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『ポーザーユニット』を使って『脳幹』と体の連係を再構築する。

今日もブログを読んで頂きありがとうございます。

今日の記事は私にとってとても重要な内容となることを、最初に宣言しておきます。

今から一年前、山口県で行われた『山口ゆめ花博』の会場で出合った、スラックラインの中でもハイラインと呼ばれる高所綱渡りのデモンストレーションを行っていた、現在『ポーザー株式会社』の代表として起業された『三由野』(みよしなお)さんとの出会いは、これまでの人生の中でもひときわ大きなインパクトを与えてくれました。

60歳になったばかりの私でしたが、今行っている仕事の分野に対しては、自分なりに納得のいくレベルに達しているつもりで居て、どんな事象に対しても対応できる準備が出来ているつもりでしたし、それでもすべてに対応できるわけではありませんが、どんなことに対しても少なくとも誰よりもお役にたてることが出来ると思っていました。

どんなことにも限界はありますが、現時点で出来ることはすべてやっていると思っていました。

それが三由さんとの会話の中で、新たな可能性と言うか、これまで知らなかった世界を感じさせてもらえたのです。

スラックラインと言うのは、強いテンションで張った5㎝ほどの細いラインの上で、トランポリンのように飛んだり跳ねたりのアクロバティックなことを行うというイメージがあるかもしれませんが、三由さんがそこで行っていたことは、しっかりした樹木の間に渡した2.5㎝幅の、割とゆったり張ったラインの上を歩いたり、胡坐をかくように座ってみたり、一本のラインの上をまるでハンモックに横たわっているように寝たりと、見ている私にはなぜそんなことが出来るのか不思議としか言いようのないものでした。

そこでの出会いからご縁が続き、色々なことを教えていただきましたが、『高所綱渡りの本質は、極限の不安定な環境下で、日常感じ得ない恐怖と直面した時に、人間本来の可能性を引き出すことが出来る』と言うことなのだと理解しました。

たんにバランス感覚を養えるとか、体幹のトレーニングに最適だとかいう表面的なことではなく、『脳幹』と言う組織に直接働きかけ、何をどうすればどこをどうすればバランスを保てるというレベルの話ではなく、まったくの無意識下で脳と体がお互いを制御し合うという、人間と言う生命体に与えられた究極の本質論を突き付けられたような気がしました。

この先の科学的な実証は既に始まっていて、脳科学者や医師によって、その無意識下で脳幹にどういうことが起こっているかが研究されています。

私に託されたのは、日々向き合っている体に問題を抱えた方々や、能力向上を目的とした競技スポーツ選手に対して、これまで行ってきたことに加え、ラインと言う不安定な環境下で行う動作がどういう効果を表すのか、臨床家としての知見を三由さんに報告し、研究グループの方々に共有していただくことで、新たな視点を提供するお手伝いをさせていただくという使命を与えられました。

髙いところから落下するということは、人間が本質的にもって生まれた恐怖感の一つですが、まさか今関わっている方々、トップレベルの競技スポーツ選手ならまだしも、高齢者の皆さん、体の不自由な方々を、たとえ50㎝と言えども2.5㎝幅のラインの上に立たせるなどと言うことが出来るはずがありません。

そこで開発されたのが、現在私の運営する施設『ConditioningStudio操』に設置させていただいている、三由さんが開発された『ポーザーユニット』と名付けられた器具なのです。

現在私が行っている施術やトレーニングに加えて行くことで、今までもうこれ以上は無理だと思っていたことが、未だ変化させる可能性があると感じてもらえる効果を出せるか、設置して以来、何人かの方に継続して使用することで、明らかな変化と手応えを感じています。

先日その内容を三由さんに報告したところ、直接話を聞きたいとお越しいただいて色々な話をさせていただきました。

その翌日、偶然にも40歳男性が、典型的なギックリ腰の症状を訴え来室されました。
ギックリ腰と言うのは、筋繊維の一部が瞬間的に強く収縮し、3-5-7理論で言う3の方向へ収縮した状態が、5の収縮も伸展もしていないフラットな状態に戻れなくなってしまい、なおかつ炎症を起こしてしまっている状態です。

ですから私の施術の最初の狙いは、3のままになっている筋繊維に対して、痛みのない範囲でさらいに3の収縮方向に誘導し脱力を促すことで、こわばった筋繊維を5のフラットな状態に戻してあげることです。

これが成功すれば痛みは大きく軽減し、可動域も広がりますから、歩くこともままならずベッドの上でも体をこわばらせていたその方の体は、少しずつ平静を取り戻し全身が緩み気持ちも落ち着いていきます。

かなりひどい状態だったので、初日に行えるのはここまでです。
続けて来てくれましたので、次の日に行う目的は、5の領域まで弛められたとはいえ、自力で3方向へ収縮させることへの不安は消えず、やはり硬い表情で訪れた体に対して、3への収縮を自力で行うことへの不安を取り除くための施術を行います。

これが上手くいけば、筋繊維の炎症が取れるまでには日にちの薬が必要となりますから、3・4日時間の経過を経て改めて調整に来てもらうというのがこれまでの私のやり方でした。

筋繊維の状態を考えると、2・3回の施術でここまで回復させられることだけでも十分なことで、すぐにでも痛みをゼロにして欲しいと訴える方に対しては、体は道具ではありません、どうしてこんな状態になってしまったのか、これを機会に体との関係を考え直すきっかけにしてくださいと正論をぶつけてきました。

今回この方は、仕事で重いものを運ぶことが日常で、これまでのパターンを踏襲しただけでは、仕事に復帰したとしても再発は目に見えています。

せっかく5の状態を取り戻したにもかかわらず、無駄に体に力が入ってしまう原因は何かということです。

つい昨日まで強い痛みで身動き取れない状態だった体は、炎症を起こしている部分を守るために、全身がこわばり痛みを増悪させないよう必死で守ってくれていたのです。

それが体の仕組みなのです。

しかし、動かせるようになった後も、痛みに対する恐怖や不安感を、脳がそう簡単に忘れてくれるはずがありません。

その脳が痛みを感じ記憶しているという領域まで踏み込んでいかなければ、『ギックリ腰』が寛解したとは言えないのです。

二日目の施術の後、ポーザーユニットの上にまずは立ってもらうことから始め、続いてラインの上で様々な動作を行ってもらいました。

まだ普通に歩くことさえ不安がある方にです。

その効果は想像以上でした、3日間休みを取っているということで、翌日も同じパターンで、まずはベッドの上で6方向の可動域と連動性に問題がなくなったことを確認してもらい、昨日同様ユニット上での動作をやっていただきました。

