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大久保嘉人選手の来シーズンの活躍を願って。

今年も残すところ1週間となりました。

今朝の新聞でFC東京の大久保嘉人選手が、1シーズンぶりに川崎フロンターレに復帰することを知りました。
2013年、シーズン前のトレーニングから5月の連休まで、ほんの短い期間でしたが川崎フロンターレのトレーニングコーチとして仕事をさせてもらった時に、一番思い出に残っている選手でした。

彼はそのシーズンから3年連続Jリーグの得点王という偉業を成し遂げました。
昨年はFC東京の一員としてシーズンに臨みましたが、本来の姿を見せることは出来なかったようです。

あの年、今シーズン後半にサンフレッチェ広島に移籍して、残留争いに貢献してくれたパトリック選手も、新加入選手としてブラジルから日本にきてくれたことを覚えています。

プロモーションビデオを見ましたが、迫力満点のゴールシーンが続き、どんな凄い選手が来てくれるのかと期待しましたが、残念ながら川崎では活躍することができず、その年のうちに甲府に移り、その後ガンバ大阪での活躍は目を見張るものがありましたが、あのビデオを見ている私としては、やっと彼本来の力を発揮出来て良かったなと、自分のことのように嬉しく思いました。

彼は私が導入したトレーニングの体の使い方に愚直に取り組んでくれました。
指導している私が笑ってしまうほど面白い動きでしたが、日本人の選手よりも大袈裟に、私の真似をして動いてくれました。

彼がなかなかチームの戦術に馴染めない時、八宏にそのことを聞いてみると、イブラヒモビッチという選手の名前を挙げ、どんなスーパースターでもチームの戦術に合わなければ、力を発揮出来ないということを聞きました。
パトリック選手がそこまでのプレーヤーだったかは別として、彼の身体能力を知ってしまった私には、もったいないとしか言いようがありませんでした。

ガンバでは遠藤選手宇佐美選手とのトライアングルと言うのでしょうか、絶妙な関係でゴールを量産していました。

大久保嘉人選手も、同じく私のトレーニングを素直に受け入れてくれました。
いわゆる追い込み型のトレーニングは全くなく、ピッチの上では私の提唱する体の使い方を染み込ませていくためのドリルに終始し、持久走的なメニューは一切ありませんでした。

ジムで行ういわゆる筋力トレーニングも、重いものを数多く持ち上げると言うものではなく、伸筋を重視しなおかつ可動域を広げることを重視しました。
彼にとっては考えられないほど「ゆるい」トレーニングに感じたはずです。

ところがキャンプ中に初めて行われた練習マッチに出場した後、インタビューを受ける彼の口から発せられた言葉が話題になりました。

「俺ら全然走ってないのに、試合で全然走れるし疲れてない、なんで」と、逆にマスコミの人を笑わせるように質問するような言葉を発したのです。

これこそ私の狙いを的確に表現してくれた言葉でした。

残念なことに在籍した時点ではチームとしての結果には結びつきませんでしたが、皮肉なことにと言うか、その後は快進撃を続け、そこまでの不振が嘘のようなチームになって行ったことを覚えています。

今日その大久保選手の川崎への復帰を知り、あの時とは全く状況は違うとは思いますが、もう一度彼に輝きを取り戻して欲しいと記事にしました。

前回のWカップの前のちょうど今頃には、依頼を受けて海外のトップ選手たちの動き分析などと言うこともやらせてもらいましたが、今日は2013年、私が知っている大久保選手の活躍を振り返って、彼のどんな動きがその年から3年連続得点王という結果に結びついたのか、検証して見たいと思います。

使用した題材はユーチューブの動画の「大久保嘉人2013年ゴール集」というものです。
良かったら文章とともに見直してみてください。

まず全体を通して言えるのは、動き出しがものすごくスムーズで速いということです。

今言い続けている「居着く」という感覚は全くありません、相手から見ればいつ動き出したのか分からないうちにトップスピードに持って行けています。
その秘密は体の前側の屈筋ではなく、後ろ側の「伸筋」が主役として動いているからです。
何故そう言えるのかというと彼の表情です。

短い期間でしたが彼の練習を間近に見て、注意したのはこの一点です、「今のプレー顔が怖かったよ」、その言葉に苦笑いしていた彼の表情が忘れられません。

顔が怖いイコール屈筋を使っているのです、力んでしまったということです。

前年までの彼を知らない私は、後で知ったことですが、まさに力みまくって無駄に力を入れすぎて失敗を重ねてきたということなど全く感じさせないほど、柔らかい表情で練習に取り組んでいました。

背中を使えるようになったことで良いことがたくさんありましたが、動画の中の2つのゴールからその動きを解説したいと思います。

一つ目はFC東京戦、3分30秒辺りからのシーンです。
ゴール正面からドリブルで持ち込み、ゴールエリアに入った辺りでDF2枚が両サイドから挟みにきて、正面には味方とDFという状況で、これ以上無理に切り込めないと判断したのでしょう、右サイドに位置する味方に、態勢を崩しながらもパスを出し、なんとその姿勢からさらに加速して裏へ抜けGKと一対一になって冷静にゴールを決めています。

それまでの彼であれば、おそらくは強引に中央に切れ込んでボールを奪われてしまうか、反則を狙いにいくかだったかもしれません。

ここで態勢が崩れないのは、腰の部分がきちんと反らされているからです。

足だけが前に出て身体が残ってしまえば、その後スピードを上げて裏へ抜ける動きができるはずがありません。
その動きをいとも簡単にやって見せています。
力みのない背中を上手く使えているからこその体の動きです。

もう一つは大宮アルディージャ戦、4分35秒からのシーンです。
ハーフラインからやや相手ゴールに近い位置で、ゴールに背中を向けたままボールを受けます。

背後にはもちろんDFが付いていますが、DFから少し離れた位置でボールを受けたのでなんのプレッシャーもありません。

注目したのは次の瞬間です、背後から寄せてくるDFの選手を、あえて待って体に近い位置まで誘き寄せたのです、そして次の瞬間です、左回りで落下捻転の動作を一瞬にして行い、DFの選手は大久保選手に近づいたものの、左側をすり抜けていくのを、何もできないまま見送るだけでした。

そして次の瞬間、かなりの距離からのミドルシュートが見事にゴールに吸い込まれて行きました。
GKから見ても、まさかあの距離からあの小さなモーションでシュートを打ってくるとは思わなかったのではないでしょうか。

人間が移動に使えるエネルギーの3要素、落下捻転と行きたい方向への重心移動、言葉で言うのは簡単ですが、これだけ見事に見せてくれるシーンも少ないと思います。

DFを引きつけてからかわす、私の言うまさに「消える」動きでした。

彼にとって私のトレーニングがプラスになったところがあるとしたら、力任せに頭が真っ白になるほど頑張ったトレーニングではなく、今自分が行なっている動作は、どんな意識で行なっていて、体はどんな風に動いているのかをしっかり確認しながら行うことで、頭で考えていることと体が動いてくれていることがイコールになることを理解してくれたことではなかったかと思います。

そこへ彼本来の天性の能力が加わり、さらにはそれまで築き上げてきた経験と、風間八宏という監督が、大久保嘉人が自由に動ける戦術を提供するなど、様々な要素がすべてプラスとなって、そこからの大活躍を演出して行ったのだと思います。

この文章が彼の目に触れることはないと思いますが、もう一度笑顔で走り回る、キレッキレの嘉人を見てみたいと思います。

今はなんの縁もありませんが、大久保嘉人という素晴らしい選手の復活にエールを送る意味で今日の記事を書いてみました。

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一歩踏み出す勇気から(遠隔サポートを受けての変化)

11月17日から2週間に渡って遠隔サポートを受けていただいた「池田剛」さんから感想が届いたのでご紹介します。

池田です。
感想をお送りするのが遅くなってしまい申し訳ありません。
西本さんには本当に感謝しています。

私は40歳を過ぎながらもサッカーに夢中になっており、未だに向上心を強く持っています。

しかし年のせいにしてはいけないのでしょうが、今までと同じやり方では若い子達とやり合うには限界を感じ、新しい事にチャレンジしたいという事と、西本さんのブログを拝見させてもらって「動き作り」というものに興味を持った事が今回の遠隔サポートを依頼するきっかけになりました。

先ずは自分の動きの動画を送って見てもらい、いかに体に負担をかけて動いているか、そしてどう変えていけば良いのかを説明してもらいましたが、長年何の疑問も持たないで続けてきた動作と、西本さんの推奨する体の使い方とで、どれくらいの効率の差があるのかピンと来ませんでした。

しかし、毎日出されるドリルをこなしていくうちに、動作に対する体の感覚が軽いというか楽になっていきました

お手本の動画とそれに対するアドバイスを意識しながら実演してみてもなかなか上手くいかず、動画を見ては実演をひたすら繰り返しました。

特に引っ張り出しドリルの重心が通り過ぎた後に着地ををする感覚を掴むのに苦戦しかなりの時間を費やした記憶が強く残っています。

毎日出される宿題を自分なりに噛み砕いて試行錯誤しながら作った動きの動画を西本さんに見てもらい、答え合わせをしてもらうようなやり取りが楽しい日々でした。

膝が悪いのもあって、サッカーどころか走る事ですら痛みで思い切りプレーが出来ていなかったのですが、西本さんの指導を受けた今では不思議なくらい痛みを感じる事なく走れるようになり、普通に運動が出来る喜びを感じています。

