今年最後の仕事を終えて

今日29日をもって今年の仕事を終了しました。
まずは、今年出会ったすべての皆さんに感謝します。

一年を振り返る余裕はありませんが、今月だけでも色々なことがありました。

そして昨日、西本塾や個人指導にも来ることができない、学生を対象にした体験会のようなものを企画していました。
広島市内や近隣の、中学生や高校生また大学生に、気楽に参加してほしいというのが企画の趣旨だったのですが、申し込みは思ったようには増えませんでした。

公に案内をしているわけではありませんが、少しでもうまくなりたいという気持ちを持っていれば、ネット社会です、私の存在を知ってブログやツイッターを読んでくれているような選手は少なくないと思っていました。

結局申し込みがあったのは、西本塾生の橋本君と彼が指導に関わっている出身中学の選手4名とその顧問の先生、同じく西本塾生で卓球の中川さん親子3名、そしてカマサポとしてご縁が出来た尾崎さんの息子亮君、そしてこのところ深める会にも毎度参加してくれる内田さんと長尾さんというメンバーでした。

塾生の4人には、私の指導の仕方を学んでもらう良い機会になると思いましたし、受講生としての自分の成長度合いを見るにも良い機会だと思いました。

色々な意味で今年最後の、小規模ではありますが、気持ちとしては一大イベントのつもりでした。

ところが前日、様相は一変しました。

朝、電話があり、どうしても年内に指導を受けたいという申し出があったのです。
前日天皇杯の準々決勝で敗れたFC東京の高橋選手でした。
(本人から名前を公にすることに関し、快く承諾してくれています。これはある意味自分に対するプレッシャーであり決意表明だと思います。絶対に身に付けてやる、結果を出してやると言うことです。サポーターのみなさん大いに期待してください。)

対戦したサンフレッチェ広島の青山選手の動きを、直接マッチアップして感じたことで衝撃を受け、この動きができるようにならなければ自分の成長はないと思ったというのです。

同じボランチの選手として意識してきた選手だそうで、この1年の青山選手の変化を誰よりも感じ取っていたようです。

その変化の原因というかきっかけは何だったのだろう、誰かの特別な指導を受けているのではないか、そう考えても不思議ではないと思います。

そんなことで、居ても立ってもいられずという感じで、チームの行事を終えたその足で新幹線に飛び乗り、広島に向かったというのです。

そして私の施設に到着したのは夜の8時、宇品港ターミナルビルの閉館が11時ですから、とても一日では伝えきれないからと、その夜は10時過ぎまで、そして翌朝、体験会が始まる10時までの間に、8時前から2時間かけて昨夜の続きを指導したという訳です。

最初の電話で、日程的に無理だからと断ればよかったのですが、彼の真剣な言葉についついつられて、こんな強行軍でもよければ、指導を引き受けるよと言ってしまったのでした。

さすがにそれでは行けません、と言われると思いきや、ではすぐに飛行機を手配します(飛行機は取れなかったようです)と言われてしまい、余計なこと言ってしまったなと思いましたが、引きうけたからには絶対にきちんとしたことを教えて帰そうと決めました。

これが今回の顛末です。

さらに別のところから連絡があり、千葉の西本塾生松井さんのフェイスブックに体験会のことが書かれていたのを見て、船橋から岡山に遠征に来ていた「VIVAIO船橋」というクラブチームの中学生16名と指導者2名、総勢18名が急きょ参加ということになってしまったのです。

日曜日でしたから、市役所も休みで広い会議室を借りる算段も出来ず、もし月曜日に借りられないとしたら30人以上の人間に対してどうやって講義をすればいいのか、もう考えても仕方がない、出たとこ勝負だと開き直りました。

運よく当日の朝連絡が取れて会議室を借りられ、午前中の講義と室内のドリルは予定通り行うことができました。
最初にとりあえずの団体ごとの自己紹介をしてもらった後、最後にサプライズゲストという形で、高橋君に入ってもらうと、船橋の中学生から「おー」という声が上がりました。

誰にも言っていませんでしたので、まさにサプライズでした。

さすがに日本代表にも選ばれた現役の選手です。

ただこの体験会にも彼はゲストとしてではなく、4時間の指導では学びきれなかった部分を子供たちと一緒に、受講者として学び続けたいと言って参加してくれたのでした。

彼にとっては願ったり叶ったりの一日となったはずです。

彼の熱い気持ちが、こうした偶然を演出したのだと思います、だからこれは必然なのです。

小学4年生からJリーガーまで同じ内容で指導を受けるって違和感があるかもしれませんが、これは当然のことなのです。

28歳のプロ選手にして、知らなかったこと出来ていないことがたくさんあるのです。

それを私が教えるのです。

彼にしてみれば、この内容を小学生のうちに知っていれば、せめて中学生の時に指導を受けていれば、今頃どんな選手に成っていただろうと、子供たちを羨ましがっていました。

しかし、いくつになっていたとしても今知ることが出来たのです、今学ぶことができて、選手として身に付けなければならない能力の方向性をはっきり確認できたのです。

何も知らない選手たちとはすでに違うレベルに駆け上がったのです。

来年、彼の動きは確実に変わります。
どんな活躍を見せてくれるのか本当に楽しみです。

年明けにはまた別の選手から指導の予約がありました。
新しい環境で、もう一度輝きを取り戻したい、数年前にもそんな選手と出会い、少しだけその活躍の役に立てたかもしれないと思っています。

その選手の動きも、必ず変えて見せます。

世間を驚かせましょう、そういうレベルの選手だと思います。

久し振りに新しい年に大きな夢というか、楽しみを持って迎えることができそうです。

私の存在などまだまだ知られていないと思います、無理に広げていこうとは思っていません。
本当に偶然か必然か、縁があって、私を見つけ出してくれて、私に大きな期待を持ってきてくれる選手たちがいます。

もっともっと大きな期待をしてください。
その期待が大きければ大きいほど私は力を発揮して見せます。
そしてそれを信頼に変えて行きます。

こうしてキーボードをたたいているだけでも、胸躍る感覚です。

まずは自分の体を休めて、体調を整え、万全の状態で新年を、そして選手を迎えたいと思います。

どうしてもその仕事のことばかり書いてしまいますが、一般の方に対しても最良の施術やトレーニングの指導を行っていくことはもちろんです。

さらには3月中には一般の方向けの体の整え方を指南する本が出版される運びとなっています。

今年も自分なりにベストを尽くしたと思っています。

来年はさらにバージョンアップした自分でありたいと思います。

頑張ります!

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リハビリに対する心構え

まずは西本塾参加者からの感想です。

清水さんは、鳥取県の米子市で高校の先生として、軟式テニスを指導している29歳の青年です。

 私は西本塾に参加させていただき、最後にも言わせて頂いたのですが、世間一般で言われる「頑張る」ということが最も自分の体の使い方を下手にしているのだ、と感じさせて頂きました。
その時も、引き合いに出させて頂きましたが、私の理想の選手像は、ロナウジーニョです。

 ソフトテニスに、選手として指導者として、16年間関わり続けていますが、競技は違えど、あのように「笑顔」で質の高いプレーを出来るってどういうことだと、大学の頃から考え、自分の身体を使って様々に試してきました。

 初日の座学から二日目の走る練習の時も、いわば自分の中で知らず知らずの内に「頑張る」が顔を出していたのかもしれません。

 最初、室内で動いていたとき、外で走り始めたとき、今思うと、自分は「頑張って」いたなぁ、と。

 それでも、あの一時間半、外で西本先生や16期のみなさんと走り、西本先生にも多くのアドバイスをもらい、これまでの人生で感じた事のない楽な走りを体感することができました。

 最初に、西本先生に褒めてもらえた走りができたときは、スピード感というより、自分が動くと確実にぶつかる空気の壁というのでしょうか、その空気の壁の間をすり抜けていっているんじゃないかと思うような感じがしました。

 足が楽、というのに加え、上半身に空圧を受けて走っていたんだろうか、と思うくらい、上半身も楽に感じていました。

 次の講習に使うということで、アイドリング状態から右後ろ、左後ろに動く姿を撮って頂きましたが、今までもあの動きを生徒に見せ、指導していましたが、生徒が同じ動きを出来たことはありませんでした。ようやく、言葉で伝えられそうです。

 何より、西本先生に大きなものをもらったと感じていることがあります。

 西本先生と北海道札幌の高校のソフトテニスの顧問、早川先生のつながり、ということだけで、オクタントトレーニングを私がみなさんの前で受けさせていただくことになりました。

 もしも、これを受けさせてもらっていなければ、と考えると正直、理論だけしか分からず、身体がどう動いてどう感じているか、をはっきりと理解できずに帰ることになったのではと、思っています。

