FC2ブログ

『駒を磨く』とはどういうことか。

私がスポーツ選手に対してどう貢献できるのかという問いに対して、ずっと使い続けている言葉が『駒を磨く』という表現です。

ここで言う『駒』は、将棋盤に並ぶ各種の駒を意味しています。
『王』を守り、『玉』を攻めるために、『歩』には歩の、『金』には金の、そして『飛車』には飛車に与えられた役目があります。
全ての駒に与えられた役割を理解して、棋士は一手一手最善の駒を動かす手を打ちます。

私は自分の仕事を、この将棋に例えて、信頼できる差し手(監督)のために、それぞれの駒が本来の仕事を全うできる状態に仕上げて、グランドの送り出すという意味で『駒を磨く』という言葉を使っています。

もし飛車や角などの大駒ばかり並べても、それでは将棋にはなりません。
それぞれの駒の役割と数、そしてスタート時点での配置など、先人たちは上手く考えたものだと感心します。

スポーツ選手に置き換えると、まずは遺伝的な資質として、身長の高い低い、体重の多い少ないから始まり、足が速い遅い、動きが俊敏でキレがあるなど、数値で表せるものから感覚的な部分まで、まさに将棋の駒以上に千差万別の能力を持っています。

また小さい頃から運動神経が良いとか悪いとか、親の子供だから大きな期待はできないとか、何の根拠もなく子供の能力に蓋をしてしまったり、そう言われ続けてきたことで、自分の能力の限界を自分で決めてしまう場合も多いように思います。

私がスポーツの現場に関わった最初は、サッカーのJリーグというカテゴリーで、産声を上げたばかりとはいえ日本の最高レベルのリーグに所属する選手たちが対象でした。

そこからはや四半世紀が過ぎ、自分のできること、立ち位置が明確になってきました。

『駒を磨く』とは、それぞれの人間が持って生まれた能力を余すところなく発揮できる状態を作ってあげることです。

その能力は残念ながらすべての人間に平等に与えられてはいません、前述した遺伝的な要素はいかんともしがたいものがあります。

逆に言えばそれらは『個性』という言葉に置き換えられます。
身長が高ければバスケットボールやバレーボールという競技に対して適性があり、うんと小柄なら身長や体重の制限がある競技で競い合うこともできるのです。

サッカーという競技であれば、基本的にボールは地面の上にあるわけで、身長の高低は関係ありませんし、ゴール前の空中戦では当然身長の高い選手が有利なことは明らかですが、全員がそうである必要はありません。

現場を離れ、トレーニングの目的を『体づくりから動きづくりへ』という言葉に集約して、それぞれの体に備わった効率的な体の使い方を追求してきました。

今改めてスポーツの現場や、トップレベルの選手たちに対して指導してきたトレーニングが、すでにそのレベルに達していると思われているという選手たちに対して、さらに本来発揮できるはずの能力を掘り起こすことに繋がっていたことを再認識しています。

また、この選手はここまでのレベルまでかなと私自身が感じてしまった選手に対しても、想像以上に能力の向上がみられ、私の勉強不足を痛感させられる事例がたくさんありました。

中でも一人の女子選手に関しては、今日は匿名とさせてもらいますが、本人が一番驚くほどの成長を遂げてくれました。

その一番の要因は、『伸kingトレーニングキング』と名付けた、私の施設の器具を主に使った、世間で言う筋トレでした。

このトレーニングは、おそらく経験し継続した人でなければ、トレーニングを行う際の感覚や、そこで得られる効果も、まったく想像できないと思います。

チーム単位で指導していた時には、同じ器具が準備され、トレーニングの方法やそれを行うための意識もしっかり伝えたうえで直接指導できましたから、途中はあまり細かいことは言わず、とにかく指示通りにしっかり取り組ませることが出来ました。

元々一定レベル以上の選手たちでしたから、しっかり競技動作に活かしてくれたと思います。

しかしこの選手の場合は、トレーニング開始時はまだ中学生で、競技レベルも普通の選手でした。
それが約半年間のトレーニングで、みるみる動きが変わっていきました。

この変化は本人は勿論のこと、保護者の方や指導しているコーチをも驚かせるものでした。

今日記事として取り上げたのは、夏休みで帰省し、久し振りにトレーニングにやってきた選手の動きが、正月休み以来半年のブランクがあるにもかかわらず、まったく動きの質が落ちていないどころか、私の指導をずっと受け続けていたかのような高いレベルを維持してくれていたからです。

人間がそれぞれ持って生まれた能力と言われても、これこそこういうものですと言葉にすることは出来ません。

仮に今現在、相対的な評価で他者よりも優れていたとしても、それ以上の能力を秘めているかもしれないのです。

どうすればその能力を開発できるのか、今回指導してみて改めて『伸kingトレーニングキング』の効果と可能性に私自身が驚きました。

まさに『人間の能力の基本の部分を掘り起こしている』、そう感じたのです。

それは常日頃言い続けている、『人間の体は骨盤と背骨を中心として6方向への可動性と連動性を持っている』と言うことに他なりません。

それが今、YouTubeで動画解説している、『西本理論の基本の基本』なのです。

この事実に気付き、この能力をいかに高められたかが土台となって、その上に築かれる様々な技術的な部分であったり、局面の判断力や戦術を理解する能力へと発展させることで、相対的な評価が高まり、さらには自己に対する絶対評価という面では、どこまでも高みを目指すことが出来るようになるのです。

この『人間の体はね・・・』に続く土台の部分をしっかりと作り上げる作業を、『駒を磨く』と表現できるのではないかと、今回改めて感じたのでした。

『西本塾』を始める際、私の施設にあるものと同じ器具を備えている環境に居る人が来る可能性はほとんどゼロに等しいので、『伸kingトレーニング』の肝となっている、屈筋に頼らず伸筋重視の体の使い方が出来るようになるための一つのドリルとして考案したのが『FBT』でした。

『FBT』は、小さな子供たちから大人まで、広背筋の機能が欧米人に比べて明らかに劣る我々日本人の動きの質を変えるという目的に対して、これ以上的確に答えてくれるドリルはないと思います。

『FBT』を継続したことで、選手の動きが変わってきたという報告はたくさんいただいています。

しかし、私がこれまでこだわってきた『結果責任』という言葉、私の指導を受けているからには絶対にこういう選手にしてみせるという意味からいうと、残念ながらそこまでの責任を負うことは出来ませんでした。

やはり、過去やってきたような、チームの一員としてだったり、個人のパーソナルトレーナーとして、私の責任において継続して指導できる立場でなければ、とても結果責任などという言葉を軽々しく使うことは出来ないと思います。

最初の指導からの半年間、とにかく私の指導に真剣に取り組み、体も頭もしっかり『西本理論』で構築された選手は、年に数回の指導になってしまっても、その土台は揺らぐどころかより堅固になってくれていました。

それは『西本理論』『伸kingトレーニングキング』が、本当の意味で人間の体の基本的な能力を呼び起こし成長させることが出来る本質を突いたものだからです。

さまざまなトレーニング方法が考案され、それを取り入れることにどうこう言う立場にはありません。
ただ、この基本の基本を掘り起こした土台がなければ、どんな高みを目指そうとしても、途中でケガや故障に悩まされ、崩れてしまうのではないかと言いたいのです。

また別の選手の筋肉のトラブルのことで、改めて自分の理論、特に『3・5・7理論』が大いに役に立つことがありました。

今の状態は3・5・7のどの状態で固まっているのか、それはどうすれば改善できるのか、私だけではなく選手と一緒に考え、現状からの改善を実感してもらわなければ意味がありません。

この6年間、それまで孤高を貫いてきた私が、他者に伝えるということに取り組んできたことで、これまで以上に多くの選手や一般の方のお役にたてるようになったと自負しています。

相手がどこまで必要としまた理解してくれたかは別として、その時点で言葉にできるすべてを駆使して説明しています。
『生涯一トレーナー』としての本分に近づきつつあると思っています。

YouTubeでの動画配信を始めたところ、さっそく「いつかは『西本走り』の解説まで期待しています」、と言うコメントがありました。

さすがに、YouTubeの動画だけで『西本走り』を理解し、実践してもらえるとは思えません。

現実に直接指導を受けた方でさえ、何度も広島に足を運び学び続けてくれている方が何人もいます。

お手本が身近にないことから、DVDを作成し、普段の取り組みのお役に立てていただいています。

YouTubeの動画も、このままの流れでいけば、いつかは『西本走り』の説明まで行くかもしれません。

その時にはやはり事前にある程度の理解が必要となることは当然ですので、これまでDVDは直接指導を受けてくれた方のみに対して販売してきましたが、真剣にブログを読み自己流でも取り組んでくれている方にも、範囲を広げた方が良いのかもしれません。

