FC2ブログ

遠隔地に住む選手とどう向き合っていくか。

今日もブログを読んで頂きありがとうございます。

明日で6月も終わり、今年も半分が終わってしまうことになります。
おそらくすべての人がこの半年間に対して同じ感想を持たれていることと思います、「自分が生きている間にこんなことがあるとは」と。

我々人間は地球上のほとんどのことを管理できているという大きな勘違いをしていると思います。
分かっていないこと知らないことの方がとんでもなく多いのです。

難しい話はさておき、未だ終息せず、第2波第3波の襲来も予測され、終わりの見えない状況の中で、これまで当然だったことが当然ではなくなり、時代が大きく動いています。

会社に出勤しなくても仕事ができる職種の人たちは、テレワークやリモート会議などと言った人と接しない働き方がとられていますが、そんな人たちはごく一部で、私を含め多くの人たちは直接人と触れ合うことが前提の仕事をしていると思います。

人が生きて行くということは人と人のふれあいそのもので、異論もあるかもしれませんが、それこそが生きていることの証だと思います。

私の仕事はもともとその極致にあるというか、施術行為は勿論ですが、トレーニングにおいても集団での指導は苦手で、基本的にはマンツーマンの個人指導を行っています。

加えて私の言う結果責任まで考えると、トレーニングにおいては『継続』の二文字が絶対条件となります。

今の仕事のやり方で、その条件を満たすことができる選手はいるのでしょうか。

現在その条件に一番近いのが地元の競輪選手ですが、この選手にしてもトレーニングのすべてを管理して私の施設でトレーニングを行う日時を指定しているわけではありませんので、私の施設を訪れてくれたその日その瞬間に必要なトレーニングの負荷を調整するしかありません。

それでも私が目指す『動き作りのトレーニング』は、しっかりと形になってきています。

先日鹿児島から来てくれた高校生サッカー選手、前記事にも書きましたが、『グロイングペイン症候群』と判断された痛みの実態は、人間の体の仕組みに沿った体の使い方ができていないために起こった、筋肉の緊張度のアンバランス(このことを体の歪みという言い方をする人が多いようです)だと思います。

言葉で言うことは簡単ですが、このことを本当に理解して、改善に取り組んでいくことは容易ではありません。

今回一泊二日で、合計7時間に及ぶ指導となりましたが、ご想像の通り、初めて私の指導を受けた選手が形だけでもできるようになるには十分な時間とは言えません。

つい先ほども質問のラインメッセージが届きやり取りをしましたが、彼の自分を変えたい、もっと高いレベルでプレーできる体になりたいという気持ちがひしひしと伝わってきます。

私と向き合い結果に結び付けていくためには、強い覚悟が必要だと常々言い続けていますが、彼からは十分にそれが感じられます、だからこそもっと彼のためにできることはないかと考えてしまうのです。

以前『遠隔サポート』というシステムを作って指導をしたことがありましたが、この時ほど相手の本気度や真剣さがすべてだと感じたことはありません、申し込んでくれた方全てが私が求める本気度を感じさせてくれるわけではありませんでしたから。

今の状況になってなお、動画のやり取りやテレビ電話のような形を使っての、リモートでの指導は私にはできないと考えていました。

しかし、今回のような真剣に自らの成長を願う若い選手に対して、それも直接の指導を継続することができないと分かっている選手に対して、私自身がもう一歩踏み込んで何かを考えなければならないのではないかと、少し考えるようになりました。

会社勤めを辞めてもう30年になろうとしています。

自分でも分からないうちに勝負の世界に足を踏み入れ、勝つこと成績を上げることがすべてだと思って選手に接してきました。

結果を残しつつも、自分がやってきたことは本当に正しかったのかと今になって思うこともあります。

もしかしたら今の私に一番求められているのは、勝った負けたの結果の世界ではなく、これまでの経験を活かし、更に試行錯誤を繰り返しながら、どんな年代のどんなレベルの選手たちも、すべての選手たちが安全に、そして安心してスポーツに取り組めるような、『体の使い方』を指導することではないかと思うようになりました。

