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西本塾受講者が持ち帰ってくれたもの。

休日を利用して、少し遠いですが280ヤード見通せるゴルフ練習場に行ってきました。
遠くが見通せることで力んでしまう部分はありますが、ドライバーをフルショットして遠くに飛ばすことの魅力は、ゴルフの一番の醍醐味でもあります。
練習場のボールはなかなか飛ばないので、コースボールをいくつか持ち込みましたが、久し振りに良い感触で飛んで行ってくれましたので今日は満足して帰ってくることができました。

さて、9月8・9日の土日に、今年最後の『西本塾』を行います。
最後といっても、現在、西本塾は一年に2回しか行っておりません。

この5年間の間に、想像を超える沢山の方々が広島を訪れてくれました。
私の存在を知ってくれたきっかけは様々で、受講してくれた方々の職業や目的も本当に様々でした。

中には、まったくスポーツにも施術にも縁のない方が受講してくれたこともありました。

元々受講対象者を限定したつもりはありませんので、私の考え方に興味があって、直接話を聞きたいと強く思ってくれて、その思いをきちんと受講動機に記して送ってさえくれれば、拒む理由はありませんから。

当然受講の目的も様々で、私から何かを盗んで自分の仕事に役立てようという方もいれば、純粋に、私の言う『人間の体はね・・・』のあとに続く何かを知りたいという方もいました。

そんな中で、昨年現役のプロスポーツ選手が受講してくれました。
その選手は元々ある西本塾生の元で指導を受けていたのですが、ある意味独自の考え方である『西本理論』を伝え聞くものではなく本物を感じたいと、何度か指導を受けに来てくれています。

その選手に限りませんが、私の指導を受けてくれたスポーツ選手は、ライバルである他の選手に私の存在すら教えようとしたがりません。

ということで今日の記事でも、できるだけ本人が特定されないような書き方になることをご了承ください。

もしどうしても教えてくれと言われたとしても、私の考え方や実際のトレーニングの内容を言葉で説明することは不可能だと思います。

真剣にトレーニングを受け、施術も受けてくれることで、私のことを本当によく理解してくれる存在となっていました。

普段接している西本塾生の言うことをより深く理解できるように、また私の考え方を根っこの部分から知りたいと、現役選手でありながら西本塾を受講してくれました。

つい先日のことです、ユーチューブで様々な動画を検索していたところ、その選手が記者のインタビューを受けている動画を見つけました。

記者が、「〇〇という競技がイメージの問題だけど、漢字の〇〇から、カタカナの〇〇〇〇に変わってきて、選手たちがいわゆるアスリート化し、それぞれが考えたトレーニングを行うようになってきているように思うが、〇〇選手も競技動作とは関係ない『走る』姿をよく見るが、どういう意味があるのか」という質問を投げかけていました。

どんな答えをするのか興味深く見ましたが、おそらくは西本塾生であっても、ここまで深い話はできないだろうというやりとりでした。
その選手は西本塾に枝葉の先の果実を摘みに来たのではなく、私の口癖である『人間の体はね・・・』の深い部分を感じるために来てくれたからでした。


実際の競技動作では全く必要のないと思われる『走るという行為』を、逆にこれをおろそかに考えてしまっては、いやこれこそを極めることなく、自分の競技動作を向上させることはできないとまで考えてくれたのです。

競技の名前を明かせないので、話がまどろっこしいですが、私が人間の体を動かすことの基本動作は『歩く』ことであり『走ること』であるという意味を、もしかしたら過去指導してきた誰よりも真剣にとらえてくれているのかもしれません。

たんに人間の体にとって、効率の良い走り方はこうですよと教えているわけではないのです。

人間は二足歩行の動物ですが、進化の過程で元々は四足歩行の動物でした。
ですから私は人間の動作のお手本を、四足動物の動作に求めています。

その観点から様々な動作を分析してきた中で、現在は上肢と下肢として役割が明確に分かれてしまった手足も、元をたどれば同じ役割を担っていたわけで、さまざまな競技動作を分析し改善策をアドバイスしようとしたとき、肩関節と股関節、肘と膝、手首と足首の相関を意識すれば、本人の気づかないところで余計な力が入っていたり、間違った式で体を使ってしまっていることが見えることがあります。

