状況に応じたスピードと動きを両立した走るという行為の体の使い方。

今週、3月まで「西本塾夜間トレーニング部」に通ってきてくれていた、サッカー兄妹のお兄ちゃんH君が、大学の休を利用して帰省したことに合わせ、トレーニングに来てくれています。

妹のA子ちゃんもそうでしたが、せっかくの短い休みなのに、そのほとんど毎日をトレーニングに当てるという、私からしたら考えられないような真面目な兄妹です。

A子ちゃんは高校生になったばかりで、休みの期間にトレーニングすることでライバルに差をつけようという高い意識が見えました。
学校では器具を使ったトレーニングができないので、持たせてあったゴムの道具を使って、教えたやり方でずっと継続してくれていたようで、数ヶ月のブランクを全く感じさせない動きと筋力を見せてくれました。

H君の進んだ大学には最新の器具が豊富に揃ったトレーニングルームがあるようで、環境は素晴らしいそうです。
大学にはトレーニングを専門に指導するコーチがいて、私とは真逆の体づくりを優先したトレーニングを強制されて、せっかく身に付けたしなやかな身のこなしに、悪影響があるのではと心配していましたが、時間や曜日等は決められているものの、やり方に関しては細かい指導を受けることはないということで、その部分に関しては安心しました。

二人とも将来に向けて大きな目標があるので、そのためには何をしなければならないかということの方法論に、私の考えを最優先して取り組んでいるので、これから先どんな成長を見せてくれるのかとても楽しみにしています。

残念なのは彼らの実際にプレーしている姿を見られないことです。
しかし昨年の10月からの半年間、トレーニングに通ってくれている間にも、指導している人間の持って生まれた能力を効率的に発揮できるようになるための、体づくりではない動きづくりのためのトレーニングに真剣に取り組んでくれ、「落下・捻転・重心移動」という、最も基本的な能力をどんどん身に付けてくれていました。

その動きを基本として、実際にプレーしていく中で、こういうシーンではどうやったらいいのかという、まさにプレーヤーでなければ感じることのない感覚を、たくさん投げかけてくれました。

私が答えることができたのは、それらは全て基本となる動きの応用でしかないからです。

そうは言いながら、その疑問点は動画を見ているだけの私には、気付き難いものでした。

次々とそういう質問に答えていくことで、私自身の応用力は格段に高まり、平面でしか見られない動画の画面からも、新たな気づきが得られるようになりました。

教えているつもりが、まさに教えてもらっていたということです。

この半年間試合に出続けたことで、私から学んだことが実際のプレーに有用であることに自信を持ってくれたと思いますが、今回まず最初に質問されたことは、これまで一番難しい動きだと言っている「アイドリング状態から前に動き出す」という動作です。

もちろん基本としている3歩目にはトップスピードになっていることを目標にすることや、ある程度の距離をまっすぐ走らなければならないことが事前に判断できていてスタートを切るときには、上半身の前傾を維持し、加速距離を長くとるという体の使い方はマスターしています。

今回質問されたのは、もっと短い距離、5mから10mくらいでしょうか、その距離を挟んだ相手に向かっていく時、どのタイミングで前傾を解くかという問題です。

前傾したままの方が加速はしやすく、目的の場所まで到達する時間は短いのですが、その姿勢のままでは相手の次の動作に対応しずらくなります。

それに対して私の答えはこうです。

サッカーのプレー中はポジションにもよるのでしょうが、この短い距離をいかに速く走り、なおかつ相手の動きに対応したり、ボールを止める蹴るというもっとも重要な動作が行えなければなりません。

そのためには、たんに前傾を深くして落下捻転という二つの要素を組み合わせるのではなく、前傾は最小限にとどめ、骨盤・股関節と肩甲骨・肩関節の捻転を最大限に使って、骨盤から背骨の捻転動作を、いかに素早くそして力強く行うかという意識が必要となる、というのが答えでした。

細かく言うと、外見的には肩を前後に振っている動作ですが、重心移動でどちらかの足が体を支えるために地面に着地した足と、対角線となる逆側の肩を引き戻すこで起こる捻転という動作を繰り返すことになるわけですが、短い距離を速くとなった時には、前傾を最低限とすることで、肩の前方への振り出しも少なくなったわけですから、前ではなく肩甲骨を背骨に向かって引っ張る動作に集中することで、逆側の肩と肩甲骨の動きは自然に任せ、とにかく後方に引っ張ることを意識の中心とした動かし方が求められます。

この動きによって、瞬間的な方向転換も、ストップではない「アイドリングステイ」という状態にも無理なく移行することができます。

もちろんH君のように、基本動作がきちんとできている選手に対してのアドバイスであることは当然のことで、いきなりこの体の使い方を行おうとしてもできるはずがありません。

この捻転動作の元となっているのが、やはり「アイドリング」と名付けた動作そのものなのです。

「アイドリングを疎かにしてはいけませんよ、アイドリングが全ての動きの基本ですから」と、何度も言い続けていますが、ここでもまた同じことを言わなければなりません。

知らない人には当然できるはずがありませんが、一度学んだだけで、そんなの知っているとか、やったことはあるけど続けてはいないというレベルでは、本当の意味で体が自然に動いてくれることはありません。

その前段として器具を使った「伸kingトレーニング」を継続する必要もあるし、器具がない環境であれば「FBT」はさらに重要度を増すのです。

「背中を使えるようにする、背骨を操る」、色々な言い方をしていますが、人間が動くという現象は、やはり「骨盤から背骨を6方向へ動かす」という、人間に与えられた最も基本的で最も応用力のある能力を、効率的に発揮できるように準備しておくということが一番大事なことであると、改めて感じることになりました。

こういうことを気付かせてくれることも、関係が継続している選手だからこそです。
これからももっとたくさんの疑問が湧いてきて、私の中から答えを引き出してくれると思います。

先日指導させてもらった「大阪府立大学サッカー部」の選手たちも、一度の指導でしたから、今まで知らなかった新たな発見がたくさあって、大きな刺激を受けてくれたことだと思いますが、H君以上に疑問点が沢山湧いてきて、もっと聞きたいことがあるとか、学び足りないことが沢山あると思ってくれている選手がいると思います。

現実的に直接指導のチャンスはないかもしれませんが、彼らにもさらに成長してもらえるように、関係は続けていきたいと思っています。
彼らの戦うリーグも後期が開幕し、初戦は逆転で勝利したとの連絡がありました。
さらに戦いは続きますが、是非学んだことを活かして、勝ち続けて欲しいと思います。

短期間でもたった1日でも、本当に学びたいという気持ちがあれば、どんなレベルの選手であっても、必ず吸収して成長の糧にしてもらうことができると信じています。

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『5』の状態を知り『5』の状態を使いこなすために。

3・5・7理論をを思いついたのは、筋肉の最小単位である「アクチン繊維」と「ミオシン繊維」が、筋肉の収縮によってどういう状態にあるかを模式図化することで、理解しやすくするためのものでした。

一般的に考えられている筋力を発揮している状態は、アクチン繊維とミオシン繊維が、まさに『3』の収縮方向に重なり合っている状態です。

それぞれが個人が持っている筋肉を収縮させる能力をさらに高めようと努力する行為が、筋力トレーニング、いわゆる筋トレと呼ばれているものです。

そして、その最大収縮の状態にどれだけ早く到達できるかが「瞬発力」であり、その収縮をいかに長く保てるかという能力が、「筋持久力」ということになります。

『3』と『7』という、最大収縮と最大伸長は、個人の遺伝的能力であり、関節の可動域も含めて、持って生まれた能力を最大限に発揮できるようにすることに他なりません。

3・5・7理論では、関節の可動域や筋肉が腱と言う組織に移行して骨に付着していることに着目し、どれだけ努力をしてもそれを超えることは出来ないと定義しています。

そんなはずはない、筋トレを継続すれば一般の人からは想像もつかない筋力や筋肥大という効果を得ることが出来るという反論があるでしょうが、逆にこの事実こそが、人間は大きな可能性を秘めている動物であることを証明しています。

しかし、現代社会において、筋肉の肥大や筋出力の増大を必要としている人間は限られた存在です。

そのために行われる筋トレは、自己の能力の限界を超えるような重量と回数をこなすことで、筋肉に大きな負荷をかけます。

『3』という概念を超え、それ以上に収縮させているかのようですが、これまで説明してきたとおり、心理的な抑制は超えられても、生理的な抑制を超えることは出来ません、それはイコール筋肉組織の破壊ケガを意味しますから。

私が語らなければならないのは、こうした現実に背を向けるように過度な負荷をかけ「体づくりを」優先するトレーニングではなく、それぞれのスポーツにおける競技動作を、より効率的に行えるようにするかを目的とした『動きづくり』のトレーニング理論です。

