出来ないのか、形の問題ではなく、現状その方の体の使い方がどういう意識で行われているのかという、その方の立場になって問題点を洗い出さなければならないということです。

「自分がやっていたことは、自分でも気づかなかったけれど、言われてみればそういう意識が強すぎたかもしれない」、そこに気付いて初めてではどういう意識に変えなければならないのかとい段階に入って行けるのです。

それが分かると、極端に言えばクラブの振り方のことなど何も変えなくても、勝手に動きが変わってしまうのです。

その方の意識がどうなってそういう動きになっているのか、人間の意識を見極めることがどうやら私の特技のようです。

昨日は、まるで同じことを高校生たちを相手に行ってきたという訳です。

バッティングゲージの後ろに立って、彼らのスイングを見ているだけで、彼らがどういう意識で体を使っているのかが分かるのです。

ピッチャーが投げている姿を見て、なぜ自分の思い描く理想のフォームにならないのかが分かるのです。

それを相手が分かるように、形ではなくどういう意識で体を操ればいいのかを、伝えてあげるのです。

一度や二度の指導で分かった出来たはあり得ません、しかし、高校生たちも今朝のゴルファーの方も、それぞれの人間の体にとって効率的な動かし方があるということを知ったのです。

知らないままと知ったことは、天と地ほどの違いがあります。

昨日練習の最後に選手一人一人が感想を述べてくれましたが、私が一番伝えたかったことは、細かい技術のことではなく、「プロ野球選手たちですら知らないことを君たちは今日知ることが出来たんだよ、周りの強豪校の選手たちに臆することなどまったく無い、今の時点で自分が出来る出来ないは別として、こいつらきっと知らないんだろうなって、上から目線で他のチームを見るんだよ」、と言って帰ってきました。

彼らはプロ野球選手を目指して飯山高校に入ってきたわけではないでしょう。

しかし、彼らは運よく社会人野球の聖地、東京ドームでの全国大会まで経験した、そして私の一番弟子のように真剣に学んでくれた上田将人という監督のもとで野球ができるのです。

そして今回直接私の指導を受けることも出来ました。

他の学校に入っていたら経験できない色々なことを上田君から学ぶことが出来ます、私も後方支援で入れ知恵をして応援して行きます。

いつか彼が甲子園出場を決めた時、もちろんベンチには入れませんが、スタンドでその雄姿を見たいと思っています。

また一つ楽しみができました!

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高校球児の指導に行ってきます。

昨日Jリーグが開幕し、地元サンフレッチェ広島も今日ホームで開幕戦を迎えます。
新監督のもとどんな戦いを見せてくれるのか、楽しみにしています。

今日はその試合観戦ではなく、午後から香川県坂出市にある、『香川県立飯山高校野球部』の選手たちを指導させてもらうために出張してきます。

この野球部の監督をしているのは、以前関わった社会人野球三菱重工広島硬式野球部の選手だった『上田将人』君です。

広島大学出身で、野球部を引退した後、会社を辞めて香川県の高校教員になっていました。

希望する野球部の顧問にはなかなかなれませんでしたが、昨年の移動で念願の監督就任となりました。

新任監督ですし、香川県出身者で母校の監督ということでもなかったので、いきなり強豪校という訳には行きませんでしたが、監督就任の連絡をもらった時に、こういうチームを強くすることこそ、指導者としての手腕が問われ、将来に向けて良い経験になると激励しました。

彼が指導者になったら必ず手伝いに行くという約束を果たすために、今回の坂出行が決まりました。

彼の身体能力は私がこれまで見てきたスポーツ選手の中でもトップレベルです、ただそれだけでは野球という競技で活躍することは出来ませんが、とにかくもっと早い段階で出会っていたらと思わせてくれる選手でした。

私は会社員を辞めてこの仕事に就いてから、目標というか、こういう立場になりたい、こんな環境で仕事をしてみたいという目標を持ったことがありませんでした。

それが何の縁か、勝負の世界に足を踏み入れ、トレーナーと一括りにされてしまう仕事ですが、常に自分の能力がチームの成績に、そして個人の能力向上にどう貢献できるか、結果責任を自分に課しながら仕事をしてきました。

一言で言えば、自分が関わったチームや選手を絶対に勝たせることが、最大にして唯一の目的でした。

そのために私は本当の自分がどういう人間であるにせよ、結果を求めて行くうえで、その環境の中で最良の自分を演じてきたように思います。

もちろん一般の方に対しての仕事もしていますが、スポーツに限って言えば、そういう世界を離れ様々な年代、様々なレベルの選手を相手にしてするようになって、与えられた役を演じるのではなく、やっと自分らしさを素直に表現できるようになってきたように思います。

