学びの姿勢

来月の23日と24日の二日間、数えて7回目となる西本塾を行います。

これまでにもたくさんの方に参加していただき、私の考え方や経験したことを直接伝えさせていただきました。

目的も立場もそれぞれ違うみなさんですが、せっかく来てくれたのに学ぶ姿勢が惜しいなという人もいます。

期待外れだと言われてしまえばそれまでなのですが、私の伝えようとすることが、自分のやってきたこと、知識として得てきたものとの違いを感じてしまい、大きな壁を作ってしまっているのではと感じる人も中にはいました。

どの分野にも勉強熱心な人はいて、著名な方の講習会や勉強会を渡り歩いている人もたくさんいると思います。

自分はいろいろなことを勉強して十分な知識を持っている、さらに最新と言われるものにもアンテナを貼り、とりあえず知らないことはない状態を保っている、そんな人も多いと思います。

私が西本塾を始めたのは、このブログから発信してきた内容を直接伝える機会を作るためでした。

参加してくださった方々にとっては、私も流行り物の一つだったかもしれません。

それでも私なりに精一杯伝えてきたつもりです。

二日間の最後に、お一人ずつ感想を述べていただく時間を作っていますが、最後まで頭の整理がつかず、納得がいかないと感じられる方も何人かいました。

現実に目で見て体で体験してもなお、頭の中の理解が優先されてしまうと言われれば、それ以上は言うことがありません。

申し訳ないですが、そんな中の一人だと思っていた参加者の方が、それ以降ちょくちょく連絡をしてくれるようになりました。

その方は、実際に現場で選手を指導する立場にあり、私が経験してきたことを、今まさに毎日肌で感じているのでしょう。

様々な問題に直面するたびに、私の経験してきた内容をお話ししたことが、思い出されることになって行ったと思います。

改めて自分の体で体感したいと、連絡してきてくれました。

ここが大事なのです、我々がしなければならないのは、目の前にいる選手や患者さんに対して、自分の持っている技術や知識を使って、どんな形でお役に立てるかを工夫することです。

「自分の知識や技術は高いレベルにあるのに、相手に伝わらないのは自分のせいではなく、相手の受け取る能力が低いからだ、自分はもっと高いレベルの選手を相手にしたい」、こんなことを平気で口に出す若いトレーナーに出会ったことがありますが、まさに自分の指導する立場の力不足の言い訳にしか聞こえませんでした。

これでは相手がどんなレベルでも良い仕事はできないでしょう、本人はそこに気づいていないのです。

勉強をする、知識を得る、それは教科書や著名な方の講習会からではなく、目の前にいる人間の体から学ばなければ何の役にも立たないのです、学ぶのも人間から、それを発揮する相手も生身の人間です。

だから私は自分のことを職人だと思っているのです。

私が伝えたいのは、その学び方です。

人間の体を見て何を感じ、どう対処するか、私のやり方を見て聞いてただ真似をするのではなく、いつも言っている根っこの掘り方を学んで欲しいのです。

西本塾ではありませんが、個人的にトレーニングの指導を受けに来てくれる人が増えてきました。

先ほどまで相手にしていたのは、なんと小学校の3年生のサッカー少年です。

以前にもご紹介したイタリアに留学中のスーパーキッズです。

まだまだ本当に幼い子供ですが、自分のためになると感じたことは熱心に取り組んでくれているようで、前回留学直前に来てくれた時に比べ、明らかに動きの姿勢が良くなり背中を意識してくれているのがわかりました。

頭で理解させるには年齢が低すぎますが、それでも実際の動きが変わることで、なるほどそう言うことかとわかってくれているようです。

個人的に来る人たちは、目的が明確ですから、こちらも対応がしやすく、とりあえず納得出来る何かを持ち帰っていただくことが出来ていますが、問題はそれを継続できるかどうかにかかっていると思います。

何はともあれ私の前に立ったのなら、自分を真っ白な状態にして、私の指導を受けていただきたいと思います。

騙されたと思って、という言葉がありますが、私は何一つ騙しているつもりはありません。

体に仕組まれたカラクリを一つ一つ連動させながら、効率良く動かせるようにしているだけです、タネも仕掛けも平等に備わっています。

冒頭に例を出した方のように、わかっていないなと一番心配したような人こそ、私の話と自分の既成概念の狭間で 、実は真剣に悩んでくれていたのですね。

来るもの拒みを、来るもの拒まずにはしましたが、わからない人にはわからないと、私が諦めてしまわず、食い下がってくれる人に対しては、さらにうまく伝える方策を考えなければなりません。

本当の意味で西本理論を継承してくれるのは、意外にこういう人なのかもしれません。

これまでは中身を伝えることで精一杯でしたが、来てくださる方の背景にまで想いを巡らせ、学ぶ姿勢を見極め、伝える私の姿勢にも工夫を加えて行く必要がありそうです。

老若男女、スポーツ選手から一般の方まで、様々な人間そのものを相手のこの仕事、まだまだ奥の深さを見通すところまでは行きませんが、良いこと悪いこと含めて楽しんで行きたいと思います。

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やらなければならないこと

毎日暑い日が続いています、私は室内仕事なので、直接の影響を受けなくて済んでいますが、屋内外を問わずスポーツ活動をしている、またさせている人たちは大変だと思います。

スポーツ活動にとって、夏休みという絶好の機会と、命に係わる健康問題としてのスポーツ活動、せっかくの機会なのに、前から決まっていたから、そんな言葉で安易な判断をしてしまうと、取り返しのつかない事態が起こることは、みんな分かっているのに、それでも中止にできないのですね。

毎年のことですが、何かあってからではなく、しっかりとした大人の判断をして、尊い命を守ってほしいと思います。

さて、先日のテレビ番組で、様々なスポーツ競技の選手たちの本音トークを聞き出すというバラエティー番組がありました。

もちろん作られた演出の部分も多いと思いますが、その中でいくつか気になることがありました。

柔道では相手の動きを体で感じるために真っ暗な中で練習した、精神的な自立を図るために一人で遠征に行かせた、ラグビーの女子代表に入ると自動的に自衛隊に体験入隊する、陸上の400mの選手は練習では300mか350mしか走らない、1時間弱の練習で、あとはトレーニングはほとんどしない。

ほかにも、エーっという話がたくさんありました、本当に演出であって欲しいと思う話ばかりでした。

もちろんすべてが真実ではないにしても、日本のトップランクの選手や指導者たちの、トレーンングに対する取り組み方や考え方は一体どうなっているのだろうと、心配になってしまいました。

トレーニングの方向性、目的、方法論、すべてにおいて確立されていないのではないかというのが、テレビを見た限りでの感想です。

これだから、〇〇トレーニングが良いと言われればそれを取り入れ、また別の何かが出てくればそれに乗り換える、そうやって自分たちはしっかりとトレーニングを行っているのだと信じているのでしょう。

私がこれまで関わってきた選手たちも、そういう意味では何ら変わることはありません。

素質とセンスに恵まれ、気がつけばトップレベルの選手になっていた、ところがそれだけではもうトップレベルを維持することが難しく、同じように上ってきた若い選手に、その立場を脅かされそうになってきて、このままではまずいとトレーニングを始め、なんとかパフォーマンスを維持しようと努力する。

しかし、そうしたトレーニングを重ねてもなお、自分の思ったような動きができなくなっていくことに不安を覚え、なぜどうしてと自問自答が始まった時に、私という人間と、私の考え方に出会い、自分の努力の方向性に軌道修正が必要なことに気づくのです。

このパターンは、判で押したようにという言葉がありますが、途中まで聞いてもうそれ以上は言わなくても分かったと、話をさえぎりたくなるほど同じ言葉が出てくるのです。

年齢による衰えや、自分以上の能力を持った選手に対応するための方策として、必ず取り組もうとするのが、肉体改造という名のもとに行われる、体作りのトレーニングです。

そしてそのトレーニングを真剣にやればやるほど、自分の中に違和感が生まれ、トレーニングの方向性や実際のプレーに疑心暗鬼になっていくのです。

これはリハビリを目的として行うトレーニングにも同じことが言えます。

健側に対して患側の筋力が何%になった、ケガをする前と同等の筋力を取り戻し、周径もほぼ回復できたからもう大丈夫、そういう数値目標を立てて、それがクリアされても現実的には、自分の納得できる動きを取り戻すことができないと、これまた進むべき方向が見えなくなっていきます。

ずっと繰り返しているように、もっとシンプルに人間の体の仕組みをとらえて、それに沿った動かし方ができるようになるためのトレーニングを行えばいいのです。

それを「動きづくりのトレーニング」という言葉で表現し、指導してきたのが私のやり方です。

屈筋重視で、数値ありきのトレーニングをとことんやりこんだという選手も、決して無駄な努力だったとは言いません。

それでは自分の能力を向上させることができないという事実を、身を持って体験したのですから、動きづくりのトレーニングへの方向転換に必要な意識改革も、より真剣に行うことができるからです。

中途半端に、〇〇トレーニングの一つくらいの軽い気持ちで取り組んでも、成果が出るはずはありませんから。

さらには異口同音に、もっと早く知りたかった、回り道をしてしまったという言葉も聞きますが、若いときの勢いだけで活躍できていたその時に、私の話を真剣に聞いて、すぐにでも取り組もうという気持ちには、残念ながらなってはくれません。

