人間の心と体に触れるということ。

札幌に出かけている最中の出来事でした。

定期的に私の施術を受けてくれている「Aさん」から紹介を受けたという「Bさん」から、来週の木曜日、明日になるのですが、予約をしたいという連絡を受けていました。

その方は、私は好きな言葉ではありませんが、自らの言葉で、「私は腰痛持ちで、普段は行きつけの整体師のところで揉んでもらっているのですが、今回は自分でもかなり痛みが強いので、いつも以上にしっかり揉んでほしいとお願いして施術を受けたところ、途中で痛みがひどくなり動けなくなりました」、と言われるのです。

半月ほどたって、何とかましにはなったが、人から見てもおかしな動きをしていたようで、友人であるAさんが見かねて私を紹介してくれたということでした。

それが週末、以前と同じようなひどい痛みを感じ、動けなくなってしまったため、木曜日の予約をキャンセルしたいという連絡でした。

さらには、少し落ち着いて楽になったら、また連絡しますと言って電話を切られました。

これが現実です。

私はこんな悲劇を繰り返さないために、いつ自分がその立場になるか分からない一般の方と、そういう人に対応して、少しでも痛みや体の不調を改善してあげる立場の施術者双方に、人間の体の仕組みと対処の仕方を知って欲しいという思いを込めて、「1回5分体が喜ぶ健康術」を著したのです。

このブログにも何度も書いてきましたが、巷にあふれる健康指南書の類は、「どこかを揉めばどこかが治る」式の、お手軽で短絡的なものがほとんどです。

人間の体はそんなことでは改善できない、体を治す整えるということの本質を追及していかなければ、誰の為にも何の為にもならないと、しつこいくらい言い続けてきました。

しかし、そんな言葉は、10年前に本を出させてもらった講談社の担当の方でさえ、「それは正論かもしれないが、一般の読者はまだそれを求めるレベルに来ていない、お手軽お気楽な健康法でなければ、出版社として書籍化して商売にならない」というのです。

私はそんな出版社の売らんかなという姿勢が、現状を作り上げてきた大きな責任があるはずだと反論しましたが、それが受け入れられることはありませんでした。

このブログのタイトルである、「生涯一トレーナー西本直が話しておきたいこと」が、まさにこのことなのです。

私が施術者としての道を歩もうと決めてから、たとえどんな状態になっている人であっても、少なくとも現状よりは良くしてあげられる、100の痛みを抱えてきた人でも、たった1つ減らして99であっても、絶対に改善の糸口は見つけられたと、自他ともに感じられる施術を行えるようになったと、自分の技術に自信と確信を持って仕事として行ってきたつもりです。

今回のAさんのこと、まだこんな施術を行っている人間がいるのかと悲しくなりました。

いくら普段からAさんの体を触っているとはいえ、Aさんから今日はいつもと違い痛みが強いから、いつも以上にしっかり揉んでくれという言葉を真に受けて、言われるままの施術をして、Aさんの症状を悪化させた自分の行為を恥じることはないのでしょうか。

Aさんがそうしてくれと望んだから、そうしただけで、自分は何も悪いことはしていないと思っているのでしょうか。

施術者として、相手の体を改善することが目的ではなく、自分が学んだある一定の手技を施すのが仕事だと思っているのでしょうか。

今回のようなことは過去にも何度も経験していて、その度に私が言うことは、「こんなに酷くなったのは私のせいではありません、その原因がはっきりしているのなら、そこへもう一度行って治してもらってください」、という言葉です。

しかし私の知る限り、「こうなってしまったのはあなたの施術のせいです、何とかしてください」と、文句を言って駆け戻って行く人は聞いたことがありません。

もちろんそんな目に合されたところに、もう一度行きたいと思う人はいないでしょうから当然のことではありますが、文句の一つは言っておいてもらわないと、施術した側は、自分が施したことを間違いだと気づくことも出来ないのです。

そんな状態になった人に、駆け込まれる身にもなってくれと言うことです。

私がいつも口を酸っぱくして言う、「木を見て森を見ず」「枝葉の技術を追い求めるな」と言うのはそういうことです。

〇〇法、〇〇テクニックを学ぶのではなく、人間の体の仕組みと、どうやって動いているのかという本質を探る以外に、それに対応する技術など身に付くわけはないのです。

私の本は一般の方向けの健康指南書の体をなしていますが、本当に読んでほしいのは施術する側の人間なのです。

Bさんは今回のことで、痛みが強いときには施術行為を受けない方が良い、いや受けてはいけないという気持ちになったと思います。

丁寧な方で、今日改めて同じ趣旨の連絡があり、明日のキャンセルを確認してきました。

これまでの私なら、「しばらくして、もう少し楽になったら改めて予約しますと」いう言葉を遮り、「痛くなくなったのなら私のところに来ていただく必要はないでしょう、痛いから来るのではないのですか」と、言葉を返したと思います。

しかし、今のBさんには何を言っても分かってもらえないと思います。

「今の状態で詐術を受けたら、また酷いことになる」、私のことを知らないBさんに、これ以上何を言っても始まりませんから。

結局これが現状なのです。

本当に困った時にきちんと対応できる施設がない、体に不都合を感じたら、痛い所を揉んだり叩いたり突っついたりしてもらうことが施術だと思い込んでいる一般の方々、その要求にさえ応えていれば事足りると思っている施術者を自認している人間たち。

「何を偉そうに、自分はお前以上に技術を持っている」、自信を持ってそう言い返してくれる施術者が、一人でも多くいることを願うばかりです。

施術行為、人の体に触るということは、人の心に触れるということです。

一人でも多くの方にこの感覚を伝えて行きたいと思います。
そのために書いた、「1回5分体が喜ぶ健康術」を、もっとたくさんの方に読んでいただきたいと切に願っています。

そして今回登場したBさんが、いつか私の元を訪れた時に、本当の意味での体の仕組みと、痛みの本質、そして体が治って行く過程を知っていただきたいと思っています。

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札幌に行ってきました。

先週の金曜日から昨日まで、三泊四日の行程で札幌に行ってきました。

今朝は同行してアシスタントを務めてくれた、息子の智志ともども疲労困憊になることを予測して、午前中は予約を入れず、午後からの仕事となっています。
私は目が覚めてしまいましたが、智志は予想通りまだ熟睡中です。

三年前、西本塾という形で、私の考え方を伝える勉強会を始めました。

その第2回に参加してくれたのが、今回の札幌開催を主催してくれた諏訪俊一さんであり、そして今回も参加してくれた第1回の参加者である小林敬さんでした。

二人とも前もって準備しての参加ではなく、私のブログに出会いこの人に直接会ってみなければと、熱い想いをこめて様々な状況をクリアして、まさに吸い寄せられるように広島まで来てくれた二人でした。

二人は当然友人同士の間柄で、1回目に参加した小林さんから話を聞いた諏訪さんが、と言う流れかと思いきや、まったく知らないどうしだと分かり、改めて遠く札幌から来てくれた二人に感謝するとともに、深い縁を感じたのでした。

その後、西本塾に参加してくれた人のフォローアップの意味を込めて、深める会を始めましたが、当初は一日だけの開催で、たった一日のために札幌から二人に足を運ばせるのなら、少し人数が集まってくれるのなら、二人の思いに応えるためには、こちらから出かけて行くべきだと思い、二年前に深める会プラス新規参加の西本塾という形で札幌で開催することにしました。

