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「やっぱりね」話題のシューズ「ヴェーパーフライ」と『西本走り』の関係

今日もブログを読んで頂きありがとうございます。

昨日のことですが、明日から防府競輪場で開催される『第23回山頭火賞争奪戦競輪』に出場する為、79期S級2班に所属する『八日市屋浩之選手』が、レース直前のトレーニングと体の調整のため、遠く石川県から直接防府に行くのではなく私の所に来てくれました。

八日市屋選手とのご縁は、昨年の千葉県の災害の際、友人の経営するガソリンスタンドでボランティアとして足漕ぎポンプを使って給油する姿が全国的に話題となった、千葉県の87期S級1班に所属する『山賀雅仁選手』に八日市屋選手が私の存在を聞き出したことから始まりました。

聞き出したというのは、山賀選手は私との出会いから、大きく強くというこれまでのトレーニングの目的とは違った『体の使い方』という概念があることに気付き、それ以来中四国九州と、広島に近い地域でレースが行われる際には、わざわざ広島経由で会場に向かうという事を3年以上に渡って続けてくれています。

結果として同じ競輪選手である八日市屋選手の目にも、明らかにこれまでの体の使い方というか動きが変わっていることが分かり、それまでほとんど会話したことがなかった山賀選手からその秘密を聞き出そうと何度か話しかけてみたものの、私の存在を聞き出すことができなかったそうです。

ブログでも何度か書きましたが、競輪選手は自分以外全ての選手がライバルです、それこそ選手それぞれが何か自分に役に立つものはないかとアンテナを張り巡らせているそうです。

いつ同じレースで対戦するか分からない選手同士ですから、他の選手のレースはしっかり見て研究しているそうです。
そんな中でも山賀選手の変化は誰の目にも明らかで、かなり注目を集める結果となっていたようでした。

しかし敵に塩を送ることはしないという意味だけではなく、私の性格や指導方針を知った山賀選手は、中途半端な気持ちで他の選手が私の元を訪ね、私をがっかりさせる結果になることを一番心配し、他の選手から聞かれても私の存在までは明かしてこなかったということでした。

あの足漕ぎポンプを使ったボランティア活動の後、私と山賀選手の関係をもう隠す必要はなく、公にしても良いでしょうということになりました。

八日市屋選手が山賀選手から私の存在を聞き出せたのは、単に山賀選手の動きの変化に興味を持ったというだけではなく、自分が競輪選手としてもっともっと成長したいという強い気持ちがあったからだと思います。

当然全ての選手にその思いはあると思いますが、八日市屋選手は2200人ほど居る現役の選手の中で、身長が小さい方から3番目158㎝という、体格的には恵まれておらず、年齢も44歳とすでにベテランの域に達している選手だったのです。

なかなか本当のことを教えてくれない山賀選手に、レースで顔を合わせる度に食い下がって、ついに私の存在を聞き出したそうです。

初めて電話をもらった時に「千葉の山賀の紹介で」と言われた時、思わず「えっ」と声が出ましたが、「山賀は西本さんのことを他の選手には教えないと決めていることは聞いていて、山賀の紹介でと言うときっと西本さんが驚かれると思っていました」と笑って話をしてくれたことをよく覚えています。

更にもっと驚いたのは、私の存在を知ってから初めてお会いするまでそれほどの時間はなかったと思うのですが、この文字だらけの長ったらしいブログの内容も、私が書いた2冊の本の内容も全て読み込み、ある意味私以上に私の考えをよく理解してくれていて、初めてのトレーニングの際には、『1を聴いて10を知ると』言う言葉がありますが、本当にこんな人がいるのかと驚かされ、また嬉しくなりました。

山賀選手にしても八日市屋選手にしても、普段拠点としている地域が遠いため、年に2回から3回程度しか直接お会いして指導することはできませんが、だからこそ2人とも普段から私から学んだことをしっかり形にしようと、自転車の乗り方だけではなく体の整え方や動きづくりのトレーニング、またFBTなど感心するほど真剣に取り組んでくれています。

八日市屋選手は競輪場に入ると外部との連絡は遮断されインターネットも見ることができなくなるので、私の本2冊と『効率的な走り方を身につけるために』のDVDを3種の神器として持参してくれていると言う筋金入りの『西本理論』信奉者です。

そんな八日市屋選手に、昨日久し振りにお会い出来ることをとても楽しみにしていました。
競輪選手としてのトレーニングや体の使い方に関しては、詳しく書いてしまうと、私から他の選手たちに塩を送ることになると困りますので書けませんが、今日どうしても記事にしておきたかったことは、トレーニングの後一緒に行った食事の際の会話でした。

内容は最近大きな話題となっているランニングシューズ、NIKE社製の厚底シューズ『ヴェーパーフライ』『西本走り』の関係についてでした。

このシューズに関しては、私なりに情報を集めていました。

ヴェーパーフライが目指しているランニングフォームのコンセプトは、私が提唱している西本走りそのものではないのかと、八日市屋選手は直ぐに感じたと言われるのです。

さらにはマスコミで取り上げられ詳しい説明を聞く度に「やっぱりね」と笑ってしまったそうです。

何が可笑しいのか、何度かしかお会いしていない八日市屋選手だからこそ、私が発信し続けている文章を、表からも裏からも読み込み、DVDを見続け日々実践してくれているからこそ、事の本質を直ぐに感じとられたのでしょう。