みんな後になって気付くのです。

20年以上その繰り返しです。

私の指導力不足、人間力が足りないと言われれば返す言葉もありませんが、すべては本人の人生ですから、どんな道を歩もうと後悔さえしなければいいのです。

回り道もまた良しと、過去を振り返ればいいのです。

まだまだ私の考え方が独自なもので、一般的には異端なものと受け止められてしまうことは仕方がないのかもしれません。

しかし、オリンピックに出場する日本を代表するような選手や組織の人たちから、トレーニングとはこうあるべきで、それに向かって日々精進しています、というくらいの発現が、当たり前になるように、一人でも多くの人が私の考え方に共鳴してくれるように、体づくりから動きづくりへの意識改革を、小さな声で発信し続けていきます。

このブログの本来の目的である、トレーナーとして話しておかなければならないことも、ほとんど言い尽くした感はありますが、それはあくまでも自己満足で、やはり言いっぱなしではなく、誰かにきちんと届いて、何かの役に立ててもらいたいという気持ちは強く持っています。

少なくとも私が直接手をかけられる相手に対しては、確実に意識を変え、動きを変え、誰が見ても、なるほど西本理論とはそういうことだったのか、というレベルまで引き上げたいと思っています。

「本当にやらなければならないことは何なのか」、もっと真剣に考えてほしいと思います。

意識は変えられたか

昨日、兵庫県からサッカー選手がトレーニングに来てくれました。
近い将来、世間にも名前を知られるような存在になって欲しいという期待を込めて、「稲垣良輔」君という名前も紹介しておきましょう。

彼は学生時代には実績を残すことができなかったものの、夢を追い続けドイツに渡って、下部リーグからの挑戦を続けているそうです。

年齢は25歳、どこまで行けるかわからないけれど、自分の可能性を信じて努力を続けているそうです。

ビザの関係で、すぐにはドイツに戻れないそうで、日本でお金を稼いで準備している最中に私のことを知り、何か得るものがあるのではという好奇心と期待を持ってやってきてくれました。

私自身、指導方法や内容に関して、色々考えるところがあって、どんな立場の方の、どんな要求に対しても、仕事として決められた時間の中で、少しでも深く理解していただけるような指導の仕方を模索しています。

今回は現役のプレーヤーとして、自分がこれまで行ってきたトレーニングや体の使い方と、私のブログに書いてあることがどう違うのか、またそれを身につけることで、自分の動きがどう変われるのか、しっかり伝えられるよう準備しました。

前回のブログにも書きましたが、一番のテーマになっていることは、「屈筋の意識をどれだけ消せるか」という問題です。

人間の関節を動かすためには、単純に言えば曲げる筋肉と伸ばす筋肉が、協調的に働いて収縮しています。

どちらかがオンで、どちらかがオフという状態はあり得ません。

ならば、なぜ屈筋の意識を消さなければならないのか、それを頭と体が理解しなければ、動きづくりも、動きの質を変えることもできないのです。

まずは、普段どれだけ屈筋に依存した筋力発揮を行っているかということがわからなければ、話は始まりません。

そして伸筋が働いている状態も知らなければなりません。

そのうえで伸筋と屈筋のどちらを利用した方が、体にとって効率的であるか、ということを実感してもらうという段階に進みます。

実技とホワイトボードやiPadを使っての理論的な説明を行ったり来たりしながら、頭と体にすっと馴染んで行くように指導をして行きます。

その辺りの理解が進んでくると、今度はそういう体の使い方が、実際の動作、歩くこと走ることから始まって、サッカー選手としての動作に、どう繋がって行くのかを説明して行きます。

彼はウエイトトレーニングに関しては、一般的に言われているやり方で、人一倍の努力をしてきたようで、見た目のサイズ以上の筋力を、すでに身につけていました。

しかし、私の考え方ではそれを続けても、欧米の元々サイズの大きな選手に対抗できないと思っていますので、まさに意識を変えて、トレーニングを行い、体の使い方で勝負出来ることを説明して行きました。

人間の感覚は不思議なもので、痛みという感覚には順番をつけることができないようです。

ここが一番痛くて、二番目はここ、さらには三番目などという繊細な感覚は持ち合わせていません。

どこが痛いですかと聞けば、次々と言葉にしてくれますが、それは感覚というよりも、頭が勝手に決めつけて考えてしまっていることがほとんどです。

トレーニングを行う際の、主に負荷をかけたい筋肉の部位でも同じことが言えます。

ベンチプレスは大胸筋を大きくすると思い込んでトレーニングをしても、上腕の二頭筋や三頭筋、肩の筋肉も背中の筋肉も、数えればたくさんの筋肉が協力しています。

あえて大胸筋を強く意識することで、他の筋肉への意識が薄れているだけのことです。

同時に何箇所も意識することが難しいのです。

私が大事だと言い続けている広背筋にも、ベンチプレスを行うことで、 ちゃんと負荷はかかっています。

しかし、広背筋の動きをきちんと意識して動作を行わなければ、広背筋の動作改善、本当の意味での動きづくりにはならないのです。

ベンチプレしであっても、広背筋のトレーニングとして、立派な動きづくりのトレーニングとして成立するのです。

本来広背筋のトレーニングが主目的であるはずの、ハイプーリーを使ったトレーニングを行う際にも、広背筋の正しい収縮形態を理解しないままトレーニングを行ってしまったのでは、私に言わせればまったくその目的とは違うトレーニングになってしまいます。

まずは体の仕組みを知ること、そしてなぜ伸筋を使うことが大事なのかを知ること、それが自分の動きとどう繋がって行くかを理解しなければ、どんなにトレーニングの形を教えても、まったく意味がありません。

屈筋を使っている時には、頑張っている感がすごくあります。

誰かが見ていても、すごく一生懸命やっているように見えます。

これ以上自己満足に浸れるトレーニングはないでしょう。

しかし、伸筋をターゲットにした場合、そういう感覚はありません。

というよりも、伸筋に対してそういう感覚があるような負荷をかけてしまうと、筋肉の収縮に対しての正しい意識を持てなくなってしまいます。

「頑張らないで頑張る」というのはそういう意味です。

屈筋の意識を消すということは、伸筋を使っているという意識を前面に出すのではなく、その意識すら消してしまうことで、無駄に力んで筋力を発揮させようとすることがなくなり、そのことで疲労を感じにくくなり、冷静に体を操ることで視野も広がるという、本来人間に与えられた能力をいかんなく発揮出来るようになると思います。

短い時間でしたが、彼は確実に何かをつかんでくれたと思います。

こうしてどんなレベルの選手であろうと、一般の方であろうと、何を伝えなければならないのかが、自分の中で整理されてきました。

知識と経験を伝える技術、まだまだ深く掘り起こしていけそうです。

トレーニングその目的と意識

世間一般は三連休最終日、私は基本、日月を定休日として仕事をしているので、いつもと変わらない週末です。

今仕事をしている、広島港の旅客ターミナルは、当然と言えば当然ですが、すぐ眼前に広がる瀬戸内海に浮かぶ、似島や江田島に住む人たちの交通手段であり、広島の大きな観光名所である宮島にも定期便が就航しています。

私の故郷愛媛にも、松山行きの高速船とフェリーが就航しており、仕事場から見える景色の中では、常に船が行きかう活気のある港に見えます。

しかし、ターミナルの反対側には大きな公園があり、週末には小さな子供を連れた家族連れの姿も多く見られますが、市内の南の外れという位置関係からか、それほどの人出が望める場所にはなっていません。

私はそこから自転車で10分ほどの所に住んでいますが、20年前広島に越してきた時から比べると、この辺りは広島の中でも一番様変わりをした場所になっているかもしれません。

そんな中、この三連休を利用して、みなと公園で大きな催しが行われています、愛媛県と共催の「せとうちしまのわ2014」というイベントの中の行事です。

昼の12時から夜の10時まで行われているとのことで、昨日は夕飯をはやめに済ませ、家内と出かけてきました。

ステージでは、あまりメジャーな人ではないかもしれませんが、野外コンサートが行われており、焼きそばとかは食べられませんが、ハイボール片手に牛タンを食べながら、楽しい時間を過ごしてきました。

ほんの小さなことでも幸せを感じることができることは、生きていくことにとても大事なことだと思います。

逆のことばかりが大きく意識され、頭の中を占領してしまいますが、できるだけ楽しいことを考えて、それらを追い払っていけたらいいと思います。

屋外ステージで以前ラジオの仕事をさせていただいた、FM広島の方にお会いし、少し話をさせていただきましたが、初めてレギュラーで番組をさせていただいたことで、内容を考えるためにそれまでの仕事を振り返ったり、聴取者の方にきちんと伝えるために、一番苦手な教科書的な知識を整理したりと、よい経験をさせていただきました。

あれからもう15年が過ぎました。

さて、「ConditioningStudio操」をベースに、これからもっともっと仕事の幅を広げたいと、大きな希望と夢を語りましたが、その中でも、個人的に私のトレーニングの指導を受けたいと、わざわざ広島に来てくださる方が増えてきました。

