第二回西本塾、真剣勝負が終わりました。

14・15日、二日間に亘って行った「第二回西本塾」は16名もの参加をいただき、無事に開催することができました。

終了後、夜行バスの時間まで間があるという札幌から参加していただいた方と一緒に、自宅近くに鉄板焼き屋さんで食事をしながら話をさせていただきました。

奇しくも2か月前、まったく同じ状況で同じお店で、それも同じ席に座ってお話をしたのも、札幌から参加してくれた小林さんでした。

お二人はもちろん面識もなく、まったくの偶然でしたが、人の縁というのは色々な形でつながっていくものだと、偶然過ぎる偶然に驚いてしまいました。


世の中にタラレバはないと言いますが、もし今年、川崎に行っていなければ、そして途中で辞めて広島に帰ってこなければ、私はこんなことをやろうとは絶対に思わなかったと改めて思いました。

20年前に、すでに私がやっていたこと、現実にできていたことが、もう当たり前に誰でもできるようになって、私が知っていることなどみんなが知っていて、「まだそんなこと言ってるんですか、トップレベルで仕事をしている人たちはもっともっと知識も腕も上がっているんですよ」と言われる状況になっていなければならないはずなのに、逆に私がやっていたことは誰の記憶に残るともなく消えてしまい、どこのチームに行っても誰でも知っている誰でも出来る、そんなレベルの知識や技術しか持っていない人たちが、ただただ人数だけが増えているだけの20年になっていました。

選手個人を、チームを、そして日本という国レベルで強化していきたいという熱い思いを持った指導者がたくさん育っているのに、私の専門とする分野の意識はいったいどこに向かって進んで行ったというのでしょうか。

今年川崎で仕事をしていた時には、私の考え方が独特であるとか独自のものであるとか、ちょっと変わった考え方の持ち主のような扱いを受けました。

教科書的な知識なら、いまどきちょっと賢い小学生でも勉強すれば身に付けることができるかもしれません。

でもそこからの生身の人間を相手にするようになって、初めて必要になってくる知識や技術がたくさんあるのです。

そしてそれらは、誰かが教えてくれるものではなく、自分で考え作り上げていかなければならないものだったのです。

そうやって築きあげてきたものは、手段こそ違え、自分以外の人間も同じように身に付けているべきものだと信じていました。

だから目の前に見えている景色の見え方は、私も他の人もみんな同じように見えているものだと思っていたのです。

ところが現実はそうではありませんでした。

私にはこう見えていると思ったものが、他の人にはまったく違ったものでさえあることに、今頃になって気付かされたのです。

そういう人たちと私が同じ土俵で議論をしても、まったくかみ合わないのは仕方がありませんでした。

なぜだどうしてだと思えば思うほど、自分が苦しくなり、自分の方が間違っているような感覚にさえなっていったのです。

あるマスコミの方から、「あなたは自分の仕事に対して良い評価を受けても、そんなに嬉しいとは思わないだろうし、否定的なことを言われても悔しいとは思わないのではないですか」、と言われたことがあります。

同じ景色が見えない人が良いも悪いも、私を評価できるわけがないことをその方は分かってくれていたのです。

こういう風に思ってくれる人もいるんだと、あのときは本当に救われた気持ちになりました。

そしてこのブログを書き始め、少しずつ読んでいただく方の数も増えてきました。

「生涯一トレーナー西本直が話しておきたいこと」まさにタイトル通り、誰が見ていようと見ていなかろうと、私の心の中に仕舞い込んでいたものを吐き出さなければ、それこそ後悔してしまうことになると思い書き始めたものです。

内容的には、分かったような分からないような、難しいのを通り越して意味不明に思われることもあるでしょうし、すべて事実で経験してきたことを書いてはいますが、にわかには信じられない、大ぶろしきを広げたと思われる内容もあったかもしれません。

そうした中で、この内容を直接私に会って聞いてみたいという方が出てきたことが、西本塾という形になっていきました。

広島という土地柄を考えても、お金と時間をかけて来ていただくには相当な覚悟がいると思いますし、私のブログを読めば、中途半端な気持ちで参加はできないなと、少し腰が引ける方もいるかもしれません。

