スタミナ強化

スタミナがない、持久力がない、走りきれない、すぐにバテる、こういうネガティブな評価を受けることは選手にとって致命的とも言える問題です。

そういう能力がストレートに表に出る競技の選手は、なんとかそういう能力を向上させようと苦しいトレーニングを自らに課すでしょう。

400mを何秒で走れるスピードがあるとか、1500mを何分何秒で走れる持久力がある、といった数値が選手の能力を評価する指標になったります。

それらはイコール心肺持久力や筋持久力を正確に表しているのでしょうか。

以前の私にもそういうものの見方をしているところがありました。

例えば、そういう意味での持久力があまり必要でないと思える野球という競技の選手たちに対しても、基礎的な持久力の向上を求め、オフシーズンにはかなりの量のランニングをメニューの中に取り入れていました。

その時の私の考えには、野球という競技自体には心肺機能を中心とした持久力を要求されるプレーの局面はほとんど存在しない、しかし様々な局面に対応するために、練習時間は他の競技に比べ明らかに長くかかることは事実である。

であるならば、まずは長時間質の高い練習を行うためには、それに対応する持久力が必要になってくる、最終的に必要なハイパワーの瞬発力を安定して繰り返し発揮できるためには、まずはピラミッドの底辺に当たる持久力、その上にそれをベースにしたミドルパワーのトレーニングを行い、更にその上にハイパワーの能力を積み上げていくことで、個人としてチームとしての基礎的な運動能力の向上が図れるという考え方でした。

ピラミッドの頂を高くしようと思えば、当然底面の広さが要求されることは誰が考えてもわかるはずです。

そうした能力の上に投げる打つ走るという、実際のプレーの練習があるはずです。

そういう考え方をもって指導したチームは、一定の成果を残してくれたと思います。

しかし、走ること走り続けることが能力の大前提となるサッカーやラグビー、バスケットやテニスなど、多くの競技では、単純にその能力を向上させるトレーニングに、本当に意味があるのかと考えました。

現実として走らなければプレーはできません、足が止まった時点で勝負ありです。

一定のレベル以上の選手たちであれば、数値で表される能力にそれほど大きな差があるとは思えません。

ならば何が違うのか、同じ距離を同じ目的をもって移動する際の身体の使い方に着目しました。

「私は歯を食いしばって、こんなに一生懸命走っています、汗をかき途中で足がつってしまうほど頑張り続けましたが、途中で動けなくなり交代を余儀無くさせられチームに迷惑をかけてしまいました。」

これは正しいことなのでしょうか。

個人としてチームとしてやり続けなければならないことができなくなってしまって、何の意味があるのでしょう。

とにかく苦しめそれを乗り越えろという、追い込み型のトレーニングに違和感を感じ始めました。

同じ距離を同じスピードで、頭もクリアな状態で走り続けるためにはどうすればいいか、そして生まれたのが、私の提唱する体の使い方で走ることです。

何度も書いてきましたが、陸上競技以外でスタートからゴールが決まっていて、最初から最後までただ走ることが目的となる競技はないのです。

ならば自由に方向を変えられ、スピードの変化にも対応しやすく、なおかつそれぞれの目的となる動作にも対応できるこの走り方こそ、人間本来の移動方法であり、歩きそして走りであると考えたのです。

それを身につけていくための様々なドリルのくり返しは、体の使い方や身のこなしを身につけて行くという本来の目的とともに、無駄に疲労しないため、数多く繰り返すことができ、習得もしやすいというメリットもあります。

さらには本数をこなすことで、気がつけばただの素走り以上に運動量をこなし、心拍数も上げることもでき、一石何丁の効果もあります。

結果的に、ただ苦しい思いをして獲得したつもりの、いわゆるスタミナという概念を超えた能力を獲得できてしまうのです。

夏の高温多湿の大会で、自分のもっている能力を最大限に発揮し続けるためには、こういう発想のトレーニングを行わなければならないのではないでしょうか。

もうすぐ始まるW杯、海外のスーパースターたちの無駄のない体の使い方、そして私が最も期待する日本選手の身のこなし、じっくり見せてもらいたいと思っています。
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体の動きがキレてますね

昨日の代表戦、途中で寝てしまったので、ゆっくりビデオでチェックしました。

それにしてもアナウンサーや解説者から発せられる「体がキレてますね」という表現、これこそ日本語の曖昧さを端的に表している言葉ではないでしょうか。

私は指導者と選手の間で交わされる言葉は、お互いがその言葉の意味やニュアンスを共有できるものでなければならないと考えています。

指導する側として伝えたいことを言葉にするわけですから、この部分できちんと整理された言葉をもっていなければ、選手がそれをどう受け止めるかが、それぞれ選手によって違ったものになりかねません。

野球界で伝説のようになっている長嶋茂雄さんの擬音を使った感覚的な指導法、「強くビシッと、そう今の感じで」と、その場で指導を受けている選手にも、本当に指導の内容が具体性をもって伝わっているのか、理解に苦しむシーンがよく見受けられました。

松井秀喜選手とは、電話口を通して素振りの音だけを頼りに指導したという逸話もありますが、天才同士それだけで通じるものがあると言われればそれまでなのですが、凡人には生涯理解できない感覚だと思います。

最近話題の研究論文のように、第三者が記載されている実験内容どうりに追試すれば必ず同じ結果が得られるというところまではいかないにしても、自分が指導して伝えたはずのことと、実際に選手が受け止めたことが違っていれば、それははっきり言って指導したことにはならないと思います。

ですから私は選手にもある程度の解剖学的基礎知識をもってもらい、感覚的な理解ではなく、再現性のある共通言語で会話ができることを要求しています。

いきなりすべてを理解できるはずはありませんから、同じことを何度も繰り返さなければなりませんし、より分かりやすい説明も必要になってきます。

そうした中で、指導に対しての疑問点を具体的に質問してくれるようになったり、より深い説明も可能となってきます。

段階を踏んで進んで行くと、その会話には途中からは参加できないほど深く専門的なものとなって行きます。

そのためには伝える側のコミュニケーション能力を向上させることが必須となります。

いつまでも自分の経験や感覚重視の指導では、伝わるものも伝わりません。

そういう意味ではマスコミの使う曖昧な言葉には、正直辟易しています。

プロ野球のトレーニングキャンプでは、「今シーズンを乗り切るための体力強化を主眼として」と 、当たり前のように使われますが、誰がどう考えたって一年分の体力を貯金するなどということができるはずはありません。

またゴルフの中継でも、「今のスイングは股関節に乗っていませんね」と当たり前のように使う解説者がいますが、本人は股関節の構造や、そこに乗っているという感覚が正確に理解できているのでしょうか。

分かっていないからこそ、一般の視聴者に対して使える言葉なのだと思います、この言葉ほど解説者と視聴者の認識が一致しない言葉はないと思います。

例を出せば他のスポーツでも数え切れないほどあると思います。

その中で競技のジャンルを問わず登場するのが、今日のタイトルとした「体がキレてる」という言い方ではないでしょうか。

一般的に言えば、「たんに元気よく動き回っている」選手がそう言ってもらえる場合が多いと思いますが、動きの少ないアーチェリーや弓道でも、実際にはキレを感じる選手の動きはあります。

私は技術という言葉を「自らの意図(企図)した筋肉の収縮活動を、反復継続して行うことのできる能力」と定義しています。

読んで字の如し、まぐれで時々できますというレベルではなく、どんな状況でも繰り返し同じことができなければ、技術として身についたとは言えません。

もっと大切なのは、自分が意図(企図)しとこと、簡単に言えば自分がこういう風に動きたいと思ったことが、きちんとできなければならないということです。

私がよく使う言葉で、「頭の悪い選手はダメだ」というものがありますが、これは最も大事な「自らが意図(企図)」する能力のことを言っているのです。

言われたことができるのではなく、今この瞬間、自分が何をしなければならないのかを瞬時に判断する能力がなければ、高いレベルに作り上げた身体的な能力も、絵に描いた餅となってしまうからです。

サッカーであれば後半途中から投入された選手が、前半から出ずっぱりの選手に比べて元気があって走り回れるのは当然です。

日本のスポーツは、例えて言うとそのレベルを指してキレがある、という表現を使っている気がしてならないのです。

昨日の試合、後半13分くらいにピッチに入った大久保選手、今例を出した選手のように、ただたんに元気良くピッチに飛び出し、他の誰よりも積極的にボールを追い走り回ったのではありません。

しかし誰の目にも彼の動きには「キレ」を感じました。

鹿児島の合宿で、いわゆる体力的に追い込むトレーニングを多く行ったことで、選手の疲労はピークに達していたのだそうです。

途中出場とはいえ、前半のスタート時の選手たちの動きに比べても、明らかに彼の体は動いていました。

彼はそういう追い込むトレーニングも、過去には嫌という程やらされてきたと思います。

短かい期間でしたが、私が彼に伝えたことは、そういうトレーニングであっても、ただがむしゃらにこなすのではなく、いかに効率的に体を操って疲れにくい動き方を身につけるかということだったのです。

考え方としては、自分のもっている限界を超えるような追い込み方をして、いま以上の持久力なり走力を獲得するというものもあるでしょう。

しかしサッカー選手は、ただそういう能力が向上したことと、選手としての能力が向上することはイコールではありません。

私はそういう考え方の元に、いわゆる追い込み型のトレーニングは行いませんでした。

それよりも90分間自分の技術を発揮し続けられる体力を維持するためのトレーニングや、体の使い方を提案したのです。

彼の動きには他の選手のような、その場の地面を踏ん張って蹴って、地面の反力を使って体重移動によって走り出す、いわゆる力感はありません。

そいうい体の使い方ではなく、背中の筋肉がすっと伸びて骨盤を引きあげ、重心が移動し、それを足が追いかけてくれるという感覚で動いています。

だから無駄に筋力を使いませんから、他の選手に比べて疲労しにくいのです。

おそらくは追い込み型のトレーニングにも、この使い方は反映されていたと思います。

サッカーの専門の方は、判断が早いとか、相手の動きの先を読んで動いているところがすごいと、戦術眼的な部分で評価もされているようですが、もちろんそういう部分もあると思いますが、私はその動き方そのものが 、他の選手とは異次元の身のこなしで、それを当たり前のことのように見せてくれているところがすごいのだと思います。

私の影響を言ってくださる方もいますが、私が与えられたのはヒントだけであって、それを実際に表現してくれている大久保嘉人という選手が本当にすごい選手なのです。

彼にはいまほとんど無駄な動きが見えません、止まっているように見えても、いつでも動き出せるように股関節には小さなアイドリング動作が見えます。

そして滑らかにエンジンの回転数を上げることで、相手が気づかないうちにスルスルと離れたり、相手より一歩も二歩も早く動き出せることによって、自分のイメージ通りのプレーができるのだと思います。

ディフェンスを背負ってボールを受けるシーンでも、それほど大きくないというよりも小柄な身体で、相手の圧力に押されることなく力を吸収して、無理なくボールを受けています。

自分がイメージしたことを、無駄に体力を浪費することなく正確に表現していく、これが技術です。

こういう動きのできる選手に対して、「大久保選手本当に体のキレが抜群ですね」と、理由も含めて是非大きな声でアナウンスして欲しいと思います。

伝えたいこと

日曜日、2回目の「西本塾を深める会」を行いました。

西本塾の二日間は、私の本やこのブログ、またnumberwebに紹介された記事などを通じて、私に興味を持っていただき、文章だけでは伝えきれない感覚を、直接見たい聞きたい、そして体験したいという方が、わざわざ広島まで足を運んでいただいています。

ただ、その二日間で私の思いがすべて伝えられるはずはありません。

また来ていただいた方も、今までに聞いたこともない理論や方法論を、とりあえずどんなものか直接見ておこうという程度の気持ちで参加される人もいると思います。

私は昨年まで、自分の考え方を誰かに伝えようという気持ちはありませんでしたから、私の築いてきた城の門を空け放つことはしてきませんでした。

それが今、重い扉を開き、中に入ってくる方に対して、私自身が案内役を買って出ているのです。

すでに50人ほどの方が入場してきました。

観光地と同じです、物珍しさでとりあえず来てみた、そして本人からあらましの説明を受け、なるほどそういうことだったのかと、名所めぐりの一つとして、スタンプを押してもらって帰る人もいます。

それはそれで問題ありません、中を見ないでどうのこうの言われるよりよっぽどましですから。

たった一度説明を受け、すべてが分かったように顔をして、それを自分のスキルのように使っていただいても、まったく問題はありません。

知らなかった時よりも、数段レベルの高い指導ができているはずですから。

深める会を企画したのは、そういう中途半端な理解で、西本理論が広まっていくことを危惧したためではありません。

そんなレベルの話ではなく、私がご案内した様々な部屋の中を見て回った方々の中に、この部屋にはこんな絵が飾ってあるのか、こんな家具が置いてあって、こういうコンセプトでこの部屋は構成されていますなどという説明には満足せず、なぜ私がこの部屋を作ったのか、この絵にはどういう意味があるのかと、深読みしてくれる方が現れてくれたことで、本当の意味での西本理論を伝えられる相手に巡り合えて来た気がするのです。