今現在、おそらく日本中どこに住んでいたとしても、そう遠くない場所で体を鍛えるためのトレーニングを行う環境はあると思います。

その中には、それこそさまざまな考え方を持って指導している方がいて、自分の目的にあった内容の指導を受けることができるようになったと思います。

ダイエットを主な目的に、何十万円という高額な費用で個別指導をしますという、テレビコマーシャルまで見るようになりました。

逆に、公共団体が運営する施設であれば、1回数百円で利用することができる施設も身近にあります。

私も東京でサラリーマン生活を送っている頃には、最寄駅近くにできた公共施設でトレーニングを行ったのが、最初のきっかけとなりました。

今でこそ民間のスポーツクラブでも、安価な料金で利用できるようになりましたが、あの頃は普通のサラリーマンが、気楽に足を運べるような場所ではありませんでした。

入会金が何十万円とか、月会費が何万円とか、今では考えられないような金額が当たり前でしたから。

さらには大学はもちろんのこと、公立高校でも立派な器具を備えたトレーニングルームを備えるところも珍しくなくなってきました。

そんないい時代になってなお、わざわざ広島まで来て私の指導を受けてみたいという人がいるのは、普通に考えれば不思議なことでしょう。

私のところにしかないトレーニングマシンがあるとか、特別なトレーニング方法やメニューが用意されている、そんなことは別にないのですから。

人によっては、自分の考えだしたトレーニングの機械や方法論に付加価値をつけ、指導する側にも指導を受ける側にも、特別な条件を与えることで、組織を作り、門外不出の特別感を与えているようですが、私は幸か不幸かそういう才覚がないので、自分の経験の中から作り上げてきたことを、西本塾という形で指導させてもらったり、個人に対してもできる範囲でお役にたてるよう指導をしています。

あとはそれをどう使っていただこうと、少し無責任ではありますが、ご自由にどうぞというスタンスをとっています。

過去何度も書いてきましたが、トレーニングの理論に関して、今の私はこれだと言い切れるものを持っているつもりですが、それは、私が指導をしてきたスポーツ選手たちに対して、彼らの能力をいかにして向上させるか、ケガをした選手の体を、どうやってケガをする以前の状態よりも高めて復帰させるかなど、目的が複雑で高度な要求に応えるために、必然的に構築されていったものなのです。

男女差別と取られると本意ではありませんが、女性はいつまでも若く美しくありたいと願うことが自然であり、男はいくつになっても強く逞しい体に憧れることは当然のことだと思います。

遺伝的なことや後天的な問題で、人間すべてが思ったようにいくはずはありませんが、肉体の強さ逞しさに関しては、その欲求に応えてくれるソフトもハードも、環境としては十分整ってきています。

あとはそれぞれの目的意識とやる気の問題です。

私自身、まず最初の目的は、痩せて貧弱な体を何とかしたいという、極めてシンプルな動機からスタートしました。

それが自分のためのトレーニングから、指導する立場になり、その対象が、体作りを目的に指導すれば事足りるレベルの選手から、選手個々の能力を最大限に発揮させるための動きづくりのための指導が必要なレベルの選手たちへと、対象者が変わってく中で、私自身の行うトレーニングも変わり、指導する内容や考え方もより深まり、「トレーニングとはこうあるべきだ」という確信を得るに至りました。

プロやそれに準ずる競技者レベルはもちろんのこと、趣味程度とはいえ一生懸命スポーツに取り組んでいる人、また将来を見据えてこれから何かを始めようという子供たち、また健康に歳を重ねていきたいというシルバー世代、老若男女、すべての方に対して、その目的に対応したトレーニングとして、動きづくりのトレーニングは有効であると思うようになりました。

しかしというか残念ながらというか、私の考え方を数値化したり、マニュアル化することは難しいので、西本理論によるトレーニングとはこういうものですと、ドンと表に出すことができません。

料理の本を見て、そのレシピ通りに作ったとしても、おそらくまったく同じ味にはならないように、方法論つまりやり方をいくら指導しても、私の望む結果は得られないのです。

この、私がという部分も微妙で、私がこの人間にこういう指導をしたらこうなるのに、と思ったとしても、相手はそこまで望んではいないかもしれないし、もしかしたら私が思う以上の結果を望んでいるかもしれません。

だから、私が大事にしなければならないのは、私に何ができるのかではなく、相手がどうなりたいのかを正確に把握することだと思います。

ですから、ここに来ていただく方には、事前にそのあたりの情報を具体的に伝えてから来てほしいとお願いします。

西本塾に参加していただく時も同じですが、どういう目的でどういう問題を抱えて私の前に立つのか、これがはっきりしていない人を相手にするのは難しいと思います。

西本塾では、一方的でも私の理論を時間をかけて刷り込んでいきますので、ある程度は伝わると思いますが、2~3時間で伝えるためにはやはり情報と準備が必要になります。

では私の指導を受けた人が、なぜ短時間で、ここに来る以前の動きと変わってしまうのか、直接指導してもどこまで伝わっているのか分からない部分を言葉にするとしたらこんな感じでしょうか。

私のトレーニングの目的を一言で言い表すとすれば「屈筋の意識を消すこと」、これがすべてかもしれません。

一般的に思われている屈筋優位説を覆し、伸筋をいかに活用するか、さりとて伸筋には意識して使っているという感覚を持たせない。

屈筋使わず伸筋にも無理をさせない、ではどうやって力を発揮させるのか、大きい人には強い人には本当にかなわないのか。

伸筋がしっかり働いてくれている状態とはどういう状態で、それが自分にとって自然な使い方となることで、どんなメリットがあるのか。

小さくてもいいとは言いながら、それを言い訳にせず、正しい体の動きづくりを行っていけば、個々にとっても理想的な体が出来上がっていくことなど、にわかには信じがたいことを、短時間で実感し、継続していこうという気持ちにさせることが一番大きな仕事だと思います。

肉体改造ではなく、まさに意識改革です。

ここでも紹介したサッカー選手は、もう藁にもすがる追い込まれていた状況であったためか、この意識改革の部分をすんなり受け入れてくれました。

それは言葉の説明だけではなく、一緒に体をぶつけ合ったり、腕づもうをしたり、私の伝える意識で体を動かし、普段取り組んでいるトレーニングの種目を行う際の体の感覚に違いを感じられたり、走ることを怖がっていたのに、私の言う体の使い方をすることで、不思議なくらい走ることが出来たりと、やはり実際に体が納得して初めて頭の理解とリンクしていきます。

先日近況報告のメールが届きましたが、たった一日半のトレーニングで、どうしてこんなに動きが変わったのかと、所属チームのトレーナーが驚いていたと書いていました。

今までこうやってきたとか、この動きはこうやってやるんだと教えられた、それを続けていては変化も向上もありません。

知らなかったものは仕方がありません、知ってしまったら、それが真実か自分の体で体験し、体が納得したのなら、頭がごちゃごちゃ過去の理屈に縛られず、新しいものをすっと受け入れ、それを継続しましょう。

たとえ1時間と言われても、2時間3時間であっても、二日三日かけて泊まり込みで来ていただくとしても、必ず意識改革のヒントをお渡しします。

あなたが求めているトレーニングとは、動ける体を作るためのトレーニングとは、しっかり学んで帰ってほしいと思います。

改めて書いておきますが、トレーニングの目的はみなさんそれどれ違っていいのです。

自分はチーム一の大きな体を作りたい、ベンチプレスで一番になりたい、とにかくダイエットをしてこのお腹をへこませたい、ストレス解消に週に一度でもいいから汗をかきたい、目的も動機も何でもいいのです。

だからその目的に合わせて方法論があり、指導者がいて施設がある、みんながみんなここに来ていただく必要はありません。

その中で私の考え方に興味を持っていただいたとしたら、その中の一つくらいの軽い感覚でも結構です。

間口は広げてあります、少し覗いて退くも、深くはまってしまうのもご自由です。

トレーニング然り、腰痛など体の不調に対するとらえ方然り、本当に体が望んでいることは何か、自分がやらなければならないことは何か、人間として生まれてきた我々です、一度じっくりと考えてみませんか。

追記
ツイッターでも紹介した、私のような糖尿病で、薬に頼らず糖質制限食のみで血糖コントロ-ルを行っている人間でも、安心して食べられる、低糖質・低エネルギーケーキを作っている、鳥取県倉吉市福山217-1にある「ケーキショップ・チロル」0858-28-1185さんから取り寄せした5種類のケーキ、毎日一個ずついただきました。
普通に甘く美味しいケーキでした、大満足です。
こういう取り組みをしてくださるお店が、ケーキ屋さんだけではなく、様々なジャンルの飲食店に広がってくれることを願っています。
関東にはいろいろありましたが、ここ広島には残念ながらありません。
糖質だけでなく、病気で様々な材料を制限しなければならない方も多いと思います。
たんに高価な食材を使い、三ツ星だ四つ星だと贅を尽くした料理は世の中にたくさんありますが、人間の体にやさしい食材を使って、時には甘いものを食べたいという欲求も満たしていただけたこと、本当に感謝します。
来月の誕生日には、是非また注文させていただきたいと思います。

仕事、夢、今後の展開

W杯も終わりました。

広島では私の予想通り、巷の話題はもっぱらカープのことが中心となっています。
昨年やっと3位に滑り込み、CSに進出出来たというのに、シーズン前半の快進撃に1991年以来の久々の優勝もありと、心から信じて応援している地元の方々の熱気は、多分よその地方の方には理解不能な状況だと思います。

個人的には、優勝がないとは言いませんが、昨年に続き確実にAクラスを続けて、チームとして勝つということになれるというか、勝ち方を覚えるシーズンになればと思っていました。

