学び合う楽しさを感じながら。

私もそれなりの年齢になってきました。
もしずっと会社勤めをしていたとしたら、そろそろ定年後の生活を考えなければならない状況を迎えていたことでしょう。
幸いなことに私の仕事には定年というものはありませんし、施術と動きづくりのトレーニング指導という両輪ともに、まだまだ続けていくことができそうです。

どんな仕事でもマスターしなければならないスキルがあって、それをベースにして応用発展させていくことが個人としての成長だと思います。
今私が行っていることにスキルという概念を当てはめるとしたら、いくつかそれに当てはまるものはあると思います。
ではそれを形の上でマスターすれば、同じような結果を出すことができるかというと、なかなかそうはいかないことがこの仕事の難しいところです。

何を持って結果を出せたと言えるのかも、正直これと言った定義さえ見つけることができません。
いまの世の中では当然のこととなっている、数値化する可視化するという客観的な評価を受けることが最も難しい分野かもしれません。
それではダメだとすべてをデータ化し、情報を共有することでケガの予防や能力向上に貢献しようという試みは、以前から行われてきました。
私はそれを否定する気はありませんが、私がやりがいを感じているのは、目の前にいる人間の体と心の変化を、まさに手に取るように分かるという、なんとも曖昧な表現しかできない部分です。

様々な人間を相手にしています。
私の仕事の片輪である施術行為ですが、一般的な概念では、施術行為を行う施設を訪れる人たちは、ほぼ例外なく受け身な立場です。
受け身というのは、それぞれの施術者が行う行為に依存し、その技術で自分の不調を改善してもらおうという意味です。
そんなことは当然で、それ以外何を目的にそんな所に行くのかと言われることでしょう。
もし自分の抱える痛みや体の不調が、その行為によって改善したとしたらそれはそれで素晴らしいことかもしれませんが、本当の意味でその人の体は改善できたと言えるのでしょうか。

人間は産まれてから男性は18歳、女性は16歳で個人差はありますが人間という動物として成熟します。
地球上に存在するすべての生き物は、種を保存して行くために成長し終焉を迎えます。
人間だけがそうでない営みを行うようになってしまいました。

そんな一生の中で、自分の体はどういう風にできていて、どういう風に使うことが自分に与えられた能力を十分に発揮できるのか、などということを考えて生きている人はほとんどいないと思います。

私は何故か、そしていつからかは分かりませんが、そんなことばかり考える人間になっていました。

体の痛みや不調を訴える人に対して、そんな理屈など関係なく、施術を終えた時に「楽になりました、ありがとう」と言ってもらえれば十分お役に立てたと思える仕事なのに、「あなたはどうしてこういう状態になってしまったのか、どういう風に自分の体と向き合っていればこんなことにならなかったのか」、「人間の体はね・・・」と、聞きたくもない話かもしれませんが、このことを知らないままにこれからの人生を続けて行くことは得策ではないと、聞かれてもいない話を始めてしまうのです。

せっかく縁あって私の元を訪れてくれた人には、身に付けた技術を発揮して体の状態を改善してあげるだけではなく、自分の体を見つめ直し、自分の体と対話するための「文法」のようなことを伝えてあげなければ、ここに来てもらった意味は半減すると勝手に思っています。

「治してもらう」ではなく、自分の体は自分で責任を持って使い、責任を持って手入れして欲しいと思っています。

入り口を入ってその方法を、一緒に身に付けて行きましょう、というのが私のスタンスです。

同じようにスポーツ選手の能力向上を目的としたトレーニングも同じです。
有名な選手が取り入れているから、今流行っていてみんながやっているから、そんな動機で特定のトレーニングを取り入れる人が多いと思います。

よく例に出す話ですが、子供の頃駄菓子屋さんで、色や大きさの違う糸のついた飴玉があって、その糸が束ねられた中から一本を選んで引いて、引っ張られた飴玉をもらえるというのがありました。
たぶん5円で1回引けたと思いますが、同じ5円なら大きな飴玉をもらえた方が嬉しいに決まっています。
飴玉の方をちょっと引っ張って、目当ての飴玉につながっている糸を見つけてやろうと、子供ながらに工夫しましたが、私はそういうところは生真面目で、間違ってもお店のおばちゃんの目を盗んで、はっきりと分かるように飴玉を引っ張るなどということはしませんでした。

今の世の中ではインターネットを使って、自分の知らない分野のことでもそれなりの知識を得ることができるようになりました。
逆に言えば上っ面の言葉だけで、分かったような気になっている人が多いのではないでしょうか。

途中の考え方どころか、基礎となる一番大事なところさえ知ろうとせず、すぐに結果を求める、そんな人が多くなって来たようにも思います。

スポーツ選手にとって「結果を出す」という表現はとても難しいことです。
個人の対人競技であっても、勝ち負けはその時その瞬間の相対的な力関係の評価であって、その選手の能力の「絶対評価」ではありません。
私はこの絶対評価という言葉にこだわりますが、絶対評価にはこれが最上でこれ以上はないという言い方はあり得ません。
自分がこれで良いと満足してしまった時点で成長は終わりだということです。

そこで重要となってくるのが成長を加速させて行くための方法論と言うことになります。
その一つの考え方が私の提唱している「動きづくり」と言う概念です。

大雑把な言い方ですが、最終的な能力の向上を選手自身と私が、共に納得できるレベルに達するためには、様々な段階を経て積み上げていかなければなりません。
「動きづくり」という言葉は、ある意味ゴールに近いもので、この部分だけを知りたい、教えて欲しいと言う目的が見え見えの依頼を受けたことも、一度や二度ではありません。

どんなレベルの選手であっても、一番基礎の部分から時間をかけて頭と体に染み込ませていけば、絶対に能力を向上させられます。
それには多少の時間がかかります、チームの専属ではありませんから、そう言う意味で私が満足できる指導はできません。

しかし、私のような何の肩書きもなく無名な人間の考え方に共感し、指導を受けてみようと広島まで足を運んで来てくれる選手たちは心構えが違います。
現状より一歩でも半歩でも成長したい、そんな熱い気持ちを持っている選手には、私はそれ以上の熱を持って指導しています。

口先だけの選手はすぐに分かります、飴玉の大きさに気を取られて、結局は最後の部分だけしか覚えて帰ろうとしませんから。
当然成長も望めません、例えば走ると言う行為なら、畳一枚のスペースがあればできるドリルに費やす時間が7割で、実際に外で走る時間は3割で良いと言っています。
ドリルが完全に身につかなければ、走ると言う行為の体の使い方を変えることはできないからです。

先日指導を受けに来てくれたドイツのシュツットガルトでプレーしている浅野拓磨選手は日本代表には呼ばれ続けているものの、定位置を確保するところまでは至っていません。
選手としてはもちろん満足できるはずもなく、彼の大きな武器であるスピードを活かすためにはどんな体の使い方をしたら良いのか、サンフレッチェ広島在籍時から、私の指導を受けたことのあるチームメートが行なっている、見たこともないトレーニングの仕方に興味を持ち、私の存在もとても気になっていたそうです。

代表選手として行動していると、他の選手がどんな人からどんな指導を受けているという類の話がたくさん聞こえてくるそうです。
目の前で体幹トレーニングやヨガを取り入れたトレーニングを行う様子を目にすることも多いようです。

彼の良いところは、他の選手がやっているからと言う理由で飛びつくのではなく、そもそもそれを行う意味は何かとか、自分にとって本当に必要な知識でありトレーニングなのかを知らないままに行うことは得策ではないと考えたことです。

ですから私の指導したことが、単なる方法論ではなく、人間の体を考える上での基礎となっている理論であることはすぐに理解してくれました。

こうして様々なタイプの選手と接することで、私の対応力というか指導する側としての心構えや言葉の選び方まで、本当に勉強になります。

浅野選手は22歳(11月に23歳になります)、世界で戦う上でまだ若いからとは言っていられない年齢です。
彼の大きな武器であるスピードを最大限に活かすためには、日常の体のケアは絶対条件で、加えてまだまだ身につけてもらわなければならない体の使い方が沢山あると感じました。
彼が望んでくれれば、私が専属トレーナーとしてドイツに行っても良いと思わせてくれるほどの大きな可能性と潜在能力を持った選手です。
私が直接関わった選手でそう思わせてくれたのは浅野選手が初めてです。
私が直接世界を相手に仕事ができるかも、そんな夢を見させてくれました。

現実にはあり得ないことでしょうが、こうして夢のようなことを考えているからこそ、色々なアイデアが湧いてくるのが私の常ですから、浅野選手との出会いを私も糧にして、さらに成長して行きたいと思います。

相手のために何をどう伝えれば良いのか、やればやるほど自分の中でもっともっとという欲が出て来ます。
もう自己満足ではなく、私が行った指導で選手がどう変わって行ったか、そこまで追い求めて行くことで、西本理論を学び、同じように選手のために指導して行きたいと奮闘してくれてる西本塾生たちが、胸を張って指導できるように、小さな声かもしれませんが、声を上げ続けていこうと思います。