もしそういうご希望があれば、『Studio操』のHP内の『募集中』のバナーから入っていただいて、下の方にDVDの購入に関することが記載されていますのでご覧ください。

ただ誰にでもということではありませんので、ご自分の取り組みなど申込み要綱に詳しく書いていただき、この人にはぜひ見て欲しいと思った方に対してのみ販売させていただくことを、先にお断りしておきます。

とにかく私が目指してきた方向性、取り組んできた方法論に間違いはなかったと自信を深めています。

今後は、それぞれ環境や立場の違う選手や指導者の皆さんにどう伝えていくか、これが課題となることは間違いありません。

さらに試行錯誤を続けて行きます。

スポンサーサイト



西本理論の基本(その③)背骨の左右横への動き。

YouTube動画と連携して、西本理論の基本を知っていただくシリーズの3回目となります。

もう一度基本的なことを言わせてもらいますが、私自身にもこれが『西本理論です』と、確立されたものはありません。

一般の方の体の不調に対応する施術家を原点に、競技スポーツ選手の動きそのものを改善するためのトレーニングを指導してきた中で、人間の体の生まれ持った能力とはどういうものなのか、現実としてそれらが十分に発揮されているかのか、日々接する人間の体そのものから学び取ってきたことを、一人でも多くの方に知って欲しいと思うようになりました。

それが『西本塾』や『個人指導』、またチーム単位での指導をさせていただくことに繋がっていきました。

指導を受ける立場としては、より実戦的で、すぐに効果がある何かを求めることは当然のことだと思いますし、様々な知識を増やすことで、自分の指導者としての幅を広げて行こうと努力していることは大事なことだと思います。
そのために、あっちのセミナーこっちの講習会と、とにかく貪欲に学び続けている方が多いことも承知しています。

しかし、私が進んでいる方向性や、伝えたいこと学んで欲しいことは、花が咲き実の成る部分ではなく、その根っこの部分、私の口癖である『人間の体はね…』に続く、基本の部分なのです。

こうすればこうなる、というノウハウではなく、『何故こうなるのだろう、どうしてこの選手はこんな動きが出来るのだろう』という、まさに『何故どうして』の部分にもっと真剣に取り組まなければ、何を見ても「わぁ凄い」で終わってしまうのです。

私の思いに賛同して、何故どうしての部分に真剣に向き合ってくれる人が少しずつではありますが増えてきたように思います。

『西本塾』に参加してくれても、修了証さえ渡していません、それでも自分は広島の西本という人間の考え方を学んできた西本塾生であると、公言してくれる人も沢山います。
そういう人たちは、ノウハウではなく考え方をきちんと理解してくれた人たちであると信じています。

徒党を組んでそのトップに立とうという気持ちもありません。
ノウハウを教えるだけならそういうやり方もあるかもしれませんが、私はそれを良しとはしません。
私と一緒に根っこを掘り返し、水をあげ日の光を浴びさせていれば、きっと花が咲き実がなると信じています。

200人近くの人に直接指導をしてきましたが、改めて基礎の基礎、『人間の体はね』の根本の部分を何としてでも伝えたい、その思いが、動画に詰まっています。

大切なことだと思って見てくださる方、今更そんな基本的なことをと思う方、受け取り方は様々でしょうが、私の思いは変わりません。

シリーズ①でお伝えした、背骨の6方向への可動性と連動性、そしてシリーズ②で説明した前後の動きに続いて、骨盤と背骨は24個の椎骨と仙骨を加えた25個の骨の一つひとつの隙間に可動性があるのですが、日常一番意識しにくい動きが、この左右横方向への可動性だと思います。

スポーツ動作でも同じです、まずは体の仕組みを知ること、動画の説明をしっかり見て聞いてください。

YouTubeリンク先
西本理論③背骨の左右横への動き


『スラックライン』三由野(みよしなお)さんとの出会いから、『ポーザーユニット』を導入した現在まで。

過去何度も触れてきた、山口ゆめ花博会場で出合った、『スラックライン』『三由野』さんという存在を知ってしまったことで、私がこれまで追い求めてきた「人間の体はね・・・」に続く言葉の意味が、さらに深く遠いものだと感じました。

今の時点で、「こういうものだ」という表現は全くできませんが、私が何を感じどう活かそうとしているのか、言葉にしておきたいと思います。

まずは『スラックライン』についてですが、世間一般に知られている、と言っても知っているのは一部の方でしょうが、両端を固定し、ピンと張った細いラインの上でバランスを取ったり、飛んだり跳ねたりと、平均台とトランポリンを合わせたような競技というイメージがあるかもしれません。

私が初めてスラックラインの存在を知ったのは、スキージャンプの選手がバランス感覚を磨き体幹のトレーニングにもなるという効果があるというような表現で紹介されていたものを、たまたまテレビで見たことでした。

その時には特に興味を持つこともなく、また新しいトレーニング方法が紹介されているなと言う感覚でした。

それがたまたま『山口ゆめ花博』の会場内で、地上2メートルほどに張られたラインの上で立ったり座ったりと、デモンストレーションを行っていた三由さんの姿を見て俄然興味が湧き、上下2本張られたラインに、子供たちに交じって列に並び体験させてもらった時、今までに経験したことのない不思議な感覚に襲われました。

『力でも技でもないなにか』、その時点で私はそうとしか表現できませんでした。

これまでの私は、『体づくりから動きづくりへ』をテーマに、筋力や体の大きさ強さに頼らない、人間本来の体の仕組みに沿った効率的な使い方があるということを証明し、広めて行こうという思いで活動していました。

なかなか受け入れられず、世の中を変える所までは至っていませんが、少しずつ私の考えに興味を持ち、受け入れ実践してくれる人を増えてきました。

『ゴールはそこにある』と信じて疑わなかったと言っても過言ではないと思います。

それが、その場で直接三由さんとお話をさせていただき、以降今日までご縁が続き、私が知らなかった、もし三由さんとの出会いがなければ生涯知ることもできなかったであろうことを、次々と投げかけてくれています。

私のことも良く理解していただき、お互いが自分の論を押し付け合うのではなく、一人の人間としての限界を知って、補い合うというと失礼ですが、それぞれの考え方を認め合うことで、それぞれが取り組んでいることの正しさを確認し合えるような関係を作っていただいています。

まず私が取り組んだのは、私のトレーニングスペースの中で5メートルほどしか張れませんが、幅2.5cmのラインの上に片足で立ってバランスを取るということでした。

一般的に知られているラインは幅が5cmで、ラインを張る張力が高く、5メートルくらいの長さであれば、体重が70㎏弱の私が乗っても、ほとんどたわむことはなく、ピンと張った状態を保ちますので、平均台に乗っているのに近い感覚となります。

しかし私が三由さんから購入したラインは、細くしなりのあるものでしたので、たとえ5mと言っても、指導された人力での張り方では、私が乗っただけでもかなりたわんでしまいます。

当然高いテンションで張られているラインに比べると、縦横に揺れますから安定は悪いと思います。

プロの方に言わせると、何十メートルもの長さを張れば、幅は関係なくどちらも難易度は同じという記述も見られましたが、私にとっては室内の5mでは明らかにこちらのラインの方が難しいと感じました。

スラックラインをトレーニングに取り入れているスポーツ関係者も増えてきたようですが、その効果というか目的はバランス感覚の向上と体幹が鍛えられ軸が出来る、などという表現が殆んどです。
バランス感覚に関しては、誰が考えてもその意味は理解できると思いますが、今流行り(もうそうでもなくなったでしょうか)の体幹を鍛えればすべての能力が向上する的な発想からすれば、それに異を唱える人は少ないとは思いますが、それだけが目的であれば、何もその手段をスラックラインに求める必要はないと思いますし、その目的に対してなら他にいくらでもやり方はあるでしょうから。

最初は10秒と立っていることは出来ませんでした、それが少しずつ時間が伸びて2分以上立っていられるようになりました。

なぜできるようになったのか、その答えを見つけることが、これからやらなければならない一番大事なことなのだと思います。

練習の成果、続けていれば誰でもできるようになる、コツが分かった、これまでならそういう言葉で納得していたかもしれません。
実際に続けていく中で、そんな安易な言葉で表現できない、いや表現してはいけない何かを感じ始めました。
これは私がこれまで経験したことのない感覚です。

私以外の人が出来ている人間の体の動きを分析し、私の体を使ってその動きと意識を再現するという行為をずっと続けてきました。

『自らが意図・企図した筋肉の収縮活動を、反復継続して行うことのできる能力』、私は『技術』という言葉をこう定義してきました。

そのためには人間の体がどう動いているか、またどういう意識で動かしているか、本人すら気付いていない意識レベルにまで踏み込んで分析することで、同じような動きが出来るようになることを、この6年間で体現してきました。