前回に続いて3・5・7理論を机上の空論で終わらせないためには、これから説明することが最も重要なことになります。

それは『5』と定義している、アクチン繊維とミオシン繊維が、収縮も伸展もしていないニュートラルな状態をどう感じ取れるかという問題です。

心の部分で言えば『平常心』ということになるでしょうか。

この言葉こそ抽象的で、何を持って平常心なのか客観的に数値化することは難しいと思います。

筋肉の繊維は、収縮の限界である『3』という単位から、拮抗する筋肉が最大限に伸展する『7』という単位の間を行ったり来たりします。

それぞれの方向へ動いていることは当然意識できるのですが、ではどの瞬間がニュートラルポジションである『5』なのかは、私も含めだれ一人として正確に認識することは出来ないと思います。

それでもなおかつ『5』の状態が最も重要であるというのはどうしてなのか、もう少し話を続けなければなりません。

結論から言うと『5』という状態を定義することは不可能なのです。

ここまで言っておいてそれはないだろうなのですが、そうとしか言いようがありません。

しいて言えば、『3』の収縮方向へ向かわせている意識はなく、かと言って『7』の方向へ伸展させられている意識もないという感じでしょうか。

しかし、『5』という概念を持っておらず、常に『3』に近づいた状態であったとしたら、いざ『3』の方向へ収縮させようとしても、その幅が小さくなってしまうことになります。

筋力はどれだけ縮めたかが決め手となりますから、5-3=2が最大とすれば、4.5-3=1.5で、その差は0.5も開いてしまうことになります。

少しでも収縮方向にあった筋肉は、一度その緊張を解いてあげなければ、再度の収縮が出来ないため、予備動作が必要となります。

2mという短い距離でどちらが速いかという競争をさせると、このことがはっきり分かります。

一歩でも速く前に足を出したいという気持ちが、結果として地面を強く蹴るために後ろに足を運び、やっと3歩目で元の位置から前に足が出るという現象が起こります。

これが「居着く」と呼んでいる体の反応です。

「居着く」「力む」と置き換えても良いでしょう、その結果として自分の意志とは反対に速く体を前方向へ移動できないことに納得がいかず、同じことを繰り返しても、その体の反応は強まるばかりです。

そうならないためにはどうすれば良いのかということの答えが、『5』を静止した状態だと捉えずに、『5』は揺らぎの状態だと思うことです。

その揺れ方が大問題で、たんに体を揺さぶっているのではなく、股関節を起点として骨盤を縦に揺らし、それが全身に波及しているという感覚を掴むことです。

この感覚こそが、『アイドリング』であり、『アイドリングステイ』と名付けた体の状態なのです。

バケツの水をまったく揺らすことなく、遠くに撒くことは出来ません。

小さな揺れを感じながら、一気に大きな揺れとして水を撒くのです。

この動きはどんな競技にも共通して必要なものだと思います。

『5』が、静止した状態ではなく揺らぎの中にあることが分かれば、いわゆる力むという状況は回避できると思います。

また余談ですが、プレー中にガムをかまないと緊張してしまうからと、日本人としてはあまり褒められたことではない行動でしか、その状況を作れないと開き直っている選手もいます。

私個人としては、ガムや紙巻きたばこの類を使って緊張を押さえたり、次の動作へスムーズに移行する準備をしているのなら、この揺らぎの『5』を自分の意志で使いこなせるようになることで、自分の能力の最大限の動きを、どんな状況の中でも発揮して欲しいと思います。

『落下・捻転・重心移動』による瞬時の移動も、すべては正しいアイドリングによる、揺らぎの中の『5』の状態が、いつでも準備できているからこそなのです。

3・5・7理論を実用的に使いこなすためには、その幅を広げることや滑らかに滑り込ませることはもちろんのこと、自分にとっての揺らぎの『5』を常に準備できていると自信を持って思えることです。

その状態を長く保てることが、サッカーで言えば90分間、頭と体を動かし続けられる条件であり、一歩目の動き出しを速くし、余裕を持ってプレーできることで、足が止まるという状況に陥らない秘訣でもあると思います。

文字で書くのは難しいですが、『5』ではなく、『~5~』のような感じでしょうか。

どんなスポーツでも、静止しているように見えて実は揺らいでいるのが本当に次の動作に素早く移行できる秘訣ではないでしょうか。

30年も前の解剖学の講義中に、ひらめきで思いついた3・5・7理論ですが、揺らぎの『5』という概念にやっとたどり着いたかなという気持ちです。

『3・5・7理論』を理論で終わらせないために。

台風が近づき、雨の日曜日となっています。

20代後半、会社員として働きながら鍼灸専門学校の夜間部に通い資格取得のために勉強をしていました。

1年次は、解剖学や生理学といった基礎医学の科目に多くの時間を割かれていました。

今一番役に立っているのはその部分だと思います。

そういう科目を教えてくださっていたのは、現役で医学部の教授として研究をされている方でした。

解剖学といっても、筋肉の起始や停止、関節の運動方向や可動域といった、いわゆる国家試験対策のような内容がほとんどで、私にとってはあまり興味深いものではありませんでした。

それが、筋肉そのものの構造を学ぶ際、筋肉の本質は筋原線維というミクロン(1000分の1ミリ)単位の繊維の束で構成されていて、その一本一本の繊維の中の構造が、アクチン繊維とミオシン繊維が重なり合うことが筋肉の収縮であり、その営みこそが我々人間の骨格を動かしていることに他ならないという話を聞いたとき、なるほどそういうことかと先生のお話に引き込まれていったことを覚えています。

まだまだ勉強し始めたばかりでしたが、このことを分かりやすく説明することができないと、これから私が進んで行こうとするスポーツの分野で、本当の意味で選手たちに体の仕組みを理解させることが出来ないと思いました。

90分の授業が休憩をはさんで2コマ続いたと思いますが、1コマ目でその話を聞いてから、その後の話があまり聞こえてこなかったように思います。

そしてほとんどその場で、今の私の考え方の基本となっている『3・5・7理論』と名付けたものの原型を思いつきました、もう30年も前のことです。

『体づくりから動きづくりへ』という、トレーニングに対する根本的な発想の転換も、この3・5・7理論なくして思いつくこともなかったと思います。

いわゆるトレーニングの発想は、私の理論によると収縮の限界値である『3』の方向へどれだけ近付けるかがトレーニングの目的となっています。

『7』という概念は、関節の運動において拮抗筋として働きあう筋肉の一方が収縮した時、他方がそのことによって他動的に引き伸ばされることを意味しています。

筋肉は脳が運動を意図した時、神経を介して電気信号を筋肉に送り、それを筋肉の受容体が受け取った時に、アクチンとミオシンが重なり合うように収縮することが出来るのであって、自らが伸展するという動きは出来ません。

しかし、一方が収縮すれば、他方は伸展する以外にないのですから、伸展している状態というものをしっかり感じ取っておかなければ、急激かつ強力な収縮活動に対応できないのではないかと考えました。

しかし、いわゆるストレッチという状態は、他方の収縮活動に関係なく、その筋繊維自体を無理やり伸展させようというのですから、筋肉にとってはまったく想定外の伸展動作であり、筋繊維がそれを喜んで受け入れてくれるとは思えません。

だからストレッチと言う行為をしても、体が柔らかくならないと思う人が多いのです。

体を柔らかくするためには、たんに『7』の方向へ引き伸ばすことでは獲得できません。

このことはトレーニング器具を使って実際に体験してもらい、更には二人組で器具を使わないやり方も指導しています。

『動きづくりのトレーニング』という言い方はあまりにも抽象的で、文字や言葉で説明しても、動画も見せたとしても、おそらくは理解することは出来ないでしょう。

そのすべてを直接説明し、体で実感してもらう以外に伝えることも理解してもらうことも出来ないと思います。

深める会や個人指導に何度も参加してくれている神戸の竹内さんのような方でも、3・5・7理論を第三者に正確に伝えることは難しいと思います。

それはたんに3・5・7理論がどういうものであるかという問題ではなく、それをどう応用するかという問題が明確にならなければ、動作に結びつけることが出来ないからです。

そのために彼は、まず自分の体でそれを表現できるようにならなければと、何度も足を運んでくれているのです。

例えば、ラットプルダウンという広背筋を主に収縮させることが目的の器具を使って運動をする際、外見上私よりはるかに筋力がありそうな体をしている竹内さんが、私と同じ重さで運動しようとしたとき、明らかに私より重たそうに見えます。

それは単純に私の方が筋力があるということではないということに気付いてほしいのです。

そういう意味では、私の現在の177cm65㎏という細身の体格は、それを見せるにはもってこいかもしれません。

もし私が筋肉隆々で、いかにもパワフルな体をしていたとしたら、重たいものを持てて当然としか思ってもらえないかもしれませんから。

ある運動方向に対して、スタートポジションからフィニッシュの位置まで、どういう意識で骨格を動かすかが求められた時、体全体の筋肉がその目的のために必要最低限な収縮で連動しているからこそ、外見として楽そうに見えるのです。

それがこの動きはこの筋肉が主役でなければならないという思い込み固定概念が、他の筋肉の協力を拒みムキになって働くことで、本来からだ全体が持っている力を効率的に発揮することが出来なくしてしまいます。

スポーツ動作において最も大事なことは、私が技術という言葉を定義している、『自らが意図する筋肉の収縮活動を、反復継続して行うことのできる能力』という意味を全うできることです。