けっして私の理論を押し付けているつもりはありません、せっかく扉の内側に入ってきていただき、さらに深く見て歩きたいという方々ですから、覗きたい部屋もそれぞれ違うのです。

ある人はこの部屋をもっと見せてください、ある人はこの部屋のディスプレーに興味がありますと、それこそさまざまな深める会になっています。

今回は5人の方々に対して、西本塾で感じていただいた事実をさらに深めていただくための工夫が、1日限りという時間の制約の中で、私なりに納得のいく形にできたのではないかと思っています。

深める会の1回目と2回目に連続して参加していただいた方もお二人いらっしぃます。

私にとって、しいて残念な気持ちが残るとすれば、深めるということの意味が、私の思いと少しずれがあるかもしれないと感じるところがあることです。

実技というのは、トレーニングにしても施術の手技にしても、どうしてもテクニックや方法論を深めていくという感覚に陥ってしまいます。

私がお見せしたテクニックに少しでも近づきたい、自分でも使えるようになりたい、それはある意味当然です。

そのために時間とお金をかけて、広島までやってきたのだから何が違うのかと言われればそれまでです。

確かに私はそういうテクニックや技術を持っていて、それを伝えることも西本塾や深める会の一つの目的かもしれません。

参加していただいた皆さんが、もしそれだけを目的に来ていただいているのだとしたら、西本塾は他の様々なセミナーや講習会と何ら違わないものとなってしまいます。

そういう枝葉のテクニックを、もしきちんと受け継いでいただいたとしても、それはたんに私の模倣にすぎません、私の技術をマスターした人を増やして〇〇式健康法を全国展開していくために行っているのではないのです。

人間の体は本来どうあるべきなのか、正しい使い方とは、正しいケアの仕方とは、有効なトレーニングの仕方とはという本質的な部分を、自分で考えられるようになっていただくことが目的なのです。

手の持ち方がどうの、力の入れ方や抜き方がどうの、そういうことは、今この瞬間この動作を何のために行っているのかを考えられるようになれば、私にその答えを聞いてくること自体が筋違いなことなのです。

いきなりそんなことを言われても困るでしょう、しかし、常にそういう感覚で私との対話を行っていただかなければ、何回何十回私のところに来ていただいても無駄なのです。

最後に質問をしていただいた中で、サッカーのコーチはこう言っているが私はどう思うかという趣旨のものがありました。

それは私にとって質問になっていないのです。

そういう枝葉の質問をされた時にどう答えればよいのかということを理解していただくために、幹や根っこの見方を延々とお話しし、実技でお見せしているつもりなのです。

テクニックを教えているつもりはありません、自分に対してなぜどうしてという問いかけが、できるようになってもらいたいと、私の歩んできた道をお話ししているのです。

私と同じ人間になっていただくことはできません、模倣はしょせん模倣です。

亡くなられた私の唯一の師である渡辺栄三先生をサンフレッチェ在籍時に、東京のご自宅をお訪ねした際、同行した選手に、「もう西本君はことスポーツの世界では私が教えられることは何もない、はるかに私を超えて行ってくれた、だから彼を信頼して何でも相談してください」という言葉をいただきました。

私にとってこれ以上の言葉はありませんでした。

けっして先生を超えたなどと今まで一度たりとも思ったことはありませんが、選手を安心させるために言葉を選んでくださったのだと思っています。

西本塾の門は、今定期的に空け放たれています、どなたに入ってきていただいてもかまいません。

ただ私がご案内できる人数と時間には限りがあります、その中で参加者の中にあまりにも温度差があると感じた時には、入場をお断りする例が出てきました。

何をもったいつけて偉そうに、そう思われても仕方がありません。

私がそうしなければならないと思うほど、真剣で熱い気持ちを持って参加してくださる方が多いのです。

その方々の輪の中に、一人でも温度差を感じる方がいると、せっかく温まった空気が一瞬にして覚めてしまうのです。

それを一番感じるのが私自身なのです。

ですから申し込みの際に、参加動機を記入していただいていますが、私から何を吸収したいのか、今ご自分がどういう状況で私の理論を必要としているのか、色々な意味で私に伝わってくるものがない方に対して、一期一会の西本塾で私はその方に対して、どんな対応をしたらよいのかまったく分からないのです。

ほとんどの方からは熱い思いが伝わってきて、当日初めてお会いするのに、すでに何度もお会いしたことのある同志のような感覚にさえなってしまいます。

考え方の基礎を学ぶ、枝葉のテクニックを習得する、結局は同じことなのです。

私がお伝えできるのは、私の人生で経験してきたことそのもので、それ以上でも以下でもありません。

私の人生訓ともなっている「人生あみだくじ」、どなたかの人生に、私の存在が一本の線を足すことで、新たな方向性や可能性が見えてくる、ほんの少しでも、そんな存在になれたらいいなと思っています。

受講者からの感想 その3

受講者から届いた感想の紹介、6人目は静岡県から参加の 「串田 望」さんです。

体を知るという事
西本直先生
西本塾in札幌に参加させていただいた串田です。
先週末は北海道という広島から遠い地にまで出向いて下さり、熱意のともなった具体的な論理を私達に教示して下さり、大変感謝しております。

二日間、一言も聞き逃さずにいようと意気込んでいましたし、実技においても、少しでも後で思い出すことができるようにとノートを手放さずに聞いておりましたので、週が開けてからは、詰め込んだ「知識」をよく整理し、できる部分は実践、そして新たな「納得」や「理解」として深めております。
家族にもさっそく「からだホワット」を試し、喜ばれています。

たとえば料理では、おいしい具材を知り、素材それぞれの美味しさを知ると、より完成された一皿に対する認識や感覚に深みが出るということがあります。
あるいはジャズライブを見に行きそれぞれの楽器の演奏を生で聞くと、その後に聞く同じ音楽が、たとえCDを通してだったとしても、ただ音の集合体としてではなく生きたそれぞれの楽器として捉えられるようになるという事があります。

自分自身の体のつくりや動きに、このような体験が起こる場合の感動はそれ以上でした。
これまでなにも考えず、あるいは間違ったコンセプトでとらえてきた動きが、二日間を経て変わり始めるのは本当にエキサイティングな経験です。
10年ほど前からからナンバ走りや、それに類する身体操作に関する本は見てきましたが、これほどまでに具体的な理解を得たのは初めてのことです。

早速家に帰り、youtubeを駆使しながら、先生が手がけてこられたアスリートの他に、イチロー選手のレーザービームなど、お手本として推奨されていた選手の動きをチェックし、新たな理解を深めております。

授業のなかでマイケルジョンソン選手に関するお話がありましたから、あわせて見たのですが、ほとんど体の前側に肘が出ず、ぐいっと引き上げられることで自由になった骨盤の動きから振り出される大きなストライドで、他の選手を突き放していく様子は圧巻です。

素人理解ではありますが、一見ムキムキにみえる前側の大胸筋は、体後ろ側にみえる筋肉のたくましさほどではなく、ゆったりとリラックスして走っています。レース後にも、まるでチョウのように手を体の中心から後ろのほうでパタパタさせて、そのたびに広背筋が大きな動きをしているシーンを見て、「フライングバックだ!」と思い出しました。
レース後ですから、トレーニングというよりはレースの惰性で動いているか、一位になった喜びを表す動きがそのまま癖になった動き方でできているのだとは思いますが。

クラス最後のあいさつでも申し上げましたが、正しい体の使い方には、きつさや根性といった「歯を食いしばる」要素ではなく、最大限のパフォーマンスをしながら、体にムリをさせないといういたわりにさえ通じるところがあります。サッカーで言えば大迫選手、中田英寿選手、野球で言えば佐々岡投手の表情がどちらかというとポーカーフェースでリラックスしているのには理由があると感じます。

さらに操体法においては、まさに体全体のことをよく考えて対話しながら、怪我や長年のゆがみでこわばった筋肉をゆったりと開放してあげる、という癒しに通ずるわけです。本当に素晴らしいです。

クラスを受講してからこのあとに見る、ワールドカップなどのスポーツシーンは大変勉強になるはずです。
先生に教わった動きを自分で体得するだけでなく、生きた教材として子供たちに提供することができるでしょう。
一受講生やスポーツファンとしてだけでなく、それを広めていくものとして何らかの役割をこれから担っていければ幸いです。


広島からの西本先生の移動距離には及びませんが、私も先週末は静岡から中部国際空港、新千歳へと長い旅になりました。
それでもかかった時間や労に十分以上報いる、大変貴重な貴重な機会でした。ありがとうございました。
そして受講のきっかけを作ってくださった、小林敬様、準備にご尽力いただいた諏訪俊一様、その他5名の真剣に共に学びあった受講者の方々にもに厚くお礼申しあげます。


とても丁寧で分かりやすい文章を書いていただきありがとうございます。
ジャズミュージックの演奏に例えるなど、私自身とても参考になりました。
ブログを読んでいただいている方にも、串田さんが体験し感じていただいた西本理論は十分伝わったのではないでしょうか。

こうして何人もの人に同じことを伝え続けてきているわけですが、参加してくださる皆さんそれぞれの立場があり、興味をもっていただいた部分や、深く知りたい部分も違って当然なのですが、私がお伝えしたいのは、そのすべてに共通する基礎の基礎、根っこの根っこは同じなわけで、そのことを理解していただければ、選手であろうと指導者であろうと施術者であろうと、単に興味をもって来ていただいただけだったとしても、なるほどそういうことかと納得していただけると思うのです。

ですから、今話している内容は自分には関係ないというところは全くないのです。

そういう発想で私の話を聞いてしまうところですでに、自分が枝葉の一部になっていることに気づかなければならないのです。

毎回お一人お一人に真剣に向き合っています。

私の誰かのためにという思いが、その方を通じて、私が生涯出会うことのないどなたかのために、巡り巡って必ずお役に立てると信じているからです。

私は常に真剣勝負です。

7人目、茨城県から参加の「山本 誠」さんからの感想が今届いたので、追加させていただきます。

西本先生お忙しい中、2日間御指導いただき本当に感謝しております。

私も今までいくつかのトレーニングに関する本、治療に関する書籍などを読んできましたが、西本先生の記事、書籍などを拝見させていただき今まで見てきた理論などの中でも私は最も理にかなっていると思いました。
そして結果も出しているということで、とても興味をもっていました。
そして西本塾という存在を知り是非参加させていただきたいと強く思い今回の参加の動機となりました。

2日間の講義、実技を経て体感することの素晴らしさを実感し、やはり文章だけではなかなか理解しにくかったことも私なりに理解することができたと思います。

私は日頃から腰痛、肩こり、膝痛などのさまざまな疾患は姿勢、動き方などの習慣が大きく関与しており、ある種の生活習慣病だと考えています。
今回西本理論を学ぶことで、その考えを強化することが出来たとともに、その方向性を示してをいただいたと思っています。

そして今回、歩くから走るという動作は私の考え方を根本から覆させるような驚きがありました。

しかし実際体感してみると全く疲労感なく体に無駄な力が入らずすごく動きやすかったです。

今度の日曜日趣味のサッカーの試合があるので下手なりにさっそく実践してみようと楽しみにしています。
そして4年前のワールドカップでは『なんか変な走り方の選手だな~』と思い記憶していたエジルになりたいと思います。

そして今回一緒に学ばせていただいた参加者の皆様の熱い気持ちを感じさせていただきました。
私は距離が離れていますがまた機会がありましたら一緒に勉強をさせて頂けたら幸いです。

最後に今回のセッティング等にご尽力いただいた小林さん、諏訪さんありがとうございました。
そして共に学ばせていただいた参加者の皆様本当にありがとうございました。


山本さんは、理学療法士として病院に勤務され、患者さんを少しでも動けるように楽になってもらえるようにと、懸命に努力されているのが本当によく伝わってきました。

私の話を真剣に聞いていただき、お昼ご飯を食べている時にも容赦なく質問が飛んできましたので、さすがに食べ終わるまで待ってくださいとお願いしたほどです。

きっと病院にお帰りになって、実践の中で西本理論を生かしていただけていることと思います。

一人でも多くの方に私の思いを届けていただければと思います。

受講者からの感想 その2

受講者からの感想、5人目は何度も名前が登場している、札幌から参加の「小林 敬」さんです。

西本先生 北海道まで来ていただきましてありがとうございました。

また、先生を必要としている広島の皆様やご家族との大切な時間を奪い、大変ご迷惑をお掛けしたなと思っております。

移動時間やセミナーの時間も含め、地方開催は難しいのかなと感じておりましたが、99.9%のコーディネートを諏訪さんが動いてくれたからだと感じております。

私自身、4月の新店舗オープンや準備等で参加できるか不安でしたが、所属先の代表に「NO!!」と言われたら「じゃ退社します!!」という事を言いかねない私を理解してくれている会社のスタッフや家族にと全てに感謝しております。