動画の最初を見て頂くと分かりますが、やはり両足をラインに乗せる瞬間は勇気がいるというか、簡単ではありませんでしたが、目線の先を見る深度から始まり、脳にラインに立っていることに意識を集中させないように工夫することから始めて、いくつかの動作を行ってもらいましたが、二日前に体をこわばらせ強い痛みを訴えて来室された方にはとても見えない動きになりました。

痛みを感じているのは脳そのもの、その痛みを作っているのは腰や背中の筋肉ではなく、体の前側にある『屈筋』であることが、今回の3日間でよく分かりました。

ラインの上では屈筋は本当に無力なのです、無駄に力を入れる、力んでしまうと途端にバランスは崩れます。
では伸筋が頑張ってくれるのか、これも違います。

伸筋は静かに本来の仕事に集中してくれます、だから不安定なラインに立っている、落ちたら危ないという不安や恐怖を感じることもなく、脳幹が全神経と交信しながら、最適な筋力発揮を行ってくれるようになるのだと思います。

トータルで30分以上もライン上に立って色々な動きを納得するまで行ってくださいと声をかけました。

この動画も、ご本人が多くの方に気付きを与えるきっかけになるならと、顔も映った状態での掲載を快く承諾して頂きました。

この動画はもちろん三由さんにも見て頂き、研究グループの方々の参考にしていただければと思います。
今後きちんとした検証がなされ、多くの方の役に立つ理論として確立されていくものと思います。

これまでこれ以上は難しいと思ってきたことに、『不安と恐怖』と言うネガティブな言葉が転じて、まだまだ大きな可能性があることを感じさせてくれた脳と体の本質的な関係性を、もっともっと追究していきたいと思います。

『M』さん、動画を提供して頂き本当にありがとうございました。

このことを応用して競技スポーツ選手の能力向上にも大きく貢献できると確信しています。

興味のある方、ぜひ広島まで体験しに来てください、きっと何かが変わるはずです。

YouTube のリンク先です。

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自分の評価は自分で決めるのが私の主義ですが、他者の評価も気にはなるところです。

今日もブログを読んで頂きありがとうございます。
広島もだんだん寒くなってきましたが、皆さんのお住まいの地方はいかがでしょうか。

このブログを読んで頂いている皆さんの中でも、私の直接の指導を受けたことがある方や、会って話をしたことがあるという方の方が少ないと思います。

先日来ていただいた方は、私が作った『効率的な走りを身に付けるために』と題したDVDを、直接指導を受けたことがない方で、どうしても見てみたいという方にも販売しますというお知らせに対して、購入を申し込んでくれた方でした。

広島に行く予定が出来たので、施術を受けてみたいという連絡をいただき、それならばもし時間があれば、一緒に食事をしながらお話を聞かせて欲しいとお願いしたところ快く受けて頂き、施術の前日の夜かなりの時間色々な話をさせていただくことが出来ました。

とくにお願いしていたわけではなかったのですが、丁寧なメールをいただいたので、紹介させていただくことにしました。
私を知るきっかけになったのは、『numberweb』で『木崎伸也』さんの書かれた記事を見たのが最初だったという方が多くいますが、山口さんもその一人のようでした。

その後は、『Newspicks』の連載記事や2冊の書籍など、私が発信したものにはほとんど目を通していただいていたようでした。

そんな中で、私と言う人間に対してどんなイメージが出来上がっていたのか、実際に会ってみて、その印象がどう変わったのか、私にとっても、私自身を知る大きな手掛かりになると思いました。

私に対して一人の人間として、興味を持ってくれた方が、どういうイメージで私を捉え、それがどう変わっていくのか、これまでにも同じような出会いはたくさんありましたが、改めて検証してみたいと思いました。

以下頂いた内容をご紹介します。

おはようございます。
東京へ無事戻りました。広島では、大変お世話になりました、本当にありがとうございます。
施術を受けさせていただけただけじゃなく、憧れの西本さんとご厚意でお食事までご一緒させていただき、本当に感激でした。

お食事中のお話しでは、からだのこと、アスリート(デクラーク選手などなど)のこと、西本理論のあれこれや著作の裏話的なことなど、とめどもなく出てくる興味深い話しの数々に、ぼくは目をパチパチさせるような思いでした。
西本さんとマンツーマンでこんなお話しを聞けるなんてほんと贅沢で幸せな時間でした。

長くブログを読ませていただいたり、西本塾の様子、参加された方々の感想などを読んでいたりして、西本さんはとても厳しく、怖いほど熱い方なのかと思っていましたが、実際お会いすると、一回り年下のぼくにも丁寧な態度と言葉づかいと思いやりをもって接してくださり、熱さというより「暖かさ」を感じました。

そしてその「暖かさ」にはいろいろな方たちとの出会いやご自身の経験、そして息子さんたちの心強い支えなどがあっての今の西本さんの「暖かさ」なのかなあと、あとで回想しながら思いました。

していただいた操体法の施術は、「100聞は1見にしかず、100見は1行にしかず、よって10000聞は1行にしかず」という言葉がありますが、読んだり聞いて想像していたものよりも遥かに心地よく、からだが変化していくことが実感できました。

『からだほわっと』による、『脳へのアクセス』ということも「こういうことなのか」と、脳がとろけるような感覚と共に味わえました。

この上ない心身への施術でした。
施術後、床に立ってみると、全身の組成が変わってしまったような感覚で、足が地に着いている心地よさ安心感を感じていたのですが、まだまだそこから先がありました。

西本さんが追及されている『人間の体はね・・』の最先端を、惜しげもなく垣間見させていただき体験させていただきました。

『西本理論』『動きづくり』『伸kingトレーニング』『6方向への可動性と連動性』だけでもすごいと思っていましたが、そこに満足せずに、さらに先というか目の前にあるものに向かっている。

食事の席でもされていた『人生あみだくじ』を、何においても体現・実践されているんだと驚かされました。

目の前に発見や興味があればそちらの線を辿っていく。
よく枝葉じゃなく「根っこ」だとを語られますが、西本さんの根っこはあみだくじのように地中深くに伸びていっているんだ、とも思いました。

また広島に行きます。
お話しと施術、お時間いただいての貴重な体験を本当に本当にありがとうございました。

書き加えさせていただきますと、西本さんの特長というかもうひとつすごい所は、発見したこと・理論を人が体験したり心身に落とし込めるようにするためのプログラムというかドリルを開発する力がすごい、ということを思いました。