一回目は正直一人でも参加者があれば、その方のためにすべてをお伝えしようと思っていました。

それが最終的にお二人のキャンセルがあって、5名での実施となりましたが、5人もの方が来ていただいたことに本当に驚き感謝の気持ちでいっぱいでした。

あれから2か月、今回はなんと16名という数になり、何と表現したらよいのか、今回の開催に向けての準備期間は、まさに言い残すことが無いようにすべてをお話ししなければと、気持ちが相当高ぶっていました。

参加していただいた皆さんは、中学生から高校生、それから20代30代40代50代と、まさに様々な年齢層に広がり、サッカーの指導者が中心ではありましたが、陸上競技の方や、治療する側の立場の方まで、本当に幅広く多様なニーズを持って参加していただきました。

そのすべてにパーフェクトにお応えできたかどうかは自信がありませんが、今回は体の動きを操体法とオクタントトレーニングの実技で体感していただき、歩くことから走ることへの動きの転換も、外の公園で1時間以上にわたって皆さんと一緒に走ることで、私が言葉で表してきたことを体で理解していただくことができたのではないかと思います。

陸上短距離を専門としている選手と指導者の立場で、親子で参加していただいた方からは、今までこんなに楽に走れたことがなく、故障で苦しんでいた子供が、楽しそうに走り続ける姿を久しぶりに見たと驚いておられました。

中学生の子供さんも、こんな感じで走れたのは初めてだと不思議そうな顔をしながらも、何本も何本も繰り返し走ってくれました。

今までこう教わってきた、こうするのが当たり前だと思っていたことでも、実際にやってみて自分の体が納得し、今回のように大勢の方が全員納得するという現実を見れば、今までの常識ってなんだったんだろうと思うのが当たり前ですよね。

私は変わり者でも何でもなく、おかしいと思ったことに対して、ではどうすればいいのか別の何かがあるのではという野次馬根性を持ち続けてきただけのことなのです。

言葉だけでは理解できなかったことが、実際に体験し事実だと認識していく作業ほど面白いものはありません。

私が特別な能力を持っているわけではなく、しいて言えば自分以外の人間を信用していないということなんだと思います。

だからこそ自分を律し、自分の中でこれだと納得できたものだけを人に伝えてきたのだと思います。

参加者の皆さんには一つお願いごとをしました。

皆さんに読んでいただけるオープンの形で、今回の感想をコメントしてくださいというものです。

さっそくお一人コメントをいただきました、原文通りに掲載させていただきます。

参加されていない方々にも、西本塾の雰囲気を感じていただければと思います。

まずは「愛知県のジュニアサッカー指導者」さんからのコメントです。

ありがとうございました。

西本塾、2日間ありがとうございました。

愛知県に帰ってきて非常に充実した2日間であったと改めて感じております。

何よりもまず西本さんの熱さに驚くと同時に、非常に良い刺激を受けました。

2日間延べ18時間くらいずっとお話をされ、聞いているこちらに本当に熱い気持ちが伝わってきて、普通ならばこんな長い間話を聞ける性格ではないのですが、あっという間に時が過ぎ去り、まだ聞きたい、もっと聞きたいと思えるような内容でした。

内容はこれまで自分がいかに木の枝葉の部分での指導しかできていなかったと思わされるもので、本当に日本のサッカー選手が世界と闘って、本当の意味で勝って行くには必要不可欠であると感じるものでした。

間違いなく今後の選手育成に欠かせないものです。

そして何より、様々な選手の映像や実際の子供達の動きを見て、なぜあの選手はあんなにしなやかに観えるのか?なぜこっちの選手は硬く観えるのか?なぜ簡単に1vs1で負けてしまうのか?といった部分でのこれまで自分の中にあった動きの疑問、違和感がすっきりしました。

これは決してブログを読んだだけでは分かり得なかったことだと思います。

実践を交えて充実した内容にしていただき、本当に感謝しています。

と同時にこれからは少しでも多くの子供に伝えていくために、まずは自分が実践できるようにしなければですね。

また機会がありましたら、是非参加したいと思います。自分自身まだまだ選手に正確に伝えれるのにはほど遠いと思いますが、試行錯誤しどうにか子供達に伝えれるようになりたいと思います。本当にありがとうございました。