しかし、ラインの上での感覚は、意図・企図して行えるものではないようなのです。

こうしようああしようと思った瞬間に、本来ラインの上に立っていられるはずの体がバランスを崩してしまうのです。

正しい意識正しい動きとは何か、頭で考えられない部分があることを痛感させられました。

2分以上細くたわむラインの上でバランスを取れるようになったので、今度はラインの上を歩くという目標が出来ました。
それが一歩足を踏み出すことさえ難しいのです。

立ったままバランスを取るという行為と、移動するという行為は全く違うものだったのです。
これも言葉にまだできませんが、一歩一歩バランスを取りながらと言うよりも、移動する歩くという行為を行うためのバランスのとり方があるということなのでしょうか。

今現在、室内でなら5mを歩き切ることできるようになりました、片足立ちのバランス感覚も十分有ります。
ところがたまに屋外の公園に行って、10m位のラインを張ると、室内での感覚がまったく通用しません。
欲が出るというか、これくらいはできるはずだとか、室内でできていた『無心の集中力』が、見えている景色やラインの高さの違いからか、まったく違うものになってしまうのです。

私の目的は、何十メートルのラインを歩けるようになることでも、飛んだり跳ねたりのアクロバティックな動きが出来るようになることでもありません。

今まで知る由もなかった、意図も企図もしない人間の本能が行ってくれるコントロールとは何なのか、それが知りたいのです。

『 instinct action 本能の動作』『instinct reaction 本能の反応』、私がこう表現しているような、後付けで獲得した後天的な能力ではない、人間が本当の意味で生まれつき備わっている能力を呼び覚ますことが出来れば、これまで対応が出来なかった、人間の認知機能の改善や、麻痺してしまった体の感覚にまでアプローチできるのではないかと考えています。

これは私一人の考えではなく、既に三由さんが老人施設や障がい者施設、また特別支援学校の生徒さんを対象に、その効果を実証されています。

その時の様子を私の施設にまで来ていただいて紹介して頂いて、私自身あまり使いたくない言葉ですが、まさに『奇跡』としか言いようのないことが起こっています。

『奇跡』というのは、これまでの固定概念では起こりえないというだけで、現実にそれが起こってしまい誰の目にも明らかになれば、奇跡でもなんでもなくなるのです。

『奇跡は起きるものではなく起こすもの』だと事実を、三由さんの発想や活動から学ばせて頂いています。

見せていただいた事例から私なりの発想を膨らませ、右半身麻痺の女性の方の機能訓練に応用したり、競輪選手やゴルファーの動きづくりのドリルを考案したりしています。

意図・企図しなくても体が本能でやってくれることがある、それはどんな状態になっても失われることはなく、世の中の常識がそれを遮ってしまい、自分もそしてお世話をしてくれる介助者も、出来るはずはないと、安全第一になってしまい、本能の能力に蓋をしてしまっているという状況が現実にあるということです。

一本のラインを渡してその上を歩くスラックラインが、三由さんの研究から『ポーザーユニット』と名付けられた、まさに言葉では説明できない器具というのでしょうか、形を変えて世の中の様々な問題を抱える人たちに役立つものを作られました。

さらに研究が進み、『奇跡が常識』となり、理論が後を追ってくるでしょう。

もちろん我々健常者から競技スポーツ選手まで、指導する私の発想が広がり使い方を工夫していけば、その効果は無限大だと思います。

そうなっていくためには、私自身の『Interactive motion本能の動き』に、もっともっと深く気付かなければなりません。

私は他者を指導する際、私と同じレベルの高い意識を求めます、自らの体で学ぼうとせず、人任せのような態度に対しては厳しく接してきました。
ここまで答えが出ていて、それを正しいと感じてくれているのなら、何故もっと真剣に学ぼうとしないのか、残念に思うことが多くあります。

しかし、よく考えてみれば、私は私の専門分野を深めに深めているからこその今があるわけで、たとえばサッカーの指導者であれば、このことだけに集中して学び続けている時間はないでしょう。

そう言う人たちにも私は私の専門分野の知識と指導する技術を求めてきました。

行く着くところまで行ったと思っていた私の歩みが、まだまだ道半ばだと気づかされた今、これが答えですと言ってきたレベルくらいは、厳しい条件は付けずに指導しておいた方が良いのではと思うようになりました。

私自身が直接指導する中で、今求めている何かに近づくヒントが隠されているような気がしてきました。

日々気持ちが変化していきますが、毎年確実に年齢は加えられていきます。
10年前から一病息災と腹を据えて付き合っている糖尿病のせいで、この先の自分がどこまで走り続けるかに少し不安な部分もありましたが、信頼する主治医のお蔭で、『血糖値と亜鉛』の関係が理解でき、一昨日の検査結果が大きく改善され、その効果が数値として現れてくれたことで、単純ですが霧が晴れたというか、まだまだ今まで以上に情熱を燃やして取り組んで行ける自信のようなものが芽生えてきました。

正直体はしんどい部分はありますが、今の私なら少々の無理難題にも応えられそうです。
新たな目標ができ体の不安が薄れてきたことで、またまた元気が出てきました。
どこまでも単純な男です。

西本理論の基本(その②)背骨の前後の動き。

YouTubeとリンクした、『西本理論の基本』の説明、第2回です。

前回は、人間の体は骨盤と背骨を中心として、前後、左右、左右への捻転の6方向への可動性を持っていることを説明しました。

今回は、そのうちの『前後の可動性』を解説していきます。

ラジオ体操のようなやり方で前後の動きを行うと、背骨の椎骨一つひとつの可動性を生かすのではなく、背骨は1本の棒のようなイメージとなり、主に股関節の可動域を使っているに過ぎず、すべての椎骨の可動性に意識を向けられなくなってしまいます。

まずは、頸椎7個、胸椎12個、腰椎5個、プラス仙骨の25個椎骨の間にある『椎間板』の機能を十分に使って、前後の動きを行ってくれる本来の骨の動きをきちんと確認してください。

今更こんな基本的なことをと思うかもしれませんが、この基本となる動きをきちんと理解することが、西本理論への入り口です、確実に頭の理解だけではなく、体の感覚として理解してください。

YouTubeリンク先
西本理論②背骨の前後の動き


『動きづくりのドリル』は実戦の動きそのものです。

今日は西本理論基本編の続きではありませんので、その②を期待してくれた方は少しお持ちください。

今日のテーマは、『動きづくりのドリル』は、まさに実戦の動きそのものであるということの再確認です。

私の仕事は、選手やスタッフの意識を変えることだと言いました。
枝葉の方法論を求められることには大きな抵抗を感じてしまします。

しかし、現実としてギリギリのところで勝ち負けを争い、結果を求められている監督や選手たちから指導を依頼されてしまうと、もちろん基本的な考え方から伝えているつもりではありますが、受け取る側の選手たちにしてみれば、この動きが自分のプレーにどう活かされるのか、そのことが最優先となることは仕方がないと思います。

指導する際、全ての動作に関して何故こうなるのか、体の仕組みを説明しながら行ってはいますが、『体の使い方という技術』を身に付けて試合に臨みたいという気持ちは当然のことです。

『練習では出来るが、プレッシャーのない状況の中でならできるが』、という言葉を数多く聞いていますが、手段と目的をよく考えて欲しいのです。

そう言うここ一番の状況で、人間の体の仕組みを生かした効率的な体の使い方ができるようになるために、各種のドリルを考案してきたのです。

先日試合前の準備から手伝わせてもらったチームの選手たちも同じです。
試合中は部外者ですから、当然ピッチの中に足を踏み入れることは出来ません。
少し離れたところから選手たちの動きを見ていると、一番基本となる『走るという行為』の体の使い方が出来ていません。

本来であれば、相手の選手よりも一瞬早く動き出せる体の使い方を知っているはずなのに、当たり前のようにこれまでと同じ地面に居着き、地面を蹴らなければ自分の体を移動させることが出来ません、前後左右すべて同じです。

ボールのキープの仕方や、ボールをキープしている相手への体の当て方など、ボールに絡んだ動作に関しては、指導したことをやろうとしていることが見て取れ、実際にその効果を実戦の中で感じてくれているようです。

しかし、最も大切な『90分間頭と体を動かし続ける能力』が向上しなければ、個人としてもチームとしても最良の結果を得ることは出来ません。

例えその試合に勝ったとしても、それはその場限りの結果論であって、本質的な向上ではないのです。
『動きづくりの』進歩向上には、ゴールはないのですから。

事実後半には、頭と体を動かし続けているとは言い難いプレーが目立ち、逆転されてしまいました。
前半の動きが良かっただけに私としてもとても残念でした。

後半に入り、ウォーミングゾーンでアップを続けるサブの選手たちは、西本塾生でもある『木下広輝』さんの指導の元、かなり意識して動きづくりのドリルを繰り返してくれていました。