 オクタントトレーニングに取り掛かったときも、また私の「頑張る」が顔出し、屈筋の動きになっていました。

 あの時、みなさんの前で上手くできない自分の脳裏に突然現れたのが、ロナウジーニョでした。

 それこそ、目から鱗の状態で、大学から選手として、指導者として追いかけ続けた彼のプレーの姿が、西本先生から二日間教わったことブログに書かれていたことにより、点が線となり、感覚となり、形になり、オクタントトレーニングの最中どんどんつながっていっていました。

 世間一般の「頑張る」ことの弊害は、ブログ等から教えて頂いていました。

 今回、この感想を書かせていただく中で、私なりに、こうなのかな?と思ったのは、「頑張る」姿の対極にあるものが、「笑顔で楽しく」という姿であって、「頑張っていない」という姿が「頑張る」の対極ではないということかなということです。文字にしてみると、「楽しい」と「楽(らく)」は同じ漢字で出来ています。

 これを眺めていると昔の人のしていた身体の動きが、今の「頑張る」動きではなかったんだなと、西本塾の中でも着物を着ていたころの走りの例がより一層、確かに、と感じてきました。 

 逆説的ですが、確かに背筋が伸びている、猫背になっていない、広背筋が使われているという人に、「楽しくない」「暗い」というイメージは抱いたことはありません。西本理論を、スポーツの世界だけに捉えていた自分が、この感想を書かせていただきながら、また西本先生に新たな気付きを与えて頂きました。西本理論は、「楽しく」「楽して」生きる理論だなぁと感じました。

 二日間というとても短く、とんでもなく濃い時間を過ごさせてもらった西本先生、奥様、そして、偶然なのか、必然なのか共に学び合った16期生の皆さまのおかげで、多くの学びをすることが出来ました。

 今後とも、この縁を大切に、西本理論をより深めていきたいなと思います。そして、西本先生の思いを、西本理論を、自分を介して少しでも伝えていきたいと思います。

 声を大にして、西本理論を叫ぶと、まだまだうさん臭い顔をされ、ボールを打ってなんぼ、という指導者が周りに多いのも事実ですが、少しずつ少しずつ現状を変えていけるように生徒を指導していきたいと思います。

 そして、鳥取の地で大きい花を咲かせて、西本先生を始め、16期の皆さま、西本塾をこれまで受けられた方々、そして、自分の気付きのチャンスを頂いた、札幌のの早川先生に、見て頂くために、再び進んでいきたいと思います。

追伸

 西本塾から帰った翌日、冷蔵庫から冷えに冷えた新品の瓶詰めのジャムを出しました。
 目が醒め切らない内に開けようとしていたところ、なかなか蓋が回らず諦めかけていたとき、屈筋を使っている自分に気付きました。
 広背筋、背骨を意識して、それこそ笑顔で回すと、とても簡単に開き、朝一番で「おお!」という言葉が漏れてしまいました。
 ソフトテニス部の生徒たちに少しずつ理論を伝えていっている最中ですが、生徒自身も変化に気付いたりしているようで、自分でブログを見たりして、質問をしてくるようになりました。
 その生徒のポジティブな反応にも、「おお!」という感じです。更には、ソフトテニス部の生徒から伝え聞いた野球部やサッカー部の生徒も教えて下さいと言い始めています。

 西本理論をもっともっと広めていかなければ、と思っています。そして、指導すればするほど、分からない部分も出てくると思います。また自分の中で課題と時間を見つけて、西本先生の下に行かせて頂きたいと思います。

 乱文雑文申し訳ありません。これだけ書いてもおそらく、二日間のことは表現しきれていないと思います。
 多くの気付きを与えてくれた、第16期西本塾という場のすべてに感謝申し上げます。
 ありがとうございました。これからもよろしくお願いいたします。

 西本塾第16期生  清水 佳祐

私のやっていたことを、一番最初にこれだと声高に叫んでくれたのが、当時北海道名寄農業高校のソフトテニス部を指導されていた早川先生です。

Jリーグ2年目、ほとんど休みなく働いていた私ですが、前期の優勝の後、数日の休みが与えられた時に、その数日をどう使うかと考え、何度も連絡を取って私の指導を生徒たちに受けさせたいと熱く語ってくれたあの人の所に行こうという気持ちになりました。

普通に考えれば、何でそこまでしなければならないの、ということですが、人が人を動かすというのはこういうことなのだと思います。

データや数字ばかりが尊重され、気持ちや感覚の部分に対しては、評価のしようがないと言われることが多いですが、まったく逆のメンタルトレーニングがもてはやされていることに、私は違和感を感じています。

計算ずくではなく、本気と本気のぶつかり合い以外に、突き抜けた何かに到達する道はないと思います。

もちろんそこには緻密な計算や、自信をもった理論があってのことですが。

そんな思い出があって、今回の清水さんからの申し込みに、懐かしさと、やはり競技に関係なく私の考え方は必要とされているのだと嬉しくなりました。

これまでとにかく歯を食いしばって、数の練習をこなしてきたからこそ、私の言葉に感じるものがあったのだと思います。

清水さんの文面から多くの気づきがあると思います、二日間何を感じ、これからどう活かそうとしてくれたいるのか、読んでくれている皆さんにも感じて欲しいと思います。

他の部活の生徒も興味を持ってくれているとのこと、しっかり伝えてください、そして彼らにこそ、このブログを読んでほしいと思います。

さて今日の本題ですが、リハビリに取り組む選手と私の考え方を書いておきます。

例えば、後十字靭帯の不全損傷で、全治3週間という診断が下されたとします。

全治というのは、人間の組織として完全に修復されたという意味ではなく、日常生活レベルの動きに支障がない状態に戻るのにこれくらいの期間を要すると思った方がいいと思います。

対象がスポーツ選手、それもトップレベルの選手であれば、そこから選手としての総合的な体力や、専門的な動きを作り直さなければなりませんし、元のレベルのパフォーマンスをチームの一員として安定して発揮し続けるための持久力や、何より指導者やチームメートの信頼を回復して初めて「完全復帰」という言葉を使うことができるのです。

人間の体の細胞の修復能力を考えても、当たり前ですが3週間で完全復帰できるような故障などあるはずがありません。

それをいかに確実に早く完全復帰させるかというのが、スポーツ選手に関わる現場のトレーナーの腕の見せ所となるのです。

それを診断された内容を基準として、何日間は安定固定、そこからはまさに教科書通りの内容で当たり前のリハビリをするのであれば、チーム専属のトレーナーでなくても、現在専門学校で勉強中というレベルでも、十分対応できる程度のことです。

選手生命までも左右しかねない大きなケガをした選手が、一日も早く確実な完全復帰を願い、その過程を一緒に歩んでくれるはずのトレーナーが、どんな知識と経験と、さらには自分に対する思い入れを持って指導をしてくれる相手であるかということは、最も大きな問題ではないでしょうか。

限られた人数で、多くの選手を相手にしていることは確かです、全員に平等に接することも不可能です。

それでもケガをしてしまった選手が少しでも安心してリハビリに取り組める環境を作ってあげられることは出来ると思います。

20年前、ある選手が足関節の脱臼骨折という重傷を負いました、先日行われたCWCの試合で起きた中国選手の足首のケガと同じような状況です。

どんな大ケガをしても、受傷した患部以外は元気なのですから、たとえ入院中であっても上半身を鍛えることは出来ますし、反対側の足を鍛えることも可能です。

そこまですることはないというかもしれませんが、毎日病室で天井を眺める生活の中で、ほんの数分でも自分がスポーツ選手であることを取り戻せる時間は必要だと思います。

さらには体を動かすことで血行を改善し、患部に送る血流を活発にすることは、組織の回復を図る上でも有効であることは当然のことです。

当然退院すれば、復帰に向かってのトレーニングは激しさを増していきました。

やれることはたくさんあるのです、患部の状態だけを基準にして行うリハビリは、申し訳ないですが一般の方を対象としたものでしかないのです。

後十字靭帯の不全損傷、教科書的には2週間すれば軽いジョギングが始められるのかもしれません。

装具をつけているとはいえ、日常生活では普通に歩いていますが、それでもいきなり走っていいと言われた選手はどうすればいいのでしょうか。

私なら、ケガ自体の詳しい説明と体の状況をできる限り選手と話をして共通認識を持ち、走るという行為の前に、膝関節の可動域の改善や、動き自体の違和感を軽減させるための施術をおこないます。

さらには、ここが決め手となりますが、後十字靭帯は踵をお尻の方へ引き付ける、膝を曲げる際に、関節の安定させてくれるのが仕事ですから、その方向への動きには不安があるはずです。

しかし、逆に膝を伸ばす動きに関与する、前十字靭帯に問題がなかったとすれば、まずは膝関節の伸展動作を行わせることで、後十字靭帯へもストレスなく動きを思い出させるという考えのもとに抵抗運動をさせていきます。

ここをスタートに、歩行にスムーズさが感じられて初めて、移動と着地による衝撃を伴うジョギングではなく、まずはトレッドミルを使って、衝撃を受けない状態で、歩行のスピードを調整することで、膝関節が動きを取り戻すきっかけを作っていきます。