その中の『意図する』と言う部分と、『反復継続』と言う部分がキーワードで、それを可能とする意味でも、骨格・関節の角度変化という目的に対して、必要以上に筋繊維を収縮をさせることは、絶対に避けなければならないことです。

トレーニングの目的は動きづくり、そのことを具体的にイメージしやすくするために、この運動に求められている骨格の角度変化に必要な筋の収縮度合いは、『3』と言う収縮方向に向かってどれくらいかということを正確に感じ取らなければなりません。

だから扱う重量はそれを感じられる重量でなければならないと言っているのです。

そして、現状収縮させられる最大限の『3』という方向性を感じる必要があるため、軽すぎてもその目的を達することが出来ません。

3・5・7の間をいかにスムーズに行き来できるか、それを全身の筋肉が協力し合える状態のことを『運動神経が良い人』、『センスを感じる選手』、『キレのある動きが出来る選手』と呼ぶのではないでしょうか。

『3』と『7』の間を動かすという概念は、なんとなく理解できたような気もするが、『5』と言う収縮も伸展も何もしていない状態はどういう状態なのか、これが一番難しい問題です。

長くなったので、今日はここまで、続きはまた今度書きます。

広島地方、台風の影響で雨脚が強くなっています。

カープの地元優勝をかけた試合も、残念ながら中止となったようです。

昨日のサンフレッチェは、難敵セレッソ大阪に1対0と辛勝し、とりあえずJ2への降格ラインを超えました。

こうして私が日々考え続けている体の使い方を、トップレベルのスポーツ選手、とくにサッカー選手が真剣に取り組んでくれたら、どんな変化を見せてくれるのか、想像するだけでも楽しいです。

先日指導する機会を与えてくれた『大阪府立大学サッカー部』の選手たちには、是非学んでくれたことを反復継続して、チームとしての成績はもちろんのこと、一人のサッカー選手として成長して欲しいと思います。

具体的に誰に頼まれたとかいうことではありませんが、私が考え続けていることがいつか実を結んでくれる日が来ると信じています。

それを形に残していくのが私の使命だと思っています。

私の理論と技術を継承してくれる智志の為にも頑張り続けます。

お互いを深め、深められる良い時間を過ごしました。

ツイッターで話題にした競輪選手のこと、正直こんな選手がまだいたのかと驚くとともに、私も負けていられないと強く思いました。

私が初めて広島に来て、サッカーがプロと言う組織に変わった時の選手たちは、みんな同じように必死でした。

今でもそんな選手が多いのだとばかり思ってしまったことが、少し違うことに気付かされましたが、改めてこんな選手に関わり、真剣に向き合うことが出来ることに、この仕事をしてきて良かったと感じさせてもらいました。

さて、私の考え方や、実際に行ってきた方法論は、まさに私一代限りのもので、弟子を育成するとかいう以前の問題として、私のやっていることを誰かに伝えるなどということはできないと、自分の中でそう思い込んでいました。

それが4年前から、人に伝えることをやってみようという気持ちになり、自分のやってきたことを整理しつつ、更に試行錯誤を続けています。

私の学びの原点というか、目指すべき方向性を教えてくれるのは、誰でもない私を信頼してくれる選手や、体の悩みを改善して欲しいと、目の前に対峙する人間の体そのものです。

教科書的セオリーや固定概念の中にその答えはありません。

どうすれば選手の動きを改善できるか、痛みに対処できるか、まさに無から有を生むような、雲をつかむような試行錯誤の毎日でした。

それでもその時その瞬間、自分なりのベストを尽くし、納得できる結果を残してきたつもりです。

ただその過程をどうやって人に伝えるかという問題に関しては、私にとってこれ以上難しい問題はありませんでした。

ある意味そこを避けて通りたかったというか、正面から向き合いたくなかっただけなのかもしれません。

そんなことを考えている暇があったら、今、目の前にいる選手や一般の方に対して、もっと良い何かがあるかもしれないと考えることの方が、私にとっては重要な問題でしたから。

それがこの4年間に、西本塾を受講してくれた人の数だけでも160人を超えました。

その後学んだことをどう活かしてくれているのかは、正直分かりません。

私から学んだことを広める活動をしてくれている人もいると思いますが、本当に私の思いを正しく受け止め、実技の部分も含め正確に伝えてくれているのか不安な部分もあります。

当初から言っているように、何回受講したから修了証を出しますとか、西本理論の正式な指導者として認定しますというようなことも行っていません。

私自身の考え方が、試行錯誤の中で変化し、進化し続けていると感じている限り、ここまで理解してくれたから大丈夫ですということにはならないからです。

ですから、『深める会』という形をとって、学び続けてくれる人たちに対して、私自身の最新の考え方や新たに気付いた部分を伝え続けてきました。

しかしその参加者も回を追って少なくなってきました。

もちろんそれぞれに考えがあって、それぞれの立場で仕事をしているのですから、いつまでも私から学んだことだけにこだわってはいられないことは分かります。

私の西本塾を受講したことも、多くの講習会の一つにすぎなかったのだと思います。

おそらく、そういう人がほとんどだと思ったから、人に教えるという行為をしてこなかったのかもしれません。

本当の意味で私が安心してこの人ならという人材を育成することなど出来ないのかもしれません。

そんな中、今年に入って、今回紹介する『神戸の竹内』さんと、『香川の長尾』さんが、定期的に個人指導の形で、それぞれ目標を持って西本理論を深めるために通って来てくれるようになりました。

竹内さんの場合は、私の指導を受けることを所属する会社が認めてくれ、経費を負担し出張扱いで広島に来ることが出来るという、他の人にはない待遇を受けていますので、毎回、何かを掴んで帰らなければならないというプレッシャーはあると思いますが、組織として私の考えを取り入れてくれるというのは有難いことです。

個人指導の形をとれば、当然それぞれの問題点を詳しく修正していくことは可能です。

しかし、自分自身の成長とともに、誰かに伝える立場として考えた時に、すべてを私に依存してしまうようになりつつある、聞けばなんでも答えてくれる相手が出来てしまうことに、私自身懸念を抱いていました。

そして毎回の成長は感じながらも、内面というか今回の指導から新たに何を学び取って、それをどう活かそうとしているのか、また新たな気づきや問題点はなかったのかなど、これがスポーツ選手を相手に指導しているのでしたら、すべて私が考えて方向性を決めて行けばよいのですが、彼らはそういう立場ではないのです。

私がこうして文字を書き連ねているのも、常に今の時点での自分の考えを整理しておくためです。

日本人特有なのでしょうか、「言わなくても分かってくれる」の文化では正しく伝わって行くことはありません。

そのことを今回二人に話をし、きちんと文字に起こしてくれることを求めました。

そして送られてきたのが、以下の文章です。

西本塾深める会を受講して

いつもお世話になっております。初めて西本塾に参加させて頂いたのが第8回の2014年でそれから3年が経ちました。
この3年間は自分にとって大きな変化が多くありました。今では3年前と全く違う動きが出来るようになっていると感じます。

西本先生の考え方については、既にブログの中で多く出てきているので読み返す事が1番だと思いますが、常に「3•5•7理論」を意識して動作をする事が大切だと思います。

その中でも、普段の状態(リラックスした状態、次の動きの為の準備段階)ではいかに『5』 に近い所でいるかが鍵となってきます。

『5』 の状態を維持しながら動作を行う事により、よりスムーズに無駄な力いらずで動作が出来るようになると自分で動作をしながら感じています。

今回の深める会では、既に何度も通われている長尾さんとご一緒に参加する事ができ、一つ一つの動作を整理しながら、西本先生が指導する様子やお互いで動作確認を行いながら、時間を過ごす事が出来たのが1番良かったと思います。

伸筋優位で動作を行う為には、ただ単に背中(広背筋)を使う(意識する)だけでは足りません。

どのようにしたら楽に動かせることが出来るかを考えながら、その動作を繰り返して行う必要もあります。

そして、一つ一つの骨の動き(6方向)を意識しながら、その繋がりを利用する事も重要となってきます。

広背筋を意識するだけでは、背中を常に反ったような状態でなる事が多いので、先に述べた『5』の状態ではなく『3』に近い状態になり、動きの遊びがなくなり動きが硬くなってしまいます。

この状態を感じられるようになった今は、西本塾に参加される多くの方が気になっている、どのような方法で身に付ける事が出来るかといった枝葉の問題は気にする事が少なくなってきました。

動かす事に必要なことを一つ一つ丁寧に実施していくことで、考え方がクリアになり、動作も自然な動きに近づけるようになってきました。

幹の部分を意識して実施する事が大切で、ようやくこの部分が私自身の中に浸透してきたと思います。

今回の深める会のトレーニングの中では、マシンを使ってのウォーミングアップ(伸kingトレーニング)で、多方向から一つずつ伸筋に刺激を入れていく事で、段々と準備が出来てきて、スクワットやデッドリフトの動き、ランジの動きをする際には伸筋を使う為の良い状態に出来上がっていく感じも得る事が出来たと思います。