本題に入りますが「腕の振り」について確かシドニー五輪かアトランタ五輪で小出監督が「〇〇選手は上り坂が苦手だから腕を後ろに引く」事を意識させて指導しているとTVで言っていました。

私が初めて走ることについて意識したのはこの言葉でした。
=フライングバックに繋げるのも容易に受け入れることができました。

また、先生が例えの選手として名前を出す「マイケル ジョンソン」も、インターバルトレーニングで当時は大嫌いな400mが速い選手として頭に入っておりイメージができました。

私の場合は耳で聞いた情報「腕を後ろに引く」目からの情報「マイケル ジョンソン」が走るときのお手本( 偶然 )であったため、意識が骨盤や腰であったため幸運だったなと感じます。

当時はそれが正しいとか正しくないかまで掘り下げていませんでした。
改めて「普通」と言われていることに「なぜ?」という疑問を投げかけることの大切さを感じ取りました。

しかし、競技生活が長ければ長いほど反復練習をする事により、形ができ、それが普通となり、やがて無意識でできるようになります。

今回現役で競技をされている方が受講されているのを見ると羨ましいなと正直思ってしまいました。
競技を離れ医療従事者となった身としては少しでも固結びになっている動きを現役の時に紐解けるとどんなに楽しいかなと想像してしまいます。

本来は1週間後と思いましたが早速結果が現れましたので書くことにしました。

今現在で必要と思われる10名にフライングバック②を要点だけ伝え実践しました。

昨日施術した20代の男性が今日も来院して頂き「姿勢は大事なんですね」と言い意識・学習ができたのかなと感じます。

施術+フライングバックではありますが「意識・学習」を脳に届けた実感があります。
これから総合的に「歩く」ことに関しての取り組みをしていこうと考えています。

私自身は「誘導」と「あの感覚」を忘れずにやっていこうと思います。

現役の時にお会いしていたら西本先生とバチバチやっていたなと思いますので「今」お会いしていて良かったと今回も思いました。色々なお話しありがとうございます。

私は今回一つだけ先生にお願い事をしようと思っていましたが聞き入ってしまいましたので次回お会いするまでの楽しみと宿題にします。

最後になりますが、先生長旅お疲れ様でした!!そして、ありがとうございました。


小林さんの存在なくして、今回の札幌開催はありませんでした。
私にそう思わせた小林 敬という人間の情熱を皆さんにも感じていただければと思います。

トップアスリートとして現役の選手時代に私と出会っていれば、何度も聞いてきた言葉ですが、彼のような人間に私ももう少し若いときに出会ってみたかったと思います。

二人で大きな夢を追いかけられたかもしれません。

すべては縁です、これから施術者として、また指導者として大きく羽ばたいてほしいと思います。

昨日の交流戦は残念な結果になりましたが、たんに彼の投球フォームや体の使い方にとどまらず、詳しいことはこれこそ彼と私の企業秘密となりますが、私がここまで踏み込んで野球を考えているとは彼も思っていなかったでしょうから、驚いていましたが、私は単に動きづくりのコーディネーターではありません。

すべてを含めて野球を見ています。

少しずつ彼に対しての要求もレベルアップしてきました。

私がマスクをかぶってリードしてあげられたら、せめてベンチかベンチの裏に居て、その場でアドバイスができたら、こんな結果にはさせなかったのにと残念でなりません。

感情移入はできるだけしないように、仕事としての感覚を忘れないようにしよう、そう思って引き受けた仕事ですが、だんだんそうも言っていられなくなってきました。

なんとかしてやりたい、そう思わせてくれる良い男です。

受講者からの感想 その1

3泊4日、実際には空港へのアクセスを考えて広島空港ホテルに前泊しましたので、4泊となりましたが、無事に全行程を終え、昨日の夕方6時頃に自宅に帰り着きました。

これまで4回行ってきた西本塾ですが、その都度しっかり頭を整理し精一杯の2日間を過ごすため、終わった後の夜と翌日は、なんとも言えない心地よい疲労感に襲われていました。

今回は始めて広島以外の場所、それもいきなり遠く北海道へ飛んでいきましたので、昨日の朝起きて地下鉄からJRを乗り継ぎ新千歳空港へ移動し、そこから羽田へ飛び、約1時間の乗り継ぎ時間があって広島便に乗り換え、空港からリムジンバスで広島駅へ、そして駅前からバスで自宅までという、遠く長い道のりを移動した為、その疲れも重なって、久しぶりに自宅でゆっくり夕食を食べた後、8時過ぎには布団に入って寝てしまいました。

今回の札幌行きは、第1回に参加して頂いた小林さんの存在がやはり一番大きかったと思います。

私が川崎に在籍している時から興味をもっていただき、なんとしても直接私に会いたいと言う思いもって頂いた矢先に、辞任というニュースを知り、ではどうやったら私にコンタクトを取れるのかと真剣な思いが綴られた小林さんのTwitterを見て、こんなにも私のことを必要としている方がいるのならと思いついたのが西本塾を立ち上げるきっかけとなりました。

第1回目を行った昨年の10月12日、札幌からの直行便の予約も取れず、横浜からは夜行バスを乗り継ぎ、広島でのホテルの予約も取れないまま、私の話を聞きたい一心でやってきてくれた小林さんの熱い気持ちを私は生涯忘れることはできません。

そして続く第2回の西本塾に参加して頂いた諏訪さんは、終了後にもお話をさせていただき、YouTubeを使った新しいゴルフレッスンの可能性まで示唆していただき、お二人とのご縁をなんとか継続し深めていくためには、私が札幌に出向いて行くしかないと考えるようになりました。

そう思ったらいてもたまらず、お二人には忙しい中お手数をかけてしまうことになってしまいましたが、会場の手配等すべて快く引き受けていただき、今回の開催の運びとなりました。

もちろん諸々の費用はかかりますが、もしお二人以外に参加していただける方がいなくても、持ち出し覚悟で行く気持ちでいました。

それが9名の申し込みをいただき、残念ながらお一人の方が急病で不参加となりましたが、参加して頂いた8名の方々には、それぞれの目的をもって参加していただき、何かをもって帰っていただくことができたのではないかと、今回は私なりの充実感を十分感じさせていただきました。

おまけに前日の金曜日には、あいにくの天気の中ではありましたが、小林さん諏訪さんの3人でゴルフのラウンドをさせていただき、私にとっては願ったり叶ったりの札幌旅行となりました。

ゴルフの腕前はけっして自慢できるようなものではありませんが、私がいつも言っている、物事の本質を探る作業と言う意味では、ゴルフこそまさに結果にはすべて原因があるわけで、そのことを掘り下げずして上達もないし、ゴルフを極めて行く楽しみもないと思うのです。

そう言う意味で私は、自分が行おうとしているスイングの意味をお話しし、それが形としてできた時の結果と、結果が悪かった時には、明らかにやろうとしていることができていなかったと言う事実を見ていただくことで、私の理論の正当性を理解していただき、これからの練習の方向性を見つけていただくお役に立ちたかったのです。

だからいつでも思ったようなスイングができ結果も良いと言うことにならない、時々上手くいくくらいの私の技量は、見ていただくのにはちょうど良かったかもしれません。

前半は土砂降りの雨の中、タオルの準備が足らなかったためグリップが滑り、まともなスイングができず、少しでも良いところを見せなければと気持ちが焦り、それが悪循環になってしまいお恥ずかしいばかりのゴルフになりましたが、後半は滑り対策がしっかりできて、それなりの原因と結果の因果関係をお見せできるゴルフになりホッとしました。

飛距離アップが今年のテーマという諏訪さんには、様々な観点からアドバイスをさせていただき、後半にはあまりの完璧なスイングに、もしかしたら今のドライバーは負けているかもしれないとボール地点まで歩き、それでも私の方が30ヤードほど前にあることを確認できたときには、そんなにいい当たりではなかったのに、ここまで飛距離が違うというのは、やはり私のドライバーショット、普通じゃないなと実感しました。

小林さんは子供の頃にゴルフを始められたそうで、ボールを扱うというか無理に叩かないスイングでしたが、肝心のグリップの基礎を教わっていなかったようで、そのことをアドバイスしたら、球筋も方向性も良くなって喜んでいただきました。

とにかく私は人間の体の動きを見ることに関しては、それなりの目をもっているようです。

スコアもつけず、1打1打を解説しながら意図をもってスイングし、その結果をその場で説明し次につなげる、プロのラウンドレッスンも受けたことがありますが、ここまで丁寧で分かりやすいレッスンはないと思います。

私がもっと上手に打てれば、その信憑性も高まるのですが、まあ素人ですから十分だと思います。

さて、いつもお願いしている受講していただいた方からの感想が、すでに半分の4人の方から届きましたので、ご紹介させていただき、西本塾IN札幌の空気を感じていただきたいと思います。

まずは帯広市から参加の「宮本賢路」さんです。

西本塾in札幌に参加させていただいた宮本です、2日間充実した時間がすごせました。本当にありがとうございました。

ヤフーのスポーツナビの記事から西本塾を知り、西本理論をなんとか自分の競技力向上に役に立てられないかと思い参加しました。

座学では、『座学』という範疇を超えるほどの熱い指導で、実演を交えながら体重が80Kg近くあるわたしと正に体当たりをしながら理論の説明をしていただきました。

失礼ながら最初は、西本先生に怪我をさせてしまわないかと心配だったのですが、すぐにいらぬ心配だったと痛感させられました。

2日目の実技では、さらにヒートアップしたパワフルな指導を展開していただきました。
歩くから走るへ、ステップワーク、フライングバックトレーニングの指導を受けましたが、いくつかのヒントを掴むことができました。

まだまだ完全にマスターしたわけではないので、シーズン本番までに頭を整理し、動きを洗練させ、飛躍につなげられたらと思います。

からだほわっとや、操体法、オクタントトレーニングにつきましては、自分は競技者なので、あまり必要ないと思っていましたが、施術していただき、こんなに気持ちの良いものを家内や子供たちにも体感させてあげたいという気持ちになりました。

昨日帰宅後、さっそく家内に実践しました。わたしがやっていただいたときに感じたなんとも言えない感覚を感じてもらえたかどうかはわからないのですが、『手の指先まであったかくなった』という感想をいただきました。

子供には、フライングバックトレーニングと、股関節のオクタントトレーニングを実践しました。
だいぶツラそうでしたが、サッカーのためということを説明したら、一生懸命取り組んでくれました。
飽きずにコツコツ取り組んでくれることを願うばかりです。
今回指導していただいたことを整理し、これからのオフトレに活かして、来季の飛躍につなげていけるよう頑張ります。

トレーニングだけではなく、競技そのものへの活用としてもいくつかヒントを得ることができたのですが、詳細につきましては、わたくしも現役競技者で、ライバルとなる選手に教えるという気持ちにはなれません、現役を引退し、指導者側の立場になることがあるまで内緒にしておきたいと思います。

西本先生をはじめ、今回受講された受講生のかたがたとは、これからも末長いお付き合いをお願いできればと思います。
西本先生を介してできた繋がりを、もっと広く、もっと深くしていけたら、それはそれでまた別の意味でおもしろいことになっていくのでは??とワクワクしております。
末筆ながら、札幌まで遠路はるばるやってきていただいた西本先生、このような機会のセッティングに尽力いただいた諏訪さん、小林さんには、心から感謝しております。
またお会いできることを楽しみにしております。


宮本さんは、さすがに北国ならでは種目、スノーボードクロスの現役選手で、ご自分の競技生活に役立つヒントがあればと参加したいただきましたが、すべての内容に興味をもって積極的に参加していただき、すでにご家庭でも実践していただき嬉しく思います。

確かに現役選手としては、せっかく見つけたヒントを黙って他の選手に教えるようなことはできませんよね、久しぶりに聞いたフレーズで、人に教えることが仕事になっている私ですが、思わず笑ってしまいました。

次は札幌から参加の「中村高士」さんです。

第5回西本塾 In 札幌に参加した中村です。

西本さん、受講生の皆さん、お疲れ様でした、本当に楽しい2日間を過ごすことができました。
ブログや本を読んで、こういう感じでやるのかな?それともこういう感じかな?って考えながらやってみていたことが、実際に指導してもらいながらやることで、ああこういうことだったのか!という気付きがいっぱいあり、とても勉強になりました。