スピードとトレッドミルに傾斜をつける機能が付いていれば、それを変化させることで、軽いジョギングとは比べ物にならない効果を得ることができます。

選手も不安なく、足を動かし心拍数を上げることができます。

私はこの段階を重視していました。

それが、2週間まったくな何の指示もなく、自分でまったく何もしていなかった選手が、一緒について走ってくれるのならまだしも、今日から走っていいよ、の一言で済ますというのは、私から見れば有り得ないことです。

何年何十年同じ仕事をして、社会的にはそれなりの立場になっていったとしても、教科書的な対応から離れることができず、選手のために少しでも良い方法はないかと工夫し続けていなければ、ただ歳を取っただけの人間になってしまします。

話が少し具体的すぎて、特定の組織や人物の話をしているようですが、そういう部分も含めて、組織に属している人間たちが、総じてこうなってしまっていると言いたいのです。

反論があるでしょうが、現実に指導に満足している選手は少ないのが現実です、そのことに気づいていないのか、気づこうとしない人間が多いのが現実です。

スポーツ医学はこんなに進みました、トレーナーも国家資格のようなものまでできて、みんな必死にそれを取得するために努力しています、20年間で、その資格の取得者はどれくらいになったのでしょう。

ならば、こんなことでスポーツを離れなければならなくなったのかというような、かわいそうな選手は、トレーナーの増加と反比例するように減っていなければならないはずです。

現実はそうなっていません。

資格のための勉強、組織に入るための資格、そしてそこに居続けることが目的となってしまったようなサラリーマン化したトレーナーと呼ばれている人間たち。

本当に誰かの役に立つ技術や知識、それには何にもましてこの人ならと思わせる人間力、私が本当に伝えなければならないことを伝える対象は、そういう人間力を持った人なのです。

だから枝葉の先の花にばかり気持ちが向いていると感じる人を見て、違うなと思ってしまうのです。

リハビリに限らず、通常のトレーニングも同じです、なぜどうしてのないトレーニングなど意味がありません。

せっかく身に付けた知識や技術も、この人間のためならと思わせてくれなければ、こちらも力を十分に発揮することは出来ません、人間どうしのやることです、ここが一番難しいですね。

今回の西本塾に初めて参加してくれた6人のうち3人から感想が届きました。

感想を送ってもらうことを強制してはいません、しかし、二日間の学びと、それがそれぞれの環境の中でどう活かされたか、また活かせそうか、思いの強さが文章になって届いたことで、コメント欄ではなく久しぶりに記事として紹介しています。

私が伝えられるものは限られていますが、そこに私の熱さが加わらなければ、ただの言葉として通り過ぎてしまうかもしれません。

伝える相手の熱さが私を熱くしていることも確かです、そうでない人にはただの言葉としてしか届いていないのかもしれません。

一人でも多くの人が、この人と出会ってよかったと思ってもらえる人間を育てて行きたいと思いますし、また自分もそうなりたいと思います。

ちゃんと伝わっていました

週末の西本塾に初めて参加してくれた方からの感想が届き、まさに私が伝えたかったことがストレートに伝わったと自信を持って思える言葉が返ってきましたので、コメント欄ではなく、表の記事として紹介し、皆さんにも是非読んでいただき、一緒に参加したつもりになって、私の発する言葉とは違う感覚で、私の伝えたかったことを感じて欲しいと思います。

まずは大阪から参加の吉田さんです。
30歳と若い鍼灸師をされている方ですが、子供の頃からの筋金入りの野球小僧で、私と同じにおいを感じさせる好青年です。

西本直先生 奥様
2日間本当にありがとうございました。

まだまだ経験も浅い人生の中でも節目や何かきっかけとなる出会いやご縁がありましたが、今回西本塾16期生として西本先生にお会いでき、西本理論を感じられた事は他に例えようもない感覚です。

それでもあえて例えるならば、からだほわっとを受けた直後の状態、オクタントトレーニングで使われていなかった神経回路が再構築(新構築)された状態(まだ想像の域ですが…)、の様な感じでしょうか。

例えられないものに例えるというのは矛盾だらけかも知れませんが私の語彙、表現の限界です、お許し下さい。

座学の内容やトレーニング一つ一つから感想を述べさせて頂く事が最良かと思われるのですが、そこは他の塾生の方や過去の感想にお任せするとして私の“feel”を書こうと思います。

前日に夜行バスで広島へ出発したのですが、気分の高まりにバスでの環境も伴い深い睡眠はとれておらず、広島駅に到着した時点で自分のコンディションの悪さに落胆しました。

が、講義を受け体を動かし1日目終了の時点で、「あれ、朝より体軽いし頭もスッキリしてる。今日イチが懇親会前ってどういう事やねん。待てよ、よくよく考えたら今日どころか、ここ最近で一番調子イイわ。座るのも立つのも歩くのも…え!?息するのも楽やん…」

だるさや疲れを感じても何かしら運動をした方がスッキリするということは患者さんにもお伝えしていますし、何より私自身何度も経験していましたが、そういう次元の状態ではありませんでした。

これまでは、だるさはスッキリするものの、走った事でふくらはぎや太腿に張りを感じるなど、症状を解消する目的で体を動かした筈なのに別の症状が出てくる状態でした(高強度でもないのに…)。

それは本来なら良い訳がないのですが、結局は今までの経験や概念に囚われていました。走ればどこか張るもの、動けば疲れるものと…。

懇親会終了後、ホテルに到着しレジュメやブログ、「朝3分の寝たまま操体法」の読み返し、更にフライングバックトレーニングに加え、ホテル近辺でのアイドリングやそこから少し進んでみたりと、気がつけば日付を大きく過ぎていたので、慌てて寝床につきました。

「あ〜、さすがにやり過ぎたわ。明日は外でもっと動くみたいやのに夜更かしが過ぎた…そもそも起きれるんかなぁ」

そして驚愕の2日目の朝、アラームよりも先に起床。身体にお伺いをたててみようと色んな方向へ動かす伸ばす…背中の張りと痛み。

しかし明らかに悲鳴をあげていたのではなく、「お前、オレの事忘れてたやろ。おるでここに!西本先生おらんかったら悲鳴どころか罵声浴びせるとこやったわ」と言わんばかりの存在感。

驚きのまま身支度し、駅へと向かう道中でも「キャリーバック引くんならガッツリ握らずに小指で引っ掛けた方がイイかぁ、って事は背骨意識して、小結節との位置関係考えたら手はこの位置で…引っ張るよりはバッグの力借りてアクセルになってもらおか」、と対話を続けていました。

しかし、寒さを感じ思わずポケットに手を入れた瞬間にふと気がつきました。

「あ、今猫背や、手袋忘れたし、冷えから内臓守ろうとしてるから自然に前かがみになっても仕方ないか…。あ、でも冬が明けてもこの使い方がクセになって戻らんかったら歪みの原因なってまうよなぁ。」

VDT作業や間違ったトレーニングが歪みの原因や助長因子になる事はもちろんですが、寒さから身を守るという生理的な行動も歪みの原因になり得る可能性があるという事を、トレーニングで変化した後だからこそ感じとる事が出来ました。

さらに宇品へ向かう電車で座るとまた改めて背中が存在感を発揮しました。
「おい、座るってこれが本来やぞ、お前のやってたんは座るっていうより“かがむ”やで」と。

小学4年生から野球を始め、ほとんどの期間を捕手として過ごしてた私は座るとかがむをいつの間にか勘違いしていたようです。

背骨の存在も忘れて…。

「おい、ピッチャー低め投げささなアカンねんからもっと低くかがめ!」
しかし、これを指導者に言われれば背中を丸めない捕手はいないと思います。

他のポジションと違い自分以外の8人全員が視野角に入っている事で冷静に戦況を判断すべきグラウンドの監督である捕手こそ、より脳も神経も動きやすい背骨の状態か必要だと感じました。(もちろん西本理論が不必要な人間はいないという大前提で)

少し話が逸れましたが座席に座った時の感覚・目線・視野にふと懐かしさを感じました。
思い返すと164cmという自分の身長は中学生頃で成長を終え、そこから伸びるという事はありませんでした。

あの頃は中学生なりに姿勢がキレイである事は野球に役立つ事を感じていたのですが「お前、身長低いのに座高一緒やん、短足やなぁ」、とからかわれた事がありました。

身長の低さと足の短さをコンプレックスに感じていた私にとってはこれ以上のダメージはないぐらいの一言でした。

「そんなん言われるぐらいやったら姿勢正しくしても…」、人の目を気にし徐々に背中が丸くなり、授業中でもプレー中でも背骨という感覚を忘れてしまいケガが絶えない状態になっていったように思います。