その内容は多岐に亘りますが、その『体の使い方』という概念の延長線上に、高いレベルで活躍できる選手が育っていくことが理想だと思います。

激しいトレーニングに耐え、痛みをこらえ、やっとつかんだプロの世界では、そこからの伸びしろが感じられないのです。

さて私は今の時代に即した自分の能力の発揮の仕方を、どう考えればよいのでしょうか。

広く浅くが一番嫌いなことは当然ですが、深く狭くでは応援できる選手が本当に限られてしまいます。

私からこういうやり方でやってみませんか、というアイデアを考え付くのを待っていると、何時になるか分かりませんので、私の指導を本気で受けたいと思っているが地理的に直接の指導を受けることは難しい、それでも何とかこういう方法で指導をして欲しいというような、私にもできそうな方法を提案してくれたら、現実として私がそれに応えられるか考えてみたいと思います。

自分の知識と経験を多くの選手に届けたい、この気持ちは誰よりも強く持っているつもりです。

新しい時代に、私も何かを変えなければならい、そう思っています。

スポンサーサイト



グロイングペインの診断を受け、私の元を訪れたサッカー選手にどう対応したか。

今日もブログを読んで頂きありがとうございます。

昨日ツイッターで予告した通り、昨日の午後と今日の午前中の時間を使って、遠路鹿児島から来てくれた高校生サッカー選手の、所謂『グロイングペイン症候群』の症状に私がどう対応したかを書いていきます。

今日の記事は、選手を送り出してくれたチームの指導者に対する報告書の意味合いもありますので、できるだけわかりやすく書いて行こうと思います。

この選手が私の元を訪れたのは、私がサンフレッチェ広島在籍時に、トレーナーと選手という立場で一緒に頑張った、現在鹿児島市在住の『若松賢治』君からの依頼でした。

あれから四半世紀が過ぎた今でも、私への信頼は変わらず、事あるごとに相談してくれる間柄です。

早速ですが、グロイングペインと言われた状態がなかなか完治しないという話は、直接間接を問わず私の耳にも沢山聞こえてきます。

まずこのグロイングペインという病名ですが、正式にはというか、もう少し厳密にいえば『グロイングペイン症候群』という表記の仕方となります。

ご存じの通り『風邪』というのは、様々な症状の総称であって『風邪』という病名がないのと同じです。

鼠径部周辺に多様な原因で各種の痛みがあり、本当の原因を特定しにくいためグロイングペイン『鼠径部痛症候群』と呼ばれています。

痛みの部分の違いで恥骨結合炎、大腿内転筋付着部炎、大腿直筋炎、腹直筋付着部炎、腸腰筋炎、鼠経ヘルニア(スポーツヘルニア)などが挙げられますが、すべて痛みを訴えている部位を画像等で診断し、それらしい名前を付けているだけです。

スポーツヘルニアに関しては、所謂ヘルニア(脱腸)と同じような所見を示すことがあって、腹部のエコー検査で腹圧をかけた時に、緩んだ腹壁が内部の腸に押されて膨隆する所見が見られることがあり、手術を行って腹壁を折りたたみ強化するというやり方も取られた時期がありましたが、現在はよほど脱腸の状態に近くなければ手術は行われていないようです。

日本にスポーツヘルニアの概念が持ち込まれたのは、25年前だと思いますが、当時浦和レッズのチームドクターをされていた『仁賀定雄』先生が、主力FWだった福田選手の訴える痛みに、当時の日本の常識的な診断では対応できず、ドイツで同じような症例に対する手術が行われているということを聞きつけ、福田選手とともに渡独して理論や手術の術式を学んで帰ってこられたことが始まりだったと記憶しています。

現在は、さいたま市中央区で『JIN整形外科スポーツクリニック』を設立し、スポーツ選手から一般の方まで、広くリハビリを専門に行っておられます。

現在日本代表監督の森保一君が、選手時代に足首の脱臼骨折という大きなけがをしてしまい、手術後の入院期間、同じ寝ているのならずっと訴えていた鼠径部痛が、福田選手と同じ手術の適応なのかを診断してもらおうと、私と二人で埼玉の仁賀先生を訪ね、そのまま手術を受けたという経験があり、仁賀先生にとってもまだ数例しか経験がない状態でしたが、本当に親身になって話を聞いていただき、診察の結果、先生も私も森保本人もこれなら手術を受けた方が良いだろうと、納得の結論に至りました。

