卓球少年の指導と、塾生の個人指導のことを書きました。

今日は朝早く出発して、県外まで指導に行ってきました。
具体的な地名を出すと、西本塾生の中にはすぐに、「あ、あの子か」と分かってしまうので、そう言わなくても卓球というだけで分かる人もいるとは思いますが、現在指導を受けている環境に迷惑が掛かるといけませんので、今日は匿名で書いていきます、

先日、塾生のNさんからメールが届きました。
小学校を卒業するまで手塩にかけて指導し、全国大会でも活躍するレベルにまでなった息子のT君が、卓球を始めて以来、最悪の成績になったというくらい、T君の動きがおかしくなったというのです。

中学から地元を離れ、県外の強豪校へ進学し、世間で言うしっかりした指導者に任せているので口出しは出来ないが、明らかにおかしくなっているので、帰省している短い時間の中で、動画を通した遠隔指導をして欲しいという依頼でした。

T君も広島に来てくれたことがあって、中学生になってからの活躍を大いに期待していました。
それがそんなことになっているとは夢にも思わず、Nさんからのメールに、とにかく実際に卓球をやっているところも見ながらでないと指導は出来ないと思い、私の方から出向いて行きますということにしました。

私は実際にT君が卓球をやっている姿を見たことがありません、どこが良くて全国レベルの選手に成っていったのか、どこが悪くて今の状態になってしまったのか、見たこともない私に何が分かるのかと思われるでしょう、もちろんお父さんもそうでしたが、藁にもすがるという思いで、私に連絡してきたのでした。

それが私にはなぜか分かってしまうのです。

私がお父さんであるNさんに、西本塾で指導したことを、NさんなりにアレンジしてT君に指導したところ、それまで以上にめきめきと腕を上げて行ったことはすでに伺っていました。

私の提唱する伸筋を使った体の使い方は、どんな競技にも例外なくあてはまる不変のものであるという、確固たる信念があるからです。

それが崩れてしまい、屈筋頼みの体の使い方になってしまったことが、姿勢を悪くし、ラケットを振る捻転動作がスムーズにいかなくなったことは、すぐに想像がつきました。

ではどうやってそれを改善するか、ここから先はとても言葉では説明できません。

今朝の10時30分頃から始まった指導は、気づけば1時を過ぎていました。

まず最初に、一緒に来てくれた高校生のお姉さんと打ち合ってもらい、動画を撮ってフォームの確認をしました、まずは自分の現状を客観的に見ることです。

そして最後に撮った動画を見比べ、自分の動きがどう変わったか、何が不調の原因だったのか、すべて自分で納得してくれました。

この「自分が納得した」という部分が一番大切なのです、見ているお父さんお母さんではなく、あくまでも自分がです。

色々なドリルを挟みながら、ボールを打つことを繰り返し行ってもらいましたが、目の前で繰り広げられるまるで漫画のような劇的な変化に、私がお父さんに「どうですか今の動きは」と、問いかけた時に、「はぁー」という生返事しか返ってこず、「こんなに必死で指導して、こんなに大きな変化があるのに、なんだその返事は」と、私が声を荒げてしまいました。

後で伺うと、「あまりの凄さにあっけにとられてしまい、生返事になってしまいました」と、言われてしまいました(笑)

卓球という競技はまったくの素人ですが、動きを見る目はどの競技でも共通です、私が良いと思った動きは間違いなく良いし、卓球ではこういう風に指導されてきましたという動作でも、私が違うと思うものは違うのです。

ああだよこうだよと、自分ではできないことを指導していましたが、最後に物まねでT君の最初と最後の動きを私がやって見せたのですが、我ながら素人とは思えないフォームで強い球を打つことができ、自分で驚いてしまいました。

サッカー少年たちと一緒に半年間ドリルを行ううちに、彼らや彼らのお母さんからも褒めていただけるようなキックができるようになりましたが、同じように正しい体の使い方を説明し、目の前でそれを見せてもらえると、なんとなく自分でもできるようになるんですね、これも新たな発見でした。