何と卑屈な考え方だと思われるでしょうが、実際の結果なので仕方がありません。
せっかくfeel出来ていた姿勢の心地良い感覚を卑屈な思想で消してしまったのです。

超がつくほど生真面目だった私は、少年野球でもリトルシニアでもキャプテンの立場を任されていました。
口で言うより背中で見せろと言わんばかりにそんな姿勢のまま一生懸命走り、力み、踏ん張り…今思うとケガに繋がるのも当たり前の話です。

2日目の朝、先生の軸回転の補足説明や、今までのブログでも紹介された憧れのイチロー選手の打撃の事でも少し。
お話のメインは一軸回転と両側股関節の2つの球関節の使い方でしたが、私のfeelは少し違ったところでした。

200本安打達成以降、7年連続首位打者の花を咲かせる間にも毎年のようにバッティングフォームを変え、feelの部分を追求し更に根を強くしなやかに成長させた結果が通算4000本を超える安打を生み続け、さらに大きな花を咲かせるという事に繋がっているんだよという事を感じました。

「イチローって毎日カレー食べるんやなぁ」、「遠征先のホテルにマッサージ機持っていって足裏マッサージやってるらしい」、「イチローみたいになりたいから名言集買って勉強してる」などなど、全て枝葉の話で何のことやら…。

「食」という事で言えば、イチロー選手のfeelの中から導き出された背骨を動かすための食事、一定のリズムを作る事で精神状態を安定させる=背骨を動かすための「想」にも繋がる。

からだほわっとには遠く及ばないですが、脱力やケガの予防、心身の疲労を回復させるための「動」、それだけfeelに長けた人から発せられる言葉は、feelの少ない人には理解し難いような思想や言葉が出てきても何ら不思議ではありません。

背骨を動かす呼吸、背骨を動かす食物・食べ方、背骨動かす思想(頑張らない力まない)、背骨を動かす動き(操体法・オクタントトレーニングなど)という事をあえて並べると、今回の私の一番のfeelは「西本理論」というよりは「西本哲学」…少し重いでしょうか。

アスリートも一般人も関係なくという事からすると、「西本整体観」「素直な整体観」直と素直をかけました…、すみませんでした。

さておき、一言でキャッチフレーズ的なもので表そうと思う事が既にfeelではないのかも知れません。

過去の塾生の方も仰られていましたが、いつも歩く道の景色が違って見え、表情筋が固くならず頭がスッキリし呼吸もしやすく、歩くのも走るのも楽になる。

アスリートのみならず一般の方も、こんな感覚の人が増えれば病院や薬、手術に頼らない生活を送る事が出来るという事を確信しております。

施術をする立場というよりもまずは一個人として根を生やし、様々な人に還元し、更に根を大きくしなやかにして自分の花も人の花も咲かせるような人になります。

とりとめのない駄文を連連と失礼致しました。

2015年12月22日
西本塾16期生・吉田顕宏 拝

いかがでしょうか、いつもの私の書く文章とは一味もふた味も違う、大阪ペーストを交えたユーモアと、深い考察が織り込まれた素晴らしい文章だと思います。

こんな文章をいただくと、私も記事を書くことにプレッシャーを感じますし、、何より今後、受講の感想を書こうという人にもかなり高いハードルを設定された気分になるのではとちょっと心配になるくらい、楽しく深い内容でした。

本当にありがとうございます、あえて中身には触れずにおきます、今回の参加者も含めて皆さんそれぞれが感じて欲しいと思います。

次は同じく大阪から参加していただいた井上さんです。

私の野球指導に火をつけてくれた、35歳体育教師であり、高校野球の熱血指導者です。

西本先生、奥様、また縁あって一緒に学ばせて頂いた8人の塾生の皆さん、2日間誠にありがとうございました。

以前から行きたくて仕方がなかった西本塾に、会いたくて学びたくて仕方がなかった西本先生に今回お会いすることができて、言葉ではうまく表現できませんが、感無量でした。

そして本当にあっという間の2日間でした。時間が過ぎることってこんなに早かったっけ、あれもうこんな時間だ、気がつけば時計の針はどんどん進んでいました。

身体の反応がこの2日間の学びを正直に表してくれています。

2日目午前に室内で散々体を動かし、その後公園で1時間30分以上走り回ったのに、全く疲れていない、それどころかもっと走りたい、走ってみたい、体は喜んでいるのです。今までには全く感じたことのないような感覚に陥りました。

途中からはせっかく授かった体の機能の半分も使えていない!!自分の体に申し訳なく思えてきました。

ただそれ以上に今からでもちゃんと使い方を学べば、自分でもびっくりするような動きができるのでは、と意欲的にもなれました。

ただ頭の中はごちゃごちゃです、いろんなことがグルングルン回り続けています。

頭で理解し、体で表現する、もちろんまだまだできるわけがありません。ただ、素晴らしい先生に出会った事実は間違いありません。もう一度ブログを読み返し、自分の体で試し、試行錯誤を繰り返しながら、根っこを掘る作業を継続していきます。

追伸

野球西本塾誠にありがとうございました。

目から鱗どころではありませんでした。

言葉では表現できません。

世界中どこを探しても、あのような指導ができる方はいないのではないでしょうか。

もっともっと西本先生に、西本理論に野球界は目を向けなければいけません。

日本だけでなく世界に誇れる理論ではないでしょうか。

体の仕組みに沿った、無理のない、正しい使い方でボールを投げる、打つ、絶対必要な考え方です。

しかもどのスポーツにも活かせる、当てはまる体の使い方です。

もっともっと掘って掘って深めて深めて、必ず継続していきます!!

今後とも宜しくお願いいたします。

西本塾16期生 井上芳憲

類は友を呼ぶと言います、私がこの道ではなく、教員となり野球の指導者となっていたら、井上さんのように貪欲に選手のために少しでも良い指導はないかと、どこへでも飛んで行くような指導者になっていたと思います。

私はこんな仕事をするようになったからこそ、野球だけでなくあらゆる競技や日常生活動作にまで心を砕き、少し欲張りかもしれませんが、すべてを知りたい、何でもできるようになりたいと必死で頑張ってきました。

私が未経験の競技を、真剣に続けてきた方から見れば、素人に何が分かるんだと思われるでしょう。

しかし、そういう意味の素人だからこそ、既成概念にとらわれず、人間の体の仕組みに沿った動き方をあてはめ、ある意味専門の指導者よりも選手に対して納得できる的確な指導ができるのです。

とくに野球に関しては、昨日の記事にも書きましたが、なぜどうしてをここまで突き詰めた人間はいないと思います。

だからこそ、アマチュア野球の頂点である、都市対抗野球の決勝戦まで駒を進めた社会人野球チームを指導し、一時は球界のトップレベルに君臨しながら低迷していた、超一流投手を再生させられたのです。

私など遠く及ばないレベルの選手たちであっても、私の言っていることが正しいことは、ちゃんと分かってくれたのです。

八方美人と思われているのか、現在はサッカー関係者の来訪が多いですが、野球こそ道具は使いますが、体の使い方という視点なくして上達するはずがない競技です。

呼んでいただければ、全国どこへでも野球西本塾を出前します。

もちろん他の競技にも当てはまるものではありますが、旧態然とした野球界の体質、今後ますます増えてくる元プロ野球選手という実績と肩書きを持った指導者が増えれば、選手がそこに集まっていくことは必至です。

一般の教員が、野球だけではなく、高校生としての大切な時期を一般の生徒と同じように育てて行きながら、野球という競技を学び好きになっていく、そんな指導のお手伝いが出来たら、子供の頃に描いた夢以上の達成感を味わえるのではと思っています。

「伝えたいことではなく、伝えておきたいこと、伝えなければならないこと」、私に与えられた使命だと勝手に思っているだけですが、今まで以上に自信を持って伝え続けて行こうと思います。


伝えておきたいこと

縁があるスポーツがオフシーズンに入ったこともあって、プロアマ問わず選手や指導者の来訪が続いています。

この時期だけ来たって、本当の意味での成長には役立たないよと、厳しいことを言ってしまえばそれまでですが、少しでも成長したいという気持ちには応えなければなりません。

93年、初めて広島に来てプロのサッカー選手を相手にする仕事を始めましたが、3月末にチームに合流して12月31日までの間に、私が全くフリーだったのはたったの2日間でした。

もちろんチームとしての休日はもっとありましたが、故障をしている選手は、事の大小を問わずゼロという状況はなく、休日であっても、そのうちの一人でも「西本さん明日いいですか」と言ってくれば、断ることなどできませんでした。

1日も早く復帰したい、みんな必死でした。

そのために何をしてあげたらいいのか、教科書的なものではなく、まさにオーダーメードのケアでありトレーニングを、私も必死に考え選手に施してきました。

オフになっても、シーズン中にはできなかった自分の課題を克服するためのトレーニングを考えて欲しいと、トップチームに上がれなかった選手や、出場機会の少なかった選手だけではなくレギュラークラスの選手も含め、何人もの選手とグランドやトレーニングルームに足を運んで汗を流しました。