スラックラインを発展させた『ボーダーユニット』を体験させていただいた時に、あんなにも自分が地面と喧嘩して立っていたことは驚きでしたし、その改善が西本さんのプログラムで短時間に起こること、また体験してみたいし、先生の元に通っている(うらやましい)広島の太極拳の女性のように、あの上で太極拳の動きなどしてみたいとうずうずうずうずしてしまっています(笑)。

それほど、大きく目からウロコの落ちる体験でした。

体験させていただき、手ほどきもしていただいた『からだほわっと』ですが、奥さんにしてみていますが上手くできません(笑)。
少しずつつかんでいきたいと思います。

本当にいろいろとありがとうございました。
西本さんには感謝しかありません。

と言う感想をいただきました。
山口さんは、『太極拳の指導者』としても活動されているので、体に対しての造詣が深く、私の方が伺いたいことがたくさんある方でした。

直接出会う前に持っていた私に対するイメージが少し過大評価されているところもあって、少し照れくさいような表現も頂いていますが、多くの方にもし同じようなイメージを持たれているとしたら、改めて山口さんの感想から、私のイメージを変えて頂いた方が良いかと思います。

言って頂いたように、私は常に目の前のことに全力投球で、他者に対しても髙いレベルを求めてしまうことが多く、私と言う人間に対して、はっきりと合う合わないが分かれますし、好印象を持っていただく方もあればそうでない方も当然います。

しかし、ここは譲れないという部分は曲げられないので、以前の私を知る人から見ると、優しくなったと言われることも増えましたが、本性は自分にも他者にも妥協を許さない厳しさの度合いが大きい人間です。

話をするにしても、この人には何とか伝えたい、分かって欲しいという方には、嫌がられるほど熱く語り続けますが、そう感じない場合は全くかみ合わない会話になってしまいます。

今回来ていただいた山口さんとは、時間さえ許せばいくらでも話題が尽きない会話が続いたと思います。
本当に楽しい時間をありがとうございました。

さて一昨日になりますが、久し振りに現場に出て選手たちを直接指導する機会をいただきました。
今年に入って何度か直接指導の機会がありましたが、現在はそのチームとは関係がなくなっているので、本当に久しぶりの指導となりました。

私がサンフレッチェ広島に在籍している頃に、下部組織のコーチをしていて、そのころから私のやっていることに興味を持ってくれていた『藤井洋』君が、福山市の『FCバイエルン常石』『U13』の選手たちを指導していて、5月には広島まで選手を連れて指導を受けに来てくれましたが、今回は私がグランドに出向いて指導させてもらうことになりました。

彼が私から学んだことを、選手たちの指導にどう生かしてくれているか、また彼自身が正しく理解してくれているか、色々な意味で期待をもっていました。

5月にたった一度指導しただけの選手たちでしたが、私が伝えたことの大切さをよく分かってくれていて、指導した様々なドリルを継続してくれていたことで、大きな成長が見られました。

このことはとりもなおさず、藤井コーチが日々の練習の中でこつこつと積み上げてきたことに他なりません。
何よりそのことが嬉しかったし有難かったです。

私が選手たちに直接指導できる機会は本当に限られています。
だから私が本当に指導したいのは、選手たちは勿論ですが、コーチである藤井君その人なのです。

長い付き合いの中で、私の良いところも悪いところもよく知っているはずです、だからこそ私も遠慮なく厳しい言葉をぶつけたことも一度や二度ではありませんでした。

それでも彼は、自分があずかる大事な選手たちに、私の考えている体の使い方と言う部分を正確に伝えてあげたい、そのためには自分が学び続けているレベルではまだまだ足りないと、年に一度か二度ではありますが、私の直接指導を望んでくれるのです。

その気持ちに応えない訳にはいきません、その関係の中で、少しずつ彼自身にも自信をつけてもらい日々の指導に生かしてもらう、そしてときどき私の直接指導で軌道修正させてもらうという、一番理想的な関係になっているのかもしれません。

彼からもラインのメッセージが届いたので紹介しておきます。

おはようございます。
昨日は指導だけでなくその後に楽しい時間を過ごさせていただきありがとうございます。

5月に指導していただき、その後自分なりに継続してきましてが、やはり至らぬところがあり、西本さんに指導していただくことで変わっていく選手を見ながら力不足を痛感しました。

それでも西本さんが選手に関わり、直接声をかけて指導するところを見られたことは勉強になりました。

まずは『フライングバック』です。
自分が初めて指導していただき4年間実施してきて、最初のころは昨日、悪い例として言われていた、頑張りすぎていっぱいいっぱいのところでやろうとしていたのが、最近は背中が反れ、骨盤が「くいっと」なって動くことを感じていたのが、正しいフライングバックだということが確認できました。

その後のアイドリングから走るという行為へ移っていく時も選手が力が入りすぎ、摺り足になるという現象にも違和感は感じていたものの、自分では指導できていなかったのですが、西本さんの「けっして言葉通り受け止めてはいけない」「いい加減でいいんだよ」という指導や「重心は低くなるのではなく高く」という声掛けで変わっていくところを、目の前で見ることができました。

所々で日常で感じていた疑問や本当にこれで正しいのかな?と思っていたことを質問すると、分かりやすくお答えいただいたこともとても勉強になりました。

とにかく学びの多い時間をありがとうございました。
西本さんに頼るばかりにならないよう自分の指導力を上げていけるようがんばっていきます。

彼は間違いなく成長しています、年齢的にも10歳くらいしか違わないのですから、指導者としてもベテランの域に達しているのですが、現状に満足することなく、選手のためになることを少しでも多く吸収したいと、厳しい言葉を浴びせられながらも、西本理論を学び続けてくれることに感謝します。

これからもきれいごとではなく、本音でぶつかり合える彼のような指導者を大事にしていきたいと思います。

『FCバイエルン常石』に通う選手や保護者の皆さんには、全員が彼の指導を受けることは出来ないと思いますが、安心して子供たちを預けてください、そして大きな期待を持っていただきたいと思います。


明日は月曜日で定休日としていますが、久しぶりにスラックラインと出会わせていただき、今は『ポーザーユニット』を使わせていただき、体と脳の関係を深く追求するきっかけを与えていただいた、山口県周南市の『三由野 みよしなお』さんが『Studio操』に来ていただき、貴重なお話をしていただけることになっているのでとても楽しみです。


西本理論を体現し続ける中山さんの文章です。

今日もブログを読んで頂きありがとうございます。

大阪東京と、二週に渡って続くセミナー講師としての出張に合わせて、私に指導を受けたいという個人またはチームがあればとツイッターで告知したところ、有難いことに両方の予定が決まりました。