そのおかげで、走りのトレーニングの際はスムーズに体を動かす事も出来、西本先生の理想の動きに近付けるようになってきたと感じています。

その際にも『5』 の状態を意識し、頑張り過ぎないように反った猫背の姿勢から、スピードの変化を楽しんでいました。

腕の振り方はどうとか、足のどの部分から着地すれば良いのかといった事を以前は考えて走っていましたが、それも今はなく、動きの一つ一つの流れに身を任せるような状態で走っています。

それが私が進歩できた理由の一つだと思います。

継続して西本先生に刺激を入れて頂いているおかげで、動作について記載しているブログの内容もイメージしやすいものも多く、このイメージを西本先生のように多くの方に還元していきたいと思います。

会の最後は、からだほわっとや体のケアの方法についても復習を行い、自分が気持ち良いと感じる動作をしながら行うことで、直前まで硬さのあった体が緩んでいるのを実感する事ができました。

それこそが常に『5』 の状態でリラックスしたかたち(体も心も)でいるからだと思います。

『5』の状態から、ゆっくりと『3』に近づいたり、反対の『7』に近づくことで、自然とからだの硬さも取れてきます。

常に過度にストレスのかからない状態を維持する事がコンディションを高めたり、動作をよりスムーズに実施するための秘訣だと思います。

そして動作をスムーズにする為には、ひたすら反復して身に付ける他はないと思います。

これからもさらに反復継続し、更なる動作の獲得、そして関わる方に対してしっかりと伝えていこうと思います。

深める会は1日開催で、西本先生のお体にも負担がかかるものですが、そのおかげでより密度の高い1日を過ごす事が出来たと思います。
毎度、パワーに圧倒されますが、大変お世話になりました。

ご一緒に時間を共有させて頂いた長尾さんも、ありがとうございました。

今後も引き続き宜しくお願い致します。

竹内健太朗

しっかりした感想をありがとうございました。

初めて西本塾に参加してくれてから3年、竹内さんは私からの学びが、仕事に直接活かせると真剣に学び続けてくれています。

一度だけの参加や、その後自己流で行っている人、また多くの講習会の一つとしてしかとらえていないであろう参加者の人たちには、到底理解することが出来ない領域に達してくれています。

それでも私は、実技に関しては一定レベルに達していることは認めますが、西本理論を完全に理解してくれているかという部分に関しては及第点を与えていません。

それは深める会に参加する者として、私の考えを広めてくれる人間としての立ち居振る舞いに関することも含めてのことです。

そんなことを言われる筋合いはない、という所まで要求しています。

それは伝える側になった時に分かるはずです。

書いてくれた内容に関しては、よくここまでになってくれたと思います。

現在竹内さんは29歳、私がこの仕事を専業としたのは32歳、彼が本気で人間の体と向き合うことを続けてくれれば、3年後私が始めた歳になった時点で、その時点の私を超えていることは間違いありません。

続いて長尾さんからの感想です。

西本先生へ
先日は深める会でのご指導本当にありがとうございました。

今回は時期的に涼しく、天気にも恵まれたおかげで身体を動かすには絶好の日和でした。
いつも言わせていただいてますが、私は西本先生のもとを訪れる度に自分が今まで取りこぼしいた発想や、新しい気づきを得ることができています。

今回の深める会でも私はとても大切な気づきを得ることができました。
それは私はいまだにカタチを意識しすぎているということです。
身体を動かす中で背中(伸筋)への意識は重要ですが、一番大切なのはいかに全身を連動させるかということを意識していましたが、それでも背中のカタチや走る時にはこうしないとという意識が取りきれず、反りすぎた背中をつくってしまい、それにより肩の動きが制限され、股関節の自由度も減ってしまうなど1つの凝り固まりが二次的、三次的な弊害を生み連動を阻害してしまっていました。

自分ではそのような意識でトレーニングも行なっていませんし、1つの異常が全身に及ぶことはもちろんイメージ出来ていましたがそれでも間違ったカタチに出来上がっていました。
西本先生がおっしゃっていた「身体が固い人は頭も固い」というのは今の私にピッタリだと思います。(笑)

ですが、私が今現在そのような状態に陥っているということに気づけたのは、私一人で西本先生と向かい合って指導を受けているのではなく、竹内さんという第三者と一緒に受けられたことが大きな要因でもあると思います。

私は今年に入ってから西本先生のもとで個人指導を定期的に受けてきましたが、深める会のように第三者を加えて「人の身体とは」「連動とは」を探求して行ける場があると、個人指導とはまた別の視点も生まれますし、西本先生が自分とは別の方の指導をしているところも見られたりと、普段とはまた違った学びの場となるので大変貴重な時間となりました。

さらに今回は走りに特化した会だと思っていたのですが、スイングやピッチングや施術など私が個人指導で受けている部分にも時間を割いてご指導いただけました。
ですが、やはりそれも走りと別のものということではなく全てが繋がっているという事に改めて触れることができました。

最後になりましたが、先日のブログで年内に西本塾と深める会が一度ずつ行われるという事を知りました。
西本先生の様々な想いの末、昨年で一区切りをつけられた西本塾と深める会が不定期開催されています。
その事についても西本先生の中で計り知れない想いがあったことと思います。

このブログや様々な記事を通して西本先生の存在を知り、なにか少しでも心に引っかかるものがある方は西本塾でも深める会でも個人指導でも、学びの場はそれぞれの方が思う一番理想的なカタチで構わないと思うので、是非一度西本理論に触れてみていただければと思います。

こういう発信も我々西本塾生の役目だと思っていて、西本先生の視点から生まれた理論が一人でも多くの方のチカラになればと思い、一言付け加えさせていただきました。

改めまして本当に貴重な時間をありがとうございました。
西本先生と竹内さんに、また次回お会いできるのを楽しみにしています。
お二人ともお身体に気をつけて、益々のご活躍をお祈りしております。

長尾真吾

ちょうど今感想が届いたので、文章を追加させてもらいました。

長尾さんと竹内さんは、いわゆるタイプの違う方で、それぞれの特徴を補い合って、私を交え3人でなければ作り得ない空間になったと思います。

失礼な言い方になりますが、まるでウサギとカメの例えのように一歩ずつの前進ですが、だからこそ長尾さんにはきちんと伝えて確実に身に付けて欲しいと思い、厳しい言葉をかけ続けてきました。

私の思いはきちんと分かっていただけているようで、その厳しさも自分にとっては必要なものだと感じてくれて、ここ最近の変化は私の期待を超えています。
やはり継続という言葉がすべてのキーワードになって行くのだと、長尾さんを見ていてそう思います。

私もまだまだ追い付かれる気も、追い抜かれる気もありません、死ぬまで試行錯誤を続け、最後まで背中しか見せないつもりです。

こうやって継続して真剣に私と向き合ってくれる人が、現在二人しかいないというのは寂しいという気持ちもありますが、二人もいてくれると思えばやる気も湧いてきます。

伝えることが大事、伝えていかなければならないことは、この4年間で実感できました。

もちろんそれは日々の活動があってのことです、それがなくなって過去の思い出話だけになってしまうのなら、伝える活動もお終いです。

それどころか、私の考え方に興味を持ち、直接指導を受けたいという連絡がちょこちょこ入ってきます。

そんな人たちや、現在進行形で夢を追っている選手たちのためにも、私の歩みを止めるわけにはいきません。

4周年を迎えて、思うところを書いておきます。

広島港旅客ターミナルビルの2階に、「Conditioning Studio 操」をオープンして丸4年が過ぎました。

もうあの頃の心模様を思い出すことが難しいくらい、日々の活動に集中する毎日となっています。

もう二度とサッカ-に関わることはないだろうということだけは、強く思ったように記憶していますが、意に反してサッカ-選手の能力向上のための動きづくりという一大テーマを追い続けているように思います。

何度も書いてきたように、スポーツライターの木崎伸也さんのお蔭で、私の中で整理しきれていなかったことを、言葉として発信できるレベルにまで引き出してくれたことは感謝しかありません。

過去の仕事を振り返った時、最もやりがいを感じていたのは社会人野球チームと、個人としてかかわったプロ野球の投手の仕事でした、もちろん私が野球少年であったからです。

どちらも目指したことは、人間の体そのものをどう効率的に使うかということでした。

野球に関して、プレーヤーとして人に言えるほどの経験はない私ですが、体そのものをどう使うかという問いに対して、常になぜどうしてを繰り返していました。

それがもう5年近く前の出来事になってしまいましたが、これまで仕事の面では感じたことがない、やり残してしまったという感覚が、木崎さんとのやり取りの中で、もう少しこうすれば良かった、もっと選手そしてチームの役に立てたはずだという気持ちが膨らんで行きました。

それを発揮する対象がないままに月日が流れて行きましたが、振り返ってみると「西本塾」であったり、個人指導であったりと、形は違えど私から何かを学ぼうとしてくれる人がたくさんいました。