お互いに上を目指して真剣な毎日を過ごしていたことがとても懐かしいです。

時代が変わって、今は切り替えという言葉が良い意味でも悪い意味でも日常化し、休みは休みオフはオフと心身ともにリフレッシュという選手がほとんどのようです。

もちろんそれは必要なことだと思いますが、シーズンを終えて自分に何が足りなかったのか、どの部分を向上させればいいのか、冷静に分析して来シーズンに備えることができるのは今しかありません。

のんびりオフを満喫できるレベルの選手が、果たしてどれくらいいるのでしょうか。

そうこうしているうちにポジションを失い、選手という立場まで失うことになって行く選手たちをたくさん見てきました。

すべては自分で選んでいく人生ですが、ここでひと頑張りすればもっと成長できるのにと歯がゆく思うことがたくさんありました。

自分が何をしなければならないのかを分析する能力と、もしそれが分かったとしても、どこの誰がそれを叶えてくれるのかが分からないから行動を起こせないということかもしれません。

有名選手がやっているからとか、多くの選手が行っているからという程度で足を運んでも、ただの自己満足で終わっているということに気づかないのでしょうか。

縁あって私のところに足を運んでくれた人たちには、ただ私のノウハウに沿ったトレーニングをこなしてもらうのではなく、現状分析や目標設定を一緒に行い、何をしなければいけないのか、そのためには何を知っておかなければならないのか、限られた時間の中ではありますが、彼らのこれからに少しでも役立つ意味のある時間にしているつもりです。

週末に行った西本塾では、本来の初参加者6名と、2回目の参加者が二人という構成でしたが、それぞれの目的に叶う内容の2日間にできたと思っています。

さらに今回はその二間を受講した翌日に、指導者としての専門分野である野球の動き作りに特化した、「野球西本塾」と呼んでもいいような内容の指導をさせてもらいました。

今や全国一の激戦区となり、大阪を制するものは全国を制すると言っても過言ではない地域の、公立高校の監督として指導している塾生に、野球という競技に必要な投げる打つという動きの本質を、西本塾での私以上に熱く指導しました。

彼も長く野球を続け、指導者としてのキャリアも積み、いわゆる実績を上げてきた指導者からも指導を受けてきたと思います。

目から鱗どころではありません、全く見たことも聞いたこともない考え方や練習方法を目の当たりにして、驚き以外なかったと思います。

私はどんなことに対してもとことん突き詰めて考え答えを見つけ出してきたつもりですが、こと野球の動作に対しては、自分がなぜ選手として大成できなかったのかという疑問や悔しさから始まって、すでに広島に来て数年後、社会人野球の三菱広島を指導することになった時点で、その答えはほぼ見つけ出していました。

そのチームで結果を出し、その後もプロ野球の佐々岡真司投手に対しても、西本理論の正しさを証明する結果を9年間にわたって出し続けたにもかかわらず、野球界が私に興味を示さないという現実に、正直落胆していました。

今回初めて、35歳現役の高校野球指導者が学びに来てくれたことを本当に嬉しく思いました。

これも縁というか必然なのでしょう、忙しいスケジュールをぬって2日間参加してくれるだけでも大変なのに、翌日の月曜日も休暇をとって、もし私の時間が許せば個人的に指導を受けたいという希望を持ってきてくれたのでした。

まさに待ってましたということで、私のノウハウを余すところなく伝えました。

おそらくは驚きの方が大きく、内容を理解するところまではいかなかったかもしれませんが、この考え方、この動きをマスターすることなく、野球が上達することはないと確信してくれたようでした。

私が伝えたかったのはそのことです。

なんらかの形で彼の指導を応援して行きたいと思います。

そして、入学時点ですでに高いレベルにある選手が向こうから集まって来て、指導するとか育てるという観点ではなく、適材適所に配置すれば強いチームが作れるという有名私立高校を驚かせるような、雑草軍団を作って欲しいと思います。

みんながプロ野球選手になれるわけがありません、みんなが甲子園に出られるわけでもありません。

ただその過程が、意味のない努力を積み重ねるのではなく、その時もその後も、なるほどこうなるためにこういうことをやっているんだと納得できる、厳しさと優しさのある指導を受けながら成長していけるようになって欲しいのです。

お父さんになった時、正しい体の使い方で子供とキャッチボールができる、それが当たり前になって欲しいのです。

さらにはそれがどうして正しいのか、体にとってなぜ無理のない効率的な動きであるのか、野球に限らず、どんなスポーツでもそういう理屈と、それなりに見える実技ができる親であれば、子供の運動神経を正しく育ててあげることができるはずです。

体作りではない動き作りという概念を、もっともっと浸透させていきたいと思います。

メジャーな組織のトップであっても、自分が私の理論を学びトレーニングを積んで、自分のチームにそして選手一人一人に必要だと心から思ってくれても、それをストレートに導入できないことのジレンマに陥っている指導者もいます。

世の中の常識を変えてくことは、簡単なことではありません。

それでも、トップレベルの選手や指導者の中にも、私の理論と実践を必要としてくれる人間が確実に増えてきました。

まだ道半ばどころか、始まったばかりです。

昨日も指導をし終わった後、私がなぜここまで熱くなって指導をするのかという話になりました。

まだ57歳です、いつまでやれるかという事を考える必要はないかもしれません。

ただ私が言っていること私が伝えたいことは、私にしかできないことです。

誰かが代わりにというわけにはいかないのです。

もし明日私の身に何かがあれば、その時点で誰にも伝えることができなくなってしまい、西本理論は消えてしまうことになるのです。

だから今日いま、私の目の前にいる人間に対して、どう思われようと必死になって伝えておきたいのです。

そして考えの一端でも残しておきたいと、本を書いているのです。

通りすがりの人に話をしても仕方がないことです、私の考え方に興味を持ってわざわざここまで足を運んでくれた人間たちなのですから、言い方が違うかもしれませんが、諦めてもらうしかないのです。

こんなことまで言われたくない、そこまで教えてもらおうと思ってきたのではない、何を思われようと、今の私が伝えられることを全て伝えておきたいのです。

もし気分を害された方があったら、本当に申し訳有りません。

分かってください、私の考え方を聞いて欲しいのです、活かして欲しいのです。

誰のためでもありません、私が出会うことのない、あなたの向こうにいるたくさんの人たちのために伝えているのです。

29日まで、今月は千葉への移動日を含めれば、8日からずっと休みがありません。

少し疲れが出てきましたが、正月休みまでまで頑張り続けます。

3・5・7理論の5をニュートラルポジションとして意識できれば

出版準備のため、ブログの更新の時間がありません。

作業は順調に進んでいます、3月中に書店に並ぶことを目標に準備していますが、3か月なんてきっとあっという間だと思います。

まだまだ改良を重ね、より良い内容を目指します。

短い記事になりますが、先週行われた「深める会イン千葉」での気付きを残しておきます。

参加者からの感想も続々と届き、コメント欄から見られますので是非目を通してください、どれも一見の価値ありです。

今回の参加者は、深める会も複数参加してくれていたり、その間もしっかり継続してくれている方ばかりでしたので、改めてこの走りの有用性や、それを可能にする体の使い方、その意識に関して、これこそ根っこを掘る作業とばかりに基本的な体の仕組みからお話ししました。

走っているのに疲れないとか、筋肉の張りがないという初心者の感想は当然なく、もっと楽にもっと速く走るためにはという、枝葉の先に花を咲かせとばかりのやり取りが多くなることは分かっていました。

なぜ疲れにくいのか、筋肉の負担が少ないのかという部分の説明で、今回改めて「3・5・7理論」の説明をしました。

5という数字に仮定した筋繊維の状態はどういう状態でしたっけ、という認識が消えてしまっていました。

3の方向に収縮しているのでもなく、7の方向に引き伸ばされているのでもない、ゆったりとその場に存在しているだけのニュートラルなポジションにある状態を5と仮定してくださいと、西本塾の理論編できちんと説明したはずです。

5の状態であるからこそ、周辺の組織の緊張もなく、血管や神経の圧迫もないからこそ、血流が活発で筋肉への酸素と栄養素の供給がスムーズであるということです。

5から3でも7でも、どちらかに振られた状態では、筋肉は緊張を余儀なくされ、血流が阻害されるため、簡単に言えば休んでいる状況がないということです。

練習したように、まずは歩く時にどちらかの足に意識を集中して、足先が地面から離れた瞬間から、膝から下が自然な伸展動作で、足裏が着地する瞬間まで、できるだけ5の状態を保つという意識が必要になるのです。

