骨格筋の構造

私がまだ東京で、当時の早稲田鍼灸専門学校の夜間部に、働きながら通っていた頃のことです。

子供の頃から体を動かすことが大好きで、小学校の6年生の時には愛媛県の宇和島市という小さな町の中の話ですが、いくつかある小学校で、学校対抗の陸上競技、水泳、ポートボール(バスケットのゴールの代わりに台の上に立った人にシュートする競技)、そしてソフトボール大会が行われていました。
私はそのすべての競技で、代表選手として活躍しました。

私が選手という立場で唯一輝いていた時期ですが、残念ながらそれ以降はさっぱり目立った活躍はできませんでした。

その理由の一つに、体が小さかったというかものすごく痩せていました。

小学校から中学校そして高校と進むにつれ、まわりの先輩や同級生たちとの体格差は歴然としていて、どうあがいてもかなわないなと思ってしまいました。

高校を卒業するときには178cm58㎏と、マラソン選手並みの軽量でした。
社会人になって、皇居の周りで行われた健康マラソン大会に出場した時には、当時有名だったマラソンの中山竹通選手と間違われたこともありました。もちろん走り出せばすぐ人違いだと分かりますが。

体を大きくするめに、ご飯をやたらたくさん食べたり、腕立て伏せや腹筋をこれでもかと繰り返したり、人一倍ランニングをこなしたりと、子供ながらに努力はしましたが結局は体質的に太れない体なんだと諦めていました。

それが30歳を目前に、資格を取るために通った専門学校で様々な知識を勉強していく中で、特に解剖学の筋肉の仕組みを学んでいくうちに、もしかしたらと気付くことがありました。

資格を取るための学校ですから、普通ならその筋肉の起始と停止を暗記し、その筋肉が収縮した時にどの関節がどの可動範囲で動くということを覚えればいいのですが、私はその筋肉そのものに興味を持ったのです。

骨格筋はそれぞれ存在する部位に応じて固有の外形をしていまが、便宜上基本形を紡錘形とします。

簡単に言うと、我々が力こぶとかでイメージしているその丸い束の中に、筋束に包まれた筋繊維の束がいくつもあって、筋繊維も筋原線維がたくさん集って・・・、分かりにくいですね。

では線香を、最小単位である1本の筋原繊維だと思ってください。
それが50本くらい集まって紙で束ねたものが筋繊維、その束を50本集めて束にしたものが筋束、そしてさらに筋束を50本束にしたものが、我々が見たり触ったりしている筋紡錘ということになります。

数の50本というのは具体的なものではなくイメージですので悪しからず。

その筋繊維に張り付くように運動神経線維の神経筋接合(運動終板)が存在することで、脳が企図した指令が電気信号として神経を介して運動終板に届き、筋肉がそれに応えて収縮してくれるということを学びました。

では我々が筋トレだと言って行っている運動は、この線香に例えた筋肉の繊維のどの部分に届かせなければならないのでしょうか。

自分が良かれと思って行っていた腕立て伏せや腹筋は、本当の意味で筋肉を鍛えるという行為になっていたのでしょうか、もっともっと深く知りたいと思うようになりました。

実は筋原線維のさらにその奥に、電子顕微鏡レベルの解剖学でさらに深い部分がありました。

それがアクチン繊維とミオシン繊維という、筋肉の収縮の最終単位だったのです。

線香に例えたいちばん基本の一本である筋原線維、その繊維の中で、さらに2種類の最小単位の繊維が滑り込むこが、筋肉の収縮の正体だったのです。

両方の手のひらをしっかり開いて自分のほうを向け、指と指の先が触れ合うくらいの位置から、お互いの根元にあたるまでスライドさせてみてください。

これがアクチンとミオシンの滑走説、スライディングセオリーと呼ばれる理論です。

なるほどと思いました、このスライドを上手に行うことが、体をうまく使えているということ、このスライドが強い負荷に対応できているということが筋力が強いということなんだと。

何か新しい誰も知らないことを発見したかのように、嬉しくなったことを覚えています。

それをさらに分かりやすく、人に説明できるようにするために考え付いたのが、筋肉の長さを3・5・7という単位で説明する考え方でした。

医学的には意味を持たない理屈かもしれませんが、これまで関わってきたドクターたちも、説明の方法としては分かりやすく理にかなっているとお褒めの言葉をいただいたこともあります。

長くなりました、3・5・7理論の具体的な説明は次回に続きます。
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Comment

Re: No title
この部分はとても難しい所で、筋肉の最終単位であるアクチン繊維とミオシン繊維の滑走説という理論を、私が分かりやすく模式図的に表した3・5・7理論を説明するために、両手のひらと指を使って説明しています。
一連の説明の中で目の前でやらないと分からないと思いますが、逆に「アクチンとミオシンの滑走説」と検索していただければ、解剖学的な正しい知見と説明が見られますので、そちらを見ていただいた方が早いかも知れません。
ただかなり難しく、私自身も100%理解しているかと言われると自信がないくらい難しいことです。
興味を持つと面白い分野なのですが、スポーツ選手に説明するには、私の紙芝居のような説明の方が分かりやすいと思います。
  • 2014-04-15│19:39 |
  • 西本 直 URL│
  • [edit]
No title
両方の手のひらをしっかり開いて自分のほうを向け、指と指の先が触れ合うくらいの位置から、お互いの根元にあたるまでスライドさせてみてください。

この部分よくわかりません。
とても重要ところだとおもっていますので、もう少し詳しくおしえてください。
  • 2014-04-15│13:37 |
  • 鈴木 URL│
  • [edit]

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プロフィール

Author:西本 直
1993年、Jリーグサンフレッチェ広島を皮切りに、社会人野球三菱重工広島・協和発酵・ヴィッセル神戸・川崎フロンターレ、そして広島カープ佐々岡真司投手など、プロアマ問わず競技レベルのスポーツ選手から一般の方まで、トレーニングやメンテナンスの指導を行ってきました。
その経験と知識の蓄積を「西本理論」としてまとめ、一人でも多くの方に実践していただくことが、これからの私の使命であると信じ、このブログから発信していきます。
私の理論はスポーツ選手のみを対象としたものではなく、ビジネスマンや家庭の主婦まで老若男女すべてに当てはまる不変のものです。
指導や講演のご依頼も受け付けています。
実名でツイッターも書いていますので、チェックしてみてください。
また、2013年9月9日にConditioning Studio 操をオープンしました。
また、遠隔地にお住まいの方を対象とした動き分析とアドバイスを行っています。
詳細は「スタジオ操」のホームページ内の「遠隔サポート」をご覧ください。
「第25回西本塾」を11月18・19日の土日に開催を予定しています。
詳細はStudio操ホームページ内の「講習会情報」をご覧ください
尚、深める会も12月10日に予定しています。

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