頑張らないでも頑張っている

今日の最終テストマッチ、大久保選手の素晴らしいゴールで勝利を収めました。

彼の動きについては、様々な立場から賞賛の声が上がっていますが、私にとっても感慨深いものがあるプレーでした。

もう忘れかけていましたが、昨年のトレーニングキャンプ、さらにそれ以前の練習グランドでのトレーニングから選手に伝え続けたことは、チームとしてやろうとしている戦術、それに必要な個人としての能力を90分間コンスタントに発揮し続けられる能力を身につけてもらうことを一番の目的としたものでした。

一昨年の試合ぶりから、監督の目指す戦術が最後まで続かないことが勝ちきれない原因だと、私なりに分析し、その対策として考えたことでした。

シーズンが始まり丸1ヶ月間勝ち星に見放されましたが、私なりには手応えを感じ、必ず結果に結びついて行くものと信じていました。

ホームゲームで負けた後、社長とこんな会話がありました。

「相手チームの選手は、後半足がつって動けなくなる選手がいたり、試合が終わった途端にピッチに座り込んでしまう選手が何人もいる、それにひきかえうちの選手たちは誰一人倒れこむことなく、まだ余裕があるんじゃないかと思うがどうか」

というものでした。

さらに、「私のところにも、おたくの選手は全力を出し切っていないのではないかといってくる人もいるんだよ」

私は残念でなりませんでした。

試合内容では明らかに優位に進め、最後の最後までチームとしての戦術をやり切ることができていて、残念ながらゴールに見放され、勝利に手が届かないという試合が続いていましたが、周りの目はそんな風にしか見えないんだなと。

相手は明らかにスタミナ切れを起こし、体が動かなくなっている中で、こちらの選手はしっかり動いているのです。

そういうゲームができるようにトレーニングを積んできたのです。

もう終わったことで、今どんな考え方でトレーニングが行われているかはわかりませんので、そういうことがあったということとして聞いていただければ結構です。

代表チームの選手で言えば長友選手は、昔から言われている言い方で言うと、無尽蔵なスタミナをもった素晴らしい選手です。

彼のおかげで世間に認知されたといっても過言ではない体幹トレーニングを行い、誰にも負けない量の走り込みによって、他の選手には真似のできない能力を獲得したのでしょう。

しかし、こういう能力は同じトレーニングをすれば誰でも獲得できるというわけには行きません。

あれだけの心肺持久力や筋持久力は、遺伝的な要素など他にも重要な要素があると思うのです。

私はその能力を選手には要求しませんでした。

他に目的に対して、それ以上の効果を出せる体の使い方があり、その能力を獲得するためのトレーニングを私が既に持っていたからです。

全く同じ条件の中で、どちらが最後まで自分の能力を発揮し続けられるのか、私にとっては答えは初めから決まっていて、そこに近づいて行けばよかったのですが、世間の見方は私の理論にはついてきてくれませんでした。

いま大久保選手の動きに注目が集まり、なぜあんなにスムーズな動きだしができるのか、どうして後半になっても動きが変わらないのか、やっと私が目指したところに目を向けてもらえるようになったきました。

大久保選手の活躍に、私のトレーニングが大きく貢献したなどと言うつもりはありませんが、現実として彼の身体の使い方、走り方を見て、他の選手やサッカーに関わる指導者が、他の選手とどこが違うのか、その何かに気づかなければならないのは間違いないでしょう。

スタミナをつけろではなく、いまの技術を発揮し続けられる体の使い方を身につけてくれと言っているのです。

どちらが早く身につくか、どちらが実際のプレーに効果的か、もう疑問を挟まれる余地はないと思います。

大久保選手が一人特別な選手ではありません、彼だけのことを言っているのではないのです。

世界基準のプレーヤーたちの動きはみんなそうなっているのです。

いつまでも苦しい思いをして走りこまなければ、スタミナもつかない、そういう苦しいトレーニングを経験してきたという精神的な強さも身につかないなどと、いまでも思っている人がいたら、いますぐ改めて欲しいのです。

