FC2ブログ

人間が感覚する痛みとは何か、どう対処していくか考えてみました。

今日もブログを読んでいただきありがとうございます。

今日の広島は冷たい雨が降っていますが、未だに雪が降っていません。
観測史上最も遅い初冠雪が記録された日もとっくに過ぎて、記録更新が続いています。

今日は私にとって、いや生きている限り全ての人間にとって永遠のテーマである『痛みとは何か』について、今現在私が感じているところを書いておこうと思います。

痛みを感じて嬉しい人などいるはずはありません、私のところに施術を目的として来られる方の殆どが、今ある痛みをなんとかして欲しいというというという切実な動機からです。

しかし、その痛みという感覚は単純に忌み嫌われる対象なのでしょうか。

痛みの原因はそれこそ数え切れないくらいあると思いますが、それぞれの体が痛みという信号を発することで、我々人間に警告を与えていることは間違いのないことです。

痛みも伴うことが多い症状ですが、いわゆる発熱という現象は、体の中に侵入した病原体の増殖を抑える正常反応と言われています。
それをただ単に熱を下げることを目的とした薬剤を服用することは、人間本来の自然治癒力を阻害してしまう行為ともなりかねません。

体が感じる痛み、いわゆる腰痛や肩こり、医療機関で画像診断とともに宣告される『ヘルニア』という状態も含めて、体の部位そのものが痛みを発しているように思ってしまいますが、人間の体で痛みを感じるところは『脳』そのものです。

痛みを感じていると思われる部位の神経が圧迫されている状態を、その神経を介して脳に伝え、結果として脳が腰が痛いとかヘルニアの所見が出ている部位が痛いと認識しているのです。

こういう状態の痛みは『神経障害生成疼痛』と呼ばれているようです。
また神経そのものが長く圧迫され続けたことで炎症状態となり、言葉としてはそのままですが『神経炎』と呼ばれる状態となって、神経そのものの痛みを感じることがありますが、やはり最終的に感じ取るのは『脳』です。

切り傷や火傷、打撲や骨折など、明らかに原因のある痛みもありますが、こういう怪我をすると、その部位に痛みを発する物質が発生します。
この物質が末梢神経にある『侵害受容器』という部分を刺激することで痛みを感じます。

一般論はこれくらいにして、私が相手にしている生身の人間の痛みに対する感じ方は本当に千差万別、一人一人全く違うものです。

以前にも記事にしましたが、私はご本人が訴える痛みという感覚よりも、人間に与えられた骨盤と背骨を中心とした6方向の可動性とその連動動作が、出来るのかどうかを最優先に考えています。

その動きがある程度確保されているならば、日常生活動作は可能なわけで、多少の痛い痒いは本人の感覚の問題だと考えます。

痛みに目盛りはつけられませんが、本人が訴える痛みが10だったとして、その痛みが5に軽減したと感じてくれたとしても、痛みが消えたわけではなく、「どうですか」という問いに対して「お陰で痛みは半分くらいになりました」という言葉が返ってきたとしても、半分になった5という単位から、その5が痛みイコール10という目盛りに変換され、痛いか痛くないかという意味では、やはり痛いが優先されてしまうのです。

こんなやりとりが続く日常の中で、現在最も大きなテーマとなっている『痛みは脳が作る』同じことですが『脳が痛みを作る』と置き換えてもいいと思います、すべてがこの言葉に集約されるのです。

様々な原因で痛みという厄介な感覚を背負い込んでしまった人間の脳は、その痛みを少しでも軽減させたいと、その部位に少しでも負担がかからないような体の使い方を工夫します。

不幸にしてギックリ腰を発症してしまった体がどんな風な動くか、自分で経験がない人でも、なんとなく想像はつくと思います。
体を固くしてなんとも言えない歩き方になってしまいます。
そうしなければさらに痛みが増し、症状が悪化してしまうと脳が感じているからです。

しかし骨盤と背骨を中心とした6方向の連動性を回復させ、本来であれば既にその庇うという動作は必要ないと判断できる状態になったとしても、脳は痛みという感覚と患部を庇うという体の使い方を、そう簡単にやめてはくれません。