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陸上日本選手権100メートル決勝を見て、背中で走るという意味を考える。

昨夜行われた陸上の日本選手権第2日、注目はなんといっても男子100メートルの決勝でした。

世界陸上の出場権をかけ、そして日本選手権優勝という名誉をかけ、さらには日本人初の9秒台を最初に記録する選手に成るという歴史的な快挙をめざし、日本の陸上競技史上ここまでレベルの高い選手たちが、すべて揃ってスタートラインに付くレースは初めてだと思います。

昨日リアルタイムでレースをテレビ観戦した後、気付いたことをツイッターに書きました。

その後も何度もレースを見直し、さらに今朝もまたまた何十回と見直しました。

全体を見たり、ひとりひとりの動きを見たりと、何度見ても飽きないというか、色々なことが見えてきて本当に楽しませてくれるレースでした。

誰か興味のある人が身近にいれば、それこそ何時間でもしゃべり続けるだろうと思います。

優勝したサニブラウン・アブデル・ハキーム選手の走りを、私の視点で分析してみます。

まずはスタート姿勢です、ケンブリッジ飛鳥選手の身長180cmを大きく上回る188cmの長身ですが、頭の位置を比べると一番低いことが分かります。

スタートライン手前についた手の肘を少し曲げて、重心を下げ前方に飛び出しやすくしています。

隣のレーンの多田選手が、手幅を広くして頭の位置を下げているやり方とは明らかに違うのが分かります。

ケンブリッジ選手も肘を曲げていますが、頭の位置はサニブラウン選手の方がさらに低く、お尻の高さはとび抜けて高いです、このことで長身の体をスタートで浮かないように工夫しているのだと思います。

スタートの反応は多田選手がダントツでした、体を支えている両手を地面から瞬間的に離すことで、体が地面に対して前方に落下して行くことをきっかけにしてスタートすることが今の主流です。

サニブラウン選手は一歩目を左足から出していきますが、前方に落下していく体を低く保つために、右手右肩は当然前に出ますが、左手を伸ばしたまま大きく後方に振り上げて行きます。

後方といっても上半身は地面とほぼ平行な角度ですから、伸びた左腕は真っ直ぐ地面と垂直に伸ばされています。

この手の上がり方も他の選手の中で一番高く真っ直ぐ上がっています。

これは肩関節や肩甲骨周辺の筋肉の強さと柔軟性がなければここまでの角度にはならないと思います。

もちろん上がったものは振り下さなければならないのですが、前方に振り出されていた右腕を、肩甲骨もろとも大きく引き起こすことで、作用反作用の働きで、振り上げられていた左手は、やはり肩甲骨からしっかり前方に振り出されるという、ダイナミックな動きが繰り返されていきます。

少し背中を丸めているように見えますが、普通背中を丸めて猫背になると肩甲骨の動きが阻害される要因になるのですが、骨盤から背骨を中心に大きくうねるように動かすことで、肩甲骨の可動範囲が大きくなり、そのおかげで広背筋の機能を十分に引出すことが出来るので、骨盤の後方をしっかり引き上げるという動きにつながっています。

スタートから数えて15歩目まで、スピードを上げて行くための加速期と呼ばれる状態が続いています。

面白いことに隣のレーンの多田選手も、この15歩目まではサニブラウン選手とまったく同じ歩幅とリズムを刻んでいます。

身長が違い足の長さも当然大きく違う訳ですから、サニブラウン選手がストライドよりも加速に重点を置いて15歩目までを走っていることが分かります。

問題はここからです、サニブラウン選手が加速期から中間走に入ると、そのストライドが多田選手と明らかに違ってきます。

上半身が少し起こされた分、骨盤の後傾が取れ、股関節の自由度が高まるため自然にストライドが広がって行きます、

着地の位置も、大きく膝を引き上げ前方に足を降り出すということをしていませんので、重心である股関節の真下、体が通り過ぎた後に足を付く、という感覚になるので、前方に移動する体に対してブレーキがほとんどかかりません。

着地の瞬間、後方の足の股関節も伸展が出来ていますので、無理なく前方に振り出されていき、それが繰り返されていきますので、加速期に得られたスピードを中間走で落とすことなく、最後まで走り切ることが出来るのだと思います。

最後の伸びが良かったという表現もありますが、相対的な問題で、他の選手がラスト15メートルあたりから、重心である股関節を一番先に運べなくなり、腰が残って足だけを前に出しているように見えたり、逆に上半身だけを前に運ぼうとしているように見えるため、明らかに失速してしまいますから、体の動きを変えることなく走ることが出来れば、当然その差は大きく開いてしまいます。

45歩でゴールしましたが、16歩目から最後の45歩目まで、動きの変化はまったく見られませんでした。

欲を言えば、私が理想とするマイケルジョンソン選手のように、もっと骨盤を引き起こし背筋を反らす姿勢が出来れば、さらにスム-ズに走れるとは思うのですが、100mという距離を考えると、加速期の重要性は200mとも400mとも違いますので、これでいいのかもしれません。

腕の振りも他の選手が、速く振ることを重視して肘を曲げ手のひらが顔の高さ以上にまで上がっている選手が多い中、肘をあまり曲げずに腕全体を大きく後方に引き上げるように使っています。

人間の体は四足動物であった時の名残で、手首と足首、肘と膝といった具合に両者の動きには大きな相関がみられます。

肘を曲げて小刻みに速く振るということは、膝を曲げてピッチを上げることにつながります。

サニブラウン選手の使い方は、乱暴な言い方をすれば手足を丸太棒のように振り回して走っているように見えます。

一般的に言われるような綺麗な走りではありませんが、肩甲骨から肩関節、そして腕全体を一体化してダイナミックに使うということは、そのまま足の動きを骨盤から股関節、そして足全体を大きく使うということにつながっているのだと思います。

どこかで見たなと思ったら、サッカーオランダ代表のロッベン選手の走り方に似ていることに気付きました。

どちらも少しだけ猫背に見えますが、必要以上に背中を反らして、胸を張ったような姿勢になってしまうと、逆に肩甲骨の動きが制限されてしまい、動きが小さくなってしまうので、これはこれでサニブラウン選手の体には合っているのだと思います。

さて現在18歳とのこと、山縣選手や桐生選手は名前を知られるようになった頃から比べると明らかに体が大きくなっています、ケンブリッジ選手も同じです。

確かに海外の一流選手たちを見ると、筋肉隆々でとてもこんな人たちにはかなわないという印象を与えられてしまいますが、筋肉の仕事は地面を蹴飛ばしたり、必要以上に腕を強く振ったり、無理に膝を引き上げることではありません。

必要な動作を行ってもらうために、骨を動かし関節の角度を変えてもらうことがその仕事です。

スタート直前、選手たちの後方からの映像がありました、残念ながら2レーンからサニブラウン選手辺りで、映像が切れてしまいましたが、全員の後ろ姿を見せて欲しかったです。

多田選手など、他の選手に比べれば、日本的に言うと線が細いと言われる体つきでしたが、結果は堂々の2着でした。

サニブラウン選手の肩のあたりは筋肉隆々というよりも、すっとしていて肩甲骨や肩関節の動きを邪魔しない、良い筋肉の発達のさせ方かなと思いました。

活動拠点を海外に移す選手が増えてきましたが、たんに海外の選手たちのような体に憧れてしまうと、ケンブリッジ選手のように上半身の筋肉、とくに肩関節周囲の筋量が増えすぎてしまうことにもつながってしまったのかもしれません、それがスムーズな体の動きを邪魔しているのではと思ってしまいました。

サニブラウン選手がこれからどんなトレーニングをして、どんな体になって、どんな走り方を目指していくのか興味は尽きませんが、どうか肉体改造などという言葉に踊らされて、彼本来の良い面が消えて行かないことを祈るばかりです。

昨日のレースは昨日のレース、負けた選手たちも黙ってはいないと思います。

また同じメンバーが、いや私が知らない逸材が出てきて、9秒台の記録を目指してしのぎを削るレースを私たちに見せて欲しいと思います。

今現在であれば、陸上競技を行っているジュニアの短距離選手たちがお手本にする走り方は、文句なく多田選手です。

それぞれの肉体の個性で、同じ動きを目指してもそうはならないのが人間の面白い所です。

すべての選手が9秒台を目指せるわけではありません、それぞれの目標に向かって、夢や理想を追うのではなく、自分にとって一番効率的な体の使い方を模索して欲しいと思います。

サニブラウン選手は今日の200メートル決勝にも出場予定です、どんな走りを見せてくれるか楽しみです。

最近「背中で走る」という言葉を使う指導者が増えてきたということを聞きましたが、本当の意味でその言葉の意味を理解し、それを正しく選手に伝えて指導出来ているのでしょうか。