自分のやってきたこと、考えてきたことは間違っていなかったと、自信を持って言えるようになったからかもしれません。

トップレベルの選手たちに対して、もう一工夫すればもっと良い動きが出来るようになるのにと、自分の考えていることが伝わらないことに苛立ちを感じることもありました。

しかし、選手たちの成功も失敗もすべては自分が選んだ結果であって、私の言うとおりにやったことで結果が出たとしても、本人にとってそれが納得いくものであったかどうかは分かりません。

その時には分からなくても、いつか私の言っていたことはそういうことだったのかと、分かってくれる時が来るかもしれないし、来ないかもしれません。

すべてはその時その瞬間の本人の判断しかないのです。

私に出来ることは、最良のアイデアを常に提示できるように準備しておくことです。

この5年間、それまでの人生のどの瞬間よりも自分の中での成長というか変化を感じてきました、それは今も継続中です。

今回高校球児の指導にあたって、私が何を伝えてあげなければならないのか、彼らが私という人間にこのタイミングで出会うということは偶然ではなく、ある種必然だと思います。

たった一日の指導で何が変わるか、野球が上手くなるのか、普通に考えればそう思われることでしょう。

私が変えられるのは、彼らの野球に対する取り組み方です、意識を変えてあげることです。

もちろん口先だけの精神論ではありません。

意識を変え取り組む姿勢が変わっただけでは、はっきり言って何も変わりません。

私が伝えたいことは、野球が上手くなるために、チームとして成長するために、絶対に知っておかなければならない『原理原則』があるということです。

野球という競技がどういうものなのか、ボールを投げるグラブを使ってキャッチする、バットも持ってボールを打つ、そして走る、言葉で言えばたったこれだけのことですが、静止した状況からプレーが行われ、局面ごとにやらなければならないことが明確であるという、ある意味特殊な競技です。

それを分かっているか、そしてそれが出来るか出来ないか、それがすべてです。

ラグビーのように、楕円形のボールがどっちへ転がるかによって局面がガラッと変わってしまうなどということはまずありえません。

だからこそ投げる・捕る・打つ・走るという基本動作の意味を明確にして、それぞれの体の動き方使い方という部分を磨いていく以外に、勝利という目標には近付けないのです。

また、昔か言われてきましたが、プロ野球選手に成ったような、子供の頃から飛び抜けた才能を発揮していた選手でさえ、あの選手がもし故障をしていなければ自分よりもっとすごい選手に成っていたと思う、などと言われる選手がたくさんいました。

そういう選手たちが志半ばにしてなぜ夢破れてリタイヤして行ったのか、すべては指導する大人と、過大な期待を背負わせる保護者をはじめとする、やはり大人の責任だと思います。

なぜ故障をしてしまったのか、上のレベルで活躍するために様々なことを要求して指導するのでしょうが、その前に人間の体の仕組みに沿った正しい体の使い方という視点からの指導をきちんとしていたのでしょうか。

過去プロ野球の選手にもかかわったことがありますが、私の言う正しい体の使い方を理解している選手は一人もいませんでした。

高校生たちにとっては、入学してからたった二年半の野球部員としての生活です。

こうすればこうなるよと言う明確な目標なしに、やみくもに長時間練習しても結果が出るわけがありません。

地方大会の一回戦で敗れるチームも、甲子園の舞台で最後まで勝ち残る選手も、その後生涯スポーツとして野球に親しむ選手は一握りだと思います。

親になって自分の子供に野球をやってもらいたいと思った時、野球が大好きになって一緒に上達を目指してくれる環境を作るためにも、野球ってこんなに楽しいんだよ、でもこういう基本を知っていないとケガもするし上達することも難しいんだよと、一緒に考えてあげられる基礎を高校生の時に身に付けて欲しいと思います。

これは野球に限ったことではありません、どんな競技であっても同じです。

既に言われている超長寿社会、元気で長生きするためには、自分の体に対する知識を持っていなければなりません。

トレーニングひとつとっても、色々な考え方が言われていいますが、私は体をどう使うか、その前に人間の体の仕組みがどうなっているか、若い頃にそれを知っておくことが将来にきっと役立つと思います。

もちろん具体的な体の使い方等、一日だけの指導でも効果を実感できる上達法など、盛りだくさんの内容を考えています。

何と言っても私の原点は、自分自身が野球選手として結果を残せなかったことですから。

今の私のような人間が身近にいて指導してくれたら、どんな選手に成れたのだろう、そんな思いを持ってくれる選手に対して少しでも役に立てる指導をしたい、その思いはずっと変わっていません。