昨年も同じように伺うことができ、諏訪さん小林さんとは数年前からの縁とは思えない間柄となっています。

そして今年も諏訪さんから依頼があり、諏訪さん主催の講習会に、私が講師として参加するという形での、札幌開催が実現しました。

準備や私と智志の宿泊を含め、諏訪さんには本当にお世話になりました。

諏訪さんは今年の4月に、札幌市白石区南郷通りで、「からだビレッジ」という施設を立ち上げ、新しいスタートを切ったばかりで、私も微力ではありますが、その施設の営業活動のお手伝いになればと、3月に出させていただいた「1回5分 体が喜ぶ健康術」を読んでくれた一般の方がもっと詳しく知りたい、そんな単純な動機で参加してくれたらという思いもあって、難しい話ではなく一般の方向けの時間も取れるように諏訪さんと相談しながら計画を進めていました。

しかし、残念ながらそのもくろみ通りとはいかず、諏訪さんの施設を利用されたいる方中心となり、いつも広島で行っていることと変わらない二日間の西本塾となってしまいました。

二日間通しての受講を義務づけている西本塾ですが、今回は4つのセッションに分けて、その一つだけの参加でもいいですよと言う形にしてしまいました。

当然中途半端な理解のまま話を聞いてしまう人が出てきますが、私なりに精いっぱい参加してくれた人のために伝えてきたと思っています。

昨日帰り際に諏訪さんとお話しする中で、こういう形での開催はもうやめましょうということにしました。

私は広島を拠点に仕事をしています、広島は遠いからという理由で参加しない人は、私から学ぼうという意識が、何をおいても広島にと思ってくれた諏訪さんや小林さんとは違うということです。

過去にも西本塾の参加者から、自分たちが準備するので東京での開催を考えて欲しいという申し出をされたことがあり、実現しかけたことがありました。

しかしそれは私が一番嫌っている、「広島は遠くて行けないけれど、東京に来るのだったらちょっと覗いてみようか」と言う動機で参加してくる相手の前で、広島で行う時と同じ気持ちを込めて指導する気持ちになれるかと自問自答した時に、私の気持ちは勿論ですが、札幌でなくとも、皆さん遠い所から貴重な時間とお金をかけて私の元を訪ねてくれた人たちに対して、申し訳ないというか失礼なのではないかという気持ちが強くなり、開催しませんでした。

今回も、昨年参加してくれて本当に役に立った来年も是非と言ってくれた人たちが、結局参加してくれませんでした。

色々都合はあるでしょうが、やはり昨年の参加は地元に来てくれるのだったら参加してみようか、の域を脱していなかったということにしか思えません。

私がなぜ札幌に行こうと思ったのか、初心に帰れば諏訪さん小林さんの思いに応えるためではなかったのか、彼らに私の考え方や技術をさらに深めてもらうためではなかったのかと、帰りの飛行機の中で考えていました。

私は本当に伝えたい人に伝える、本気と覚悟を持って私と対峙してくれる人でなければ、私の思いは絶対に伝わらないし、伝えられないと思います。

私が言葉を荒げてまでも伝えたいことは、目の前にいるその方だけではなく、その方々の向こうにいるたくさんの人たちに、正しく等しく届いてほしいからです。

西本塾と深める会は当分継続するつもりですが、なぜ私がそれまで絶対にしないだろうと思っていた、自分の考え方や経験を人に伝えるということを始めたのか、もう一度初心に帰って考え直す時期がすでに来たのかなと思っています。

諸々の思いはありますが、私と過ごす時間が少しでも欲しい、私と言う人間を感じることで自分の成長の糧にしたいと、熱く語ってくれた諏訪さんに、改めて感謝したいと思います。

本当にありがとうございました。

深める会の感想

今回の深める会に参加してくれた、静岡の榊山さんから届いた感想です。

榊山さんは、静岡で大学サッカー部のトレーナーをしている方です。
日々若い選手たちと接していく中、少しでも彼らのために役に立ちたいと西本塾に参加してくれた後、同期で参加した人たちとラインを通じて、私から学んでくれたことを深め合うことをしていただき、私もそのやり取りを見させてもらっていました。

私が伝えたことをどう捉えどう活かしてくれるのか、またその方向性がどうなって行くのか、とても興味を持っていました。

そんな榊山さんと過ごす二日間、私にとっても自分の伝える能力を試される良い機会だと捉え、色々と考えて臨みました。

言われる通り、西本塾は私の考え方に触れる入口にしかすぎません、そこから奥に進んでくれるもよし、こんなものかとすぐに立ち去るもよし、私は何の強制もしません。

ただ私はどんな動機であれ、私の前に立った人たちに対して、その人たちの向こう側にいるたくさんの選手や患者さんのために、自分のやってきたことを伝え活かしてもらいたいという気持ちで臨んでいます。

二日間が長いか短いか、受け取る側の感覚ですが、私にとってはあっという間に過ぎて行く貴重な時間です。

そこで何が伝えられるか、そしてそれが正しいと思ってくれたとしても、現状の固定概念の中では残念ながら一般的ではない考え方を、それぞれが伝えなければならない対象者にどうやって伝えるのか、そこまで考えて自分の考えを広めて行かなければならないという、難しい仕事となっています。

現実として榊山さんもチーム全員に私の考えを浸透させていくことは出来ていないようです。
そんな中でも興味を持ってくれた選手により良い指導をしなければと、学びを深めに来てくれました。

年齢はすでに40歳を過ぎ、経験も豊富な中でさらに自分を高めようという気持ちに、私もしっかり応えられたと思います。

以下読んでみてください。

深める会その15に参加して

西本先生、2日間ありがとうございました、私にとってこの上ない濃密な時間になりました。

そして、奥様、色々なご配慮と、からだほわっとの練習台になって頂きありがとうございました。
最後に、智志さんには、ホントに助けられました。
動きやトレーニングの手本、施術の練習台になってもらい、ありがとうございました、気を使わせてしまって、ごめんなさい。

今回、私自身、2月に参加した17期の西本塾から、5ヶ月が経過し、自分自身の現状把握と他の回に参加された方と交流し、刺激を頂きたい、そして3月から、先生の指導を受けている智志さんの動きを生で感じたい、また、先生との真剣勝負の空間を感じたいということが参加の動機でした。

そして、私自身、ラッキーな事に、今回の受講生は私一人でした。

まず、2日間を通しての感想ですが、最初に参加した塾は、あくまで入門であって、本当の土台を作るのは、深める会に参加する事で、得られるのかなと感じました。

ある意味、ここから、奢らず、過信しすぎず、どう発展させるかが、大事だと思いました。
こんなに真剣になって頂いた人達に恩返しできるように、精進しないと男じゃないと心から思いました。
もっと、この空間にいたいという2日間でした。

私自身、前回から5ヶ月経過しての現状把握という目的で参加し、なんにもできてないのが、実感でした。

一日目は、トレーニング、動き作り中心、外での走り、方向転換の講義でしたが、特に、アイドリングで、股関節のクランクを使った動きや骨盤~背骨~肩甲骨の連動、縦のローリング等が全くできておらず、そして、目の前に最高のお手本である智志さんがいるにも関わらず、その動きを感じないで、頭で動きを考えてしまい、屈筋を働かせてしまったりと、他にも多々ありましたが、感じる、感覚を高める、背骨を動かす(脳を活性化させる)1つ1つのトレーニングの目的(6方向の動きの展開等)とトレーニングの順番に目的がある等々、1つ1つ深く考えたり、デモンストレーションが、しっかりできないと、選手には、伝わらないと改めて実感できました。