そんな経験があって、スポーツヘルニア、鼠径部ヘルニア、グロイングペインと呼び方は様々ありますが、理論的な部分も実際の診断も、そしてどんな場合にどんな手術を行い、どんなリハビリを行ったら良いのかという実際のところを、25年前から知っていたという数少ない人間かもしれません。

いつものように前置きが長くなりましたが、今回はここまでの部分がとても重要なので書いておかなければ先へ進めませんでした。

昨日の午後、初めて私の前に立った選手とお父さんに対して、これまでの状況を時系列に沿ってできるだけ詳しく聞き取りを行いました。

グロイングペインという言い方は、医師やそれに準ずる人間にとってはとても便利な使いやすい呼び方ですが、前述したように実態はこれといったものがなく、あくまでも『症候群』ですから、言われた選手の方は、ではどうすればよいのかがさっぱり見えてこないという厄介な診断となります。

ただその中で、福田選手や森保選手のように、トップレベルの現役選手としてのパフォーマンスを維持するためには、手術という選択肢が示される病態が、確率としては少ないですが、ないことはないのです。

彼がその数少ない例に当てはまっていないか、詳しく話を聞いて行けばおおよそ外れることがないくらいの見当はつきます。

幸いなことに彼には当てはまるものはありませんでした、そのうえで前述したような私の経験談を話し、ある程度グロイングペインというものの実態を理論的に把握してもらうことに努めました。

そこからいよいよベッドの上での施術ということになりましたが、更にどういう動きでどの部分にどういう痛みが生じるのかをテストしましたが、いくら完全休養を数日間とっていたとはいえ、はっきりと痛みの出る動きは全くありませんでした。

聞き取った内容や、実際の体を確認したうえで、彼の体はたんに筋肉の緊張度が部分部分によって違っている状態に過ぎないと確信しました。

まさにこのブログのタイトル通り、『木を見て森を見ず』、これまでアドバイスを求め治療と称する行為をしてきた人たちは、痛いと訴えている部分ばかりに気を取られ彼の体全体を丸ごと一つの存在として診ることができなかったのでしょう。

となればまさに私の出番です、股関節が鼠径部がではなく、人間の体に仕組まれたからくりにしたがって、骨盤と背骨を6方向に連携連動させるという動きを行ってもらい、全身の筋肉の緊張のアンバランスを整えれば、彼の体は当然のように普通に動き出すのです。

ここまでなら同じような発想で体を整えることができる人もいるでしょう、問題はなぜこういう体の状態になったのかということです。

私が定義している痛みを発症する3要素の1番目、『正しい体の使い方ができていない、そもそもそのことを知らない』という基本的な部分です。

治療をして欲しい、痛みをとって再発しない体にして欲しい、確かにそう思うでしょう、その気持ちは十分わかります。

それらすべてを含めて私が指導することは、人間の体の仕組みに沿って、効率的で効果的な体の使い方ができるようにならなければ、再発どころかいつどの部分に痛みが出てきてもおかしくないということです。

昨日は4時間にわたって指導を行いましたが、後半の半分以上はそのためのトレーニングや走り方のドリルに費やしました。

まさか予定の二日間でそこまで進むとは思っていなかったようで、室内シューズもスパイクも持ってきていませんでしたが、結果的には昨日の基本編のドリルを踏まえて、今日の午前中は目の前の公園を使って走ってもらったり(ほぼフルスプリントまで行いました)、ボールを蹴ったりと、そばで珍しい連凧を上げているおじいさんがいましたが、まさか彼が痛みを抱えて鹿児島から来ているサッカー選手だとはとても思わなかったと思います、それくらいのびのびと体を操っていました。

勿論彼の動きをすべて細かくチェックしながら私が指導しているからこそ、安心して動けたという部分がありますので、鹿児島に帰って明日から急にチ-ムに完全合流というのは難しいかもしれません。

まずは私が指導した通りの体の使い方を一人でも実践できるか、別メニューとはいえ、所謂リハビリを行っている選手に見えないような激しい動きで、チームメートや指導者が、もう行けるんじゃないのかと声をかけられるくらいのトレーニングができれば、それ以降はすぐにでも全体練習に入ってゲーム復帰も十分可能だと思います。