温かいコメントありがとうございました。

どの瞬間も食い入るような目で私を見てくれ、何度も質問して確認しながらの二日間でしたね。

きっと良い指導者に育っていかれるものと期待しております。

ほんとうに真剣勝負の二日間でした。

今日は心身ともに疲れてしまいました、放心状態です。

明日のことを考える余裕もありません。

皆さんと過ごした二日間、楽しかったです、ありがとうございました。
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1回目よりも2回目
1回目に聞いたことが2回目に聞くことで、理論がスッと入ってくるような感覚であったり、ブログの文章と体を動かして感じる感覚がリンクして、神経回路がバチッとつながるような喜びを何度も体験することができた2日間でした。

やはり前回思ったとおり、仮にまったく同じ内容であってもまた参加したいと言ったことは間違いではありませんでした。

さらに今回は操体法、オクタントトレーニング、歩くことや走ること、といった実技の部分でより深くより多くの収穫を持ち帰ることができました。これは私にとって望むところであり、まさに願ったりかなったりということになりました。

教えていただいたことを現場で実践し、選手たちの変化や、試合で結果を出したことを報告していくことができたら、西本さんの熱い思いに少しでも応えられるのかなと思っています。どうか期待していてください。


2日間の講習で得たものは、私にとって財産です。ですが参加されなかった方もいらっしゃる一日目の夕食のときに出たお話の中にも、有意義なことがたくさんあったのも事実ですので、その中で私の印象に残っていることをひとつだけあげさせていただきます。もし支障があれば削除してください。

まわりもプロのチームばかりというリーグの中で勝てる集団をつくっていくためには、低いレベルの選手を底上げするのではなく、トップのレベルを引き上げていかなければならない。というお話があったと記憶しています。

私が関わる高校野球の現場に置き換えて、参考にできることがあるはずだと感じた言葉でした。

みんなで手を取り合って一緒に横一列で一歩一歩階段を上っていきましょうね。そんなことではとても甲子園を目指すチームにはなれやしないなとショックを受けました。私の中にはそういう考えが少なからずありました。

トップの選手は自分がさらにレベルアップすることでチームの範になる。

それに続く選手はトップになって指導者の指導を一身に受けられるようになることを目指す。

底辺の選手たちは上の選手たちの練習パートナーに甘んじることなく這い上がるために工夫と努力を重ねる。

上の者は常に下のものからの突き上げというプレッシャーにさらされて、自らをレベルアップさせ続けなければいけない。

それぞれの立場の選手が自分の立ち位置を自覚して、できる事とすべきことに徹する。

チーム内での適切な競争原理というものはそういう事なのではないかと感じました。


今回もほかでは得られない経験をさせていただくことができました。
西本さん、それからお手伝いをしていただいた奥様と息子さん、一緒に学んだ皆さん、第2回西本塾にかかわったすべての方に感謝したい気持ちです。そして私はやはり次回の開催を期待してしまいます。
ですがひとまずは第2回西本塾が前回よりさらにパワーアップしてすばらしかったことに感謝をさせていただきます。

ありがとうございました!
  • 2013-12-17│12:20 |
  • 森孝寿 URL│
  • [edit]
子どもの笑顔
今回、親子で西本塾に参加させていただきました。
息子は小学生の時に小さい枠の中ですが、頂点に立ったせいもあり、中学生になってから追われる立場で焦りもあって故障ばかりの日々をこのシーズンは続けていました。
全力で走ることの「気持ちよさ」が大好きだった子が、次第に全力で走ることに対する恐怖感、「負けたらどうしよう」「痛くなったらどうしよう」が優先してしまうようになっていました。小さいころから全力で走ってはすっきり笑顔になってた子が、この1年泣いてばかりでしたが再び笑顔を取り戻せたことが何より親としても嬉しく感じました。
参加させていただく前から、太ももの肉離れ後遺症で何度も痛みが出ていましたが、実は今日も部活動の後に若干痛みが出てしまいました。でも、今回の操体法とオクタントトレーニングを取り入れて私が処置したところ、完璧とは言えないものの、ずいぶん症状が軽くなりました。故障を完全に防ぐのが理想ではありますが、今回参加させていただいて、少々のことは自分の力で乗り越えられると自身もつき、処置を通じて親子のゆったりとしたコミニュケーションがとれて一石二鳥です。