改めて、トレーニングを行い、走っている、方向転換をしている際の智志さんをみて、想像以上の動きで、ある意味感動ですし、父親である先生思いの好青年でした。

2日目は施術中心で、やはり痛い意識を他に移す事、感じる事、感覚、いかに力を消させる事ができるか、患者さんが施術者に身を任せて、動きを誘導できるか、一方向から、探るのではなく、大なり小なり、体は、全体的に動くので色々な角度から、動き等々、操法をそして、からだほわっとの指導を手取り足取りして頂きました。

ホントにみっちりと練習ができました、私自身、練習は、していましたが、全然、できてませんでした。

まだ、体に力が入ってしまい、もっと、やり続けないとトレーニング同様あらためて、感じました。

操体法自体、呼吸の仕方1つで、体が緩んだり、脳が、リラックスする感じの感覚が違うというのに改めて気づかされました。
そして、これらをどう、動きやすさに繋げていくかが、大事だなと考えさせられました。

塾に参加した事に満足せず、私に関わってくれてる人に少しでも、還元できるように、ここからが、ホントのスタートだと思います。
西本先生に、恩返しできるように、少しでも前に進んでいきたいと思います。

今後もよろしくお願いいたします。

西本塾17期、深める会その15参加 榊山伸夫


私と智志の二人掛かりで、榊山さん一人に向かうのですから、二日間一瞬たりとも気を抜くことができないという厳しい状況だったと思います。

何としてでも伝えたい、形にして帰って欲しい、厳しさはいつも以上だったかもしれませんが、榊山さんのこれからの活動に絶対にプラスにしていただける二日間であったと思います。

精神的にも肉体的のも相当にハードだったと思います、本当にお疲れ様でした、そしてありがとうございました。

過去に指導した方からも、現状報告の知らせが届いていますが、込み入った部分があり紹介できないのが残念です。

それでも私にとっては有難い報告が多く、いつか世間の常識を覆す日が近いと感じることができるような気がしています。

だからこそ指導に対しては、常に結果責任を感じながら、本当に依頼してくれる人が目標を達成できるような指導をしていきたいと思っています。

定期的な直接指導を受けていただくことは難しいと思いますが、広島での直接指導と遠隔地であっても動画等を通じた指導で、私の考え方に沿った体の使い方を実践し、能力向上を図ろうという、本気で向き合ってくれる選手を指導したいと思います。

「捻転135度を効率的に使うために」、難しい話なのでパスしていただいた方が良いかもしれません。

週末の深める回、静岡から参加してくれた榊山さんと智志、そして家内にも手伝ってもらって無事に終えることができました。

私にとって西本塾と深める会は、これまで活動してきたことの意味を問う、本当に大切な時間となっています。

今回は相手が一人だったということで、一人に伝えられないことがたくさんの人に伝えられるはずはないと、今、伝えられることをすべて伝えられるように頭を整理し、いつも以上に真剣な二日間を過ごせたと思います。

今日はそのことはさておき、これまで私が伝えてきたことの柱の一つである、重心移動による運動エネルギーの獲得方法の中で、捻転動作について自分の頭を整理し言葉にしておきたいと思います。

枝葉の方法論を必要としている人や、体の動きを真剣に考えていない人には、おそらく読んでも分からないと思うし、面白い内容ではないことを先に言っておきます。

いつものように長い文章になりますから、興味がなければ読んでいただかなくて結構です。

私の考え方の基本として、静止状態からエネルギーを生み出すための3要素として、落下目的方向への重心移動左右の捻転をあげています。

今日はその中の捻転動作についてです。

捻転動作を一番イメージしやすいのは、少し古くなりましたが大リーグでも活躍した野茂英雄投手のトルネード投法です。

トルネードと言うネーミングは、彼の投球フォームが軸足一本(彼は右投手ですから右足)で立った時、上半身を右方向へ捩じり、バッターに対して完全に背中を向けてしまった状態から、打者方向の左側に捩じり戻して投球するため、その動きを竜巻に例えたものでした。

捩じりきった時、野茂投手の目線は完全にバッターから離れてしまい、捩じり返したときに初めて打者方向そして、決められたサイン通りのコースを狙う目線になるわけですから、打者としてはどこを狙って投げてくるかが分かりづらく、恐怖心に似た感覚さえ持たされることになったと思います。

完全に背中を向けると言いましたが、軸足となる右足のスパイクの内側のラインは、投手板に対して平行が保たれています。

このことは非常に重要で、もしこのスパイクの足先側が時計回りにずれてしまうと、臍の向く方向は135度を超えてしまうことになります。

そうすると捩じり返して力を出し切った時の臍の向く方向は、打者方向まで戻すことができず、手前側3塁ベース側で終わってしまうことになります。

投手は本能的にそうならないように体を回そうとして、上半身を先に回して帳尻を合わせようとします、これが上半身が早く開いてしまう一つの原因です。

上半身、簡単に言えば肩が開く原因はもう一つあって、臍の向きを右側に45度回しきれていないまま、下半身を捩じり返そうとして、そのまま上半身がその動きに引っ張られることで、左肩が早く回りだしてしまうという現象もあります。

ほとんどの場合こちらの理由で体、肩の開きが早い投手がほとんどです。

ではなぜ135度が大事なのか、このことは私が知る限りどこにも書いてないと思います。

様々な捻転動作を伴うスポーツ動作を分析していく中で、関節の可動域やそれぞれを連動して使うという動きの中で、最も合理的だと考えられるのが135度だと考えるようになりました。

どんな動作にもフィニッシュという状態があると思います、その形が決まった時、動作としての完成度と言うか効果的な結果を生み、動作自体も美しく見えます。

それがなぜだろうと考えた時、このことはまだ数字を用いて関節の可動域等を勘案した分析は出来ていませんが、今の時点で言えることはというか、実際に動作を行ってみると、また良い結果を出せている動作は、どんな捻転動作でも目的方向から逆算して135度の角度から捻転動作を開始することが、最も効果的だという結論を得ています。

右投手であれば軸足である右足一本で立った時、スパイクの内側のラインは打者に対して90度を保ち、上半身を右方向に捩じって行くのですが、この時に下半身が上半身に連れられて大きく回りすぎてしまうと、下半身と上半身の捻転差が生まれず、体全体が右向け右になってしまいます。

スパイクの内側のラインを変えないことはもちろんですが、上半身を右に捩じって行く過程で、下半身は逆の左回りをさせるくらいの意識がないと、上半身の動きに負けてついて行ってしまいます。

お腹のラインと肩のラインがそろったまま右回転してしまうと、トップの位置から捩じり返していく際に下半身主導という動きが出来ず、肩のラインがお腹のラインと一緒に回り始めてしまいます。

これでは肩が早く開いてしまい、せっかくの捻転差と言う一番大きなエネルギーを発揮できなくなってしまいます。

古い話ですが、まだ現役を続けている広島の永川投手が上半身を右に捻転していく際に、スパイクの内側が右にずれて行くために、終点となる位置で臍が打者方向に向かないため、先に肩を開くことでコントロールを乱していることを指摘し修正させたことがありました。

私は彼に対して、そんなアドバイスをする立場ではありませんでしたが、専門のはずの投手コーチもそのことに気づいていなかったようなので、見るに見かねてアドバイスをしました。

それまでの足を踏みかえてプレートを踏むやり方を変え、最初から平行な位置に足を置いてから動作を始めるようにしたことで、その問題に関しては解消できたようでした。

135度、この角度は簡単なようで簡単ではありません。

いくら軸足の位置を安定させても、上半身の動きでその角度は曖昧さを増します。

そんな経験を踏まえて、サッカーのロッベン選手の動きの中に3分割という動きに意識を見つけ出しました。

下半身という位置づけの骨盤の部分を捩じるという意識と、上半身である肋骨のドーム部分を別々に捩じる、ある時は時間差をつけて下を先に動かしたり、上を先に動かすことで、下半身リードとか上半身リードという発想になります。

