日本から世界へ

昨日のNumberWebに掲載された、大迫勇也と本田圭佑の「共通点」欧州のあたりに耐える姿勢とは?と題した、スポーツライターの木崎伸也さんの記事が反響を呼んでいます。

その記事の中で、昨年の11月に行われた、日本代表対オランダ代表のテストマッチのワンシーンを切り取った一枚の写真から読み取れる、大迫選手の卓越した体の使い方を、私が解説して褒めたことが、改めて記事の中で紹介されていました。

NumberWebにアクセスした人は、大迫選手と本田選手という名前とタイトルに魅かれたのは間違いありません。

今年はワールドカップイヤーでもあり、二人の動向は私のようなものでも気になる存在となっています。

木崎さんは現在も本田選手の取材でイタリアに滞在中とのこと、仕事とはいえ日本にいるのは一年のうちどれくらいなのだろうと、余計な心配をしてしまうほどの忙しさです。

私自身は、仕事で3つのJクラブに所属しましたが、特にサッカー自体が好きとかいうレベルではありませんでした。

しかし昨年後半から個人としての活動に戻り、それがきっかけとなってユースやジュニア世代のサッカーの指導者の方々とのご縁ができました。

その中で感じたことは、自分が育てている子供たちを、世界に通用する選手に育てたいと、皆さんが本気で考えていることでした。

ある意味とても驚きました。

私が育った野球の世界で、小学生中学生、いや高校野球や大学野球の指導者であったとしても、自分が育てている選手がいつか世界の舞台で活躍できるための指導をしているなどという言葉を使う人はまずいないと思います。

この違いは何なんだろう、理由はどうあれ、そういう意識を持って指導者としての自分がもっと学ばなくてはと、私のところに来てくれる彼らの姿はとても純粋で、私でお役にたてるのなら何でも教えてあげたいと思わせてくれました。

ブログの読者やツイッターの読者の方からも、そういう純粋な熱いものを感じさせてくれるコメントをたくさんいただいています。

おそらくサッカーを愛するサポーターのみなさんも、同じ気持ちで選手を見ていることでしょう。

贔屓の選手やチームに、そして日本代表のユニフォームを着る選手たちに、なんとか頑張ってほしいとエールを送っていることでしょう。

そんな皆さんにとっても、日本人はフィジカルが弱い、1対1の局面では体格に勝る外国人選手に当たり負けをしてしまう、これは仕方がないことなのだろうかという思いが大勢を占めていたように思います。

もしかしたら選手も指導者も、そしてサポーターのみなさんも、ある意味仕方がないことだと諦めていたことかもしれません。

古い話になりますが1964年の東京オリンピックで、日本のお家芸である柔道で、重量級の選手がくしくもオランダの選手に抑え込まれ1本負けを喫してしまったとき、やっぱり体が違うからと、その一言であきらめざるを得ない空気が日本中を支配しました。

人種の違い、生まれ持った遺伝子の違い、食べているものの違い、筋骨隆々とした外国人選手に対抗するためには、それに負けない大きな体を作らなければならない、あれから50年、7年後には再び東京でオリンピックが開催されます。

生活様式が欧米化されたとはいえ、我々はやはり日本人です。

骨格や筋肉の発達の仕方は、欧米人と比べて明らかに劣っています。

それを筋力トレーニングが導入され、肉体改造という旗印のもとに、見た目だけなら外国人選手に勝るとも劣らない肉体を作り上げた選手もたくさん出てきました。

ではそれがそのまま競技成績に結び付いてきたのでしょうか。

トレーニングすることはもちろん必要なのですが、その体をどう使うかという視点が、残念ながら欠けていたように思います。

同じ外見の肉体なら、無理をして作り上げた体より、持って生まれた肉体の方が自然な使い方ができると思うのは当然なことではないでしょうか。

我々が真似をしてきたのは、あくまでも外見的な肉体と、数値で表せるく筋力の向上だったと思います。

それだけでは追いつかない何かがある、ずっとそう思い続けてきました。

小柄な日本人には俊敏さとスピードとテクニックがある、そんな言われ方もしましたが、外国の選手にはそれらもすべて持ち合わせたうえでの肉体的な強さを持っている選手がいくらでもいるのです。

だったらまったく付け入る隙もないのか、そうではないことにずっと前から気づいていました。

それが人間本来の体の仕組みや筋肉の働きをコントロールすることでした。

新しい発見でも私が考えた理論でもなく、現実にそういう動きができている多くの選手たちの動きから導き出された、まさに事実こうやって使うとこうなりますよという、目の前に繰り広げられる普通の光景の中からでした。