それがスピードを上げて走るという状態に変わって行っても、ほんの一瞬ですが、ふくらはぎの筋肉を5のニュートラルな状態に戻すという努力が必要なのです。

ゆっくりジョギングをしている方々でも、後ろからふくらはぎを観察すると、ずっと緊張状態が続き、立派な子持ちシシャモが存在し続けているのが見て取れます。

その状態で何キロ何十キロと走り続けられるのですから、その努力は凄いことだとは思いますが、体が悲鳴を上げていることは明らかです。

冷静にゆっくりしたスピードから、5の状態を意識する練習を重ねて、スピードが上がった時にも、ほんの一瞬だとは思いますが、今ふくらはぎの筋肉は緩んでいると思い込むというのでしょうか、そういう意識も持てるようになると、確実に走りは変わります。

昨日の夜テレビ観戦したバルセロナのイニエスタ選手は、まさにそういう走り方だと思います。

過去にも何人かの超一流選手の動き分析を試みましたが、ほとんどみんな同じ動きをしています。

表情を硬くすることもなく、しっかり姿勢を維持できていますから、視野が広く、動きだしも早く、そして足元の技術をいかんなく発揮できています。

どんな競技でも同じだと思います。

私が考え続けてきた走るという行為は、私が思いついたとかそういうものではなく、長く興味を持って見続けてきた様々な競技の超一流選手たちの動きの最大公約数のようなものです。

イニエスタもエジルも分析を依頼された選手たちはすべて共通した特徴を持っていました、私が見つけ出してきた答えは間違っていないということです。

だからすべての人に当てはまるし、みんなができるようになるはずなのです。

それを自分はこう思うとか、そんなうまい話があるはずがないと否定されることがありますが、そういう人たちは正しいものを正しいと認識し、分析できる能力がないだけのことです。

自分の経験や既成概念の中から抜け出せないことになぜ気づかないのでしょうか。

残念ながら組織として私の理論を必要としてくれるところはないようです。

私から真剣に学ぼうとする人たちに対して、私自身が真剣に伝える努力をしていきます。

明日明後日は、今年最後の西本塾、今年一年の私自身の気づきを含めて、8人の参加者に最良の指導を届けたいと思います。

皆さん気を付けて、そして明日からの二日間に大きな期待を持ってお越しください。

私の人生の目標に向かうために

毎日色々なことを考え、それが少しずつ変わっていきます。

その中でも変わってはいけない、変えてはいけない部分はしっかり確認しておかなければなりません。

過去は過去、これから自分はどうしたいのか、何をしなければいけないのか、自分なりに真剣に考えています。

25年前まで、会社勤めをしていた頃の私を知っている人にとっては、今の私は全くの別人だと思われるかもしれません。

そのあと仕事を辞め、宇和島で開業していた頃、サンフレッチェ広島、三菱重工広島、ヴィッセル神戸、広島カープの佐々岡投手、そして川崎フロンターレ、その時々出会った人たちにとっては、その時の私が全てだと思われるでしょう。

私という人間はもちろん一人ですが、それぞれの環境で私に与えられた役割を、精一杯演じてきたように思います。

どんな役を与えられても、最高の役者が演じることに負けない演技をしなければと、かなり無理をしていたところもあったと思います。

その甲斐あって、今では過去のどんな役よりも大きな役を与えられたとしても、今度は演技ではなく、自然に演じることができるようになってきたと思います。

演技派の役者さんが、後進を育てたいと演劇塾を主宰されている方がいますが、私が行っている西本塾も、単なる技術の伝承ではなく様々な場面での経験を、これから同じ道を進もうという人たちに感じてもらいたいという気持ちが強いのかもしれません。

それぞれの場面では、全く違う面を出していたこともあったと思います。

そこで私に与えられた役割を、私なりに解釈した結果です。

私が持っている知識や技術、そして経験を、全て発揮できる環境はまずありません。

その中からそこで必要な要素を選び出して、タイミング良く効率的に与えていく必要があります。

そのことのほうが難しいことかもしれません。

その集大成として西本理論なるものが形作られてきたわけですが、過去の私に深く関わった人たちであっても、私が今伝えている内容を理解することは不可能だと思います。

相手によって出してきたものが違うのですから。

しかし、その根拠となる根っこの部分は不変のものが出来上がっています、だからこそどんな役でも務めることができると思っているのです。

その根拠となっている部分が本当に正しいことで、難しいことでもなんでもなくて、等しく人間に備わっている能力を効率的に発揮できるシンプルなものであり、まさに真理と呼んでもいいというべきものだということを証明したいのです。

そして、その事実をみんなに知ってもらうことが、人間としての能力を向上させ、日常生活動作からスポーツ動作での特殊な動きまで、全てをカバーできるということを、誰もがあたり前のことだと思ってくれる環境を作りたいのです。

そんな大それたことを考えるようになったのは、ちょうど3年前の今頃です。

まずはメジャースポーツの現場で大きな変革を行い、チームとして個人としての成績を上げることで、私が何をやっているんだろうという注目を集めることからしか、方法は思いつきませんでした。

その端にも届かないうちに、その思惑は消えてしまいましたが、もし本当に私が思う通りになっていたら、今のような活動はできていないはずです。

すでに私の考え方に共鳴してくれる仲間が、今のようにいてくれていたとしたら、私の行動が火付け役となって、あっという間に注目され、全国に広がっていったかもしれません。

しかし、その当時には理解者どころか、私自身が誰かに伝えるという気持ちすらありませんでした。

ではどうやって、広めていけばよかったのか、残念ながらその後のアイデアを持ち合わせていませんでした、大きなことを言っておきながら、我ながらいい加減なものです。

そして今、100人を変える理解者を得て、大きく前進している実感を持てるようになりました。

2年間西本塾を継続してきた結果だと思います。

たったの2年間ですが、まさに継続は力なりです。

その皆さんが、私の考え方を学び指導に取り入れてくれて、次々と結果を出してくれるようになりました。

実際に指導を受けた方々は、これまで常識とされてきたものとの違いに、最初は戸惑うようですが、論より証拠、実際にやってみればその効果は歴然としていて、今までのことなどどうでも良くなってしまうのです。

しかし、指導して行く中で皆さんが等しく問題点としてあげてくることが、一定レベル以上まで行った選手上がりの指導者が、素直に聞く耳を持たないということです。

自分がやったことがない、聞いたこともない体の使い方、目の前でどんなにその有用性を見せられたとしても、今自分が指導していることとの違いや、何より自分がやってきたことを否定されているとでも思ってしまうのでしょうか、指導者として受け入れてくれないというのです。

個人として関わるのであればなんの問題もないのですが、組織を相手となると、その壁は高く厚いようです。

過去にもJリーグの下部組織や、育成年代の指導者たちが数多く学んでくれましたが、それぞれの環境に帰って、それがそのまま受け入れられたという話は残念ながらありません。

それでも個別に指導した選手たちは確実に変化し、そのことは認めざるを得ない状況まで作ったとしても、なお頑なに受け入れないというのですから始末が悪いのです。

「分からなければ、本当に中身を知りたければ広島に来い」と言ってくださいと伝えても、実際にここまできた指導者はいません。

ならばもう一度、私が表舞台に出て結果を出すことで、認めざるを得ない状況を作り、学んでくれた仲間たちが堂々と正しいことを指導できる環境を作りたいと思いました。

私が先頭を走らなくて誰ができるのかと。

しかし残念ながら、その思いはどこにも届きませんでした。

直訴状まで持参して、私の存在を売り込んでくれたグランパスからも、結局なんの連絡もありません。

本気で変わろうとするならば、私の話だけでも聞く価値はあると思うのですが、どうでしょう。

もし私がどこかの組織に入ったとしたら、前回と同じように、選手を指導する以前に、他のコーチやフロントといった、私にとってどうでもいい存在が大きく立ちふさがることでしょう。

まさに実績を重ねてきた連中ですから、プライドもあります。

自分の知らないことを「はいそうですか」と認める度量はありません。

選手たちも同じようなものです。

自分にとって切実な問題という認識がなければ真剣に取り組むわけがありませんから。

それはもう十分わかっています、ではどうするかというアイデアももちろん考えています。

現実にはその環境は与えられないというか、変革を望まないというのであれば、それだけの組織だということで、こちらがどうこう言うべきことではありません。

このブログを読んだり、西本塾生の指導を受け、体の変化に驚き、私から直接の指導を受けたいという依頼がいくつかきています。

私から直接学ぶことで、改めて塾生とのコミュニケーションが取りやすくなって、彼らがお互いの成長を加速させてくれると信じています。

人任せではなく、自分のためになることを真剣に探し求めているスポーツ選手はたくさんいるはずです。

一般の方々の体の不調も同じです。

そんな要求にきちんと応えられるようにするためには、私がどこかの組織に入ってしまうことより、今の環境を維持して、いつでもどんな人に対しても対応できる準備を整え、仲間を増やしていくという活動を続けていく方が、本来の意味での私の目標に近づいていける正しい道なのかもしれません。

今月は、肉離れの再発防止を目標にJリーガーが、動きづくりの本質を知りたいと大学生のラクロス選手が、そして年末には中学生のサッカー選手たちと、小学生と高校生の卓球選手、様々な選手との時間が待っています。