背骨は一本の棒状のものではなく、30個近い椎骨の集まりですから、それらを蛇のようにくねらせ、上から下に連動させたり下から上に連動させるというイメージは掴みやすいと思います。

しかしそれだけでは、しなやかという形容は出来ても力強いというイメージが持ちにくいのも事実でした。

そこで目に飛び込んできたのがロッベン選手が、相手と鼻の先がぶつかるくらいまで接近した瞬間、まったく相手が予測できないままに左右どちらかにほぼ90度の角度で、一瞬にして相手を置き去りにするという動きでした。

肋骨のドーム部分も、骨盤の部分も、直前まで相手に対して正対しているのに、最後の一歩を相手の足元に踏み込んだ瞬間にお腹の部分だけを踏み込んだ脚と逆の方向に捩じるという、まさに3分割としか言いようのない体の使い方をしているように見えました。

このことから派生して考えを巡らせているうちに、自分が行っているゴルフのスイング動作に置き換えて考えるようになりました。

これまで数々のレッスン書を読み漁り、レッスン動画を見てきました。

私は右利きですが、アドレスからテークバックへと上半身を右方向へ捻転し、グリップが右肩の上のトップの位置に来る直前に、上半身の動きに引っ張られるように右回転を余儀なくされていた下半身を、左方向へ捩じり返すことが重要であるという指導は、表現の違いこそあれ共通のものだと思います。

これこそが下半身主導のスイングであると力説されています。

トップの位置から下半身ではなく、上半身とくにグリップが先に動き出すことを厳に戒め、上半身主導とか手打ちと呼ばれ、アウトサイドインのスライス軌道になると言われてしまいます。

私自身そうならないために様々な理論に触れ実践してきました。

肩とグリップの二重振り子を使ってリズム良くスイングするとか、松山選手のようにゆっくりテークバックしてトップの位置を確認してから下半身をとか、トップの位置から腕をひっくり返すようにしっかり手を振れだとか、もう数えきれない理論が存在ます。

そんな中、どうやったら飛距離と方向性を両立させ、再現性を高めることができるのかという、理想的なスイングを求めて日々試行錯誤が続いています。

そして今、まだ完成には程遠いのですが、ロッベン選手や日本ハムの大谷選手、また先日動き分析を依頼してくれたバドミントンの古賀さんのスマッシュやクロスプッシュの動きをヒントに、ある一つの法則を見つけ出せた様な気がしてきました。

まずアドレスをします、そこから右回りで体を捩じって行きますが、左肩から始動して肩を回すとか、胸を右方向に捩じるとか、体の部分の動きの意識を離れ、とにかくクラブのヘッドでボールをぶっ叩くという準備のために、下半身を動かすという意識は消して、クラブだけを上げるように意識しています。

そう思っても、クラブを上げて行くという力が働いているため、当然上半身は右に捻転していきます。

クラブの動きにつられて右への捻転を続けて行くと、臍の向きは確かに正面を起点として右に45度くらいまわりますから、フィニッシュに向かって135度の角度を作る準備ができたことになります。

しかし、行き着くところまで回すことを許してしまうと、背骨が左に倒れ左肩が落ちて、いわゆるオーバースイングとなり、それを元に戻すためにシーソーのような肩の動きが必要となり、ギッコンバッタンと形容される初心者のスイングとなります。

当然ですが下半身もつれて行かれていますから、そのまま無理に下半身主導という意識が働くと、右肩が下がり下からあおり打つような打ち方になり、ダフリやトップと言うミスにつながります。

自分で見つけた135度というキーワードを意識しすぎて、私自身納得するスイングができたことがありませんでした。

この原稿を書くために、今朝も練習場でボールを打ってきました。

そこで得られた感触を文字にしておきます。

まずはテークバックではどっしりと構え下半身を使わない、グリップが右腰を過ぎて上昇していく方向に力のベクトルが変わったら、肋骨のドーム部分はそれについて行かせるが、下半身とくに骨盤部分は逆に左回転を意識して、上半身の右への捻転にブレーキをかける。

それによってお腹の部分が大きく捻じられ、それぞれが別の方向に動いているという3分割の意識が生まれる。

トップの位置が高くなろうとすればするほど、骨盤の左への捻転が強まりブレーキがかかり、結果として自分が思っているほどのオーバースイングとはならない、そしてトップの位置を確認する間もなく、骨盤の左捻転が続いているので、骨盤の動きでクラブが下りてくるという理想的な切り返し動作となり、胸や肩は開くことなく、骨盤だけが左への捻転を行い続けてくれる。

そこにお腹を中心とした3分割の捻転差が発生し、捩じり返しのパワーが生まれ強いインパクトを迎えられる。

インパクトの瞬間には捩じり戻しの方向が逆になるため、骨盤の動きが止まったように見える、ここを強調してツイスト打法と言う言い方で指導している指導者もいるが、これはそこまでの動作があってのことで単独で逆捻りは生まれようがない。

この意識がスイングに持てると、今までに感じたことのない強い捩じりと捩じり返しを感じるが、ビデオに撮ってみてみると、おそらく今までよりも捩じっていないように見えるはずだと思います。

ここに人間の捻転という動作に対する誤解と言うか、認識の違いがあるように思います。

しっかり捩じっていることが捩じっていないように見える、けっして捩じっていないのではなく、3分割された体の動きが相殺し合っていると考えることが自然にそういう感覚を生み出すのだと思います。

この事実を応用してそれぞれの競技動作に当てはめることができれば、強いキック動作を行うための3分割の使い方とか、速いボールを投げるため捻転動作、ボールを遠くに打ち返すための捻転動作などなど、これまでになかった体の使い方を見出すことができるのではと考えています。

まだまだ試行錯誤が続きますが、我ながらなかなか面白いことを考えているなと思います。


人間の動きを見る視点として。

明日明後日と「深める会」を行います。

今回の参加者はお一人だけなので、複数の人数の中で、私から学んでくれたことをどう活かしているか、また抱えている問題点などを話し合っていただくという、深める会ならではの貴重な意見交換をしていただくことが出来ないのは申し訳ないのですが、その代りといっては何ですが、すべての時間を榊山さんのために構成することができます。

どちらがどうという意味ではなく、どんな状況になっても参加していただく方のためにベストを尽くすのは当然のことですから。

また、来週末には、3年連続となった札幌での西本塾を行います。
今回は西本塾2期生の諏訪さんの主催で、私は講師という形での参加となります。
参加してくださる方々に対して、少しでもお役にたてる内容にしたいと、色々頭を悩ませています。

最近のブログによく登場した、福岡の中学生長距離選手の「そら君」のレースも明後日に迫ってきました。
私の提唱する走りをどこまで体で表現してくれるか、そして自分の目標としている自己記録を更新できるか、とても楽しみにしています。

結果はもちろんですが、初めて指導を受けてくれて1か月という短い期間でしたが、お父さんと二人真剣に取り組んでくれたことが、私にとっては何より嬉しいことでした。

朗報を待っています。

また、お父さんから送られてくる動画を見て、遠隔地であってもそれなりに継続した指導ができることを確認できたことで、希望があればそれに応えることができると告知したところ、西本塾生の古賀さんからバドミントンという競技の動き分析を依頼していただき、これにも応えることができたように思います。

私がこれまで様々なスポーツ動作を観察してきた中で、どういう視点でそれらを見ているのか、私という人間に興味を持っていただいた方々が一番知りたいことはこれなのではないかと思います。