また、私は小学生の陸上クラブの指導者としても参加させていただきまして、早速本日の練習から少しずつ取り入れさせてもらっています。なかなか伝えていくのは難しいですが、操体法と同様に対話を重ねて、じんわりと浸透していけばいいかと思っています。

ちなみに、息子は研究熱心で、いろんな選手の動きをYOUTUBEなどで検索しては見ているのですが、今回の走法を体験して「あっ、これ伊東浩司さんの動きに似てる。意識してないけど勝手にあの人みたいに脚がスッと動く!」と行っていました。100mの日本記録保持者の伊東さんのことです。脚の運びだけ見ていると再現できないものですが、もっと根っこの部分に注目することで、発見できることがあるということですね。

なんだか支離滅裂なコメントになってしましましたが、今回参加させていただき、今後の視界が大きく晴れ渡ったように思います。
幸い比較的近くにいらっしゃいますので、何かと今後もご指導いただければ幸いですし、近くの競技場でクラブの教え子やわが子が大会に参加する際はご覧いただければと思います。
2日間本当にありがとうございました。
また、一緒に参加した皆さんも本当に熱心で、刺激を受けました。皆さんのそれぞれのお立場でのご活躍をお祈りしています。
  • 2013-12-16│23:44 |
  • 福山の親子 URL│
  • [edit]
2日間ありがとうございました
第二回西本塾に参加させて頂きありがとうございました。
ブログや雑誌上ので文字ででしかわからなかった内容が、実際に西本さんの口から発された言葉と、説明を受けながら自分の身体を使って経験できたことで、「あそこに書かれたことはこういう事だったのか」と頭と身体がリンクしました。
本当に充実した2日間でしたが、やはりわずか2日間では全てを理解することも、身体に覚えこますこともできていません(当たり前ですよね…)
ただ、西本さんが僕ら参加者に伝えようとしてくださった熱い情熱は本当に伝わりました。

1日たって朝起きたら、肩甲骨周辺から背中にかけて筋肉痛があり、重たいウェイトを使ったトレーニングなんてほとんどしてないのに筋肉痛がくるなんて、普段いかに背中を使ってないか気づかされます。
この身体の反応は、この2日間の使われるべき部位を使った証拠と考えてよろしいのですかね?
ただハムストリングにも結構筋肉痛があり、これは走る時にまだ地面を蹴ってしまっていたのかなとも思っています。

僕はどうしても頭で理解しようと理屈を求てしまったり、また正直言うと西本理論が今まで自分が学んできたことと全く異なり、覆してしまう考え方のため、まだまだ消化しきれていない部分が多くあります。
ただこれは決してネガティブな意味ではなく、今まで自分が常識だと思ってたことを疑う必要と、やはり常に考え学ぶことが必要だということを気づかせてくれたことに感謝しております。

今回学んだ事をこの2日間だけのものにしないように、先ずは自らの身体を使って、そしてそれを選手に伝えていけるように精進していきたいと思います。

実はしばらく日本を離れることになったため、広島にもしばらく訪れることが難しいのですが、また必ず西本の元に学びに行かせていただきます。
その時は何卒よろしくお願いします。
本当にありがとうございました。

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プロフィール

Author:西本 直
1993年、Jリーグサンフレッチェ広島を皮切りに、社会人野球三菱重工広島・協和発酵・ヴィッセル神戸・川崎フロンターレ、そして広島カープ佐々岡真司投手など、プロアマ問わず競技レベルのスポーツ選手から一般の方まで、トレーニングやメンテナンスの指導を行ってきました。
その経験と知識の蓄積を「西本理論」としてまとめ、一人でも多くの方に実践していただくことが、これからの私の使命であると信じ、このブログから発信していきます。
私の理論はスポーツ選手のみを対象としたものではなく、ビジネスマンや家庭の主婦まで老若男女すべてに当てはまる不変のものです。
指導や講演のご依頼も受け付けています。
実名でツイッターも書いていますので、チェックしてみてください。
また、2013年9月9日にConditioning Studio 操をオープンしました。こちらもご覧ください。
また、遠隔地にお住まいの方を対象とした動き分析とアドバイスを行っています。
詳細は「スタジオ操」のホームページ内の「遠隔サポート」をご覧ください。
西本塾を深める会を9月10日(日)に開催を予定しています。
詳細はstudio操のホームページ内の「講習会情報」をご覧ください。

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