年明けには関東から競輪の選手も来てくれるそうです。

私はここにいた方が、みなさんにとってはいいのでしょうか。

それとも、「ほら、いま指導していることはこの人から学んだんだよ」と、自慢してもらえるように、表舞台に立っている方がいいのでしょうか。

これから先どこで何をしているとしても、私の人生の究極の目標は決まっているのですから、ブレることなく進んでいこうと思います。

明後日東京に向かいます、日曜日、少し厳しい話もするかもしれませんが、深める会参加者の皆さんと過ごす時間をいまから楽しみにしています。

CSの感想と今月の予定

今年のJリーグの頂点を決めるCSが2試合行われました。

年間勝ち点で、対戦相手のガンバ大阪に10以上もの差をつけて1位だったサンフレッチェ広島が、2試合合計4対3として、堂々のチャンピオンとなりました。

いつも言っている通り、戦術に対するコメントはできませんし、ピッチ上にいる全員、またテレビの画面に映っている選手全員の動きを瞬時に把握できるほどの目も持っていません。

とくに2試合目の後半に関しては、色々な思いがあって冷静に見ることができませんでした。

それでも気になっていたシーンをビデオで見直し、文字に残しておこうと思います。

まず、サンフレッチェ広島のキーマン、MFの青山選手の動きです。

昨年シーズンの途中から、縁があってケアや動きづくりのトレーニングを指導してきましたので、この大一番でどれくらいその成果を発揮してくれるのか、とても楽しみにしていました。

彼の特徴は、良い意味でも悪い意味でもピッチの中で熱くなりすぎることだと思います。

端正な顔立ちの彼が、目を吊り上げ、良い言い方ではありませんが、相手との接触プレーの後など喧嘩腰の闘志をむき出しにしたシーンが過去にはよく見られたと思います。

それが彼の良さでもあり、闘将と呼ばれるゆえんだと思いますが、私はその表情が屈筋優位の筋力発揮の原因となり、無駄に体力を消耗したり、正確なボールコントロールを阻む原因となっていることを繰り返し伝えてきました。

今回のCSでは、2試合とも、両チームの選手の中で、総走行距離は誰よりも多く一番の数字だったようです。

常に言い続けている、90分間走り続ける能力ではなく、90分間頭と体を動かし続けるという能力を発揮し続けていたことは、誰の目にも明らかで、それがデータという客観的な数字にも表れ、結果としてMVPという評価に結び付いたのだと思います。

彼の動きで特徴的なのは、オフザボールの状態での動きでは、けっして力むことなく腰を高い位置に保ち、股関節の自由度を確保できるようになったことです。

見た目には重心が高く、ふわりふわりと移動しているように見えるはずです。

けっして地面を強く蹴ってという動きではありません。

そのことが無駄に筋力を使うことなく、いざという時の速い動きだしを可能にしました。

2試合目、前半20分の攻め込まれたシーンで、最終的に相手のシューをブロックしたのは彼の左足でした。

普通なら右足に体重が乗ってしまって、左足でのブロックが難しい体勢でしたが、重心がきちんと左右両方の股関節にも残っていたため、どちらの足の位置にシュートが来ても、ブロックが出来たのです。

もちろんその時の表情も冷静で、後ろにはキーパーしかいない状況の中でも、正確なブロックが出来ていました。

これが今の彼の真骨頂だと思いました。

以前から腰痛に苦しんでいましたが、動きを改善するための背中を使えるトレーニングを始めてから、屈筋に頼った強引な動きが影をひそめ、正しい体の使い方ができるようになったことで、冷静さの中にもスピード感のあるプレーを可能にしています。

体重移動の意識で動いていた時には、逆をとられる動きや、足を出してもバランスを崩すことがありましたが、そういうシーンはほとんど見られませんでした。

一番の見せ場である、前線へのロングパスやミドルシュートのシーンでも、屈筋頼りの頃にはコントロールミスも見られましたが、シーズン最終戦で見せたミドルシュートなど、股関節の伸展から自然につながる膝関節の伸展という、人間がボールを遠くに正確に蹴るという動作にとって最も理想的な体の使い方ができていたと思います。

少し改善点を言えば、ペナルティーエリア付近で、味方がブロックを作って守っているゾーンの内側に、ボールを持っている選手を侵入させないという意図で、少し距離を保って様子をうかがっている時に、いわゆる反復横跳びのサイドステップが見られたのが残念でした。

まだ危険ゾーンではないので、この動きでも問題はないのですが、もっと内側に宇佐美選手のようなテクニックを持った選手が侵入した時であれば、あのステップでは簡単に突破されてしまいます。

そんなことは百も承知で、その時々で使い分けていると本人は言うと思いますが、危険でない場所だからこそ正しい動きで対応しておくことで、相手に対してこの選手は抜けないなというプレッシャーを与えることにも繋がって行くと思うのです。

世界レベルの選手を相手にするときには当然考えなければならないことなので、些細なことかもしれませんが、意識すればすでにできるようになっているのですから、もうひと頑張りして欲しいと思います。

とにかくチームをまとめ鼓舞しながら、誰よりも動き続けた180分だったと思います、凄い選手だと思います。

そしてもう一人、ガンバ大阪の宇佐美選手、これまでも他の媒体を含め何度か彼の動きについては意見を言ってきました。

伸展からの伸展という動作ではなく、股関節を屈曲させながら、膝関節を伸展させるという、車に例えるとブレーキを踏みながらアクセルを踏むという、坂道発進のような使い方で、他の選手には見られないというか、偶然そうなることはあっても、その動きからは強く正確なシュートはしにくい使い方なのに、なぜか彼はそれが出来る珍しい存在です。

今シーズンも前半戦では、そういう動きからの素晴らしいシュートや、パトリックとの連携で見られたパスを繰り出し、相手を翻弄してゴールを量産していたと思います。

ところが日本代表での活躍はまったく見られませんでした。

代表監督から口を酸っぱくしてフィジカルの強化を言われ、本人もそれに対して真剣に取り組んできたのでしょう。

ここでは詳しくは書きませんが、間違いなく屈筋重視のトレーニングになっていると思います。

そのことが、彼の特徴であるボールを蹴る時の「絶妙なアンバランス」、屈曲からの伸展のバランスに影響を与えているのだと思います。

私の見方が的外れなものではないと思います、そうであればこのままトレーニングの意識を変えなければ、絶妙なアンバランスが、ただのアンバランスになっていく可能性が高いということです。

青山選手もその罠に陥り、トレーニングの効果がプラス面に出ていないことは自分でも気がついていたようでしたが、ではどうすればいいのかという明快な答えを見つけることができないまま数年を費やし、私と出会ったことでやっと見つけた答えに少しずつ意識を変えて取り組んでいるという訳です。

方法自体を変えるというのではなく、意識を変えるのです。

どちらが難しいかは想像していただければわかると思います。

なるほどそういうことだったのかと、しっかり理解させなければ何も変わりません。

縁という言葉で片付けてしまうのは、少し残念な気がします。

選手自らが向上心を持ってアンテナを高く掲げ、自分から求めて行かなければ、私が発信しているなにかも届くはずはありませんから。

さて、今年も残すところ一か月を切りました。

今週末は、昨年に続き千葉に出向いて深める会を行います。

今年一年の、私自身の気づきを含めて、西本塾で学んでくれた人たちに、西本理論の本質に近づくための気づきを与えてこようと思っています。

翌週は、今年最後の西本塾、今回はサッカー・野球・軟式テニスと、様々な指導者の方々が参加してくれます。

加えて、私の年に近いサッカーの愛好者の方の参加もあり、伝え慨のある西本塾になりそうでとても楽しみにしています。

そして28日には、冬休み期間ということで、普段参加できない小学生から高校生までの選手たちに、西本理論の動きを体験してもらう機会を作りました。

さらには今シーズンを故障でほぼ棒に振ってしまったという現役選手が、正しいトレーニングと体の使いかを学ぶために来てくれます。

現役選手であっても、自分のチームのケアやトレーニングのやり方に満足できなければ、シーズン中であっても私のところに来ればいいと思います。

「一生懸命やってもらっているが、効果が今一つなので、別のやり方も試してみたい」、そういうことは許されないのでしょうか。

戦力外を言い渡されるとき、あの時ちゃんとしたケアが受けられなかったからといっても、だれも責任は取ってくれません。

所属している選手が、自分のお金を使って、クラブ以外の人間のところに行くのは、クラブとしてのメンツが立たないのでしょうか。

ならばもっと真剣に腕を磨いて、選手に信頼される努力をすればいいのです。

どこのクラブも同じです、かわいそうなのは選手本人です。

来年からはそういう閉鎖的な部分に遠慮せず、「ダメなものはダメ、もっとしっかり勉強しろ、選手たちが困っているんだぞ」、と言ってやろうと思います。

今月だけで新しい出会いがたくさん待っています。

自分に出来る精一杯の指導をさせてもらおうと思っています。

もう一つ、来年3月の出版を目標に、一般の方向けの健康書を準備しています。

「腰が痛いときにはどうしたらいいの」ではなく、体の仕組みを学び、自分の体は自分で守っていけるように、私の文章と「えだお」の漫画で、読み物として楽しく、そして役に立つものを作っています。