効率の良い動作は、体にも優しいと思いました。

この事が私にとっては、とても大きな収穫だったと思います。
まだまだマスターしたとは言い切れないので、西本さんにご指導頂いた事を繰り返し練習して完成度を高めていきたいと思います。
この度は有難うございました。

今年に入って4名の方に対して遠隔サポートを行いました。
それぞれの方とやりとりした1週間は、私にとっても大きな学びを頂いた貴重な経験となりました。

4名とも私自身が納得できる結果のたどり着いてもらえたかというと、正直そうは言い切れない部分もあります。
それでも直接目の前で指導できないことが最初から分かっている関係の中で、これだけの指導が出来、効果を感じていただけることができたことに私自身が驚いています。

おそらくは申し込みをしていただいた時点で、ここまでの変化を実感できるとは、皆さん思ってもみなかったことではないでしょうか。

申し込みの文章を読ませていただくと、「意を決してとか、勇気を持って」とか、一体何に対する申し込み動機なのだろうという言葉まで書かれていたりします。
もしかしたら同じように一歩を踏み出せずに申し込みを躊躇されている方がいるのかもしれませんね。

一応1週間という期限を区切ってはいますが、指導をさせていただく中で、とくに4人中3人の方には共通点があることに気づき、それを克服してもらうためには1週間では足りないことが分かってきました。

一人は小学生、もう一人は30歳、そしてもう一人は40歳と、年齢はまちまちですが、共通していたのは「膝の痛み」に悩まされているということでした。

サッカーを始めてからの年数はそれぞれですが、小学生であろうと40歳であろうと痛みを抱えながらのサッカーが楽しいはずがありません。

プロの選手であれば、トレーナーという立場のスタッフの手を借りながら、ごまかしごまかしプレーしている選手もたくさんいます。
どこも痛めたことがないという選手はほとんどいないと思います。
「遊びでやっているんじゃない、ぎりぎりのところまで身を削ってプレーしているのだから当然のことだ」、本当にそうでしょうか。

前回の記事に書いた陸上競技の選手のことと同じで、私にはここにも「何故どうして」の気持ちが大きくなっていったのです。
どんなに激しいトレーニングをしようと、筋力トレーニングで肉体改造を行おうと、ケガを減らすことは出来ていないのです。

3人の方にそれぞれ指導したことは、まさに私が提唱している「人間として持って生まれた能力を効率よく発揮するための体の使い方」です。

池田さんも含め、このことをどれだけ言葉で説明されても、いまの状況からどれだけ改善されるのかを、指導のスタートの時点で想像することなどできるはずはなかったと思います。

効果を実感してもらうためには、やはり体が納得した上での頭の理解という順番でないと、最近よく使っている「ワクワク感」がないと思います。

「次に指示されるドリルはどんな動きだろう、早くやってみたいな」と、楽しくて待ちきれないような毎日を過ごしてこそ、日々の変化を実感していただけると思うのです。

以前に紹介したお二人の感想にも書かれていたと思いますが、まさに魔法にかかったように、痛くて走れない、もうサッカーを止めよかと考えていた方たちが、今が一番サッカーが楽しいと嬉々としてボールを追い走り回っているのです。

私はこれまで私の理論をトップレベルの選手に伝えることで、大袈裟ではなく日本のサッカー界や日本のスポーツそのものに対する考え方が大きく変わっていけると思って、発信を続けてきました。

私自身の活動の場はなかなか広がってはいきませんが、私から学んでくれた方たちが、確実に私の考え方を実践し広めてくれたいます。

来シーズンJ2の舞台でフィジカルコーチとして活躍してくれる人もいます。
本人の許可が得られればチームを公表しますので少しお待ちください。

そういうレベルの選手こそ、もう一歩の成長をはたすために本気で取り組んでほしいと思います。

もちろんそこも大事なのですが、遠隔サポートを通じて、それぞれのスポーツを体の故障を理由にやめなければならない選手がいかに多いか、その理由が「体の使い方」という根本的な問題だということもはっきりしています。

そういう人たちを減らさなければいけない、そしてそういう問題を克服した選手たちの中からトップレベルまで駆け上がっていく選手が生まれてこそ、私の考え方が本当の意味で多くの方に理解され、それが当たり前だと思ってもらえる時代が来るのではないかと思います。

今現在そういう状況にある選手はたくさんいると思います。
諦めないでください、私の言葉に耳を傾けてください、私の書いた文章を何度も読み返してください、ヒントになる言葉がきっとあるはずです。

私と真剣に向き合う覚悟があれば、(こういう言葉を使うとまた決心を鈍らせてしまうかもしれませんが)、本気で自分を変えたいともう気持ちがあれば不可能はないと思います。

池田さんもまだまだこれからです、走ることが辛いことではなく楽しいことになり、痛みを恐れることなくプレーできるようになれば、サッカーがもっと楽しくなると思います。

学んでいただいたことをぜひ継続してください。
真剣に向き合い取り組んでいただいたことに感謝します、ありがとうございました。

11月に行った「西本塾」を受講してくれた方からは未だ感想が届いていません。
どう感じたかそれぞれの立場でどう活かして行こうとしているのか、ぜひ聞かせていただきたいと思います。

なぜどうして、素朴な疑問が走るという行為を見直すきっかけでした。

先日行なった深める会の冒頭で、私がなぜこうして伝える側になったのかという、自分にとっての根源的な部分を掘り返してみたことをお話ししました。

改めて自分の人生を振り返ると、どんな事に対しても、まさになぜどうしての繰り返しだったように思います。
小さなことまで含めると、どれだけのことに対してそう思ったのか、自分でも思い出せないくらいです。

「誰かがそう言ってた」とか「みんなそう言っているよ」というような言われ方をすると、「誰って誰」「みんなって誰と誰のこと」と、いちいち食いつく、私の名前とは正反対の素直ではない性格だったと思います。

そんな私が「走るという行為」に関して、疑問を持ち始めたのは、走ることに関して最も専門的に取り組んでいるはずの陸上競技、それも短距離の選手たちが、あまりにも頻繁に肉離れというトラブルに見舞われているという事実でした。

これは私がこの仕事を始めた頃、地元の高校生たちにも同じことが言えました。
それ以前からスポーツ全般に興味があり、オリンピックや世界陸上といった大きな大会は必ずテレビで見ていました。
そんな中でも必ず目にするのがトップレベルの選手たちのアクシデントでした。

普段運動をしない大人が、子供の運動会で張り切って走ったことで、肉離れどころかアキレス腱断裂といった大きなケガに見舞われることは、日常的に見聞きして来ましたが、号砲がなるスタート時間から逆算して、ウォーミングアップの時間やそのルーティーンまで、全て計算し尽くして臨んでいるはずのトップ選手たちにして、そういうアクシデントが避けられないという現実に、千分の一秒を争う人間の極限の能力を発揮するために避けては通れないことだという説も、私は納得することができなかったのです。

人間も地球上に生活する動物の一種であることはまぎれもない事実です。
どれだけ文明が進もうとこれだけは変わることのない真理です。

創造主を神と呼ぶとすれば、神様は他の動物たちにはそんな試練を与えてはいません。
地球上で最も速く走ると言われているチータが肉離れを起こして獲物を追うことができなくなったら、それは生存の危機即ち死を意味します。
逆に襲われる側のシマウマが、逃げる瞬間にイタッとなって肉離れを起こし、走ることができなくなったとしたら、こちらも一巻の終わりです。

それぞれの動物には、「こうやって体を使えばそれぞれの生命を維持していけるよ」という、神様が仕組んでくれたカラクリがあると思うのです。

ならばなぜ人間だけがそんな目に合わなければならないのか、そこに「なぜどうして」の視点を持たないのか、そのことの方が私には不思議だったのです。

それに対する対抗策として筋肉を強化してという発想になっていったと思うのですが、一向に改善される様子はありません。

これは根本的に考え方が違うのではないか、そう考えることの方が私は自然なことだと思いました。

さらにはスポーツ動作において、とくにラケットを持って走ったり、サッカー選手がボールを止めたり蹴ったりする際の動作を見ると、いわゆる腕を振って走るという行為が出来なかったり、出来る状況であっても実際にはそうしていないということがはっきり分かりました。

にも関わらず、どんなスポーツであっても走るという行為をトレーニングとして行う時には陸上選手のような走り方がお手本となっているのです。

なぜそうなるのか、最も速く走ることができるのが陸上選手だからです。
その選手たちこそが、筋肉系のトラブルに悩まされている張本人であるにも関わらずです。

速く走るための要素は、足の回転数と歩幅の積だと言われています、それに関して誰も疑うことはしていません、確かに間違ってはいないと思います。
しかし、その二つの要素を向上させるために行なっているトレーニングにこそ問題が有るのではないでしょうか。

「人間に与えられた走るという行為を行うために仕組まれたカラクリ通りの使い方をしているのか」という動物としての根本の問題です。

そこから発想を広げていった結果が、今私が提唱している「走るという行為の体の使い方」です。

過去何度も記事にしてきましたし、実際に体験した人たちの感想も文章として紹介して来ました。
そして真剣に学び続けてくれている人たちが、それをどう活かしどんな問題を抱えているのかということについても、深める会の参加者から届いた感想などで紹介してきました。

中でも初心者に多い感想でマイナス要素を感じさせるのが、「今まで当たり前だと思ってきた動きで走った時に比べ、同じスピードで走れているのか、スピード感がない」というものです。