「肩に力が入っているよ」というアドバイスをしたい時、「腰のあたりに力が入っているから、骨盤を柔らかく揺らしてごらん」という言葉に置き換えると、自然と肩の力が取れたりします、当然その逆もあります。

同じように、直接その部分を指摘するのではなく、上肢と下肢の相関を知っていれば、意識を違うか所に置き換えてもらうことで動きを変えることができるのです。

走るという行為はハイハイしていた赤ちゃんが立ち上がった時から始まります。
誰に教えられることなく、二足歩行に変わったことで地球の重力に抗してバランスを取り、直立することから始まり、そのバランスを自ら崩すことで移動する術を学んでいきます。

その頃の赤ちゃんの動きをみると、私の言う相関と重心移動の概念がはっきり見て取れます。
この事実から私の走るという行為の工夫が始まり、四足動物の疾走する姿から、人間にとって効率的な走り方という発想にいたったわけです。

さて今回話題としている選手の競技は、自分の足で走るという状況は全くありません。
にもかかわらず、真剣に走るという行為に取り組んでいるのは、走るという行為がすべての動作の基本となることを身に染みて感じ取ったからです。

走るという行為はだれにでもできる行為ですが、だからこそ自分の体をどう使うかという意識を持つと、とんでもなく奥が深く、これが正解などというものが見つからないほどいろいろなことを気づかせてくれます。

まずは自分がどう動きたいのか、私の『技術』という言葉の定義としている『自らが意図(企図)した筋肉の収縮活動を反復継続して行うことのできる能力』の最初の部分、自らが意図したというところが、一番の問題となります。

ただ『走れ』と言っているわけではないのです。

体をどう使って走るのか、言葉では説明しきれない様々な要素が隠されています。
それを一つ一つ体で確認していく作業こそが、走ることの意味であり目的なのです。
精神論や根性論とは全く異質なものです。

その作業において自分の体と真剣に向き合う中で、その選手は自分の競技動作に当てはまるものを次々と感じ取っているようです。

アイドリングと名付けた動作から、体重移動、地面を蹴った反力を利用して動き出すのではなく、重心の移動と落下と捻転というエネルギーを利用して動き出せるという感覚を知ったことで、必要以上にパワーをつけるトレーニングを行うのではなく、伸筋を使った全身の連動動作をスムーズに行うことができるようになるためのトレーニングを行い、骨盤と背骨を中心とした6方向への展開力を身につけることこそ、どんな競技であっても能力を向上させることができると気づいてくれたのです。

インタビューしている記者は、その選手からそういう答えが返ってくることを覚悟して質問していましたが、さすがにもっと詳しく知りたければ広島に行って私に聞いて来いとは言えないでしょうから、そこで終了となってしまいました。

あまりにも他の選手と違うことをやっているので、かなり目立っているようですが、本気でそのことの意味を聞いてくる選手も少ないようで、これまで本気で向き合って教えた選手は一人だけのようです。
勿論その選手も私の元を訪れ学び続けてくれています。

こんな形で私の考えを受け止めてくれたのは、やはり現役の選手だからだと思います。
そして現状に満足するどころか、常に高いレベルを求めてアンテナを高く掲げ、これはと思ったことに取り組む行動力があってのことです。

こうしてさまざまな競技の選手と出会えることが私の楽しみであり、モチベーションとなっています。
地元の選手、私のところから羽ばたいていこうとしている若い選手たち、そして大きなケガに見舞われながらも、私を信じて復活を期す選手、一人一人に真剣に向き合っています。