なぜかサッカー選手の指導がメインになってしまっている私ですが、真剣に野球に打ち込んでいた頃の自分に戻って、高校球児と一緒に野球を楽しんできたいと思います。

明日の天気が少し心配ですが、テンションを上げて元気に動き回ってきます。

今回の指導に備えて、動きづくりのトレーニングに加え瞬発力と、途中で息切れしないように筋持久力を高めるトレーニングを加え、一か月間強化月間として取り組んできました。

高校生に負けない動きが出来る準備が整っています、明日の指導が本当に楽しみで、今からすでにワクワクしています。

ボールを投げるという動作について、プロ野球の投手に望むこと。

今日は定休日、いつもならゴルフの練習に行くことが多いのですが、今日は昨日買ってきた本を集中して読みたいので、家で過ごそうと思っています。

と言ってもゴルフの本なのですが、これまで読んだものとは一味もふた味も違うもので、昨日少し読みましたが、まだまったくイメージが湧かないほど難解なものです。

ここはひとつ腰を据えてじっくり読んで、私の動きづくりの理論にもヒントを頂けるのではと期待しています。
内容に関しては、私自身が理解できたら改めて記事にしたいと思います。

さて、あまり真剣には見ていないのですがプロ野球はセパ両リーグとも意外な展開で終盤を迎えています。

まずはパリーグですが、前半戦あれ程の強さを見せたソフトバンクホークスが、ここへきて失速し、日本ハムファイターズとトップを争うという予想だにしなかった展開を見せています。

そしてセリーグですが、地元広島カープが、それこそシーズン前に誰も予想しなかった快進撃を見せ、マジックナンバーが点灯した後も順調に数を減らして、25年ぶりの優勝へのカウントダウンが始まっています。

そんなカープファンも、長嶋巨人の時代に、同じくらいのゲーム差をつけて独走かと思われたシーズン後半に大逆転を喫し、メークミラクルという言葉で語り継がれることになったという苦い経験があるようで、常識的に見てももう大丈夫だろうという時期になっても、なかなか大きな声で「優勝」の二文字を口にするのを控えていたようです。

さすがにここまで来ると間違いないでしょうから、今、広島の街はカープが優勝したら何をしたら良いのだろうと、各方面で準備に余念がありません。

何せ25年振りのことですから、当時のことを知らない人の方が多いくらいになっています。

私が広島に移り住んだのはその後ですし、とくにカープに興味もなかったので、優勝どころかAクラスに入ることも珍しいカープが当たり前だと思っていました。

現在2軍の投手コーチをしている佐々岡真司君のパーソナルトレーナーとして9シーズンを戦いましたが、あくまでも個人の仕事であって、チーム全体の心配までは関知する立場にはありませんでしたし、優勝などという言葉とは無縁の9年間でしたから。

それが昨年までのカープとは全く違うチームになったように、選手と首脳陣そしてスタッフが、毎試合活き活きと戦うチームに変貌してしまいました、テレビの画面からでもその雰囲気は十分に伝わってきます。

中でも逆転勝ちの多さは群を抜いており、テレビを見ていても多少の失点は相手に対するハンデキャップというか、先行された方が試合そのものが面白いと感じるほどの強さを見せています。

ここでそのカープの強さに迫るのが今日の目的ではありません。

相手のチームがなぜこうも簡単に逆転を許してしまうのかという問題です。

先日の中日戦でも、接戦を戦い延長戦に入った10回表2アウトランナーなしから、まさかの7点を奪いそのまま裏を押さえての勝ちゲームという試合でした。

カープの打撃陣が凄いと言えばそれまでなのですが、後アウトを一つとればチェンジという場面から7点も取られてしまう中日の投手陣は何をしているのかということです。

これまでもボールを投げるという動作に関して何度か記事にしてきましたが、改めて私の考えを書いておきたいと思います。

投手が打者に対してボールを投げるという行為は、打者が見逃しか空振りをして三振に取るか、打ったボールがフライとなってノーバウンドで野手が取るか、ゴロを打たせ状況次第ですが、野手から野手への送球でアウトを取ることが目的です。

スピードがあるに越したことはありませんが、けっしてスピードガンコンテストをしているわけではありません。

では打者をアウトにするための投球動作とは、どういう要素が考えられるのでしょうか。

ピッチャープレートとホームベースの間は、18.44mと決められています。

その距離で向かい合うことに関してはすべての投手平等な条件です、ただ160㎝の身長の投手と2mを超すような投手では、打者から見える距離感はまったく違うものになることは当然のことです。