今日書いたことの中に、「背中で走る」ことの意味というかヒントがたくさんあったと思います。

聞こえの良い言葉で本質を見失わないようにして欲しいと思います。

今日の記事は、自分にとっても重要な内容ばかりで、赤や青の色付けが途中から出来ななりました。

興味のある方は、理解できるまで何度でも読む努力をしてみてください。


現在の環境下でもリハビリトレーニングの指導は出来るようです。

スポーツトレーナーという仕事の内容は、まさに多岐に渡ります。

その仕事の中でも、ケガをした選手を復帰させるためのリハビリトレーニングは大きな仕事の一つになります。

チームに所属していた時にはほぼ毎日一緒にいるわけですから、練習中にせよ試合中にせよ、どんな状況でケガをしてしまったのかということは、目の前で見ていることがほとんどです。

また選手の平常時の動きや身体能力といったことも把握できています。

新人や移籍してきた選手の場合は、それがまだきちんと把握できていないこともありますが、条件としては毎日接することができるので、復帰へのシナリオも描きやすかったと思います。

そんな環境の中で仕事をさせてもらっていたので、私が担当した選手は、元のレベルにしっかり戻してあげることができたと思います。

それが今また、過去に経験してきたようなリハビリトレーニングを依頼されることがあるとは思っていませんでした。

20年以上も前、主力選手のアキレス腱断裂からの復帰を目指すトレーニングを担当した時、クラブには同じようにアキレス腱断裂をした一般の方から、私にリハビリの指導をして欲しいという問い合わせがあったそうです。

もちろんチームの仕事で手一杯なことは分かっていますから、クラブの担当者も丁重にお断りしたようで、私には後日談として伝わってきました。

私自身はそんな大ケガをしたことはありませんが、普段運動不足のお父さんが、子供さんの運動会で張り切って、アキレス腱を断裂したなどという話はよく聞かれる話です。

ただその後のリハビリに関しては、医療機関でしっかり指導を受け、日常生活はもちろん、スポーツに親しんでいた人たちも、ちゃんと元のスポーツ活動に戻っているものだと思っていました。

私が担当するのはチームの選手たち、医療機関が担当するのは、当然そこを訪れた患者さんたちということになります。

両者の間には少しだけ違いがあると思います、リハビリトレーニングのゴールというか、元のレベルが違うということです。

トップレベルのプロスポーツ選手としての動きを取り戻し、戦いの場に戻ってはじめて復帰したと言える競技スポーツ選手と、最低限自分の日常生活に支障がないところまで戻すことが目的となる一般の方という意味です。

一般の方と言っても、まさに色々な状況の方がいるわけで、アマチュアレベルとはいえ真剣にスポーツに取り組んでいる人もたくさんいます。

プロの選手でもそうですが、一般の方の場合大きなケガをすると、そのことがきっかけでスポーツを離れてしまうことが多いようです。

私は与えられた環境の中で、1日でも早く確実に復帰させることを目的に、ありとあらゆることを考え、選手と一緒に頑張ってきました。

教科書的な考え方で、手術の内容に応じてカレンダー通りにメニューを進めていくという発想はありませんでした。

今思い出してみると、リハビリの進行度合いについて、チームドクターから具体的な指示を受けた記憶がありません。

けっして無視していたとか、連絡体制が不十分だったという訳ではなく、きちんとした処置をしていただき、あとは日々接している私が責任を持って任されていたということだったと思います。

今スポーツトレーナーと言う仕事が確立されて、プロという組織の中には必ず配置されていると思います。

そんな中で行われるリハビリトレーニングですが、ケガをした選手が全員きちんとした形で復帰できているかといえばそうではありません。

今日はそのことがテーマではなく、今の私が対応できる相手、ここに通ってきてくれることが前提の選手に限定した話となります。

ケガをしてしまうことに、年齢も性別も関係ありません、スポーツの種目によって受傷しやすい体の部位が決まっているということはありますが。

中でもサッカー選手の場合多いのが膝の関節部分のケガです。

靭帯の損傷や断裂、半月板の損傷、新聞のスポーツ欄にはJリーグの選手が、これらのケガをして全治何ヶ月と、毎日のように載っています。

統計は分かりませんが、プロアマ問わず膝のケガで手術が必要な選手は、1年間でどれくらいの数になるのでしょうか、おそらく相当な数になると思います。

そんな選手たちを待ち受けるのが、医療機関での手術であり、その後のリハビリということになります。

どの医療機関でも手術が出来るわけではありませんので、設備が整い同じような部位の手術を数多く手がけた医師に、依頼することが多いようです。

そのことが専門性を高め、膝の手術なら〇〇病院の〇〇先生が良いよと言う評価に繋がって行きます。

医療機関には理学療法士という専門職がいて、リハビリの指導をしてくれるのですが、日本の医療制度の中で、私が選手にしてあげた内容と時間を、一人の患者さんにかけられるかといえばそれは無理なことです。

申し訳ない言い方になりますが、それはある意味仕方がないことで、日常生活に復帰させることがゴールであることに満足はできなくても、それ以上を望むことはできないことだと思います。

いつものように前置きが長くなりましたが、そんな中の一人が手術前のトレーニングから、復帰までの指導をしてほしいという依頼を受けました。

私の元を訪れたのは昨年の11月、10月にサッカーのプレー中に前十字靭帯断裂という大ケガをしてしまい、学校の関係で12月に手術を受ける予定が決まっていた中学2年生の女子選手でした。

靭帯の再建術を自己移植で行うということで、前述のように一般的な過程をたどれば、おそらく彼女が望ような、復帰後改めて大きな目標に向かってサッカーを続けるという結果にはならないだろうということは想像できました。

とはいえ、チームに所属していた時のような、選手とトレーナーと言う関係ではありませんから、あの時と同じように彼女を復帰させる自信があるかと言われれば、安易に請け負える仕事ではありませんでした。

私の指導を受けるためにはお金もかかることですから、毎日来てもらうという訳には行きません。

1ヶ月に一度程度の頻度で来てもらい、次の1ヶ月の間にやってもらうことを指導すると言うことになりました。

そんな関わり方ですから、正直どこまでの結果に持っていけるのか約束できないことは、最初にお断りしました。

まずは手術のために入院する前の術前トレーニング、これが実はとても大事なのです。

長期間の入院となりますので、それだけで筋力は落ちてしまいます、元々の筋力がある方ではなかったと思うので、ここである程度の筋力をつけさせることは、退院後のトレーニングに大きな違いが出てきます。

さらには、トレーニングの方法を知っておいてもらえば、術前と術後はほぼ同じメニューから始まるので、一石二鳥となります。

その後、退院して指導が始まりましたが、本人は勿論、付き添ってくるお母さんも、私の話を真剣に聞き、指導するトレーニングをしっかり覚えて帰ってくれました。

術後半年が過ぎ、来月の練習復帰に向けて順調に回復してくれています。

おかしな言い方になりますが、これは私にとって想定外の素晴らしい成果が現れています。

先日最後のチェックのために来ていただきましたが、私のオクタントトレーニング(OTT)で全身の関節の連動性を確かめましたが、初めてのOTTにも関わらず、これが現在中3の女の子かと思わせるほどのしっかりとした力強さと、関節の可動域の連動を見せてくれ、本当に驚きました。

その後屋外に出て、走ると言う行為の体の使い方を指導し、ボールを蹴ることも行ってもらいましたが、これなら半月後からチームの練習にも少しずつ入っていけると確信しました。

靱帯断裂の大ケガから、月に一度の指導で、ここまでしっかり回復できたのは、本人の努力としか言いようがありません。

毎回指導したことを、自宅で真剣に継続してくれなければ、これほどの効果があったとはとても思えません、それくらい毎回の変化は大きなものでした。

私の指導のモットーである「ケガする前より逞ましく」この言葉がぴったり当てはまりました。

半年前より体は一回り大きくなり、表情も自信に満ちていると言うか、もう少しで大好きなサッカーが思いっきりできる、それも半年前の自分以上に動ける体を手に入れたわけですから、どんな動きができるのだろうとワクワクしないはずがありません。

1週間の遠隔サポートでも、大きな変化をもたらすことができるという自信もできましたが、こんな形のリハビリトレーニングの指導でも、期待以上の効果を発揮できるという新たな発見というか経験をさせてもらいました。

すべては本人の、絶対に復帰したいという強い気持ちと、私の指導を信じて継続するという覚悟があったからだと思います。

お母さんからの紹介で、高校生男子のリハビリも継続中ですが、現在の医療制度に不満を言っても仕方がないことで、何としてもという気持ちさえあれば、私がお役に立てるということが分かりました。

どんなことを頼まれても、その信頼に応えるために全力を尽くす、そのスタンスを守り続けて一人でも多くの方のお役に立ちたいと思います。


8月、西本塾を行います。

不定期開催となっております「西本塾」ですが、今年2回目、通算24回目の西本塾を、8月26・27の土日に開催を予定しました。

詳細の確認及び申し込みは、「studio操」のホームページ内にあります「講習会情報」をご覧ください。

「深める会」も9月10日に1日開催で行うつもりですので、予定しておいてください。

西本塾の開催も数を重ねてきましたが、現在は私自身が伝えておかなければならないと思うことが明確になり、伝える側としての準備が整ったと思える状況になったときに開催するというスタンスを取っています。