最初は確かにそういう面はあるかもしれませんが、練習を重ねるとそれまで以上のスピードで走ることもできるようになって行きます。

ではなぜスピード感を得られないのか、それはこれまでの走り方で使われていた筋肉が「屈筋」中心で、屈筋を使っていること自体に、自分が筋力を発揮して頑張っているという、私に言わせると間違った意味での自己満足を感じているからに他ならないのです。

それが効率的な走り方を身につけたことで、今までの頑張り感がなく、なぜこんなに楽に走れるのだろうとなってしまうからです。


そうすると自分でもこんなに楽にスピードが出せるのなら、もっと頑張ればもっと速く走れるのではという、これまでの固定概念がぐっと前に出てきてしまうのです。

自分でもそう思うのですから、周りで見ている第三者からは、もっと露骨にそういう言葉を浴びせられることになってしまいます。

私の提唱する走りを身につけた選手が、最も苦労する部分であり、指導する側の人たちが周りを納得させにくい部分となります。

先日の深める会の2日目、いつものように自転車で仕事場に向かう途中、港公園の外周を走るジョガーが目に留まりました。
腕をだらりと下げ体の動きに合わせて自然にゆったりと揺れているだけの状態で私の方に向かって走ってきました。
その表情はとても穏やかで、走ることがとても楽しそうに見えました。

ところが角を曲がる直前に、そのジョガーは意を決したように肘を曲げ腕を前後に振り始めたのです。
その瞬間、先ほどまでの表情は一変し、修行僧のような眼差しで一点を見つめ苦悶の表情と化して行ったのでした。

しかし、見る限り動きを変えたからといってスピードが急に速くなったとは思えません、逆にそれまでのリラックスした動きの時の方が、スムーズに体を運べていてスピードもそれほど変わらなかったと思います。

ここに固定概念の壁があるのです。

速く走るためには肘を曲げて腕を前後に振らなければ、ストライドを広げることもピッチをあげることもできない、きっとそう思っているはずです。

私は「スピードの調整は骨盤の上下動から始まったローリング動作の回転数を、いかに滑らかに上げられるか」だと思っています。

先日一緒に学んでくれた神戸の竹内さんの走りを見ていると、まさにこの回転数を上げるという感覚でスピードをあげているのが見て取れます。

途中で過去の走り方でスピードの上げ下げを行ってもらうと、すぐに顔をしかめて苦笑いし「もういいです」とやめてしまい、取り組んでいる体の使い方に戻してしまいます。

「速く走るためにはどうすればいいのですか」初心者から必ず聞かれる質問です。
大人は言葉で理解しようとします、だからと言って言われた言葉が自分の理解を超えるものであれば、尚更分からなくなってどうして良いのかと何も出来なくなってしまいます。

前回の西本塾に参加してくれた方で、大学時代は真剣に箱根駅伝を目指していたという方がまさにこのタイプでした。

速く走るとはどういうことでしょうか、極端に言えば野良犬に追いかけられた時、走り方がどうのこうのと考える人がいるでしょうか。
まさにそう言うことです、速く走らないといけない状況になったら、その人が持っている最大限の能力を発揮して体を動かすしかないのです。

その本能的な動きをどうやったら瞬間的なスピードが必要な局面で発揮できるようにするのか、また長い時間長い距離を走る続けることができるのか、それを追求してきた結果、今指導している走ると言う行為の体の使い方になったのです。

5年以上前の私なら、質問の答えはきっとこうだったと思います、「速く走ろうと思えばいいんだよ、終わり」、これも真理です。
犬に追いかけられた時にそんな質問をしている暇はありませんから。

伝える側となった今、それでは答えになりませんから、私なりに人間の体に備わったカラクリを、どうやってうまく使いこなすかと言う「体の使い方」と言う視点で、それなりの理解をしてもらえるような理屈めいたことを言い、実際の体の動きを再現できるようになるためのドリルを指導していると言うわけです。

それぞれに考えがあって当然です、小さな子供たちですら目の前で見る大人の走るという動きを学び、動物としての人間の走りではないものになって行きます、後天的に刷り込まれていく動作です。

先日、初めて幼稚園の年少組の孫に、腕の使い方を真似させて見ましたが、当たり前のようにその使い方で走ってくれました。

走ったことがない人はいないと思います、その経験の中で出来上がった固定概念で満たされたコップの水を一度捨ててしまう勇気さえあれば、私が提唱する体の使い方という新しい水をコップに注ぎ込むことができるのです。

「走るってこんなに楽しいことだっけ」学びの最中にそんな言葉が聞こえるたびに、もっと多くの人に伝えなければいけないなと、私にとっても楽しい仕事が続いて行きます。

そう思ってくれる人を一人でも増やすために、29日の午後に行う「走り体験会」、多くの方に参加して欲しいと思います。


深める会の感想、最終回です。

今朝は自宅のある広島市南区の沿岸部でも、今年初めて雪がちらついています。
12月も半ばを過ぎ、もうこんな時期になったんだなと窓の外を見て感じています。

深める会の感想、最後に紹介するのは兵庫県芦屋市の「あしや鍼灸接骨院」に併設された、「コンディショニングラボanimom」で、トレーナーを務めている「竹内健太朗」さんです。

彼は今年2月から、毎月私の元を訪れ、私から学んだことを自分の体に染み込ませていく努力を重ねてくれました。

西本塾生や個人指導を受けてくれた人たちが、学んだことをベースに試行錯誤しながら、それぞれの立場で向き合う人たちの為に頑張ってくれていることは承知していますが、こうして定期的に通ってくれたことで、私自身の考え方や指導の仕方の変化も感じ取ってもらうことが出来たと思います。

回を重ねる度に、彼自身の成長を感じるとともに、私自身の成長も感じさせてもらうことが出来たことに、心から感謝しています。

施設の経営者「松本哲」さんが彼の高校の先輩で、私の考え方に興味を持っていただいているとのことで、広島まで勉強に来ることに対しても協力してくださっているそうで、色々な意味で恵まれているとはいえ、何より本人の学び続けたいという真剣な気持ちが伝わってきました。

では読んでください。

西本先生、参加者の井田さん、清水さん、2日間大変お世話になりました。
もう広島に訪れたのは何度目か数えきれない程ですが、今年1年定期的に通わせて頂き、今回の深める会が今年の総まとめになると思いながら、参加の申し込みをしました。

今年1年のテーマとして、「まずは自分が動作を実践できるようにし、それを伝えられるようにする」という事を掲げていました。

初めて参加させて頂いた第8回の時から、自分なりに試行錯誤をしながら日々を過ごし、深める会や個人指導を受けて、最初の頃に比べると見違えるほどの自分の体の変化も実感しながら、今回の深める会を迎えました。

事前に西本先生から今回は「伝える事」にフォーカスを当てて開催すると伺っていたので、まさに今の自分に必要な事だと思っていました。

体の変化を感じている中で(楽に体を動かせる)、その事をもっと多くの方に伝えていきたいという想いが強くあり、西本先生の一言一言の意味を感じながら、他の2人の参加者と一緒に時間を共有しました。

常々、西本先生も仰っていますが、西本理論というものが特別な考えとかではなく、人間の素直な動き(喜ぶ動き)を出せるかどうかが全てだと思っています。
なぜ、わざわざ体に過度に負荷をかける必要があるのか?当たり前のようにしている事に疑問を持つことはないのか?

当たり前から脱却する事でより楽しい未来が開ける可能性があるにも関わらず、なかなか自分の殻から抜け出せない人が多い中で、どのようにして伝えていくのか。

今回の深める会で、新たに一つ大きな収穫がありました。
西本先生のこの1年の変化でもあるかもしれませんが、「楽しい」のワードを常に念頭において行動していくというという事を何度も話されていました。

「体が喜ぶ=動く事が楽しい」、これが西本理論を伝えていく中で、1番大切なことかもしれないと感じました。

もちろん、楽しさを味わうためにも動き作りは大事ですが、これからのテーマとして「楽しさ」を持って指導を心掛け、動く楽しさを多くの人に伝えていきたいと思います。

それが西本先生から直接教わった私達の役目だと思いますし、知らなかった為に競技を断念したり、生活に支障が出たという人を1人でも減らしていきたいと思います。

人間の体の奥深さについて改めて実感した、充実した二日間になりました。

西本先生、いつもながらのパワフルな講義で、伝えるとはこういう事と、道しるべを作って頂き本当にありがとうございました。

井田さん、清水さん、初日の親睦会での熱いお話、心に響きました、ありがとうございました。

今後とも宜しくお願い致します。

竹内健太朗

たまたま先ほど見ていたテレビ番組に、コメンテータとして出演していた、元スピードスケートの「清水宏保選手」が、番組で取り上げた競技の選手たちはみんな肉体改造に取り組みムキムキな体で競技を行っている、サッカー日本代表の選手や他の競技の育成年代の選手に対しても、もっと体作りに励めば活躍できると、力説していました。

彼自身身長には恵まれず、まさにトレーニングで作り上げた肉体で、世界と戦った選手なので言いたいことは分かりますが、もちろん彼も分かっているとは思いますが、それだけではないということも知って欲しいと思います。