疲れの目立ってきた選手に変わって投入される選手に期待してみていましたが、元気よくピッチに飛び込んでいく選手の姿は、さっきまで行っていたドリルはなんだったのかとしか言いようがない、私が指導する前に行ってきた屈筋頼みの走り方でした。

残念な気持ちは勿論ですが、これまで行ってきた体の使い方を変えるという作業は、想像以上に難しいようです。

だからこそ、この動きの変化にはどういう意味があってどういう効果をもたらすのか、という意識の改革なしには、ただ動きの振り付けを教えてもらっただけ、私はちょっと変わった走り方を教えに来た人で終わってしまうのです。


やはりチーム全体に指導を行き渡らせ、結果に結びつかせるためには、付け焼刃の指導ではなく、シーズン当初から少しずつ浸透させていく地道な取り組みが必要なのだと痛感しました。

しかし、西本塾や個人指導、また直接お会いしたこともない遠隔サポートを通して、指導した私自身が驚くような動きを身に付けてくれた方が実際にたくさんいるのです。

私の指導の仕方という問題は別として、受け取る側の意識、本当に変わりたい成長したいと思っているか、どこまで追い込まれているか、その危機意識というか真剣さが、動き作りを成功させられるかどうかを決めていると思います。

私の指導しているドリルは、すべて実戦の動きそのものです。

ドリルで行い身に付けた動きを、そのままボールがあって相手がいるピッチの中で行えばいいだけのことなのです。

そのことが分からなければ、ただのドリルで終わってしまいます。
そのためには指導者がまずそのことをしっかり理解してから、選手たちの指導して欲しいと思います。

やはり私の仕事は『意識を変えさせること』、これが一番重要なことのようでです。

YouTubeを使った、西本理論の基本を伝える試み、もうだいぶ前から構想はあったのですが、西本塾29期生『Sさん』から寄せられた感想や、西本塾の最後に直接語っていただいた言葉に背中を押され、公開に踏み切りました。

体に関して様々な考え方があり、方法論が流布されていますが、そもそも自分の体がどうなっているのかを知らずして、どんな健康法を試しても一時しのぎに過ぎないことは明らかです。

とはいえ、そんなことを最優先に考えながら日常生活を送っている人が居るとは思えません。

しかし、そうこうしているうちに歳を重ね、体が悲鳴を上げることになって初めて大騒ぎするのが、悲しいかな我々人間の常です。

私の考え方や体と対話する方法を知ることで、本当の意味で自分の体を知ることとなり、大切にしようという人が増えてくれるように、積み重ねてきた考え方をこのまま眠らせることなく、様々な方法で発信していくことも私の使命だと思うようになりました。

少しずつ発信していきますので、2回目は少しお待ちください。

西本理論の基本(その①)YouTubeと連携して説明していきます。

これまでも何度か試みようとして断念してしまいましたが、今、西本理論とまで呼ばれるようになった私の考え方、『人間の体はね・・・』に続く様々な思いを共有していただくことで、『体と対話する』ことの手掛かりにしていただければ幸いです。

『体を治す』とか『整える』とか、対極にあるような言葉ですが『鍛える』『トレーニング』するという概念も、全ては人間の体の仕組みを知っていなければ、目的も手段も本当に体のためになっているのかは甚だ疑問です。

このシリーズでは、私の考える人間の体の仕組みを知っていただくことで、『木を見て森を見ず』になってしまわないように、また根っこを耕すことなく、目先の果実を得ようとする安易な取り組みにならないように、じっくりと取り組んで欲しいと思います。

実はこれから紹介する動画は、一昨年の暮れに撮り終え、既にYouTubeにアップしてあったものです。

しかし、公開はしたものの、自分の中ではまだ世間の人たちが真剣に向き合ってくれるとは思えず、やはり目先の方法論を求めてられている感じてしまったので、非公開としていました。

改めて私の考え方を公開することで、本当の意味で謙虚な姿勢で自分の体と向き合うための道標となって欲しいと思います。

何回かに分けて公開していきます。

YouTubeリンク先

西本理論①背骨の仕組みを考える

3人目の感想から、体との対話を考える。

連日の更新です。

『西本塾』の感想、最後に紹介するのは、既に他の方の感想で名前を出してしまいましたが、今回は匿名でSさんとさせていただきます。
お仕事の関係でということでしたので匿名を了解しました。

これまでと違った観点からの感想が書かれていて、私自身これまで考えても見ないことでしたが、私に対する評価が、その方その方の求めていることに対するもので、私自身の全体像ではないと言ってきましたが、こういう視点で評価されると、私自身がこれまで発揮してきた能力を超えたものを感じていただけたことに感謝するとともに、改めてそういう部分を深めていかなければならないと強く感じました。

まずはお読み下さい。

第29期西本塾参加させて頂きましたSです、何から何まで大変お世話になりました。
重ねて感想文の送付が遅く申し訳ありませんでした。

最初に先生の心底からの御指導、言葉で申し上げられないほどありがたいのですが、自分としては(失礼ながら)料理に例えると『和食の神髄』のような効果で、時間が経てば経つほど感謝の気持ち、『動きづくりの重要性』が増加してくるのを実感しております。

 インスタ映えする『見た目だけ重視』の料理に対し、何か心底じんわりと美味しさが込み上げ、永く記憶に残存する世界遺産『和食』の神髄、そのような貴重な体験をさせて頂きました。

1 先生の塾に対するスタンスと温かさ
 今回、参加させて頂いた自分以外2名の方も施術等に従事されている方ではないということで、従来の塾内容を先生はかなり変更して下さったようでした。
前日も睡眠時間を削り内容構成をご検討頂いたとのこと、本当にありがとうございました。
加えて、良くあるトレーニングコースではなく、先生の真剣さに加え、奥様、DVDにも登場される息子様等ご家族ぐるみのホスピタリティ、特に先生の理論を求める方に対する何か、体験したことがない温かさを感じ、頭が下がる思いでした。

2 ご一緒させて頂いたNさん、Hさん本当にありがとうございました。
Nさんにおかれましては、先生の御指導を忠実にトレーニングに反映されているということで、自分への指導も頂き申し訳なかったです。
細かなご指摘は感謝に絶えないのですが、帰りの『のぞみ』等で強く自分の記憶に残ったのはNさんの「走り」そのものでした。

 今や「ランニング」「ジョギングセミナー」は日本全国大盛況で、自分のような壮年以上の者もセミナーに多く参加しています。
自分は過去に箱根駅伝出場の選手が講師として走りを見せる、大手シューズメーカー主催のセミナーに参加したことがあります。
これが箱根駅伝レベルの美しい走りということで、約30名程度のセミナー参加者の前を走ってくれました。
確かに足音もなく、スムースな走りで、見た方は「これが理想の走りかぁ」と訳もわからず納得してました。
 しかし、今回、西本塾に参加されていたNさんは、日々西本理論を実行されているのがとてもわかる走りなのですが、その美しさは、シューズメーカーのセミナーで見た走りとはレベルの違うものでした。

 腰、肩が見事に連動した「地球を蹴らない走り方」(地球と喧嘩しない走り方)で、自分にとって失礼ながら、例えるなら、何かポルシェやフェラーリクラスのレーシングカーのシリンダー駆動部を見ているような動きで、広背筋の引き上げを上腕部が効率的に担い、自然と股関節が動く、驚きの走りでした。

瞬時にトップスピードに駆動する自然な動きづくりにただただ感動しました。
一言で申し上げると走りの「機能美」です。

無駄の無い動きの美しさを目の前で見させてもらった体験でした。(申し訳ありません、先生のDVDを見る前の感動でした。)

 ご本人も先生の指導内容の実行を日々「楽しんでおられる」ということでしたが、走りの前に「7割やることがある」という先生の理論を忠実に実行されている、とても参考になる見本でした。
おそらく自分は忘れないと思います。
それとともにあのような走りに近づきたいという欲求が高まりました。

もう一人、ご一緒させて頂いたHさんもすごい方でした。
何よりも自分より30年?近く、早く西本理論を学べた訳ですから、そのメリットは計り知れないと思います。
何年か後に○○県のラクロスではHさん在りき!となる気がしました。

3 「人生100年時代」構想での西本先生の理論と波及効果
こんな構想について、首相官邸HP等に記載があります。
自分のような年齢になるとスポーツより、今後どこまで健康寿命が維持出来るのか考えます。
出来るだけ長く、エコノミーランニングが出来るようになりたい、そもそも走りの前の「動きづくり」の基本を先生に仰ぎたいというのが塾に参加させて頂いた動機でした。