私が考える回復の過程は、まず6方向の連動という機能的な回復、次に患部自体の筋肉の炎症等の器質的な回復、これには細胞レベルの回復ですから時間はかかります。

そして最後に、脳がもう何も恐れることはない、元の状態に戻ったと認識してくれた時こそが完全回復と呼べるのだと思います。

そのためには、この回復の過程を本人にきちんと理解してもらわなければなりません。

黙って横になっていれば、誰かが治してくれるなどという問題ではありません。

最近の例ですが、ある競技スポーツ選手が股関節の痛みを訴え、それが原因で調子を崩している、意識がそこに行きすぎて動きのバランスを崩し、他の部分までおかしくなったと言うのです。

過去にも何度も同じ説明をしてきたつもりなのですが、やはりすぐに結果が見える競技をされているので、目先の痛みの感覚から気持ちが離れることができないのです。

私が施術の中で行っている『からだほわっと』という行為は、とにかくそれを受けている間だけは、自分が抱えている部分の痛みすら忘れ、ひたすら心地良いという『快感覚』を脳に与え続けることで、脳から痛みという『負の感覚』を一時的でも忘れてもらおうという意味が大きいように思います。

この選手の場合は、競技特性を考えたトレーニングで、痛い動かし難いと思っている体が、まったく問題なく連携連動して、競技動作に即した大きな負荷に対して運動できているという事実を、脳と体そしてなにより自覚できる意識レベルで実感してもらうことで、やっと痛いから動かないからダメだという感覚から抜け出すきっかけを掴んでくれたようでした。

一般の方を含め『痛み』という感覚をネガティブに捉えることは仕方がないと思います。
人によっては人間としてありえないような体の使い方までできるようにしてくれと、要求してくる人もいます。
どこをどんな風に動かしても痛くない体、それが理想で自分は痛みを発症するまではそういうことができたと思い込んでいるのです。

自分の体を知らない、普段自分の体との対話がなされていなかったということです。

最終的に痛みに対して、『脳』が完全にゴーサインを出してもらうためには、スポーツ選手であれば、頭と体が納得してくれるまで、私が指導している『動きづくりのトレーニング』を行ってもらうことしかないように思います。

一般の人の場合、可能であれば先日記事にし、YouTubeにも動画をアップした『ポーザーユニット』を使って、細いラインの上に立っているという非日常の環境の上で、自分の体が本来の働きができているという実感を持ってもらうことで、安定した地面の上でも当然動きが改善しているはずと思ってもらうことは大きな意味があると思います。

痛みに対して対症療法的な方法論はそれこそ星の数ほどあるとは思いますが、人間がなぜ痛みを感じ、何故それがなかなか消えてくれないのか、『脳』そのものの仕組みにもっと目を向ける必要があると、経験と年齢を重ねるたびにその思いが強くなってきました。


スポンサーサイト




プロフィール

Author:西本 直
1993年、Jリーグサンフレッチェ広島を皮切りに、社会人野球三菱重工広島・協和発酵・ヴィッセル神戸・川崎フロンターレ、そして広島カープ佐々岡真司投手など、プロアマ問わず競技レベルのスポーツ選手から一般の方まで、トレーニングやメンテナンスの指導を行ってきました。
その経験と知識の蓄積を「西本理論」としてまとめ、一人でも多くの方に実践していただくことが、これからの私の使命であると信じ、このブログから発信していきます。
私の理論はスポーツ選手のみを対象としたものではなく、ビジネスマンや家庭の主婦まで老若男女すべてに当てはまる不変のものです。
指導や講演のご依頼も受け付けています。
日々の気づきやブログの更新情報はツイッターに書いていますので、チェックしてみてください。
2013年9月9日にConditioning Studio 操をオープンしました。
「西本塾」と「深める会」を開催しています。
詳細はStudio操ホームページ内の「講習会情報」をご覧ください.
「1回5分体が喜ぶ健康術」はアマゾンで在庫切れのことが多く、購入希望の方にはご迷惑をおかけしています。
出版元からの購入は可能ですので、ガリバープロダクツ(代)082-240-0768までお問い合わせください。

最新記事

カレンダー

12 | 2020/01 | 02
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31 -

カウンター

検索フォーム

QRコード

QR

フリーエリア

http://ecx.images-amazon.com/images/I/51P40WM8EQL.jpg