初日の理論編、普通であれば、眠くなったりするような座学も、西本さんの話術や、実際の体の動き等をみているうちに、あっという間に時間は過ぎて行きました。
座って聞いてるうちになんか今すぐ自分の体で試してみたいというような気持ちになるような楽しい講義でした。

2日目の歩き、走りの実技の中で、「あ、失敗した!」って思った時に、西本さんから、「中村さん、意識が変わった!」って指摘され、「あ、やっぱりダメだったんだ」って自分の中で確認することもできました。

本を読んで、やってる時は、自分の感覚で、「これはいいのかな?間違ってるのかな?」というあいまいな部分を、即座に指摘してもらえて、自分の中で修正していけたのは非常に大きかったです。

その後、皆で西本さんの「体ホワっと」を体験し、お互いに「体ホワっと」を施術しあったり、操体法を施術しあったり等、密度の濃い時間はあっという間に過ぎてしまいました。
私とペアを組んでくれた山本さんの「体ホワっと」も、非常に気持ちよかったです。

最後に見たオクタントレーニングの実技は、それまでと別世界の雰囲気になり、プロの一流、超一流を相手にしていた西本さんをかいま見ることもできたのかなと思いました。

自宅に帰った後に、「折れない腕」の要領を使うと、子供を持ち上げたりするのが、非常に楽にできました。
屈筋主体でやってみたら、2回か3回で、もうダメだってなるけど、折れない腕の要領でやると10回やっても、まだできるなっていう感覚です。

2歳半になるうちの子供は、早速、「てつぼう」(片手を伸ばして、ぶら下がるやり方)、「ふわっとジャンプ」(両手を使ってふわっと持ち上げるやり方)とか名前をつけて、「楽しい!、もっと」って言って、なかなか離してくれませんでした。
調子に乗って、「体ホワっと」も子供にやってみたのですが、残念ながら、すぐに逃げられてしまいました。子供は正直です(笑)

まだ自分の仕事にどういうふうに役立てて行けるかは正直みえてきてませんが、お昼の雑談でも、いろいろヒントになるようなお話もしてもらえたので、ゆっくりと考えながら、組み立てて行きたいと思っています。

最後になりましたが、札幌開催のために奔走していただいた、諏訪さん、小林さん、お二人のおかげで、素晴らしい出会いを得ることができました。本当にありがとうございました。
またみなさんとお会いできることを楽しみにしています。

追伸、朝ブログをみたら、カウンターが34567番でした。どうでもいいことですが、ちょっと嬉しくなりました(笑)


中村さんは現役の医師で、手術の際お世話になる麻酔科の専門医でした。
申し込みを頂いた時、職業欄に医師という文字を見たのは初めてでしたので、どんな方だろうと楽しみにしていましたが、医師として人間として、小さな子供を持つ父親として、そして一人の男としてとても尊敬できる方でした。
糖尿病ではないそうですが、肥満を解消するために、私と同じく糖質制限食を続けられていることが分かり、その話題でも意気投合しました。
色々な意味で、できればまたお会いしてお話を聞かせていただきたいと思いました。
アクセスカウンターの数字、私も気になる方で、キリ番や数字が並ぶ時にはどんな方が見て頂いているのかななどと考えています。

次は札幌からさんかの「北嶋慎司」さんです。

趣味で受講したのは自分位だったのにもかかわらず 、熱のこもった指導にはただただ感服致しました。

礼儀を重んじるところも大好きです、年のせいか人間として大事な部分だと思ってます。
わからない事だらけで申し訳なく思いますが 、自分なりに理解した点はこれからいきたいと思っております。
今後ともよろしくお願いいたします。


短かい文章ですが、朴訥とした北嶋さんの人柄を表しているように思います。
北嶋さんも、宮本さんと同じスノーボーダーで、競技者としてはぎりぎりの46歳という年齢に、もう一工夫できないかとヒントを探しに参加していただきました。

ご自分の目的とは関係が薄いと感じられるテーマの時には、明らかにそれがわかる時もありましたが、少しずつそれらの関係性を理解し、最後にはしっかり何かを見つけていただけたようで、私も安心しました。
年齢じゃないぞ、体の使い方を工夫すればまだまだいけるんだということを、宮本さんと一緒にスノボ界に知らしめていただきたいと思います。

最後は準備からすべてお世話になった「諏訪俊一」さんです。

西本塾in札幌に参加させていただいた諏訪です。
昨年末に開催された西本塾に参加させていただき、西本理論を学ぶ楽しさと、西本先生の人間性に惹かれ、いつかまた西本塾に参加できればと思っていたところ、西本先生から札幌開催の提案をしていただいたおかげで、2度目の参加が実現することができました。

前回教えていただいた内容の中で、特に実践していた「操体法」や「骨盤から肩甲骨の連動した走り方」の修正点を確認することや、フライングバックトレーニングやオクタントトレーニングの正しい姿勢とそこへの導くための声掛け方法、負荷の具合など1回目では余裕がなかったところまで学ばせていただきました。(オクタントのモデルまでやらせていただき、体も筋肉痛という形で喜んでおります)
あとは実践し、経験値を高めていくだけだと決心できました。

今回は2日間の講習会だけでなく、西本先生と夢であったラウンドをさせていただいたり(ドラコン王者のスイング、すごかったです!!)、お食事をご一緒させていただいたりと、丸3日間いろんな「西本先生」を間近で感じることができたこと、本当にうれしく思っています。

また今回受講された方々と、今後もお互いに西本理論を深めていけるような関係ができたことにも本当にうれしく思っています。
札幌開催実現の背景には、トレーニングマシンの無い施設でも快く引き受けていただいた西本先生のご厚意に加えて、過去に西本先生を北海道へ導いてくれた早川先生の存在や、西本塾のきっかけを作ってくれた小林さんの存在があり、「西本先生に再びお会いしたい」という気持ちで一致団結できたことも大きな力となりましたので、これからは皆さんと協力をして、また西本先生を北海道へ呼べるように取り組んでいきたいと思います。

それにしても、トレーニングマシンが無ければフライングバックトレーニングを考案したり、たまたま会議室に置いてあった長めのほうきをラットプルダウンと同様の動きに取り入れたりと、西本先生の可能性を探る力には改めて驚かされました。
私も根っこを理解し常にアレンジできないかと考えるクセをつけていきたいと思います。

開催の前々日から札幌に向けて万全の準備を整えていただいた西本先生をはじめ、札幌開催にご協力いただいた方々、会場の設営までお手伝いいただいた参加者の皆様、本当にありがとうございました。

追伸 あのタクシー運転手の羨望のまなざし、西本先生のお話を聞きたい方はまだまだ北海道にいることを証明してくれましたね。


諏訪さんにはなんとお礼を言って良いのか分かりません。
会場探しから備品の準備、懇親会の場所の設定から、プライベートのゴルフ場や食事場所のセッティング、すべてのお任せして、本当に私は身一つで来るだけで良い状況を準備していただきました。

同じ施術者の立場で、1回目に気づいていただいた部分、さらに深めていただけた部分、そして何より私という人間があらゆる現象に対して、どう捉えていくのかという本質的な部分を、3日間という短い時間でしたが、ずっと一緒に過ごしていただいたことで、わかっていただけたのではないかと思います。

1日目の、実話を交えながらの理論編では、受講者の気持ちを惹きつけるために、冗談目かして話してみたり、ウケ狙いのような話もしてみたりと、私にとってはすべてが真剣な内容の話なのですが、目を釣り上げて一方的な話では面白くないだろうと、そういう部分を多く出すのですが、それはとても自分にとってストレスになる部分もあり、2日目の実技では、そんなことを考えている余裕はなく、自分のやってきたことやっていることへのプライドもあり、まさに真剣勝負となります。

どの部分が本当の私であるのかは、正直私自身にもわからないところがあります。
その場その場で必要な私を演じているだけなのかもしれません。
そういう部分まで、諏訪さんと小林さんには感じていただけたのではないかと思います。

タクシーの運転手さん、日頃からいろいろな方を乗せると思いますが、とても野球好きの運転手さんだったようで、私の口から発せられるプロ野球選手の実名入りの会話に耳がダンボになって、降りるときにはもう少し聞いていたかったです、という気持ちになったようですね。

あと4人の受講者からの感想もとても楽しみです。
人に教えるなどもってのほか、私のやってきたこと考えていることが理解できるはずはない、そう思い孤高のイメージを作り上げてきた私が、こうして様々な方々との出会いを通して、自分の小さな世界を少しずつ広げていただいているような気がしています。

私と同じ人間は作れないから、そう思って後継者などという存在も養成してきませんでした。

トレーニングにしても施術にしても、指導する側にもされる側にもそれぞれのレベルがあり目的も違うのですね。

みんなが私と同じ考えを持ち、同じ技術レベルになる必要などなかったのです。

ただたんに、「西本が教えてこのレベルか」と誰にも言われたくない、自分の築いてきた物を守りたいという、ちっぽけな考えしかなかったのでしょうね。

ある人にとっては、私などよりこれまで受講していただいた方々の方が、ずっとお役に立てるありがたい存在であることがわかってきました。

私でなければなどと、気合を入れなければならない相手は、それ程多くはないのです。

西本塾での出会いが、こんなに楽しいものになってくるとは想像もしていませんでした。

今年の末までは予定通り西本塾を続けます。

来年のことは全く分かりません、今の気力と体力を維持できるかどうか自信がありませんから、結構無理してがんばっていますので。

正直人間関係が苦手で、できれば一人で居ることの方が楽な人間でしたが、こんな私の話を聞きたい私の技術を体験したい、そんな人となら会話って楽しいんだな、新たな発見でした。

このブログ自体も、毎日たくさんの方に訪問していただきカウンターの数字も増えてきました、また共感していただいたことの証なのか、下の「拍手」をポチッと押していただける方も多くなりました。

ただの独り言では済まなくなりましたので、プレッシャーもありますが、ストレスは血糖値を上げるアドレナリンを多く分泌してしまいますので、マイペースで続けて行こうと思います。

今日は気楽に

W杯ブラジル大会まであと1ヶ月、日本代表メンバーも発表され、いよいよ本番ムードに突入と言うところでしょうか。

先日テレビを見ていたら、街行く一般のアラフォーかアラフィフくらいのご婦人たちへのインタビューで、代表選手全員の顔写真を見せて知っている人は誰ですかって聞いているのですが、中には一人も正解できない方がいて、世の中こんなもんだよなって改めて思いました。

日本のマスコミの悪いくせというか、代表の発表の時でも、日本全国が固唾を飲んで見守っているというような表現が当たり前のようにされますよね。

本番が始まれば、日本全国津々浦々の老若男女が大興奮みたいな論調になっていくのでしょう。

私が初めて仕事としてサッカーに関わった時でも、あのドーハの悲劇ということで、日本中が涙にくれたと大騒ぎだったのを覚えています。

Jリーグは見に行かなくても、日本代表の試合は海外までも追っかけて行くという熱心な方もあると聞きます。

またチームはもちろんのこと、ある特定の選手を熱心に応援し、その選手を代表選手として選んで欲しい、その選手のいない日本代表は考えられないとばかりに熱い声援を続けている方も多いと思います。

何が言いたいのかって、そういう方々にケチをつけるつもりは毛頭ありません、スポーツに限らず、どんな分野にもそういう熱心なファンの方がいてこそ、そういう立場の人間たちが特別な存在として輝くのですから。

ただ、私のような立場でスポーツに関わり、そういうものの見方をしてしまうと、1億の総人口が全て熱狂するなどという状況は、残念ながら今の日本ではどんな分野でもあり得ないと思うのです。

応援する側も報道する側もある意味冷静に対応して、オリンピックでの地味なスポーツのように、一過性のブームで終わらせないで欲しいと思います。

Jリーグが始まって20年、これからが本当の意味で日本にサッカーが文化として根付くかどうかの大事な時期に来ていると思いますから。

目標は高い方がいいに決まっているし、そのために集められた精鋭達が戦うのですから、しっかり頑張ってもらいたいし応援もしたいと思います。

これから1ヶ月先のここ広島の状況を想像してみると、少し他の地方とは違う状況になっているかもしれません。

Jリーグで2連覇を果たしたサンフレッチェ広島よりも、セリーグで3位になってクライマックスシリーズ進出を決めた、広島カープの話題の方が、明らかに地元の方々の間で話題になる土地柄ですから、もしこのままカープがセリーグの首位を走り続けて、もしかしたら今年こそ本当に優勝するかもと、本気で考える広島人が増えていたとしたら、タクシーの運転手さんとの最初の一言も、日常の挨拶も、おそらくはカープの話題がW杯に勝ってしまうのでしょうね。

地元民でない私にとっては、そんなことを想像するのも楽しみの一つです。

想像ついでに、100%あり得ないことなので、外野から勝手な意見、いや違うな、妄想でもないか、まあもしも私が代表のフィジカル・コンディショニングのスタッフだったら、ということで思ったことを少し書いてみます。