大阪ではセミナー前日の8日の午後、西本塾生の『中山晶夫』さんが個人指導を申し込んでくれました。
先ほど、改めての指導申込みの文章が届きましたので、ご本人の了解を得て、みなさんにも読んで頂きたいと記事にしました。

先に書いてしまいますが、中山さんは昨年の12月に神奈川県の伊勢原市で行われた『一場哲宏』さんが指導されているサッカーチームの子供たちを、私が指導するところを見学するという企画に参加して頂いた際に初めてお会いしました。

そのすぐ後、年末には『走り体験会』、さらには『西本塾』にも参加して頂きました。
また5月には東京でセミナーの実技講習を行っている会場で、偶然ご一緒し指導を見学して頂きました。
丸一年の間に、4回もお会いしていることになります。

しかし、以下の文章を読んでいただければ分かると思いますが、回数ではなく、余程の目的意識と、私の考え方に対する好奇心がなければ、ここまでの変化を自覚できるようには絶対にならないと思います。

うがった見方をすれば、こんなことを書いてくれてはいますが、本当に私が伝えていることができているのだろうか、イメージは共有されているのだろうかと言う気持ちにもなってしまいます。

色々な意味を込めて、実際の動きを見させていただくことをとても楽しみにしています。

このブログのコアな読者にしても、おそらく難解な文章かと思いますが、同じように自分の体の動きに大きな変化を感じ、結果を出している何人かの方にとっては、『我が意を得たり』と、賛同して拍手喝さいの内容かもしれません。
じっくり読んでください。


西本先生お世話になります、中山です。
改めましてご指導のお願いです。

年末の体験会からの半年、教えていただいたことに取り組み、自分自身の大きな変化が訪れたことを実感していました。
その後、西本塾からの4ヶ月では、それ以上の成長速度に驚いています。
想像以上、期待以上、すべてがうまくいきすぎています。
「自分がもし、趣味レベルを超えて競技として本気でサッカーの上達に取り組んでいたとしたら、こういうプレーもできたかもしれない、このくらいのレベルに届いたかもしれない」と、想像していた自分がいたとして、今の自分はそのレベルをはるかに超えてしまっています。

学生時代、20代の頃と比べても、今のほうが間違いなく、圧倒的に上です。
40代半ばにして自分史上全盛期を迎えてしまいました。
自分の体がここまで動くようになるとは、望外のことです。
仮に今のレベルで頭打ちになったとしても、何の不満もないというのが正直なところです。

このように思えるのは、やはり伸筋優位のパラダイムシフトです。
これまでの成長の延長線ではなく、まったく異なる次元での成長に移りました。
簡単にいうと、「スポーツができない人間」から、「スポーツができる人間」の側にポンと変身したようなものです。

スポーツができないなりに努力してきたことが、ほとんど無駄だったと思えるような大転換です。

この4ヶ月は、ドリル等の継続に加え、オクタントトレーニングや操体法で学んだことを参考に、動きのバリエーションを増やし、トレーニングを続けている「だけ」です。
(しかもつらい思いは一切せず、FBTも笑顔でやるようになっています。)

その結果がどうなったかというと、実戦の中でも十分に速く、強く、楽に動けるようになったわけです。
寄せの速さ、競り合いでのしなやかな強さを実感しています。
「楽だけど実戦では使えない」というステージはあっさり通り過ぎました。
10mくらいのダッシュ、サイドのディフェンスで裏をとられないようにしたときでした。
すべての関節の歯車が完璧にかみ合い、全く力みなく、自分でも信じられないスピードが出ました。
その感覚は、下り坂を自転車の一番軽いギヤで漕いでいるのに、一番重いギヤくらい進むような感じです。
自転車であれば軽すぎて空回りしそうで逆に漕ぎづらくなるような軽さです。
それくらい軽くて速い回転なのに、全身の動きが問題なく付いていけていると思えました。

また、球際の競り合いでの発見もあります。
屈筋対屈筋では、お互い動きを固めたまま、押し合うことになります。
なんとも不器用な状態で、その状態でできることといえば、押してダメなら引いてみよという程度で、ボールがこぼれるまで、同じ体勢のままです。
屈筋対伸筋では、屈筋の自滅で即決着です。
では、伸筋と伸筋ではどうなるか、初めてそれを体感しました。
お互いがヌルヌルと動きあい、腕を制し、腰の位置を争い、うねうねと動きあうことになるのです。
接触し続けているにも関わらず、柔道の組み手争いのように、次から次に動きあうことになると発見しました。
屈筋相手に伸筋で勝てるようになったことは嬉しいですが、伸筋相手にこういう争いができることがもっと嬉しく、楽しさのレベルも格別です。

相手に寄せられながらの厳しい浮き球のトラップも、伸筋優位の状態でいとも容易くできるようになりました。
時間の感覚がまるで違い、常に余裕があり、自滅がなくなりました、負けるのは地力で負けるときだけです。
このような動きを身につけようと思えば、何本もダッシュをしたり、競り合いの練習をしたり、トラップの練習をすると考えるのが普通です。
実戦のプレッシャーの中でも使えるように、相手をつけて本番さながらのプレッシャーに慣れ、緊張していてもできるように、反復練習するはずです。
そうやって地道に耐えながらやるものだと思い込んでいました。それは大きな誤りでした。

私は、本気のダッシュ練習をやっているわけでもなく、競り合いやトラップのように相手が必要な練習をしたわけでもありません。
それでも実戦で使える技術が身に付き、目覚ましい成果が得られているのです。
たどり着いた答えは、『動けない体のままどれだけ練習しても、まったくの非効率。やみくもに鍛えてもケガするだけ。逆に、動ける体にさえなってしまえば、たいていのことは勝手にできてしまう』です。
極端なようですが、真実です。

新しい戦術を学ぶことも大切でしょうが、既にある戦術をやりきるための動きづくり、動きづくりなくして、戦術の遂行も何もありません。

育成年代でもプロ選手でも、個人差はあるでしょうが、そういう意識が必要です。

自分自身、あるいは他人の目から見て動きがまだまだという人は、何はさておき動き作りを優先すべきです。
そういう考えを当たり前と思う指導者が1人でも増えてほしいです。

よい動きができてしまうときは、まったくの無意識です、手足の動きはもちろん、背中をどうつかおうとか、大転子をどこに当てようなどと考えなくても、自ずとあるべき動きができてしまいます。