しかし、私のものの見方感じ方という部分は、当然ですが一朝一夕に作り上げられてきたものではありません。

私が人間の体を見るということのスタートは、施術者としての目線からでした。

なぜ痛みを感じるのだろう、蹴られたとか転んだとか捻ったとか、原因のはっきりしたものは勿論のこと、通常の練習やトレーニングを行っていても、痛くならない選手もいれば痛みを訴える選手もいる、その違いは何だろうと言うあたりがスタートだったと思います。

さらには同じ内容のトレーニングをしていても、要求される動きを身に付けて行く選手とそうでない選手も、当然ですが存在しました。

それがたんにセンスがあるとか、運動神経が良いとかいうことではなく、もっと他に根本的な問題があるのではないか、経験を重ねるごとに様々な疑問が湧いてきました。

その答えを提示してくれるものは、残念ながらありませんでした。

と言うよりもそんなことまで考えている人間はいなかったのかもしれません、自分はメディカルなトレーナー、リハビリ担当、またボールを使わない部分でのトレーニング指導、選手上がりで監督のアシスタントとして技術的な部分の指導をする、など等、自分の仕事に枠を設け、他の分野に立ち入らないことが暗黙の約束事だったのかもしれません。

私にはそんなしがらみがなく、本当はあったのかもしれませんが気がつかなかったというか無視したというか、選手のために少しでも自分にできることがあると思ったら、当然のようにそれを行ってきました。

そんなスタンスを通してきたため、組織としては受け入れられない部分が多くなったのかもしれませんが、自分の能力を必要としてくれる相手があるならと、方向性を変えることはありませんでした。

今回、陸上競技の長距離とバドミントンというまったく異質な競技の動きを、仕事として分析しアドバイスさせていただきましたが、改めて自分が培ってきた「視点」が、ことの本質を見るために必要なものであることを再確認できました。

この感覚は、残念ながら言葉にしたとしても共有していただくことは出来ないと思います。

「私と同じ視点を持ちたい」、多くの方からそう言われました。

そこにマニュアルは存在しません、日々そういう感性で人間の体を見続けてきた私の目にはそう映るというだけのことであって、それが唯一無二の正しいものの見方だと言っているわけではありません。

私にはどう見えるかと、答えを求めてくる人もありますが、それは答えではなく私の感性でしかないのです。

今、息子の智志に伝えているのは、まさに私の感性です。

生まれてからずっと私の言葉を聞いて育っていますから、既に分かったようなことを言いますが、それらは上辺のことで、現実的な経験はないのですから、説得力があるはずがありません。

それでも、身近で私の感性に触れられることは、他の誰にも与えられない特別な権利ですから、じっくりと時間をかけて自分の視点を作って行ってほしいと思います。

前置きばかりで終わってはいけませんので、今日どうしても書き残しておきたいテーマですが、「人間の動きを見る視点の基本は、関節の6方向への連動がどうなされているか」ということです。

関節の運動方向は、6方向に加えて離解と圧着という2つを加えて、本来は8方向なのですが、関節ですから当然隙間があるということが前提の運動方向ですので、最近は6方向に限定して話を進めています。

人間が動いているというのは、基本的には移動を伴っていることを指していると思います。

移動しているというものの本体は、骨盤から背骨にかけてのいわゆる「体幹部分」だと思います。

腕や足の骨は、その部分の動き無くして勝手に動くことは出来ません。

いや座ったままで移動しなくても、手も足も動かせると言われると思いますが、二足歩行になった我々だけがそう思い込んでいるだけで、四足歩行の動物を見れば体幹部分の動きなしに、手足が動くことがないのは分かると思います。

我々は2足方向だからそんなことは関係ない、そう思ってしまったことで、人間は連動という概念を忘れかけていると思います。

話が外れますが、その典型的な現象が肩甲骨の動きを忘れて腕だけを動かし続けてしまうことによって起こる、40肩や50肩と呼ばれる症状です。

四足動物は骨盤から背骨をしなやかに連動させることで、チータのように凄いスピードで走ることができます。

西本塾でもその動画を見せますが、まさに我々がお手本としなければならない動きです。

一般的に知られるようになった言葉に、体幹トレーニングというものがありますが、私の理解では、そのトレーニングを行うことが、動物本来の関節の連動を妨げる要因になっているのではないかと思います。

体幹は安定させるものではなく、連動させるべきもののはずです。

それを痛烈に印象付けてくれたのが、サッカーのロッベン選手のトレーニング風景を撮った動画でした。

NewsPicksの連載の中でも記事にしましたが、私はロッベン選手の動きに3分割という概念を見出しました。

人間が移動していくためのエネルギーは3つ、上から下への落下するエネルギー、移動方向への重心の移動、そして体を捩じる捻転だと思います。

そのうちの捻転という動作が実は一番難しいものだと、最近特に思うようになりました。

捻転の理想角度は135度、これは私が常に発している言葉です。

この135度の作り方が何よりも重要だと考えるようになりました。

単純に捩じる振り向くのではなく、もちろん背中側に背骨がありますが、前側でいうと、肋骨と骨盤の間で骨のないフリーな部分、おへそのあたりですが、この部分を中心として上と下をどう捩じるのか、歩くこと走ることから始まって、ボールを投げる、ボールを蹴る、バットを振る、ゴルフクラブを振るなど、すべての動作に一番重要で一番難しい使い方だと思います。

先日来ていただいた競輪の選手や、トライアスロンの選手の方の指導の中でも、体幹を安定させるという言葉が独り歩きしてしまい、動かさないように固めてしまうことが正しい使い方だと思っているところが見られました。

バドミントンのスマッシュ然り、サッカーのキック動作然り、今私が取り組んでいる飛距離と方向性を両立させるゴルフスイング然り、ただ体を捩じるのではなく、お腹を中心とした上と下をどちらの方向にどれだけ捻じるのか、その結果として、あまり捩じっていないように見えるという人間の体の不思議な構造、人間の体を見るという視点の裏には、基本的な体の仕組みに加え、新たな使い方という部分に興味を持ち自分自身で実践していかなければ、他の人と違う視点にはならないと思います。

次回は野球やゴルフのスイングを例に、3分割の捻転動作を考察したものを言葉にしておきたいと思います。

遠隔地の方にも西本理論を届けるために、具体的な行動を起こします。

現在私は広島を拠点に仕事をしています。

体の不調を訴える方を対象とした施術行為は、一度ですべてが改善できるというわけには行きませんので、それぞれが通える範囲で信頼できる施術者を探していただくことがベストだと思います。

私の仕事のもう一つの柱である、動きづくりをベースとしたトレーニングの指導や、走るという行為を基本とした体の使い方を指導することによって、パフォーマンスを向上させることも、やはり継続した指導が必要なことは当然のことです。

私がどこに住み、どこを仕事の拠点としていたとしても、そこに近い人もいれば遠くて通えないという人が当然出てきます。

数年前までは、遠隔地の人がわざわざ広島まで指導を受けに来てくれるということは想像もしていませんでした。

それが3年近く前になりますが、広島港を見下ろすこの場所にスタジオを構え、地に足をつけて仕事をする覚悟を決めてから、西本塾や個人指導の形で、全国各地からたくさんの方が指導を受けに来てくれました。