今日の指導がきっかけとなって、T君が全国の舞台で再び活躍してくれることを期待しています。

実は今夜、Nさんと同じ職場で、西本塾生でマラソンランナーのKさんを交えて、一杯やろうという話がまとまっていたのですが、残念なことにKさんの都合がつかなくなったということで、ならばNさんには私との会食よりもご家族との時間を優先していただこうと、指導終了後とんぼ返りで広島に帰ってきました。

さて、西本塾生の中でも私の直接指導を受けた回数では一・二を争う香川県の長尾さんが個人指導を受けに来てくれました。
長尾さんは3月に専門学校を卒業し、鍼灸師と柔道整復師の両方の資格を取得し、これからその資格と技術を生かして人の役に立つ仕事をしていきたいという志の高い人です。

4月からどんなところで働くのかと伺ったら、めまいなど内科的な疾患を主な対象とした鍼灸院で、見習いをさせてもらうそうです。
自分の経験したことがない分野のことも知っておきたいと、給料など二の次で二年間お世話になるそうです。
実利ばかりを追いかける世の中で、こういう人がまだいるのですね、類は友を呼ぶということでしょうか(笑)

以下、二日間の感想です、お読みください。

西本先生へ。
この度は二日間のご指導本当にありがとうございました。
西本先生にお会いするのは今回で何回目になったでしょうか、数え切れない程の時間をご一緒させて頂いていますが、今回の二日間もこれまでと同様に、私に新たな気づきをくださり、新たな歩みを進める勇気を与えてくれました。
この二日間の感想を、全国の西本塾生の方々へのご報告の意味も込めまして、私なりにまとめさせていただきます。

当初私は3月の28日に、施術と2時間のトレーニングを希望し、夜に先生とお会いできていなかった間の近況をお話ししながら会食できればと思っていました。
ですが、当日私は舞い上がっていたのか施術の予約時間を1時間勘違いしていて、私の前に予約が入っている方の時間に訪ねてしまいました。

先生は「早い、早い」と言いながらも、せっかくの機会だからと私を招き入れ、その先約の方にお断りを入れて頂き、施術を見学させて頂くことができました。
私は私自身が施術を受ける事で少しでも受け手の感覚や、施術中に先生から発せられる言葉を感じてみたいと思ったのが今回施術の予約をした理由なのですが、先生の施術を解説付きで見学できるというのは思ってもみなかったことでしたので大変貴重な時間となりました。

そして私の施術の時間となり静かに施術が始まりました。
きっちりと西本先生の施術を受けるのは今回が二回目なのですが、前回とはまた違った感覚がありました。
まずからだほわっとですが、前回は徐々に身体全体がふわふわとしていき、とても気持ちの良い揺れがいつまでも受けていたいという気持ちにさせてくれました。
ですが今回はそれに加え、私の身体が液体の入った袋のようにふにゃふにゃになっていく感覚がありました、回を重ねることで私の身体も味を占めたのかもしれません。

操体に入ると先生独特の、「骨の1つ1つがゆっくりと動く感覚で」や「背骨を転がす」などといった、いろいろな言葉で優しく導いてくださりました。
私がお伝えしきれなかった身体の不調も、操体をする中で「長尾さんでも頚が凝るかぁ」とか、「この動きがしにくいのかぁ」などと適格に見抜かれたことには内心驚いていました。
前回とは身体の状態が違ったので、全く違った操体を受け長旅の疲れもすっかり忘れてしまいました。
そしてそのすっきりした身体の状態でトレーニング指導に入りました。

トレーニングの前に改めて西本理論の確認と、4月に行われる新たな西本塾のお話をしていただきました。
4月の西本塾、私は仕事の都合上参加できないのですが、お話を伺って参加される方々が本当に羨ましく思いましたし、西本先生の思い描くような会になることを心から願っています。

話は少し逸れましたが、今回の私がトレーニング指導を受ける目的は、現在施術を行っている社会人野球選手の投手を指導する為、まず私自身が野球選手に必要な動きづくりを行う必要があったのでその部分についてと、私がこれから始めていきたいゴルフという新たな競技の基礎作りの指導でした。