こうやって書いていても、2年前の自分が読めば眉唾ものに見えるくらいです。
そんな信じられない話が、まぎれもない実話、実体験、実感です。


このような状況で、Twitterから大阪で指導を受けられるとの話があり、正直、これ以上何を教えていただくのだろうと戸惑いました。
今のままのトレーニングを続けるだけでも、まだまだ伸びていけると感じていましたので、むしろ、他の方への指導を優先いただいたほうが良いのではと思いました。
(清水さんが高校サッカーの指導をされているようなので、学校での訪問指導になるかと思い、見学か練習参加をお願いしようかと思いましたが、愛知の高校だったのですね。)
しかし、先生に今の自分の動きを直接見ていただければ、まだまだ使えていない伸筋の力をさらに引き出すトレーニングを指導いただける、この成長を圧倒的に加速させていただけると確信し、指導をお願いした次第です。

第30期西本塾では、現場に直結する技術を指導されたとのことなので、私にもそのダイジェストのようなご指導をいただきたいと思います。
その技術を表面的に受け取るだけでなく、西本理論としっかりリンクさせて、学びたいと考えています。

もう少し近況を続けます。
ここ最近の動きで注目しているのは回旋、捻転です。
youtubeで公開された『西本体操』の実演を見させていただいたとき、先生の手の動き、手のひらの内向き、外向きがふと自分の動きと重なって見えたことがきっかけでした。
手のひらの向きは腕の回旋を意味します、足が右を向き、左を向くのも回旋です。
胴体のひねりが手足のひねりと連動することを、強く意識させられました。
さらに、サッカー選手の動きを見ているなかで、背骨の6方向の動きのなかで、ひねり動作はひと際レベルの高い動きに感じることがありました。
「レベルが高い」というのは、前後左右の曲げ動作よりも使える選手が少ないのかなという思いと、背骨の曲げは見た目以上の出力を出すのに対し、ひねり動作は相手を幻惑して動きを止める効果が高く見えるのです。
伸筋の動きは、どれも予測を超えて、相手に混乱を生じさせますが、最近は特にひねりの動きに注目しています。
ひとりオクタントトレーニングでは、数え方を少しアレンジして、前後曲げ、左右曲げ、左右ひねりの2×2×2=8のオクタントと考えています。

例えばFBTもベーシックな前後曲げのものをやってから、左右に曲げながらの前後曲げ、ひねりながらの前後曲げ、曲げてひねりながらの前後曲げ、ひねって曲げながらの前後曲げを練習しています、FBTトルションバージョンです。
プレー中は単純1方向の動きが出てくることはまずなく、6方向の組合せが時々刻々と変化します。
本当は目的とする背骨の状態に最短で行けるのが理想なのですが、まだそこまで思い通りに動かせないので、順を追って動きの練習をしています。

6方向各成分の大きさも多段階なので、組合せは無限大、オクタントトレーニングの無限の可能性です。
腕や脚を外旋しながら屈伸したり、内旋しながら屈伸とやってみると、単純に屈伸するだけよりも筋肉が緩む感覚があります。
こういう下準備をしてから(苦手な)サイドステップのドリルをやってみると、少しは動きが軽くなっている気もしています。
西本塾で指導いただいた『からだほわっと』に、5本の指を握ってかかとを中心に円を描くような動きがありました。
仰向けに寝転んで、自分でかかとをつけたまま円をかくようにすると、自然と足首の曲げ伸ばしと旋回ができて、体全体にも揺れが伝わり、なかなかの気持ちよさです、「ひとりほわっと」として楽しんでいます。

こんなことをやっているところに、先生のブログで「足し算・引き算」の話を読みました。
今は足しすぎているかもしれないけど、ここから引いていけば、より理解を深めたうえで取り組むことができずはず、と感じています。

昨日のTwitterでもはっとしましたが、実は西本塾以降『1回5分体が喜ぶ健康術』読めていませんでした。
久しぶりに読み返し、うんやっぱりなるほど、と感じました。

いろいろ考えてやっているうちに、我流に陥っているところも増えてきているかもしれません。
そういったところのお話も含めて、またあの熱い指導をいただきたいです。
次の1年をさらなる全盛期としたいと思いますので、なにとぞよろしくお願いいたします。

いかがでしょうか、どの部分に対してどうのこうのではなく、直接お会いしたのが4回、それ以外はブログやツイッターを通して私の考え方に触れているだけの方が、ここまで深く体のことを追及されていることに驚き以外の言葉が見つかりません。

読み手によっては、私を持ち上げる内容に思われるかもしれませんが、そんな気持ちでこれだけの文章が書けるはずのないことは分かると思います。

中山さんは今始まったばかりの体との対話が楽しくて仕方がないという時期だと思います。
これからいろいろなことを感じて行く中で、引き算と言うより自然に考えていることも体の動き自体も変化して行くのだと思います。
こんな贅沢な趣味はありません、十分楽しんでください。

お会いして動きを見せていただくことを楽しみにしています。

また東京で行うセミナー前日の14日には、茨城県水戸市の『常磐大学高校サッカー部』から、チームとしての指導を依頼して頂きました。
こちらもとても楽しみにしています。

来週末には、以前から親交のある『FCバイエルンツネイシ』でコーチを務める『藤井洋』君が担当している中学生のチームを指導しに行くことになっています。

年末にかけて私にとっても体力勝負が続きますが、一人でも多くの選手や指導者のお役に立てるよう頑張ります。


足し算から引き算の発想へ、少しずつシンプルな世界へ向かっています。

今日もブログを読んで頂きありがとうございます。

と、この書き出しで文章を書き始めてどれくらいになるでしょうか。
一昔、いえふた昔前であれば、私如きが自分の考えを公に発信することなど考えられないことでした。

それがこうして、誰に対してとターゲットが決まっているわけではありませんが、私自身が今考えていることを文章に綴る機会を得、それを読んでくれる人がいることは有り難いとしか言いようがありません。

そういう気持ちから、書き出しは感謝の言葉から始めようと思いました。

来月は昨年に引き続き、サッカーの『世界基準の指導者育成コーチ』として活躍する『倉本和昌』さんの主催するセミナーの講師として、大阪と東京に行くことになっています。

私が積み上げてきた専門分野が、倉本さんが考える理想のサッカーコーチが知っておくべき重要な事のひとつであると言って頂き、講師を依頼されました。

今回は昨年の経験を踏まえて、より深く理解してもらえるように工夫してお話しさせてもらおうと思っています。

折角と言いますか、広島を離れる機会となるので、もし必要としてくれるところがあればとお声掛けしたところ、14日の土曜日には是非指導に来て欲しいと言っていただく所があり、朝早い出発となりますが、東京よりも更に遠くまで、始発の新幹線で向かう予定です。