そんな方々に対して、私なりにその時々考えている精一杯のことを伝えてきたつもりです。

しかし、一番肝心な継続指導という意味では、深める会という形で、学び続けたいと真剣に思ってくれる人たちに対してのフォローは続けてきたつもりです。

一度は広島に足を運んでくれた方でも、二度三度は難しい、それでも気持ちの中では私の考えを学び続けたいと思ってくれている人もいるかもしれません。

また、ブログや関連の記事を読んでいただき、私の考え方に興味を持ち、共感してくれた方もいるかもしれません。

それぞれの環境の中で、二日間の西本塾には参加できないと残念に思ってくれているかもしれません。

どんな形であれ、私の考え方に触れた人たちは、今まで培ってきた既成概念や固定概念を離れ、人間の体の本質に迫る決意を新たにしてくれます。

それが人の体を扱う仕事をしている人であったり、指導的な立場であるのなら、なおさらその思いは強く、もっと早く知っておきたかった、この考え方を基本として指導しなければ、選手を正しく導くことはできないと、真剣に思ってくれるのです。

自分でスポーツを行っている人はなおさらです、もっと上手くなれる、もっと体を上手く使えるようになれると、子供が新しいおもちゃを手に入れたように嬉々として取り組んでくれます。

そんな中、福岡の中学生そら君とそのお父さんとの出会いで、遠隔地であってもできるだけ継続した指導をしてあげたいと思うようになりました、それは今も継続中です。

やりとりを行う中で、これなら同じように遠隔地の人にも指導ができるかもしれないと考えました。

そのことを記事に書いたところ、西本塾生でバドミントンをやっている古賀さんから依頼をいただき、もし古賀さんが仕事としてお金を頂いて動画を分析し、その結果をもとにアドバイスを行うやりとりをさせてもらって、満足していただけたとしたら、他の方の依頼にも応えることができるかもしれないと考えました。

送っていただいた練習風景を記録した動画を何度も見直し、私なりの分析をしてアドバイスさせていただきました。
今回幸いなことに智志が中学時代に部活動でバドミントンをやっていたので、アドバイスが言葉だけではなく、実演してくれたものを動画にとって送ることで、より具体的な提案ができました。

100%期待に応えられたかどうかは、自分で評価しにくいところですが、古賀さんから送られてきた最後のやりとりを、了解をいただいたので紹介させていただき、皆さんには判断していただければと思います。

やはり背中ですね!!
その点だけはずっと意識してますので、新しい動きに対しても背中、伸筋を意識します(^^)

正面レシーブのお腹対応も、アイドリングとの組み合わせで良い成果が出せそうなイメージはありますので深めていきたいと思います。

バドミントンの攻撃、特にスマッシュは一撃必殺の意識になるとやられます。
そう考えるとわかりやすいですね。体勢が崩れにくい3分割の方が有効ですね。
3分割を自然に使える様に反復継続で頑張ります。

今回、遠隔地の動画指導の第一号とても光栄でした。
表現が正しいかわかりませんが、完全にお値段以上の満足感です(^^)
私は是非定期的にお願いしたいです。

広島にお伺いして直接指導をお願いしたいですが、仕事が日・祝休みで土曜がたまにという感じなので、遠隔地の動画指導は本当にありがたいです。

今度は走りについても指導頂きたいですし、まだ気が早いかもしれませんが、もうすぐ4歳と2歳の子供の走りもいずれ見て頂きたいなと勝手に思っております(^^)

本当にありがとうございました。


古賀さんから有難い言葉をいただきました。

この経験をもとに、私の考え方を基本とした体の使い方を、遠隔地であっても体験できるシステムを作ることとしました。

ただ私はどんな仕事を請け負う時にも結果責任ということを一番に考えます。

例えばお父さんが、子供さんが足が遅いのでなんとかならないかということが目的で依頼してきたとします。

送られてきた動画を分析して、私なりのアドバイスをしますが、それですぐに足が速くなるかというと、そんな簡単なことでないことは、誰が考えてもわかると思います。

実際に行う人間を直接知らないのですから、私のアドバイスをどう受け止めたかということも含めて、コミュニケーションをとるのは難しいと思います。

西本塾の受講者、もしくは個人指導受講者で、そのフォローアップを目的にしてくれるのが一番指導はしやすいと思います。

また指導者の方が、指導しているチーム全体のことを見て欲しいという依頼も難しいと思います。

あくまでも個人、できれば本人からの依頼で、直接コミュニケーションを取れることが前提となります。

出版させていただいた「1回5分体が喜ぶ健康術」や、「体の痛みを治す 寝たまま体操」を読んで頂いた方で、実践方法についてのアドバイスを求めていただくことも、ご自分の体と真剣に向き合って、健康管理に怠りない方にも、良いアドバイスができるかもしれません。

詳しくは、「conditioning studio操」のホームページをご覧ください。

この試みで、一人でも多くの方に継続した指導を届けられるようにしたいと思います。


筋力に頼らず速く走ることは出来ないのか(その2)

前回アップした記事に応えて、西本塾生の小野さんからコメントが届きました。

この内容に関しては、私自身試行錯誤が続いていて、結論めいたことはいまだに言える状況にはありません。

様々なトレーニングについてと同じ言い方になりますが、目的に応じてそれぞれが正しいと思うことを行うことに対して、私がそれを正しいとか間違っているとかいう立場にはありません。

筋肉を太く大きくしたいのなら、それに適した方法を行えばいいし、競技力向上を目的として行うのならば、私の提唱する「動きづくりのトレーニング」という考え方も試してみる価値はあると言っているだけです。

そしてこの「走るという行為」に関してですが、これこそ様々な考え方があっていいと思います。

前回書いたように、サッカーにおける走るという能力は、たんに走力という能力を超えて、90分間頭と体を動かし続けることができなければ、選手としての能力を発揮することができないことは明らかですから、そういう意味で私の提唱する走り方というものは、大きな価値があると考えています。

西本塾や個人指導に来てくれた人に走るという行為を指導する際には、まずこのことを理解してもらってから、そのために必要な体の仕組みや解剖学的な構造を説明し、体重移動と重心移動の違い、骨盤を前後ではなく上下に動かすという、おそらくこれまで聞いたことがない発想を基礎にした体の使い方の指導へと進めて行きます。

小野さんが実践していく中で気付いてきたことは、指導の中で一番最初に私が伝えたことそのもので、他の人もそうだと思いますが、当初は話を聞いて分かったつもりではいても、最重要項目であるという認識が薄いのではないでしょうか。

そのために、壁にぶつかって初めて、そういえばそういう指導を受けたなと立ち返ってくれるようです。

以下コメントをお読みください。

お久しぶりです、東京の小野です。
いつもブログを楽しく拝見させてもらっています。

今回のブログのタイトルが「筋力に頼らず速く走ることはできないのか」ということで、最近の自分の現状を報告させて下さい。
最近も前と変わらず仕事の昼休みを使って、効率の良い走り方を考えながら走ってします。
いろいろ試行錯誤しながら走っていますが、少し前まで股関節の伸展を意識し過ぎて、後ろに蹴るような走りになってしまい、ふくらはぎを痛めてしまいました。

治ってからも、しばらくこの走り方を続けていましたが、また痛めてしまったので、さすがにこの走り方は体に負担が大きいと思い、改めて走り方を考え直そうと思いました。

いろいろ考えましたが、やはり基本は良い姿勢から体を前に倒す重心移動の動きだと思います。

体を前に倒すと自然に脚が前に出るこの感覚を走りに繋げる。
最近走っていて思うのは、体を前に倒して自然に出てきた脚を前に置く感覚で走ると地面を蹴らずに楽に走れる感じがします。

脚を前に置くと言っても、股関節の真下に置く感覚で置く動作の繰り返しで自然に前に進んで行く感じです。
自分の中の感覚なので言葉で伝えるのは難しいですが、これが今の自分の現状です。