まずはその距離間の問題です、何をもっての距離感か、それは投手の指を離れた位置の問題です。

解説者の言葉でよく聞かれる「リリースポイントが打者に近いとか、この投手は球持ちが良い」と表現される問題です。

打者は投手の指からボールが離れたところから、自分のヒッティングポイントまでを目で追う訳ですから、その距離が短ければ短いほど打ちにくいということになります。

さらには現代野球では何種類もの変化球が存在しますので、その判断にも影響してきます。

そして究極の変化球である直球、最も空気抵抗を受けずに初速と終速の違いの少ない、いわゆる伸びのある速球を投げるためには、ボールが指から離れるリリースに瞬間に、どれだけ多くの回転をボールに与えられるかが勝負となります。

そのために必要な要素がまさにボールを長く持ち続けるということになります。

スナップを聞かせるという表現がありますが、手首のスナップは手首関節の屈曲動作ではなく「内旋運動」がその仕事を行います。

肩から肘手首と、それぞれの関節が内旋動作という目的のために連動して、初めてボールに強いスピンをかけることができます。

投手が投球フォームを作って行くうえで、究極の目標となるのはこの動作です。

1センチでも1ミリでも、打者に近い所でボールを離す、それが結果として打者から見て、リリースポイントの直前までボールが投手の後ろ側に隠れ、見えた瞬間に自分に向かって飛んでくるという、最も打ちにくい投球動作でありボールになるということです。

その感覚が身に付いた投手ほど、当然ですがコントロールも良くなります、手首を小指から振出し手のひらが内旋する瞬間にボールが指を離れて行くのですから、肩肘手首と目的とするコースに向かって振り出していけば、そこに投げ込めない訳はないのです。

ではなぜその当たり前のことをプロの投手たちは出来ていないのでしょうか。

動作解析とかいうものも導入され、正しい体の使い方を指導しているという人も増えてきました、にもかかわらず日本のプロスポーツの最高峰と言われ、歴史もあるプロ野球の投手たちがいまだにそれが出来ないのです。

過去に指導した選手たちも、その事実は理解してくれたとしても、最終的に肩肘手首が内旋運動をしてくれることができるようになるための、一連の体の連動動作にまでは目を向けようとしません。

私が指導したらすべての投手が同じフォームになるという意味ではないのですが、自分がこれまで作り上げてきたと思っているフォームを見直すことなく、最後の最後の手先の部分だけを直そうとしてもできるわけはないのです。

そのために必要な各部分の意識、そしてそれを統合し連動させるためのドリルなど、地道に取り組むことなく、分かったような気持ちになってしまう選手が何と多かったことか。

こんなことを私が書いても、プロ野球の投手たちは私の指導を受けてはくれないでしょうが、サッカー選手の体の使い方も同じで、こうすればこうなるのにというはっきりとした方法論を既に持っていて、過去にそれを結果として示してきたにもかかわらず、私の理論や方法論が広まって行かないことにいら立ちすら覚えます。

野球の場合は、打者との駆け引きや配球といった問題もありますが、根本的な問題はいかに打者の近くでボールを離せるか、しっかりとしたスピンをかけられるか、その基本の上に他の変化球があるのです。

そこが分かっていないから肩や肘を痛めて戦線を離脱したり、たった一つのアウトが取れないままに7点も取られてしまうことになるのです。

本気で自分を変えようという選手はいないのでしょうか、私から見れば本当にもったいないと思う選手がたくさんいます。

すべての関節の6方向への連動性を十二分に発揮して、それぞれの競技動作に必要な動作を作り上げていく、野球の投手は試合の勝ち負けを決める80パーセント以上の責任を負っているはずです。

もっと本気で覚悟を持って自分の仕事に向き合ってほしいと思います。

もう間もなくカープの優勝が近づいてきます、25年ぶりの優勝、広島の街はどんなことになるのでしょうか。

それにしても今日の夜放送の「NHKプロフェッショナル」に登場する、サンフレッチェ広島の監督である「森保一」という男、2部降格阻止を期待され監督を請け負った彼が、どうやって4年間で3度の優勝に導いたのか、個人的な友人でもある彼の秘密を今日は是非見せて欲しいと思います。

セリーグ6チームの中で25年間も優勝できなかったカープと、18チームがひしめくJ1リーグで、優勝を重ねるサンフレッチェ広島というチーム、広島ではどうしてもカープの扱いが大きくなりますが、全国の皆さん、野球が好きサッカーが好きとかいうことを超えて、森保一という人間をもっと評価して欲しいと思います。

バットスイングはダウンかアッパーか。

今日のスポーツナビのサイトの中にスポーツ報知の記事があって、セリーグの打率首位に立ち、ホームランの数も自己最多ペースで量産している、巨人の坂本勇人選手のバッティングがどう変わったのかという記事を読みました。