長いシーズンですから、チームとして選手個人として、好不調の波があることは仕方が無いと思います。

首脳陣がそこをきちんと見極めて、トータルとしてシーズンの結果に対して向き合っていかなければ、ここ数年と同じように、「惜しい広島」で終わってしまうような気がします。

なんだかんだと広島での生活も長くなりましたので、やはり地元のチームという意識を持つようになり、なんとかがんばって欲しいと思います。

昨日からJ1リーグの試合も再開し、ACL組の試合が行われ、サンフレッチェは後半の最後で追いつかれ、ロスタイムで試合を決められてしまいました。

中断期間に戦術の徹底を図り、体力強化に努め、万全の状態で臨んだはずの試合で、後半足が止まってしまうというのは、どういうことだったのでしょう。

新聞によると、後半に投入した選手も、期待されたような動きは出来ていなかったと、厳しいコメントが書かれていました。

この話は、一ヶ月ほど前に、日本代表チームの大きな課題として取り上げられた問題だったように思います。

中断期間と準備期間、それぞれスタッフが綿密な計算をしてコンディションを整え、さらに上げて行った状態で試合に臨んだ結果が、現実としてこういう結果になるということは、明らかにその過程に問題があるとしか考えられません。

勝ち負けには、いろいろな要素が絡んでくるとは思いますが、コンディションや選手個々の動きに関しては、言い訳ができないところが大きいと思います。

現場を離れると、冷静な目で色々なことが見えたり考えたり出来るようになりました。

さて、ここ「Conditioning Studio 操」を作って仕事を再開し10ヶ月が過ぎました。

私の人生、先々のことを考える余裕などなく、いつも目の前のことで精一杯でした。

今回も、何とか自分の城を作って、仕事を再開しなければという気持ちだけで、ここで何をしたいとか、何ができるだとかいう具体的なプランは描けてはいませんでした。

その中でこうして、自分の想いをブログに書き綴ることから始めて、西本塾という形で私の経験や知識を伝える活動をしたり、私自身に興味を持っていただいた方が、遠くからわざわざ広島まで来ていただいて、話を聞きたい、西本理論を体験したい、これまで受けてきた施術に満足できない、日常行っているトレーニングのやり方や方向性に納得していない、リハビリを繰り返しても思ったような状態に回復できない、単純にもっと動ける体が欲しいと、さまざまな目的と興味を持って、私の元を訪れて来る人が増えてきました。

まったく行き当たりばったりで、そういう状況を想定していませんでしたので、お問い合わせをいただく度に、「遠くから、時間とお金をかけて、わざわざ広島まで来ていただくことが、本当にあなたにとって有益なことなのか、よく考えてください」だとか、たった一度私の指導を受けたからと言って、すべてがわかるわけではないし、私自身中途半端な指導はしたくないので、電話の向こうの見知らぬ人に対して、私の指導を受ける覚悟がありますかなどと、脅かすような言い方になってみたり、我ながら一体自分は何が言いたくて何がしたいのだろうと、電話を切った後、考え込んでしまうこともしばしばです。

体作りではない動き作りのプロとして、私を信じて私を頼って、ここまで来てくれた人たちに対して、私は自分の持っている力を余すことなく発揮して、その方の期待に応えてきたつもりです。

チームに所属し、毎日顔を合わせる選手を指導する時のような状況ではありません、まさに一期一会の一発勝負的なところがあります。

私は勝てない喧嘩はしない主義だと言ってきました。
その意味の中には、これまで見たこともない人間に対して、たかが2時間や3時間の指導で、大きな変化を感じさせ、今後に役立ててもらえる効果を与えることが出来るのだろうかという不安があるのです。

たとえば東京から、毎週末、月に一度、二ヶ月に一度と定期的な指導を継続していただくことが出来る環境にある方はいないでしょう。

ブログを読みナンバーの記事を読み、とにかく私のところに行けば何か得るものがあるかもしれないと、思っていただくのは本当にありがたいのですが、私がこれまで求めてきたものは、自分が指導すればこうなる、こうなったという確実な成果でした。

それはまったくの自己満足であったかもしれませんが、そうやって自分を高めモチベーションを維持してきたのです。

それができないとわかっていることを、仕事として請け負うことを、自分の中のちっぽけなプライドが躊躇させてしまうのです。

そんな中でもすでに数多くの人からの依頼を受け入れ、それぞれの方が期待していただいた以上の効果を実感していただき、喜んで帰って行ってくれました。

第三者的に見ればまったく問題はなく、私の能力をもっと広く一般の方のためにも発揮するべきで、もったいぶって電話で理屈を並べるような対応をする必要はないのかもしれません。

縁があって私に興味を持ち、遠路広島まで来てくださるという方に対して、お互いのスケジュールさえ合えば、私が言わなければならない言葉は「ありがとうございます」の一言でいいのかもしれません。

先日リハビリのトレーニングを加速させるために来てくれたサッカー選手と過ごした時間など、チームに所属して当たり前のような顔をして私の指導を受けていた選手たちの時とはまったく違う、まさに濃密な真剣勝負でした。

こんな気持ちで選手と向き合えるのも、こうして個人で仕事を再開したおかげだと思います。

プロの選手から、小学校の3年生まで、年齢もレベルも目的も、みんな違う人たちに対して、きちんと要求に応えることが出来るのは、やはり自分しかいない、自分しかできないと、改めて思います。

体力的なことを考えても、何処かに所属して一年中現場に立ち続けることは難しいかもしれません。

そんな私ですが、夢というか、こうなりたいという願望は、言葉に出さなければ絶対に実現しませんので、実現不可能とわかっているものも含めて書いてみたいと思います。

まずは、私がサッカー日本代表のコンディショニングアドバイザーとなって、基本的な歩き方から始まって、サッカー選手にとって有益な走り方から体の使い方、それを可能にするトレーニングの仕方を指導する。

普段は別々のチームの選手たちですから、それぞれの選手を巡回して、個人として、またそのチームのスタッフにも指導をさせてもらって、意識や方向性を共通なものにして行く。

トップがそういう発想を持つことで、アンダー世代の指導者にも確実に指導を広げ、育成年代からトータルとしての、日本人にあった動き作りの考え方を定着させ、日本全体のレベルアップを図る。

まあ大きなことを言ってしまいましたが、これがもし実現したら、間違いなく日本のサッカーは変わると思います。

まったく実現不可能でしょうが、夢を語るのは自由なので書いてみました。

もう少し現実に近いものとしては、Jのクラブやプロ野球の球団とアドバイザー契約を結び、キャンプの期間とシーズン中は月のうち1週間チームの要求で個人や全体の指導をして、チームの勝利のお手伝いをする。

プロでなくても、いろいろな団体から依頼があれば指導もしてみたいと思います。

ここ「操」では、個人的な相談を受付け、指導者であろうと、施術者であろうと、選手であろうと、レベルや年齢にかかわらず、きちんと要求に応えられる指導をする。

もちろん腰痛など体の不調で困っている方に対しても、私のところへ来てよかったと思っていただける、結果にこだわった施術を行う。

希望者がまだあるのなら西本塾もできれば継続し、これまでの経験が一人でも多くの方のお役に立てる仕事をして行きたいと思います。

加えて、もし呼んでいただけるのなら、全国何処へでも、もちろん海外でも出掛けて行って、出来る限りのことをして行きたいと思います。

「来るもの拒み、去る者追わず」の頑なな職人気質はまだ抜け切れていませんが、体力と気力が続くのも、そう長くはないと思うので、出来る時に出来ることをやっておこうと思います。

もし書いたことを全部やらせてもらえるとしたら、私一人の体では足りませんね、やはり後継者を作っておくべきだったでしょうか。

ここでの指導は、時間配分もあって、仕事として、もちろんお金をいただかなくてはなりませんので、「操」のホームページで、よく確認していただいてから、ご連絡していただければと思います。

来月になると、また一つ歳を取ります、丸くなって行く自分と、尖ったままの本性をうまく調整して、自分にとって一番苦手なストレスという厄介な存在とうまく付き合って行きたいと思います。

私の仕事は、私を利用しようという人がいなければ、一人でごちゃごちゃ言っていても何も始まりません。
必要だと思っていただく方、どうぞご利用ください。

ただただお疲れ様でした。

今朝はちゃんと4時に目が覚めて、決勝戦をリアルタイムで見ることができました。

念のために予約はしていましたが、私の中の体内時計は、まだ正常に作動してくれているようでした。

決勝戦に相応しい素晴らしい試合でしたが、両チームの選手たちの疲労はとうに限界を超え、意地とプライドだけが彼らの体を動かしているように見えました。

もともと運動量が少ないことを揶揄されるメッシですが、試合全体を通じて、私が思っている以上に動かないメッシがピッチの中をうろうろ歩いていました。

素人考えだと、ここまで動けない(動かない)選手よりも、もっと元気な選手を出せばいいのにと思ってしまいますが、ほんの数回、キラッと光る瞬間の動きは、他の選手にはできないのだろうなと、妙に納得させられたりもしました。

前半早々に訪れた絶好のチャンスを外し、最後の最後のフリーキックもコントロールが効かず、気力だけではどうにもならない体の疲労というものには、あのメッシでさえ逆らうことはできないのですね。