ブログではスポーツ関連の記事が多いですが、一般の方々からも様々な相談を受け、少しでもお役にたてるよう努力を続けています。

60歳は一つの区切りというか通過点にしか過ぎないようです。
まだまだこれから何が起こるかわかりません、どんなことにも対応できるよう心身ともに鍛えておこうと思います。


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より良い指導を行うために。

雑感です。

一昨日、8月17日に60歳の誕生日を迎えました、世間で言う『還暦』です。
赤い何とかとかそういうことは行っておりませんが、現在の超長寿社会の中では、まだまだ若造ですが、私にとっては大きな区切りとなりました。
と言っても何かが変わるということではなく、これまでやってきたことを何一つ変えることなく継続していけるという自信が持てたということです。

私が選手を指導するに際して、最もこだわっていたのが、『自分ができないことは人には伝えられない』ということでした。

いくつもの競技種目を、すべてプロレベルでなどというわけには勿論いきません。

私が指導していることは人間としてもって生まれた体のからくりを生かし、それをそれぞれの目標に向かって十分発揮できる体にしてあげるということです。

人間は空を飛ぶこともできませんし、水の上を歩くこともできません。
しかし、本来できるはずの体の動きができていない、使えるはずの体が使えていないと感じ続けてきたのです。

そこに着目することなく、それぞれの競技動作の習得に取り組んだり、いたずらに数値で確認できる体づくりと称する筋力トレーニングを行っても、思ったほどの効果を得られないまま伸び悩んでいる選手をたくさん見てきました。

そんな中行きついたというか目指しているのが、『自分の体を自分の思ったように動かすことができる』という能力を獲得するための『動き作り』という言葉に集約されたトレーニングです。

これを目的としたトレーニングには、いわゆるマニュアルというものが存在しません。
例えば、英語の能力を数値化してあらわす『TOEIC』のようなものであれば、厳然とした評価基準があり、成績を上げるための勉強方法も確立されていると思います。
ですから後は努力あるのみということになるのでしょうか。
自分の苦手としている分野も把握でき、どうすれば得点を上げることができるのかもおのずとわかると思います。

しかし私がやっていることは、生身の人間の体の動きという分野です。
客観的な評価はしにくく、自分で感じられる部分と、周りからの評価が一致しないこともあります。

それでもすべての選手が思うことは同じで、現状よりも一歩でも半歩でも前進したい、少しでも競技動作がうまくなりたいという願いです。

どうすれば上手くなれるのか、個人としての成績の向上であったり、チームの中でのポジションを獲得し高いレベルを目指すということでしょうか。

どんなレベルの選手であっても、それを改善できるであろう確実な方法を持ち合わせてはいません、それは指導する側も同じだと思います。

これが絶対だという教科書的なマニュアルがあったとしても、指導する側の人間性や指導力には当然差があるでしょうし、受け取る側の選手たちの吸収力もまさに様々だと思います。

『誰に何をどう伝えるか』永遠のテーマです。

私の現状を顧みると、5年前に現在の場所で仕事を始めてから、それ以前の指導方法とは明らかに変わりました
選手個々の能力を向上させ、個人としてチームとしても結果を出させることが最優先で、いわゆる押しつけの指導であったことは間違いありません。
『こうやればこうなる』と、とにかく私の言うことを信じてついてきてほしいというスタイルでした。

それが組織を離れ、ここに来てもらうことからしか始まらない環境になったとき、そのスタイルでそれ以前のように結果を出すことはほとんど不可能なことでした。

私がなぜこういうことを考え指導するに至ったのか、ただこうやればこうなるではなく、今指導することがどういう意味を持つのか、そして他の考え方やトレーニングと何が違っていて、何より本人にとってどういうメリットがあるのか、相手が小学生の子供であっても40歳を過ぎたベテランのプロスポーツ選手であっても、その部分を理解しようという気持ちがないと私の指導を受けても意味がないと言い切っても良い指導方針となりました。