彼のチームに限らず、オーバートレーニングに陥り、痛みをこらえながらプレーを続け、ついには故障してリタイヤしてしまうという例は後を絶ちません。

結論です、私の提唱する正しい体の使い方、具体的には『西本走り』を最低限取り入れてください。

これまでの腕を振って腿をあげて、歯を食いしばって走り続けていたことがうそのように、90分間頭と体を動かし続けることができるようになります。

どんな体の使い方をしても壊れないという人もいるでしょう、そのために苦しいトレーニングを積んでいるのだと、それはそれで否定はしません。

しかしそれらは常に故障と背中合わせです、私の提唱する体の使い方を実行すれば故障やケガが0になるとは言いません。

それでも明らかに選手の動きは良くなり、故障のリスクは確実に減少します。

そのことを理解し取り組んでくれる指導者も少しずつ増え、今回のように故障を抱え藁にも縋るという思いで私の元を訪れてくれた選手には間違いなく伝わっています。

私は壊れた体を治してくれる腕の良い修理屋さんではありません、どうすればもっと体をうまく使えるようになるのか、故障した体が元のように、元以上に動いてくれるのか、そのことを追求し広めているのです。

昨日今日と短い関係でしたが、父子で真剣に私に向き合ってくれました。

彼のこれからの活躍を楽しみにしています。

県境をまたいでの移動制限が緩和され、今回のように遠く鹿児島から来てくれる選手もいます、また県内ではありますが市外のクラブチームからも指導の依頼がありました。

正直体はきついですが、体力と気力の続く限り、皆さんの期待と信頼を裏切らないように頑張り続けます!

施術者としての体の診方。

今日もブログを読んで頂きありがとうございます。

来週行う予定だった『西本塾』ですが、コロナの影響か、たんに私から何かを学ぼうという方がもういなくなったのか、昨日が申し込みの締め切りでしたが、希望者はありませんでしたので今回は開催しません。
今年は10月にも予定していますので、希望の方はその日程で検討ください。

さて今日は先日の反省を踏まえて、同じコース呉市にある『郷原カントリー』にリベンジに行ってきましたが、あえなく討ち死にとなってしまいました。

あれだけ飛んでいたドライバーが、なぜだか分かりませんが全く飛ばなくなってしまいました。
前にも一度同じような状況になったことがありましたが、その時はあきらめて続けているうちに、元のようにとはいきませんがそこそこ飛ぶようになったので、今回も方向性重視、安全確実なショットを目指そうと思っています。

全てのショットがそこそこで、時々やらかしてしまうので、ゴルフをやっている方には分かるかもしれませんが、ボギーペースが基準のゴルフになってしまいます。
それでも以前に比べれば自分としては少しずつではありますが、上達の跡は見えるので、エンジョイ+スコアメイクで、なんとかベストスコア更新、そして夢の70台目指して頑張ろうと思います。

仕事の方ですが、コロナの影響は目に見えてという仕事ではないのですが、Studio操での一般の方の体の不調に対する施術と、トレーニングの指導が基本ですが、加えて遠方から来てくださる方、そしてこちらから出向いて行っての指導と、色々な形が有る中で、遠距離の移動を伴う仕事は、基本的になくなっています。

様々な職種で大きな影響があることと思いますが、こんな状況でも私に対して期待と信頼をもって、訪れていただく方々には、感謝を込めて対応しています。

私の原点は、何度も書いてきたように『渡辺栄三先生』から学んだ、『操体法』という、人間の体に向き合う哲学のような理論と実践方法を明確に示してくれた、私にとっては人生を変えるきっかけどころか、すべてをリセットして生涯をかけて取り組む命題となりました。

今、様々な競技の選手たちにトレーニングを指導するようになったのも、この人間の体そのものに向き合うという考え方があってこそです。

体育大学や、トレーニングの専門学校を出たわけでもない私が、いえそうであるからこそ本質的な体の使い方という視点で指導することによって、普通では考えられない結果に結び付いてきたのだと思います。

広島に落ち着き、Studio操を開設してはや6年半が過ぎました、紹介者の紹介という枝葉も広がりを見せ、私のこれまでの仕事をまったく知らない方も増えてきました。

トレーニングの器具を見て、何に使うのですかと驚かれる方もいます。

勿論それはそれで構わないことで、過去に関わった有名選手の色紙やユニフォームを飾っても、私という人間には全く関係ないことなので、実際に受けていただく施術や体にどう向き合うかとい私の説明に納得して頂くことの方が重要なことは当然のことです。