ちょうど一週間前に、地元広島の出版社、㈱ガリバープロダクツに打ち合わせに行って、大まかな構想を説明し、本の体裁や文字数段組みまで決めてきました、そして出版契約書にサインをしてきました。

土曜日には私の部分を書き上げました、たったの6日間です。

この企画を考え、講談社に持ち込んだ時点で、頭の中には構想が出来ていましたので、企画が通らず落胆して頭の中から消えかけていた部分を再構築して、あっという間に書いてしまいました。

皆さんの役に立つものを書きたい、この2年間ずっと考えてきたことでしたから、迷うことなく言葉が溢れてきました。

これから修正が入り、何度も書き換えなければならないことは覚悟していますが、編集担当の方の力を借りて、「読みやすく役に立つもの」という、当初の目的に少しでも近づけるよう頑張っていきたいと思います。

「広島から全国へ」を合言葉に、一緒に頑張りましょうと言っていただきました。

週末お会いする塾生の皆さん、関東地区忘年会もかねて一緒に学びなおすつもりでご参加ください。

皆さんにお会いすることを楽しみにしています。

ドキドキの理由

12月に入りました。

11月末まで、思わせぶりに私自身ドキドキ感を味わっていたことをにおわせることを書いていました。

そのことについて書いておきたいと思います。

この2年半の間に、自分の中で嵐のように心が揺らいでいました。

色々なことを考え、これからのことについても本当に自分がしたいことは何だったんだろうと自問自答が続きました。

一度は広島の仕事場として使っていた場所を畳んでまで、サッカーの現場に戻りました、そこは自分が想像していたものではなく、短い期間で離れてしまうことになりました。

なぜそこに行ったのか、自分のやってきたことの集大成として組織としての結果を残すためでした。

そのことで私の考えが独自のものでも何でもなく、当たり前の考え方として認知され、固定概念から抜け出せないスポーツの世界を変えてやろうという野望に似たものまで持っていました。

それが出来なくなった時、受け入れられなかった理論や私のやり方が、このまま埋もれてしまうことに我慢が出来ず、ブログを通して吐き出していく中で、それを必要とする人たちがたくさんいることに勇気づけられ、どうすればもっと分かり易く伝えられるのか、自分の考えをもっと確固たるものにしていかなければ、そういう人たちの先頭には立てないと、自分なりに努力を続けてきたつもりでした。

その過程の中で、やはりもう一度自分の理論で勝負したい、3年前に決心した時と同じかそれ以上の感覚が湧きあがってきました。

しかし、私のことを知る指導者などいるはずがありません。

地元広島は、今日チャンピオンシップの初戦が行われますが、森保監督の元、盤石な組織づくりが行われていて、私が必要とされる余地はありません。

他のクラブからの誘いなどあるはずもなく、そろそろ諦めて他のやり方で自分の考えを広めて行く努力を続けなければならないことは、自分が一番分かっているつもりです。

私の仕事は、将棋の駒を磨くことであって、実際に指すのは私ではありません。

ですから、本当に信頼できる将棋指しでなければ、私がいくら真剣に磨いた駒を提供しても、結果など出るはずはありません。

どんな指し手なのか、どんな戦法で何をしたいのか、長期的なビジョンも含めきちんと話を聞いてからでないと、もし話があったとしても、はい分かりましたとは言わないと思います。

行きたいのか行きたくないのかどっちだと言われるでしょうが、これが正直な気持ちです。

現実にそんな立派な指し手がいるのか、それすら私は知りません。

だからどう考えても、私の現場復帰は現実的ではありませんでした。

経済的な問題も含めて、来年からはもう少し考えなければならないことはたくさんあります。

それでもこのブログを読んで、興味を持ってくれるクラブが、もしかしたらあるかもしれないと、勝手に思っていました。

そうした状況の中で、西本塾に参加してくれたある方が、地元のJクラブに私を売り込ませてくれと言ってきました。

その方は大学まで地元でサッカーを続け、学生時代の仲間の中には日本代表にまでなった選手や、現在指導者として活躍している人間がたくさんいるそうです。

本人は現在、直接サッカーの指導はしておらず、整体師としての仕事をしているそうですが、西本塾の二日間を経験して、この理論を現場に生かしていかなければサッカーの発展はないと、まさに雷に打たれたように一念発起して、短い期間に何度も私の元を訪れ、理論と実践を学び、すでに地元で子供たちやその指導者を相手に講習会を行っているという、驚く程の行動力を持っている方です。

その方はまずメールで私のことを調べてコンタクトを取るべきだ、他のクラブに取られた後では取り返しがつかなくなる、くらいのことを書いて送ったそうです。

そんなメールにいちいち反応してくれるはずはないと思うのですが、今度は社長とGM宛ての手紙をしたためて、直接事務所を訪れ、管理部長と言う役職の方に内容を見せ、それぞれの方に渡していただけるという約束を取り付けて帰ってきたというのです。

内容を読んだ管理部長は、「これはまさに檄文ですね」と驚いていたそうですが、地元のクラブが強くなってほしいと、そこまでやってくれるサポーターがいることを、クラブは真剣に受け止めるべきでしょうね。

時代劇に出てくる、一揆を起こす前の最後の手段である、「直訴状」のような物々しい外観でした。

直訴状を持って行った人は、その場で手打ちにされることを覚悟して、その役を買って出るという風に時代劇では描かれていましたが、その方も相当な覚悟を持ってというか、本気度を示すための行動だったと思います。

何もしない私が言うのもなんですが、涙が出るほど嬉しかったです。

さらには先輩にあたるサッカー解説者との交流が今でもあって、その彼にも練習場に行ったら監督に私のことを話してくれるように頼んでくれたそうです。

ですからおそらくは、監督の耳には間違いなく私の存在は届いていると思います。

ただそこから先はまったく分かりません、これまで何のかかわりもない私のことを調べ、自分のチーム作りに必要な人材だと思ってもらうことなど、1%の確率もないでしょう。

しかし、私はそこまでやってくれた西本塾生の気持ちを意気に感じ、もし本当にコンタクトがあり、納得できる話になったとしたら、せっかく作ったこの施設ですが、また畳んででも、そのクラブの発展のために生涯をかけて、骨をうめるつもりで、参画しようと思ったのです。

すべては縁のなせる業、人生あみだくじと割り切って、人生を歩んできた私ですが、今回もしそうなったら、今までとは違った意味で大きな横線を、引いてもらったことになると思いました。

そうは言いながら、いつまでも雲をつかむような話を待っているわけにはいきません。

私を信頼し通ってくれる方々や、西本理論を学びたいと遠くから来てくれている人たちのためには、ここにとどまって今度こそしっかり根を下ろす覚悟で仕事に取り組まなければなりません。

さすがに12月も半ばを過ぎてから話があっても、準備ができませんから、自分の中でのタイムリミットを11月末と勝手に決めていたという訳です。

しかし、その期限は昨日過ぎて行きました。

いつまでもドキドキしてばかりはいられません。

気持ちを切り替えて現実に対応していかなければなりません。

そのクラブとはこれまで全く接点がありませんでしたし、試合以外で訪れたこともない土地です。

それでももし話が来たら、そこで自分のすべてを出し切ろう、本当に最後のチャンスだと思って頑張ろう、そう思っていました。

塾生が本気で私を売り込んでくれたクラブは、名古屋グランパスでした。

縁がなかったようです・・・。


プロフィール

Author:西本 直
1993年、Jリーグサンフレッチェ広島を皮切りに、社会人野球三菱重工広島・協和発酵・ヴィッセル神戸・川崎フロンターレ、そして広島カープ佐々岡真司投手など、プロアマ問わず競技レベルのスポーツ選手から一般の方まで、トレーニングやメンテナンスの指導を行ってきました。
その経験と知識の蓄積を「西本理論」としてまとめ、一人でも多くの方に実践していただくことが、これからの私の使命であると信じ、このブログから発信していきます。
私の理論はスポーツ選手のみを対象としたものではなく、ビジネスマンや家庭の主婦まで老若男女すべてに当てはまる不変のものです。
指導や講演のご依頼も受け付けています。
実名でツイッターも書いていますので、チェックしてみてください。
また、2013年9月9日にConditioning Studio 操をオープンしました。こちらもご覧ください。
また、遠隔地にお住まいの方を対象とした動き分析とアドバイスを始めました。
4月15・16日の二日間西本塾を、予定しています。
詳細は「スタジオ操」のホームページ内の講習会情報をご覧ください。

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