今後の時代を俯瞰すると、先生の理論がもっと広まれば、不必要な介護医療予算は国家レベルでかなり圧縮出来るのではと感じるのは自分だけではない気がします。

 腰痛に悩む潜在的な人口は4700万人、このうちのコンマ数%の方が、先生が提唱されている『体との対話』のしかたを学ぶだけでも、途方もない予算の圧縮になります。
どうして厚生労働行政が気が付かないのか皆目わかりませんが、一方で、知名度があるだけの講師で、本当に健康に役立つのか疑問の健康講演会等もあちこちで自治体が開催しています。

それらと『西本塾のコンセプト』が同じような扱いにならないためには、やはり霞が関レベルの方が先生の理論に着眼して欲しいと切に思います。

受講させて頂いた時期にG20が開催されましたが、自分は先生のコンセプトを世界の人が理解して、例えばプーチン大統領が、「スポーツの前にFBTを始めたよ」、モディ首相が「からだほわっとはヨガより効くよ」みたいな会話が飛び交う日が来ると良いなぁと思います。

とりとめのない感想で申し訳ありませんが、西本塾+一日フライングの施術、大変お世話になりました。
初めて大阪より西に行きましたが忘れられない体験となりました、本当にありがとうございました。

Sさんありがとうございました。
私の存在などちっぽけなもので、体そのもののことやスポーツ現場に対して、どんなに声を張り上げたところで届く範囲は限られていると、半ば諦めに近い心境で、真剣に私の指導を受けたいと直接訪ねてくれる人に対してのみ、真剣に語りかけて行こうと思って日々の活動を行なっていました。

それが、西本塾の最後に感想を述べていただく時に、国家予算規模の話にまで話が及び、私の考えていること、とくに『体と対話する』『体との対話の仕方』『自分の体を知ること』など、最も基本としていることが、超高齢化社会を見据えた日本という国レベルに必要な発想だとまで言っていただき、また具体的な数字を前日の夜試算していただいたものを聞かせていただき、驚き以外の何物でもありませんでした。

たしかに公共団体や民間レベルでも、健康に関する講演会が行われていることは承知しています。
しかし、それらが本当の意味で参加された方々の役に立っているかというと、少し疑問は残ります。
主催する側が、どれだけの知名度を持った人間を呼べるかを競っているだけのような気もします。
私がその場に立つためには、地方のレベルを超えて、Sさんの言う霞ヶ関レベルからのトップダウンが必要となるのでしょうね。
私のイメージですが、役所はとにかく縦割りの上の組織には弱いようですから。
ランニング教室も同じです、スポーツメーカーはブランド価値を上げるために、それなりのネームバリューのある選手を呼んで行わなければ、行う意味はありません。

いつかそんな日がくると信じて、今の活動を深めていきます。

走りに関しては、Sさんも驚かれたようにNさん、中山さんでいいですね、昨年末にご縁ができてからたった半年の間に、いくら初めて学ぶとはいえSさんをここまで驚かせる走りを見せてくれた中山さんの取り組みには頭が下がります。

ゆっくりならできる、プレッシャーのない状態ならできると言い訳ばかりの人には耳が痛いと思いますが、まさにドリル7割を実践していただいたことで、これだけの成果が本当に得られたのです。

もう10年くらい前になりますが、ブログに何度も登場していただいている、スポーツライターの木崎伸也さんが、都内にあるいくつかの出版社に私を連れて行ってくれたことがありました。
私の存在を、私の考えをもっと多くの人に知ってもらいたいと思っていただき、本当にありがたいことでしたが、実際に出版にまでは結びつきませんでした。

その中で、ジョギングや走ることを専門としている雑誌を作っている出版社に行った時には、中庭で西本走りを実際に体験していただきました。
おそらくは、現実として今行なっている走り方、雑誌で取り上げている体の使い方との違いに驚かれたことと思います。
しかし、私の提唱する走りの方が効率的であり効果的であると認めてしまったら、自分たちが日々記事として読者に届けていることが間違っていると言うことになる可能性さえあるのです。

そんなことができるはずはありませんから、もしかしたら見なかった体験しなかったこととして、蓋をして終わりにしてしまったかもしれません。
ただ短い時間でしたが、体験していただいた編集者の方々は、「明らかにこれは違うぞ」と言う顔をしていたことは間違いありません。

毎度同じことの繰り返しになりますが、何に対しても何故どうしてと素朴な疑問を持ち、これまでに染み付いてしまった固定概念を疑うことから始めて、何が本当に正しいのか、何が自分にとって有益なことなのかを探っていくことが絶対に必要なのです。

いつまでも同じことの繰り返しでは進歩がありません。

そして、その答えを教えてくれるのが、誰でもない自分自身の体だと言う事実です。

そのためには体と対話するための文法のようなものが必要で、それを見つけた私が一生懸命伝えているのです。

Sさんのお陰で、自分を小さく終わらせてはいけない、この先やらなければならないことが無限にあって、それは小さな利益を求めるものではなく、国家レベル、いや地球レベルの、人類共通の最重要課題である『健康に人生を全うする』ことに貢献するという、壮大な意識をもたなければならないと思いました。

何か凄い話になってしまいましたが、私から学んでくださった方から言われた言葉です、厳粛に受け止め今後に生かしていきます。

『自分の体を知る』これがすべての基本です。

診断名はその部位の現状、まさに木を見て森を見ず。

私は手技療法の施術者として、日々様々な体の不調を訴えて来所する人たちに対応しています。
いわゆる不定愁訴の域を超え、強い痛みに耐えきれず、医療機関を受診して検査を受け、疾患名を告げられた方もたくさんおられます。

中でも多いのが『頸椎椎間板ヘルニア』『腰椎椎間板ヘルニア』『腰椎分離症』と診断され、「このまま痛みが続くようであれば手術も考えなければならないかもしれません」と言う医師の言葉に驚き、何とか手術は回避したいと、人伝に聞いて私を訪ねて来るというパターンが多いようです。

医師の診断が間違っているとか、手術はリスクを伴うためやめた方が良いと言っている訳でもありません。
画像診断によって指摘された状態は、紛れもなくその診断を下すべきものである事は否定しません。

では何を言いたいのかと言うことですが、本来ならそんな状態になるはずのない人間の体が、何故そんなことになってしまったのかと言う事です。

『ヘルニア』とは、24個の背骨の間にあって、クッションとして、また関節の可動性を担う重要な組織が、本来あるべき場所からはみ出して戻らなくなってしまい、周辺の神経を圧迫して痛みの原因となっている状態です。

この『戻らない』という部分が重要で、診断を受けても多くの方がそれなりに日常の生活を送ることが可能なのは、常にヘルニア(はみ出している)の状態ではないからです。

では何故そんな状態になってしまったのでしょうか。

人間の体は骨盤と背骨を中心に、基本的に6方向への可動性を持っています。
骨が勝手に動くことは出来ません、脳からの指令で筋肉が収縮する事で骨を引っ張り関節の角度を変えることで、人間は自分の思った通りに体を動かしています。

では同じ様に体を動かしているのに、歳を重ねてもそれなりに体を動かし続けられている人と、そうでない人は何が違うのでしょうか。

一番大きな違いは、基本となる6方向への運動が、日常的に行われていなかったり、行なっていたとしてもある方向に偏っていたり、可動域の範囲の中でも動かしている範囲が少ないと言う事ではないかと思います。

持って生まれた体の仕組みを生かし、積極的に動かしていたか、しかし、そんな事を考えながら日常生活を送る人など聞いたことがありません。

運動不足にならないように、ウォーキングやジョギングに励む人も多いと思いますが、そういう種類の運動で得られる効果は全く別のもので、体の持つ本来の仕組みに働きかけるものではありません。

そういう意味での運動不足だけではなく、同じ姿勢を長く強いられる生活を送ることで、背骨の運動が少なくなる事で、クッションとなるはずの椎間板と言う組織も柔軟性を失い、背骨の連なり具合によって角度が変わり、押し出された結果はみ出してしまった状態がヘルニアの実態ではないでしょうか。

強い痛みが続く、画像にははっきりとその病態が写っている、確かにそうなのですが、それは結果であり、まさに『木を見て森を見ず』になってはいないでしょうか。

骨盤と背骨に対して、本来あるべき6方向への動きを、無理をさせず動ける範囲で繰り返し動かす事で、椎間板と言う組織が持っている本来の柔軟性を取り戻すことが出来れば、はみ出していた状態が、本来あるべき場所に収まってくれるとは考えられないでしょうか。

少なくとも私は、この考えの元に、それぞれの体に働きかけ改善させてきました。

もう一つ気になることは、痛みを感じ始めても、この位なら我慢できると、痛みを感じている部分を庇いながら使い続けることで、尚更可動域が狭まり、椎間板の動きが減るという悪循環に陥り、更に痛みが酷くなるというパターンです。