昨シーズン終了後、昨季216安打の日本プロ野球記録を樹立した、西武の秋山翔吾選手と打撃論を戦わせたことが大きなきっかけとなったことが書かれていました。

秋山選手は高校卒業後プロ入りし、それなりの成績は残していましたが、肘の手術をきっかけに何かを変えるなら今しかないと取り組んだ打撃フォームの改造が功を奏し、昨年は素晴らしい成績を収めたことも書かれていました。

その記事をきっかけに、私は野球好きの三男と一緒に、秋山選手そして坂本選手の動きがどう変わったのか、そしてなぜそれが結果に結びついているのかを分析してみました。

その変化を一言で表すと、いわゆる「ダウンスイング」から、バットの軌道を「アッパースイング」に変えたということでした。

言葉で言うとあっさりしたものになりますが、野球を経験したことがある人のほとんどは、バットのヘッドは上から下へ切るように振れと教わったと思います。

右打者であればバットは自分の右側で、基本的には肩よりも高いところにグリップがくるように構えます。

バットは先が太く重く作られていますから、そのグリップの位置よりヘッドを高く構えることで、重さと重力を利用して、ヘッドが出てきやすくなるように構えを作ります。

そして下半身から回転させることで、上半身との捻転さを大きくし、最後に肘からグリップそしてバットのヘッドが体に巻きつくようにスイングすることで、ヘッドスピードを速くしボールを強く叩くことができるというわけです。

こういう形状をした棒状のものを振るという動作に対しては、理論的に全く間違っていない正しい体の使い方であると言えます。

ほとんどの打者がそれを極めようと努力し、それをもって自分の理想のスイングだと定義します。

目の覚めるようなホームランを打ったときのスローをみると、まさにそういうスイングに見えます。

しかし、投手と捕手は、打者にそういう気持ちの良いスイングをさせないことが一番の目的で、スピードや球種を変えたり、コースギリギリをついたり、配球を工夫して打者の意表をつくボールを投げることで、なんとか打ち取って行こうと努力するのです。

狭いストライクゾーンの中で、もしコースも球種も事前にわかっていれば、プロの打者ならかなり高い確率で打ち返すことができるはずです。

しかし現実には4割を超える打率を残した選手はいません、どんなに頑張っても、7割近くの確率で打ち取られてしまうということです。

それが野球だと言えばそれまでなのですが、前年までそれほどの結果を残していなかった秋山選手が、突然打ちまくったという表現しかできないような大活躍を見せたことに周囲は色めき立って取材を繰り返していました。

その結果が一言で言うと、ヘッドの軌道をアッパーにしたというものでした。

アッパースイングは悪いスイングの見本のような言われ方をされてきました。

右打者であればバットのヘッドだけではなく体全体が右へ傾き、ヘッドが肩より下を通ってなおかつ体から離れたところしか振れないからダメだという論法になります。

メリットといえば当たれば遠くへ飛ばせるということくらいでしょうか。

逆にダウンスイングに関しては前述した通り、バットを振るという動作にとっては理に適っているわけで、これを否定する材料は少ないと思います。

しかし、現実にはその理想のスイングでも7割はアウトになってしまうということもまさに否定のできない事実でした。

そこで秋山選手が取り組んだのは、構えの時のグリップの位置を少し下げ、肩に担ぐくらいの位置に変えました。

そうすると当然ヘッドを立てて構えることが難しくなり、いわゆる寝かせた構えになります。

そうすると理屈で言えばヘッドの重さが落下するときのエネルギーを使えなくなり、当てることはできても強く叩いて遠くに飛ばせないというデメリットが出てくると思う人が多いと思います。

事実小柄で単打狙いの選手や、逆に外国人選手のように腕っぷしの強さで1キロにも満たない重さのバットなど、低い構えからでもとにかく力強く振ることができるという選手もいます。

秋山選手はそういう体ではありませんし、結果としてヒットの数は増えましたが、決して当てるだけの単打狙いではありません。

秋山選手が狙った一番のメリットは、ボールを捉えることに関して、点で捉えるか線で捉えるかという究極の選択でした。

投手が投げてくるボールの軌道は、160キロを超えるような高速球であっても、物理的に絶対に浮き上がることはありませんし、投手の手を離れた後、捕手のミットに吸い込まれる間が直線でもありません、誰がどんなボールを投げようと捕手に近づくにつれてボールは落下していきます。

イメージとしては放物線を描いているということになります。

ということは打者はその放物線の後半部分、それも最後の最後に近いところでボールを捉えるわけですから、極端に言えば上から落ちてくるボールを打っていると言っても間違いではありません。