昨日までの7日間、私を心から信頼してくれている選手たちが、入れ代わり立ち代わり指導を受けに来てくれました。
世間は盆休みの期間でしたが、まさに盆と正月しかここに来ることができないという選手たちが多く、もう自分の子供と同じ気持ちで指導していますので、この時期であっても断る気持ちには当然なれませんでした。

彼らが半年ごとの指導をなぜ継続してくれるのか、私が何を伝えているのか、改めて考えてみました。
前述したとおり、私の指導にはマニュアルはありません。
しかし、しっかりした基本方針があることもすでに書きました。

私自身が耕し続けている土の中で、根っこの部分はどんどん広がりを見せ、どっしりとした安定感を増しています。
自分の考え方にゆるぎない自信を持っています。

そんなしっかりした根を持った土の上に見える部分、当然幹は年輪を重ね大きく大きく成長しています。
私が指導している選手たちはそのことをよく分かってくれています。
毎回毎回私の指導を受けるたびに、私自身の成長と変化を感じ、私という大きな幹から枝を伸ばし花を咲かせようとしてくれます。


いつ帰ってきても温かくまた厳しく接していますが、私の成長とともに彼らも確実に成長してくれています。

言葉にこそしませんが、彼らが遠くから、それも期間をあけてでも指導を受けたいと思ってくれる一番の理由は、彼ら自身も気づけない体の動きを的確に判断し、私の一言のアドバイスで自分の動きが変わるという経験を積み重ねているからだと思います。

人間は体を動かそうとするとき、どこか一か所にしか意識を集中することができません。
右手の先で細かい作業を行おうとすれば、左手はもとより足の動きのことなど細かく意識することはできません。
楽器を演奏する方たちが、右手と左手、また足先まで使って別々の動きができることが賞賛されますが、よほどの訓練を行わないと普通の人間ではできないことを知っているからです。

痛みの感覚も同じです、私の施術を受けるために来ていただいた方には、現状の体のことを記入していただきますが、とりあえず書いておかなければ損だとばかりに、腰肩首膝と良いところはないのかいと突っ込みたくなるほど書いてくれます。
しかし、現状脳が痛みとして認識でくるのは一か所なのです。

腰の痛みが楽になったと思ったら、首の痛みが気になりだした、などという言葉を発する方がありますが、元々あちこちにガタが来ていて、その瞬間一番脳が痛みを認識していたのが腰であったというだけでなのです。

動きづくりのトレーニングを指導する際、まさにこのことを念頭に置いておかなければなりません。

自分がやってみることで得られた感覚を、そのまま相手に伝えたからといって、相手の動きを改善することはできないのです。

走るという行為を指導するのは本当に難しい作業です。
この一週間も、横方向と前方へのスムーズな動き出しをメインテーマに指導しましたが、それぞれの選手に対して私がかける言葉はすべて違っていました。

それは個々の選手が、私がやって見せ説明したことを、どう理解しどう表現しようとしているのかが、私には手に取るように見えるからです。

もし私に人より優れた部分があるとしたら、この『人の体の動きが見える』ということではないでしょうか。

どこをどう見ればそういう風に感じることができるのかとよく聞かれますが、『私にはそうとしか見えない』としか言いようがないのです。

私のかけた一言で、自分の動きが一瞬にして変わることに驚き、もっと良くなることができる言葉が欲しいと、真剣に動き続けてくれます。

このやり取りを目の前で見てくれているお母さんも、まるで魔法のようだと驚いてくれます。
初めて指導を受けた時も、年月をかけ何度も通ってきてくれた時にも、毎回新しい発見があります。
選手も私も、もうこれでいいというゴールがないからです。

私の動きをみるという感覚に異論もあると思いますが、人間の体の仕組みを常に考え、その一瞬だけの現象ではなく、様々な観点から分析したもので、ここまで見えているというか深く考えている人は少ないと思うので、そういう見方もあるかという程度で他人の言葉はあまり気になりません。