比率で言えばサッカーに関わる人が最も多かったと思います。

それ以外の種目やスポーツに直接関係ない方々も含めて、それぞれの方々に対し少しでもお役に立てる内容の指導をしたいと試行錯誤を繰り返してきました。

そして、一つひとつの問題点に対してその答えとなるものを見つけ出していくうちに、これを個人としてはもちろんのこと、チーム全体で取り組んでくれたらどんな動きが出来るチームになるのだろうと、我ながら夢が膨らむ思いでした。

個人として指導を受けてくれた選手たちは、それぞれのレベルで成長の手ごたえを感じてくれ、そのレベルが高ければ高いほど、知り得たノウハウをライバルとなる他の選手には教えたくないと思ってしまうようで、私の理論が表だって広がりを見せるまでには至っていません。

それはある意味仕方がないことで、そういう中でも私を探し出し、指導を受けてくれた選手たちを、何とかしてライバルたちより一歩先んじた存在になってもらうために、真剣に向き合ってきました。

その成果は、もちろん感じています。

スポーツ選手の指導だけではありません、体の不調に悩まされ、藁をもつかむ思いで私の元を訪れてくれる一般の方に対しての施術においても、大きな手ごたえを感じる毎日です。

私でなければ、そう思ってくれる人がたくさんいます。

そうやってあらためて足元が安定してくると、やはり考えてしまうのが、もう一度トップレベルの戦いの場に戻ってみたいという、長年やってきたことへの思いです。

あの時点で、もう勝った負けたは卒業させてほしいと、社会人野球の仕事を辞し、平穏な日々を送ろうと決めた矢先に新たな挑戦へのオファーがありました。

人生あみだくじが私のキャッチフレーズのようになっていましたが、まさに新たな1本の線を加えられた思いで、その線に身を任せることを選びました。

上下関係や規律の厳しい野球の世界から、まったく雰囲気の違うサッカーの世界への再々転身には、心の準備というか気持ちの切り替えが出来ていなかったのかもしれません。

しかし、短い期間でしたが色々なことを経験させていただき、自らの体調管理も含めて、改めて自分の能力を組織の中で活かすためにはどうすれば良かったのかという、私にとって一番苦手なことに関しても、少しは勉強できたと思っています。

サッカーに拘っているわけでは決してないのですが、終盤戦を迎えたJリーグですが、今年も過去に実績を残した指導者たちがクラブから解任という現実を突き付けられました。

私が5年前に目指したのは、90分間頭と体を動かし続けることが出来る選手を一人でも多くピッチに立たせ、監督が思い描いた戦術を全うできるチームを作りたいということでした。

たくさんの試合を見ているわけではありませんし、元々サッカーの経験者でもない私が言うのは少し見当違いかもしれませんが、今行われているJリーグの試合で、それを感じさせてくれるチームがいくつあるのでしょうか。

試合展開によってはある程度仕方がない部分もあるのでしょうが、毎回毎回判で押したように言われる「足が止まる」という現象が改善しない限り、世界のサッカーを自由に見ることが出来るようになって、目の肥えたサポーターを満足させるゲームは出来ないように思います。

監督を代え選手を代えても、その部分に取り組むという本質的な意識改革なしに、現状を変えて行くことは出来ないと思います。

既に現役を退いて年数が経った指導者は、こういう考え方になかなか賛同できないようですが、自分がやってきたこと以外に方法があると思いたくないだけのことです。

まだまだ体が動く若い指導者なら、自分の体でそのことを理解し、もっと早く現役時代に知りたかったという声は私の所にも届いています。

来ーシーズン、もし私にその仕事を任せてくれるチームがあったとしたら、今度こそそのチームに所属する選手や指導者の意識を根本から改革し、サッカーに関わる全ての人をあっと言わせるチームを作るお手伝いをしたいと思います。

私が手塩にかけて育て上げた選手たちを自在に操り、自分の理想とするサッカ-をピッチの上で表現できる優秀な監督とでなければ一緒に仕事は出来ませんが、もしそんな夢が叶うのなら、最後の力を振り絞って、その任を全うしたいと思います。

とは言え、現実としてそれが実現する可能性はゼロに等しいと思います。

それでもそのゼロの可能性のために、頼まれてもいないことを常に考え続けてきた結果が今の私なのです。

こんなことを考えている時が一番楽しいのです。

私がフィジカルコンタクトの時の体の使い方で説明している通り、私自身が屈筋を固め、もう収縮の余力がない、3・5・7理論の3の方向へ出力しきっている筋肉になってはいけないのです。

屈筋を使って力むのではなく、伸筋の収縮度合いを冷静に判断し、必要十分な筋力発揮行うことで、私自身の視野を広げ、少しでも多くの人たちのお役に立てるようにしなければ、これまで身に付けてきたことを世の中に還元することなどできませんから。

「誰かのためにお役に立ちたい」、そのためには、「正しいものは正しい、良いものは良い」と言い続けるだけではなく、相手が求めていることを正確に判断し、それ以上のものを与えられるように柔軟に対応できるようになることこそ、今そしてこれからの私に求められる姿なのではないかと思っています。

先日行った、「大阪府立大学サッカー部」の指導では、このことが一番のテーマでした。

今回それをクリアできたと、私なりには納得しています。

この場所で4年間築いてきた信頼を継続させることが、今の私に一番求められていることは確かだと思います。

ただ一度きりの人生、何度でも挑戦は続けたいと思います。

どんな形であれ、常に立ち止まることなく、あみだくじの上を歩き続けて行きたいと思います。

ブログの更新も週に一二度となっていますが、記事の更新に関係なく、文字通り毎日アクセスしてくださる方が何人もいるということをお聞きし、これからも思うところを書いていきたいと思いますので、よろしくお付き合いください。


改めて『大迫勇也選手』の体の使い方に学ぶ。

サッカーワールドカップロシア大会のアジア予選が終了し、日本は無事にというか、何とか本戦への出場権を獲得しました。

これまで多くの日本代表の試合では、リアルタイムで気になるプレーについてツイートしてきましたが、最終の2試合に関してはそれをしませんでした。

どの試合を見ても、私が発する言葉があまりにも同じ過ぎて、自分でも楽しくなかったからです。

またどんなに改善点を指摘したとしても、本人たちに届くはずもないのですが、もしかしたらツイッターを見てくれている人の中には、私の意見に賛同してくれたり、そういう見方があるのかと興味を持ってくれる人もいたかもしれません。

そういう人間の動きそのものを見るということの繰り返しが、今の私の考え方に大きく影響を与えてくれていることは間違いないことなので、自分にとっても決して無駄な作業でないことは間違いありません。

しかし、あまりにも毎回同じことをつぶやかなくてはならない状況に少し疲れてしまい、黙って見るだけにしました。

予選突破を決めたオーストラリア戦と、最終戦となったサウジアラビア戦、個人の動きに関して思うところはあっても、欠点を指摘したり改善点を提案することはしないつもりでした。

本当に私の考えていることが伝わったとしても、それを理解し改善しようという気持ちがない人間に対して、何をどういっても仕方がありませんから。

ではなぜ今日この記事を書こうかと思ったかということなのですが、とくにオーストラリア戦で見られた、『大迫勇也』選手のディフェンスを背負った状態での体の使い方に関して、改めて私なりの考えを書いておこうと思ったからです。

まずは2014.1.14にNumber Webの記事として紹介された、木崎伸也さんの記事を読んでみてください。

そして、その文中にある、私のブログ記事へ飛んでいただいて、木崎さんの記事を私が補足した内容も併せて読んでください。

要約すれば、いわゆるフィジカルが弱いと言われる日本選手ですが、たんに肉体改造の名のもとに体重を増やしたり筋力アップを図っても、その汚名を返上することは出来ず、大迫選手に見られる背中側の伸筋と呼ばれる筋肉をうまく機能させることで、海外のパワーを売り物にした選手にも対応できるということを主張しています。

大迫選手は鹿島アントラーズからドイツに渡り、現在もドイツで活躍をつづけその評価を不動のものにしつつあります。

日本の選手が海外に移籍した後陥りやすい事例があります。

それは体力的に勝る海外選手に対抗しようと、まさに肉体改造のトレーニングに励んだ結果、本来の持ち味というか、日本で活躍していた時に見られた動きのキレやしなやかさというものが失われていくということです。

申し訳ないですが、このことについては私自身がサッカー好きという訳ではありませんので、そんなことはないだろうと思っていたところ、何人かの方から同様の指摘を受け、ユーチューブで過去から時系列で動きを追ってみると、確かにそういう傾向がみられると私も思いました。

また実際にそういう例を目にすることにもなりました。

そのことも過去のブログで触れたことがあると思います。

大迫選手に関してはその心配は杞憂なもののようでした。

体格に勝るディフェンダーを背負いながら、きちんとボールをキープし、攻撃の起点となるシーンが増えています。

Number Webの中で紹介したオランダ代表のデ・ヨング選手との体の接触のさせ方のシ-ンでも、彼の表情や筋肉の状態を見ても、いわゆる力感というか歯を食いしばって頑張って、という感じはまったく見受けられません。