特に初めて来られる方には、時間をかけて説明をします、そんな話はいいから早く体を治してくれ、という方が多いのかと思いましたが、なぜ体が痛いというのか、どこがどうということではないけれど、なんとなく不調だと感じてしまうのか、自分では腰が痛い首が痛いと感じていても、現実として体全体にどんな影響が出ているのか、順を追って話をしていくと興味深そうに真剣に聞いてくれる方がほとんどです。

転んでぶつけたとか、誰かに蹴られたというはっきりとした原因があれば、特定の部位が痛いという訴えも分かりますが、そうでなければ体が訴えている痛みの本質は、決してその部分だけの問題ではありません。

そのことをはっきりと分かってもらえるのが、人間の体が持っている骨盤と背骨を中心として6方向への可動性を確認していく作業です。

ほとんどの方はそんなことを考えて生活していませんから、自分の体がそれぞれの方向へ動いていく道中の感覚や、どこまで動けるのかという可動域も把握してはいません。

そのことが痛みの原因となっているという事実など、実際に動いてみてもなかなか理解できるものではありません。

ところが6方向への可動性と連動性を使って、私なりのやり方で体に働きかけるという施術を行うと、まず例外なく痛みや違和感が軽減するのです。

すかさず、自分の持ってきた痛み以上の刺激を加えられることで、治ったような気にさせられるからくりを説明すると、これまたほとんどの方が得してくれるのです。

『体の仕組み』という視点でものをいう人はほとんどいませんから、ある意味新鮮に感じてくれるのかもしれません。

痛みや違和感は、自分で作り出している部分もあり、また誰かにそう思わされている部分もあります。

『痛みは脳が作る』という言い方をしているのも、それにつながる考え方です。

単に『壊れた体を治してくれる、腕の良い職人』と思ってもらうのではなく、人間の体の仕組みの本質を語り、痛みは結果であり、なぜ今の状態になったのかという原因の部分に目を向けていただき、自分の体は自分で治す、治せるという強い気持ちを持っていただけたとしたら、私はそれを全力で応援し、その道標となれるよう学びを深めていくことが使命です。

どんな状況となっても、体の不調を訴える方がいなくなることはありません。

私は私の考え方と方法論で、そういう方のお役に立てるようこれからも努力を続けます。

ボールを投げる動作の体の使い方について。

今日もブログを読んで頂きありがとうございます。

先日、今年から広島東洋カープの新監督として指揮を執る、『佐々岡真司』君について、NHKのディレクターから電話取材を受けました。

今月やっと開幕が決まりましたが、本来なら広島という街は、野球シーズン到来とともにカープ一色に染まると言っても過言ではないほど、一般の方のカープ熱は近年凄まじいものとなっています。

テレビ各局も番組づくりに苦労しているようで、NHKも何か企画をということで、新監督にスポットを当てた『ラウンド中国』という番組で、30分間の特集番組を作りたいということのようでした。

先日の土曜日に放送がありましたが、私の存在はもちろん、取材の中身には触れられることはありませんでした。

その電話インタビューで、一緒に戦っていた頃のことを久しぶりに思い出したことで、私の野球小僧の一面が改めて顔を出しています。

会社勤めを辞めて今この仕事をしているのも、もしかしたら野球に関わる何かに結び付くのではという気持ちがどこかにあったのかもしれません。

それが社会人野球のトップレベルのチームと、佐々岡真司というプロ野球の一流投手に、長きに亘って関われたことで、夢を描いていたことをはるかに超えたレベルで仕事ができたことは、私にとっては奇跡に近いような経験だったと思います。

私が野球という競技に関わり、高いレベルの選手たちと接していく中で驚いたことは、最も基本的で最も重要な、ボールを投げるという動作の体の使い方が、本当の意味で分かっている選手がいなかったことです。

では私がそのことを野球を始めた子供のころから知っていたかというと、残念ながらそうではありませんでした。

そのため、中学時代にはすでに腰痛に苦しみ、高校は途中まででしたが、社会人になって軟式野球をやるようになってからも、肘や肩の痛みに悩まされ、一時はボールペンを握ることもできない状態になったことまでありました。