まずは大黒柱と言われている本田選手、やはり動き出しの体の使い方が固すぎて、スムーズに動き回れていませんよ、背中を中心とした柔らかな連動動作を覚えてもらって、縦横無尽の活躍を期待しましょう

1ヶ月もあれば、それらしい変化が誰の目にも確認できるようにできると思うけどな。

続いて大久保選手、サプライズとか言われていますが、今一番頼りになるフォワードは彼をおいていないでしょう。

外国選手を相手にしても、今の動きバランス感覚をもってすれば、十分対応できるはずです。

もしあのトレーニングを続けていてくれたとしたら、更にそれに磨きをかけるべく一緒にトレーニングをやりたいですね。

直接知っている選手はいないので、あくまでも想像ですが、故障明けの3人長谷部、内田、吉田の3選手には今の状況をしっかり確認し、私なりのやり方で少しでも動ける体にもっていきたいですね。

もちろん今の日本で最高レベルの方法が取られるのでしょうが、こんなやり方もあるよって教えてあげたいですね。

とくに吉田選手にはもう一歩踏み込んで、上半身と下半身の切り替え動作を覚えてもらい、裏へ抜ける選手を掴まえたり、寄せの一歩目を早く出せるようになってもらい、しっかり守れる準備をして欲しいですね。

ここで個別な名前を出してしまい恐縮ですが、あくまでも外からしか見ていない私のひとり言とお許しください。

柿谷選手には、予選が終わる頃には日本にもネイマールがいたのかと、世界を驚かせて欲しいですね、そのためには一対一での状況で技術だけでなく、体の使い方の意識を覚えてもらって、柿谷ってあんなに強かったっけ、と言われるような動きを身につけてもらいましょう。

ライバルの大迫選手も同じです、本人が思っている以上に彼の体の使い方には良いものがあります。

プレーを見ると本人がそれに気づいていないのかなと思う時があって、それが自分で理解できればもっと自信をもってゴールに向かっていけると思うので、じっくり話をしてみたいですね。

23人全員を前にして、西本理論をぶち上げたとしても、多分誰の心にも響かないと思うので、それぞれの選手に対して私の思うところを伝え、本人が希望すれば、それはねと、話を続けるスタイルが取れれば、例え1ヶ月という短い期間でも、能力アップの一助にはなれるかもしれません。

それよりもやはり故障者でしょうね、過去経験したチームの時のように、この後におよんで痛みが完全に取れるまで動きたくありません、などという選手はいないでしょうから、痛みと戦いながらいかにパフォーマンスを上げて行くか、短期決戦にはこれしかないでしょうから、私の存在価値も出番もあるかもしれません。

現実当事者ではない立場ですから、こうやって好き勝手言えますが、現場のスタッフは大変だと思います。
それぞれの持ち場で頑張ってもらいましょう。

さて、西本塾IN札幌が週末に迫ってきました。

小林さんと諏訪さんに再会できることはもちろん、7名の方々との新たな出会いをとても楽しみにしています。

金曜日の朝一の飛行機に乗るため、高速道路に不測の事態があっては困るので、明日の夜空港に移動してホテルに泊まり、万全を期すことにしています。

今日の私のひとり言が、西本塾の参加者の皆さんの周りでは当たり前に行われるようになっていただくことが私の願いです。

お前に何ができるんだ、と思われ言われてきたことが、普通のことになる、トレーナーだと名乗る人たちの最低レベルの能力になる、日本全国大人も子供もみんなその能力を享受できる、そんな日が早く来ればいいですね。

これは本当の本音です。

投げる動作さらに詳しく その2

ほぼノンフィクションです。

「実際にボールを投げるつもりで、スローモーションで動いてください」指導する相手に向かってそう要求します。

右利きの選手で話を進めます。

左足を投げる方向に踏み出し、ボールを持つ右手が背中の後ろから上がってきて、上半身が投げる相手の方を向き、両肩と水平なラインで肘が回ってきたところで、ストップをかけます。

投げる相手に対して上半身は正対し、肘は地面に対して垂直方向を指し、手首と手のひらはすでに投げる相手の方向を向いてしまっています。

「いつもこうやって投げていますか」と確認すると、何度か同じ動作を繰り返し「はいこうやって投げます」と答えます。

その姿勢のままで居てもらって、私は正面に立ち正面を向いた手のひらと手首の境目辺りを、人差し指一本で支え、「はい、そのまま投げる動作を進行させるように、ボールを投げるつもりの手首の動きで、私の指を押してみてください」と指示します。

相手は私が指一本ですから、簡単に押せるものと思い、逆にこちらに気を使って軽い力で押そうとしますが、それではまったく押すことができないことに気づきます。

「もっとしっかり押さないと、私の指一本の力に負けてしまいますよ」と声をかけると、遠慮しながらも徐々に力を加えていきますが、私の指一本の力を押し込むことはできません。

そんなバカなという顔をしている相手に「あなたは150gにも満たない野球のボールとはいえ、私の指一本にも勝てないような力しかボールに加えられていないのですよ」と問いかけます。

次にそのままの姿勢で、相手の正面を向いている手首を、手首だけ90度内旋させます、内旋とは小指が前に親指が後ろに手首を捩じることです。

そうしてもらってから改めて支えている私の指を押してもらうのですが、手首が内旋している状態になると、とても指一本で支えられないことはこちらは分かっているので、親指と人差し指の付け根の広い部分でしっかり支える準備をしてから力を加えてもらいます。

すると先ほどまで指一本で止められていた手首は、こちらが体中の力で支えなければならないほどの力で押すことができるのです。

変わったところはどこか、唯一手首の角度だけです、手のひらが前を向いているか、投げる方向に対して左を向いているか、この違いです。

そしてまたてのひらを正面に向けてもらい、こちらはがっちり受け止められる態勢で押し込んでもらうと、指一本の時の比ではなく、まったく押すことができません。

「もし今の状態が漫画に描かれていて、あなたの肩や肘に吹き出し(セリフが書いてある囲み部分)が付いていたら、その中にはなんて書いてあると思いますか」と問いかけます。

一瞬間があり、「痛ぇとか、グキィとか、やばいって体が言ってそうです」と答えます。

「そうでしょ、あなたが今まで正しいと思っていた投げ方では、こんな力しか発揮できず、無理をさせて頑張ると肩や肘は悲鳴を上げ続けてきたんですよ」という私の言葉にうなずくしかないのです。

「でも西本さん、ボールを投げるのは正面方向ですよ、あなたの体に対する理屈はなんとなく理解できるけれど、現実的には手のひらがまっすぐ前を向かないと、正しい方向へボールを投げることができないじゃないですか、野球はダーツじゃないんだから」と、当然のように反論してきます。

こちらも待ってましたと次の動作をやらせます。

「ではまっすぐ立って目をつぶってください、そして右手を耳につくように高く上げ、小指を正面に向け手のひらが左を向くようにしてください。いいですか、そのまま力を抜いて右手を落としてください、何か作為的に操作して下すのではなく、あくまでも引力で落下させてください」

パタンパタンと、何度かやってもらうと、左を向いていたはずの手のひらは、落下とともに90度内旋して太腿をパチンパチンと叩いてくれます。

「どうですか、あなたは手のひらが左を向いたままではダーツのような投げ方になって、野球のボールは投げられないと言いましたが、今落下した手のひらは小指から太腿に当たりましたか、ダーツじゃないんだからと言いましたが、本当にダーツをやったことがありますか、ダーツの投げる動作も、ダーツが指先を離れた後、手のひらは内旋運動をしているんですよ」と畳み掛けます。

「いいですか、あなたたち野球経験者だと威張っている人たちは、良い投手の条件として球持ちが良いとかリリースポイントが打者に近いことを挙げるじゃないですか、手のひらが早く正面を向いた投げ方と、最後の最後まで左を向き、関節の仕組みで、体から一番離れたところで自然に内旋する投げ方の、どちらがその条件に適った投げ方か分かりますか」

「手首のスナッップを使えと教えますが、手のひらが早く正面を向いてしまったら、あとは招き猫のように手首を屈曲させるのが、あなたが言うスナップですか、やってみてください、そんなスナップでボールが投げられるわけないでしょう」

「あなたたちも、本当はそんな投げ方をしてはいなかったはずだ、招き猫のようなスナップで強いボールが投げられるわけがない、それよりも体の関節や筋肉がそういう動きができるようには作られていない」

「正しい体の仕組みや本当の動き方も知らないで、ただ感覚的に体を動かし、こうやって使っていたんだなどという低次元のレベルで、私と話をしないでほしい」

「そして自分の感覚が正しいものだと思い込んだまま、選手を指導しないでくれ」

私のものの言い方も、だんだん険しくなっていきます、ある意味けんか腰です。

それは相手が私の言っていることが理解できず、ただの理屈を並べているかのような反応になってくるからです。

自分はそうやって来た、そう教えられ自分もまたそうやって教えている、もしそれが間違ったことだと認めてしまうことは、自分がやってきた野球というものを完全否定されているに等しい、そのくらいの衝撃を受けるのでしょう。

きちんと説明をして、動きを確認し、さらにはその動きが正しくできている選手の動画などを見せると、なるほどそういうことだったのかと納得せざるを得ないのです。

それでも、「いやそうは言っても、そういう投げ方、体の使い方ではない大リーガーや日本のプロ野球選手もたくさんいるではないか」そう言ってなんとか自分を肯定しようと、躍起になって反論してきます。

確かに大リーガーの中には、こんな理屈などお構いなしの上半身は早く開き、肘は横振り手首も正面を向いた、いわゆるアーム式と呼ばれる投げ方の投手も多く見受けられます。

だから投げ終わった後、態勢が崩れてしまう投手が多いのです。

「体も頑丈で我々とは骨格も筋量も発揮できる筋力も桁違いの彼らですが、ではそういう投げ方で先発完投150球以上投げても、肩や肘がびくともしない、そんな選手がいますか」

そんな彼らこそ、力任せの投球では100球が限度、それ以上の連続動作は体を痛めてしまうことが経験上分かっているからこそ、先発投手は100球まで、あとはセットアッパーに任せ、最後はクローザーという専門職に任せるという分業制度が確立してきたのです。

悪い見本を盾にとって、あんな投げ方でもできるんだからというのは、自分の勉強不足の言い訳以外の何物でもありません。

投手として求めなければならない究極の動作は、いかに打者に近い所でボールを離せるか、イコール長くボールを持てるか、そして打者の目線からボールを隠し、視覚に捉えられている時間を100分の1秒でも短くできるか、さらには再現性のある同じ動作同じリリースポイントから、直球と変化球を投げ分けられるか、これがすべてなのです。

それが出来ての直球のスピードアップであったり変化球をもう一種類、となっていくのです。

投手の仕事はスピードガンコンテストで優勝することではありません。

バットという道具をもって、18.44メートル先に対峙する打者に、いかにタイミングよくスイングさせないかということなのです。

あたり損ねでも、守っている野手のいないところへ飛べばヒットになり、完璧に捉えられても野手の守備範囲に飛べばアウトになります。

それらはすべて結果論であって、投手として目指さなければならないことはこれまで述べてきた動作を完ぺきに身に着けていくという努力を続けるということなのです。

どんなに素晴らしいフォームを身に付け、ストライクゾーンぎりぎりを突くボールが投げられるようになっても、そのコースや球種を予測していれば、バットは届くのですから、結果として打たれることもあります。

そのレベルになってはじめて、機械のように完璧な動作を、相手に合わせてタイミングを変えたり、配球などの駆け引きという、本当の意味での私が立ち入れないプロフェッショナルな部分になってくるのでしょう。

残念ながらそれを感じさせてくれるレベルの野球を見ることはほとんどありません。

正しい動作が身に付いていないのですから、思ったところに投げ込めるわけがありません。

ただ一生懸命投げました、打ち取りました打たれました、そんな風にしか見えません。

制球力のない投手に、「とにかくストライク先行でいけ、打者を恐れるな」そんな指示が監督コーチから聞かれます。

こんな指示は職場放棄も同然です、テレビを見ている一般の人でも言える言葉です。

ではどうすればよいのか、どういう動きを目標として練習すればコントロールが良くなるのか、そのために必要な身体能力は、トレーニングのドリルは、体を使う意識は、すべてを指導できなくてなぜコーチという立場が与えられているのでしょう。

まだまだ言いたいことはありますがこれくらいにしておきます。

野球はあまりにも感覚的で、きちんとした理論がなさすぎます。

体の仕組みをもっと勉強しなければ、私の言っていることは理解できないかもしれません。

自分ができたからできなかったから、そんなことは関係ありません。

真剣に学び、真剣に伝えようとすれば、必ず正しい方向に導いてあげることができます。

一番大切なのは、それを受け取る選手の本気度、真剣さになってきますが、そういう意味で私の門をたたいてきた選手は、もう底なし沼の底に足がついてしまったような選手ばかりです。