もちろんこれまでもそうでしたが、ブログに書いた内容をもっと知りたい、また書かれたことを体験したいという気持ちで参加してくれる人に対しても、ただそれに応えるのではなく、文字では表現できない人間の体の仕組みやその使い方を知ってもらうために、毎回真剣に取り組んできました。

今回の募集は、初めて参加してくれる人が対象ですが、どんなジャンルの方が参加してくれたとしても、レベルを落とすことなく「正しいものは正しい、良いものは良い」と確実に理解してもらえるような会にしたいと思っています。

施術行為でもそうですが、スポーツ競技を行うに際して、それぞれの経験則が重視されることは当然のことです。

しかし、施術も競技動作の指導も、最終的には誰のために行っているのかということに尽きるのではないでしょうか。

施術であれば方法論を学び、自分が身につけた技術を誠心誠意行なっているということは当然というか基本的なことだと思います。

その行為を評価してくれるのは、誰でもない施術を受けてくれたその人しかいないのです。

先日もあるスポーツ選手が、自分の気になる部分の改善を目的に施術を受け、それを行なってくれるトレーナーの一生懸命さは十分伝わってくるのだが、施術が終わって「どうですか」と問いかけられたときに、目的とした部分の改善というか変化は感じられず、「ありがとう」としか返事のしようがなかったと言うのです。

自分の技術を発揮することで改善ができないのなら、もっと効果のある技術を身に付ける努力が必要です。

競技の指導者も同じです、自分の指導したことで選手の能力の向上がないのであれば、違う何かを探さなければならないことは当然のことです。

私は特定の競技や組織の監督でもコーチでもありません、しかし、選手個人の能力を向上させるという意味では、人間そのものを相手にする監督でありコーチであると思っています。

そういう意味で私は自分のことを「指導者」と呼ばれることに違和感はありません。

今中学生のプロ棋士「藤井4段」のデビュー以来の快進撃が話題となっています。
将棋や囲碁であれば、使用する駒は共通で、我々一般人が指す将棋盤や駒とは違う高価なものだとは思いますが、当然対局する二人が使うものは同じなはずです。

しかし、スポーツ競技では駒は生身の人間です。

監督の最終的な仕事は、与えられた駒の中で最も力を発揮してくれそうな手駒を選び、それを配して戦術を組み立て戦いに勝つことだと思います。

私の仕事はまさにその駒を磨くことです。

スポーツにおける監督という立場は、最終的に勝ち負けという結果に左右されるので、選手一人一人の能力を見極め、向上させていくというところまですべて一人で行うことは難しいと思います。

また、指導者からの目線と選手本人の思いにも、微妙なズレがあると思います。

過去の経験上ですが、選手の個性というか適性を決めてかかってしまい、能力の向上を認めてあげられないこともあったように思います。

選手の能力を見極め、向上できる余地はないかと分析し、それがあると感じたら一緒に向上する努力の方向性を指し示してあげるのが私のやり方でした。

その結果として個人の能力が向上し、チーム自体の成績にも繋がっていくわけです。

「自分はもっとできるはずだ」みんなそう思っています、しかし、身の程をわきまえない勘違いしていると一蹴されることがほとんどです。

それは何故か、「人間として持って生まれた能力という概念」や、それを発揮できるようになるための努力の方向性を指し示してあげることができないからです。

私が指導していることはとても基本的なことです。
ただこの部分をおろそかにしたまま、それぞれの競技動作の習得に励んできたため、砂上の楼閣の例え通り、伸び代が少なくなっているのだと思います。

私のやっていることに指導者が興味を示さなくても、「もっと上手くなりたい、このままでは終われない」と必死にもがいている選手たちは気付き始めています。

昨年3月に出版させていただいた「1回5分 体が喜ぶ健康術」ですが、一般の方向けの健康指南書として、私のこれまでの集大成としての考え方を網羅した内容で書かせていただきました。

その最後の章に番外編として、あるスポーツ選手のエピソードと題して、私のトレーニング論のさわりのような内容を加えさせていただきました。

この本がたくさん売れてくれて重版になることが条件ではありましたが、続編の執筆を前提に書いた一章でした。

A君としてありますが、前後の文章からサンフレッチェ広島の青山敏弘選手であることは、サッカーファンならすぐに分かったと思います。

一昨年、JリーグのMVPを獲得した大活躍は記憶に新しいところですが、スポーツ選手にとって過去はどうでもいいことで、今この瞬間に不安があると、明日の自分に大きな不安がのしかかってきます。

西本理論を知り、その効果を身を以て体験したからこそ、指導の継続という最も重要な部分がネックになっていました。

今私のいる場所と、チームの練習場や自宅との距離、その移動時間を考えると足が遠のいてしまうことも仕方がないこととだと思っていました。

しかし、あの頃の動きを取り戻せない自分に危機感を持ち、私と同じ感性と技術を身に付けた息子智志に白羽の矢を立ててくれ、現在二人三脚で復活に向けて努力してくれています。

これまで何人かのJリーグの選手が私の指導を受けにきてくてました。
「良いものは良い、正しいものは正しい」と心から思ってくれたとしても、「継続」のふた文字が選手の能力向上という、一番大切な目標に届かないことが現実でした。

智志にはしっかり頑張ってもらって、続編のトレーニング論の内容は私との合作になってほしいと思っています。

そのためにも重版になってほしいと思っていますので、改めて多くの人に本を買っていただけるよう、周りの方にも是非勧めていただきたいと思います。

私の理論による指導は確実に選手の動きを改善します。
この考え方を知り身に付けていく過程は、選手にとってとてもエキサイティングな日々だと思います。

小学生からトップ選手まで、私を信頼し期待してくれる選手に対して、私の全てを発揮してその期待と信頼に応えます。

来週また一人トップレベルの選手を迎えます。
大きな声では言えませんが、私から見るとまだまだです。

だからこそ迎える私の方がやりがいを感じています。
短い時間だとは思いますが、大きなお土産を持って帰ってもらう指導をしようと思います。

個人指導、そして今回募集を始める「西本塾」、私がやらなければならないことは結果を出させることです。
そして選手が結果を見せてくれることで、私の理論の正当性を広く知らしめ、指導者として学んでくれた人たちが胸を張って指導ができるようにしていきたいと思います。

もう私一人の問題ではなくなっています、自己満足ではなく、私が誰かの役に立ったと心底思えるように精一杯頑張ります。

自分の体で感じなければ理解するのは難しいことです。

今朝、以前から縁のある競輪選手から電話がありました。
彼は一昨日のナイター競輪に出走する予定でしたので、昨日の朝レースの動画を確認しました。
そこに映し出された光景は、目を疑うような落車のシーンでした。

競輪という競技では落車は日常的に起こり得ることで、他の選手との接触等回避できない場合も多く、まさに命懸けの戦いを繰り広げています。

私も動画サイトの中とはいえ何度も落車のシーンは見ていましたが、今回の落車の仕方は、今まで見たこともないものでした。
すぐに状況を案じるメールをしましたが、返事がなく大事に至っていなければと心配していました。

そこに本人からの電話があり、色々な話ができ、それこそ命に関わるような怪我ではなかったことが分かって、本当に安心しました。
来月には広島での開催があり、久し振りに会う予定になっているのですが、まずはしっかり養生して回復に努めてほしいと思います。

また、彼の紹介で競輪ではなく競艇の選手との縁もできました。
これまで縁のなかった競技の選手と接することは、自分にとっても新しい発見があったり、私の理論の応用範囲が広がっていくことが実感できて、とてもありがたいことばかりです。

西本理論という言葉を自分でも使ってしまいますが、実際には明確な定義はありませんし、一言で言い表せるようなものでもありません。

強いて言えば、「それぞれの人間が、持って生まれた能力を余すところなく発揮できるような状態を作り上げる」と言うことになるでしょうか。

それぞれの競技に専門性があり、その中で育ち一定レベルまで達した人たちには、自分たちにしかわからないと言う経験則のようなもので固定概念を形成してしまうところがあると思います。

ところがその経験則を、きちんとした言葉で説明し、誰にでも納得できる指導にまで昇華させられている人は少ないような気がします。

結果を残してきた人の言うことには逆らえないから、なんとなく言うことを聞いている、という場合も多いと思います。

確かに経験者にしか分からない部分は否定しませんが、やはりそれだけではないはずです。

その共通した部分、「人間として持って生まれた能力を効率的に発揮する」という部分に関しての理論というか、養成方法を受け持っているというのが私の立場です。

ですから、どちらかというと団体競技よりも個人競技の選手の方が結果が出やすいと言うか効果を感じやすいため、指導もしやすいように思います。

競輪はピストと呼ばれる前輪と後輪が変速機なしの直結で繋がれた自転車を使いますので、まさに自分の肉体のみがエンジンということになります。

これまでの発想の中では、自転車に乗る練習はもちろんですが、当然そのエンジンの排気量が大きいほど馬力も大きいということで、筋力アップ肉体改造こそが成績アップの絶対条件のように思われています。