常に自分の体と対話出来ていれば、殆どの場合最悪の状態まで行くはずはないと思います。

私の著した2冊の本、とくに『1回5分体が喜ぶ健康術』には、その辺りのことが余すところなく書かれています。

既に足を踏み入れている超長寿社会、自分の体は自分で守る、そのために『自分の体と対話する』と言う発想が必要となります。

このことを、もっと発信して行こうと思います。

西本塾にはこういう学びもあります。

 二人目の感想が届きましたので、ご紹介します。

 引地さんは3人の中で一番若い29歳でした。
 私を含め人生の先輩たちを前に、西本塾で学ぶべき内容とは別に、他のどんなところに行っても得られない、大きな経験をされたと思います。
 人としてどうあるべきか、お二人の姿勢からたくさんのことを学ばれたと思います。
 私が指導したことが出来たとかできないとかいう以前に、これほど大きな経験ができたことこそが、二日間の成果だと思っていただいて良いと思います。

 開講にあたって私が言った言葉は、二日間でできるようになります理解できます、などということは絶対にありえないと言い切りました。
 これまでであれば、絶対にできるようにして見せます、理解させます、と言う気持ちで臨みましたが、出来るようになるためにはどうすれば良いのか、分かったつもりではなく本当に理解したければどうすれば良いのか、そのことをしっかり伝えますと言って、話を始めました。

 これまでの反省から、言い訳をしているのではなく、こういう言い方が一番正直であると思ったからです。
 もちろん私が伝えたかったことも持ち帰ってくれたと思いますが、お二人から学んだことの方がよほど大切なことだったと思います。
 これこそが『西本塾』のあるべき姿だと思いますが、年寄り相手にめんどくさいという感覚の方には、はなから参加を許可していません、そのために受講動機の提出を義務付けているのです。
 
 昨日ご紹介した中山さんの感想とは全く違う観点で、お二人が同じ講義を受けたのかという内容ですが、これも西本塾の本質を端的に表していると思います。
 ではお読みください。

 2日間お世話になりました、西本塾29期生 引地です。
 入室時、靴を揃えない、講義中の居眠り等失礼な点が多々ありましたことを、まずお詫びさせて下さい。
 申し訳ありませんでした。
 また、そのような人間に対しても、他の方と変わらないご指導を頂き、ありがとうございました。

 以下、感想となります。
 私が本講義に参加を希望した理由は、『正しい体の仕組み・使い方を知りたいから』でした。
 その理由からすると、とても充実したものとなりましたが、『実践するには、自分はほど遠いレベルにある』ということも痛感する会となりました。

 あれほど密な講義と反復練習を実施頂いても、最終日は全く再現することができず、2日間で何ができるようになったのかと問われれば、何もできるようにはなっていないというのが現状です。

 しかし、この2日間で得たものは非常に大きく、教えて頂いた知識以上に様々なことを学ぶことができました。

 1つめは『原理・原則を追求して悩み、考え抜いてから教えを請うことの大切さ』です。

 今の時代、情報や知識はネットで検索すれば、あっという間に手に入れることができ、『ふーん、そうなんだ』と納得することも『これについてどう思いますか?』と情報の正誤を聞くこともとても簡単です。 
 私自身はそれこそが効率的だと考えている傾向があり、実際、西本塾の講義中も浅はかな質問が多々あったと思います。
 
 しかし、基本はやはりそうではないということに改めて気づかされました。

 まず教えを請う以上、自分で最低限の内容を調べるのが礼儀として当然のことです。
 上っ面の情報だけを掬って、残りは人に教えてもらおうという態度そのものが、非常に失礼でした。

 また、情報の正誤は原理・原則に基づいて判断し、その判断のプロセスが合っているか聞くべきだということも、感じました。
 
 上記のような聞き方は、人の肩書きや権威を借りて依存先を得たいだけで、自分が心の底から知りたいとは思っていないのだと感じました。

 『なぜそうなるのか』深掘りし、『これがこうなって、こうなるから正しいと感じる』と、腹落ちして初めて、正解かどうかを人と議論できるのだと思いました。

 書いてみると『何を当たり前のことを・・・』という内容で恥ずかしい限りですが、戒めの意味も込めて感想として報告させて頂きます。

 2つめは『自分が目指すべき”大人”の姿について』です。
 これが自分にとって、最も大きかったと感じています。
 今回、杉山さん、中山さんと一緒に受講させて頂いたことで、『世の中にこんな大人がいるのか』と驚きました。
 
 興味を持ったことに対し追求する姿勢、教えを請うときの態度、知識を得ることに対する貪欲さにおいて自分とは比べものにならないレベルであり、恥ずかしさを感じる一方で『もっと高いレベルを目指さなければ』と思える方々でした。

 また西本先生の他人と向き合う姿勢についても、直に感じることができ、とても勉強になりました。
  『自分はこう考える。その理由は~だからだ』と正面からストレートに伝える潔さは、今の自分には無いものです。

 曖昧な態度で迎合することは、その場ではとても簡単で、実際それでやり過ごすことも可能ではありますが1つ目で述べたように、『原理・原則に基づいて』いないことはハッキリ”NO”と伝えるべきですし、それができるのは、日々、原理・原則を追求するように心懸けているから成せる業なのだろうと思います。

 今までの生活で染みついてしまった習慣を変えるのは簡単ではありませんが、少しでも前進できるよう日々努力したいと思います。(まさに教えて頂いたドリルを復習し、反復練習することが、上記につながると思います。)

 最後に『自分の体に起きた変化について』です。
 今回、受講理由の1つに『自分が気持ちよいと感じる動きに再現性がなく、原理を知ることで再現性を高めたい』というのがありました。
 その動きを文章で示すならば『足を踏み出して着地した瞬間に、腿の後ろと背中から誰かに押される感覚』なのですが、この感覚を日常生活で少し感じるようになりました。

 今までは、トレーニングの直後から2,3時間で消えていた感覚です。
 その感覚が正しいかどうかわかりませんが、今回教えて頂いた原理・原則と結びつけて、さらに再現性を高められないか追求していきたいと思います。

 以上、心の底から行って良かったと思える2日間でした。
 自分に染みついてしまっていた価値観が覆る、まさに人生のターニングポイントと言える経験をすることができました。

 最初に述べたような、無礼な点が多々あった私に対し、最後まで指導頂いた西本先生、また、同じ時間を共有させて頂いた杉山さん、中山さんに改めて感謝を申し上げます。本当にありがとうございました。

 杉山さんと中山さんの学ぶ姿勢から、引地さんはかけがえのない大きな何かを感じてくれたようです。
 今失われつつある『謙虚さ』、『常に初心を忘れず学び続ける姿勢』、年長のお二人には感じられ、残念ながら引地さんには感じられなかった部分に自分で気づいたことが、何よりの成果であり、二日間で大きく成長されたと思います。

 私自身がその輪の中にいて空気を作っていたことで、共に学び合うという関係性を築いていけたと思います。

 今回のことをぜひ生かしていただき、引地さんのこれからが、さらに意義あるものとなっていくことを確信しています。

 しっかりした言葉を届けていただき、ありがとうございました。

私以上に、私という人間を語る人が現われてしまいました!

土曜・日曜の二日間行った『第29期西本塾』、このブログのコアな読者の皆さんの中には、受講者から届いた感想の紹介はまだかと思っていた方も多いのではないでしょうか。

 過去の例で言うと、日曜の講義終了後、それぞれ帰途につかれた新幹線の車内から、とにかく感想を送らなければと、興奮冷めやらずといった高揚感一杯の感想を送ってくれる人あり、少なくとも3・4日の間にはほとんどの方から感想が届くことが多かったと思います。

 それが今回、3人の受講者の中で、一番最初に送られてきたのがつい先ほどのことでした。
 今回ばかりは、そのことに関して感想が送られてくるのが遅いじゃないかと、苛立っていたわけではないのです。

 それは今回受講してくれた3人の方々の受講動機に書かれていたことがほぼ共通していて、それは『体と対話するとはどういうことなのか』という、私が追い求めている根源的な部分を知りたいという、深い受講動機の方ばかりだったからです。

 当然ですが私自身、この根源的なテーマをどうやったら伝えられるのか、と言うよりも、改めて自分自身の考えを整理しながら、受講者の皆さんと一緒に考えてきたことを深めてみたいと思いました。

 ですから、終了時にお願いしたのは、感想については慌てなくていいから、二日間学んだことをしっかり整理して、自分自身が納得できる内容を書いて送ってくださいとお願いしました。
 どなたからどんな内容の感想が届くか、ワクワクしながら待っていました。

 先ほど届いたのは、昨年12月に伊勢原市で行われた、私が『小学生のサッカー選手を指導するのを見学する会』で初めてお会いしてから、年末に行った『西本走り体験会』そして、大阪でのセミナー前夜にお声掛けした『西本と語る会』、その翌週には全く偶然に、東京の王子で行ったセミナー会場で、私の指導を見学して頂き、その後の懇親会にも参加して頂き、この半年間の間にお目にかかるのが、今回で5回目という何とも不思議なご縁ができた方でした。

