実践者からの質問に答えて

西本塾に参加していただいた方から、さっそく実践し疑問点が発生したということで、質問を寄せていただきました。

また、同じ職場で仕事をされている同僚の方からも、西本塾の話を聞き、一緒に参加していただいたつもりになって、ご自分の仕事に生かしていただき、同じく質問をいただきましたので、これからそれにお応えしていきたいと思います。

まずは札幌から来ていただいた諏訪さんからです。

オクタントトレーニングの負荷について質問です。

第二回西本塾に参加してから早くも二週間が経とうとしていますが、自分なりに操体法を実践していて感じたことをご報告いたします。

1、筋肉の凝りがある人により効果的
マッサージをしても翌日にはつらくなる方へ操体法をすることで、その日だけでなく3日4日と長持ちしやすい傾向がありました。

2、どこでも気軽に行える
鍼灸と比較すると顕著なのですが、「消毒しなくてもよい」「鍼の恐怖感を払拭しなくてもよい」ことで親戚の家や友人の家で症状のある方に突然出会ってもすぐに施術できるのは魅力的です。

3、施術を受けた方もセルフケアとして導入しやすい

操体法で症状が軽くなった高校生から「この動き、家でもやってます」とこちらから特に指導しなかった動きまで実践してもらいました(とてもうれしい気持ちになりました(^-^))

このようにまだ始めたばかりの私でも「手応え」を感じさせてくれる操体法&西本理論にとても「ハマって」います。

ここからは質問です。

本日職場のスタッフに操体法を実践している際、前鋸筋の筋力に左右差があることがわかりました。
そこで「これはオクタントトレーニングだ!」と思い、肘を伸ばした状態で壁を押すような動作に私が抵抗するといった動作を数回行ってみたのですが「肩甲骨が後ろにはがれそうな嫌な感じがする」と言われたので中止しました。
このように動作に抵抗をした際に痛みや嫌な感覚があった場合は、
1、抵抗力を弱めて痛みの出ない範囲で運動させる
2、前鋸筋が伸展されるような別な動きで抵抗をかける
3、トレーニングではなく、操体法の範囲で治療する
4、その他
どの選択がベストですか?

実際に西本さんのオクタントトレーニングを見せていただいたときを振り返ってみると、かなりの抵抗をかけていたように思われます(まさに格闘技でした(*_*))

スポーツ選手のトレーニング時期と試合前のウォーミングアップでの負荷のかけ方の違いや、一般の方で日常生活をスムーズに行うためのトレーニングに用いる負荷の程度をぜひお聞きしたいです。

よろしくお願いいたします。


うーん、なるほど、さっそくの実践さすがですね。

西本塾は理屈や実績をひけらかす場所でないことはお話しした通りです。
私と今すぐ同じ感覚で実践することは難しくても、それぞれの感覚ですぐに役立てていただけるように指導させていただいたつもりですから、こういうご意見をいただくとますます励みになります。

言葉は悪いですが下手は下手なりに効果を出せるというのが、操体法の良いところだと思います。

いつかこのブログにいただいたコメントで、高価な治療機械の効果をきちんと勉強して認めるべきだという、ご指摘をいただいたことがありましたが、諏訪さんが言われるように、いつでもどこでも精神的な不安もなく施術ができ、お互いにその効果を実感できる操体法は、色々な意味で我々の健康な生活を営むために大きな存在になりうるものだと思うのです。

微力ではありますが、操体法がもっともっと広がっていくために、お役に立てればと思っています。

ご質問の件ですが、オクタントトレーニングの負荷は、こちらが決めるものではありません。

抵抗をかけるときに、相手の力加減を探り、確実に目的とした8方向への全身の連動が行える範囲で、相手の力を引き出していきます。

格闘技のように見えるというのは、最低でもこちらは、相手が安心して力を発揮できるように、相手より上の力を発揮しておかなければなりませんので、初心者はどうしても、それに負けてはなるかと対抗するため、そういう雰囲気になります。