筋力に頼らず速く走るというのは究極の走り方だと思うので、これからも試行錯誤しながら考えて走って行きたいと思います。

それから最後に1つだけ最近気になることがあります。
それは息子さんの走り方や動きです。
西本先生の近くで毎日のように学べるなんて本当に幸せなことだと思います。

自分も負けないように頑張ります!
いつも纏まりのない文章ですいません。
こらから暑くなるので先生も体に気をつけて頑張って下さい。
またお会いできるのを楽しみにしています。


現在進行形で指導している福岡のそら君は、中学に入るまではほとんどスポーツをしておらず、足もそれほど速くなかったようです。

だからこそ私の指導を素直に受け入れてくれて実践してくれているのだと思います。

以前紹介した、西本塾生の中でとび抜けて走りの良かった人がいました、この二人の走りを見て私の提唱する走り方ではスピードが出ないという人はいないと思います。

それくらいのスピードと正しい動きを見せてくれました。

しかし、ほとんどの人は実際にはスピードが出ているにもかかわらず、そのスピードを感じることができないというのです。

その答えははっきりしていて、これまでの走り方がいかに屈筋に頼っていたかということで、体に無理をさせていることがイコール速く走っているという感覚になっていただけのことです。

前回書いたような股関節の伸展動作の連続による、足の運びが出来るようになれば、モーターの回転数を上げるように、股関節と肩甲骨が背骨を介して連動し、四足動物の走りのような滑らかで力強い走り方に近づいて行けると思います。

今、息子智志がその走りをマスターしたいと、一生懸命取り組んでくれています。

形という意味では、指導する側として十分に私の伝えたいイメージを実際に見せることができるようになっています。

智志は学生時代それほど足が速くはありませんでした、今挑戦している走り方で、おそらくはこれまでで一番速く走れるようになっていると思います。

しかし智志は、そんなレベルでは満足していないのです。

この4か月の間にも様々なレベルの選手を指導する機会がありました、そんな選手たちを見ていて、智志は共通するものを感じたというのです。

それは私のところに来る前に、走り方は別としていわゆる足の速い選手は、屈筋の意識を消し伸筋優位で体を使えるようにするためのトレーニングやドリルを行った後、最後にスタートダッシュからスピードを上げて行く際の肘の使い方が共通しているというのです。

共通という意味は同じように見えるというレベルではなく、足を速く動かし、体を速く前に進めるためにはどういう動き方をすればいいのかという、足の速い選手に共通した意識が見られるというのです。

けっしてそれまでのドリルを無視してがむしゃらに走るのではなく、肘を今までのように屈曲させるのではなく、骨盤を縦に使い肘を後上方に引き上げるという基本は正しく行いながらも、個性というかそれぞれが独等な動きでスピードを上げて行くのが分かります。

サッカーは90分間頭と体を動かし続けなければならないのですから、終了と同時にその場に倒れ込むようでは、最後の最後に本来の能力が発揮されているとはとても思えません。

しかし、100mにしてもその他の距離にしても、走っている間にスピードの上げ下げやお互いの駆け引きがあって、400mでも800mでも、スタートからずっと同じスピードで走っているわけではありません。

さらには最後の直線でのスプリント勝負では、短距離の選手と見間違うような凄いスピードで走ることができます。

ですから私が提唱する走りにプラスして、自分の体に少しだけ無理を承知で負担をかけなければならない局面が必ず出てきます。

それでもそこで切れてしまわず、最後まで1番になるために走り続けなければなりません。

筋力に頼らないという意味は、まったく筋力を必要としないと言っているわけではありません。

智志も4か月前、まったく筋力のかけらも感じられない時と、動きづくりのトレーニングを積んだ今とでは、まったく走りが違っています。

これは無駄に頑張る屈筋のトレーニングではなく、あくまでも動きづくりのトレーニングで作り上げられた筋力を使ってのものです。

基本的な筋力が備わってきた今、さらにどういう動きづくりが必要なのか、親子で話をしながら智志のスピードアップを模索しています。

すべて一人でやっていた時には感じられなかったことや見えていなかったことが、智志という人間を指導することで新たな気づきをたくさん得られています。

正しい筋力発揮をしてもらうために、体にどんな刺激が必要なのか、衰えて行くばかりの自らの肉体ではなく、可能性を秘めた若い肉体で効果を確認できることに改めて感謝して、この学びを多くの方に伝えて行きたいと思います。

筋力に頼らず速く走ることは出来ないのか、その可能性を求めて。

昨日は博多の森陸上競技場で行われた、福岡県の中学生の通信陸上大会を見に行ってきました。
目的は6月11日に親子で指導を受けに来てくれた、そら君にレース当日ではありましたが、走り方の指導をするためでした。

これまででしたら、こんな形で指導に行くことはありませんでした。
もし仕事として依頼していただいたとしても、レース前の短い時間しか指導できませんから、お断りすることになると思います。

それがなぜこうなったのかということです。

私は数年前、久し振りにJリーグのトップチームで指導をすることが決まった時、選手にとって一番身に付けさせなければならない能力は何かと考えました。

筋力や筋持久力、心肺持久力、そしてボールを扱う技術など、どれをとってもアマチュアのレベルからは考えられないものを彼らは既に身に付けているはずです。

ならばそれを90分間発揮し続けるためには、どういう能力が必要なのかと考えた時、スポーツで最も基本となる「走るという行為」を、もう一度根本から見直す必要があると考えたのです。

陸上競技の選手のような、いわゆる綺麗な走り方でスピードを求めるのではなく、人とボールを相手にしながら、90分間頭と体を動かし続ける能力こそが、サッカー選手に必要な能力であって、それを可能にする走り方を追求していきました。

そのことについては今でも正しいと思っていますし、現実としてそういう方向で体の使い方を学んでくれた選手は結果を残してくれています。

ただ彼らが私の教えた体の使い方を、そのままずばりでやってくれているかというと、残念ながらそこまでは到達していないことは見ていてとても残念に思っていました。

そんな中、中学3年生のそら君のお父さんから連絡をいただき、私の指導を受けたいと言ってくれました。

過去にも走りを指導した陸上選手はいましたが、その後の走り方を直接見る機会はありませんでした。

お父さんは、指導を受けに来てくれる前に、現状の走り方でレースを走る動画を送ってくれました。

当たり前ですが他の選手と何ら変わらない走り方で、前を走る選手を追うために腕を一生懸命振ってストライドを広げ、ピッチを上げようと、必死で頑張っている姿が映っていました。

中学生になってから陸上競技を始めた彼は、当初は3000mを10分の後半でしか走れなかったのが、2年生の後半に9分31秒まで記録を伸ばしたそうです。

上を見ればきりがないですが、ここまでタイムを縮めるためには相当な努力が必要だったと思います。

それが3年生になってからは記録が伸びず、残された少ないチャンスの中で、1秒でも自己記録を更新できないかと、私の元を訪ねてくれたのです。

たった一度の指導でしたが、私の言うことをしっかり聞いてくれて智志と一緒に走ることで、言葉だけではなく目で見て肌で感じることができたと思います。

私は勝てない喧嘩はしないと言いますが、それはずるい言い方に聞こえるかもしれませんが、初めから可能性が無いと分かっていることをやっても仕方がないと言いたいのです。

9分31秒で走れるということは、100mに換算して19秒平均で走り続ける能力を持っていることになります。
数字でいうと簡単なことのようですが、実際にこのペースで走り続けることは容易ではありません。

