西本塾参加者からの質問に答えて

先月行った、第二回の西本塾に参加してくれた、シアトルでサッカースクールを運営している木下さんから質問をいただきました。

折角ですので表のページでお答えさせていただきます。

西本さん、西本塾では大変お世話になりました。
シアトルではアメリカ人の子供達に理解・イメージし易いように「スネークムーブ」(こんにゃくの様にと言って理解されませんので・・・)といいながら走りや動き作り行っていますが、特に年齢が低い8・9歳の選手達の動きは大きな進化が見られています。
今回のブログにあまり関係がありませんが、操体法とオクタントトレーニングについて質問をさせて下さい。
指導しているU15のサッカー選手が先週の土曜日の練習試合で左足のtibia/脛骨にヒビが入り、現在は簡易のプレート(そえ木)で固定してあります。私としても西本さん同様身体を動かしながら直し、復帰する方がベターだと思っていますが、ヒビが入っている選手に対しての操体法やオクタントトレーニングを行なう上での注意点等がありましたら、教えて頂けませんでしょうか?よろしくお願いします。


木下さんはアメリカ・シアトルと鳥取県を行き来しながら子供達にサッカーを指導している方です。

彼が現役選手として最後に所属したヴィッセル神戸に、彼がチームを離れた翌年に、私がフィジカルコーチとして一年間を過ごしたという、もし一年違っていれば同じチームで一緒に戦った仲間だったかもしれないという浅からぬ縁がありました。

昨年末の一時帰国に合わせて広島までやってきてくれました。

こんにゃくのような動きは、アメリカの子供達には通じませんでしたか、「スネークムーブ」なるほどそんなイメージなのかもしれませんね。

さて、ケガをして復帰を目指している時のケアとトレーニングについてです。

一応匿名で(当時の状況を知っている人には誰のことかすぐにわかるかもしれませんが)紹介します。

ご質問の選手と重ね合わせて読んでください。

ちょうど梅雨の時期で雨が続き、グランドでの練習が二日間できなかった後、試合が迫りもうこれ以上体育館でのトレーニングでは我慢できないと、当時の監督が雨の中、芝生が根腐れしてぐじゃぐじゃの状況の中練習を強行しました。

私は強硬に反対しましたが、最後は監督の判断で練習が行われました。

練習序盤、ミニゲームが始まった途端にM選手が芝に足を取られ転倒しました。

すぐに駆け寄ると足首は大きく外転し、あり得ない角度になっていました。

次の瞬間、なんと彼は自分の力で足首を元の位置にねじり戻したのです。

ものすごい激痛だったと思いますが、彼のとっさの判断でどうすることもできませんでした。

足関節の脱臼骨折、選手生命にも関わる大ケガでした。

すぐに私の車でチームドクターの元へ走り、手術可能な別のドクターの病院にさらに移動し、その日のうちに手術を受けることができました。

チームの練習はその後当然中止になったそうです。

結果論ではなく、起こるべくして起こった事故だと、20年近く経った今でも、あの時練習を強行した監督の判断は間違っていたと思っています、それくらいあの時のグランド状況は最悪でしたから。

プロの選手ですから、一日も早く復帰を目指さなければなりません。

退院後はほぼ毎日私が付いてケアとトレーニングを行いました。

足首以外は全て動かせるわけですから、工夫すれば様々なトレーニングを行うことができます。

立って踏ん張ることはできませんが、例えばレッグエクステンションであれば、患側の太腿を私がしっかり押さえてあげれば、健側は普段の動きに近い状態で筋力を発揮することができます。

そうでないと体のバランスが取れず力が入りません。

そういう工夫をすれば、直接足首を動かすことはできなくても、他の部位は十分鍛えておくことができます。

足首が動かせるようになって回復が進んだ時、他の部分は準備万端整っているという状態で待っていられるというわけです。

脛骨であれば膝上までは使えると思います。

実技で見せたように、ベッドに座って膝の伸展屈曲をそう反して行う動作でも、膝蓋骨の上部を安定させてあげれば、腱則は動かせると思います。

同様に膝を引き上げる動作、左右に動かす動作など、ほとんど可能だと思います。

それから仰向けに寝た姿勢からでも、うつ伏せに寝た姿勢からでも、抵抗をかける位置が脛骨に負荷がかからないと判断できる動作はたくさんありますので、一つ一つの動作を確認しながら行えば危険はありません。

操体法の整えるという意味の動作なら、つながりがもっとわかりやすいので、足にこだわらず遠隔操作を勉強する良い機会と捉えて、実験台になってもらうつもりで色々やって見てください。

私の話に出てきたと思うのですが、「寝違えた人の首を触ってなおすのは素人でもできる、足首から下だけを触って治せるようになれば一人前」 という、渡辺栄三先生の言葉をかみしめていただいて、脛骨に負担をかけない全身の連動動作を探してみてください。