逆に言えばそれだけ日本選手の基礎体力が、海外の選手に比べて劣っていることを身に染みて感じてきたのだと思います。

だからこそ私は、動きづくりのトレーニングの延長線上には、必ずそれぞれのレベルに必要な体づくりの効果が現れることをもっと知って欲しいのです。

そのためには、たんにつらく苦しいトレーニングではなく、「こうすればこうなれるよ、もっと上手くなれるよ」と、明確な目標設定とともに、指導する側もされる側も「楽しい」と思えるトレーニングであって欲しいと思うのです。

今回のテーマはまさにその部分でした。

楽しいという意味は、一般的に思われているような安易なものではありません、効果がはっきり見えているからこそ、つらい苦しいと感じられることも積極的に取り組めると思うのです。

とにかく頑張れば結果が出た、そうだった人もいるでしょう、しかし、その過程に付いて行けなくなったり、ケガをしてしまった選手を責めるだけでいいのでしょうか。

竹内さんにも、このことをしっかりと頭に入れて、これからの指導に活かしてほしいと思います。

三人の参加者の皆さんに、改めて感謝します。

ありがとうございました。

深める会の感想第2弾です。

深める会の参加者からの感想第2弾です。
まだ数日前の出来事ですが、こうして送られて来た感想を読ませてもらうと、一緒に過ごした二日間をリアルに思い出すことができます。

今回紹介するのは、奇しくもちょうど4年前の今日、2013年12月14・15日に行った「第2回西本塾」に参加してくれて以来ご縁が続いている「井田征次郎」さんです。

この会のことを改めて調べると、なんと16名の方が参加してくれていました。
その中でご縁が続いているのは5人の方々です。
この割合が多いのか少ないのかは判断が難しいですが、残りの11人の方々にも、私が伝えたことが少しでもお役に立てられていれば嬉しいです。

井田さんは二日間の西本塾を終えた時、正直16名の中で一番納得がいかないという顔で帰って行かれたことをよく覚えています。

筑波大学で学び、4年前の時点でもすでに中国のチームで指導経験もあり、受講の4日後には、新たにタイのプロサッカーチームでフィジカルコーチとして仕事をするために出発するというタイミングだったそうです。

多くの方が最後に感想を述べてもらう際、「目から鱗」という言葉を使う中、鱗を落とすどころか、私の話を聞けば聞くほど、それまで自分が学び実践して来たこととの違いに、戸惑いを通り越し、納得ができないというのが正直な感想だったのだと思います。

もう二度とお会いする機会がないのかなと私も思いましたが、タイで言葉も分からない選手に対して指導を行うにあたり、自分が学んで来た教科書的な正しいことが、いかに無力であるかという事に少しずつ気づいていったようでした。
そして私ならどう伝えるだろう、という思いが常に頭の中にあったようです。

シーズンオフに帰国される際には、実家が岡山ということもあり、必ず私の元を訪ねてくれるようになり、4年間が過ぎました。

2週間前に帰国したそうですが、今回はいつもの一時帰国ではなく、それこそ色々なことがあったタイを離れ、日本に帰国して来たというタイミングでした。

当然仕事はなく、これからどうしていこうかと、まさに私の5年前のような精神状態で「深める会」に参加して来たそうです。

本人の感想の前に書いてしまうと、「深める会」の二日間は、井田さんにとってとても大きな意味を持つ会になったようです。

さらには1日目の夜、懇親会を行なっているタイミングで、なんと新たなチームからのオファーがあり、おそらく来シーズンから日本のクラブで指導する井田さんの姿を見ることができる事になると思います。
まさに偶然ですが、こんなタイミングでこんな良い知らせが届くなんて、私も他の参加者も我がことのように喜び合うことができました。

初めてお会いした4年前とは全く違う表情の井田さんの顔を見ることができたのも、私が伝えるという活動を続けて来たからに他ならないと思います。

前置きが長くなりました、井田さんの感想を読んでください。

西本先生、また今回一緒に受講した清水さん、竹内さん、2日間ありがとうございました。
今回は「伝え方」ということが大きなテーマとして学んだ会でしたが、この日のために先生が準備して下さったこと、伝えたかった事が正に自分の中にスッと入って来ました。

西本塾にはこれまで約150名の人達が参加されたとの事ですが、おそらくその殆どの人達がこの理論を、いやこのトレーニング受けて感じる身体の反応(喜び)をどう自分に関わる選手や患者さんに「伝える」かという部分においては課題を持っていると思います。

自分が「何を伝えたいのか」そのために先ずは自分が本当に「これを伝えたい」「みんなにも知ってほしい」そういった気持ちになっていなければ、「こんなトレーニングありますよ」程度の気持ちや思いでは伝わるものも伝わりません。
今回先生がこのテーマに対して準備してくださった事はその事を教えてくれるためのものだったと思います。

まずは先生自身がこの理論を伝えるためにこの1年どう変化させ自ら深めていったかの話を聞き、その後皆でトレーニングを行うことによって、身体がどう反応するのか、どう喜ぶのかを再度体感し、トレーニングしているのに身体がどんどん動いていく、動きたくなるこの感覚を受け、やはり本物だと感じました。

初日の懇親会や最後のまとめで先生が仰られた「伝える側も伝えられた側も楽しむこと、楽しめている事が大事」という言葉が今の自分に物凄く響いて、「楽しいからやってみたくもなる」「楽しいから誰かにも伝えたくなる」正にそうだなと思いました。

毎年アップデートされる先生の指導と言葉の数々、それは正に先生がこの道を探求し続ける「情熱」とそれを受けた人が「楽しい・心地よい」と感じる喜び、それが誰かに何かを伝えるためにとても大事なことだと言う事が詰まった深める会でした。

辛い思い、苦しい思いをしなければ結果は得られない、成長しない、それは果たしてそうなのか?そのために敢えて普段から苦しい思いをさせる事が本当に成長に繋がっているのか?
その前にそのやり方は本当に効果的な物なのか?当たり前のようにやられている事が本当に正しい事なのか?その言葉だけでこう言うと「楽な事ばかりでそんなうまくいくか」と捉えられるかも知れませんが、目指す目標に対して「本質」を捉えているのか?そのためにやるべき事を深く掘り下げて考えているか?
人の身体について取り組むいわゆる「フィジカルトレーニング」という分野においては特にそれがまだまだ足りていない(と言うか違う方向を向いている事が多い)のだと考えさせられます。


単に西本理論が凄い、このトレーニングが凄いといったそんな薄っぺらいものでなく、自分が本当に伝えたい事を相手に伝えるためには何が必要なのか、そこにはどんな努力や思いが必要なのか、先生の指導される姿から指導者としての在り方まで学べた2日間でした。

これから新たな環境でまた指導を始める自分にとって、本当に良いタイミングで今回の学びができた事に感謝します。
繰り返しになりますが西本先生、そして今回同じ時間を一緒に過ごした清水さん竹内さんありがとうございました。

井田 征次郎

いかがでしょうか、色々な経験を重ね、私からの学びを生かし、それらをこれから思う存分発揮できる環境を得た井田さんの活躍を心から願っています。

私には今出来ないことですが、井田さんが指導するチームの選手が、世間をあっと言わせてくれると信じています。

4年間に渡るお付き合い、ありがとうございます。
そしてこれからもよろしくお付き合いください。

深める会の参加者から感想が届きました。超長文です心して読んでください。

鳥取県で高校の国語科の講師として教壇に立ち、部活の指導ではご自分がプレーしていた軟式テニスを指導している「清水佳祐」さんから感想が届きました。
とにかく超長文ですので、時間のあるときにじっくり読んでいただければと思います。
以下全文を載せます。

西本先生、井田さん、竹内さん、深める会での二日間本当にありがとうございました。
最後の挨拶をするときに、まだまだ感想というものをまとめきれないほど、多くのことを感じられた二日間だったので、実際しどろもどろで何を話していいものか分からず、まとまりのない話をしてしまったなぁと帰りの電車の中で反省していました。
これから書いていくことは、もう一度最後の挨拶での感想の仕切り直しをさせて頂くことと、先生のブログを読んでいる方々に向けて、西本塾・深める会やそこで学んだことを、自分が「伝えたい」こと「伝えられる」ことを、拙い言葉で長いものとなりますが、表現していきたいと思います。
こんな長文読めるか、我慢ならぬ!という場合は、読み飛ばしてもらい、好きなところを読んでいただけたら幸いです。