曲りなりにも野球をやっていた期間、自分だけでなくチームメートや先輩後輩など、体の故障を抱えながらプレーしていた仲間をたくさん見てきました。

そのことが私が人間の体そのものに興味を持った一番のきっかけだったかもしれません。

様々な経験を積み試行錯誤を重ねていく中で辿り着いたのが、『体の使い方』という視点でした。

野球の指導者が「どんなチーム作りを目指しますか」という質問に対して、答えとしてよく聞く言葉ですが、「投手を中心とした守りの野球を基本として・・・」という言い方があります。

言わんとしていることは分かりますが、噛み砕いてより具体的な言葉を聞いたことがありません、抽象的なものばかりです。

最近はなくなりましたが、高校野球部の指導を頼まれた際に、選手だけでなく指導者を含めて最初に問いかけるのが、『野球という競技とはどういうものか』という根源的な命題のようなことです。

打つ方に関して言えば、投手が投げたボールを打ち返す受動的な動作で、打ち損ねのぼてぼてのゴロがヒットになることもあれば、ジャストミートした会心の当たりが野手の正面を突いてアウトになることもありますから、ある意味偶然の結果という部分もあります。

しかしボールを投げるという行為は、とくに投手というポジションであれば全くの能動的な動作で、ルールの中であれば自分の投げたいように投げればいいのです。

野手は捕球したボールを投げるわけですが、それとてステップでタイミングをとって、ある程度自分のリズムで動作を行うことができます。

社会人野球やプロ野球といったレベルまでたどり着いた選手たちは、それこそ小さい頃から野球をやってきた選手たちで、ボールを投げるという行為に対して深く考えることなく、目的とする場所にそれこそピンポイントで投げられるように、何度も何度も繰り返し行うことで、感覚としてこうやって投げればあそこに行くだろうという経験則で投げているにすぎません。

このことは私が関わった一流選手からも確かめていますので、例外はあるかもしれませんがほとんどの選手はそうだと思います。

野手の送球はダブルプレーを取りに行くときには、自分の送球だけでなく、その送球を受けた野手がさらに次の野手に送球するわけですから、送球の正確性はさらに求められることになります。

投手であればなおさらで、自分が投げたボールが打者に対してどの高さどのコースに行くのか、プロであれば80%以上の確率で狙ったところに投じることが出来なければ、次に起こる打者の反応を予測して動き出す野手は大変なことになります。

そんな話から入って、では正確な送球ができるようになるにはどうすればいいのか、と話を進めていきます。

このことが私にとっての野球というの基本中の基本だと考えていることです。

毎年プロ野球のキャンプ情報から始まり、オープン戦の時期になり、ペナントレースの開幕が近づくにつれ、特に投手に関してですが、去年のシーズンの反省を踏まえ、秋のキャンプから春のキャンプで、何をどう改善したかったのだろうと首をひねることになります。

新しいコーチングスタッフになると、独特の練習メニューがマスコミに取り上げられたりもしますが、本来指導しなければならないのは、その投手の体の使い方のどこに問題があるのかを正確に見極め、どういう方向性をもって目標に向かって努力すれば、それが改善できるのか、それをきちんと指導することではないでしょうか。

動作解析などという、いわゆるAI技術が既に導入されていますが、人間の体が故障しないように効果的かつ効率的に早く正確なボールを投げるという体の使い方が分かっていなければ、分析した結果を本当の意味で使いこなすことにはならないでしょう。

『腕を強く振れ』という指導があり、選手の側からは『しっかり腕が振れるようになりました』という言葉が発せられますが、この日本語は正確には正しくないと思っています。

私の指導で使う言葉は『腕は振ってはいけない、振られるもの』という表現です。

詳しく説明していくと、このブログの何日分かかるか分かりませんのでこのくらいにしますが、言葉というのは指導する側とされる側が、お互いにイメージを共有できるものでなければなりませんし、イメージという言葉も正しくなく、どういう風に体が連動していくか正確な共通認識ができるための言葉でなければなりません。

一つだけ、いやこれがすべてだと言っても過言ではない実験をしてみましょう。

ボールは何でも構いませんが、室内であれば天井や室内のものを壊さない柔らかいボールを選んでください。

足幅は肩幅より狭いくらいで直立し、利き手でボールを持ったら、肘が耳につくくらいしっかりと高くボールを持ち上げてください。

その時手のひらはどこを向いていますか、正面に向いている人は多分肘は耳についてはいないでしょう。

手のひらは体に対して内側に90度、右利きなら掌が左を向いていれば、骨盤がしっかり引き起こされ背筋が伸び、肩甲骨がしっかり開いていることでしょう、手のひらが正面を向いている時より、さらに高く手を挙げられるはずです。