しかし、それだけではないと感じる選手も少なからず出てきたようで、端的に言うと屈筋ではなく伸筋を主役とする体の使い方をマスターすることが、これまで行ってきたトレーニングを無駄にすることなく、意識の変化で体の使い方が変わり、レースを走るときの感覚も違うと言うことに気づいてくれました。

競輪に関しては以前にも選手の指導をしたことがあったので、その時のことをベースにして、ここ数年工夫してきたことを加えた指導で、大きな変化を感じてもらうことができました。

今回の競艇という競技に関しては、全くイメージが湧かないというか、縁もなくレース自体を見たこともありませんでした。

もう10年以上も前のことですが、その時サポートしていたカープの佐々岡投手と同郷の島根県の選手が、競艇会のトップレベルの選手で、名前は彼からよく聞いていましたが、一年最後の最高峰のレースは、一緒にテレビで見たような気がします。

そんな程度の感心しかありませんでしたが、縁あって話を聞くと、競艇選手こそ体重制限があり、筋力アップ肉体改造では済まないことは当然で、これまでも様々なトレーニング理論に接してきた中で、これはというものには出会っていなかったようでした。

年齢も30半ばとなり、何かを変えなければと思っていた時に、友人だった競輪選手から私の話を聞き、縁ができたというわけです。

競艇の狭い操縦室と言うのでしょうか、あの中で船を操る姿勢は、まさに伸筋重視でなければならない動きだとすぐに分かりました。

船と水面の接し方をいかにコントロールするか、ターンマークを回る時の船の動きや選手の姿勢を見ていると、伸筋の重要性が一目で分かりました。

私の意見というか感想を話すと意見が一致し、ではどういう意識で体を操り、それが出来るようになるためにはどういうトレーニングを行えばいいのかということに、どんどん話が深まっていきました。

その論点が一致しなければ、そこから一緒に進んで行けるわけがありませんから。

レースも見たことがないのに、もちろんあのレース用の船に乗ったことがないのに、自分たちの体の動きが分かるはずはない、そう言われたらそこまでです。

これはどの競技の選手、指導者と話をするときも同じです。

そこに私のような立場の人間の意見を聞いてみよう、自分にとって得るものがあるのなら取り組んでみよう、そう思えるかどうかが運命の分かれ道となります。

今現在、ほとんどの人がそう思わないというか、自分たちがやっていること以外に、もっと良い方法があるかもしれないと考える人がいないからこそ、私の考え方に触れ取り組んでくれる選手が優位に立てる理由でもあります。

当然同じ競技のライバルに、私の存在を教えるという、敵に塩を送るようなことをするわけがありません。

早速レースで手応えを感じてくれたようで、表情も言葉もすっかり前向きになってくれました。

過去の経験から、出来るだけ感情移入をしないようにしようと決めていますが、私という人間はそれがないと本気になれないと言うか、自然な感情の動きに任せています。

年齢はどうあれ、現役の選手には私の言いたいことは伝わりやすいのですが、ある程度の年齢になった指導者には、正しく理解してもらうことは難しいようです。

それぞれの競技に必要な経験則による動作を習得させるためには、それを行えるようになるための基本的な体の使い方があるのです。

私が提唱しているのはその部分のことで、それなくして競技動作ではないのです。

この感覚は、前回のブログで紹介した宮澤さんの言葉を借りると「切実感」があるかないかと言うことに尽きると思います。

要求される動き、自分がこういう動きができるようになりたいと思っても、現実としてそれができない、日々努力しているのに何故できないのか、これができるようにならなければ試合には使ってもらえないし、選手としての成長も望めない、そんな切実感、もっと言えば悲壮感さえ漂う状況に陥った選手にしか、真剣に取り組もうとは思ってもらえないのかもしれません。

話を聞いて、文字で読んで、自分ではなく取り組んでいる選手を目の前で見たとしても、実際のところは絶対に分からないと思います。

自分の体でその真偽を確かめようなどという、高い意識を持った指導者など滅多にいません。

指導者になってから、改めて私のトレーニングを受けにきてくれ、自分の体で納得してから選手の指導に活かしたいと言ってくれて実行してくれたのはたった一人だけです。

名前は出せませんが、選手の動きを見る目が養われ、今指導者として結果を出しています。

現役の選手にも、まだまだ広がっていきません、指導者の意識も変わっていきません。

それでも私は、「人間の体はね・・・」から始まる、私の理論を発信し続けていこうと思います。


このままではダメだという「切実感」と、本気で上手くなりたいという向上心があれば絶対に身に付けられることを証明してくれました。

今日の記事は、私の考え方や指導内容に興味を持ってくれている人にはぜひ読んで頂きたいと思います。

私はこれまで、人間の能力を高めていく上で、体づくり肉体改造という概念ではなく、人間として持って生まれた能力、仕組まれた体のカラクリを活かして、いかに効果的また効率的に体を動かせるように出来るか、ということを追求してきました。

試行錯誤を繰り返し、昨日よりは今日、今日よりは明日と現状に満足することなく歩みを進めています。

当然指導内容も進化して行き、さらには私の伝え方という面でも大きな変化を遂げ、成長させてもらっていると思います。

チームを離れてから4年間、これまでの指導は、二日間の西本塾で理論的なところから実技まで、じっくりと学んで頂くスタイルから、数時間また、それを二日間、そして三日間と連続して学んで頂いたりと、とにかく直接指導が原則でした。

限られた時間の中で、どうすれば少しでも期待されたことに応えられるかを工夫し、満足して帰っていただける指導をしてきたつもりです。

それでも本当の意味で私の伝えたいことが、正しく伝わっているかといえば、それは不可能なことでした。

直接指導を受けたいと思って頂いても、様々な制約の中でそれが叶わないという方もたくさんいると思います。

そんな中で、遠隔サポートというシステムがあることを知り、まさに藁にもすがるという感覚で申し込んでくれる方があります。

依頼してきてくれた全ての方にお応えできる訳ではありません、相談内容を読ませて頂き、書かれている内容を吟味し、私が本当にお役に立てると思えた方に対して依頼を受けることにしています。

この申し込みの時点で、指導の成否は決まっていると言ってもいいと思います、私に対する期待感、そして私に向き合うことへの覚悟を感じられる人であるかどうかということです。

こちらも全身全霊をかけて対応しますので、申し込みの時点で私ときちんと向き合う覚悟を感じられない場合は、申し訳ありませんが受け付けられません。

現実としてお断りする場合もありますが、どうやって判断するかは、私の感性で、としか言えませんが。

今回指導させて頂いた宮澤さんから届いた文章は、私のトレーナー魂に火を付けてくれるものでした。

私にしか出来ない、私なら何とかしてあげられるかもしれない、逆に言えば、こんな方からの遠隔サポートを待っていた、という気持ちになりました。

もちろん、前回遠隔サポートさせて頂いた10歳のサッカー少年とお父さんとのやり取りもとても楽しく、サポートが終了してからの成長に、私の方が楽しみを頂いたような気持ちにさせて頂きました。

夏休みには広島に来て、直接指導を受けて頂けるというご連絡も頂いています。

その時のサポートのやり取りから、何をどう伝えれば良いのか、そのために必要な資料はどういうもので、私からのアドバイスはどんな表現にすれば伝わりやすいのかなど、色々考える機会を頂き、本当に良い経験をさせて頂きました。

今回、そのやり取りを踏まえ、自信を持って長澤さんと向き合うことができました。

前置きが長くなっていますが、頂いた感想は私の言葉以上に、読者の皆さんに私という人間が何を考え、何を伝えているのかを分かって頂ける、ライブ感のある素晴らしい文章になっています。

いつもにも増して長文となりますが、是非じっくりと読んでください。

1週間、本当にありがとうございました。たった1週間でここまで成長できたことに、本当に驚いています。
まず、自分は膝蓋靱帯炎による膝の痛みに昨年から悩まされ復帰しては痛めての連続でした。

痛みを気にせず100%力を出し切りたい、さらに、自分の理想、目標達成のためにもっと成長したい、そのためには、どうすればいいのかという時に、西本さんの「動きづくり」という考え方に出会いました。

遠隔サポートでは、今までブログを読んでFBTに取り組んでみたが、自分の動きは正しいのか、また膝の痛みを感じない正しい体の使い方を指導してほしいということでお願いをしました。(注:主たる申し込みの動機です)

まず、FBTについては、やはり正しい動きにはなっていませんでした。というか、広背筋の仕組みをあまり理解せずに行っていたため意味がなかったという感じでしょうか。

西本さんから、広背筋の説明文と、画像を送って頂き、その後に4パターンの西本さんの実演によるFBTの動画が送られてきました。早速、実践をして、西本さんにもその動画を送らせていただきました。

ここのやり取りで、西本さんから「これで形が合っているかではなく、広背筋が収縮されて骨盤が引き上げられる感覚を実感することが重要で、現状の体には個人差があるため、同じ意識で行っても同じ見た目にはならない」というお言葉をいただきました。