「藁をもつかむ思いで」という言葉がありますが、底なし沼の途中であがいているうちは、まだまだ自分で何とかできる、誰かが助けてくれると思い込んでいるようですね。

そのうちにそのまま沈んで浮かび上がってくることができずに消え去っていく、そんな選手をどれだけ見てきたことか。

そして底なし沼だと思った沈んで行った先に、なんと底があって、その地面を懸命に蹴って這い上がろうとしている。

その底なし沼の主が私です。

ここまで沈んできて初めて私の言葉に真剣に耳を傾けなければならないと観念するようです。

私も相手を選びます、誰でも助けるという気持ちはありません。

私に対して本気で向かってくる選手でなければ、一緒に頑張ることはできません。

またそういう人間が現れてくれないと、私の思いをぶつける相手もいません。

縁がありました、今その作業を行っています。

もし広島に帰ってきていなければ、この縁はありませんでした、だから私にとっても大切な縁だと思っています。

一昨日の試合は大きな分岐点になりました。

失敗が二度続けば、少しずつ積み重ねてきた信頼も一気に消し飛んでしまったことでしょう、彼にはそこまでの実績も信頼もありませんから。

私にとっても大切な試合になると思い、彼には内緒で球場に行き投球を見届けました。

マイナスなイメージは持ちたくないですが、本人にもそして私の中にも口にこそ出しませんでしたが、もし今日ダメだったらの思いがなかったわけではありません。

しかし、正しい方向性と真剣な努力は彼を裏切ることはありませんでした。

結果的に勝ち投手の権利も得られ、また一緒に進んで行ける権利を彼は自分の力でもぎ取りました。

昨日、トレーニングに来た彼との会話でお互いの思いが重なり合い、まさに息子のような年回りの彼の父親になったような気持ちで、彼の健闘を称えました。

私なりに緊張していたのか、昨夜は早い時間から眠くなり、風呂にも入らずそのまま寝てしまいました。

こんな心地よい眠りも久しぶりです、誰かのためにはやっぱり自分に返ってきてくれます。

まだまだシーズンは始まったばかり、一年終わって結果はどうなるか分かりません。

結果だけのために指導しているつもりはありません、一日一日、一瞬一瞬を大切にして、何年後かに引退する日が来たとき、自分の努力に胸を張れる、そんな選手になってほしいと心から願っています。

投げる動作さらに詳しく その1

昨日も野球中継を見ていて、改めて私の考えを正確に伝えなければならないと思いました。
仮にも日本の中では最高峰のカテゴリーであるプロ野球の投手たちです。

オフには野球教室と称して、子供達にお手本を見せることもあるでしょう。
そういう立場にある選手たちの動きを見ていて、彼らは本当に自分が投手として身につけなけれなならない、また追求していかなければならないことを分かっているのだろうかと思わざるを得ないのです。

それは日本における選手の育成環境に一番問題があると思います。

まず子供達が野球というものを始めようとした時、私が子供の頃であれば父親とのキャッチボールという行為がスタートになりました。

人間は生まれた後、自分の意思で動けるようになるのに、他の動物とは比べ物にならないほどの時間がかかります。

首が座って安定し、寝返りを打てるようになり、四つん這いではいはいができるようになって、つかまり立ちができるようになり、それからやっと自分の力で歩くことができるようになります。

もし他の動物がこれほどの時間をかけていたら、自然の摂理で他の動物の餌にされ、とっくに絶滅しているはずです。

人間だけが知能が発達し、他の動物から襲われる心配がなくなり、このゆったりした成長過程が許されています。

そして立って歩くことができるようになった赤ちゃんは、自由度を増した手を使うことによって急速に成長の度合いを増していきます。

このことは人類が四足歩行から二足歩行へと進化して文明を手に入れたことに通じていると思います。

私は4人の子供に恵まれ、すでに3人の孫を持つ身ですが、その子供達の成長を見守ってきた経験の中で、赤ちゃんが次に行う本能的な動作が 「物を投げる」ことだということを知りました。

小さな手に何かを握らせると、すぐにポイっとその辺に放ります、投げるというよりも放るという表現の方が正しいと思いますが。

人間にとっての成長過程で獲得する本能的な能力として、この物を投げる・放るという動作は必ず身につけていく動作なのです。

難しいことはわかりませんが、農耕以前の人類は狩猟によって食べ物を得ていたのですから、石ややりのような物を投げることは普通に必要な能力であったと思います。

それが現在まで、本能として成長過程で獲得する放るという行為は身につけるものの、それ以降成長するにつれ放るという動きを行う必要がほぼ無くなっていきます。

それが小学生における体力テストの種目として行われている、ソフトボール投げの記録の低下に現れていると思います。

放るという動作から投げるという動作への体の使い方の変化が見られないからです。

この放ると投げるという動作の決定的な違いを正確に理解できていないことが、野球を始める子供達から、高いレベルを目指す子供達まで、さらにはプロと呼ばれる選手たちを含めて大きな問題だと思うのです。

平成8年に社会人野球の三菱重工広島が、前年までの不振から一躍、都市対抗野球大会で準優勝の成績を収め、私の指導理論にも注目が集まった時、トレーニングジャーナルという専門誌に、この「放ると投げるの違い」と題して文章を寄稿し、私自身がモデルとして写真付きで解説をしましたが、その際にも、たとえば何処かの高野連の研修会で講演をして欲しいとか、ぜひ我がチームにも指導をして欲しいというような反響は全くありませんでした。

自分たちが正しいと思っていることと違うものには、拒否反応を示しているようでした。

結局は結果を残した指導者の指導方法や理論が正しいこととされ、深く根っこを掘って真理を追求しようなどというレベルの指導者は、残念ながら野球にはいないようでした。

そういう意味では現在、少しご縁のできたサッカーの指導者、とくにジュニア世代を受け持つ指導者の方々の知識欲というか好奇心は立派なものだと思います。

自分のやってきたことを否定されるとでも思うのでしょうか、例えそうだとしても、今この瞬間から正しいことを指導できるようになれるのなら、どうしてそれを選ばないのでしょうか。

その後、プロ野球選手として一度は頂点近くに上り詰めた佐々岡投手の再生という仕事を通して、私の理論の正当性は十分分かっていただけたと思っていたのに、相変わらず投手の動きづくりの方向性は変わっていません。

このブログのタイトルである「西本直が話しておきたいこと」の一番大きなテーマはこの部分だと思います。

なぜこの事実が分かってもらえないのだろう、このことが分からなければ、肩や肘の故障で野球から離れていく選手は永遠に減らせないし、選手として向上していくために身につけなければならない指針として、明確なものとして確立されているのだから、指導者が真剣にこのことを学んでくれたら、もっと良い指導ができ良い選手を育てることができるのにと思わざるを得ません。

そしてはや20年が過ぎました。

何も変わっていません、同じことが繰り返されています。

どうしてそこまで自信をもって言い切れるのか、何を根拠にそんなに偉そうにものが言えるのか、そう思っている人がほとんどだと思います。

三菱が準優勝したからとか、佐々岡投手が復活したから、それを自慢して、「どうだ間違ってないだろう」などと言っているのではないのです。

体の仕組みがそうなっているのです、そういう動き方をしてくれないと体自身が「困る」と言っているのです。

私はそれを代弁しているに過ぎません、「野球はこうやってやるんだ、俺は選手としてこうやって結果を残してきたんだ。また自分の指導理論で指導して、何人ものプロ野球選手を送り出してきたんだ」それだけでものを言わないで欲しいのです。

そうやって送り出された選手たちが、現実としてプロ野球選手になってから伸び悩み、その影には故障で消えて行った多くの有望選手や、的確な指導を受けられず失意のまま去って行った選手が沢山いるのです。

私がきちんと指導をしたら、全員が甲子園に行ける投手やプロ野球選手になれるのか、そしてプロ野球選手として活躍できるレベルになるのか、それはまた別の問題です。

正しい努力は決して裏切りませんが、勝負の世界そういう正しい努力をしたもの同士で争うハイレベルな戦いになれば、そこには優劣があり序列がついてきます。

ただ、いま現状では、周りが正しい方向性が見えていない中で、それを指し示してあげることができ、真剣に取り組んでくれれば、一歩ずつでもその目標に近づいていくことは間違いありません。

今日は、そこからの細かい部分、体の使い方にまで言及するつもりでしたが、その前振りだけでこんなに長くなってしまったので、次回、これまで面と向かって説明させてもらう機会があっても、ここまでは説明しきれなかったというくらいの、解説をしてみます。

このブログを読んでいただいている方は、まだまだサッカーに関わる方が多いようですが、野球が好きな方、指導に携わっている方、ぜひ読んでいただきたいと思います。

少年野球や高校野球の指導者に知り合いの方がいましたら、ぜひ一読を薦めていただければと思います。

私の生涯の夢、こんな知識と指導力をもった「オッちゃん」が身近にいてくれたら、という存在になっていただきたいと思います。

ゴルフネタです。

連休も終わり、日常の生活に戻っていかなければなりません。
私にとっての5月の最大のイベントは、何と言っても17・18の両日に行う「西本塾IN札幌」です。

第1回の西本塾に、ホテルの予約も取れないまま、野宿覚悟、寝袋持参で参加していただいた小林さん、そして2回目に参加していただきYouTubeを使ったスイングレッスンを提案していただいた諏訪さん、ともに遠く北海道は札幌市から参加していただきました。

そんなお二人には、ぜひ継続して深める会にも参加していただき、私の考えや技術をさらに学んでいただきたかったのですが、さすがに札幌から何度も足を運んでいただくことは現実的に難しいと思いました。

お二人の熱い思いに応えるためには、こちらから出かけて行くしかない、その思いが今回の札幌開催を実現させました。

お二人には会場探しなど、いろいろとご尽力いただき、私はいつも通り体一つで伺えば良い状況を作って頂いています、本当にありがたいことです。

そんな中、ゴルフ好きの諏訪さんと話がまとまり、前日の16日に札幌のゴルフ場で一緒にラウンドしていただけることになりました。

私にとっては願ったり叶ったりのお話で、一も二もなく賛同し、どちらが目的だかわからなくなってしまうくらい、とても楽しみにしています。

私がお世話になっている方々の中には、夏は北海道、冬は沖縄と、私から見れば夢のようなゴルフライフを楽しんでおられる方がいて、北海道のゴルフ場の魅力も何度も聞かせて頂いていました。

近県のゴルフ場にしか行ったことがない私にとっては、夢のまた夢の北海道でのゴルフなのです。

さらに今回は、西本塾が終わった後、ちょっとスイングをみせてくださいと私から声をかけ、スイング指導らしきことをさせていただき、その後もYouTubeで気付いたところをアドバイスさせていただいた諏訪さんと一緒のラウンドですから、下手なことはできないと練習にもいつも以上に気合が入っています。

42歳から始めたゴルフですが、なかなか安定したスコアで回ることができません。

こういう仕事をしていますし、何より体の動き作りに関しては、誰よりもこだわりを持って考えている私ですから、これだというものを見つけることができれば、すでにその形をマスターし、もっといいスコアが出ていてもおかしくないと思うのです。

ただドライバーの飛距離だけは人並み以上に飛ばすことができ、一昨年の7月に地元広島のリージャスクレストゴルフクラブのグランドコースで行われたドラコン大会に出場し305ヤードを記録することができました。

ほぼフラットなコースで、ややアゲンストな条件の中での大会でしたので、この大会での300ヤード越えはドラコン選手として胸を張っていい記録だと、他の参加者からも褒めていただきました。

そのドライバーの飛距離を出すためのスイング理論や体の使い方にも、指導するそれぞれの方に特徴があり、それぞれのレッスンを見ているとどうして良いのかわからなくなってしまいます。

同じように、一般に言われるゴルフの理論というものも、どうしてここまで違うのだろうというくらい様々な考え方があります。

そしてそれらを指導している方々は、決まり文句のように「私の理論は一般の理論とは違う、独自の理論のように思われるかもしれないが、長年の経験で培われたもっとも理想的なスイング理論です」というような書き出しで始まることが多いのです。

ではその基本となる理論というものはどんなものだろうと、私なりにこの10数年ゴルフ雑誌やレッスン書の類を読み漁ってきましたが、今だにそれを見つけることができていません。

私の考えで行くと、物事には原理原則があって、その根っこの根っこを掘り進めて行くと、そこには必ず「真理」という侵さざるべきものが存在しているはずだと思うのです。

しかしこのゴルフ理論というものには、掘っても掘ってもあるはずの根っこの先が見つからないのです。

お前ごとき素人に何がわかる、そう思われることでしょう、その通りです。

私のような素人にはわからないが、プロやアマチュアの上級者たちはそれを知っているのかというと、レベルが上がれば上がるほど枝葉が広がっていき、根っこ探しどころの騒ぎではない理論が展開されているのです。