出来れば継続して指導させて頂き、結果責任の一端を感じるくらいの関係を築けるチームがあれば、私のモチベーションも更に上がるのですが、現在そういうチームはありません。

今回指導させていただくチームは何分にも遠隔地ですので、継続してというわけにはいかないでしょうが、チームを変えるきっかけになるようしっかり指導させてもらおうと思います。

毎度前置きが長いのですが、今日のテーマは『足し算から引き算への発想の転換』です。

私のこれまでの30年の経験は、32歳で会社員を辞める前の私からは想像も付かないどころか、日々が驚きと興奮の連続で、あっという間に年月が過ぎて行きました。

多くのことを経験しながら試行錯誤し、沢山のことを身に付けてきたつもりですが、それらは身に付けようとして身に付いたことではなく、目の前の選手たちが少しでも上手く体を使えるようになるためには、またケガや故障を抱える選手たちをどうすれば早く確実に復帰させられるか、答えのない難問と日々格闘しながら自分自身で答えを探すまさに試行錯誤の毎日でした。

こんな時はどうしたら良いのだろうと、聞いて答えてくれる人もおらず、それなりの本を読んでも教科書的なことばかりで、私が求める答えはどこにもありませんでした。

そうやって身に付けてきたことを今、何一つ隠すことなくこうして書き残しておこうとしているのです。

自分に足らないものを誰かに教えを乞うという姿勢は大事なことだと思います。
こういう時代ですからスマホを開けば教科書的な答えはすぐに探すことができます。
そうやって集めた知識がそのまま応用できないのが人間の体の難しさです。

私自身人に伝えるということを始めてから、あれも教えたいこれも身に付けて欲しいと欲張ってしまったところもあったかもしれません。

そういうことを繰り返していくうちに、自分自身のこれまで身に付けてきたことが整理されてきたというか、『根っこを掘る』という言い方をしてきましたが、普遍的な部分に踏み込んでいくうちに、まさに枝葉の部分を切り落とし、本当に必要なことは何なのかという、何かを加えていく足し算の考え方から、余計な部分を削って行く、引き算の考え方にシフトして来たように思います。

これからまだまだ様々な経験をしながら、沢山の事を身に付けたいと思っている方たちには、当然それが必要なことは言うまでもありません。

様々なトレーニング理論や方法論を見聞きして来ましたが、体づくりが目的ではない、動きづくりのためのトレーニングが重要だと、パラダイム転換を求めて来たことは間違っていなかったと思います。

何度も例えに使って来た、駄菓子屋さんで糸の付いた何種類かの大きさと色の飴玉を束ねたものを、糸を引っ張って繋がっていた飴玉をもらえるというものがあって、自分はどうしても大きな赤い飴玉が欲しいからと、先に飴玉を少し引っ張って糸の動きを確認してからその意図を引いて、狙い通りの飴玉を手に入れるというズルをする子供がいました。

今行われている各種のトレーニングは、ズルではなく合法的に、効率的に目的を達する為に近道を提示しているのだと思います。

それが足し算の発想で、次から次と提示されるのですから、それを追いかける側も大変なことになります。

そこで考えて欲しいのは、私がずっと言い続けている『人間の体はね・・・』に続く原理原則に当てはまっているのかということです。

原理原則、体の仕組みを知らずして、方法論ばかり追いかけることに意味があるのでしょうか。

私が伝えたいのはそこです。

学んだ事を方法論の一つと捉えられてしまうことを残念に思うこともありますが、足し算の発想で私からの学びを活かそうとするなら、それも仕方がないことかもしれません。

それでも少しずつですが、それぞれの学びから本質に迫ろうという方が居ることは本当に嬉しいことです。

このブログの目的は何かと問われれば、まさにそういう方を一人でも多く増やすことかもしれません。

西本塾生の方で、『西本理論の普遍性』という言葉を使ってくれる方が居ますが、私が求めている究極的なところは、まさにその普遍性にどこまで迫れるかということだと思います。

まずは沢山足し算をしてみてください、いつかどこかのタイミングで今日私が書いていることの意味が分かってもらえるかもしれませんし、ずっと足し算を続けることになるかもしれません。

それはその人その人の考え方であり、大袈裟に言えば生き様かもしれません。

今私がたどり着こうとしている世界、勿論ゴールは見えませんが、少しずつ余計な部分を捨てて普遍の世界に近付きたいと思います。


デクラーク選手が教えてくれたこと(その2)

今日もブログを読んでいただきありがとございます。

昨日書いたデクラーク選手の動き分析は、それぞれのシーンで目に見える事実を書いただけですから、動画をじっくり見ていただければ、なるほどそういうことかと納得していただけると思います。

しかし、これだけで終わっては私の動き分析としては不十分です。
もっと深い部分を期待して読んでくれた人も多いと思います。

デクラーク選手がなぜ、鋭いスタートダッシュが出来るのか、走りながらタックルを受けてもバランスを崩しにくいのか、自分より30㎏も40㎏も体重差のある選手に一対一のタックルで倒すことが出来るのか、そのことに言及しなければただ見たままを言葉にしたに過ぎないことになります。

まずは走るといいう行為に関してですが、デクラーク選手が走り出す瞬間の姿勢は、どんな状況でも骨盤がしっかり引き起こされていて、背骨が反っています。

これはサッカー選手の動き分析でも何度も指摘してきたことで、超の付く一流選手たちに共通した姿勢です。

その姿勢が保たれることで、股関節の中で大腿骨の可動域が広がり、他の選手に比べて膝の引き上げが少なく見えても、後方への動きが素早く大きく動けるので、回転が速くあっという間にトップスピードに加速しています。

日本代表の福岡選手のスピードも素晴らしいものがありますが、よくみると骨盤の反りはデクラーク選手に比べると少なく少し猫背気味で、体の前側の筋肉を主に使っているように見えます。

表情もよく言えば一生懸命頑張っている、悪く言えば力んでいることが見て取れます。

その為にタックルを受けたり、ハンドオフされた時にバランスを崩しやすくなっています。

デクラーク選手のプレーには力みが感じれらません、笑顔さえ見えます。

これが私が提唱している、屈筋主体ではなく伸筋を上手に機能させる体の使い方です。

相手の体に、自分の体を固めてぶつけるのではなく、余裕を持った収縮をしている伸筋を使って対応しています。

また、相手のバランスがどうすれば崩れるのか、そのことを本当に熟知していると感じます。

どんなに身長が高く体重が重い選手であっても、すべての局面でスクラムを組んだ時の様に力のベクトルを向け合い、自分のパワーを最大限に発揮できる態勢を取るときの様には行きません。

