股関節の自由度

今日は股関節の話です。

私の説明の中によく出てくるキーワードの一つとなっています。
この言葉も、読んでいただいただけでは何となくは分かるけれど、人に説明できるレベルまで納得できているかと言われれば、そこまではちょっとという方も多いと思います。

股関節というのはいうまでもなく、腸骨に大腿骨頭がはまり込んでいる部分です。
四足動物であった人間が立ち上がり二足歩行に移行したため、なんとなくその可動域は広がり、自由度が増したように感じますが、YouTubeで「チータの全力疾走」という貴重な映像が見られますが、その股関節の動きは私の想像をはるかに超え、言葉では表現できないほどのダイナミックさでした。

股関節の可動域は、二足歩行の我々の動きとは比較にならず、なるほど地上最速と言われるスピードは、こういう動きから生まれるのかと感心しました。

一見の価値はあると思いますので、ぜひ検索して見て下さい。

私たちの股関節は、前後に振り上げる屈曲と伸展という動きはとてもスムーズで、その稼動範囲も大きいですが、左右に振る外転や内転、左右に捻る外旋や内旋という動きの可動域はそれほど大きくありません。

日常生活の中では、歩く走るといった前方向への運動がほとんどなので、それに適した可動域が優先されてきたのだと思います。

何かにつかまって片足を大きく前後に振る動作を行おうとしたら、体全体はどういう姿勢をとろうとするでしょうか。

腰の位置を高くして、できるだけ背筋を伸ばし、体全体を大きく動かそうとするはずです。

腰を落とし、膝を曲げ、上半身が前傾したような姿勢で足を振り上げるようなことはしないはずです。

それはなぜか、理由は簡単です、その方が股関節が自由に動かせるからです。

いわゆる筋力というものを必要としません、体全体が連携して、どこの何筋を使ってなどという感覚にはならないはずです。

周りを見回しても、背筋を伸ばし颯爽と歩いている人は、動きが自然で歩幅も自然と大きくなり、長く歩いても疲れにくいと思います。

それが骨盤が後傾して背中を丸め、膝も曲がったように見え、視線も下を向いてしまったような姿勢で歩けば、足を踏み出すという運動に対して余計な筋力を必要とすることになります。

歩幅も小さくなりますから、結果として多くの運動量が必要となります。

私がこれまで動きの分析を依頼された、超の付く一流選手たちに共通して見られる特徴が、一言ことで言えば「姿勢が良い」と言うことになるのです。

姿勢が良く見えると言う最も大きな理由が、広背筋による骨盤の引き上げが、常にそして自然に行われているということでした。

このことについては、順番に説明していくので今日は触れませんが、その姿勢の良さが骨盤を高い位置に保ち、骨盤を引き起こしているため、股関節の前後方向への振り出しがしやすくなることで、腰が落ち上体が前傾してしまっている姿勢の選手に比べて、明らかに動きだしがスムースで、無駄な筋力も使わず、意図した正確な動きを継続できているのだと思います。

腰を落として踏ん張ってしまうと、重心の移動だけでは動き出せず、自分の体重以上の力で地面に対して働きかけを行わないと動き出せないことになり、これが体重移動による動き出しという結果となります。

地面に対する働きかけ、ぐっと踏ん張る瞬間こそが「居ついている」という状況をうみ、相手の動きに対して一瞬の遅れを生じさせることになるのです。

自分が今ここで何をしないといけないのか、目的があってそこにいるのなら、今まで当たり前と思われてきた、腰を落として重心を低くした姿勢が正しいのか、それとも骨盤を引き上げ重心を高く保つことで、相手の動きに合わせていつでも動き出せる態勢を作っておくことのどちらが大事なことなのか、誰が考えても分かると思います。

股関節の自由度という意味が理解していただいたうえで、次のキーワードは「股関節のアイドリグ状態」という言葉になります。

次回、この言葉を説明して行きます。
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プロフィール

Author:西本 直
1993年、Jリーグサンフレッチェ広島を皮切りに、社会人野球三菱重工広島・協和発酵・ヴィッセル神戸・川崎フロンターレ、そして広島カープ佐々岡真司投手など、プロアマ問わず競技レベルのスポーツ選手から一般の方まで、トレーニングやメンテナンスの指導を行ってきました。
その経験と知識の蓄積を「西本理論」としてまとめ、一人でも多くの方に実践していただくことが、これからの私の使命であると信じ、このブログから発信していきます。
私の理論はスポーツ選手のみを対象としたものではなく、ビジネスマンや家庭の主婦まで老若男女すべてに当てはまる不変のものです。
指導や講演のご依頼も受け付けています。
実名でツイッターも書いていますので、チェックしてみてください。
また、2013年9月9日にConditioning Studio 操をオープンしました。こちらもご覧ください。
また、遠隔地にお住まいの方を対象とした動き分析とアドバイスを行っています。
詳細は「スタジオ操」のホームページ内の「遠隔サポート」をご覧ください。
西本塾を深める会を9月10日(日)に開催を予定しています。
詳細はstudio操のホームページ内の「講習会情報」をご覧ください。

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