私の声など何処へも届かないかもしれませんが、日本のスポーツがもっともっと発展して行くためには、少しは耳を傾けて頂いてもいいと思うのですが、いかがでしょう。
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  • 2014-06-14│06:36 |
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Re: 初めまして
コメントありがとうございました。
詳しく書いていただき状況はある程度把握しました。
どんな状況に陥っても、諦めず前向きに進んでいる姿はとても立派だと思います。
痛みに対して過保護になり、私のやり方を受け入れなかった選手やクラブもありましたが、私になんとかして欲しい、私なら何とかしてくれるかもしれないと、真剣に思ってくれる人のために力を発揮しないで、誰のために力を使うのでしょう。
広島は遠いですが、都合がつけばぜひお越しください。
連絡をお待ちしています。
  • 2014-06-10│17:24 |
  • 西本 直 URL│
  • [edit]
初めまして
初めまして西本さん。
エルサムニーオサマというものです、西本さんのブログをいつも読まさせていただいてます!僕は今J3リーグの横浜ysccというチームに所属しています。西本さんの事を知るきっかけになったのはnumberの大久保選手の記事でした、記事を読んでいて、西本さんのおっしゃる身体の使い方にすごく興味をもちまして、ブログを見始めるようになりました。そこで西本さんのいう動き作りのためのトレーニングや考え方にすごく共感するところがありました。少し僕自身の事を書かせてていただきます。僕は沖縄の出身で父がエジプトの人間です。中学を卒業して、東京ヴェルディユースに所属しまして、高校卒業と同時のトップチームに昇格しました、そのあと、2年間トップチームでプレイした後にチェコ1部リーグのチームに移籍をしました、そこでも2年間プレイしたあとに当時j1だったモンテディオ山形に入団しました。1年間所属していましたが、次の年からは当時JFLだった横浜yscc、現在の所属チームでプレイすることになったのです。僕の選手生活の大半が怪我のリハビリに費やされていました。ヴェルディ所属時には1年間グローインペインでリハビリをし、手術をうけイタリアでリハビリをしました、チェコのチームに所属している時は左膝前十字靱帯不全損傷、左膝後十字靱帯損傷、外側半月板損傷、そして山形時代にはグローインペイン、ハムストリングの怪我でほぼ半年をリハビリに費やしました。そして横浜ysccにうつってからすぐに。左膝前十字靱帯断烈、外側半月板損傷、内そく靱帯損傷で手術をうけました、それが2011年10月の事です。昨年の1年をリハビリに費やし昨年のくれにようやく復帰というとこで膝がはれだしまたリハビリに戻らざるえなくなり、現在もリハビリ中です、現在はチームの練習にポゼッションまで合流しているとこです。これだけみればもうサッカーをやる身体ではないんじゃないかとみなさんいわれますが、僕は全くそう思っていなく、まだだまだ第一線で活躍できるという変な自信があるのですが、やはり何かがおかしいのです。今までも色んなとこでリハビリをし、復帰はできているのですが、対処療法的なリハビリ、その場では良くなるが、また怪我をしてしまうことがずっと続いてきました。何度も何度も悔しい思いをしてきました、サッカーが思いっきりできない、自分はもっとできると。そこでnumberの西本さんの記事を、ブログ読んで、すごく心にくるものがありました!怪我をしてから自分の身体、人の身体をみるようになりました、しかし具体的にどうしたら良いのか自分ではなかなかわからいのです。なので是非西本さんにトレーニングを、西本理論を僕に叩き込んで欲しいとずっと思っていました。現在のチームは給料の支払いはなく、自分で働いて生活費を稼ぐことになっています、なのでなかなか休みもなく時間を作ってそちらにお伺いするチャンスがなかったのですが、6月の最後の
週から7月頭にかけて3日間ほどのoffがもらえそうです、まだはっきり日にちは決まっていませんが。なのでこの機会にそちらにお伺いして西本さんに指導をうけたいと思っています。西本さんのご都合もありますので、休みがわかり次第すぐ連絡させていただきたいと思っています。僕がこういうのも何ですが、僕は日本を代表するストライカーになれる、なるという思いが昔から、今でもかわりません、しかし、この身体を自分で理解し、かえていかないとそれは現実になりません。この機会、絶対に逃したくはありません、是非お会いしてご指導いただければ幸いです。
長くなりましたが、お会いできるの本当に心待ちにしています。


エルサムニーオサマ

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プロフィール

Author:西本 直
1993年、Jリーグサンフレッチェ広島を皮切りに、社会人野球三菱重工広島・協和発酵・ヴィッセル神戸・川崎フロンターレ、そして広島カープ佐々岡真司投手など、プロアマ問わず競技レベルのスポーツ選手から一般の方まで、トレーニングやメンテナンスの指導を行ってきました。
その経験と知識の蓄積を「西本理論」としてまとめ、一人でも多くの方に実践していただくことが、これからの私の使命であると信じ、このブログから発信していきます。
私の理論はスポーツ選手のみを対象としたものではなく、ビジネスマンや家庭の主婦まで老若男女すべてに当てはまる不変のものです。
指導や講演のご依頼も受け付けています。
実名でツイッターも書いていますので、チェックしてみてください。
また、2013年9月9日にConditioning Studio 操をオープンしました。
また、遠隔地にお住まいの方を対象とした動き分析とアドバイスを行っています。
詳細は「スタジオ操」のホームページ内の「遠隔サポート」をご覧ください。
「第25回西本塾」を11月18・19日の土日に開催を予定しています。
詳細はStudio操ホームページ内の「講習会情報」をご覧ください
尚、深める会も12月10日に予定しています。

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