自分は今まで、「正しい形」でトレーニングを行 うことで 効果が得られると思っていました。

ですが、そうではなく、人間の体の仕組みを理解し、正しい体の動き、もっと言えば骨の動きをイメージしながらやることが重要であることに気づかされました。これは、当たり前のことのようですが、実は割と軽視していたことだと思います。

実際、正しい体の動きを知るには、広背筋の仕組みや、骨盤の仕組みなど知識が必要ですが、自分はほとんど理解していませんでしたので、ここでのやり取りで自分の意識の方向が変わりました。

正しい体の使い方ということで、西本さんに自分の走っている動画(ブログに書いてあることを自分なりにイメージしながら)とプレー中の動画(トレーニングの様子)を送り、自分の動きを分析してもらいました。

非常に丁寧に分析をしていただきましたが、一言でいえば、自分の動きは、「今常識といわれる走りの典型であり、体の前側に頼った動き」とのことでした。

これを改善するために、まず西本さんはすぐにこうすればいいと答えを与えるのではなく、「これから送る写真を見て、私が何を言いたいのか。自分がそうなっていることを自覚できるか。正しい体の使い方とはどういうもので、なぜ正しくない動きをするとだめなのかよく考えてみてください」という問いかけがありました。

今思えばこの送られてきた画像にすべてが集約されていると思います。

また、西本さんから、すぐに答えを与えられるのではなく、自分でよく考え、分析することで、自分の体の現状を、「切実感」を持って感じることができました。たぶん、すぐに「ここがこうだから、こうすればよい」と言われていたら、理解はできたかもしれませんが、何というか・・・やはり「切実感」 という表現になってしまいますが、ここまで切実に自分の体の現状を感じることはなかったと思います。

ただ、画像をみて、どうしても理解できなかったのが「骨盤を縦に動かして、股関節をクランク状に動かす」ということでした。これについて、西本さんに質問をしたところ、非常にわかりやすい説明動画を送っていただき、理解ができました。

この骨盤を縦に動かして、股関節をクランク状に動かすイメージは本当に重要で、このイメージがこの1週間の成長の一番の土台となりました。このイメージがないとどれだけ動画やブログを見て、なんとなくのイメージでトレーニングをやっても意味がないです。

まず自分で考える、分からないところは質問して、それをわかりやすく解説していただく。(注:これが学びの基本なのではないでしょうか。)
この最初のやりとりで、人間の体の構造上の一番効率の良い体の動かし方が完全に理解できました。

そして、改めて、FBTの意味も確認できました。すべては繋がっています。この時点で目から鱗でしたが、ここからが本番、西本さんのこれを身につけるための具体的なトレーニングが始まりました。

まずは、「すべての基本のアイドリング」、この感覚がつかめないと次には進めないということでした。勝手に膝が上がり、踵が上がるという感覚です。最初は感覚がつかめませんでしたが、やはり、ここでポイントになったのは、骨盤を縦に動かすイメージです。

動画をそのまま真似するというよりは、骨盤を縦に動かして、股関節がクランク状に動かすことをイメージしながらやると、勝手に膝があがる感覚をつかむことができました。一緒に送られてきた「歩く、走るの説明文」も助けになりました。

このアイドリングの感覚がつかめたことで、自分は今まで「足から動く」感覚だったのが「骨盤から動く」イメージに変わりました。

アイドリングの感覚がつかめると、ここからは驚きの連続です。アイドリングから歩きに発展させるドリル、左右の股関節を片方ずつ引っ張り出す感覚をつかむドリル、両方の股関節を引っ張り出すドリル、そこから骨盤の回転数を上げて走りにつなげる。このドリルの動画を見本に実践しました。

すると勝手に足が前に出る。しかも地面は蹴らない。さらに、足で動くのではなく、ここでもやはり、骨盤を縦に動かすイメージ。骨盤の回転数を上げるだけで、自然と走りになることを実感しました。
この時点で自分のドリルの動画を西本さんに見てもらいました。「とりあえず、合格点。ただ、もっと極端にお腹を突き出すようなイメージを持たないと、思ったより自分の股関節は伸展していないため、スピードが上がったときに、膝を引き上げる意識が顔を出す」との助言をいただきました。
そこを改善し、もっと体全体を弓なりにして、お腹を突き出すイメージで行うと、股関節がもっと引っ張り出されて、さらに、肘が勝手に後ろへ引き上げられる感覚も実感しました。
「勝手に足が前に出ていく感覚」本当に不思議な感覚です。

次のステップとして、アイドリングから、3歩でトップスピードに乗せるドリル、そこからさらにスピードを上げていくドリルに進みました。息子さんの動画、さらに実際に西本さんの直接指導を受け、動きをマスターした方の動画が見本でした。

速いんだけど、まったく力みがない、いわゆるキレがある動きに驚愕しました。そして、いざ、やってみると、やはり基本はアイドリング。そこからスッと落下すると股関節が引っ張り出され前傾姿勢をとることで全く地面を蹴らず、しかもすぐにトップスピードに乗ることができます。さらにそこから、上体を起こし、骨盤の動きをイメージしつつ、引っ張り出しのドリルのときのような、体を弓なりにすることを意識すると、どんどん足が前 に出て、しかも膝への負担は非常に少ない。楽なうえに今までより、明らかにスピード感を感じました。

遠隔サポートの間にもサッカーのトレーニングがありましたが、ちょうどそのタイミングでトレーニングしたときには、明らかに今までとは違う感覚がありました。

今までは追いつけなかったところが追いつく、今までより疲れない、股関節の自由度、姿勢が良くなることでキックやコントロールの質も変わってきました。

もちろんまだ要所要所でのことで、自分の中の感覚での話ですが、この短期間で明らかな変化を感じ、今後の大きな可能性を感じました。

膝への負担も今までは、練習翌日は痛くてしょうがなかったのが、明らかに軽減されてます。

最後のステップとして、左右、後方への動きです。これは、今までのものと比べると難しいです。この動きができるようになるために、今でも自分の体と対話しながらドリルを続けています。

見本の動画は、すでにこの動きを身につけた西本さんの直接指導を受けた方の動画でした。この動画も動きのキレの良さに驚愕しました。この左右後方の動きに関して、最初自分は今まで通り骨盤を縦に動かすこと速くというイメージでやってましたが、どうもしっくりこない。重心も気づけば下がってしまったりとなかなか難しかったです。

このような感想を聞いた西本さんから「このイメージでは全く違う動きになる、ここではアイドリング時に前傾が必要になる、この前傾角度が人それぞれで、自分に合っ た角 度を見つける必要がある。(反った猫背)さらに、そこから体は前に向けつつも骨盤だけ、もっと言えば『へそ』」だけを行きたい方向へ向けるイメージ」がこの動きを身につけるポイントであるとのことでした。

この動きが見につけば、サッカー選手としてのパフォーマンスが格段に向上するのは明らかです。

現在は、FBTや何種類ものドリルを短時間でも必ず毎日、もっと言えば普段の生活の歩くことから、1週間で学んだことを意識しています。この1週間で本当にびっくりするくらいの感覚の違いを実感し成長できました。この成長を無駄にしたくない。というか、まだまだこれがスタートで、この理論を身に付けることができれば、この年齢でもさらに大きく成長できる確信があります。

しかも、この1週間で本当に実感しましたが、この理論は「人間の体の効率の良い、本来の体の使い方」であるので、真剣に取り組めば誰でも必ず効果を実感できます。全く新しい体の使い方を習得するのとは意味が違いますから。自分がこれだけ変われたということは、そういうことなのだと思います。

この1週間で、体の仕組みを知り、自分の体と対話しながらトレーニングに向かうことの大切さがよく分かりました。

正確なフォームにこだわる、形にこだわる・・・もちろん大切なことです。しかしその土台に、正しい体の使い方がないと効果は半減です、今までの自分がそうでした。

ここからさらに成長し、最後には大きく飛躍し成長した姿を西本さんに報告するとともに、その姿で周囲の人へのサプライズを、また身近な子ども達にも勇気や希望を与えられたら最高です。

1週間本当に濃くて楽しくて成長した日々でした、本当にありがとうございました。

宮澤潤幸

宮澤さんは中学校の教員をしながら、地域リーグでサッカ-を続けている現役選手です。

指導したのはこちらですが、こんな濃密なやり取りが出来たのは初めてで、こちらが投げかけた内容を、宮澤さんがどう受け取り、どんな感想を返してくれるか、またその内容を予測し、次の準備をし、次はどこまで進めよう、どんな言葉を返そうと、ワクワクしながらやり取りが続きました。

一週間があっという間に過ぎて行きましたが、宮澤さんの日々の変化に、よくここまで理解し形にしてくれていると、私の方が驚いていました。

これまで直接指導をした人はかなりの数になりました。
これまでの固定概念から抜け切れず、難しい自分にはできないと投げ出してしまった人もいるかもしれません。

トップレベルの選手の中にも、中途半端な理解と実践では身に付くはずもないのに、本気で取り組もうとしない選手が何人もいました。

この一週間の間に、本人とのやり取りの中に、「29年間の人生の中で最も濃密な一週間でした」という言葉がありました。

まさにそういうことだと思います、私が何度も言い続けている覚悟を持って取り組む、そのためには宮澤さんの言う「切実感」「もう後がない何としてもこの理論を学び動きを身に付けなければ」という気持ちが本当にあるかどうかだと思います。