まず、西本塾や深める会という学びの場は、私にとってどのようなものであるかというと、西本先生からの教えや叱咤激励を直接受けながら、自分自身の心身と向き合い対話する場所だと思っています。
また様々な経験をされてきた方と共に過ごし、様々な話をしていくことによって、新たな視点や新たな人間関係ができていく場だとも考えています。
西本塾に初めて参加させていただいてから三年経ちました。
その間、私自身もそうですが、私が教える生徒たちも、西本先生や、西本塾生の方々に育てていただいたと言っても決して過言ではありません。
実際、西本塾に初めて参加した際の一昨年度の教え子たち、昨年度の教え子たち、今年度の教え子たち、全く違う指導になっています。生徒が変われば指導も変わるというのは至極当然のことではあるのですが、その指導をする自分自身が、深める会に参加することにより毎年変わってきていると実感しています。
西本先生や周りの方々が私に対して変化していっていると感じられているのかどうかは分かりませんが、自分の感覚では確実に変わってきていると感じているのです。
このような学びの場が他には存在しない、とは言いません。
西本塾に来なければならない、のではなく、そのような学びの場が、先生のブログを読んでいる方々にはあるのだろうか?と思うのです。
生徒や学生という立場で学校という場にいれば、何かしらそのような学びの場が担保されるかもしれません。
社会に出て仕事に追われ、家庭生活で忙しいのもよく理解できます。
実際、私自身が独身故に毎年参加出来ているのかもしれません。
広島までの交通費が…講習費が…時間が…、と言い出せばきりがありません。
ネット社会になり、一定額支払えば、いつでもどこでも誰とでも電波を介して繋がる世の中にはなっています。
先生のブログを疑似的に無料で(実際は定額のネット利用料、電気代、読む時間がかかるが)読むことにより、分かった気分になれるかもしれませんし、何かのヒントを貰えるかもしれません。
実際、勘の良い人、理解力の高い人、身体感覚に優れた人ならば、理解できることもあるかとは思います。
しかし、読まれているブログ自体は自分だけに向けられた言葉ではなく、万人に向けられた言葉であり、分かっているような気分になるだけの可能性も大いにあります(先生は特定の誰かに書いている場合もありますが)。
最近は「KY」という言葉が言われなくなりましたが、それこそ皮膚で感受できる空気感というのは、その場に来ないと分からないもので、先生から発される言葉も自分自身に向けられた言葉として受け取るには、対面で向かい合わなければならないと思います。
私自身、西本塾というものに参加するまで、このような学びの場に行かなかったのか、と言われたら、行っていましたし、これからも探し求め続けると思います。
しかし、自分の皮膚感覚的に最もしっくり来た場が西本塾であったので、こうして毎年参加させてもらっていますし、今後も確実にお世話になろうと勝手ながら思っております。
また、一教員として、どうにか同じような学びの場を学校という場所で作りたいとも思い、試行錯誤をしながら、テニスコートや部活動という場には作ることができ始めたかな、という思いもあります。
実際、年末に合宿をするのですが、一昨年度の教え子(とある強豪大学でプロを目指して頑張っている硬式野球部所属の教え子や、ブログのコメントにも登場したソフトテニス部の教え子)が「アップデート」や相互の学び合いを求めて、100キロ以上離れたところから、彼らの数少ない帰省の期間やオフを使って参加してくれる予定です。
今年19歳にして、自分から学びの場を求めて動くことの出来る彼らに対し、自分の19歳の頃は…と考えると恥ずかしい限りであり、同時に尊敬の念も抱いております。
なかなか採用試験にも受からず、まだ講師という立場ではありますが、こうした生徒と関わり、今でも学びに来てくれる関係を作れることが出来ているのも、西本先生や西本塾生の皆さんのおかげだと思っています。
だからこそ、ブログを読まれている方で、もし学びの場が欲しい、という方がおられるのならば、一度参加していただきたいなと思うのです。
「西本理論」については後述しますが、その「西本理論」を理解しなければならないという姿を求められるのではなく、「西本理論」を通じて参加者の方々と楽しみながら試行錯誤することで、「西本理論」は身体に染み込んでいくのだと思います。
「西本理論」というのは、「動物としての(命あるものとしての)人間」を掘り下げるための「スコップ」のようなものなのだろうな、と私は思っています。

もしかしたら、走り方やサッカー、野球…といったそれぞれのスポーツの上での「西本理論」と考えられている方も多いのではないでしょうか。
世の中には、スポーツの分野だけでなく、多分野において多種多様に様々な理論や考え方が広がっています。
金儲けのビジネス的な側面がありありと見られるものもあれば、もっと世に広がればいいのに、という考え方も多々あります。
その、もっと世に広がればいいのに、というものの一つが「西本理論」と書かれた「スコップ」なのです。
観念的な表現になってしまいますが――最初の西本塾で渡された「スコップ」を一年間使って、翌年再び参加すると、西本先生の持っている「スコップ」は更に形が変わっていて『これを使いこなしてみろ』と渡される。
そしてまた翌年…――というように、毎年毎年改良された「スコップ」を渡してもらえるわけです。
その「スコップ」の使い方も本当に人ぞれぞれで、深める会やブログの中で、塾生の方々の「スコップ」の使い方を拝見すると感嘆させられるばかりです。
私はその「スコップ」を使って、様々な分野(土地)から「人間」に向かって掘り下げるために使ってみたり、全く違うような分野を繋げるための穴を作ってみたりしています。
西本先生が求めるものと違っているかもしれません。
しかし、私にとって「西本理論」は、多分野の多種多様な物事を理解していくための必需品となっています。
以前もブログに掲載してもらった際に、ガウディの話を出したかと思います。「西本理論」を学び始めて、ジブリの宮崎駿監督の考え方の一端がようやく理解出来始めた気さえしています。
彼の映画作りのドキュメント等を拝見していると、「人間を描けているかどうか」という言葉がよく出てきます。「西本理論」を学ぶ以前は、「宮崎監督はこんなに絵を上手く描けてうらやましいなぁ」「そんな細かいことまで拘るのか…」というぐらいのものでしたが、学び始めて以後は、「確かにそのような場合、そういう動きじゃないといけないよね」というように、彼の細部にまで拘るプロ意識も理解できるようになりました。
また、先日「ジブリの建造物展」という展覧会に行ったのですが、その中で「宮崎監督の描く建造物は、金さえあれば全て再現可能」と書かれている部分があり、ただ単純に「人間」や「建物」を好き勝手に描いているわけではないのだと、より感じられるようになりました。
宮崎監督のアニメ作りの「眼」と、西本先生の動きづくりの「眼」は同じように出来ているんだろなと思います。
もしも、という話をすることが許されるのであれば、「西本理論」に触れていなければ、たとえば宮崎監督の言葉に自分の気持ちが引っ掛かってはいなかったのかもしれないと思うと、やはり西本先生に貰ったこの「スコップ」はただものではないぞ、と思うわけです。

…と、ブログを読んでいる方にはものすごく分かりにくい話になったかもしれません。
私の「西本理論」の生かし方は、西本塾生の中では異端かもしれませんし、褒められたものでもないかもしれません。
当然、日々の部活動だけでなく、授業でも(授業は異端な生かし方かもしれませんが)生きていますし、前述した部活動を通しての学びの場を作ることも出来ました。
西本先生は、私のような生かし方を異端と言われないかもしれません(言われるかもしれませんが…)。
しかし、西本先生のブログを読んでいる方にとって、スポーツのためだけの「西本理論」ではないと思ってもらいたいのです。
確かに、スポーツの分野においては、「西本理論」を通じて、生徒たちは大きく成長してくれていますし、私自身も指導者として成長させてもらっています。
しかし、スポーツの分野にだけ生きているわけではない、ということを知ってもらいたいのです。
余談にはなりますが、「西本理論」を学び始めて以降、「専門」という言葉を使うことがなくなりました。西本先生から「スコップ」を渡されて以降、異端な使い方をしたからかもしれません。
本当にどのような分野でも繋がっていくのだなと感じています。他者から「専門」家と言われることはいいのですが、「○○専門」と自称するのは、逆に「△△の分野からはヒントを得る気はありません」かのように言っているというような気持ちさえし始めました。
とにかく、「西本理論」はスポーツの分野だけに生きるものではないと思っていただきたいのです。

ようやく今回の深める会自体の感想に入れそうです。
今回は、私一人でも深める会をすると言って頂いたことに、ありがたさと申し訳なさを感じ、確認の連絡をしてしまいました。
前回の件も今回の件も、今後ずっと言われ続けるのだろうと覚悟しているので、是非今後ともいじってください笑。
今回井田さん、竹内さんとご一緒することができ、本当に良かったと思います。
初参加の深める会でご一緒させていただいた井田さんと、これまでも西本先生からお話を伺っていた竹内さんにお会いでき、交流でき、お二方の経験や視点も学ばせていただきました。
初日はこの一年の先生の深まりをお話しして頂き、お昼を挟んで、マシン等を使ってのトレーニングによる身体への意識付けを行いました。
これまで二回参加して感じた身体の反応とは段違いのもので、まだまだ寝ている筋肉はいるのだなと如実に感じましたし、西本塾は本当に入り口でしかないぞ、と思いました。
お陰さまで、今でも背中の方が声を上げています…笑。
しかし、この意識付けがとても良く、アイドリング等が一段と楽に行えるようになりました。また、私の癖だらけの動きの一つ一つを指摘・改善・指導していただき、お手本の竹内さんの動きを間近で見ながらドリルを行うことで、少しは腰の振りが改善されたと思いますし、指導する際に注意するべき視点も少し理解できました。
夜の懇親会は、今回も有意義なものとなり、皆さんの濃い話も聞かせていただき、また自分の今後歩もうとする道への後押しもいただき、本当にありがたかったです。

二日目は、走りのドリルの後、公園で走る練習を行いました。
初日の意識付けの影響でしょうが、スムーズに動けるような感覚になった反面、これまで感じたことのない感覚が襲って来ました。
この一年、運動よりも勉強にシフトしており、体力が落ちたことも影響しているのでしょう。確かに疲労は無いのですが、息がものすごく早くあがるようになりました。
帰りの道中でその原因を云々考えていたのですが、トレーニングによる意識付けの結果、今まで使ってもいなかった部分が稼働し始めたからでは?と考えました、間違っているかもしれませんが。
とにかく、これまで以上にスムーズになったことは確かなので、再び一年間この身体の意識を忘れぬように、日常生活の動きから意識を変えていきます。