それよりも、私を信頼して指導を受けに来てくれる選手たちを少しでも良い方向へ導けるための言葉を見つけられるよう、一流選手の動きを見続けて行きたいと思います。

そしてまだまだやれる自信もつきましたので、発見できたことを自分なりに分析して、そのためにはどうすればよいのかという仮説を立て、まずは自分でやってみて、それが明らかに有効であるという確証をもって、選手たちのために指導していこうと思います。

体の動きをみるという作業、楽しすぎてやめられません。

前方への移動、落下時における上半身の使い方について。

今日は8月11日、土曜日でしかも祭日ですから、世の中はお盆休みに突入ということで、帰省ラッシュに海外旅行と景気の良い話題でいっぱいです。
毎年のことですが、私にとっては両親は既に他界し、故郷宇和島には生まれ育った家もありませんので、帰る場所は今住んでいる広島しかなくなりました。
再来週には時期をずらして福島に赴任している長男家族が帰ってきますので、4人の孫たちを交え楽しい時間が過ごせるのではと期待しています。

さて、世の中が盆休みなら、この時期にしか私の元を訪れることができないという、日頃休みなくスポーツに打ち込んでいる選手たちが、ここぞとばかりにやってきてくれます。

これも私にとっては大きな楽しみの一つとなっています。

それぞれ年齢も性別も違いますが、彼らはすべてサッカーをやっている子供たちです。
これまでにも色々なことを指導してきました。
私が教えているのは『体を動かす』という基本的な技術です。

技術という言葉にはいろいろな意味があると思いますが、私が言う技術とは『自ら意図(企図)した筋肉の収縮活動を、反復継続して行うことのできる能力』です。

この言葉の意味が分からないという人は、改めてこのブログを読み返してください。
ですから、たんに私が考えていることを伝え、それを表現できるようになっただけでは、私が求めている技術を身につけてくれたとは言えません。

ある目的に対して、なぜその体の使い方が有効なのか、その動きを行うためにはどういう意識が必要なのか、私が提示したことにできるだけ近づいてほしいですし、それ以上に自分がその動きに対してどう考えて体を動かすかという、『自らが意図して』という部分が最も大切なこととなります。

同じことを伝えたとしても、受け取る側の理解はそれぞれで、私は彼らとの関係の中で、いかに正しく理解してもらえるように伝えるか、少しずつ少しずつ時間をかけて進めています。
だからこそこうして一定の間隔を空けてでも、私の指導を受けたいと思ってくれる選手たちは大事にしているのです。

さてこの夏のテーマは、『動き出しをいかに速くできるか、そのための体の使い方は』ということを考えています。
『90分間頭と体を動かし続けることができる能力』とならんで、サッカー選手のとって最も重要な能力だと考えています。


この問題に関してはすでに一つの答えが出ています。

その場に居着いてしまった体を、地面反力を使わないと動き出せないという固定概念を捨て、股関節を中心としたアイドリング状態から、自分の進みたい方向へ、『落下と捻転』を同時に行い、『重心を移動』させることで、無駄に筋力を使って疲労させることもなく、一度地面を押して踏ん張るという予備動作をしないことで、相手に動きを悟られることなく動き出せるというものです。

この動きが一番難しいのが、前方への動き方です。
左右や後方への動き出しは、落下よりも捻転の要素が大きいため、ほとんどの選手は一度の指導でコツをつかんでくれます。
しかし前方への動き出しに関しては、前方へ重心(股関節部分)を落下させるという感覚がとても難しいのです。

体を『く』の字にしてお辞儀をするような動きではなく、全身をできるだけ真っ直ぐにしたままで前に倒れていく感覚です。
言葉にするのは本当に難しいのですが、真っ直ぐを維持するために力んでしまっては全く違う動きになります。

その前に、落下と捻転という動作でなぜスピード感のある動き出しが出来るのかという問題です。
落下と捻転は、その動作によって変形した骨格を、元に戻そうとする力を利用することが目的なのです。