それが特別な能力であるかのように言われることで、本人でさえその動きを説明できないものとなっていました。

それがたまたま公のメディアに紹介されたことによって、今まであきらめかけ、日本人の弱点とされていた部分に光明が差したような、一種の感動をみなさんが感じとっていただけたのではないでしょうか。

一朝一夕に身に着けられるものではありません。

技術というより、感覚的なものなのですが、代表選手たちがみんなそれを身に付ければ、予選突破どころかもっと上位に、とあの記事を読んで胸躍らせた人もいるかもしれません。

私が考えている程度のことが、なぜ今まで誰からも発信されず、普通のこととして広まっていかなかったのでしょうか。

私には分かりません。

逆に私は、そんなこと誰でも知っていて、改めて言うようなことではないと思っていたくらいです。

それが木崎さんとの会話の中で、そうではなかったことにようやく気がつき、ならば遅まきながら私がとなったわけです。

木崎さんの記事に勇気づけられたサポーターの方、また指導者や現役の選手もたくさんいたと思います、

隠すことも出し惜しみもしません、人間として生まれ備わった共通の能力です。

それに気づき、意識し、練習すればだれでも身に付けることができます。

同じ動きを身に付けた者同士が対決したらどうなるか、矛盾という言葉がありますが、動きを洗練させいかに頑張らないでその動きを体現できるかが勝負の分かれ目となります。

日本人は特に歯を食いしばって、額に汗したものを賞賛する風潮があります。

しかし、ことはそんな単純なものではありません。

この記事がきっかけとなって、みなさんの常識が変わることを願っています。

記事の文中に、このブログの直リンクを張っていただいたおかげで、昨日今日ですでに3000というとんでもない数字のアクセスをいただきました。

普段は50人くらいの方が、ほぼ毎日のようにアクセスして私の考えを共有しようとしていただいています。

今回のことはイレギュラーなことで、こんな数字が続くはずはないことは分かっています。

ただこうしてご縁があって、みていただいた内容です、頭の隅っこにでもおいていただき、スタジアムでテレビで観戦する際には、選手の動きそのものにも注目してみていただくと、サッカーがより面白く感じられると思います。

暇な時にでも過去記事を読んで見てください、私の言っている意味が少しは分かっていただけるかもしれません。
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Re: まだまだデス…が。
彼には既に新しいブレーンがついています。
もう私の出番が来ることはないでしょう。
私は別の意味で独自の道を切り開き、先頭を走り続けるつもりです。
それを楽しむことができたら、きっとみなさんのお役に立てると思います。
  • 2014-01-17│09:20 |
  • 西本 直 URL│
  • [edit]
まだまだデス…が。
当たり前と思ってるからなおさら、奥が深く当たり前を当たり前になかなかでない難しさを痛感します。トップレベルになればなるほど要求される事もすごいんでしょうね。
八宏さんとともに、私らの未知の世界に行って下さい!そして私達にトップダウンをお願い致します!
さて、私のオクタント奮闘記ですが、先日ポイントを教えて頂き背骨に意識をと伝えると連動を感じる事ができました。ありがとうございました。相手への指示や、間、自分の体力。まだまだデス…が。頑張ります!
  • 2014-01-16│21:49 |
  • 神野慎哉 URL│
  • [edit]

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プロフィール

Author:西本 直
1993年、Jリーグサンフレッチェ広島を皮切りに、社会人野球三菱重工広島・協和発酵・ヴィッセル神戸・川崎フロンターレ、そして広島カープ佐々岡真司投手など、プロアマ問わず競技レベルのスポーツ選手から一般の方まで、トレーニングやメンテナンスの指導を行ってきました。
その経験と知識の蓄積を「西本理論」としてまとめ、一人でも多くの方に実践していただくことが、これからの私の使命であると信じ、このブログから発信していきます。
私の理論はスポーツ選手のみを対象としたものではなく、ビジネスマンや家庭の主婦まで老若男女すべてに当てはまる不変のものです。
指導や講演のご依頼も受け付けています。
実名でツイッターも書いていますので、チェックしてみてください。
また、2013年9月9日にConditioning Studio 操をオープンしました。こちらもご覧ください。
また、遠隔地にお住まいの方を対象とした動き分析とアドバイスを行っています。
詳細は「スタジオ操」のホームページ内の「遠隔サポート」をご覧ください。
西本塾を深める会を9月10日(日)に開催を予定しています。
詳細はstudio操のホームページ内の「講習会情報」をご覧ください。

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