本当にそういう気持ちさえあれば誰にでも身に付けることが出来る能力です、もっと言えば、この動きはスポーツを行う人間として最低限身に付けておかなければならない基本中の基本、だと言っても過言ではありません。

この基本的な動きを疎かにして、それぞれの競技独特の何かを身に付けようとするから、指導する側もされる側も、生まれつきとかセンスがないの一言で済まされてしまうのです。

これまで仕事をしてきた中で、またこうして自分の考え方を誰かに伝えることをライフワークにしようと決めてからも、楽しいことや大きな満足感、それは自己満足にすぎないものだったかもしれませんが、十分に感じさせてもらってきました。

それが今回、宮澤さんとの濃密な一週間のやり取りをさせてもらった中で、改めて自分の理論が正しかったこと、そして私の指導がただ伝えるという行為に終わらず、相手の心まで深く想像しながら、最も伝わりやすいというか、良い言葉ではないかもしれませんが、「駆け引き」というか、我ながら伝えるという行為が上手くなったなと実感することが出来ました。

私の理論は、すべての人を変化させられるものです、少しでも上手くなりたい、現状を打破したい、中途半端な気持ちではなく本気で向き合ってさえくれれば、必ず身に付けられるものだし、変えられるという自信を頂きました。

私の指導を受けた人が、私が出会うことのない誰かのために指導を行ってくれていますが、まだまだ指導を受ける側に切実さを感じることは少ないようです。

しかし、安易な方法論として伝えるのではなく、本質を正しく伝えるために、お互いにこれからも努力を続けて行きましょう。

中途半端な奴らは放っておけばいいのです。

宮澤さんの真剣な取り組みに改めて感謝します、そして、これからの成長と活躍を心から願っています、本当にありがとうございました。

お互いが真剣に向き合えば、ちゃんと伝わるものですね。

広島県も今日の雨で梅雨入り宣言されると思います。

雨もまたよし、晴れても降っても穏やかな気持ちで一日がスタートできたらいいですね。

一昨日の月曜日、福岡から個人指導を受けに来てくれた中学生のサッカー選手のお父さんから、コメントが届きましたので紹介させていただきます。

定休日にもかかわらず指導していただける時間をいただき、また、熱のこもった指導をしていただき、ありがとうございました。

限られた時間の中、体のことや動きに関する知識の乏しい中学1年生の息子に対しても、分かりやすい説明や見本を示していただき、私も一緒に体験することで、息子と一緒に動作を確認できるくらいの理解ができたのではないかと思います。

息子は体格的に恵まれている方ではありませんが、その小ささを活かせる動きを教えていただき、とても勇気づけられたように感じました。

「3年間努力を重ねていけば、必ず結果が出る」という言葉を、父子ともに励みにして、これからの成長を楽しみにしています。

正直なところ、色々な記事を拝見し、その指導に興味を持ちつつも、「こんな何物でもない普通の子どもに指導をお願いしていいのだろうか?」と尻込みしていた期間が長くありました。

今回、何物でもない息子に対しての真剣そのものの指導からは、「短い時間の中でもできる限りのことを身につけさせてあげたい」という配慮が感じられ、保護者として本当に有り難いことだと感じています。

かけていただいた熱意に応えられるよう日々の積み重ねを大切にしたいと思います。

本当にありがとうございました。

鎌倉左登志


初めてお会いする方、またお会いしたことのない方にとって、私のイメージはあまり良いものではないようです。

「良いものではない」という言い方は少し違うのかもしれません、これまで相手にしてきた対象が、一般の方から見れば少し遠い世界の人間たちというか、試合を観戦に行けばグランドの中にいる選手であり、テレビに映る彼らは、画面の中でしか見ることのできない存在です。

私はそういう選手たちを支え、さらに引き上げることを仕事としてきました。

私までそういう遠い存在だと思われたり、このブログに書き続けているように、どんなことに対しても安易な妥協をせず、自らの考えを深め続けている少し変わった人間だと思われていることでしょう。

私が自分の能力のすべてを総動員して向き合っていかなければならないという対象は、世間でいうプロスポーツ選手ではありません。

私にとって「プロ」と言える対象は、現状に満足することなく、選手として少しでも向上したいという気持ちを持ち続けている選手のことです。

現在プロというカテゴリーにいる選手の中には、現状に満足し、今持っている能力が自分のすべてで、その能力を発揮してここまで来た、そしてそれが自分の能力のすべてだという感覚にしか見えない選手がほとんどです。

本人がそれで良いというのなら、私がとやかく言う筋合いはありません、サッカーで言えば、Jリーガーであろうと、日本代表選手であろうと、海外のチームでプレーしていようと、私に言わせればまだまだそれぞれが持っている能力を出し尽くしていないというか、もっと出来るはずなのにと思ってしまいます。

それがアマチュアでプレーしている選手、学生や育成年代の選手たちを見れば、伝えたいこと知っておいて欲しいことがそれこそ山ほどあるのです。

そういう私の考え方に出会い、どんなレベルの選手であっても、現状から少しでも向上したい、私の指導を受けてみたいと心から思ってくれて、実際に行動を起こし、直接広島を訪れてくれたり、遠隔サポートを受けてくれる行動力を見せてくれる選手こそが私の求めるプロなのです。

NHKの番組で、「プロフェッショナル仕事の流儀」と言うのがあったと思いますが、どんなジャンルの人たちでも常に立ち止まることなく高みを目指している人たちです。
プロフェッショナルという言葉の定義も皆さん違いますが、それぞれに重みをもった言葉が語られていました。

私が自分自身をプロだと言える所以は、「私の能力を必要としてくれる人たちのために、自分のすべてを発揮してその信頼に応えること」で、自分の存在があると思っています。

ですから、私が自分の能力のすべてを発揮したいと思わせてくれる相手が、私にとってのプロフェッショナルなのです。
そういう意味ではいまだに「来る者拒まず」という訳にはいかないところもあります。

鎌倉さん父子も、まさにプロフェッショナル、私から少しでも多くのことを学ぼうと真剣に向き合ってくれました。

私も子供の頃体が小さく、その上本当にガリガリのやせぽっちでしたから、遺伝的に恵まれた体格の友達を羨ましく思い、自分の選手としての伸びしろに蓋をしてしまったと思います。

だからこそどんな選手にもチャンスはあるよと言うことを教えてあげたいのです。

山の頂上を極める方法はひとつではないということです。

ただその努力の方法というか道筋が正しいものでなければ、どんなに努力しても報われることはないでしょう。

その一つの方法論として、私が提唱しているのが体づくりではなく、人間の体の仕組みに沿った効率的な動きを身に付けようという「動きづくり」と言う概念を確立してきたのです。

短い時間と言っても結局4時間にも及びましたが、私が今持っているもののすべてを伝えられたと思います。

とはいっても一度の指導で、分かった出来たということではないことは当然です。

伝えたことを正しいと思っていただき、それを継続していくことで必ず成長できると思ってもらうところまでが私の仕事です。

後は「継続」あるのみです。

何年か後に色々な意味で成長した彼の姿を見せに来てほしいと思います、その時にはさらなる成長のための方策を授けたいと思います。

私に対する期待、私の考え方を受け入れるという覚悟、それがある人なら大歓迎です。

さて、3人目の遠隔サポートもいよいよ最終日となりました、私から提供できる資料はすべてお送りしました。

後はそれらを1週間という短い期間でしたが、毎日のやり取りで少しずつステップアップして行ったた体の使い方を、どうやって本当に身に付けて行ってもらうかという所まで来ました。

前回は対象が小学生と言うことで、お父さんを通じての指導でしたが、それでも私の想像以上に上手く伝わったと思います。

今回は29歳で社会人としてサッカーを続けている方だったので、私が与える課題に対する取り組みは真剣そのもので、やり取りもとても楽しいものでした。
こちらが投げかける言葉にも真剣に理解しようと努めてくれて、中身の濃い充実したやり取りが続きました。

当然その変化は大きく、遠隔サポートの可能性を私自身改めて感じさせてもらいました。

まだ終了したわけではありませんが、やり取りの中で印象的な言葉があったので、全体の感想を頂く前に紹介したいと思います。

「それにしても、この動き、膝の負担もそうですし、確実に一歩が速くなりますね。というか、見るからに、動きに無駄がなくキレがあります。自分が長年、一歩を速くするため等のためにやってきた様々なトレーニングがイマイチ効果を実感出来なかった訳が本当によくわかりました。」と言うものです。

どの動画を見てそう思ったのかなど詳しいことは言えませんが、どんなレベルの選手でも、この一歩目のスタートを速くしたいというのは、サッカ-に限らずどんなスポーツにも共通で切実な問題だと思います。