二日目の午後は、操体法のお話や「からだほわっと」の練習が行われました。
先生が動きの指導や施術をする際の視点を細かく教えて頂き、今後の指導や深めていく上でのヒントを頂きました。
「からだほわっと」はやはりと言いますか、形ではなく、相手への気持ち次第だと思いました。
生徒への動きの指導をし始めてから、身体の不調を訴える生徒がいないので(これは良いことですね。)、「からだほわっと」をする機会がないのですが、今後とも家族にでも頼んで練習させてもらいます。
今回の深める会は、私のリクエストに応えて下さり、「伝える側」としての深める会をして頂きました。
自分が「伝えたいこと」相手に「伝えられること」どちらにせよ、これは正しい理論なのであると声を大にして言うのではなく、それをいかに楽しんでするのか、楽しんで指導するのか。二年前の西本塾に初参加したあと、学校で生徒に教えていた時の気持ちを思い出すことができました。

私の教えている国語もソフトテニスもまた、自分の趣味の延長に過ぎません。
また、こうして云々と思考に耽ったり、知らないことを学んだりすることも趣味と言えてしまうかもしれません。
そして、子どもたち生徒たちと共に、国語やソフトテニスを楽しむ、身体を動かす、新しいことを共に学び深め合うこともまた究極の趣味かもしれません。
先生が読まれているかは分かりませんが、漫画スラムダンクの中で、インターハイ前の遠征で、監督である安西先生と主人公桜木花道が居残り練習をする際、安西先生が心の中で、教え子が伸びていく様子を見ることを「道楽」と表現した(正確には桜木花道に「おやじの道楽に付き合うほど暇じゃない。」というようなことを受けて)ことも少しは理解できるようになった気がします。

今回最後に言われた、「楽しむ」ということはやはりそういうことなのだなと思わされましたし、自分が教員となる原点に戻してもらったような気がしています。

長文になって本当に申し訳ありません。
次の春から大きく変化のある私自身にとって、「西本塾・深める会とは何か」「西本理論とは何か」を改めて考え、考えるままに言葉で表現させて頂きました。
実際、11月上旬頃送らせて頂いた西本塾・深める会への参加希望の連絡をしたころから、深める会に参加している間、この文章を書いている間も通して考え続けていました。
これからも自問自答を繰り返していくのだと思います。
当然、今後ともますます自分の中でその存在は変化していくものだと思います。
3000字以上、A4用紙3枚以上でと、半ば冗談で言われたようなハードルを、気付けば大きく超えてしまいました。
あまりに長いと、ブログに載りきらない可能性まであるので、そろそろ終わります。

最後に西本先生へ。
今回の自分の人生の選択は、はっきり言って賭けでした。
31歳という年齢を考え、安定を取るか、まだまだ講師としてチャレンジを続けるのか、本当に悩みました。
この二年ほどの間、教壇に立ち続ける自信や意義を失うほどの言動を受けました。
自分は教壇に立つほどの人間じゃないとまで思っており、昨年度は何度か通勤で事故をしそうになるほど、うつ状態になっていた時期もありました。
チャレンジをしても採用になるとは限りません。
しかし、今回の決定を先生が喜んで下さったこと、教壇を降りるべき人間ではないと言ってもらえたこと、それらを心に刻み、次のステージでは絶対に採用となるべく頑張っていきたいと思います。
と言いながら、採用試験の勉強よりも、これまで通り目の前の生徒のために時間を使ってしまうことが目に見えているのですが笑。
でも次にお会いするときは正採用となっているように、合格の報告ができるように、勉学にも励もうと思っています。
決して、採用がゴールとは思っていません、もっともっと子どもたちをこの手で羽ばたかせられるお手伝いをするためのスタートラインだと思っています。
今後とも長々とこの曲者の面倒を見て頂けると幸いです。
乱文雑文の上、かなりの長文を読んで頂き、ありがとうございました。

西本塾 16期生 清水佳祐

いかがでしょうか、私のところに学びに来てくれる人は、スポーツの選手や指導者、医療関係や施術を業としている方々がほとんどです。

もちろん清水さんもスポーツの指導者としての学びから始まっているのですが、いつのまにか西本理論を大きく膨らませてくれています。

個々の内容に関してのコメントはしませんが、私が言う根っこを掘る作業というのは、人間の営みすべてに通じるものだということを、清水さんか感じてくれたのだと思います。

実利を求めるために講習会に参加する、当然のことです。

そこからこんな考え方を膨らませてもらえることは望外の喜びです。

スポーツ動作が上手くなりたい、試合に勝ちたい、痛みを改善したい、してあげたい、当然のことです。

そのためには何をすればいいかを学ぶだけでは足りないものがあると思うのです。

正しいことを正しいと、声高に叫び続けて来た私ですが、長いような短いような人生の折り返しはとうに過ぎ、息子のような年回りの皆さんと、真剣に語り合える立場にいられることが何より嬉しいです。

そして伝えることが楽しい、もちろん伝えている内容が楽しい事に繋がると思ってもらえるように、まだまだ私自身の学びを深めていきたいと思っています。

清水さん、真剣に向き合い長文の感想を送っていただき、ありがとうございます。

深める会を終えて。

最初にお知らせしたいことがあります。
8月の後半、福山市で行われた夏合宿の中の一日を、私の指導に当ててくれた『大阪府立大学サッカー部』が、昨日の入れ替え戦に勝利し、来シーズン3部リーグから2部リーグへ昇格を果たしたそうです。

Jリーグと言うトップのカテゴリーの選手を相手に仕事をしてきましたが、選手たちのもっと上手くなりたいという向上心を強く感じられたことで、私は何のためらいもなく指導の依頼を受けました。
そのあたりのことは、過去記事を読んで頂くとして、彼らが10数年ぶりに昇格を果たしたという報告をもらい、我がことのように嬉しく思いました。
私などたった1日指導させてもらっただけの関係ですが、現役の選手や関係者、そしてOBの方たちも含め、私には想像できないほどの喜びに包まれているようです。
その結果に、私が伝えたことが少しでも役に立ったとしたら、本当に嬉しいことです。
大阪府立大学サッカー部の監督選手マネージャーさんを始め、関係者の方々本当におめでとうございます。

さて、昨日一昨日の二日間、「西本塾を深める会」を行いました。
これから参加してくれた3人から感想が届くと思うので、詳しい内容には触れませんが、西本塾そして深める会と、数を重ねるうちに様々な思いを感じることになりました。

今回一番考えたことは、3人の受講者はそれぞれ違う立場ではあるけれど、私から学んでくれたことを、何とか正しく伝えたい広めて行きたいと、真剣に活動してくれていることに、私がどう応えて行かなければならないかということです。

西本塾に参加した後の感想が、「まさに目から鱗なことばかりで、これから学んだことをしっかり自分の中に落とし込んで・・・」と、まるで判を押したようなことを書いてくる人たちが多いことに、ある意味驚きを感じていました。

そしてそんなことを書いてきた人たちは、その後の関係が途切れてしまう人がほとんどでした。

一生懸命伝えたことが、それぞれの立場で向き合っている人たちのために、本当に役に立つ内容であったと感じてくれた人が、深める会や個人指導の形で関係が続いているのだと思います。

そんな人たちが抱える一番の悩みが、「どうやって伝えるかと」いう根本的な問題でした。

既に一般に認知されている〇〇トレーニングや、有名な選手が行っているトレーニングであれば、そのことを伝えるだけで、ほならば自分たちもやってみようと納得してくれるはずです。
残念ながら私の考え方ややっていることに、そういう意味でのネームバリューはありませんし、一般の人をあっと言わせるような派手なパフォーマンスを見せることは出来ません。

にもかかわらず、ブログやその他私の著作物を読み、勉強をし経験を重ねてなお、確たる信念を持って指導出来ているか、本当にこれが正しいことなのか、そんなもやもやを感じながら日々の仕事に追われている人たちが、もしかしたら自分が探し続けてきたものがここにあるかもしれないと、わざわざ広島まで来てくれているのが西本塾でした。

二日間の西本塾を終えたことは、上手い例えが見つかりませんが、カタログだけでは判断できなかったものを、直接販売店に来て手に取って見た、と言う感じではないでしょうか。
カタログに載っていたものはこういうものだったのかと、手にとって色や形や重さを実際に確認したに過ぎないということです。

本当の意味での、その商品の素晴らしさ、他の似た様なものと何が違うのか、どんな特徴があってどこが優れているのか、何よりその商品を購入するメリットは何なのか、それを確認してもらうためには、店頭から中に入って、実際の使用状況に近いところまで体験してもらわなければ、本当の良さは分かってもらえないと思います。

今回の参加者3名は、まさに事の本質に気付き、なんとか自分の指導に活かしたいと思ってくれた人たちです。
しかし、目から鱗と言われるように、これまで当たり前だと思われてきた固定概念からは、少々外れているところがあります。
外れていると言っても固定概念、既成概念から外れているというだけで、事の本質から言えば決して間違ったことを言っているわけではないのです。