お互いがお互いの動きや力加減を知ることで、今はどういうタイミングだから、どのくらいの力で行っておこうというような発想になってきます。

ですから、あの動きがそのまま全身のストレッチ感覚で行うこともできますし、まさに筋肥大まで頭においたトレーニングにもなりうるのです。

操体法から発展して作り上げたというのはそういうことで、こちらが決めるものではなく、二人で作り上げる関係の中で、必要な負荷や回数、狙うべき連動の起点や、届かせたいポジションなど自由自在なのです。

20年前にも全く同じ質問を受けていますが、負荷の掛け方次第では、どんな高価なトレーニングマシンにも負けない、効果を生み出すことができると自負しています。

もちろん筋肥大に関してもです。

研究してください。

前挙筋の動きについてですが、正面から壁の代わりに手のひらに抵抗を掛けたのでしょうか。
そうだとしたら、確かに肩甲骨が後方に不安定な感覚が出たのかもしれませんね。

こちらの手は二本しかありませんから、こんなやり方はいかがでしょう。

相手の手は実際に壁もしくは固定物を押してもらう、こちらは相手の後方から、片手で肩甲骨を支え、後方への不安定感を支える、すると骨盤あたりにねじり感というか股関節がその動きを助けるような連動が起こってくると思います。

その動きに対してもう片方の手で抵抗をかけると、さあどうなるでしょう、やってみてください。

壁を押すという一つの動作から伝わって行く、全身の関節の連動を見逃さず、的確なポジションに抵抗をかけてあげることで、相手の動きを引き出して行く、操体法も考え方は全く同じです、オクタントトレーニング、もっともっと深く入り込んでみてください、面白い世界が見えてきますよ。

次は諏訪さんの同僚の 仲尾さんからのコメントです。

初めまして。
こんにちは。
初めてコメントさせていただいます。
先日の第2回西本塾に参加した札幌の諏訪さんと共に働いております仲尾と申します。

諏訪さんから西本塾の話しを聞き、私自身は西本先生とお会いしたことがないのですが、
こんな出会いがあるんだなと驚いております。

というのは、
私は整骨院で柔道整復師として働きながら、母校の大学アメリカンフットボール部のトレーナー(怪我人に対する施術、トレーニング指導)として活動しているのですが、トレーニングや怪我の予防に対して納得のいく結果をだせず行き詰まりを感じており、最近では動きづくりや姿勢づくりをしていくことで打破できないかと考えておりました。
しかし、自分の中で確固としたものがなくどうしたものかと悩んでいたところに西本先生との出会いがありました。

しっかりとした形にはできていませんが、私の考えていたことと諏訪さんから聞いた西本塾の話しがあまりにもリンクしてすごくワクワクしたと同時に私も参加したかった、そう思いました。
ブログも全て読ませていただきました。
今まで見てきたどんなものよりも説得力があり、納得できました。

まずは自分自身で確かめてみなければと思い、今は歩き方とウェイトトレーニングを諏訪さんから聞いたこととブログに書いてあることを参考にしながら実践しています。

そこでひとつ質問があるのですが、
アメリカンフットボールという競技特性上、ぶつかり合うことがほとんどです。
ですので「重さ」が重要な要素になります(もちろん速さ、うまさもですが)。
私のチームでは全員が大学からアメフトを始めますし、大学の色のせいなのか線の細い子が多く、20kgは増やしたうえでより速く、よりうまくなれるのが理想です。
さらにチームの人数が少なく1年生も秋の公式戦には重要な戦力となります。
そんな中で今までは冬のオフシーズンには筋肥大、春からは筋パワー発揮というような流れでウェイトトレーニングやランメニューに取り組んできました。
1年生はまずは無理のない重さでフォームを覚えることから始めますが、秋からの戦力として鍛えるため筋肥大メニューを早い段階で取り入れます。

西本理論でウェイトトレーニングを続けた場合、私の考える理想に近づけることはできますでしょうか?