さらには、膝の痛みの原因が、まさに体の使い方にあったということにも気づいてくれました。

そのために古今東西様々なトレーニングが工夫されてきました。

しかし、この方が言うように、「いまいち効果を実感できなかった」というのが正直なところではないでしょうか。

持って生まれたものだとか、運動神経が鈍いとかセンスがないで片付けられてきた部分です。

それが今回の遠隔サポートという手法で、29歳にして「そういうことだったのか」と納得してもらえたのです。

私にとって当たり前の体の使い方が、多くの人と言うよりほとんどすべての人にとって今までとは違う感覚だけれど、知ってしまうと当たり前のことで、なぜ今までこういう体の使い方を教えてくれる人がいなかったのかと残念がられます。

まだまだ思いを発信し続け、真剣に向き合ってくれる人に対して少しでも正しく伝えられるように活動を続けて行かなければならないと思います。

先日も記事に書きましたが、久し振りに個人ではなく団体としての指導を依頼されました。

女子チームの指導は仕事として行ったわけではないので、本当の意味で私の指導を受けたいと依頼してくれた、「大阪府立大学サッカー部」の皆さんには本当に感謝しています。

まだ少し先の話にはなりますが、選手諸君はもちろん、監督やマネージャーすべての関係者に指導を受けて良かったと言ってもらえるよう、しっかり準備しておこうと思っています。

大学名を公にすることが、事後承諾になりましたが、快く許可してくれましたので、私の存在を絡めてサッカー部をアピールするお役に立つことが出来ればさらに嬉しいですね。

私に求められていること。

サンフレッチェ広島の敗戦を見届けて、改めてパソコンに向かっています。

思うところはたくさんありますが、現実として私に出来ることは何もないので、そのことを考えても仕方がないと思います。

私が考えていることをチームとして形にし、私自身が勝ち負けにまで結果責任を感じるレベルにまで高めておくためには、シーズンが始まる前のキャンプ、それ以前の自主練習の期間から指導を始めなければ間に合わないかもしれません。

広島に限らず、現状私の指導を必要としてくれている現場はありませんので、今私に求められていること、今私が誰かのために確実に影響力を行使できていることを行っていきたいと思います。

今この瞬間にも、私の力が必要だと思ってくれる現場からのオファーがあれば、どんな形であれ現状を打開する変化をもたらす自信があるというか、いつでも心の準備は出来ているつもりです。

しかし、今の私はこの3年半と言う期間の間に出会ったたくさんの人たちのお蔭で、そう言い切れる自信をつけさせてもらいました。

その方々が教えてくれたことを、自分の中で確実なものにしていく作業を行っている日々の生活が、これまで長くこの仕事をしてきましたが、一番楽しいと思うようになってきました。

私に求められているものは何か、それはなんといっても人間の体の仕組みを分かりやすく解き明かし、体の仕組みに沿った効率的な使い方という観点から、それぞれの人に合わせたきめ細かい指導をしてあげるということです。

体の痛みを訴える選手、動きの向上を望む選手、まったく別の問題だと思われる二つのことの改善するための方法が、実はまったく同じ根本原因に遡らなければならないということに気付いてくれる人が増えてきました。

サッカー選手に限りません、成績向上を目指す競輪や競艇という、これまであまり縁のなかったプロスポーツの選手も、縁あって私と出会い考え方に触れ、現実に体の6方向と言う概念を知り、伸筋重視のトレーニングを実践する中で、私の考え方は中途半端に取り組んでも意味はなく、逆に体の仕組みと言う基本の基本から学び理解していくと、本当の意味での向上という感覚を得ることが出来るようになります。

現在進行形の遠隔サポートを受けているサッカー選手や、少し前に受けてくれた小学生のサッカー選手とそのお父さんも、確実に体に対する意識が変わりました。

膝が痛いから自分の思ったような動きが出来ないではなく、なぜ膝が痛くなるのか、どうすればそうならなかったのか、目先の結果ではなく地に足を付けた取り組みが出来るようになっていきます。

痛みの原因の三要素、①体の仕組みに沿った動きができていない②そのレベルに見合う基礎体力が備わっていない③それらを身に付けてなお大きな負担を強いられるオーバートレーニングを行っている、と何度も言い続けていますが、スポーツの現場が、①の体の仕組みに沿ったという部分をあまりにも疎かにしていると思います。

私に求められているのはまさにこの①の部分です。

遠方から個人指導を受けに来てくれる選手、遠隔サポートを受けてくれる選手、西本塾で二日間しっかり学ぼうとしてくれる人たち、みんなこの部分を知りたいと思って来てくれているのです。

プロの選手だから、そんなことは当然できているはず、ではありません。

かれらこそ、これまでの固定概念の中で鍛錬を繰り返し、相対的な評価として現在のポジションを勝ち得てきただけです。

まだまだ伸びしろというか、改善できる部分はたくさんあるのです。

しかし、目先の結果や現状の自分に満足してというか、大きな変化を望まない選手が多いようです。

私に言わせればもったいない話です。

それがこれから高みを目指そうという育成年代の選手が、現実には本人ではなく保護者の方と言うことになるのですが、私の考えを知り、今のうちにこの考え方や体の使い方に触れておくことは、これからの成長にきっと役に立つはずだと考えてくれる人が増えてきました。

明日の月曜日は定休日ですが、福岡の中学生が、そういう目的で指導を受けに来てくれることになっています。

特別に受け入れるという返事をしてありますので、午前中しっかり指導させてもらう予定です。

サッカーであれば、子供の頃の評価はボール扱いが上手い選手が、イコール能力の高い選手と思われることが多いと思います。

確かに一面そういう部分は否定しませんが、そういう能力の高い選手、具体的にはリフティングやドリブルと言うことになるでしょうか、そんな選手はそこらじゅうにいるはずです、加えて体格の大きな選手やスピードの速い選手が将来を期待される選手と言うことになるでしょう。

本当にそうでしょうか、サッカーは本来体の接触を伴うコンタクトスポーツです、フリーでボールを扱う技術をそのまま生かせる局面の方が少ないはずです。

そうしたプレッシャーの中、持っている技術を発揮するために必要な能力こそが、私が提唱する「体を扱う技術」です。

自分の体を自分の思ったように動かす、相手との接触の際に最も効率的な力の発揮の仕方を知っていてそれが実際に出来る、ボールを扱う以前に身に付けておかなければならない体を扱うという技術、その部分がこれまで抜け落ちていると思うのです。

しかし、これを理解させるためには、ある程度の年齢と体が出来ていることが条件となります。

小学生くらいだと、まだまだボールを扱う技術の方に気持ちが向くのは当然のことです。

個人差はありますが、それだけでは通用しないと感じ始める頃が運命の分かれ道だと思います。

体格差を言い訳にしたり、正しい体の使い方を知らないままに頑張りすぎて故障をしてしまったり、何をどうして良いのか分からないままに目標を失ってしまう選手がほとんどだと思います。

そういう選手たちが私の考え方に出会い、自分もまだ成長できるかもしれないと指導を依頼されることが増えてきました。

大きな組織の仕事にももちろん魅力はあります、私の考えていることの正しさを広く知らしめるためには、手っ取り早い方法かもしれません。

しかしすでに私の考え方は間違っていない、進むべき方向を見いだせないまま苦悩している選手たちを救えることは、過去現在に至るまで私自身が一点の曇りもなく正しいと言い切っていることなのです。

今さら証明云々ではなく、信頼して指導を受けてくれる人たちのために役に立て行けばいいだけのことなのです。

余計なことに労力を費やしている場合ではないのです、今現在私の力を必要としてくれている人たちがたくさんいるのですから。

明日は中学生相手に、私自身が体を動かし、「なるほどそういうことか、自分もこういう動きが出来るようになりたい」、と思ってもらえるような動きを見せなければなりません。

準備はしてあります、しっかり頑張ります!


プロフィール

Author:西本 直
1993年、Jリーグサンフレッチェ広島を皮切りに、社会人野球三菱重工広島・協和発酵・ヴィッセル神戸・川崎フロンターレ、そして広島カープ佐々岡真司投手など、プロアマ問わず競技レベルのスポーツ選手から一般の方まで、トレーニングやメンテナンスの指導を行ってきました。
その経験と知識の蓄積を「西本理論」としてまとめ、一人でも多くの方に実践していただくことが、これからの私の使命であると信じ、このブログから発信していきます。
私の理論はスポーツ選手のみを対象としたものではなく、ビジネスマンや家庭の主婦まで老若男女すべてに当てはまる不変のものです。
指導や講演のご依頼も受け付けています。
実名でツイッターも書いていますので、チェックしてみてください。
また、2013年9月9日にConditioning Studio 操をオープンしました。こちらもご覧ください。
また、遠隔地にお住まいの方を対象とした動き分析とアドバイスを行っています。
詳細は「スタジオ操」のホームページ内の「遠隔サポート」をご覧ください。
今年2回目の西本塾を8月26・27の土日に開催を予定しています。
詳細はstudio操のホームページ内の「講習会情報」をご覧ください。
なお、今回も参加者が5名に満たない場合は開催しません。
9月10日には深める会も予定しています。

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