私は野球未経験の身なので、トレーニング指導中も西本先生からは厳しい言葉を頂きながらも熱心に私に指導していただき、ピッチングやバッティングの入り口は見させてもらえたような気がしました。

ゴルフに関しては、周りのどのゴルフ経験者の口からも上手くできないという言葉を耳にしていたのでとても繊細で、余程基礎が大切な競技なのだなというイメージを持っていました。なので以前から、ゴルフを始める時は必ず西本先生にご指導頂くと決めていました。
その決心は間違いではなく手首の角度やヘッドのボールに対する角度、どのような理由でそれらが必要なのか。西本先生の目に映る人間の身体に必要な連動を行う為のドリルを何度も何度も繰り返し、私の身体に馴染ませていただきました。

私がゴルフを始めるという事をきっかけに、新たなゴルフ練習器具を購入して頂いたと聞いた時は驚いたと同時に、西本先生にお願いして本当に良かったと思いました。あの「インパクトスナップ」は私も購入しようと思っています。

そして夜の会食の場では「長尾さんの今抱えている事、思っている事を全て聞かせてください」と言っていただき、夜遅くまで私と真っ直ぐに向き合い真剣に対話していただきました。
そして、西本先生の明日のお仕事もあるのでそろそろかな、と思っていたところで「長尾さん、これで帰るのは勿体無い、もし明日時間があるなら明日も私の施術を見学していきませんか?その方が来るまで今日のおさらいもしましょう」と言っていただきました。
先程施術見学をさせていただいたばかりなのに、こんな贅沢な話があるのかと思いましたが、私は勿論即答で「先生と、なによりお相手の方が宜しいなら宜しくお願いします」と、お願いしました。
その夜は明日の約束をしたところで解散となりました。

そして二日目の朝、予約の方が来られるまでピッチング動作、ゴルフのスイング動作を一つ一つ確認していきました。
やはり一朝一夕とはいかず崩れてしまっている部分が多かったのですが、西本先生の的確なアドバイスによってすぐに修整できる部分もありました。

そうしているところへ予約の方がいらっしゃり、前日と同じように私を紹介していただき、見学の許可をいただきました。
その方は太極拳のインストラクターをされている女性で60歳になられる方でしたが、腰の曲がったお年寄りのように、腰椎が後ろに湾曲してしまって、初めて施術を受けた時には仰向けに寝る事も出来ないほどだったそうです。

ですが西本先生の施術で腰は真っ直ぐになり、今ではなんの違和感も無く真っ直ぐ寝ていられるようになったそうです。
話だけは聞いていたのでどんな方が来られるのかと思っていましたが、実際にお会いすると「この人が!?」と思うほど背筋がピンと伸び、とても綺麗な姿勢で歩き、とても綺麗にお辞儀をしながら「宜しくお願いします」と、あまりの驚きで私が言葉を発する前に、先に挨拶をされてしまいました。
「西本先生には本当に感謝しています、あのままもう何年か経っていたら私の身体はどうなっていたか」と、西本先生との出会いを振り返られていました。

優しそうなおっとりとした方でしたが、先生の「からだほわっと」が始まると、さらに穏やかさが増し、見ているだけで私の体も緩んでいきそうなくらいでした。
操体では私とも前日の方ともまた違った操体を行い、丁寧に誘導されていきました。
操体を行っている先生を見る時いつも思うのですが、先生にはどのような世界が見えているのかと想像し、その空気感の中に入り込ませていただくことで、私なりに少しでもそれを感じ取れればと、自分でも驚く程集中していました。

施術終了後も午前中の残り時間はトレーニングドリルを繰り返し何度も行っていただき、帰ってから確認できるよう動画も何本も撮っていただきました。

時計の針が12時になるまで余す事なく向き合っていただき、西本先生が初日の一番はじめに「長尾さんのこれからに活かせる時間にしてください」とおっしゃった言葉以上のお気持ちが詰まっていて、本当に感動しながら指導を受けていました。