その状態から保持しているボールを右足の横、ボールの位置の真下に思いきりぶつけてみてください。

足首から膝、股関節から背骨、肩甲骨から肘、そして最後に手首と指の関節という連携連動が起こり、自分の持っている最高のスピードで体を操り、ボールを地面に叩きつけることができます。

これが二本足で立って生活している人間という動物が、生まれ持って体に仕組まれたからくりを十二分に生かしてボールを投げるために使われる、全身の筋肉と関節を連携連動させる自然な動作です。

バットを振るという動作も同じ理屈ですから、私が野球選手に教えていたことは、突き詰めるとこれだけです。

これが出来なければ、この体の連動の意味が正しく理解できなければ、経験則によって獲得したレベル以上にはなれません。

一流にはなれても、超一流にはなれないと言い切っても構いません。

以前に松山に少年野球の指導を頼まれて通っていた時期がありました。

指導者自身に、このことがどれだけ大切かという認識を植え付けられたかどうかは分かりませんが、初めて野球を始める子供たちからプロの選手まで、同じことを教えていました。

今サッカー選手や指導者の皆さんに伝えていることも同じです、屈筋ではなく伸筋を連動させ、効率的かつ効果的な体の使い方を身に付け染み込ませることなく技術戦術の指導をしても、届く高みが違ってくるということです。

人間の体そのものに興味を持ち、いろんなことをやってきました、そしていろんなことが見えるようになりました。

トレーニング、私の目指す方向性を理解してもらうために。

今日もブログをご覧頂きありがとうございます。

今日は私が求めているトレーニングの方向性を理解してもらうというのはどういうことか、そんなことを書いてみます。

前回の記事にも書きましたが、私が指導しているトレーニングというものは、形が有って無いようなものです。

基本的な考え方というか方向性は、数値で表せる大きさや強さではなく、効率的な体全体の連動を滑らかに力強くするという、動き作りのトレーニングを目指しています。

それは過去に指導させてもらった、高校生の野球部やバスケットボール部の選手たちから始まって、プロのサッカー選手や野球選手、また社会人野球の選手たち、そして現在も競輪選手と、とにかく結果を求める相手に対して、方法論を試行錯誤してきました。

今現在指導を受けてくれている競輪選手でも、2年前トレーニングの指導が始まった頃と最近の指導内容は、選手の立場からすれば全く違うものだと感じているかもしれませんが、実際に行っていることはほとんど変わっていません。

何故そう感じるかというと、トレーニングにおける体の使い方、私が投げかける言葉の質が変わっているからです。

同じ言葉を使っていたとしても、受け取る側の意識が変わっているため、まったく新しいことを言われたように感じることもあるようです。

私の指導は今現時点で最良と思えるものを教科書的に指導するのではなく、相手の求める方向性に即して、何をどう伝えればよいのか、その時その瞬間判断して言葉を選んでいるのです。

「初めからそう言ってくれれば良かったのに」と、思われるかもしれませんが、最初に言っても絶対に理解できないこともあるのです。

過去の記事を読んで、自分の努力の方向性の違いに気付き、もっと早く私と出会っていればと残念がってくれた方も沢山いました。

なぜそこに気付けたかと言えば、その時点で彼が知りうる限りの情報や、ある意味常識となっているトレーニングに対する固定概念の中で、これ以上の努力はできないというレベルまで頑張り尽くした選手だったからこそ、少し方向性の違った私の考え方に興味を持ってくれたのだと思います。

今はやっていませんが『LINE』を使って、遠隔地にお住まいの方に対しての指導を行ったことがありました。

そのうちの一人、と言っても当時小学生だった本人のお父さんからの依頼でしたが、想像以上の結果に結び付き、以降も何かと私の発信に反応してくれています。

依頼の内容は膝の痛みで思ったようなプレーができないということでしたが、現在中学生になって指導者が変わり、痛みの原因となった体の使い方という視点を持たない指導者に、指導を受けていることを残念がって、私の考え方がもっと広がってくれればいいのに、全国の指導者がもっと私の考え方を学んでくれればいいのにと、現状を嘆いていることが伝わってきます。