現状で満足している人、何か新しいものを取り入れようという進取の気概のない人たちにとっては、迷惑この上ないことになってしまうようです。

そんな人たちの中で、学んだことをどう伝えたらよいのか、それが今回のテーマとなりました。

私自身がその問題を一番感じてきました、当然のことです、私がその当事者なのですから。

誰に理解されなくても、正しいものを正しいと言い続ける、孤高の覚悟は出来ている、そんな心境になることもありました。
私個人の問題ならそれ良いと思っていました。

しかし、本気で私の考え方に向き合い、これこそ自分が求めていたものだと思ってくれた人たちには、あまりにも固定概念の壁は高く分厚いものなのです。
それに対して、私が何の手立てもできないことに、無力感と申し訳なさを感じていました。
しかし、そんなことを考えているだけでは前に進むことは出来ません。

今回私が伝えたこと、と言うより私が今思っていることは、私が伝えてきたことを、「私自身が心から伝えたいと思ってきたことなのか」ということです。

受講する立場から言えば、時間とお金をかけての受講ですから、何らかの効果というか、実利を得る手段を持ち帰りたいと思うことは当然のことです。
費用対効果、損得を考えての受講であっても、それに対して何も言うことは出来ません。
ならば伝える側の私は、費用対効果に見合う内容を伝えているということが一番の目的であってもおかしくありません。
しかしそうではありませんでした。

私が長年かけて追い求めている真理とも呼ぶべき考え方や実際の体の使い方を、私以上に熱く伝えられる人間になって欲しいという思いでやってきました。

その根底になくてはならないのが、伝え手として私が行っていることを、私自身が心から楽しいと思ってやっているか、受講者である受け手の皆さんが、実際に話を聞き体を動かすことによって、何としてもこれを伝えたい、二日間と言う短い時間の中で、どんどんその思いが大きくなる、受講前の期待をはるかに上回るドキドキ感やワクワク感を膨らませてあげられているか、そこに尽きると思ったのです。

私が楽しいと思わないことを、受講者が楽しいと感じてくれるわけがない、私が心から伝えたいと思ったことを、受講者も心からそう思って帰ってもらえているか、そうなっていなければ、学んだだけで伝える側には成ってもらえないのではないかとも思いました。

だから今回は、改めてこれは良いぞ、とにかくこのことを伝えたいこの動きを伝えたい、そう思ってもらうことを一番の目的としました。

私自身は、伝えることが心から楽しいと思える二日間を過ごさせてもらえました。

受講者の皆さんに、そのことが伝わったか、自分もこんな気持ちで相手に伝えることが出来たら、今までこちらを向いてくれなかった人たちも、きっと興味を持ってくれるはずだ、そう思ってもらうことが出来たでしょうか。

感想が届くのを楽しみに待ちたいと思います。

私自身にも大きなきっかけとなりました、3人の皆さんに感謝します、ありがとうございました。

私が目指して来たもの。

雑感です。

今日は改めて自分がやってきたことを整理することになりました。
「なりました」と言うのは、あるきっかけがあったからです。
それは、拙著『1回5分体が喜ぶ健康術』にも登場して頂いた、すでに10年に渡る長きの間お付き合いをいただいている、今年70歳になられたHさんから、ある宿題をいただいたことです。

Hさんは本の中でもご紹介した通り、学生時代からゴルフに親しみ、現在でも競技ゴルファーとして活躍されている方です。
縁あって私の所へ来て頂くようになってから、Hさんの親しい方も驚くほど私に対する信頼が厚く、体調管理やトレーニングの指導はもちろん、ゴルフの事でも疑問に思った事があると必ず私の意見を求めてくれます。

一般的にゴルファーは、自分より下手な人のいうことに耳を貸すような人はいません。
スコアという数字が厳然として存在しますから、1打でも少なく上がれる事がゴルファーとしての優劣を決めることになります。

Hさんはあくまでもアマチュアゴルファー、しかも出会った頃には既に60歳を超えた時でしたから、私がプロや競技レベルのスポーツ選手を相手にする時のような接し方をする事はありませんでした。

それでもこの10年間、ドライバーをはじめ各番手の飛距離はほとんど変わっていない事に、私の指導することに間違いはないという、結果としての信頼を得ていると思います。

ゴルフに対しての探究心は衰える事はなく、ゴルフ雑誌で目についた記事を見つけると、私の所に持って来てくれるのです。
今回気になった記事は、週間ゴルフダイジェスト11月21日号の126ページに載っていた、奥田靖己さんと海老原清治さんというシニアプロによる対談記事の連載で、「古武道に学ぶ」というタイトルのものでした。

「日野晃」さんという古武道の道場を開いている方の本を、奥田さんが読み、メールしたら本人から連絡が来て直接話が聞けたというところから、話が始まっていました。
そこで語られている事が、私から断片的に聞いている内容と重なる事があると感じられたようで、そこに書かれた『考えるな、体にきけ!」という日野さんの著書を早速購入したようでしたが、あまりにも内容が難しすぎて理解出来ないから、私に読んで要点を教えて欲しいという宿題でした。

過去にも同じような事が何度かありましたが、その度に私の考えをお話しして来ました。
今回改めて私がHさんに対して、10年間に渡って伝えて来た事はなんだったのだろうと考えさせられました。

「私が学び続けている事、目指し続けている事はなんなのだろう、何のためにどこへ向かっているのだろう」そんな思いが心の中にふっと湧いて来ました。

20代の半ばに「渡辺英三先生」との出会いから操体法を学び、32歳で会社員を辞め、故郷宇和島で治療院を開業したことから私の人生は大きく舵を切りました。

振り返ってみると、私は何一つ「この道を極めた」と、自信を持って言えるものがありません。

今回の日野晃さんという方は、武道というものを通して、一般の方からは想像もできない道を極めたと「達人」と呼ばれるレベルに達した方だと思います。
この方の経歴を見ると、その前にはジャズドラマーとして一流と言われる存在にもなっていて、あるきっかけから武道の道を志した方のようでした。
とにかく、生涯かけて極めていくに値する道を見つけ、その道を真剣に歩み続けているのだと思います。

古武道、古武術に関しては、もう20年近く前になるでしょうか、甲野善紀さんという方の存在を、NHK教育テレビの「テレビスポーツ教室」という番組だったでしょうか、東京の有名私立高校、桐朋高校バスケットボール部が古武術の動きを応用して、東京都ですからものすごい数の出場校の中、並み居る強豪を撃破してたった1年でインターハイ出場という大躍進を遂げたという事を知りました。
超進学校で部員の中からは東大に進む生徒はざらで、ほとんどが難関校へ進学するそうです。

これまた不思議な縁で、当時専属トレーナーをしていたカープの佐々岡真司選手が、メンタル面にも取り組みたいと新たに契約した、メンタルトレーナーの高畑好秀さんと、その高校の指導者の方が知り合いだった事で、学校で練習を見学させていただいたり、指導者の方と直接お話を伺う事も出来ました。
それ以来、甲野善紀さんの著作やDVDなど、必死になって学ぶ努力をしました。

今年遠隔サポートを受けていただいた丸太悠生君のお父さんが、中国武術を行なっていた事で、私の考え方にも素直に共感して頂けたようでした。
「発勁の科学」という本に書かれていることと私の考えが近いという事も言われましたが、実はその本も真剣に読み、大きく影響を受けたものでした。

私なりにこれまで多くの方から、多くのことを学ばせていただいて来ました、一般の方には興味がわかないような本もたくさん読んで来ました。

トレーニングに関しては、鳥取のワールドウイングを主宰されている小山裕史さんが、私の同級生で現在松山でランクアップ愛媛というトレーニングジムを経営する吉見一弘君と、若い頃一緒にトレーニングをしていた仲間だったという、これまた不思議な縁で、実際に鳥取にも行った事がありますが、初期には大きな影響を受けました。

こうして私は、それぞれの道でまさに達人の域に達している方々との直接間接のご縁を頂き、その本質を探る努力をして来ました。

しかし、世間が評価するのは、やはり一つの道を極めた人のようです、当然のことだと思います。
誰にも真似のできない高みに達するために、注がれたエネルギーや年月が、常人には真似のできないものであるからこそ評価されるのです。
そういう方々から何かを学ぼうとする事も当然のことかもしれません。

武術や武道であれば、体格差のある相手を苦もなく投げ飛ばしたり、振りほどいたりと、常識では考えられない事が目の前で繰り広げられるのですから、目を奪われて当然です。

私が驚いているのは、その動きを直接見たり、技を体験した事で、それぞれ自分の競技なり演技なりに応用している人たちがいる事です。

正直そのことの方が凄いと思います。

私はこれまで操体法から始まり、様々なことを見たり聞いたり体験して来たりしましたが、それはその中のどれか一つを見つけて生涯取り組むことで、その道での達人を目指すためではありませんでした。

私が必要としてきたことは、「目の前にいる選手をどうやったらもっと良い選手に出来るか、痛みや体の不調に悩む人間の体をどうやったら改善できるのか」そのための方法論であり考え方だったのです。

多くの考え方に出会う度に、一つの確信めいたものが出来上がっていきました。
「人間の体はみんな同じである」と言うことです。


ですからどんな道で達人と呼ばれようと、同じ人間がやっていることなのです。

その道のりを様々な形で披瀝してくださっていますが、今回のHさんが言われるように、これまでその世界に縁のない人からみれば、とても難しい内容であると言わざるを得ません。

必要としている人が真剣に読めばわかるはず、確かにそうかもしれません。

しかし私が目指して来たものを形にして行くためには、分かる分からない出来る出来ないではなく、分かるように伝えなければならないし、出来るようにしてあげなければならないのです。