ですから、いかに速く捻じり戻せるか、いかに速く落下した部分を引き起こせるか、この動作こそが目的なのです。

それが分かったうえでもう一度前方への動き出しをイメージしてもらうと、落下させるときの上半身の使い方が、引き起こしのスピードを決めるということになります。

ただ前に落ちるのではだめなのです。

このことをずっと考えてきました、それが現在指導させてもらっている地元の競輪選手とのやり取りの中で、言葉にすると『体の前側をつぶさない』という使い方に辿り着きました。

落下させるためには、全身をいかに脱力させられるかがポイントになるのですが、脱力状態から素早く引き上げるためには、完全に脱力してしまっては引き起こしに予備動作が必要になるのです。

それが最近話題にした、体を真っ直ぐに戻すために、体を一度『く』の字にする予備動作が必要になるという話です。

できるだけ予備動作を排し、地面反力を使わない動き出しの方法を探し続ける中で、問題になったのが上半身の前後の意識でした。

固めてもダメ、完全に脱力してしまってもダメ、体のどの部分をどう意識するか、私が腹筋運動をさせないことや、体幹を安定させることが目的のトレーニング動作もさせないことの意味が、今頃になって自分の中で整理されてきました。

単純に体幹を安定させてというレベルのことではなく、いつも大切だと言っている背骨を動かしてくれる背中の筋肉と、体の前側で肋骨を守り、体を丸めるように作用する胸筋や腹筋、それらをどれくらいの割合で作用させることが、目的としている素早い動き出しにおける『落下』という動作を可能としてくれるか、試行錯誤を続けています。

その瞬間の体勢や、目的位置までの距離、またボールに対してどう関係するのかなど、目的とする次のプレーに応じて変わってくるので、こういう風に使うことが絶対だというものはありません。

しかし、前方への落下時の基本的な上半身のバランスが分かれば後は応用で、まさに『自らが意図した』、自分が何をしなければならないのかを考える力の勝負になってきます。

もちろんこの場で、今の時点でわかっているコツというか感覚を、明かす気はありません。
私の元を訪れ学び続けてくれている選手たちとの関係の中で気づきを深めてきたことですから、明日から一人ずつ丁寧に指導していきます。

こうして様々な競技、さまざまな年代の選手たちとの関係の中で、私自身が学びを深め成長させてもらっていることを本当にありがたく感謝しています。

一つの組織に組み込まれてしまえば、私の発想力もすぐに底をついてしまうかもしれません。
人間の体の仕組みを考え、それをいかに効率よく機能させるか、ゴールがどこにあるのかさえ見えてきませが、面白い仕事をさせてもらっています。

明日からは体力勝負の日々が続きますが、暑さに気を付けながら子供たちと一緒に頑張ります。


西本塾開催のお知らせです。

お知らせです。
9月8・9日に行う『第27回西本塾』の募集を開始しました。
年内はこれで最後の開催となります。
初めての方、もう一度学び直してみたい方、どちらでも構いません。
私の考え方に真剣に向き合ってくださる方の受講を期待しています。
詳細はホームページ内の講習会情報をご覧ください。

予備動作を考える。

今日はまず書いておかなければならないことがあります。
このブログを書き始めてはや5年、最初の一文から真剣に読んでくれて、紙ベースに印刷して分類し、いつでも見られるように持ち歩いているという方、毎日更新されていないとわかっていても、必ず1日一度はページを開いてしまうという人から、今日、初めて私のブログを目にしたという方まで、様々な方が見てくれていることは本当にありがたいことです。

なぜ私がこのブログを書き始めたか、どんな気持ちで書き続けているか、これまで何度も、いえ何十回とそのことについて書いたこともあると思います。

前回のブログ、有名選手の名前をタイトルに使ったことで、普段多い日でも閲覧数が100くらいの数(そのこと自体本当に有難いと思っています)が、その数倍の数になりました。