西本理論を理解してないじゃないかと言われてしまいそうですが、
どうかご指導いただきたいと存じます。

何卒宜しくお願い致します。

今回のコメントをどこにすべきか色々と考えた結果、最新の記事にしてしまいました。
記事の内容と関係ないコメントをしてしまうことをお許し下さい。


みなさん試行錯誤の毎日ですね。

私がこれだけ物事を断定的に言い切ることができているのは、理論というより実践の中で全て選手たちが結果として見せてくれたものだからです。

私の理論を一番継続してくれた、社会人野球の三菱重工広島の選手たちの身体、そのトレーニングの内容、直接見たら驚くと思います。

重さや回数を競うのではなく、筋肉に対して正しい負荷をかけるための、フォームであり重さであり回数であると説明していますので、最初はこんな重さでいいんだろうかと思うはずです。

ベンチプレスが80キロだ100キロだと自慢している選手でも、私のイメージ通りに行うと、どう頑張っても60キロがやっとです。

最初は40キロでしかやらせません、どういうことかというと100キロを挙げられるといっても、実は刺激が届いて欲しい筋繊維ではなく、他の部分が頑張っているだけのことで、目的とする関節や筋肉の連動になっていない場合がほとんどなのです。

筋肥大のためにはMAX何%の重量で何回、何セット、それも実証された事実かもしれません。

しかしそうやって手に入れた肥大した筋肉や筋出力が、実際の競技動作に思ったような好影響を与えてくれないという事実こそが、指導する側と選手双方の大きな問題点として、解消されないままに年月が過ぎて行っているというのが実際ではないでしょうか。

聞こえのいい肉体改造という言葉に踊らされて、死ぬほど努力したにもかかわらず消えて行った選手がどれほどいたことか。

だからこそ「体作りから動き作りへ」というテーマを追っているのです。

三菱の選手たち、話が違うじゃないですかというくらい、すごい重量を扱っています。

スミスマシンの膝と股関節を90度にして行う、股関節スクワットで最低でも130キロ、150キロくらいできる選手も何人もいます。

そんな重さは必要ないではなく、彼らにとってその重さが正しいフォームで行って、正しい刺激を得られる適正な重量になって行っただけのことなのです。

ですから、基本的に「期分け」という発想もありません。

常に正しいフォームで正しい刺激を求めて行く、その過程の中で、オクタントトレーニングのことで先ほども説明したように、今自分はどのくらいの重量でどのくらいの可動域で行えばいいのかを自分で判断できるようになるのです。

いかがでしょうか、参考にしていただければと思います。


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Comment

ありがとうございます。
実践の中で全て選手たちが結果として見せてくれたもの・・・納得させられます。

私自身も選手時代、細かった体を筋肥大をさせて大きくし、強く、速くはなりました。しかし、怪我が多かったのです。
連動させていくという動きづくりをしなかった結果だと思います。
ですので現役の選手たちには同じ思いはさせたくありません。

まずは自分で実践してみます。
常に正しいフォームで正しい刺激を求めて行く。
今自分はどのくらいの重量でどのくらいの可動域で行えばいいのかを感じられるようまずはやってみます!

また質問させていただくこともあるかと思いますがご指導宜しくお願い致します。
  • 2013-12-28│08:04 |
  • 仲尾 URL│
  • [edit]

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プロフィール

Author:西本 直
1993年、Jリーグサンフレッチェ広島を皮切りに、社会人野球三菱重工広島・協和発酵・ヴィッセル神戸・川崎フロンターレ、そして広島カープ佐々岡真司投手など、プロアマ問わず競技レベルのスポーツ選手から一般の方まで、トレーニングやメンテナンスの指導を行ってきました。
その経験と知識の蓄積を「西本理論」としてまとめ、一人でも多くの方に実践していただくことが、これからの私の使命であると信じ、このブログから発信していきます。
私の理論はスポーツ選手のみを対象としたものではなく、ビジネスマンや家庭の主婦まで老若男女すべてに当てはまる不変のものです。
指導や講演のご依頼も受け付けています。
実名でツイッターも書いていますので、チェックしてみてください。
また、2013年9月9日にConditioning Studio 操をオープンしました。こちらもご覧ください。
また、遠隔地にお住まいの方を対象とした動き分析とアドバイスを行っています。
詳細は「スタジオ操」のホームページ内の「遠隔サポート」をご覧ください。
今年2回目の西本塾を8月26・27の土日に開催を予定しています。
詳細はstudio操のホームページ内の「講習会情報」をご覧ください。
なお、今回も参加者が5名に満たない場合は開催しません。
9月10日には深める会も予定しています。

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