それが下手だったことは認めざるを得ません、私こそ正しいものを正しいと言い続けて来た人間ですから。

私がまとめ上げて来た考え方は理論とは言えません、客観的な検証ができないものは理論とは呼ばれないそうです。
ただ小洒落たネーミングができないから、なんとなくそう呼ばれていることに、私自身が異を唱えていないだけです。

私には一般の方が見て驚くような何かをお見せすることはできません。
そんなことを目的としてこなかったからです。

だからHさんが、ゴルフ雑誌を読み、日野晃さんの本を買って、「こんなことを言っている人がいるよ」と、私に教えてあげようと思って下さることは有難いことだと思わなければなりません。

しかし、一般の方からこんなこと知っていますかと言われるようなことは、私なりに既に勉強し尽くしているのです。

それらを、それぞれの人に必要だと思われる内容に噛み砕いてお伝えしているのです。

今日も午前中施術を受けに来てくださった方に、そのことをお話ししたところ、「私にとっては先生(私のことです)は、どんな方にも勝る達人です」と言ってくださいました。

やはり私を評価してくれるのは、私と直接縁があって、それぞれに必要なことが、私の身につけて来たことでお役に立てたと思っていただいた方だけなのです。

明日、宿題にお答えしなければならないのですが、そんなこととっくに知っていましたよと、訳知り顔でお答えするつもりはありません。

Hさんが、その文章から何を得ようとされたのか、それをしっかり確認してそれなりの回答をしたいと思います。

誰のどんな理論や方法論に触れても、その根っこは全て同じであると言う事実は、「人間の体はね・・・」と言う私の伝えたいものの本質だと改めて感じました。

長くなりましたが、私が求め続けている方向性を確認しておこうと言う気持ちで書きました。


[私が目指して来たもの。]の続きを読む

丁寧に伝えて行くために。

12月に入りました。
私事ですが、今日12月4日は34回目の結婚記念日です。
その頃の私は、今の私はまったく想像すら出来ない状況で、安月給の会社員としてどうやって生活して行けばいいのか、本当に大変な時代でした。
その後紆余曲折の人生が続いていますが、妻には本当に苦労のかけどうしだと感謝の言葉しかありません。

さて、今年のJリーグも終わってしまいました。
まずは川崎フロンターレを応援しているサポーターのみなさん、念願の初タイトル獲得おめでとうございます。

何のお役にも立てませんでしたが、ほんの数か月間とはいえ、私のようなものにまで温かい言葉をかけていただいたフロサポの皆さんには心から感謝しています。
今日月曜日は定休日とさせていただいているのですが、今朝はやく、私の施設を仕事で広島を訪れているフロサポのどなたかが、わざわざ訪ねてくださったそうです。

呉市に行くために、広島港を訪れ、私のことを思い出していただいたようでした。
もしこのブログを読んで頂いて、お帰りも広島港を利用されるようでしたら、自宅が近いのでご挨拶に出向きますので是非ご連絡ください。

私が川崎に行くことを決めた頃、フロンターレを支える川崎という街、そしてサポーターのみなさんは、他のJクラブとは一味もふた味も違う温かさと熱さを持っていることを聞いていました。

もう5年も前のことになるのに、未だに私のことを気にかけてくださるフロサポさんがいることに感謝しかありません。
過去何度もこの一戦に勝てばという大一番にことごとく敗れ、悔しい思いをされてきたことと思います。
改めて勝利の美酒に酔いしれ、余韻を楽しんでいただきたいと思います。

とくに応援のコールリーダーを務める『海人』君とは、個人的な友人としてお付き合いが続いており、彼や彼らのグループのみんなさんと一緒に祝杯をあげたいくらいです。
とにかくおめでとうございました!

また地元広島も、なんとかJ1残留を果たし、色々な意味で安心しています。
もちろん青山選手のパーソナルトレーナーを務めている、息子智志の頑張りも、一助になったと思っています。
4月以降、体の問題で戦列を離れることは一度もありませんでした。
残留を決めた一戦でも、最後まで必死に走り続ける姿に、息子の姿が重なって見えるほどでした。

広島はご存じのとおりカープの街で、その熱心さは他の都市から来られた方には異常とも映るほどだと思います。
カープのホームランガールと同じユニフォーム姿でゴルフ場を闊歩する年配の女性が居たり、試合がない日でも、普通にユニフォームを着て街を歩いている方がたくさんいますから。

行政もカープのためにお金を使っても、サンフレッチェ広島の為には、新しい球場の建設にも本当にやる気があるのかとみんなが思うくらい消極的です。

シーズン途中に、新球場建設にも奔走していた森保監督が解任され、先日織田社長の辞任も発表されました、そして残留を果たしてくれたヨンソン監督の退任も発表されたようです。
来シーズンに向けて、外から見ていると一体どこへ向かっていくのか不安しかありません。
それでも何とか広島にももちろんたくさんのサポーターがいるのですから、頑張ってほしいと思います。

さて、週末は西本塾生3名を迎え、「深める会」を開催します。
西本塾にしろ深める会にしろ、参加者が少なくなればなるほど、私は伝えるということの難しさを感じています。

今回は伝える側としての心構えというか、改めてきちんと理解して欲しいことを共有するための二日間にしたいと思います。

伝え始めて早4年が過ぎ、私自身が大きく変化しています、もう4年前の伝え方ではありません。
しかし、それぞれの受講者が自分が学んだ時点での西本理論を伝え広める活動をしてくれていることに、もちろん感謝の気持ちはありますが、その後の変化にも対応してくれているのかが少し心配になっています。

FBTに関しても、その意義や目的、動きそのものの注意点にも、細かい部分ですが修正というか工夫を加えています。
過去にもNewsPicksの連載中に、是非動画をと言われたこともありましたし、ブログの読者からもその要請はありました。
しかし、それに私が応えることはありませんでした。

文字で説明しようと、写真を載せようと、動画を載せようと、本当の意味で私の思いが伝わるとは思えなかったからです。
形ではなく、どうしてFBTというものを思いついたのか、なぜそれを行う必要があるのか、それを行うことで何がどう変わって行くのか、言葉では書ききれないほどの思いが詰まっているのですから。

ところがある塾生が、私の知らない媒体で動画をあげていることを、「こんな人が西本さんと同じようなことを言って動画も載せていましたよ知っていますか」と、連絡してくれた人がいました。

いつかこんなことがあるとは思っていませんでしたが、一言相談して欲しかったです。
私もそれを見ましたが、私ならこんな中途半端な取り上げられ方では納得できないというレベルのもので、実際の動きの解説も十分とは言えないものでした。
申し訳ないですが動画の削除をお願いしました。

私は本当に正しいことを正しく伝えたいという信念で活動してきました。
しかし、それだけでは伝わらないという現実も十分分かっているつもりです。
だからこそ、これまで積み上げてきたものが、一人でも多くの方のお役に立てるものにするために、これまでとは少し違ったアプローチの仕方も考えなければならないと思っています。

私の思いは私がきちんと責任をもって伝えなければなりません。
もちろん、そんな深いところまで求めてはいないというレベルであれば、全国各地から学びに来てくれた人たちに教えを乞うことで十分その効果を感じていただけることでしょう。

ただ私がこうして発信する場では、中途半端なことは出来ないのです。
そのことを行動に移すために、実は家内に頼んで、西本理論指導動画第一弾となる、体の仕組み編とでも呼ぶべき動画を撮影してもらい、ユーチューブのリンクを張ってブログにアップすることで、西本塾とまではいきませんが、今よりも少し踏み込んだ内容にしたいと思いました。

ところがカメラを縦位置で撮ってしまったために、納得できる動画にならなかったため、改めて撮り直し仕切り直しをすることにしました。

スタートが年内になるか年明けになるかは分かりませんが、基本の基本の部分を正しく伝えられればと思っています。
正直今の構想では、枝葉の先の花を咲かせる方法を期待している方には、まったく面白くないものかもしれません。

しかし、それらをきちんと理解していないことが花を咲かせられない原因であることに気付いていないとしたら、これまでの固定概念の中で自分を変えることも、指導を変えることも出来ないと思います。

こうご期待と言いたいところですが、私の小理屈に付き合う暇がなければ、その先への扉が開くことはないということだけは言っておきたいと思います。


プロフィール

Author:西本 直
1993年、Jリーグサンフレッチェ広島を皮切りに、社会人野球三菱重工広島・協和発酵・ヴィッセル神戸・川崎フロンターレ、そして広島カープ佐々岡真司投手など、プロアマ問わず競技レベルのスポーツ選手から一般の方まで、トレーニングやメンテナンスの指導を行ってきました。
その経験と知識の蓄積を「西本理論」としてまとめ、一人でも多くの方に実践していただくことが、これからの私の使命であると信じ、このブログから発信していきます。
私の理論はスポーツ選手のみを対象としたものではなく、ビジネスマンや家庭の主婦まで老若男女すべてに当てはまる不変のものです。
指導や講演のご依頼も受け付けています。
日々の気づきやブログの更新情報はツイッターに書いていますので、チェックしてみてください。
2013年9月9日にConditioning Studio 操をオープンしました。
「西本塾」と「深める会」を開催しています。
詳細はStudio操ホームページ内の「講習会情報・募集中」をご覧ください.
「1回5分体が喜ぶ健康術」はアマゾンで在庫切れのことが多く、購入希望の方にはご迷惑をおかけしています。
出版元からの購入は可能ですので、ガリバープロダクツ(代)082-240-0768までお問い合わせください。

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