二日間の全ての工程を終え、先生は手を差し伸べ堅い握手をしながら「良い二日間でした、またお会いしましょう」と言ってくださり私は「Studio操」をあとにしました。

私が今回学んだ事を、何よりもこれからも継続していき、私自身が体現出来るようにならなければ私自身の存在意義がありませんので必ず体得します。
これからも今回の様な依頼を頻繁にすると思いますので、近道など無い道程を一歩ずつ進んで行くお付き合いいただければと思っています。

この場では表現できないことが多過ぎて、これでも全部はお伝えできていないのですが、西本先生のお陰でこの二日間は私の思っていた何倍もの濃密な時間となりました。

私は年齢も30歳まであと4ヶ月も切っているのですが、こんな若輩者の私でも人と人との繋がりの大切さを日増しに感じるようになってきています。本当に人は温かく、そのような方々とはいつまでも繋がりを持ち続けていたいですし、温かい人に1人巡り会えた事だけでも幸福で、私も誰かのそういう存在になれればと思いました。

西本先生だけではなく施術の見学を承諾して頂いたお二人のお心遣いには本当に頭が下がりましたし、感謝してもしきれません。

この二日間、西本先生を中心に関わることができた全ての方々への感謝の気持ちを最後に感想とさせていただきます。
本当にありがとうございました。

長尾さんには、私の指導を受ける回数が増えるたびに厳しい言葉が増えて行きます、それは長尾さんに対する期待の表れです。
ただ伝えました、頑張ってくださいではなく、本当の意味で私の伝えたことを理解し、使いこなしてもらえるようになって、私が出会うことのないたくさんの人たちの役に立ててほしいと思うからです、またそれが出来る人だと信じているからです。


今回も野球の投手の指導をするということで、自分でもできるようになりたいということでしたが、私ははっきりとこう言いました「私と同じレベルの指導は長尾さんには無理です」と。

これはある意味当然のことです、プロの現役選手に指導してもなかなか私が合格点を与えるレベルにまで届かない選手が多い中、未経験の長尾さんがその動きをマスターできるわけがありません。

ところが二日目の終わりに近い時間帯に動画を撮っていて、「今の動きはオッケー、選手にこんな感じで動くんだよって、見せてもいい動きでしたよ」という動きができたのです。

どう言ったら分かってくれるのか、どうやって伝えれば私と同じ動きができるようになってもらえるのか、私も前日の長尾さんの動きを踏まえて一晩じっくり考えていました。

それが上半身と下半身の逆捻じりという感覚です。

他の人に教えるのがもったいないので、もったいぶってここまでしか書きません、西本塾でじっくり説明します。

人を指導するということは、まさに自分が学ぶという作業です、今回の卓球選手、そして長尾さんの指導から、私も新たな感覚を得ることができました。

これだから指導はやめられません、こんな楽しい仕事はありませんから。

まだまだ頑張れそうです!

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プロフィール

Author:西本 直
1993年、Jリーグサンフレッチェ広島を皮切りに、社会人野球三菱重工広島・協和発酵・ヴィッセル神戸・川崎フロンターレ、そして広島カープ佐々岡真司投手など、プロアマ問わず競技レベルのスポーツ選手から一般の方まで、トレーニングやメンテナンスの指導を行ってきました。
その経験と知識の蓄積を「西本理論」としてまとめ、一人でも多くの方に実践していただくことが、これからの私の使命であると信じ、このブログから発信していきます。
私の理論はスポーツ選手のみを対象としたものではなく、ビジネスマンや家庭の主婦まで老若男女すべてに当てはまる不変のものです。
指導や講演のご依頼も受け付けています。
実名でツイッターも書いていますので、チェックしてみてください。
また、2013年9月9日にConditioning Studio 操をオープンしました。こちらもご覧ください。
また、遠隔地にお住まいの方を対象とした動き分析とアドバイスを行っています。
詳細は「スタジオ操」のホームページ内の「遠隔サポート」をご覧ください。
今年2回目の西本塾を8月26・27の土日に開催を予定しています。
詳細はstudio操のホームページ内の「講習会情報」をご覧ください。
なお、今回も参加者が5名に満たない場合は開催しません。
9月10日には深める会も予定しています。

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