私の専門としている体の使い方という側面から解説して行こうにも、あまりにも感覚的な部分が多く、指導している側と指導を受けている側が、情報を共有し同じ感覚で捉えられているかというと、とても難しいことなのです。

ですから単純に早く上達しようと思ったら、それなりの指導力を有する指導者に完全に任せてしまい、その方の理論を受け入れて覚えこむことが大事になってくるのです。

例えて言えば富士山に登るのに幾つかのルートがありますが、ゴルフ上達には我々素人から見ればとても楽で魅力的なルートが数え切れないくらい存在しているのです。

そして次から次へと新しい魅力的なルートが登場してきます。

他のルートを気にすることなく、ひたすらその道を走れば間違いなく、それなりの目標にはたどり着けるでしょう。

残念ながら私にはそれができませんでした。

これだけ色々な教え方があっても、やはり本質的な部分は同じで、ことばの使い方や感覚的な違いという枝葉の問題で、我々素人には違うものに見えているのだろうと思ったからです。

ならば私がその根っこを探し、枝葉を競って我々を惑わせている指導者たちに、本当の基本というものはこうなんだという部分を白昼に晒してやろうと考えたのです。

ところが10数年、プロやトップアマからの指導やアドバイスを受け雑誌やレッスン書を読み漁っても、その答えは見つかりませんでした。

もしかしたらゴルフという、極論すれば、スコットランドの羊飼いが、下に落ちている石ころを、羊を誘導するために持っていた棒で叩いて、うさぎか何かが掘った穴に放り込んだ、というのが起源のこのスポーツには、私が言うところの基本というものがないのではないかと思うようになりました。

そう言ってしまうと身も蓋もないように聞こえますが、現実的にそう言うことなのだと思います。

競技として成績を収めるための再現性の高い動作であれば、どんな形で打ってもいいということなのです。

日本では少ないですが、事実海外のツアーを見ていると、個性的なスイングをする一流選手を見かけます。

では我々素人にとって本当に役立つレッスン書があるとしたらどういう内容になるのかと考えました。

現実にもし私が作るとしたら、それは辞書のような意味合いのものになるのではないかと思います。

自分が指導を受けているプロの言っていることはこういう意味なのか、例えばアドレスでどこに重心を置くか体重をかけるかという問題に対して、これが正解でこれが間違い、私の言う通りやりなさいではなく、こういう意識で立つことでこういう利点があります、こういう動きにつなげやすくなります、だからアドレスから始動する時、ここから動き始める意識を持ちたい人はこういう風に立ったらいいですよ、みたいな感じで、「そういうことだったのか、だからあの人はこれを勧めているんだ。自分はこっちの方がやりやすいから、この部分はこっちの人の言うことも取り入れてみよう」と思えるようなものがあれば便利なのではないでしょうか。

教える側からしたら自分の教えるとおりやりなさいという気持ちが強いでしょうから、こういう生徒は扱いにくいでしょう。

真っ白な状態で受け入れなければ、私の指導は理解できない、良い生徒の条件は全てを受け入れること、そんな言われ方が多いと思います。

それは教える側の論理で、別に指導者と議論をしようというのではなく、生徒として指導者の意図を深く理解するためのは、そういう解説書があってもいいのではと思うのです。

というよりも、そういう解説書がないから我々は何を信じていいのかわからないまま、「わかった、これだ」という小さな悟りを得ては迷い、永遠の迷路を彷徨わなければならないのでしょう。

一冊のゴルフ雑誌の中でも、アプローチの構え方について、あるプロはこうやれと言い、別のページには別のプロが別のやり方を解説している、こんな節操のない紙面の構成が普通に行われているのです。

もし、この辞書のような解説書を私が書けたとしたら、今まで以上に様々な理論に首を突っ込み迷ってしまうかもしれませんね。

私はどうがんばっても、これからプロになれるわけではありません、ならばもっともっと様々なゴルフ理論に触れ、根っこを探す作業は続けながら、「この理論のこの部分はこういう意味がありますから、こういう人は使っても面白いですよ」という解説書が書けるくらい深くのめり込んでいきたいと思います。

改めて思うこと

ゴールデンウイークもあと一日、長期の休暇が取れた方は今日の間に自宅に戻り、明日一日ゆっくりして明後日からの仕事に備えようなどと優雅な休日を過ごした方も大勢いるのでしょうね。

私はサラリーマンを辞めてこういう仕事についてからは、ゴールデンウイークどころか土曜も日曜も関係ない生活が続いていたので、今年のように連休があるとどうしてよいのか分からないのが正直なところです。

広島に帰ってきたのがちょうど一年前のゴールデンウイーク明けの日でした。

あれから一年、すっかり生活も落ち着き自分のペースで仕事をしています。

まだまだ軌道に乗ったとは言い難いのですが、これまでお世話になった方々から飛び込みで予約をいただいても、ほとんどお断りすることなくお役に立てていることが、私にとっては何よりの救いです。

それは一般の方だけにとどまらず、スポーツ選手にも言えることで、いよいよどうにもならない状況になった時には、なんとかしてくださいと、個人的に私のところへ送り込んでくることもあります。

また昨年のオフには、以前指導をさせてもらっていた佐々岡君の紹介でプロの投手の再生を依頼されました。

もし今私が生活に不安がなく、自分のやりたいことやって生活していける立場にあり、どんな仕事をしたいですかと問われたら、迷いなくこう答えるでしょう。

「自分で選ばせてもらったプロ野球の投手を、一人前の投手になるよう指導させてほしい。」

私の原点であり、こういう仕事を目指したことも、すべては自分が選手として成功できなかったことから始まっているからだと思うのです。

この仕事に携わって20数年、独立を意識してからは30年の歳月が過ぎました。

以前神戸に在籍している時、私のこれからの目標を聞かれ、高校野球の監督になりたいと答えた時には、質問したマスコミの方の方が困っていました。

残念ながら今その夢はもう持っていません。

集団を統率し指導していけるほどの器ではないことが、自分でよく分かったからです。

逆に、私の知識や経験、また野球の投手の動きづくりに関しての指導力を評価していただき、是非私に指導してほしいという選手がいれば、絶対にそれなりに評価を受ける投手にしてみせる自信があります。

そして今そのチャンスを与えられています。

しかし、相手は生身の人間で考え方も育ってきた野球環境もまったく違います。

そして限られた時間しか私には与えられていません。

そんな中で、人間関係を築き、私の考えを伝えていくのは容易なことではありません。

同じ言葉も、その時々の精神状態によって違うものに聞こえることもあるでしょう、分かったつもりでいてもまったく分かっていなかったということもたくさん出てきます。

どんな形であれ結果がついてくると嬉しいものですが、そういう時こそ私は不安の方が大きくなります。

プロ野球の選手になったほどの人間でも、まったく知らなかったことを初めて聞いて、そんな考え方もあるんだとまずは受け止める、その内容はすでに大先輩が実践し結果を残しているのだから間違ってはいないのだろう、ただ自分ではまだ納得できるところまでは来ていない。

そんなやり取りから、その理論を実践するための体の使い方ができるようになるためのドリルを行うことで、なんとなくわかったような気がしてくるし、自分でもできるような気になってくる。

オフの間の短い期間でしたが、たぶんそこまでの理解は進んでいたと思います。

キャンプから実戦へと移行していく中で、私の思惑通りに事は運び、一軍での先発を勝ち取るところまでは順調にきました。

それから一か月、内容的には一試合の中でも、やるべきことができていたり、あれどうしたんだというイニングがあったり、本人も試行錯誤の毎日だったと思います。

それでも勝ち星がつき、ローテーションを任される立場になってきた矢先の3回KOです。

心配していたことが起こったというより、必ずこうなることは目に見えていて、こういう形にならないと、何としてでも時間を作って、私の直接指導を受けようという気持ちが起こらないだろうと思っていたのです。

佐々岡君はチームの柱で実績もありましたから、行動に融通が利いてシーズン中でも遠征を除き、ほぼ毎日のように私のところにやってきてくれました。

しかし実績のない選手にはそんな権利が与えられるはずもありません。

登板した当日ではなく、翌日にかかってきた電話に対して、私は厳しい言葉を浴びせました、「こうやってメールや電話でのやり取りで修正できるほどの完成度がお前にあるのか、時間がないとかいう前に、私にとっての休日だろうが時間外だろうが、そんなことを気にしている場合か、ここに来ても来なくてもこっちは何にも困ることなどない、困るのは自分じゃないのか、いくら頼まれてもダメなときはダメだけど、なんとかお願いしますと頭を下げるのはそっちの仕事じゃないのか」と突き放しました。

それで来なくなるのであればそれだけのことです。

彼は人生をかけて野球に取り組み、30歳を目の前にして本当に目指さなければならない方向性を突き付けられたのです。

ここが勝負なのです、優しい言葉は必要ありません。

そして昨日の試合の後、久しぶりに私のもとを訪れました。

すべては私の想定内の出来事です、もし中途半端に結果がついてきていれば、彼はそのまま自分の考えで動きを作り、私の伝えたものからはどんどん離れていったでしょう。

それもありです、でもそれが通用しなかったからこその現状だったはずです。

もう一度基本的なところから話をしました、彼は今まで以上に真剣に耳を傾け、今までにはできなかったしっかりとした質問をしてくれました。

目の前で手取り足取り行ったドリルでも、そんな風に教えたつもりはないよ、という理解になっている部分もありました。

そういう本当に細かい意識の違いも許されないほど、人間の動きを作るという作業は難しいのです。

まだまだ先は長いです、今回のことですぐにすべてが修正されるとは思っていません。

また、彼は私の操り人形ではありませんので、私の伝えた人間としての基本的な動作を、どうマウンドで応用してくれるかというのが最終的な目標です。

ただその応用編に至る基本編は、とてつもなく大きく深く難しいのです。

せめて私が中学生くらいの時、近所に私のようなことができる「オッチャン」がいたら、自分は違った人生を歩んだのではないか、そう思って色々な経験を積み指導をしてきました。

まあ子供相手にそんな人が真剣に教えてくれるとは思えませんが、私は相手がプロであろうが子供であろうが、本気で向かってくる人間に対しては絶対に悪いようにはしないというのが、私のポリシーです。

少し気難しい所があるオッチャンですが、自分で言うのもなんですが、中身は結構純粋でいいやつだと思っています。

ただ「去る者追わず」は変わりません。

誰かの役に立ちたい、誰かのためにという気持ちがなければどんな知識も技術もただの飾り物だ、そう言ってはばからない私ですが、結局はこうやっていろいろな人間とかかわり、自分を高めて行くことのできるこの仕事で、大いなる自己満足に浸っているだけの私なのかもしれません。

人の心は移ろいやすいもの、一年間のブランクを挟んでも、変わらずに信頼していただいている方々に対して、私は生涯その信頼に応え続けなければなりません。

人生で初めて大いなる野望を持ってしまい、そこで失った信頼と、それでも信じ続けていただいた方々の気持ちを忘れることのないよう、心して生きていきます。

ボールを投げるということ

今日から5月、広島の空はまさに五月晴れという言葉がぴったりの気持ちの良い青空が広がっています。

ゴールデンウイークの3・4・5日には、市内中心部の平和大通りで「フラワーフェスティバル」と銘打ったイベントが開催されます。

これは広島東洋カープが初優勝した1975年に行われた優勝パレードを契機に、広島にも賑わいを取り戻そうと毎年行われるようになったそうです。

イベントの中心は、数えきれないくらいの団体が参加するパレードで、その主役はダンスを踊る女性たちです。
このイベントを目標に活動しているグループもあると聞きます。

私のように田舎育ちの人間から見ると、お祭りというのは地域の神社の祭礼を意味し、古くから行われている伝統行事や神輿など、歴史を感じるとともに、大きくなったらあの神輿を担ぎたいとか、あの行事に参加したいと、大人に肩車されて後ろを付いて歩いた子供の頃を思い出します。

残念ながら広島にはそういうお祭りは少ないようで、フラワーフェスティバルでの各団体の踊りやダンス、その他の演技もなんとなく私のお祭りに対するイメージが違って、とくに見に行こうと思ったことがありません。

その発端となった広島東洋カープ、今年は一味もふた味も違った戦いぶりを見せています。

地元のカープファンが自嘲気味につぶやく言葉に、「カープ(鯉)じゃけー、鯉のぼりまでよの」というものがあります。

スタートから1か月は何とか頑張っても、1か月を過ぎたあたりからずるずると後退していき、気がついたら定位置の5位6位争いと低迷してしまうというのが毎年の恒例となっていたからです。