そのことを私なりに解説したつもりでしたが、あれから5年近くたった今、大迫選手のような体の使い方が出来る選手は残念ながら私が知る限り現れてくれません。

大迫選手独特の体の使い方ということで、他の選手は興味を示さないのでしょうか。

相も変わらず体幹を鍛えるとか、筋力アップだとか、目に見える効果を求めたトレーニングに終始しています。

私が何年言い続けても、それを必要とし学ぼうと思ってくれるのは、本人が自分の動きに限界を感じ、何かを変えなければこのままでは成長がないと、自らの意志で本気でそう思わない限り、誰かに連れてこられたとか、誰かに聞いたとかいうレベルの動機では、絶対に身に付けることは出来ないようです。

そうは言いながら、もう一工夫して伝えれば、もしかしたらそのメカニズムに興味を持ち、自分にもできるかもしれないと思ってくれる選手が出て来てくれるかもしれないと、少し補足をしようと思います。

そのために絶対に知っておかなければならない考え方が、私が考えた筋肉の収縮活動を模式図で表した、『3・5・7理論』です。

この詳しい説明も過去記事を読んでください。

この理論によれば、屈筋はニュートラルポジションの5の状態から、収縮して3の方向へ縮んで行く過程で、自他ともに感じる力感があります。

まさに頑張って筋肉を収縮させているという感覚です。

それに比べ伸筋が収縮する際には、そういう力感が感じにくくなっています。

人間が重力に抗して立っていられるのは、骨格を維持するために必要な伸筋群が、常に活動してくれているからです。

伸筋の収縮に際し、常に力感を感じるような使い方だったとしたら、我々は何分もその場に立ち続けることは出来ないでしょう。

ここまでは西本塾でも順を追って説明すれば、誰でも理解できることです。

ではなぜ渾身の力で相手の体を制しようと頑張る相手に対し、顔色一つ変えず伸筋で対応することが出来るのでしょうか。

直接指導を行う時には必ず行うデモンストレーションのようなものですが、おしくらまんじゅうの要領で、1・2・3で肩をぶつけ合います。

よほどの体格差がない限り、ふっとばされるようなことにはなりませんが、このぶつかり合いではやはり体格そのものが大きい人の方が有利であることは当然で、お互いにぶつけたところがかなり痛いです。。

ところが体重65キロの私が、20キロも重い相手に対し、意識を変えただけで、その圧力を受け止めるというか吸収してしまいます。

ここに人間の体の不思議さがあります。

ちょっとした段差でも、体全体を緊張させて飛び降りれば、脳天に響くような衝撃があることは経験上知っていますから、そんな飛び降り方をする人はいないでしょう。

かと言って体がフニャフニャした状態では、安定した着地は出来ません。

そうです、着地の際に体のバランスを維持する最低限の筋力が発揮されているのです、その感覚を応用すればいいのです。

それが体をまっすぐに維持するために働いてくれている背中側の伸筋たちです。

この筋肉たちが働いてくれている時には力感をあまり感じません、しかし体の姿勢を維持するという最低限の仕事はきちんとしてくれています。

もうお分かりだと思います、相手と体をぶつけ合う際に屈筋を固めてぶつかれば、筋肉は限りなく3に近い収縮を余儀なくされ、飛び降りた時と同じように衝撃を吸収する余裕はないのです。

私は恐怖心を克服し、相手と接触する瞬間に屈筋の意識を消し、真っ直ぐ立っていることだけに意識を集中し、その仕事を伸筋にお願いするのです。

伸筋は骨格を維持するためにきちんと仕事をしてくれていますが、ニュートラルポジションの5から収縮方向の3への収縮度合いは、屈筋のそれとは大きく違い、3の方向へまだまだ余裕を残した状態でもしっかり機能してくれます。

この余裕が相手の屈筋重視の体を受け止めるというか、衝撃を吸収してくれるので、強く当たった方は、同じような屈筋で固めた状態の体を予測してぶつかっていますから、当たり所がなくなったというか、不思議な感覚になります。

なおかつ余裕があるはずの伸筋にぶつかった屈筋の方が、痛みを強く感じるのですから、人間の体は本当に不思議なからくりが仕組まれています。

体当たりで言うとこういう説明になりますが、大迫選手とデヨング選手のせめぎ合いのシーンでは、太ももの骨の外側から触れることができる『大転子』と呼ばれる部位の位置が最も重要となります。

極論すればこの大転子が相手より低い位置で体を当てていれば、体重や筋力にほぼ関係なく、相手の動きを制することが出来ます。

大迫選手自身の言葉によると、「離れていた選手が寄せてくる圧力をまともに受けるのではなく、先に相手にくっついて背負ってしまえば、体格差そのものの圧力を受けなくて済む」という趣旨の話をしていました。

大迫選手が私の説明のような理屈を考えてプレーしているとは思えませんが、これまでの経験として、いわゆる力んで対抗するより、今のように柔らかく体を預けるるという感覚で、十分に相手をコントロールできることに気付いたのだともいます。

理屈はさておき、なぜ他の選手はそのコツのようなものを聞きだし、自分でもできるようになりたいと思わないのでしょうか。

名選手が必ず名コーチには成れないと言いますが、自分のやっていることをきちんと理論的に説明することが出来ないことがその理由なのではないでしょうか。

大迫選手に是非私の3・5・7理論による、筋肉の収縮モデルの話を説明し、理論的にも自分のプレーの有効性を知ったうえで、更に今のプレースタイルに磨きをかけてくれれば、もっと楽にプレーが出来るのではないかと思います。

欠点を指摘するのは簡単ですが、良いものは良い、そしてそれを体がどういう意識で行ってくれているのか、素直に自らの体と向き合えば、誰にでも体感することが出来、もちろん身に付けることが出来る能力です。

聞く耳を待たない人たちには何の意味も持たいない内容ですが、どういうことだろうやってみようと思っていただければ、本当に誰にでもできることです。

とにかくやってみてください。

西本塾受講生からの感想を紹介します。

報告が後先になりましたが、8月26・27日に行った西本塾のことについて書いておきます。

西本塾と銘打ってたくさんの方が受講してくれた西本塾ですが、参加者が少なくなったため定期開催をやめ、私の気の向いたときに募集を行う形となっています。

当初は、諸々事情で広島に帰ってきた私の考え方を、このまま眠らせておくのはもったいないと思ってくれたスポーツライターの木崎伸也さんが、自分の持っている媒体に記事を寄稿させてくれたりしたことで、何の肩書きもない一トレーナーである私の存在が多くの方々の知るところとなり、直接話を聞いてみたいと思ってくれる人がたくさんいて、2か月に一度のペースで開催していた西本塾でしたが、毎回全国各地から多くの方が参加してくれました。

今回の参加者の中にも、その頃目にした記事で私のことが気になっていたが、やっと今回参加することが出来たという方がいたので、同じように参加できるタイミングがあればと思っている人がいるならば、またいつか次の開催も考えた方が良いのかなと思っています。

西本塾に限らず、指導する側とされる側という立場がある限り、私の持っているものをできるだけ正確に伝えたいと考えることは当然のことです。

しかし、受け取る側の人たちが、私から何を得ようとしているかはそれぞれで、すべての人たちが受講動機の書かれた内容を、すべて納得し満足して帰ってくれているかは私には分かりません。

そういう意味でも、受講後に感想を送っていただくようお願いして、自分なりに二日間を省み、明日からの私自身の糧にしたいと思っています。

今回の参加者は3名でしたが、お二人から感想が届きました。

とくに今回はスポーツにまったく縁のない女性の方が参加していただき、受講動機から西本塾の二日間を通して、どんな考えでどんな行動を見せてくれるのか、とても興味がありました。

まずその方の感想を読んでください。

スポーツ競技に全く関わりのない一般人の参加を受け入れてくださりありがとうございました。

思い返せば、Number Webの木崎氏の記事『トレーナー・西本直が解説する、中田英寿や本田圭佑の「背中」』を読んだのが先生を知ったきっかけでした。

正しい姿勢、いかに体を使うか、整えるということができるかというところに興味をもっていたところに、記事の「背中」というキーワード。斬新に感じながらもどこか原点回帰のようにも感じられました。

それから3年以上経って、ようやく訪れる機会をつくることができました。直接ご指導いただき、様々なことを自分自身で体感できたことは、他では得ることのできない大変貴重な体験となりました。

大嫌いだったトレーニングマシンから始まりましたが、やったことのある筋力トレーニングとは全く別物でした。疲労がたまっていくのではなく、使われていなかった筋肉を目覚めさせほぐしていくような心地よい動きでした。久々に走ってみても、走れば走るほどにだんだんと動きやすくなっていきました。当然ながらあちこち筋肉痛になりましたが、驚くことに疲れは全く残りませんでした。

走りがどう変わったのかは講習前と比較の余地がありませんので、代わりに歩きでの変化について報告させていただきます。

帰り道の時点から感じたのですが、意識することなくこれまでの歩きの体の使い方とは違ってきています。脚の振られ方、足の向き、足裏への荷重バランス。もっと感覚的に言うならば股関節のロックが外れた感じでしょうか。