常に動き続けている中でのプレーですから、その瞬間すべての力を発揮できるかというとそうではありません。

走るという行為ではどちらかの足が浮いていることを繰り返しています。
ですから一番バランスを崩しやすいのは降り出された足が着地する瞬間で完全に地面を捉え切る直前ということになります。

そのわずかな瞬間に着地足にタックルされれば、体の大小など関係なくバランスを崩されてしまうことは当然のことです。

さらにタックルされる位置が真横からだとすれば、さらに崩されやすくなります。

正面からぶつかってくる選手をタックルで止めて押し返しひっくり返したシーンでも同じで、足を前に踏み出した着地寸前の一瞬を逃さずタックル出来れば、きっちり地面を捉え切る前の足はある意味無防備なのです。

相撲の稽古でぶつかり稽古というのでしょうか、番付上位の力士が片足を前にして腰を落とし、相手力士の体当たりを受け止め、土俵際まで押させてから横に投げ捨てるという稽古スタイルがあります。

これは上位力士が相手のぶつかる圧力を受け止めるために最良のポジションを取っているからできることです。
ぶつかる方も小細工は一切なく、相手に対して真っ直ぐぶつかることが前提となっていますから、単純に押す力をつけようという稽古で、それを何度も繰り返すことで瞬発力と持久力の両方を鍛えていますが、息が上がり倒れてもう無理ですというところまで行うことで、良い意味でのいじめかわいがりと呼ばれています。

ラグビーの試合中相手がまともにぶつかってきて、自分はその場で受け止めるだけでいいという状況であるなら、当然体の大きな選手の方が有利でしょう。

それがデクラーク選手の様に明らかに体格差がある選手でも、大きな選手を倒したり受け止めたりできることは、重心を崩していることに他なりません。

言葉で言うのは簡単ですが、動き続けている中での一瞬の判断でそれが出来るのがデクラーク選手が超一流選手であることの証明です。

その動きができるようになる為には、もう何百回言い続けているか分かりませんが、屈筋重視ではなく伸筋が正しく機能出来るようになるための筋力トレーニングが必要なのです。

そうやって動きづくりのトレーニングによって作られた体を使って、さらにその競技に必要な動きを身につけていく、結局行き着くところはここしかないと思います。

自分の体をどうやって鍛えるかはもちろん大事ですが、その際に体の仕組みという観点から、効率的で効果的な体の使い方を追求することが、裏を返せば相手の弱点を知ることになり、自分の弱点も補うことができるのです。

改めて3−5−7理論をベースにした筋収縮の仕組みや体全体の連動を知ることの重要性を感じます。

目に見える状況から発想した西本理論ですが、そこからの視点で体の動きを見れば、共通するコツの様なものは自ずと見えてくるはずです。

昨日の文章だけでは足らないと思い書き足しました。


優勝した南アフリカのデクラーク選手が教えてくれたこと。

今日もブログを読んで頂きありがとうございます。

一か月半にわたって熱戦が繰り広げられた、『ラグビーWC2019』、一昨日の決勝戦が終わって、私自身も大会に参加していたかのような感覚になり、少し力が抜けてしまいました。

このブログを書き始めてからすでに6年半が過ぎ、最近は読んでいる方から私に対する印象が変わってきたという感想も頂くようになりました。

良い意味でも悪い意味でも私と言う人間は、後先考えずに目の前のことに異常なほど集中してしまう人間です。
それを熱い人間だと言ってくれる人もあれば、何を言ってもいいと思ったら大間違いだとたしなめられることもあります。
それでもその時その瞬間、自分が感じたことを言葉にしてきました。

私が本当に熱くなれるのは、そうしなければならない必然があるときです。

ひとつは、相手がどうあれ与えられた仕事に於いて絶対に結果を出さなければならないという状況に置かれた時です。

広島に来てからの20年間は、基本的にこのスタンスで臨まなければならない、ある意味過酷な立場での仕事をしてきました。

絶対に結果を出させてみせる、そのためには綺麗事を言っている暇などないとばかりに、厳しさを前面に選手や組織に立ち向かっていました。

そこから離れて6年以上、そこまで熱くなれる対象がなくなってきたことで、自然に少しずつ態度や言葉もやわらかくなってきたのかもしれません。

そんななかでも、時には以前の感覚に戻り、厳しい対応をとったこともありましたが、それは私の本気度の表れであり、今の世の中では受け入れられにくくなっていることは分かっていましたが、結果を求められる対象であれば、まだまだ以前の私が顔を出すこともありました。

今回のWCラグビーを何試合か見ているうちに、心の中は以前の私に戻っていることを感じざるを得ませんでした、やはり私の本能は戦うことを求めているようです(笑)

さて、今回にわかラグビーファンとなった私ですが、やはり選手の身体の使い方という視点でプレーを見るという習性は変わることはありませんでした。

中でも優勝した南アフリカの『SHデクラーク選手』には当初から注目していましたが、ベスト4をかけた日本戦でのプレーから決勝戦までの3試合は、彼の動きばかりに目が行ってしまいました。

この6年間、世界のサッカー選手の動き分析から始まって、体格に劣る日本選手が、世界の一流選手たちとどうやったら対等に戦うことが出来るのか、そんなことばかり考え対応策を導き出してきました。

当初ラグビーに関しては、まさにそんな綺麗事ではなく、大きくて強い選手が有利であるという認識しかありませんでした。

それがデクラーク選手の存在を知りプレーを見続けることで、ラグビーという競技においても、私が提唱する体の使い方と言う概念は変える必要がないと確信しました。

YouTubeで見つけた、『ラグビー男爵』さんが『小さな巨人!ファフ・デクラークが最強すぎる!』と題してアップされていた7分51秒のスーパープレー集を見ながら、前半部分のいくつかのプレーにおけるデクラーク選手の体の使い方を分析してみました。

興味と時間のある方は、是非YouTubeの動画を見ながら、この記事を読んでみてください。

まずは1分40秒の部分から始まるシーンです。

相手ボールのスクラムから8番の選手がボールを持ち出し、スクラムの左側を回って前に走り出そうとした瞬間のプレーです。
デクラーク選手は相手のSHと並んだポジションに居て、ボールがスクラムに入れられた後、そのボールがどのタイミングでどこに出されるのかを注視して次の動きに備えています。

8番の選手がボールを持ち走り出そうとした瞬間、ボールをスクラムに入れた相手のSHの後ろ側を回り込むようにして、8番の選手に襲い掛かります。

体格的には20キロ以上大きな選手だと思いますが、走り出した右足が着地する瞬間、相手の右側真横から、私がいつも言っている人間の重心位置、骨盤の横の部分、大腿骨の大転子部分に斜め下から猛烈なタックルを浴びせます。