神の子メッシも、やはり人間でした。

もう技術がどうの体の使い方がどうのというレベルでの感想は、選手たちに失礼で何も言うことができません。

ただ気になっていたディフェンスの際の姿勢ですが、両チームの堅い守りを支え続け、今日の大舞台でもしっかり出し切れたパフォーマンスは、過去の試合で目についた、腰が落ちて上体が前傾し、瞬間的な動きだしに対応できていないと、私が言い続けてきたその姿勢と、何か違いがあるのかと探し続けました。

前回のブログにコメントをいただいた方が、バスケットではああいう姿勢にはならない、という趣旨のことを書いておられましたが、サッカーはボールが地面にあることが基本での一対一で、バスケットはドリブルにしても、そこからのパスにしても、オフェンスの選手からボールが体を離れる瞬間は、おそらく胸の高さくらいになると思うので、ディフェンスの対応する姿勢も、向けられる視線も、それに合わせているわけで、変わってくるのはある意味当然だと思います。

しかし、サッカー選手があまりにもボールに対する意識が強いため、体の動きでどんなフェイントを仕掛けられようと、最後はボールの動きさえ見ていればいいんだという、対応になっていたのだと思います。

現実にはそれでは通用しません、ボールに意識を向けつつ、体の動きに対応していますから、居ついてしまい、瞬間的な対応が遅れるのは当然です。

ならば、バスケット選手のように、視線を少し上げ、体の動きに対して対応することを優先し、ボールももちろん視野の中に入れておく、という意識が必要なのではないでしょうか。

今日の試合を見ていると、今まで見てきた一対一のシーンよりも、ディフェンスの選手の顔が、いい意味で上がっていて、視野が広く保たれているように感じました。

想像以上の疲労の蓄積の中で、あれだけの対応ができたということは、そういう意味なのではないでしょうか。

居つかされて、踏ん張りかえして動き出すには、大きな筋力が必要でエネルギーも使います、それを繰り返せば、当然時間とともに疲労が蓄積し、動きが遅くなるのは当然でしょう。

ディフェンスはあくまでも受け身の立場ですが、相手の動きを誘うような積極的な体の使い方ができれば、違った対応もできるかもしれません。

西本塾で学んでいただいた皆さんには、すでにそういうアイデアが浮かんできているかもしれません。

サッカーを真剣に見始めて感じた、一対一のディフェンスのシーンの何とも言えない違和感は、背中をしっかり起こして目線を高く保っていることが重要なのだという私なりの結論を、この1か月のW杯期間中に得ることができました。

サッカー素人を自認していますが、その私が見たサッカー選手の、最終局面での一対一の対応の動きは、こんな風に意識して動いてみたらどうですかという提案として、参考にしていただければと思います。

もちろん形だけで結果に結びつくはずはありません。

なぜ背中を起こすことが大事なのか、体の仕組みからじっくり学んでいただき、屈筋よりも伸筋の方が強くしなやかで持久力もあること、それを生かすためには広背筋を機能的に働きやすく保つためのトレーニングが必要でと、根っこを掘り下げる作業なしに、おいしい実がならないことは肝に銘じてください。

けっして形だけにならないように、もう一度言っておきます。

それにしてもあっという間の1か月でした、金色に輝くW杯を手にしたドイツの選手やスタッフたちの喜びは、想像もつきません。

舞台が大きすぎます、私が経験してきたステージとはレベルが違いすぎます。

しかし、私も勝つことの喜びも、負けることの悔しさも、何度も味わってきました。

これまでは選手を支える立場として、これからはそれに加えて、私と同じ支える立場の方々を支えるという仕事も少しやらせていただいて、誰かのためにをさらに形にしていきたいと思います。

さて今日は家族とともに、プロ野球の2軍戦、カープ対オリックス戦を見に行ってきました。

試合ですから勝つことはもちろんですが、一軍に上がるため、個人個人が課題を持って試合に臨み、結果を求められるのが2軍の試合の見所です。

篠田投手は先発投手として3回2アウトまでは完璧な投球を見せていましたが、代打に3塁強襲のヒット(私の目にはグラブが届いており、単なるエラーにしか見えませんでしたが)を許し、自らのワイルドピッチで2塁にランナーを進め、次打者にセンター前ヒットを打たれ失点、さらにセンターがホームに大暴投を投げ、打者走者が一気に3塁まで進み、次の打者にもタイムリーを打たれ2失点で、次の回に代打を送られました。

今日と明日で2軍の公式戦も中断期間に入るので、たくさんの投手を使う予定はあったのでしょうが、一軍のローテーションの一角に戻るためには、物足りない結果となりました。

先ほども言いましたように、2軍の打者は自分が打ってナンボの気持ちで、打席に入ってきます。

試合の流れとか、打順とか、そううことより自分の打撃をアピールするために試合であり打席です。

その打ち気をどう利用して打ち取っていくかという駆け引きが必要になります。

ただ低めに、直球や変化球を投げているだけでは、打ち取っていくことはできません。

それがあと一人のところからリズムを崩し、飲み込まれてしまったということは、まだまだ自分のことで精いっぱいということなのでしょう。

フォームで気になるところはいくつかありましたが、ここはダメというレベルの問題はありませんでした。

確実に進歩しています。

後半戦、チームの力になれるよう、奮起してほしいと思います。

事前の準備と最後の賭け

昨日はツイッターで我が身の不養生で大騒ぎをしてしまいご迷惑をおかけしました。
ご心配をいただいた皆さん本当にありがとうございました。

何時も分かったようなことを言っている私ですが、当然自分の分野に関する経験や知識を述べさせていただいているだけで、専門外の分野に関しては、知らないことばかりで、皆さんに比べ甚だ経験不足な自分であることは否めません。

今回のようにまだ大丈夫だろうという、勝手な思い込みが自分でも驚くような事態を招いてしまい、反省しきりです。
まだまだ症状は改善していませんが、解熱剤の効果か熱は下がり、気持ちも落ち着いてきました。

今まで相手にしてきたのは、ぶつかったとか捻ったとか、骨が折れたとか、筋肉がどうしたとか、そういうケガに対する対応が多く、一般の方にしても多くは腰痛とか寝違えとか、筋肉の問題がほとんどでした。

今回のような泌尿器科に関することの知識はほとんどなく、排尿時の痛みとか、困難さとか聞かれても、以前から頻尿気味で年齢とともに仕方がないものだと諦めていたり、これくらいで痛いというのかなと訴えなかったり、今回の前立腺炎という疾患に気づくのが遅れてしまいました。

しっかり養生して再発させないように気を付けたいと思います。

という訳で、やっと準決勝の残り一試合、アルゼンチン対オランダ戦を見ることができました。

この試合での私の視点は、ディフェンスの選手の姿勢を見ることでした。

何度も書いてきましたが、一対一の局面になると日本の選手はほとんどが腰を落とし前傾して、相手の動きに対応しようとします。

関係者に聞くと、そういう姿勢が正しいと指導を受けてきた、また現実そうやって指導しているという声が多く聞かれました。

それがどうしてだめなのか、すでに何度も話題にしてきましたが、W杯レベルの超一流選手たちですら、ゴールを背負った一対一の局面では、そういう姿勢を取る選手が多いことには驚かされました。

我々日本人と違って、広背筋を有効に使えるように生まれ育っている選手が、なぜそうなってしまうのか、そこに興味が集中し、何か秘密があるのではと考えました。

得点を取るのが仕事のFWの選手たちは、試合中に何度も名前を呼ばれ、顔と名前が一致する選手も増えてきましたが、ボランチやディフェンスの選手たちにはスポットライトが当たる瞬間が少なく、攻め込んでいる時には画面から消えてしまうので、全体としてのポジションどりや動き出しの瞬間が探しずらいことも、今回気づきました。

ブラジル対ドイツ戦は、一方的な内容になってしまったため、一対一での対応も悪いイメージのプレーが多く、このレベルの人たちでもこうなるんだなと、がっかりしましたが、アルゼンチンもオランダも、前日の試合の後のためか、とにかくつまらないミスからの失点は絶対にしないとばかりに、鉄壁な守りを固めていたように思います。

日本戦ならすぐにでも見つけられる、一対一での腰を引いた姿勢での守り方や、相手の動きに対応できず軸足に居付いてしまって、簡単に抜かれていくというシーンは、ほとんど見られないのです。

というよりも、背中にゴールを背負って一対一の絶体絶命の状況になる前に、すでに組織としての対応がとられていて、個人にそのしわ寄せが来ないように守っているのです。

オランダはロッベンやファンペルシー、スナイデルなど強力な攻撃陣が前線にいますが、今まで名前も知らなかったボランチのマスチュラーを中心に、彼らの危険地帯でボールを持たせないように、早め早めに対応しています。

当然姿勢は安定し、いち早くボールに対応したり、相手の動きだしにも素早く対応できるよう、背中が普段通りきちんと立っているので、腰を落として前傾し、後づ去りしながらゴールに迫られるというシーンにならないのです。

このあたりは個人の能力だけではいかんともしがたい部分があるでしょう。

過去見た試合でも、そういう状況になってしまったらほとんどの選手が、私に言わせれば、「なんで」という姿勢になってしまい、一か八かの対応を余儀なくさせられているのですから。