にも関わらず、打者がダウンスイングを良しとして振り下ろしているわけですから、バットとボールが接する部分は一点のみという事になります、だから確率が悪いわけです。

では秋山選手が目指したアッパースイングとはどういうものなのでしょうか。

彼のスイングをYouTubeで確認しましたが、少し低くしたグリップの位置と、少し寝かせたヘッドを、体の回転で無理なく振り出すことで、特にアッパー軌道を感じさせない自然なスイングになっています。

そのことで放物線後半の落下してくる軌道と、バットのヘッドが動いていく、ダウンを少し過ぎた、ほんの少しのアッパーな軌道上で、ボールを捉えています。

ボールを捉えることができる部分を、点ではなく線に変えたということです、確率が上がって当然です。

さらには低く構えたままステップしていく際に、グリップエンドがさらに後方に移動し、おへその向きが右へ45度回転することで、私が提唱する人間の捻転動作の理想である45度プラス90度の135度という角度の捻転動作を余すところなく使えています。

これがスイングアークを大きくし、それほど強く叩いているようには見えなくても、遠くへ飛ばせている要因です。

様々なコーチや関係者の助言はもちろんあったと思いますが、すべては自己責任の世界ですから、勇気を持って取り組んだことは素晴らしいことだと思います。

ボールの軌道のことや、捻転の135度理論など、体の仕組みを少し学んでくれれば、なるほどそういうことかと分かってもらえるはずです。

その理解の上でフォームの改造を模索しなければ、広島の堂林選手のように毎年毎年フォームを変えても、彼にとって正しい方向へ進んでいるとはとても思えません。

すべては基本となる体の仕組みがあっての応用です、目先の結果にとらわれてしまうと、見えるものも見えなくなると思います。

そういうわけで昨シーズンの秋山選手は、大きな勲章を得ることになりました。

できることなら私の理屈も知っておいてくれると、自分のやっていることにさらに自信を持って取り組むことができると思います、戻る基本があればスランプなどというものは関係がなくなりますから。

その秋山選手との会話で何かを感じた坂本選手ですが、フォーム自体は昨年と大きく変わった様には見えませんでした。

今年のホームランシーンを見ると、こんなことに気づきました。

例えがゴルフに変わりますが、ゴルフではドライバーショットとアイアンショットでは打つ時のイメージが変わります。
それはドライバーショットを打つ際には、ボールはティーアップされていて地面の上にはないからです。

ドライバーのヘッドはスイングの最下点を過ぎて、上がり際にボールを捉えます、ヘッドを直接ボールにぶつける様な意識で打つとまっすぐにも遠くにも打つことはできません。

アイアンショットは逆にスイングの最下点がボールを捉えた直後で、直接ボールに対してヘッドが衝突していきます。

もうお分かりでしょうか、坂本選手は構えやスイングの動きを変えずに、アイアンをドライバーに持ち替えてスイングしていると見えるのです。

構えや打ち方は同じでも、秋山選手の言葉をヒントにアッパー軌道にするためにはどうすればいいのかを考えた結論が、今のスイングなのではないかと分析しました。

昨年までボールを捉えるために振り降ろしていた位置のボール3個分くらいでしょうか、そこに向かって振り下ろすイメージを持つことで、そこが最下点となり、スイングを変えることなく自然に振り上げられていくアッパー軌道の中でボールを捉えているというわけです。

取り組み方はそれぞれ違いますが、過去に言われていた、アッパー軌道とは、ただバットを振り上げるというイメージではなく、どんなにダウンスイングをしようとしても最終的には振り上げられるヘッドの軌道の、最下点を過ぎたところでボールを捉えることが、バットがボールを捉えることができる時間というか距離を長くしてくれて、確率を高くし遠くへ飛ばせるという理想的なスイング軌道だったということです。

もちろんあのイチロー選手のスイングにも同じことが言えます。

息子の勉強になると思って一緒に動画を見ましたが、私の言っていることに素直に頷き、自分もそう思うと言える感性は、生まれた時から私がスポーツの世界で生きてきたのを間近で見て育った息子だからなのかなと思いました。

最後に息子はこう言いました、「この理屈がみんなわかればコーチは要らないね」と、そうなんです、正しい体の使い方や効率的なバットに軌道よりも、それぞれの経験論が重視されていることが、本当の意味で選手を育てきれない大きな原因ではないでしょうか。

投手の体の使い方も同じです、私の声はどこにも届かない様ですが、求められればきちんと指導できる準備はいつでも整っています。

細い体の使い方は、実はすでにこのブログを読めばヒントになることはたくさん書いてありますし、newspicksの連載でも書いたと思います。

それらをつなぎ合わせることで、ほんの少しのスポーツ新聞の記事からもこんな面白い分析ができました。
皆さんもどうぞそれぞれの感性で物事を捉える練習をしてみてください。