有難いことではあるのですが、過去にも何度か同じようなことが起こった時、必ずと言って良いほどブログに関する批判的なコメントを、ブログやツイッターに投稿してくる方があります。

本当に何度も書きましたが、私のブログは有料でもありませんし、一定の対象者に対しての指導を目的としたものでもありません。
今流行りの動画や写真をふんだんに使うこともなく、ひたすらその時に感じた自分の気持ちを文字にして綴っているだけのものです。
内容の中に参考にしていただくようなことが書いてあれば、役に立てていただければ嬉しいですし、自分はこう思うということがあれば、それぞれで何かを考えて行くきっかけにしていただければいいでしょう。

その内容に対して、どうこう言われる筋合いのものではありません。

初めて読む人にもよく分かるように書けというのなら、いま書いている分量の5倍くらいの文字量を毎回書いても間に合いませんから。

たまたま目に入ってきた私のブログ、受け取り方は様々で言いたいこともあるでしょう。
ただ私からのお願いとしては、何か言いたいことがあるのなら最低限5年間の私の歩みをしっかり読み込んだ上で思う所があれば言ってきてください、それなら聞く耳も持つかもしれません。

そうでなければ申し訳ありませんが、そのコメントに対して何かを答えるという気持ちにはなれません。
私の考え方の本質を、もし知りたいと思ってくれるのなら、最初から全ての内容を真剣に読んでください、それ以外に方法はないと思います。

私はこれまでもこれからもずっと変わりませんから。
こうして同じような文章を何度も書かなければならないことが少し残念です。

さて、気を取り直して今日の本題です。
『予備動作』について思うところを書いておきます。
と言っても、このことについても熱心な読者の方にとっては、既に何度も書いてきたことなので、おさらいのつもりで読んでいただければ結構です。

『予備動作』は『居着く』という状態と同義語と言っても過言ではありません。

が、予備動作イコール良くない動作ではないことを最初に言っておきます。

例えば、テニスのサーブを待つレシーバーは、サーブの動作に入ってトスを上げるボールの高さや角度、またサーブを打つ選手の体の向きから判断して、ストレートなのか変化球なのか、またどのコースを狙っているのかを一瞬で判断します。

その判断が正しかったとしても、初速が300キロを超えるようなスピードのサーブを打ち返すことは容易なことではありません。
ですから予想した方向への移動をスムーズにするために、『プレジャンプ』と言うのでしょうか、小さくステップして一度沈み込む動作をした後動き出すという動作をします。

これは悪いことでしょうか、そんなことはありません。

良い意味での予備動作、素早く動き出すと言う目的に対して、必要不可欠な動作と言っても良いと思います。

ただこれはテニスコートの縦の長さがあるから許されるのです。
サーブをする側の選手からしても、レシーブの選手がいわゆる山勘でどちらかに動いてしまったとしたら、予定していたコースを変えることもできるかもしれません。

結果として同じような動き出しができるのであれば、プレジャンプは小さいほうが良いと言うことになります。

これが体を使うと言う技術です。

サッカーで言えばPKの状況です、GKがプレジャンプからどちらかに動く動作を見せてしまったら、キッカーは逆のコースに蹴れば良いと言うことになります。

流れの中のシュートに対しても、プレジャンプをすることで味方の選手に当たったりしてコースが変わってしまったような場合、なす術なくゴールに吸い込まれてしまったと言うシーンもよく目にします。
空中に浮いている体はコントロールできないからです。

プレジャンプはイコール居着くことから地面を押して、その地面反力を移動のエネルギーとして使わなければならないと言う固定概念が体に染み付いているからです。

このことについては詳しく書いた過去記事があるので興味があれば探してください。
その記事を読んで指導を受けにきてくれた選手の感想も、記事にしてあるので私一人の思い込みでないことはわかって頂けると思います。

この地面反力を使わないでも移動できるという体の使い方を、『落下・捻転・重心移動』と言う言葉をキーワードに指導をしています。
ただここ一番で、力む踏ん張ると言う動作を行ってしまうのが人間で、改善して行くには継続以外方法がありません。