腰を落とし状態で、上体を前傾させてしまえば、対応できるのは目の前の選手一人に限られます。

それもどちらか一方だけは絶対に通さないという構えで、体重をほとんど後ろ足にかけてしまいますので、攻める側は、ディフェンスをどちらか一方向に誘い出し、片方の足に居付かせるために、フェイントを駆使すれば、五分五分の確率どころか、ほとんど100パーセント振り切られてもおかしくない状況を自分で作ってしまうことになります。

まずはそういう状況を作らせない組織としての守り方を徹底する、これが一番でしょう。

その組織の一員として求められる資質や能力は、想像以上に高いものでなければならないと思います。

背が高いとか、体が強いとか、足が速いとか、そういう何かに秀でたというのではなく、瞬間的な対応力が最優先の条件だと思います。

日本の試合だと、プレーが止まった時に味方に対して激しい指示が飛んだり、ミスをした選手が下を向いてしまっていることもよくありますが、両チームの選手とも全くそういうシーンが見られません。

選手同士がリスペクトしあい、たとえミスがあっても責めたり下を向くことなく、次のプレーに集中できる、これが世界の一流プレーヤーたるゆえんなのでしょうか。

コーナーでクロスを上げようとしている選手に対して、スライディングをして阻止するシーンでも、ぎりぎりの一つ手前で足を出しているので、ファールにならず、きちんとボールに行けているのは、やはり姿勢の良さからくる動き出しの速さだと思います。

腰を落とし前傾してのディフェンス姿勢は、半分降参の赤旗を挙げていることに等しいと肝に銘じて、もうやめた方がいいと思います。

その局面になったからこそ、骨盤を引き上げ背中を反らして、相手のどんな動きにも対応できる準備と、どこへでも足を投げ出してボールを止めることができる股関節の自由度を確保すること、意識を変えて姿勢を作り直し、世界に通用するディフェンダーが日本から誕生してほしいと思います。

点を取れなければ勝てないのがサッカーですが、点を与えなければ勝てるのもサッカーだということを今回のW杯は教えてくれました。

とくにゴールキーパーの活躍は目を見張るものがあります、常にアイドリング状態が保たれ、どんな方向へもダイブできる、そんなキーパーがたくさんいました。

ディフェンスでは、以前から名前を覚えていたオランダのデヨング、メッシに張り付き仕事をさせなかったのは見事でした。

それから初めて覚えた名前ですが、アルゼンチンのマスチュラー、先ほども触れましたが、最後列のひとつ前で、強烈な攻撃陣に自由なスペースを与えず、的確なポジションを取り続ける姿は、ちょっとかっこいいと思いました、たしか14番の選手です。

決勝はどんな試合になるのでしょうか、アルゼンチン対オランダ戦のような、じりじりと隙をうかがい、ワンチャンスにかけるような戦いになるのか、それとも両チームの攻撃陣が躍動し続けるような攻撃サッカーを見せてくれるのか。

そのどちらになっても、私の視点はもう一度ディフェンスの選手を追ってみようと思います。

私ごときの提言など役には立たないでしょうが、今回の日本代表の戦いぶりを見る限り、修正点というか課題の一番はきちんと守れる選手の育成ではないかと思った次第です。

決勝戦の後、そのヒントにでもなる何かをここでまた書ければいいと思います。

ゴルフ体の連動

先週の日曜日、一昨年の夏ドラコン大会の会場となった、リージャスクレストゴルフクラブ・グランドコースに行ってきました。

時期は8月中旬、まさに夏の盛りで炎天下のもと行われた大会でした。

結果は念願の300ヤード超えを記録し(305ヤード)、一つの目標を達成しました。

このコースに来るのはその後2回目で、コース自体のレイアウトもあまり記憶にはありませんが、コースを知り尽くしたメンバーさんと一緒なので安心してプレーすることができました。

同伴者は、私がパターの師と仰ぐ方と、私のトレーニーとして長くお付き合いをいただいている方で、65歳になられますが現在も競技ゴルファーで、さらには一緒にラウンドするのは初めてながら、ハンデ1のバリバリの競技ゴルファーの方という豪華メンバーでした。

さすがにドラコン大会では、ティーグランドから見て左サイド260ヤード付近にある、20ヤードほどのバンカーを越えなければ、ドラコン選手として話にならないレベルでしたが、普通にラウンドするときには、間違ってもあのバンカーは超えないだろうという感覚しか持てない距離感でした。

私の持ち球というか、ドライバーから放たれたボールは、よく言えばパワーフェード、悪く言えばスライス系の球筋のため、もっとボールを捕まえることができれば、ようするにドローボールを打てれば、もっと飛距離が出るはずだと、上級者の人にあおられて、この半年ほどボールを捕まえることを第一に考えてスイングを改造中でした。

距離の出ない人から見れば、フェードボールとはいえ普通に打てば250ヤードは飛ばすことができるし、一日に2・3回は270ヤードくらい飛ぶこともあり、さらには方向性もだいぶ安定してきたので、もう飛距離を追い求めることはやめてスコアアップを目指した方がいいのではと言ってくれる人も増えてきました。

まだ70台を出したことがないので、せめてゴルフを始めたからには80切りを達成しなければとは思っていますが、まだまだ筋力には自信がありますし、ゴルフの飛距離アップのための動きづくりを研究しているので、もうすぐ56歳になる私の年齢でも、さらに飛距離アップができることを証明したくて、ひたすらドライバーのスイングを研究しています。

200ヤードそこそこの飛距離の方が20ヤード伸ばそうというのなら、まだ話は簡単ですが、常時250ヤードを打ち、ドラコン大会では300ヤードを超えた私の飛距離をさらに伸ばそうというのですから、そう簡単な話ではありません。

今一番のテーマになっていることは、インパクト後のヘッドの軌道です。

つかまり球を打つために、インパクト後に急激にヘッドを返す意識が強くなりすぎて、いわゆるボールを押し込む動作ができず、スイングアークが少し小さくなってしまい、上体が早く起き上がってしまっていたのを、なんとかヘッドアップせず、前傾を保ったままヘッドを押し込み、ボールを見送れるようにしたいと思っています。

それが出来れば、間違いなく飛距離アップは望めると思っていますし、方向性も良くなってくると思います。

日曜日のラウンドですが、ドライバーでのティーショットでOBが4本、ショートホールで22度のユーティリティーアイアンでのOBが1本、そしてセカンドショットのミドルアイアンでOBが1本と、合計6本のOBを打ってしまいました。

ショートホールとセカンドのOBはピンを意識しすぎて顔が上がってしまい、シャンクしてしまいました。

ドライバーはボールの曲りというよりも狙った方向のミスで、ある意味納得しなければなりません。

自分のボールがどういう軌道を描くのか、まだまだ半信半疑の状態で構えているため、スイング自体が中途半端になっていると思います。

そんななか、終わってみれば46・45・91というスコアでした。

バーディーも2つあり、アプローチもパターもいつもに比べれば危なげなくできて、褒めていただくことができました。

ゴルフにタラレバは禁物ですが、OB6個分を差し引けばかなり良いスコアで回っていたことになります。

早くドライバーのスイングを安定させ、今回のようなショートゲームができれば、スコアアップも近いかもしれません。

そんな楽しいラウンドでしたが、もう長くお付き合いをいただき、スイングも体のことも私なりにきちんと把握していると思っている、ベテランの競技ゴルファーの調子が、今までご一緒させていただいた中で一番と言っていいほど良くないのです。

他の方にはラウンド中に、ああだこうだと言うことはできないのですが、その方には体の使い方という観点から、私なりに気づいたことは伝えるようにしています。

今回は体の動きが連動していないことが明らかでした。

アドレスからの始動が、まさにヘッドだけをひょいと持ち上げてしまい、体が捻れていかないのです。

左肩が顎の下に入っていかないどころか、右肩もアドレスの位置から後方に動いていきません。

そうなるとまさに手打ちということになり、体が起き上がってボールの頭を叩きトップボールになるのです。

それが何回か出てしまうとなおさら、ボールをしっかり見てという気持ちになり、悪循環に陥ります。

私はポイントとして、いつもトレーニングで意識してもらっている、右の肩甲骨を使いましょうと声をかけ、ハンデ1の方からは下半身が動いていませんよと声をかけられ、指摘している場所こそ違っていますが、言いたいことは「体が全体として連動していませんよ」ということなのでした。

その方は、結局最後まで、いつものスイングを取り戻すことができませんでした。

金曜日にトレーニングに来ていただいたときにその時の話をして、改めてアドレスからの始動の意識を確認していただきました。

それは右足の裏側の内側、親指のラインで外側に地球を回そうとするように力を加えるという意識です。

ゴルフシューズにもソフトスパイクが付いていて、地面をしっかりグリップしてくれます。

下半身主導とか手を使わないなどと言う言われ方をしますが、やはり長いクラブを両手で握っているのですから、手を使わないと言われてもイメージはしにくいと思います。

下半身主導を意識しすぎると、体が先に開いてしまい振り遅れになる方がほとんどですし、足はついてくるからとにかくしっかり腕を振れと言われると、今度はリストの返しが早くなってしまい、左へひっかけることになります。

地面においてあるボールを打つことはこんなにも難しいものかと、嫌になることもあります。

そうした中で、右足裏で地球を回そうとすると、もちろん地球が回るはずはありませんから、スパイクによって固定された足裏の動きが膝の内側に伝わり、さらに股関節の届いて、骨盤の右側が上後方に引き上げられるような感覚になります。