投げるという動作再考、当たり前のことは当たり前だと思って欲しい。

広島地方も桜が満開となりました。

日曜日には他の予定もあって市内の中心部に行ったので、せっかくだからと平和公園に寄ってみました。
満開の桜の下、老若男女外国人の方もたくさんの方がお花見を楽しんでいました。
私と家内はその人たちと見事な桜の美しさに、日本の風情を感じながら公園を歩きました。

さて、「1回5分体が喜ぶ健康術」が発売されて1ヶ月近くになりましたが、私の思惑では売れ行き好調で重版となり多くの方に読んでいただけるようになっているはずでした。

もちろん読んでいただいた方からは、漫画の部分があることでとても読みやすく分かりやすいと、良い評価をいただいていて、私自身も前著「朝3分の寝たまま操体法」を書いた時以上の充実感というか満足感があります。

間違いなく、これまでの健康指南書とは一線を画した、本当の意味で体と向き合うための気付きを与えられる内容になったと自負しています。

前著は講談社プラスα新書というブランドの力が大きかったのでしょうか、初版が6000部だったと記憶していますが、発売から3日後くらいに重版の連絡があり驚いたことを覚えています。

今回は初版部数が3000部と少なかったため、すぐにでも重版がかかると期待していましたが、残念ながらそうはなっていません。

本の最終章に書いた、体づくりではない動きづくりのためのトレーニング、まさに西本理論の根幹となる内容ですが、新著が版を重ね2万3万部という、出版不況の今ベストセラーと言ってもいい数字に達してくれたら、続編として書かせていただけるのではと期待しているのですが、もう少し時間がかかるようです。

あまり好きな言い方ではありませんが、マスコミに影響力のある方が一言でも私の本のことを話題にしてくれたら、今の状況も一変するかもしれませんが、そんな他力本源ではダメですね。

新著は自信を持ってみなさんのお役に立てる内容になっていると思うので、みなさんの周りでも話題にしていただき引き続き応援よろしくお願いします。

今日の主題は野球の投げるとうい動作についてです。

過去にも触れたことはありますし、newspicksのアスリート解体新書でも取り上げたことがありますが、もう一度整理しておきたいと思います。

実はこの投げるという動作は、野球という競技に限定したものではありません。
肘を肩よりも上にあげる動作を必要とする競技のすべてに当てはまるものです。
テニスやバトミントン、バレーボールやバスケットボール、その他たくさんの競技に当てはまります。

野球の投げるという動作やテニスのサーブをイメージしていただくと、ボールをリリースする瞬間、ラケットがボールを捉える瞬間、どちらも手のひらはボールの進行方向を向いています。

それは当然のことでラケットの面が向いている方向にボールが飛んでいかないわけがありません。

しかし、その直前まで実は手のひらは右利きの方であれば、90度左を向いた角度を保っていることにお気づきでしょうか。

ラケットを振り上げた瞬間から面が相手コートの方を向いていたら、羽根つきをしているような打ち方になるはずです、強いサーブを打つことはできません。

ラケットの握り方を考えてもそのことはわかると思います、面を立てた状態で横から握手をするように握るわけですから、その握りでそのまま面を前に向けたのではラケットを強く振ることはできません。

ではどうやってラケットを振っているかというと、握った時に下になっている側のフレームの部分を小指側から金槌で釘を打つように振ると強く振ることができます。

そのままではフレームでボールを捉えることになりますが、実際にはちゃんとラケットの面でボールを打つことができます。

これが人間の体の関節の連動のなせる技です。

肩から肘手首と、内側に捻る動作が連なって、小指から振り出したつもりのラケットが、ボールを捉える瞬間に90度回転してきちんと当たるのです。

意識してそうしなくても、人間の体はそういう風に連動することが自然にできるように作られています。

テニスをやっている方にとっては、今さら何を言っているのかという初歩的な動きです。

ところがこの関節の連動がうまくできないと、肩肘手首とそれぞれの関節の可動域を使い切ってしまうことになり、関節内で骨どうしがぶつかりあったり、筋肉の腱の部分や靭帯を挟み込んでしまう、いわゆるインピンジメント症候群と呼ばれる状態となります。