私の考え方や指導内容は、実際に自分に大きな問題を抱えた方たちが、覚悟をもって真剣に取り組んでくれなければ、絶対に分かってはもらえないと思います。

先月、コロナウイルのためえ帰郷している高校生ラガーマンが、お父さんに連れられて指導を受けに来てくれましたが、本人には私の指導の意味はよく理解できなかったようで、一度きりの指導となりました。

逆にお父さんはラグビーの経験者であり、それこそ厳しい練習やトレーニングを積み重ねてこられた方だったようで、だからこそ息子さんには遠回りをさせたくないと、私の指導を受けさせたいと思ってくれたのだと思います。

何度も言葉にしてきましたが、私の指導で効果を感じ変化し成長してくれる条件は、本人が現状に大きな危機感を覚え、何かを変えなければという強い気持ちをもって私の前に立ってくれることだと思います。

チーム、組織として複数の選手を指導する際には、そういうことが前提とはなっていませんので、指導を受けてくれた選手の中の一人でも二人でもいいから、「これだ」と思ってもらえるように工夫しています。

そして何より大事なことは、指導者自らが体を動かし汗をかいて、私の意図するところを感じ取ってもらうことです。

長い年月と、一人一人に対して真剣に向き合ってきたことで培われた、理論まではいきませんが方向性ですので、決して間違ったことを指導しているとは思いません。

しかし、受け取る側にその気がなければ、当たり前ですがどんなに一生懸命指導したとしても、多くを期待することはできません。

土を耕し水と肥料を与えながら、丹精込めて育てている西本理論ですが、きれいに咲いた花や大きな実がなった姿だけを見て、自分もと思う気持ちは分かります。

土の耕し方など聞いてないよというのも分かります。

どんな相手であれ、縁あって指導させてもらうことになった限りは、何か一つでも身になることを伝えなければなりません。

色々な相手に指導させてもらう機会があって、そのことを痛感しています。

「西本さんのような考え方ができる人材が増えて欲しい」そう思っていただくことを本当に嬉しいことです。

しかし現在の状況は、あまり良い例えではありませんが、上質の『金太郎飴』、品質の揃った同じレベルの指導者が必要とされているようです。

そんな中でも私は細かいことにこだわり続け、私にならなんとかできるかもしれない、私でなくてはと思ってもらえる技術を磨き続けようと思います。

どんな時代にも最後はこんな人間が必要だと思ってもらえるように。

昨日も友人から、故障を抱えた高校生のサッカー選手のことで相談がありました。

西本に頼めば何とかしてくれるかもしれない、そう思ってくれる人間がいるだけでもこれまでやってきたことが間違ってはいなかったと思えます。

このブログのタイトル通り、『生涯一トレーナー』は、まだまだ腕を磨き続けなければなりません。


プロフィール

Author:西本 直
1993年、Jリーグサンフレッチェ広島を皮切りに、社会人野球三菱重工広島・協和発酵・ヴィッセル神戸・川崎フロンターレ、そして広島カープ佐々岡真司投手など、プロアマ問わず競技レベルのスポーツ選手から一般の方まで、トレーニングやメンテナンスの指導を行ってきました。
その経験と知識の蓄積を「西本理論」としてまとめ、一人でも多くの方に実践していただくことが、これからの私の使命であると信じ、このブログから発信していきます。
私の理論はスポーツ選手のみを対象としたものではなく、ビジネスマンや家庭の主婦まで老若男女すべてに当てはまる不変のものです。
指導や講演のご依頼も受け付けています。
日々の気づきやブログの更新情報はツイッターに書いていますので、チェックしてみてください。
2013年9月9日にConditioning Studio 操をオープンしました。
「西本塾」と「深める会」を開催しています。
詳細はStudio操ホームページ内の「講習会情報・募集中」をご覧ください.
「1回5分体が喜ぶ健康術」はアマゾンで在庫切れのことが多く、購入希望の方にはご迷惑をおかけしています。
出版元からの購入は可能ですので、ガリバープロダクツ(代)082-240-0768までお問い合わせください。

最新記事

カレンダー

05 | 2020/06 | 07
- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 - - - -

カウンター

検索フォーム

QRコード

QR

フリーエリア

http://ecx.images-amazon.com/images/I/51P40WM8EQL.jpg