私は広島に来るまでカープファンでも何でもありませんでしたから、初優勝のことや毎年のように優勝を争っていた時期があったことも知らず、主力選手の名前もほとんど知りませんでした。

縁があって佐々岡投手のパーソナルトレーナーを9年間勤めましたが、その間も鯉のぼりまでどころか、スタートと同時につまづいてというシーズンもありました。

どこかの球団のように、毎年毎年戦力を補強し、勝って当たり前のチーム作りができるはずがないのは、コアなカープファンでなくてもみんな分かっていることです。

だからこそ、そういうチームに勝つことで溜飲を下げ喜びを感じている人も多いと思います。

それが昨年、3位に入りクライマックスシリーズに進出したことがチームを変え、育ってきた選手たちが力をつけ、下馬評でも上位にあげられる評価を受けていました。

私としては6チームの中で3位になったことでこれほど喜んでいる広島の人たちってなに、サンフレッチェは18チームがひしめき合うJリーグで2連覇したんですよ、こっちの方がどれだけ大変な偉業で評価されるべきものですよと言いたいのですが、地元広島ではそういう対応になってしまうのです。

原爆投下からの復興のシンボルとして、市民県民が守り育ててきたカープの歴史は、Jリーグ2連覇をもってしても対抗できないものだったのです。

そのカープですが、今年の勝利の原動力は圧倒的な投手力の充実です。

プロ野球の場合、基本的に5人から6人の投手が先発投手として中5日か6日の間隔をあけ、ローテーションを組んでいます。

そして試合展開によって、勝ちにいく試合と今日は難しい試合だという判断があり、リリーフ投手の顔ぶれが決まってきます。

4月の戦いは、その両方がたぶん12球団で一番安定していたのです。

それが防御率という数字に表れていました。

それに引き替え打線の方はまったく逆になってしまい、それでもこの成績でいられるというのは、野球という競技の勝敗にとって、いかに投手の占める割合が大きいかという証明です。

6枚の先発投手でスタートしたカープですが、私が関わっている篠田投手は二軍でのキャンプスタートながら、その6番目の扱いで、なんとか滑り込みで先発の座を勝ち取りました。

それが1か月経ち、私のひいき目を差し引いても先発投手として4番目の評価を受ける位置にいると思います。

私にとっては当然のことですが、この活躍をシーズン前に予想していた人はおそらくゼロだと思います。

それは本人も同じだと思います。

逆に私が心配していた選手は、申し訳ないですが予想通りの結果となってきました、結果論ではありません。

私が投手の動きに興味を持ち、その動きの良し悪しを判断する目を持ち始めたころから、この投げ方ではダメといった選手は本当にダメになっています。

実名を出すのは恐縮ですが、あの松坂投手にして私は高校時代から、本当の意味で大成はできないと言い切り、甲子園を沸かせた斉藤投手に関しては、あの人気をほおっておかないと思うけど、プロで活躍できる隙間があるとしたら短いイニングに中継ぎ投手としての役目だろうと、身近な人に話していました。

本当にプロとして長く一線級の投手として活躍できる条件は、なにはなくともまずはコントロールと故障をしないでコンスタンとに登板できることです。

そしてそのコントロールをよくする条件が、リリースポイントを一定にするということです。

ここから私の根っこ堀が始まるのですが、リリースポイントを一定にするためには、いわゆる腕を振るという感覚を捨てなければなりません、これは投手にとって一番難しいことで、スピードが出なくなるという不安を伴います。

ではスピードが速ければ打者を打ち取れるのでしょうか。

打者は投手の動作中、握られたボールが視界に入ってからしか打ちに行く動作のタイミングが取れません。

幼い子供にボールを投げて、受けさせる練習をするときのことをイメージしてください。

投げる前から、「ここだよ、このボールだよ」と子供の視界にはっきり認識させて、視界から消えないようにゆっくり腕をスイングして子供が受け取りやすく投げますよね。

このまったく逆のことを野球の投手はしなければならないのです。

この動作の究極ともいえる動作ができていたのが、1984年の阪急からオリックス、最後は2002年阪神でで活躍した星野投手だと思います。

18年間で、11年連続の二けた勝利を含む176勝を挙げた、超一流と言ってよい投手です。

細身の左投手で、失礼ながらあたっても痛くないような130キロ程度の直球と、90キロにも満たないようなスローカーブを武器に、打者を翻弄しました。

私が佐々岡投手と初めてゆっくり話をした時、例に出して投手とは、と語ったのが、この星野投手の成功の秘訣と、残念ながら150キロを超えるスピードボールを持ちながら、短命に終わった当時巨人の投手だった西山投手の比較でした。

事実私とコンビを組んでからの佐々岡投手は、スピードガンで140キロを超えることはありませんでしたが、引退までの9年間安定した投球を続けチームに貢献し続けました。

なぜ私がプロ野球の投手をも納得させる理論を構築できていたのか、それは自分自身のつらい選手時代から始まっていました。

星野投手以上の細身の体で、アンダースローという変則投法に活路を見出そうと努力を続けましたが、腰から肩・肘とどうにもならない状況となり、諦めざるを得ませんでした。

それが全く畑違いのサッカーのチームで、それも発足したばかりのJリーグ、サンフレッチェ広島で仕事をすることになり、視野が広がっていく中で、体の使い方の何たるかを考えるようになり、在籍中に投手にとって何が大切で何が必要なのか、そのためにはどういうトレーニングをすればいいのかというアイデアが完成していったのですから不思議なものです。

そして3年後縁あって仕事をさせていただいた社会人野球三菱重工広島での指導に活かされ、都市対抗準優勝という結果に結び付いたのです。

その当時から、肩甲骨から肘、そして手首の使い方をことあるごとに様々なレベルで指導させていただいていますが、いまだにそのことが正しいことであるという認識を得ておらず、私の言っていることが理解できないのを通り越して、間違ったことを教えていると思われている場合もあるのです。

体を使って、最終的にリリース直前の手首の角度は、小指が一番前を向き、手のひらは右投手であれば一塁方向を向いていなければならないと教えるのですが、「これじゃダーツじゃないですか、ボールを投げるのはこっちじゃないですよ」と、決まりきった反論が返ってきます。

その人たちがどう指導しているかと言えば、投げる相手に対して真っ直ぐ足を踏み出し、上体は正対し、その時にはすでに手首は投げる方向に向いていなければならないというのです。

確かにそれでもボールを投げることはできます。

その投げ方を繰り返し、経験値を積み重ねプロの選手になっている場合もあります。

私が言っているのは、投手はできるだけ打者に近い所でボールを離した方が有利だということです。

良く解説者が使う「球持ちがいい」という言葉と同義語です。

そのためには手首は最後の最後まで相手の方に向けてはいけないのです。

手のひらが前を向いた瞬間ボールは手から離れます、そうすると本来つかえたはずの「指先にかかる」という感覚がえられず、ボールにスピンがかかりません。

いわゆる置きに行くとか、投げるではなく放るという感覚となります。

ボールは18.44メートル先のホームベースまで空気抵抗を受けながら進んで行きます。

それを切り裂いていくためには、ボールに強い回転力を与えなければなりません、直球こそが最大のスピン量を必要とする変化球なのです。

甲子園のスピードガンで140キロ後半を記録しても、普通に高校生に打ち返されるのはほとんど押し出している投げ方だからです。

小指から振りだせないと、ボールを持った手首から先は遠心力で頭から離れ、体の外側を遠回りすることになります。

遠回りするということは打者から白いボールが見え始めるタイミングが早くなるということです。

そして何より肘への負担が大きくなります。

屈強な筋肉を持った大リーグの投手たちは、私の理論などお構いなしの何でもありで投げていますが、その彼らにして経験的に100球が肉体の限度であると知っているのです。

だから100球が近づくとほとんどの投手が代わってしまいます、6回3失点が最低限のノルマだそうです。

キャンプでも日本式の投げ込みはしません。

我々日本人がいくら鍛えても、元々の体が違うのですから、我々は体の仕組みに沿った理に適った投げ方を追及してこそ、本来の能力を発揮できるのです。

大リーグの指導者たちが、もしこんな発想に変わってしまったら、それこそ我々は付け込む余地がなくなってしまいます。

彼らには彼らのやり方で続けてもらい、我々は人間本来の体の使い方で勝負する、いかがでしょうか。

西本塾に参加していただいた方が、私の理論で投げ方を指導しても受け入れてくれないという話がありましたが、まずは自分がやって見せて、なるほどこういう回転のボールになるのかと驚かせるレベルにならないと、とくに野球の指導者は既成概念の塊のような人が多いですから難しいかもしれませんね。

野球を始める最初の段階で、私の理論を理解し、サッカーボールやどっちボールを使ったドリルを行わせれば、肩肘の故障で野球を離れる選手は激減すると思います。

昨日KOされた投手、このことに気付かなければ、根本的な解決は不可能でしょう。

高校時代から見ていますが、まったく変化がないばかりか、チェンジアップという変化球でごまかそうとして、なお一層肘が下がりボールが遠回りし、それではと直球勝負に行くと下がったままの肘から繰り出されるボールは打者から見やすく、スピンもかからず、まったく通用しないという結果が待っていたのです。

自分のどこが良くてこのマウンドに立っているのか、自分のどこが悪くてこういう結果になったのか、気持ちの問題などという所へ逃げてはいけないのです。

はっきりとした原因があっての結果です、だれかきちんと指導してあげないと、櫛の歯が抜けるように気がつけばいつものように、となりかねませんよ。

このボールを投げるという動作の基本、もちろん投手だけの問題ではありません、野手も同じです。

イチロー選手のレーザービームは、こういう使い方の見本なのです。

さて、初めて広島以外で行う「西本塾IN札幌」の開催が、17・18日に迫ってきました。

現在7名の方から申し込みをいただいています。

そして今回初めて申し込んでいただいた方を、結果的にお断りすることになってしまいました。

申し込みフォームを送っていただくのですが、皆さん参加動機の欄にご自分の熱い思いを書いてくださいます。

それがあまりにも簡単で、ブログを読んだのだろうか、私のことを本当に理解してくれているのか、また本気で私から何かを学ぼうとしているのか、まったく伝わってこなかったのです。

何度かメールでやり取りをして、「今回は参加を辞退させてください、改めて自分の気持ちが西本塾を必要としたら、改めて申し込みます」という言葉をいただきました。

私もそれに応え、「それがいいと思います、いつでも広島で待っています」と返しました。

西本塾は、単なるトレーナー養成講座でも、操体法やオクタントトレーニングの勉強会でもありません。

私が歩いてきた道の中で経験してきたことを、今現在悩みもがいている人たちにお話しすることで、私と同じ人間はできないにしても、私に直接出会うことのできないたくさんの人たちにも、間接的にお役に立てるかもしれないという思いで行っていることです。

塾生の皆さんには、いつもどこかに「西本直」という人間を感じていてほしいのです。

以前の私は、「来る者拒み、去る者追わず」要するに何も残っていませんでした。

今でもそういう部分は残っているかもしれません。

おそらくはまだ、私の技術を盗みたい、私と同じことができるようになりたい、そう思って参加している人もいるでしょう。

それは仕方がないことです、しかし、最低限のルールというか礼儀というものはあるはずです。

何回参加しても、その時々の参加動機や興味を持ってさらに深めたいことは違ってきて当たり前です。

それをきちんと伝えていただいてこその「深める会」です。

コピペして数行記入するだけの申し込みフォームですが、そこから伝わってくるものはたくさんあります。

気持ちが伝わってこない人には、こちらの気持ちも向かなくなります。

以前にも書きましたが、西本塾はみなさんとの真剣勝負です。

私は中途半端な気持ちで皆さんの前に立っていません、そのことをしっかり受け止めて参加してください。

プロフィール

Author:西本 直
1993年、Jリーグサンフレッチェ広島を皮切りに、社会人野球三菱重工広島・協和発酵・ヴィッセル神戸・川崎フロンターレ、そして広島カープ佐々岡真司投手など、プロアマ問わず競技レベルのスポーツ選手から一般の方まで、トレーニングやメンテナンスの指導を行ってきました。
その経験と知識の蓄積を「西本理論」としてまとめ、一人でも多くの方に実践していただくことが、これからの私の使命であると信じ、このブログから発信していきます。
私の理論はスポーツ選手のみを対象としたものではなく、ビジネスマンや家庭の主婦まで老若男女すべてに当てはまる不変のものです。
指導や講演のご依頼も受け付けています。
実名でツイッターも書いていますので、チェックしてみてください。
また、2013年9月9日にConditioning Studio 操をオープンしました。こちらもご覧ください。
また、遠隔地にお住まいの方を対象とした動き分析とアドバイスを始めました。
4月15・16日の二日間西本塾を、予定しています。
詳細は「スタジオ操」のホームページ内の講習会情報をご覧ください。

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