野球選手が訴える肩や肘の痛みの原因は、これがすべてだと言っても過言ではありません、テニス肘も同じ理屈です。

ではなぜせっかく体がそうならない仕組みを備えてくれているのに、多くの選手がそういう状態になってしまうのか、考えたことがあるでしょうか。

それは結果を求めてしまう体の使い方をしてしまうためです。

「あそこに投げたい、コントロールしたい」という人間の欲が、手のひらを本来の動きよりも早い段階で目標方向に向けてしまうことで、関節の連動を妨げてしまうのです。

「かわし動作」と名付けた動きを、できなくしてしまっているということです。

ではどうすればいいのか、小指から振り出して肩肘手首の内旋運動を連動させる、すでに書いたことですがこれがすべてです。

しかしプロ野球選手であっても、この体の仕組みを理解している人は皆無と言ってもいいくらいです。

私が過去関わったプロからアマの選手や指導者でこのことをわかっている人は一人もいませんでした。

それどころか、前にボールを投げるのに小指から振り出せなんて、我々はダーツをやっているんじゃないよと、鼻で笑われたこともありました。

実際にはその動きができている選手もいますが、そういう選手であっても自分の体がそういう風に動いているなどと考えてもいないのです。

テニスやバトミントンなどのラケットスポーツやバレーボールのスパイク動作などを例に、体の仕組みを説明しても全く聞く耳を待たない人もいました。

私のようになんの実績もない人間の言うことなど、ただの素人の小理屈くらいにしか思わないようです。

その度に、これでは野球は変わっていかないな、故障で野球をやめなければならない選手、子供達が増えることはあっても減ることはないと、悲しい気持ちになりました。

そんな中私の言葉に真剣に耳を傾け実践してくれたのが、現在カープの二軍投手コーチを務める佐々岡真司くんでした。
様々な要因が重なり、藁をもつかむ状態だったのでしょうが、私の理論を基にしたドリルを繰り返し、自然にその動きが身につくにつれ、当然ですが結果がついていきました。

そのことを知っているはずの他の投手や、アマチュアの指導者たちが、私の指導方法を学ぼうとしない現実が今でも続いていることは、ある意味信じられないことです。

投げるという動作に関する理論は、すでに20年前に完成していたもので、実際に確実な結果も残しているにもかかわらずです、正しいことを正しいと思はない野球関係者に「喝」ですね。

今年に入って、そのことを真剣に学びたいと西本塾に参加した翌日、野球西本塾と言ってもいい内容で、大阪府立旭高校野球部の監督を務める井上芳憲さんに私の理論を伝えることができました。

後日学校に指導に行かせていただいたことはブログでも紹介しましたが、正しいことを正しいと認識してくれるだけで、彼らの投げるボールは勢いを増し、バットスイングが鋭く変化するのです。

高校生でも野球経験はそれなりにあります、しかし、私が教えたことを誰も知らない、教えられたことも聞いたこともないというのです。

この事実はそのままプロ野球選手にも当てはまるわけで、どのレベルに行っても経験論がまかり通り、物事を体の仕組みにまで遡って考えられる人がいなかったというだけのことです。

今回は残念ながら最近あった具体的な事例を書くことはできません。
時がきてそのことを書いても良い状況になったら、改めて書こうと思います。

今回は野球の投げるという動作について書きましたが、他の様々なスポーツ動作にも同じようなことがたくさんあると思います。

とにかく「今行っていることが体の仕組みに沿ったものであるか」、そのことなくしてフォームや体の使い方を語ることはできないということです。



プロフィール

Author:西本 直
1993年、Jリーグサンフレッチェ広島を皮切りに、社会人野球三菱重工広島・協和発酵・ヴィッセル神戸・川崎フロンターレ、そして広島カープ佐々岡真司投手など、プロアマ問わず競技レベルのスポーツ選手から一般の方まで、トレーニングやメンテナンスの指導を行ってきました。
その経験と知識の蓄積を「西本理論」としてまとめ、一人でも多くの方に実践していただくことが、これからの私の使命であると信じ、このブログから発信していきます。
私の理論はスポーツ選手のみを対象としたものではなく、ビジネスマンや家庭の主婦まで老若男女すべてに当てはまる不変のものです。
指導や講演のご依頼も受け付けています。
実名でツイッターも書いていますので、チェックしてみてください。
2013年9月9日にConditioning Studio 操をオープンしました。
また、遠隔地にお住まいの方を対象とした動き分析とアドバイスを行っています。
詳細は「スタジオ操」のホームページ内の「遠隔サポート」をご覧ください。
今年は「西本塾」3月10・11日と9月8・9日に、「深める会」を4月8日と10月7日に、そして「走り方錬成会」を12月29日に予定しています。
詳細はStudio操ホームページ内の「講習会情報」をご覧ください.
「1回5分体が喜ぶ健康術」はアマゾンで在庫切れのことが多く、購入希望の方にはご迷惑をおかけしています。
出版元からの購入は可能ですので、ガリバープロダクツ(代)082-240-0768までお問い合わせください。

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