 私のブログを、ここまで精査して読み込んでくれた人が居ただろうか、もしかしたら私自身が忘れてしまった内容まで、データベースというのでしょうか、きっちり整理していただいているという、驚きべき『西本マニア』と呼んでもおかしくない方です。

 以下の文章を読んでいただければ、私が書き連ねた過去の文書を読んでいただくよりも、端的に『西本直』と言う人間と、『西本理論』とは何かが良く分かる内容で、私自身が本当に興味深く読ませていただきました。

 私という人間は、自分で言うのもおかしいですが、とても難しい人間だと思います。
 表面的なところを求めて近づいてきたのであれば、本質的な部分は分かっていただけないまま、ご縁が続かない場合がありますし、逆に良い所ばかりを見られてしまうと、後で落胆されてしまうかもしれません。

 いずれにしても中山さんの文章から、私という人間の本質があぶりだされてしまうようで、少し怖い気もしています。

 原文通り転載させていただきます、ゆっくりお読みください。

 尚、この感想とは別に、A4サイズで5ページにわたる、『西本理論概論』と題したレポートまで送っていただきました。

 ここまでやっていただくと、有難いという気持ちを通り越して凄いの一言ですし、ここまでやっていただけることに値することを私はやっているという自信と、さらに深め続けなければという責任も感じています。

ではどうぞ、

 西本先生 西本塾のご指導大変ありがとうございました。
 奥様 動画の撮影,また操体法の実技にまでご協力いただきどうもありがとうございます。
 場を和ませてくれるやさしいあいづちや一言に癒されながらの受講となりました。
 杉山様,引地様 お二人とご一緒させていただいたご縁を感謝します。
 半年前の自分と,これまでの取組みを振り返りながら参加させていただくことができ,より理解が深まったと思います。
 それでは毎度長くなり恐れ入りますが,感想を記します。

■座学
 開講一番,レジュメの充実度に圧倒されました。3~4枚くらいかと思っていましたので。
 図入りの解説も含め西本理論を理解するに必要不可欠な情報がぎっしり詰め込まれていると思いました。  
 さらに2日目の冒頭に示された「なぜ人間だけが」から始まるストーリーの模式図。非常にわかりやすく,我々のために夜遅くこんなことまで考えていただいたかと感謝しかありません。
 そして座学の内容は,これに続く実技のひとつひとつでより強く実感することができました。

■西本走り
 「めっちゃ楽。これならいきなりフルマラソンもいけるんちゃうん!?」あまりにも楽すぎて,非現実的なことを考えてしまうという「西本走りあるある」。初心者でもないのに,またもその罠にはまってしまいました。
 屋外に出て100m弱を7往復。1.3kmほどでしたが,先生からは個々人のペースで,ただしイーブンペースで走るように指示されました。
 にもかかわらず、あまりにも調子がよかったせいでいきなり飛ばし過ぎてしまい,片道過ぎた時点で「このままあと13本はさすがに無理」と我に返り少しペースを落としてしまいました。
 走り自体は納得のいくもので,最後まで表情を緩めて屈筋を封じ込め,自分なりのスピードが出せたと思います。(陸上200m決勝での桐生選手。最後に歯を食いしばったところでサニブラウン選手,小池選手から一気に引き離されましたね。)
 また,走り終わって1分もすれば回復して息も整う(ただし汗はとめどなく流れる),といういつも通りの西本走り現象がありました。
 体験会で感じた圧倒的な「楽」が普段の練習では完全には再現されにくいと感じていて,初めての体験の印象が強く残るのはある意味仕方のないところかとも考えていました。
 しかし,西本塾実技では,体験会と同じように無限に走れそうな感覚が再現されました。
 これはおそらく段取りの差だと思います。自分の練習ではFBT4種1セットとアイドリング,引張出し,前方落下,ステップをワンスルーやっています。
 体験会や西本塾ではFBTを何セットも練習し,一連のドリルも時間をかけてから走ることになります。
 まだまだ本当に身についていない走りだからこそ,直前のくせ付けの強弱で走りそのものも変わってくるのだと思いました。
 ウォーミングアップのFBTのセット数はもう少し増やしてみようと思います。

■受講者3名
 今回は私以外のお二人が初体験ということで,僭越ながらドリルなどのお手本として見ていただきました。 
 先生から基本動作はできるようになっているからとお認めいただき嬉しかったです。
 また,これまでの取組があるからこそわかることもあるだろうということで,お二人にアドバイスがあれば伝えるようにも言っていただきました。
 実際やってみて感じたのは,伝えることの難しさです。
 先生も常々おっしゃられていることですが,ちょっとしたことでも思っている以上に難しいです。
 特に私はあれもこれもと言ってしまいたくなることを反省しました。どこをポイントに伝えるかを絞り込む,ここでも引き算の考え方が必要なのだと感じました。
 子どもに教えるときには今回の経験を活かしたいです。
 私自身の動きですが,先生と並んでドリルを映していただいた動画をいただき,屈筋を消すというのはこういうことなんだ,5の状態に戻すというのはこういうことなんだと,非常にわかりやすく見えました。
 アイドリングも引っ張り出しのドリルも全然違いますね。一旦リセットして,身に着けてしまった自己流の部分を洗い流し,改めて目指す方向性をとらえ直して取り組みます。
 杉山さん、引地さん。動画やDVDの先生、智志さんのホンモノの動きをよく見てくださいね。
 私の動きとの違いを見分けることで上達のヒントが得られることもあると思います。お互いがんばりましょう!

■ポーザーユニット体験
 課外授業としてスラックラインの『ポーザーユニット』を体験させていただきました。
 2.5cm幅の2本のスラックラインに片足ずつ乗せて,さらに両脇の2本を手で持って支えとします。
 乗った瞬間,ラインが左右にグラグラと大きく揺れます。(え,こんなに揺れんの?)両手の支えなしではとても乗れたものではありません。
 その揺れに耐えしばらく我慢していると揺れがだんだん少なくなり,両手を離しても立てるようになります。(お,なかなかやるやん、俺。)
 まだ足がラインを掴もうと緊張しているのですが,窓の外の似島の山頂を見てみると,だんだん安定感が出てきました。
 そこからFBTの1と2を行いました。FBTでは骨盤,背骨,肩甲骨の動きに意識を向けることになりますが,これが不思議なことに足元の不安定さを解消することになるのです。
 ラインの上でも前後の重心移動が問題なくできました。西本先生からは「他に意識を向けることで不安定なところを感じなくなる」というようなことを言われたと思いますが,まさにそういうことでした。
 三由野さん,理化学研究所とのコラボレーションも含め,西本先生が取り組まれる“instinct action”の今後の展開からも目が離せません!