実際にはまだそこまでの動きは表面上現れていませんが、体の内部では、そうなっていることを自分で確実に感覚できるところまで意識して、地球を回します。

それが確実に感覚できたら、あとはもう何も考えずに力任せに腕の力を使ってクラブ動かしても、オートマチックに背骨が捻れ、下半身はそれを受け止める準備がすでにできていますから、体が流れてオーバースイングになることもなくトップに位置まで上がっていきます。

そうすると右の股関節に十分重心が移動し、今度はダウンスイングに入る瞬間に、右の股関節はそのまま我慢して、左の股関節を同じく上後方に引き上げる意識で、一気に骨盤を回転させると、上半身の力と下半身の力が最大限に交わって発揮された瞬間にインパクトを迎え、最大の飛距離を得られるということになります。

言葉でいうのは簡単ですが、この股関節の動きを完全に使いこなせるようになるためには練習が要ります。

このことのエッセンスを、アコーディアゴルフグループの会報誌に連載させていただいています。

トレーニングをしながら、何度かお話したことがある内容ではありましたが、改めてその意味をお話しし、次のラウンドにはおそらくしっかり修正して臨んでいただけるようにドリルを行いました。

私がスイングに対してアドバイスするなどと言うことはおこがましいほどレベルの違う方ですが、そういう方でもほんの少しの意識の違いがスイングを崩し、修正ができないほどの状態でラウンドを終えてしまうこともあるのです。

野球の投手に対しても、ボールをもってフォームの修正はできないと、動きづくりのトレーニングをさせますが、ゴルファーも同じです。

まずは正しい体の動き作り、これなくして高いレベルでの修正はできないと思います。

負け惜しみとなりますが、ゴルフはお金と時間をかけた人がうまくなるというのはある意味仕方のないことです。

しかし、それで到達できるレベルには限りがあります。

自分がどこを目指すのか、シングルハンデ入りか、クラブチャンピオンか、地区のチャンピオンか、日本のトップアマか、そのどこが目標であっても、やることは一緒です。

現状に満足せず、高い目標を求めるのなら、動きづくりのトレーニングは絶対に必要だと思いますし、私のアドバイスも決して無駄にはならないと思います。

W杯、今朝も早起きして試合を見ました。

日本のマスコミはピッチの上の選手ではなく、裏話や家族との秘話みたいな、サッカーとは無関係なことばかりをここぞとばかりに表に出して報道しますが、私たちが期待しているのはピッチの上で躍動する選手の姿です、プライベートに興味はありません。

外国のチームの試合を見ていると、純粋にサッカーのプレーを見て楽しむことができます。

私など普段見聞きすることがない選手ばかりですから、なおさらそう思います。

スポーツ選手はアイドルではありません、汗をかき泥まみれになってボールを追い続ける、その姿だけを報道してほしいと思います。

秘話は外に出ないからこその秘話なはずです、私だけが知っていることは人には言ってはいけないのです。

ベスト4が出そろい、いよいよクライマックスが近づきました。

最後まで楽しませてもらいましょう。

施術とトレーニング

今でこそ私は、スポーツ選手を相手にトレーニングの指導をしたり、体作りではなく動き作りが大事なのだと言ってみたり、一流選手の動きを分析して、人間に本来備わっている能力の可能性を探ってみようなどと、ちょっと変わったところで注目されたりしています。

元々は痛みや体の不調を訴える人に対して、道具を使わず自分の手と感覚でアプローチする施術行為の腕を磨き、縁あって広島に渡りプロスポーツ選手を相手にするようになりました。

一般の方の施術ももちろん行いますが、その方達にとってみれば私がスポーツ選手に対してどんなことをしているかなどはまったく関係ないことで、自分の痛みが改善すればいいだけのことです。

治療院や各種の施術所に対して、一般の方が期待するものはそれほど大きくないような気がします。

もしかしたらそれは医療機関でも同じかもしれません。

多少なりとも楽になればいい、本当の意味で治癒とか改善してくれるというレベルまでは期待されていないような気がします。

はっきりとリラクゼーションをうたっているのであれば、その場限りの安らぎを与えてもらうことが目的ですから、双方なんの問題もありません。

それが医療機関だったり、腰痛改善等を前面にうたった施術所であれば、それなりの結果を出さなければ、わざわざ来てくれた人に申し訳がありません。

にもかかわらず、多くを期待されていないのは、その期待に本当の意味で応えてくれる施設や施術者に出会ったことがないからだと思います。

私のところに来る一般の方も、最初は同じ気持ちで来る方がほとんどです。

少しでも楽になれば、当然のことだと思います。

しかし私はそういう考えで施術を行いません。

腰が痛いから腰を治す、首が痛いから首を治す、そういう発想がもともとありません。

今日久しぶりに来られた男性は、一月半ほど前に、長いおつきあいをいただいているアマチュアゴルファーの紹介で来られた重度の腰痛の方でした。

病院ではヘルニアの診断を受け、10日間まったく自分で歩くこともままならない状態で、ここへも駐車場から数分の距離を20分以上かけてやっとたどり着き、その日を含めて3日間、私が車椅子で駐車場まで送り迎えが必要な状況でした。

とにかく行ってみろと言われて、車で1時間以上の距離を走ってきてくれましたが、正直ここでどれだけの変化を期待していただいていたか、いつものことですが表情や会話の様子で察しがつきます。

3日続けて来ていただき、4日空けて4回目に来ていただいた時には、日常生活にはほぼ支障がない状態になり、1週間空けて5回目に来ていただいた時には、大好きなゴルフの素振りを施術後、ここでブンブン振っていただくことが出来ました。

私にとってはある意味当然の経過ですが、10日もほとんど動けなかった本人にしてみれば、自分の体の変化に追いつくことができず、まだまだ不安は消し去れない様子でした。

今日は、始めて来ていただいた時のことから改めて振り返り、いろいろな話をしましたが、その方が一番不思議がっていたのが、私があまりにも自信満々で、こうしたらこうなる、今はこういう状態だから、明日にはこうなって来週はこうなると、断定的なものの言い方をすることでした。

もちろん適当なことを言っているわけではありません、「この動きは誘導してもらえたら動けたけれど、この人の頭は不安の方がまだまだ大きくて、一人では動かそうとしてくれないから、少し日にちの薬がいるね」とか、「腰から背中への連動はまだ怖いから今日はやめといて」などと、本人その人ではなく、その人の体そのものと会話しているのですから間違いありません、自信を持ってこうなりますと言っているのです。

今までこんな言われ方をしたことがない、痛みが我慢できなくなり近くの医療機関を受診すると、安静にして様子をみてくれ、痛みがひどいようなら痛み止めの注射をしましょう、そういう対応しかされたことがない、そう言われます。

私は魔術師でもペテン師でもありません、それぞれの人間の体に対して、どういう使い方をしてこうなってしまったのか、本当はどんな風に動きたかったのか、丁寧に探って行くだけです。

痛いと訴えている腰だと言い張る部分にも、そこだけの問題ではないと体に言い聞かせ、全体の動きを探って行きます。

痛い部分から意識が離れず、なかなか言うことが理解できない人も中にはいますが、それでも私は体に語りかけて行きます。

実際に体が楽になり、できなかった動きが出来るようになり、少しずつ不安が消えて行くというプロセスを経て行き着く先は、何の事は無い「あなたの体は元々こうだったのですよ」ということです。

私が治したとかそういう問題ではなく、「あなた自身が、やっと自分の体というものを意識し、対話することが出来るようになりましたね」ということです。

道具のように使い続け、悲鳴をあげた体に正面から向き合い、やっと自分の体はこういう風に動いていたのか、こういう風に動かさなければならなかったのかという意識に目覚めたのです。

残念ながらそういう気持ちにならない人が稀にいます、私の力ではどうにもできない人たちです。

すべては自分の決めること、いつか必ず体から大反撃を受けることになるでしょうが、そういう人はその時になってもおそらく気づかないのでしょうね。

ゴルフを競技として取り組んでいる方ですから、50代半ばを過ぎた今、ご自分の体と向き合うことが出来たことで、これからの競技者としてのゴルフライフには大きなプラスになったと思います。

ヘルニアという診断を受け、激しい腰痛から回復して行くプロセス、実はそのままスポーツ選手の動き作りのトレーニングにも当てはまるのです。

どうして思ったような動きができないのか、どんなトレーニングをしたらもっと動ける体になるのか、一応プロ選手と言われるレベルの選手であっても、まったくわかっていない選手がほとんどです。

このブログは、そういうレベルの選手のこそしっかり読んでもらって、自分に足りない部分に気づいて欲しいのです。

指導者も同じです、育成年代の指導者だと思われる方にはブログやTwitterも読んでいただいている雰囲気はあるのですが、たとえばJリーグやプロ野球の選手や指導者は、自分たちのやっていることこそ、日本の最高レベルで、私の言っていることなど役に立たないと思っているかもしれませんが、そう思っている時点で勉強不足です。

体の動きを知らずして、スポーツ動作の改善や技術の向上など出来るわけがありません。

逆に言えば、そういう部分を根本的に見直して行けば、今の技術そのままでも動きそのものを変えることができるかもしれないのです。

先日来てくれた選手のトレーニングも同じです。

たんに手術後のリハビリがうまく行っていないから、そのためのトレーニングを教えるのではなく、本質的な体の使い方を頭と体に理解させることで、確実に彼の動きは変わって行きました。