20年前、私は1シーズンだけですが、当時のバクスター監督の要請でヴィッセル神戸のフィジカルコーチとして仕事をしたことがあります。
30歳を過ぎた主力選手が多く、彼らをピッチに立たせるということが主な仕事になってしまい、能力向上というよりはコンディショニングの方に苦心したことを覚えています。

そのシーズン、デンマークから『ミカエル・ラウドルップ選手』が在籍していました。
その顛末も過去記事にありますので割愛しますが、練習を見ていると、彼があまりにも簡単に日本の選手をドリブルで抜いて行くので、チームを離れる時に通訳に頼んで、どんな意識で行っているのか聞いてもらったことがありました。

それが今回取り上げている『予備動作』でした。

当時は三浦カズ選手の全盛期でしたが、彼のようなオーバーアクションで自らフェイントをかけるのではなく、相手が自分から動いてくれるわずかな予備動作、地面に居着いて地面反力を得ようとする動きを察知して、その逆の方にボールを運んでいると事もなげに言うのでした。

その頃はまだ私自身いまのような理論構成ができていませんでしたので、なるほどそう言うことかと自分で動きを再現して見せることはできませんでしたが、今になると彼のシンプルな発想を形にできる能力はすごいなと感じます。
帰国後次のW杯に兄弟で出場し、華麗なプレーを見せてくれたことをよく覚えています。
彼にはバクスター監督から『オクタントトレーニング』で、体のキレを作ってくれという要求があり、何度も彼の体を相手に格闘した事も良い思い出となっています。

前回の記事にも書きましたが、ボールを受ける止める時、体をくの字にすることで、ボールの勢いを吸収するという動作はまさに理にかなっている動作です。

しかし、そのくの字にしてまっすぐに戻すという一瞬の動作を見逃さず、目の前にスッと入って来ることができる選手がいたとしたら、動作を中断することはできませんから、ボールを取られてしまったり、無理に動作を中断するとバランスを崩してしまうことにもなります。

鳥かごと言うのでしょうか、ボール回しを見ていると、くの字のあるなしや大きさが個人によって違うことが見て取れ、改善の余地ありと感じたのです。

くの字になることは必然で、それをいかに小さくするか、相手に分からないくらい動きを体の中の操作で行ってしまうことは出来ないか、まだまだ書き足りませんがこれくらいにしておきます。

居着くことを逆手に取って使えば、そのことがフェイントになったりもします。

まずは自分の体を自分の思い通りに動かせるようにしておくことが大前提です。


プロフィール

Author:西本 直
1993年、Jリーグサンフレッチェ広島を皮切りに、社会人野球三菱重工広島・協和発酵・ヴィッセル神戸・川崎フロンターレ、そして広島カープ佐々岡真司投手など、プロアマ問わず競技レベルのスポーツ選手から一般の方まで、トレーニングやメンテナンスの指導を行ってきました。
その経験と知識の蓄積を「西本理論」としてまとめ、一人でも多くの方に実践していただくことが、これからの私の使命であると信じ、このブログから発信していきます。
私の理論はスポーツ選手のみを対象としたものではなく、ビジネスマンや家庭の主婦まで老若男女すべてに当てはまる不変のものです。
指導や講演のご依頼も受け付けています。
日々の気づきやブログの更新情報はツイッターに書いていますので、チェックしてみてください。
2013年9月9日にConditioning Studio 操をオープンしました。
「西本塾」と「深める会」を開催しています。
6月20・21日に行う西本塾の募集を行っています。
詳細はStudio操ホームページ内の「講習会情報・募集中」をご覧ください.
「1回5分体が喜ぶ健康術」はアマゾンで在庫切れのことが多く、購入希望の方にはご迷惑をおかけしています。
出版元からの購入は可能ですので、ガリバープロダクツ(代)082-240-0768までお問い合わせください。

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