従来の屈筋を主に使って、腿を引き上げ腕を振って走る走り方で、この記録が出せているということは、自信を持って良いことだと思います。

当然ですが、動きを改善できればこれまで以上の記録が出ても、何の不思議もありません、だから一緒に頑張ろうと言えたのです。

ただそのままの動きで記録を伸ばすためには、従来の考え方通りに筋力を強化し、筋持久力や心肺持久力を高めるためのハードなトレーニングが必要となります。

6月11日からに1か月間で、この方向性で記録を伸ばすことは現実的には難しいと思いますし、何より故障が心配です。

もちろん私はそんなことをさせるつもりはありませんから、私の提唱する体に無理のない効率的な走り方を指導しました。

今までにない感覚に最初は戸惑っていましたが、体は正直ですから、呼吸も苦しくなく足の負担も少ないこの走り方を自分のものにしたいと帰って行ってくれました。

ところが、その後の練習で肝心のスピードが上がらず、送られてきた動画からは、腕こそ肘を曲げずに下に降りていますが、下半身の動きは以前と同じようになってしまい、地面を蹴ってストライドを広げようという走り方になっていました。

腕の振り降ろす位置に問題があると感じた私は、すぐにそれを指摘し修正するように伝えましたが、昨日のレースでそれが出来るか心配していたところ、お父さんと相談して直接指導させてもらえることになりました。

私としては今月後半に行われる中体連のレースを本番とみなして、昨日は練習のつもりでフォームを確立させることを最優先にして欲しかったのですが、本人としては昨日のレースでも結果を出して自信にしたかったようで、不本意な記録に相当ショックを受けているようでした。

動きに関しては事前に指導したことを忠実に行ってくれ、最後まで形が崩れず走り切ってくれたので、私としては満足で間違いなく次につながるレースだったと思ったのですが、本人はこの動きでの走りに限界を感じてしまったようでした。

最終レースに出場した選手たちのレベルは相当高く、数名の選手が全国大会の参加記録を超えて、全国への切符を手にするというレースでした。

確かに彼らの走りは力強く腕を振り脚も良く上がっていました、ただそれが出来るのはほんの限られた選手で、努力だけでは到達できないいわゆる身体能力の差は歴然としていました。

問題はそこです、自分には彼らのような身体能力が備わっていないと諦めてしまったり、ならばトレーニングでといたずらに体をいじめるトレーニングで追い込んでみたりと、どちらにしても良い結果が得られることはないのです。

ならばどうするのかというのが、私の提案している走り方です。

サッカーで90分間走り続ける能力が必要なことは分かった、スタートダッシュやターンのやり方もなるほどそういうことならできるかもしれないと思ってくれる人も増えてきました。

しかし今回のような場合、いわゆる基礎体力では劣っているかもしれない、彼らに今すぐに勝とうとしているわけではないが、今までの自分を超えて行くためにこれで本当にいいのだろうか、彼はそういう気持ちになったかもしれません。

智志の場合は、中学を卒業してからまったくと言っていいほど体を動かしていませんでしたから、そら君以上に基礎的な体力がありませんでした。

それが、この4か月弱の期間で見違えるような能力を獲得してしまいました。

まさに動ける体を作るためのトレーニング、体づくりではなく「動きづくり」を目的としたトレーニングを行うことで、人間の体はこんなに変わって行くんだということを身を持って証明してくれています。

加えて走るという行為を、指導する際アシスタントとしてやってみせるレベルに達してくれていますから、元々脚は遅い方でしたが、今では風のように駆け抜けてくれます。

智志がそら君の走りと全国レベルの選手たちの走りを見比べての感想は、やはり背中と股関節周りの筋力が弱いということでした。

その結果として、一歩一歩の進む距離が全然違うと感じたようです。

帰りがけにその部分を強化するトレーニングを指導し、正しい動き方を動画で送りますと、私以上に一生懸命にアドバイスしてくれていました。

私が指導していることでいうと、スミスマシンを使った股関節スクワットや、FBTの3と4の動作です。

股関節を包む靭帯を、ばねに見立ててイメージするトレーニングです。

確かに智志の言うとおりなのですが、体の使い方という視点で人間の動きを見ている私としては、私の提唱する走り方の一番の特徴は、そういう筋力には極力頼らないでピッチとストライドを稼げることです。

もちろん平行してトレーニングを行うことで、基礎的な部分のレベルアップはして欲しいのですが、それはあくまでも補助であって目指すところは動きづくりにおいて欲しいのです。

そのポイントは、室内のドリルで行っている「引きづりのドリル」改め、「引っ張り出しのドリル」です。

左足を着地させる際、位置はもちろん左股関節の真下です、その瞬間に骨盤後方をしっかり引き上げ背中を反らし、股関節を強く伸展させ、左足が着地した瞬間には、すでに右の股関節が前方に引っ張り出されている状態を作るのです。

この感覚が分かるようになると、当然重心の位置は高く保て、引っ張り出された股関節に促されるように、右の大腿骨が振り出されていきます。

それが外から見た時に膝が前に出ているという現象につながります。

けっして膝を振り上げ、振り出しているのではなく、骨盤から股関節の伸展により、引っ張り出されるというイメージです。

これを素早く繰り返すことがピッチを上げることであり、重心位置地を高く保って、振り出される角度を大きくすることがストライドを広げることにつながります。

この動きを実現させるためには最低限の筋力は必要ですが、強く使いすぎるとこの動きは難しくなり、結局は筋力に頼った従来の走りに戻ってしまいます。

そら君に対して、一度や二度の指導で、ここまで分かってもらえるとも出来るようになるとも思いません。

それでもなんとか伝えたいし、挑戦し続けて欲しいと思っています。

諦めてしまえばそこで終わりです、もう一度私が伝えたことを整理して欲しいと思います。

西本塾や個人指導を受けに来てくれた人は何度も聞いたと思いますが、「練習の7割は室内のドリルに時間を費やして欲しい」としつこいくらい言ったと思います。

正しい動きの意識が身に付かないまま、いくら外を走り回っても何も変わらないのです。

先日指導を受けに来てくれた岡山の加藤さん、来ていただくたびに同じことを繰り返しお話ししていますが、結局は外を走ることに気持ちが行ってしまい、ドリルはおろそかになると言っていました。

それでも改めてこのドリルの大切さを感じていただき、「今度こそ真剣に取り組みます」と言ってくれました。

急がば回れではありませんが、結果を求めても近道などないのです。

自分の体を自分の思ったように動かす能力は、そう簡単に獲得できません。

だからそのための理論と実践出来るためのドリルを教えているのです。

そら君にはもうひと頑張りして欲しいと思います。


プロフィール

Author:西本 直
1993年、Jリーグサンフレッチェ広島を皮切りに、社会人野球三菱重工広島・協和発酵・ヴィッセル神戸・川崎フロンターレ、そして広島カープ佐々岡真司投手など、プロアマ問わず競技レベルのスポーツ選手から一般の方まで、トレーニングやメンテナンスの指導を行ってきました。
その経験と知識の蓄積を「西本理論」としてまとめ、一人でも多くの方に実践していただくことが、これからの私の使命であると信じ、このブログから発信していきます。
私の理論はスポーツ選手のみを対象としたものではなく、ビジネスマンや家庭の主婦まで老若男女すべてに当てはまる不変のものです。
指導や講演のご依頼も受け付けています。
実名でツイッターも書いていますので、チェックしてみてください。
また、2013年9月9日にConditioning Studio 操をオープンしました。こちらもご覧ください。
また、遠隔地にお住まいの方を対象とした動き分析とアドバイスを行っています。
詳細は「スタジオ操」のホームページ内の「遠隔サポート」をご覧ください。

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