そうなんです、あのシューズを履くと『西本走り』に必然的になってしまうのです。

「西本走りは変な走り方で、ゆっくりなら楽に走れるがスピードは出ない」こんな感想を持っている人も多いかもしれませんが、指導の最初からスピードを目的にすると、絶対に効率的でかつ効果的な体の使い方を体に染み込ませることはできません。

そのことを昨年末の走り体験会で解説し理解してもらおうと準備していましたが、参加者がお一人だったことがとても残念でした。

ヴェーパーフライの恩恵を本当の意味で受け取れるのは、ケニアやエチオピアといったアフリカ大陸出身の選手たち、それも私の提唱する西本走りをほぼ完璧に体現できている選手たちだと思います。

勿論そうでない選手たちにも大きな影響があって、お正月の箱根駅伝や先週末広島で行われた男子駅伝の結果を見るまでもなく、まさに高速レース区間新記録ラッシュの大会となりました。
当然の結果です、あのシューズのお陰である程度のレベルの選手が普通に走れば、着地はほぼ股関節の真下となり、着地の衝撃は大きく軽減されます。

加えて靴底の構造で股関節のクランクが働きやすくなり、着地した瞬間に逆足の膝は前方に降り出されます。
さらには骨盤がしっかり引き起こされていれば、振り出された膝から下は無理にそこから前方に降り出して歩幅を広げる必要はなくなり、自然に増した回転数で十分にスピードを上げることができるのです。

西本走りの着地は結果として爪先着地になると説明してきましたが、このシューズを履くとそうならざるを得ないのです。

男子の高校駅伝の際に、骨盤の反りができていないのにこのシューズを履いている選手が、着地でかかとが早く着いてしまいバランスを崩しかけたシーンをたまたま見ましたが、これこそシューズ頼みの走りになってしまう弊害と言えるでしょう。

国際レースではこのシューズの使用が制限されるかもしれないと言う報道もありますが、スケートのスラップスケートが許され、水泳のレーザー・レーサーは禁止となった過去を思うと、どう言う裁定が下されるのか注目しています。

何よりNIKE社の開発コンセプトは、世界記録を塗り替えていくアフリカ系の選手たちの走り方を誰でも体現できることだったと思います。

ならばアプローチの仕方は違いますが、私の提唱している『西本走り』は、正に同じことを道具に頼らず、自分の体を使って誰でも到達できる夢のような走り方なのだと、改めて思った次第です。

それにいち早く気付き「やっぱりね」と膝を打った八日市屋選手は、本当に凄い感性の持ち主だと思います。

過去指導した方々の中でここまでの理解してくれている方がどれくらいいるのでしょうか、私の口から言ってしまうと後出しジャンケン的な自慢話と思われてしまう可能性もあるので控えてきましたが、八日市屋選手との会話の中で、私以上にそう思ってくれている選手がいたことに意を強くして、今日の記事としました。

ケニアの選手だからできる、サッカーであればメッシだからできるロナルドだから出来るではなく、同じ人間として体の使い方という視点で研究していけば、同じにはならなくとも近づくことは十分可能だと思います。

ただ今回のヴェーパーフライの場合は、現時点で動きに勝るアフリカ系の選手たちが、既にシューズを履きこなしているわけですから『鬼に金棒』とはこのことで、オリンピックのマラソンコースが北海道に移ったとはいえ、多少なりとも地元開催のメリットはあるかもしれませんが、果たして同じシューズを履いた日本選手たちがメダルに届くのか注目したいと思います。

何はともあれ、私の考えていることをこれだけ理解し、自分の中で応用発展させ、直接指導を受ける機会は少ないとはいえ、その時にしっかり疑問を整理できる八日市屋浩之選手との関係はトレーナー冥利に尽きるというものです。

私自身が沢山学ばせていただいたことを、多くの方に還元して行きたいと思います。

時代が私の考えにやっと追い付いてきたと言うことでしょうか(笑)

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プロフィール

Author:西本 直
1993年、Jリーグサンフレッチェ広島を皮切りに、社会人野球三菱重工広島・協和発酵・ヴィッセル神戸・川崎フロンターレ、そして広島カープ佐々岡真司投手など、プロアマ問わず競技レベルのスポーツ選手から一般の方まで、トレーニングやメンテナンスの指導を行ってきました。
その経験と知識の蓄積を「西本理論」としてまとめ、一人でも多くの方に実践していただくことが、これからの私の使命であると信じ、このブログから発信していきます。
私の理論はスポーツ選手のみを対象としたものではなく、ビジネスマンや家庭の主婦まで老若男女すべてに当てはまる不変のものです。
指導や講演のご依頼も受け付けています。
日々の気づきやブログの更新情報はツイッターに書いていますので、チェックしてみてください。
2013年9月9日にConditioning Studio 操をオープンしました。
「西本塾」と「深める会」を開催しています。
詳細はStudio操ホームページ内の「講習会情報」をご覧ください.
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出版元からの購入は可能ですので、ガリバープロダクツ(代)082-240-0768までお問い合わせください。

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