■衝撃のオクタントトレーニング
 西本先生がトレーニングメニューの集大成とも言われた「オクタントトレーニング」。どんなことをするのか謎で興味がやまなかったので,無謀にも実際に体験させていただきました。
 そこで見たオクタントトレーニングの正体は,「オーダーメイドの超高速多段角度自動抵抗運動」でした。
 操体法を10倍早送りするとオクタントトレーニングになるとおっしゃられましたが,私にしていただいたのは100倍バージョンだったのでしょうか。
 あらゆる関節のあらゆる方向の運動が,すべて広背筋による背骨・骨盤の6方向の動きから連携される連動運動であるべきこと,これを強烈に感じ取りました。
 速射砲のように繰り出される支持点の変化に対して即座に広背筋を働かせ対応するというものであり,刺激に対応するために正しい意図・企図を持つことと,それを実現する動きを錬成するためのトレーニングでした。
 筋力だけでなく,冷静な判断力,筋出力の反応速度も含めて向上させようという,何とも贅沢な,そしてまさに実際の試合で必要とされる能力をまるごと鍛え上げる動き作りトレーニングの神髄を見た気がします。
 超可変トレーニングマシンと化した西本先生の動きは,可動域全域で角度ごとに選手の能力に応じた刺激を与える,まさに神業と呼ぶべき技術でした。
 そんなハイスペックトレーニングに対応できるはずもなく,私は深い海で溺れ,水面がどちらかもわからずもがいているようでした。「中じゃない。外だ!」「背中を使うんだ!!」「もう押してないだろ!いつまで力を入れてる!!」 筋原線維を3の方向に滑らせたままロックしてしまい,5の方向に戻らなくなる,そういうことが本当に起きることがわかりました。
 ついには足が攣ってしまい,「もはやここまでか。。。」とリタイア(釈放??)を覚悟したとき,先生にグイっと脚を担がれ一瞬で戻していただきました。
 本当に一瞬です。さらに2ヶ所同時にやってしまいましたが,またも先生の魔法的な技で即復活させていただきました。
 よく覚えていませんが,足がとんでもない角度に上げられたような気がします。とことん体を極められた先生だからこそできる荒業だと思いました。
 ラストスパートはランダム方向に支持点を作られ,モグラたたきバージョン。押されたと思って押し返そうとしたときには,もう次の場所に移っている。とてもついていけません。
 それでも,先生の本気の檄,「さあ,こい!」「そうだ!」「よし!」に励まされなんとかやり切れました。
 「指導」とは進むべき方向を指し示し,そこへ導くこと。先生の熱意,真剣さからの檄は,圧倒的に強大な「導く力」となって伝わってきました。
 「やるのはお前だろ。俺もちゃんと見てるからしっかりやれよ!」と言いながら座ってる指導者とは比べるのも失礼になりますね。
 終わってみれば滝のような汗と,脳みそがオーバーヒートして湯気がでる漫画状態でした。
 これに対応できるようになるということは,屈筋を使いがちな動作でも間違えずに伸筋を使う,使いこなせるということ,伸筋を使うからこそ頭は冷静なまま刺激に即応し続けられるということ,キレッキレの動きを作り上げられるのだと理解しました。
 頭はパンクしましたが,体はまさに復活!!という感覚でした。体験してみて,1日目の座学の内容を丸ごと体感した気分になりました。本当に貴重な経験をさせていただきありがとうございます。
 また,実際に受けてみて,このトレーニングをラウドルップ(注 20年前ヴィッセル神戸でフィジカルコーチをしていた時に在籍していた世界的な名選手、デンマークの至宝と呼ばれたミカエル・ラウドルップ選手)相手にもされていたということの意味を考えさせられました。
 世界のトップの強烈な広背筋の連動を西本先生の広背筋の連動が受け止めたという事実です。
 ラウドルップに負けていてはこのトレーニングは成立しないのです。猛牛を組み伏せないといけないのです。
 先生ご自身の体を使う技術がどこまで圧倒的であるか。思い知らされました。
 西本理論が広まっていくことを期待しているのはもちろんなのですが,この高速オクタントトレーニングだけは広まることは難しいのではないかと感じてしまいました。西本先生以外にこんなことができる人,いるのでしょうか。。。
 塾の締め括りの感想では,オクタントトレーニングで燃え尽きたこともあり,「これからもがんばります」的なことしか言えなかったのが残念です。すみません。

■自分のからだです
 操体法の実技では奥様にも加わっていただき相互に体験をさせていただきました。「人のからだって本当にこんなに歪んでるんだ。それがからだほわっとでみるみるうちに整うんだ。でもまたすぐ戻ってしまうんだろうな。 
 普段からからだの使い方を正していかないといけないな」と,先生の書籍をそのままなぞるようなことを考えさせられました。
 いくつかのパターンも教えていただきましたが,手元ではなく,相手の体の反応をみること。相手に合わせて動くことが重要とのこと。
 私は建築関係の仕事をしていますが,建物にも固有周期や振動モードという個性があり,地震ごとに揺れやすかったり揺れにくかったりという相性があります。画一的なメトロノームではなく,相手の個性,揺れやすさに同調して,自分も揺らしてもらうという感覚でやっていこうと思います。
 からだほわっとで家内円満,健康家族を目指します。見様見真似でもやらないよりはずっと良い,ということなので気楽に取り組ませていただきます。
 今日も鹿児島豪雨で多くの方が避難されているようです。お見舞い申し上げます。避難所での慣れない窮屈な生活でストレスや体の不調が必ず増えてきます。退屈な時間も多いでしょう。
こんなときこそ皆さんがお互いにからだほわっとをできればいいのにと。鍼灸師さん,整体師さんがいないからダメだと言わず,自分の体は自分で守る,身近な人の体も自分が守るんだという意識とほんの少しの知識があればよいのに,そんなことを考えてしまいました。

■これからの取組み
①原理原則を学び理解すること,②良い動きを見て理解すること,③実践して感覚を養うこと,の3つです。
① 原理原則とはもちろん西本理論です。ブログも読みましたし西本塾座学も受講させていただきました,自分なりに整理もしてみました。でもそれで全て理解できたとは思っていません。実践しながらさらに理解を深めていきます。また,西本理論のさらなる進化も追い続けます。
② 動きを見る目,みんなが欲しがる西本先生の目ですが,身の丈にあったものでないといけません。「できる人は見える,見える人はできる」の傾向があると思います。(できてるふり,見えてるふりをしてる人も多いようですが。)サッカーの試合を見ていても昔から派手なドリブルやシュートにばかり目がいき,それ以外の時間は退屈に感じることもありましたが,動きに着目して見ることで楽しみ方が大きく広がりました。
 今はまだ「骨盤が立ってるかどうか」くらいしか見えていませんが,少しずつ見えるものを増やしていければと思います。
③ 操体法,FBT,アイドリング,各種ドリルを継続します。また,これからはプレー中の「つなぎの動き」も含めて,効率的な動きができているかどうかを注意しようと思います。
 先週のツイートを見てさっそくスラックレールを購入しましたが,なんといいますか,すち子のドリル棒に見えてきました。すち子ならぬ,すな男から「ドリルせんのかい!ドリルせい!せい!せい!」と言われている気がします。もちろん継続していきますので,引き続きよろしくお願いいたします!(注 この喩が分かる人はどれくらいいるでしょうか、中山さんに座布団3枚です(笑))

■感謝申し上げます。
 懇親会では先生の馴染みのお店に連れて行っていただき,「広島を喰らい,世界を喰らう」贅沢なごちそうをいただきました。   おいしかったです。料理の世界でも真剣に取り組む方は違うのでしょう。先生からはいつものように楽しい裏話,いろいろな方との繋がりなどを聞かせていただきました。
 先生は自らを夢前案内人とおっしゃられます。そのとおりだと思います。先生のブログや書籍,レジュメは「財宝の地図」です。
 からだはまるごとひとつ,動き作りもまるごとひとつ,まさにワンピース,手に入れたものは世界を制する,ものすごい財宝です。
 ところが,この地図はところどころ道が途切れていたり,壁が立っていたりでただ持って進んでいっても辿りつけないようになっています。
 実はこの地図を使うには,既成概念をとっぱらうことが必須条件,そして自分のからだとの対話を実践しながら読めば,隠れた道が浮かび上がってきて,どんどん財宝に近づくことができる,財宝の価値も実はもっと大きいことに気づくということです。
 漫画の最終回のようですが,たどりついた財宝は実は形があるものではなく,それを探したプロセス,経験から得たものや人との出会い、繋がりがお宝でしたというオチなのでしょう。
 これからの人生,まだまだ何があるかわかりませんが,最期に振り返ったとき,「人生で最も影響を受けた人」として挙げるのは西本先生になるんだろうな,と思いました。西本先生,本当にありがとうございました。

29期 中山晶生

中山さん、本当にありがとうございました。
私の人生捨てたもんじゃない、ここまで理解し得てくれる人が居ると思えば、何事にも積極的に臨むことが出来ます。
安易に使いたくない言葉ですが、まさにこの文章には『感動』しました。
さらに歩みを進めていくことで、感謝の気持ちをお伝えしたいと思います。



プロフィール

Author:西本 直
1993年、Jリーグサンフレッチェ広島を皮切りに、社会人野球三菱重工広島・協和発酵・ヴィッセル神戸・川崎フロンターレ、そして広島カープ佐々岡真司投手など、プロアマ問わず競技レベルのスポーツ選手から一般の方まで、トレーニングやメンテナンスの指導を行ってきました。
その経験と知識の蓄積を「西本理論」としてまとめ、一人でも多くの方に実践していただくことが、これからの私の使命であると信じ、このブログから発信していきます。
私の理論はスポーツ選手のみを対象としたものではなく、ビジネスマンや家庭の主婦まで老若男女すべてに当てはまる不変のものです。
指導や講演のご依頼も受け付けています。
日々の気づきやブログの更新情報はツイッターに書いていますので、チェックしてみてください。
2013年9月9日にConditioning Studio 操をオープンしました。
「西本塾」と「深める会」を開催しています。
4月19日に行う深める会の募集を行っています。
詳細はStudio操ホームページ内の「講習会情報」をご覧ください.
「1回5分体が喜ぶ健康術」はアマゾンで在庫切れのことが多く、購入希望の方にはご迷惑をおかけしています。
出版元からの購入は可能ですので、ガリバープロダクツ(代)082-240-0768までお問い合わせください。

最新記事

カレンダー

06 | 2019/07 | 08
- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31 - - -

カウンター

検索フォーム

QRコード

QR

フリーエリア

http://ecx.images-amazon.com/images/I/51P40WM8EQL.jpg