すると相手は姿勢が維持できず、重心が高くなってしまい、そのまま押され続けて倒されてしまいます。

一対一で30キロ以上かと思われる体格差の選手をたった一人で倒したのです。

このプレーにはいくつかの要素があって、どのタイミングでボールがスクラムから出てくるかという予測、8番の選手が走り出す前にすでに自分が走り出すという判断と動き出しのスピード、さらにはどのタイミングでどこにタックルするのかと言う瞬時の判断とその時の自分の姿勢、どれひとつとってもほんの一瞬の判断の遅れも許されないプレーです。

次は1分55秒からのシーン、相手ボールの小さなモール状態から、左へ横パスを出そうとした選手にタックルするシーンです。

日本戦でも見られましたが、相手もパスのタイミングを悟らせないように、相手の動きを見ながらためを作ってパスを出すはずです。

この時デクラーク選手は、見方が作ったディフェンスラインよりも一歩下がってポジションを取っていましたから、まさかその位置からデクラーク選手が飛び混んでくるとはパスを出そうとしていた選手も思わなかったと思います。

この判断と出足の速さも凄いの一言です。

ここでも低い姿勢から相手が対応できないタイミングでタックルに入っています。

次は2分32秒です、味方が作ったモールからパスを受け、右に一つサイドステップを踏み、いかにもパスを回すという体勢から一転して、右斜め前に走り出します。

対峙していた相手の6番の選手もパス以外考えられないという感じで、走り出した時まったく対応できませんでした。

このサイドステップからの前方への方向転換も、まさに重心移動での動きで骨盤の角度がきちんと取れているので、膝を無理に引き上げることなく足の回転を速くして走れています。

そしてもう一つ、2分40秒からのシーン、これも圧巻です。

位置関係はよく分かりませんが、かなり攻め込まれていてゴールラインが近い場所のように見えます。
目の前にいた相手の1番の選手、この選手はスクラムの一列目を担うチームの中でもおそらく一番体の大きな選手かと思います。

その選手がパスを受けそのまま体格を生かして前に突進しようとしているのですが、これはもう40キロほどの体重差があると思うのですが、その選手に対しても全くひるむことなく真正面からタックルするのです。

このシーンでも、相手の骨盤を下から持ちあげるように低い角度でタックルしています。

体格が大きく違うのですから、タックルを跳ね返されたり上からつぶされてもおかしくないと思うのですが、デクラーク選手は一瞬左膝を着きますが、そのまませりあがるように相手を持ち上げ、何と後ろに倒してしまいます。

映像が1番の選手の背中越しで、デクラーク選手の背中が見えませんが、間違いなく骨盤と背骨をしっかり反らせて、相手の圧力に対応しているはずです。

もし背中が丸くなっていたら、相手を倒すどころか、つぶされて下手をすると体を痛める結果になったかもしれません、それくらい体格差のある選手とのぶつかり合いでした。

全編7分51秒と言いましたが、この他にも信じられないようなシーンが続くので、ここまで書いたことを参考にして以降のプレーもそれぞれでああだこうだとデクラーク選手のプレーを楽しんでください。

これまでサッカーを中心として、体格差に関係なく体の使い方で対応できると言い続けてきましたが、デクラーク選手から「そんなこと当たり前だよ」と笑われているような気になってしまいました。

勿論こんなプレーが出来るようになるためには、それぞれの体に合ったトレーニングが必要だと思います。

彼は小柄だからできるのだではなく、もう一回りふた回り大きな選手が、いわゆるフィジカルやパワーといった概念にとらわれず、その体をどう生かすかという動きづくりに目を向けたとしたら、ラグビーの試合の中でどんなプレーが見られるのやら、想像しただけでワクワクします。

そしてデクラーク選手の一番の魅力は、その闘争心だと思います。

どんな状況でもどんな相手にでも、全くひるむことなく向かっていくその闘争心はまさに凄いの一言でした。

その激しさの中でもゲームの流れを読み的確に判断して、プレーを選択していく能力も素晴らしかったと思います。

デクラーク選手のプレーから、ヨーイドンの地点間のスピードはもちろん必要ですが、それ以上に一瞬の判断で自分が今どこへ動き出さなければならないのかと言う判断力と、それを可能とする体の使い方、いわゆるフィジカルの強さだけではなく、相手の重心をどうやって崩すかと言う大転子の意識、走るという行為そのものの体の使い方等々、私が試行錯誤を続けている諸々のことは、どんな競技にも当てはまることだと改めて意を強くしました。

久し振りに動画を何度も繰り返し見続けました、便利なものでYouTubeは25%までのスロー再生もできます。
人間の体の動きを観察し、「デクラーク選手だから出来るのだ」で終わらせず、誰でも真剣に取り組めば近づいて行けるようになることを証明していきたいと思います。

熱い気持ちを呼び起こしてくれたデクラーク選手に感謝です。

こうして私は頼まれてもいないことを真剣に考え続けてきたことで、いざ何かを求められたとき、どんなことにも自信を持って対応できる準備が出来ていると自負できるようになりました。

そしてまた、私を熱く本気にさせてくれる対象が現われてくれることを楽しみにしています。



プロフィール

Author:西本 直
1993年、Jリーグサンフレッチェ広島を皮切りに、社会人野球三菱重工広島・協和発酵・ヴィッセル神戸・川崎フロンターレ、そして広島カープ佐々岡真司投手など、プロアマ問わず競技レベルのスポーツ選手から一般の方まで、トレーニングやメンテナンスの指導を行ってきました。
その経験と知識の蓄積を「西本理論」としてまとめ、一人でも多くの方に実践していただくことが、これからの私の使命であると信じ、このブログから発信していきます。
私の理論はスポーツ選手のみを対象としたものではなく、ビジネスマンや家庭の主婦まで老若男女すべてに当てはまる不変のものです。
指導や講演のご依頼も受け付けています。
日々の気づきやブログの更新情報はツイッターに書いていますので、チェックしてみてください。
2013年9月9日にConditioning Studio 操をオープンしました。
「西本塾」と「深める会」を開催しています。
4月19日に行う深める会の募集を行っています。
詳細はStudio操ホームページ内の「講習会情報」をご覧ください.
「1回5分体が喜ぶ健康術」はアマゾンで在庫切れのことが多く、購入希望の方にはご迷惑をおかけしています。
出版元からの購入は可能ですので、ガリバープロダクツ(代)082-240-0768までお問い合わせください。

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