遠くアメリカ・シアトルで、私が指導したことが広まって行くなんて、こんな嬉しいことはありません、頑張ってください。
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Re: 先日はありがとうございました。
遠くからありがとうございました。
まだ8歳の息子さんを海外に、きっと素晴らしい経験を積み重ねて行くのでしょうね。
私のお伝えしたことが、少しでもお役に立てれば幸いです。
もうすぐ出発ですね、元気で伸び伸びサッカーを続けてくれることを願っています。
  • 2014-01-24│09:19 |
  • 西本 直 URL│
  • [edit]
Re: お世話になりました。
野田さん遠く熊本から来ていただきありがとうございました。

私の理論を体験したいとやってくる人は、基本的に自分がスポーツを行っていて、その動きのヒントが欲しいとか、指導者として自分の指導に活かしたいという人がほとんどです。

単純に言えば実利を求めている方々です。

ご連絡いただいたときも、そのどちらかだと思って聞き返してしまいましたが、私のブログを見て、私の考え方やトレーニング、そして操体法を実際に体験したい、それだけの純粋な思いでわざわざ仕事を休んで広島まで来てくださる方がいるとは思いませんでした。

私の考えていることなど、興味のない人にとっては何の価値もないただの屁理屈みたいなものでしょう。

だから私は、そういう人にまで私の考えを理解してもらおうとか、話を聞いてもらおうなどと言う気持ちはまったくありません。

話をするために費やした、私の労力が全く無駄になりますから。

逆に私の話を聞きたいと、わざわざ来ていただいた方に対しては、限られた時間ではありますが、それこそこれでもかというくらい一人語りをしてしまいます。

今日も予定の2時間をはるかに超えてしまいました。

仕事として考えれば、時間も気になるところですが、今は私の考えを聞いてくださる方がいるということが嬉しいばかりです。

もっと忙しくなっていればそうはいかないかもしれませんが、今のうちに来られた人はラッキーでしたね。

とにかく、知らなければ知らないで、普通に生活していくうえで困ることなどないかもしれませんが、私がお話したこと、また体験していただいた体の使い方などを知っておくことは、体にとって大いなる雑学としていつか必ずお役にたつはずです。

内緒にしておきたいですが、宴会の一発芸にも使えるものがいくつかありましたよね。

人が知っていることは自分も知っていたい、できれば人が知らないことを自分だけは知っていたい、そんな分野があっても面白いと思います。

またいつかお会いできますように、楽しみにしています。
  • 2014-01-22│21:22 |
  • 西本 直 URL│
  • [edit]
お世話になりました。
お会いできてよかったです。
トレーニングの際、体の動きについての表現が非常に分かりやすかったです。
出来る出来ないは私、個人の問題でしたが(笑)

操体法を施術いただき、自分が怖くて出来なかった動作が出来たことに驚くとともに、今まで自分の体に申し訳ないことをしていたという罪悪感を持ちました。

体験した事を実践し、動ける体を取り戻して、また西本さんに会いに行きます。

貴重な体験をさせていただいたうえに、優しく接していただきありがとうございました。




  • 2014-01-22│19:39 |
  • 熊本の野田 URL│
  • [edit]
ありがとうございます。
西本さん、
直ぐにアドバイスを頂き本当にありがとうございます。実例も取り上げて頂きましたので、早速この選手に試してみます。

私も今年1月から治療家としての活動も本格的に始めましたので、渡辺栄三先生の言葉を噛み締めてトライさせて頂きます。
  • 2014-01-22│15:08 |
  • 木下 桂 URL│
  • [edit]

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プロフィール

Author:西本 直
1993年、Jリーグサンフレッチェ広島を皮切りに、社会人野球三菱重工広島・協和発酵・ヴィッセル神戸・川崎フロンターレ、そして広島カープ佐々岡真司投手など、プロアマ問わず競技レベルのスポーツ選手から一般の方まで、トレーニングやメンテナンスの指導を行ってきました。
その経験と知識の蓄積を「西本理論」としてまとめ、一人でも多くの方に実践していただくことが、これからの私の使命であると信じ、このブログから発信していきます。
私の理論はスポーツ選手のみを対象としたものではなく、ビジネスマンや家庭の主婦まで老若男女すべてに当てはまる不変のものです。
指導や講演のご依頼も受け付けています。
実名でツイッターも書いていますので、チェックしてみてください。
また、2013年9月9日にConditioning Studio 操をオープンしました。こちらもご覧ください。
また、遠隔地にお住まいの方を対象とした動き分析とアドバイスを行っています。
詳細は「スタジオ操」のホームページ内の「遠隔サポート」をご覧ください。
今年2回目の西本塾を8月26・27の土日に開催を予定しています。
詳細はstudio操のホームページ内の「講習会情報」をご覧ください。
なお、今回も参加者が5名に満たない場合は開催しません。
9月10日には深める会も予定しています。

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