1日目の座学および普段使えてない筋肉を強制的に動かしていく実技があってこそ得られた感覚だと思います。
体感して初めて理解できる体の使い方、忘れてしまっていた幼き頃のような感覚を得ることができました。
これこそが参加して一番得たかったことかもしれません。

足元が整えば骨盤も整ってくる、骨盤が整えば足元も整ってくる。足が先なのか骨盤が先なのか。どちらからもアプローチできればいいのにと思いながらも、これまで骨盤の正しい向きというのがさっぱり分かりませんでした。骨盤矯正なるものをやってもらっても納得のいく答えが得られたことはありません。しかし講習を通して、言葉にできるほどまだ理解できてはいませんが、体が感じたことがその答えなのかなと思っています。

体で感じること、まさに体験に勝るものはありませんでした。ブログを通してもたくさんのヒントを頂いておりましたが、加速度的に理解が深まりました。

背中をもっと適切に使えるようになれば、まだまだよい変化が続くように感じています。

講習後のフォローアップもありがとうございました。

先生が教えてくださっている本来の目的とはかけ離れてしまっているようで恐縮ではありますが、引き続き生活の中の実践においてさらに深めていきたいと思います。

改めまして、2日間誠にありがとうございました。貴重な機会をいただきましたことを心より感謝申し上げます。
津田


津田さんは、女性の年齢のことを言うのは失礼かもしれませんが、30代後半でこれまでにも色々な経験をされている方でした。

詳しいことはお聞きしませんでしたが、大きな病気をされたことがあって、体に対する意識の高さは、西本塾に参加してくれる他の職業の方とは少し違ったものでした。

お仕事も、新宿区市谷にあるオーダーメード婦人靴を製作販売する会社にお勤めということで、日本人の歩くということに関する姿勢には特に関心があるようでした。

私も西本塾の中で毎回のように話をしていますが、姿勢の悪さ、骨盤の角度の違いから、日本人女性でハイヒールを履き颯爽と歩いている女性を見たことがありません。

モデルさんのように相当意識して練習すれば、少しの距離なら綺麗に歩けるのかもしれませんが、ほとんどの女性はヒールが着地する際膝が曲がっています。

流行の洋服に身を包み、少しでも足が長くスマートに見えるようにと、ハイヒールと言うのかピンヒールと言うのでしょうか、そういう靴を履きたい気持ちは十分わかりますが、その結果として、腰痛や膝の痛み、また外反母趾など、体を痛めつける原因になっていることに、その靴を作っている立場の津田さんとしては、心穏やかではいられなかったそうです。

3Dプリンターというものを使って、正確な足型をとり、職人さんが心を込めて作った、まさにオーダーメードの靴であっても、それを履きこなすためには、人間そのものの歩き方という問題の方が大きいのです。

私から学んだことを、これからどう活かしてその難問に対処していくのか、津田さんの活動に期待です。

それにしても普段運動に縁のない女性が、実技でも屋外を走ったり、前後左右の動きづくりのドリルまで、一生懸命に取り組んでいただいたこと、正直驚きました。

翌日の筋肉痛は大変だったことだと思いますが、それも貴重な体験だったと良い思い出にしていただけたらと思います。

私にとっても貴重な体験でした、スポーツ関係者以外の方で、こんなにも興味を持って真剣に学んでくれた人がいたことに感謝します。

次は、以前に西本塾に参加し、現在は千葉県の鍋島整形外科に勤務しながら、西本理論を広める活動をしてくれている松井真弥さんの同僚でトレーナー活動もしている方からの感想です。

西本様
2日間という短い期間でしたが貴重なお時間をありがとうございました。
西本塾で学ばせていただいた感想をお送りいたします。

最初にお伝えしましたが、今回西本塾を受講させていただいたきっかけはスポーツ障害で病院に来院する選手の多さです。

全国レベルのチームにいながら障害のせいで満足にプレーができない、競技レベル自体は上がっている現代にも関わらず全く変わっていないという現実に疑問をいだいておりました。

下肢に負担がかかっているために起こる障害ですが、皆んなが同じトレーニングをしているにも関わらず、痛みを訴える選手もいればいない選手もいる、となればその障害の原因には選手個人の動き方にもあるのではと常々思っておりました。

そうは考えていても、ではどう動けばいいのか、どういう動き方を指導すればいいのか、そこまで結論が出なかったのですが、今回受講させていただいて答えを得ることができました。

脚を前へ振り出し、前方へ着地する、本来ブレーキをかけるための筋肉を使い走り続ける、それでは下肢に負担がかかる事は明白です。

自分の重心の真下に着地すれば下肢に負担はかからない、そのためにも骨盤の上下の運動が必要である。骨盤を上下にするためにも骨盤を前傾させることが必要である、骨盤を前傾させるためにも広背筋の運動が必要である、広背筋の運動により肘が自然と後ろに引かれる、いわゆる骨盤後傾位の『悪い姿勢』ではこういった連動が行われない。

今回の受講で伸筋の重要性を改めて感じました。

今後スポーツ障害で来院する選手もそうですが、予防という観点から可能な限り自チームの選手たちにも指導をしていきたいと考えていますが、まずは自分で動けないと話になりません。
学ばせていただいた理論を頭に入れ、ドリルを継続し今後の活動に活かしていきたいと考えます。

松本 直

名前を見て、えっと思いました、私の名前と一字違い、『直』の読み方は、私と違って『なおし』と読むそうですが、それにしても、初対面から絶対に忘れない名前でした。

松本さんのような仕事をしている方が、西本塾を受講してくれた人の中で一番多いと思います、受講動機もそうです。

私がずっと言い続けているように、何年いや何十年たってもこの状況は変わって行きません。

そしてその疑問に立ち止まった時、正しく導いてくれる先人はいません。

そして私の話を聞いた後の感想は、まさに基本の基本、『人間の体はこうなっているから、その仕組まれたからくりに沿った使い方をすれば、こんなにも多くの選手が故障に悩まされることはない』という結論です。

難しい話など一切していません、私自身がが素朴に感じた疑問に対して、答えを誰かに求めるのではなく、自分自身が納得できるものを探し続けた結果が、それだったのです。

奇をてらった考え方でも、最新の理論でもありません、人間の体はそうやってできているのですから、それをシンプルに応用しているだけです。

だから私でもできるし、私が出来ることを他の人ができない訳がないと言っているのです。

それにしても固定概念、既成概念の壁は高く分厚いものです。

難しい理屈はさておき、肩の力を抜いて自分の体と対話することさえ出来れば、誰にでも分かることです。

私自身、少しずつではありますが、良い意味で力が抜けてきたように思います、そのことについてはまたいつか雑感として書いておきたいと思います。

お二人のそれぞれの分野でのご活躍を期待しています。

大阪府立大学サッカー部の指導を終えて。

昨夜はサッカー日本代表の試合に、サッカーファンの方は熱狂したことでしょう、今日はその話題ではありません。

29・30・31日と現地に二泊させてもらって、広島県福山市にある「ツネイシしまなみヴィレッジ」で夏合宿を行なっていた、『大阪府立大学サッカー部』の指導に行ってきました。

ちょうど1か月前、4回生の石川拓志君から突然の電話があり、チームの夏合宿中に、私の指導を受けたいという依頼がありました。

現在の場所で仕事をするようになってから、チーム単位の指導を依頼されたのは、3年前のJ2カマタマーレ讃岐以来のことでした。

私の考え方に興味を持ち、個人的に能力向上を目的として指導を受けに来てくれるという方がほとんどで、チームとして取り組もうと言ってくれることは残念ながらありませんでした。

これまで多くの選手を指導してきた中で、どんな競技のどんな年代のどんなレベルの選手であっても、高い意識をもって真剣に私の指導を受けてくれれば、本人も驚くような変化を実感させてあげられることは、私の中では既に当然の結果であって、もしこれをチーム全体として受け入れてくれるとしたら、どれだけの成果を見せてくれるのだろうと、どこからも声がかからないことを残念に思っていました。

そんな思いの中、突然かかってきた一本の電話に、「どういう経緯で私の指導を受けたいと思ってくれたのだろう、どんなレベルのチームなのだろう」と、これまでとは違った気持ちの高ぶりを感じました。

それからの1か月間、私がスムーズに指導できるように、それこそ微に入り細に渡って頻繁に連絡があり、私も割と細かいことにこだわるところがありますが、もう何の不安もなく当日を迎えることが出来ました。

当初は一日だけの指導ということでしたが、私の指導は実技指導だけで成り立つものではないので、前日の練習終了後に時間を作ってもらい、西本塾で行っているような理論的な部分の講義をさせて欲しいとお願いしました。

私も少しでもチームのお役に立ちたいと、色々な状況を想定して準備を進めていました。

石川君のきちんとした対応に、最終的に私を招聘してくれた彼に恥をかかせるわけにはいかないという思いが、私のやる気を高めて行きました。

まず彼が私の存在を知り、考え方に興味を持ってくれたきっかけとなったのが、インターネットサイトの一つである『NewsPicks』に連載された、『アスリート解体新書』と題した私の連載記事だったそうです。