今朝は試合がなかったので、早起きしなくても済みましたが、ベスト8に進んだチームの選手だから凄いのではなくて、人間として発揮出来る能力のすべての要素の中で、傑出した部分をそれぞれ持っていて、本人が気づいているかどうかは別にしても、その抜きん出た体の使い方を分析し、客観的な説明を加えることで、メッシだからできるとかネイマールにしかできないと決めてしまわず、同じ人間として、使い方の意識さえ理解できれば、近づくことはできると考えた方が自然ではないでしょうか。

どうも我々は諦めが早いというか、スーパースターを特別視する癖があると思います。

現状は日本代表の選手たちでも、はるかにレベルが違うことは事実です。

それで諦めてしまっては、何十年かかっても日本のサッカーは世界に並び立つことはできないでしょう。

代表チームのフィジカルコーチにどんな実績のある有名なコーチを招いても、年に数回集まりその都度メンバーが違っていたら、本来の動き作りなど出来るわけがありません。

そんなことよりこれからの選手たち、育成年代を指導している指導者の方々が意識を変えて指導してくれることの方が、時間的にも早いだろうし、確実に全体のレベルアップに繋がって行くと思います。

いつも大風呂敷だと言われますが、至って大真面目に考えています。

今日もどのレベルかわかりませんが、動き作りのトレーニングを指導して欲しいという電話があり、関西の方から来てくれるそうです。

私がどこにいようと、本気で指導を受けようと思ってくれる人間は、広島まで来てくれるようです。

もう少し近かったらという声を聞きますが、アメリカやブラジルに来てくれと言っているわけではありません。

本気の人間を相手にして、私も初めて何かを伝えられると思っています。

施術もトレーニングも、相手は生身の人間です。

やることは同じ、アプローチの仕方が多少違って見えるだけです。

動きの再構築

二日間、正確には一日半のトレーニングを終えて、選手が帰って行きました。

今日のトレーニングを第三者が見ていたとしたら、彼が両膝とグローイングペインの手術を受け、この数年間リハビリに明け暮れ、まともにサッカーが出来ていない選手だとは思わないでしょう。

それくらいしっかりした動きをしてくれました。

医学的にはきちんとした手術を受け、教科書的にも間違いのない段取りを踏んでリハビリを行ってきたのにもかかわらず、現実にはサッカーが出来る状態には戻ることが出来ていませんでした。

グローイングペインに関しては、イタリアで手術を受けリハビリも行い、左右の膝の手術は日本で受け、病院やチームのスタッフ、また私もお会いしたことのあるドクターが開設したリハビリ施設にも通い、自分で出来ることはすべてやってきたのでしょう。

それでも復帰はかないませんでした。

人間の体も痛みに対する感覚も、まさにそれぞれ違います。
ドクターの指示の元、決められたメニューをこなして行くだけでは、日常生活には支障のない状態には戻れても、スポーツ選手それもトップレベルのアスリートとしての動きを取り戻すことは容易ではありません。

そのまま第一線から退いて行った選手は数え切れないくらいいるでしょう。

では私は何をしたのか、まずは事実として過去どういう怪我をしてどういう処置をしたのかという情報を、出来るだけ正確に把握することです。

それを踏まえた上で、今度は私の感性で体をチェックして行きます。

単純な関節の可動域や、筋肉の柔軟性を見るのではなく、体全体がどう連動して機能的に動いているかという部分を見ます。

そして本人が体を使う動かすという行為を、どういう意識で行っているかを見極めることが必要になってきます。

実はここが一番大切で、一番難しい部分なのです。

本人すら気づいていない体の使い方の意識を、私の目に見えたことを、相手が理解出来るような言葉で説明し、それが解決できなければ、今の状況を脱することができないことを、本当にそうだと思ってもらわなければ始まらないのです。

正しい体の動きを身につける、無理なく無駄なくという効率的な動きとは何かをしっかり理解してもらうのです。

これが私の指導するトレーニングの基本で、10年20年と同じことを言い続けている部分です。

体は日本人でも外国人でも同じ筋肉があり骨があり、何ら違うところはありません。
ただその体を、長い年月をかけて何を食べ、どう使ってきたのか、ここには大きな違いが生じてきます。

自分が正しいと思って行なってきたトレーニングや体の使い方の意識が、正しいものでなかったとしたら、間違っているとは言わないけれども、もっと良い動き方があったとしたら、それを知らないで現状を続けていても、良い方向へ変化するわけはありません。

その自分が正しいと思っていることの既成概念を取り払い、シンプルに体を動かすにはこういう意識で動くと、楽に動けますよという提案を体に向けると、間違いなく体はそのやり方を選んでくれます。

当たり前のことです、今まで歯を食いしばってもできなかった動きが、何の苦もなく出来たとしたら、無駄に体に負担をかけ苦しい思いをしようとするはずがありませんから。

彼にも徹底して体の使い方を指導しました。
昨日まで不安でできなかった動きが出来てしまう、昨日の外のトレーニングで、あれだけ走っていろいろなステップを行ったのに、今までであれば、翌朝になっても来るはずの膝の痛みがこない、それよりもこれまで使えていなかった背中の筋肉が驚いて悲鳴をあげているという、初めての経験をしたと、今朝嬉しそうに話してくれました。

怪我をした今のような状況になっている選手で怖いのは、怪我をしていなければ自分はこんな選手になっていたはずだという、自分に対する過大評価です。

本当の自分が認識出来ておらず、タラレバが続く選手も多く見てきました。

正確な自己分析があって、初めて目指すべき高みが見えてきます。
そこを見極める手助けをするのも私の仕事です。

今日の終了時点で、私が常時診てあげられる立場にいれば、遅くとも2週間位では通常練習に入れることは出来るのではと思いました。

手術した膝はもう元のようには戻りません、しかし、その膝を使って、まだまだ選手生活を続けなければならないのであれば、無い物ねだりではなく、今現状の体をどういう風に使って、膝や鼠径部に負担をかけないで済むかを考えた方がよほど現実的で正しい方向性だと思います。

昨日、地面を蹴って足の裏で着地し、膝に大きなストレスを感じる走り方ではなく、股関節をフリーにして一番負担のかからない重心の位置に、足をおいて行く走り方を指導しましたが、これまで指導した方々と同じよに、不思議なくらい走れるしターンもできる、魔法にかかったようだと不思議な顔をしていましたが、それが本来の人間の走り方なんだよという説明しかありません。

私が考えたのではありません、一流選手がみんなやっていることの受け売りです。

彼の取り組む姿勢は素晴らしいものでした。
私の発する言葉を一言一句聞き漏らさないように真剣に耳を傾け、実技の合間には忘れないようにと確認し、東京に帰ったらすぐにでもトレーニングに行きたいという顔をして帰って行きました。

何かをやらせようにも不安げな顔をして、まだ痛みがあるのになぜこんなことをやらせるのだろうという顔をされたら、とても指導は出来ません。

こちらもプロとしてたくさんの選手に接し結果を残してきた人間です。
信頼して任せてくれなければ何も出来ません。

今回のようにわらをも掴む想いできた選手は、そういう意味で素直に話を聞き、指導を受け入れてくれます。
それだけに責任も重く、中途半端な指導は出来ません。

近い将来彼がまた表舞台で活躍することを信じて、せっかく出来た縁ですから、見守って行きたいと思います。

私がやっていることに興味を覚える人も多いと思いますが、いたってシンプルです。
特別なことなど何もありません。
相手を見て、相手のために何ができるかを考える、これだけです。

気をてらったようなトレーニングではなく、体の機能に沿って、無理なく連動させ、筋力も筋持久力も明らかに優位な伸筋を使えるように意識付けして行くのです。

必ず動きが変わります、あとはその意識をどう継続させるか、本人の努力はそこから始まります。
この二日間を無駄にしないよう、しっかり継続してもらいたいと思います。

自分にしかできないと思える仕事は、やはりやりがいがあります。
自分の思った通りに変化して行く様子を見ていることはとても楽しいです。

動きを変えるために一番大切な、意識の改革、今回はうまく行ったと思います。

復帰し活躍してくれることを信じて朗報を待つとしましょう。

プロフィール

Author:西本 直
1993年、Jリーグサンフレッチェ広島を皮切りに、社会人野球三菱重工広島・協和発酵・ヴィッセル神戸・川崎フロンターレ、そして広島カープ佐々岡真司投手など、プロアマ問わず競技レベルのスポーツ選手から一般の方まで、トレーニングやメンテナンスの指導を行ってきました。
その経験と知識の蓄積を「西本理論」としてまとめ、一人でも多くの方に実践していただくことが、これからの私の使命であると信じ、このブログから発信していきます。
私の理論はスポーツ選手のみを対象としたものではなく、ビジネスマンや家庭の主婦まで老若男女すべてに当てはまる不変のものです。
指導や講演のご依頼も受け付けています。
実名でツイッターも書いていますので、チェックしてみてください。
また、2013年9月9日にConditioning Studio 操をオープンしました。こちらもご覧ください。
また、遠隔地にお住まいの方を対象とした動き分析とアドバイスを始めました。
4月15・16日の二日間西本塾を、予定しています。
詳細は「スタジオ操」のホームページ内の講習会情報をご覧ください。

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