その中でも、現在ドイツのチームでプレーしている宇佐美選手のことを書いた記事を読んで、一人のプレーヤーに対する分析力というか、ただの解説や批判めいたものではなく、今の彼の特徴を生かすためにはこういう考え方、こういう体の使い方をプラスすることで、特徴を消すことなくさらに成長できるという私の提言のような分析に、他の本職のサッカーライターとは違う視点を感じてくれたそうです。

その後、私の著した記事等を読んでくれ、この人の指導を受けたいと強く思うようになり、他の部員や監督を説得して予算をやりくりしたうえで、断られることも覚悟して電話をしてくれたそうです。

彼らが学ぶ『大阪府立大学』は、それぞれの学部の専門性が高く、この分野の勉強がしたいと、きちんとした目標を持って入学し、研究を続けるために大学院に進む学生が多いそうです。

サッカー部員たちも同じで、この大学にサッカーをすることが最優先で入学してくる選手は皆無のようでした。

この事実こそがこれまで私が関わってきたスポーツ選手たちと、根本的に違うところだと思います。

練習も通常は講義前、朝の1時間、週末の試合以外は、夕方全員が集まって練習するのは週に1度だそうです。

大阪の大学リーグは3部制で、それも2部はA・Bと分かれているそうなので、現在所属している3部リーグと言うのは、実質4部に相当するレベルのようでした。

昨年も2部Bへの入れ替え戦まで駒を進めながら昇格を逃し、現在前期リーグでトップに立ち、今期こそ昇格をと頑張っているようでした。

トップレベルのチームしか見てこなかった私にすれば、この情報だけで判断すると、彼らが私に要求することはどんなレベルのことなのだろうと、少し考えてしまう部分も正直ありました。

しかし、数年前までの私なら断ったかもしれない依頼でしたが、現在小学生から大人まで、どんなレベルの選手でも、少しでも向上したいという気持ちがあれば、私の知識と経験のすべてを発揮してその思いに応えてきましたので、石川君とのやり取りが進む中で、たとえどんなレベルの選手たちであっても、私自身が変わることなく、これまで以上の熱い気持ちで臨もうと決めていました。

指導の内容は細かくは書きませんが、彼らのサッカーに取り組む姿勢は、Jリーグの選手、いやそれ以上に真剣に向き合っていることに正直驚かされました。

指導前日のミーティングの後、各自大部屋で選手どうし学んだこと、アイドリングやフライングバックの動作を復習というか、明日の予習をしている物音や声が私の部屋にも届き、中には廊下で行っているグループもありました。

数人の選手たちが私の部屋に来てくれて、ミーティングの内容に関しての質問や色々な話で盛り上がり、気がつけば入浴の時間も過ぎていたほどでした。

指導当日の夜も、同じように前日以上の人数が集まり、真剣なやり取りは続きました。

昨日の朝、朝食後に広島に帰る予定にしていましたが、前日夜にどうしてもアイドリングの動きが出来なかった4回生と石川君を部屋に呼び、きちんとできるようにしてから帰ってきました。

私の目論見通り、一晩おいた方が体と頭の整理がしやすいだろうと、夜にはそれ以上の指導を行わなかったからです。

とにかく楽しい時間を過ごさせてもらいました。

誰一人としていい加減な態度で練習に取り組む選手はいませんでした。

もちろん私が言葉を荒げることなどありません、それどころか、私が話し始めても、その前の話題で会話を止めない選手を、私が叱るどころか、石川君がそれを制してくれましたが、私はそれも否定しませんでした。

今彼らの向き合っている話題は、彼らにとってとても重要なものであることは、聞こえてくる会話から十分読み取れ、けっして雑談をしているわけではないことがはっきり分かりましたから。

このブログを読んでくれている石川君としては、もしかしたら私が怒り出すのではないかと気が気ではなかったかもしれませんね。

たったの一日だけの実技指導でしたが、これまで私が温め続けてきた、サッカー選手にとって必要不可欠な要素はすべて伝えられたと思います。

最後に3チームに分かれてゲームを行ってもらう中で、一つひとつのプレーに対して、「今の動きが練習してきた動き出しだよ」とか、「今は居着いてしまってアイドリングが出来ていなかったから、動き出しが遅れボールに届かなかったんだよ」とか、背負った相手をはがすのに、落下捻転の瞬時の動作が見て取れたプレーに対しては、「今の動きとても良かったよ、自分で分かったよね」と声をかけるとにっこり頷いてくれたりと、私が教えていることがまさにサッカーを教えているということで良いのではないかと思うくらいでした。

サッカー選手はピッチの中では自由があるはずです、その自由を言葉だけにするのではなく、すべての選手が自由を尊重し合うためには、個々の能力を高めなければなりません。

私が指導しているのはその部分です、だから今回チーム全員に指導させてもらうという機会は、やっと来たか待ってましたという感じです。

彼らがこれから先、指導をどう活かし継続してくれるか、プロでもトップリーグでなくとも、サッカーが大好きで真剣に取り組む選手たちなら、私の指導でこんなにも大きな成長が出来るということを実証して欲しいと思います。

早速送られてきた石川君からのお礼のメールです。
紹介させてもらいます。

西本さん
大阪府立大学サッカー部石川です。

無事にご自宅へはお着きになられましたか。私達サッカー部は大阪へ向かっている途中です。

この度のツネイシしまなみヴィレッジでの指導、感謝申し上げます。指導を受け、チーム全員が驚きと感動の連続でありました。

走りの部分では、従来の走り方に比べ、体の軽さが大きく違い、疲れにくいことが実感できました。

また、アイドリングしながらボールを扱うことでボールコントロールの質が向上すること、次の動作に移りやすいことを感じることができました。

ロングキックでは、「全然力入れてないのにボールが飛ぶ」と、多くの部員が感動しておりました。

実戦形式の練習では、体の当て方やマークの外し方、方向転換など、サッカーに必要不可欠な動作が明らかに指導を受ける前と違い、成長を実感することができました。

そして、講義、トレーニング全体を通して、部員一同非常に楽しく過ごすことができました。
それは、今まで知らなかった体の動かし方に感動したことや、西本さんが非常に熱心に部員に接していただけたからです。
トレーニングの時間以外にも、部員に対してお話や働きかけをしていただけたこと、本当に感謝しております。

これから、ドリル、トレーニングを継続し、無意識にでも体が動くようにしたいと思います。
後期リーグが9月24日に開幕しますが、試合の中で他チームを圧倒し、明らかな違いを表現できるように、日々取り組んでいきます。

チームの状況や、結果につきましてはまたご連絡させていただきます。
また、トレーニングをしていく中での疑問など、お聞きすることもあるかと思いますので、よろしくお願い致します。

改めて、大阪府立大学サッカー部に対しての特別指導、感謝申し上げます。
また機会があれば、大阪府立大学サッカー部への指導をしていただきたいと思っております。

西本さんのこれからの活動、とても楽しみにしております、またお会いすることができれば、いろいろなお話をさせてください。

暑い日が続くようですので、体調を崩されませんよう、お気をつけください。

大阪府立大学 体育会サッカー部
石川拓志

いかがでしょうか、この文章を読んだだけでも石川拓志君と言う人間の、人となりが読み取れるのではないでしょうか。

私の末っ子智志よりも若い彼ですが、すでに旧知の仲のように勝手に思っています。

私と言う人間に指導を受けたいと奮闘してくれた「石川拓志君」に感謝、そして合宿期間中の貴重な一日を私の指導に充てることを許してくださった「山下寛雄監督」に感謝、もちろん真剣に指導に取り組んでくれたすべての選手たちに感謝、さらに常に私にまで気を使ってくれた女子マネージャの皆さんにも心から感謝します。

大阪府立大学サッカー部の皆さん、本当にありがとう、これからの活躍を期待しています!







プロフィール

Author:西本 直
1993年、Jリーグサンフレッチェ広島を皮切りに、社会人野球三菱重工広島・協和発酵・ヴィッセル神戸・川崎フロンターレ、そして広島カープ佐々岡真司投手など、プロアマ問わず競技レベルのスポーツ選手から一般の方まで、トレーニングやメンテナンスの指導を行ってきました。
その経験と知識の蓄積を「西本理論」としてまとめ、一人でも多くの方に実践していただくことが、これからの私の使命であると信じ、このブログから発信していきます。
私の理論はスポーツ選手のみを対象としたものではなく、ビジネスマンや家庭の主婦まで老若男女すべてに当てはまる不変のものです。
指導や講演のご依頼も受け付けています。
実名でツイッターも書いていますので、チェックしてみてください。
また、2013年9月9日にConditioning Studio 操をオープンしました。
また、遠隔地にお住まいの方を対象とした動き分析とアドバイスを行っています。
詳細は「スタジオ操」のホームページ内の「遠隔サポート」をご覧ください。
「第25回西本塾」を11月18・19日の土日に開催を予定しています。
詳細はStudio操ホームページ内の「講習会情報」をご覧ください
尚、深める会も12月10日に予定しています。

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