学びの姿勢

来月の23日と24日の二日間、数えて7回目となる西本塾を行います。

これまでにもたくさんの方に参加していただき、私の考え方や経験したことを直接伝えさせていただきました。

目的も立場もそれぞれ違うみなさんですが、せっかく来てくれたのに学ぶ姿勢が惜しいなという人もいます。

期待外れだと言われてしまえばそれまでなのですが、私の伝えようとすることが、自分のやってきたこと、知識として得てきたものとの違いを感じてしまい、大きな壁を作ってしまっているのではと感じる人も中にはいました。

どの分野にも勉強熱心な人はいて、著名な方の講習会や勉強会を渡り歩いている人もたくさんいると思います。

自分はいろいろなことを勉強して十分な知識を持っている、さらに最新と言われるものにもアンテナを貼り、とりあえず知らないことはない状態を保っている、そんな人も多いと思います。

私が西本塾を始めたのは、このブログから発信してきた内容を直接伝える機会を作るためでした。

参加してくださった方々にとっては、私も流行り物の一つだったかもしれません。

それでも私なりに精一杯伝えてきたつもりです。

二日間の最後に、お一人ずつ感想を述べていただく時間を作っていますが、最後まで頭の整理がつかず、納得がいかないと感じられる方も何人かいました。

現実に目で見て体で体験してもなお、頭の中の理解が優先されてしまうと言われれば、それ以上は言うことがありません。

申し訳ないですが、そんな中の一人だと思っていた参加者の方が、それ以降ちょくちょく連絡をしてくれるようになりました。

その方は、実際に現場で選手を指導する立場にあり、私が経験してきたことを、今まさに毎日肌で感じているのでしょう。

様々な問題に直面するたびに、私の経験してきた内容をお話ししたことが、思い出されることになって行ったと思います。

改めて自分の体で体感したいと、連絡してきてくれました。

ここが大事なのです、我々がしなければならないのは、目の前にいる選手や患者さんに対して、自分の持っている技術や知識を使って、どんな形でお役に立てるかを工夫することです。

「自分の知識や技術は高いレベルにあるのに、相手に伝わらないのは自分のせいではなく、相手の受け取る能力が低いからだ、自分はもっと高いレベルの選手を相手にしたい」、こんなことを平気で口に出す若いトレーナーに出会ったことがありますが、まさに自分の指導する立場の力不足の言い訳にしか聞こえませんでした。

これでは相手がどんなレベルでも良い仕事はできないでしょう、本人はそこに気づいていないのです。

勉強をする、知識を得る、それは教科書や著名な方の講習会からではなく、目の前にいる人間の体から学ばなければ何の役にも立たないのです、学ぶのも人間から、それを発揮する相手も生身の人間です。

だから私は自分のことを職人だと思っているのです。

私が伝えたいのは、その学び方です。

人間の体を見て何を感じ、どう対処するか、私のやり方を見て聞いてただ真似をするのではなく、いつも言っている根っこの掘り方を学んで欲しいのです。

西本塾ではありませんが、個人的にトレーニングの指導を受けに来てくれる人が増えてきました。

先ほどまで相手にしていたのは、なんと小学校の3年生のサッカー少年です。

以前にもご紹介したイタリアに留学中のスーパーキッズです。

まだまだ本当に幼い子供ですが、自分のためになると感じたことは熱心に取り組んでくれているようで、前回留学直前に来てくれた時に比べ、明らかに動きの姿勢が良くなり背中を意識してくれているのがわかりました。

頭で理解させるには年齢が低すぎますが、それでも実際の動きが変わることで、なるほどそう言うことかとわかってくれているようです。

個人的に来る人たちは、目的が明確ですから、こちらも対応がしやすく、とりあえず納得出来る何かを持ち帰っていただくことが出来ていますが、問題はそれを継続できるかどうかにかかっていると思います。

何はともあれ私の前に立ったのなら、自分を真っ白な状態にして、私の指導を受けていただきたいと思います。

騙されたと思って、という言葉がありますが、私は何一つ騙しているつもりはありません。

体に仕組まれたカラクリを一つ一つ連動させながら、効率良く動かせるようにしているだけです、タネも仕掛けも平等に備わっています。

冒頭に例を出した方のように、わかっていないなと一番心配したような人こそ、私の話と自分の既成概念の狭間で 、実は真剣に悩んでくれていたのですね。

来るもの拒みを、来るもの拒まずにはしましたが、わからない人にはわからないと、私が諦めてしまわず、食い下がってくれる人に対しては、さらにうまく伝える方策を考えなければなりません。

本当の意味で西本理論を継承してくれるのは、意外にこういう人なのかもしれません。

これまでは中身を伝えることで精一杯でしたが、来てくださる方の背景にまで想いを巡らせ、学ぶ姿勢を見極め、伝える私の姿勢にも工夫を加えて行く必要がありそうです。

老若男女、スポーツ選手から一般の方まで、様々な人間そのものを相手のこの仕事、まだまだ奥の深さを見通すところまでは行きませんが、良いこと悪いこと含めて楽しんで行きたいと思います。

スポンサーサイト

Trackback

Comment

No title
ありがとうございます。先生にこの年代から指導してもらえるカイは本当に幸せだと思います。長いお付き合いをさせて頂ければと思っております。よろしくお願い致します。
  • 2014-08-02│11:09 |
  • カイの父 URL│
  • [edit]
Re: No title
コメントありがとうございます。
カイ君の成長を一緒に見させて頂きたいと思います。
彼の10年後はどんな選手になっているのでしょうね。
そのとき私の年齢は・・・、その時にも体を張って指導ができるよう、頑張り続けたいと思います。
  • 2014-08-02│09:31 |
  • 西本 直 URL│
  • [edit]
No title
29日はご指導頂きありがとうございました。早速、後背筋を意識して体をぶつける動作を実践で練習しています。激しい動きの中でちゃんと動けているか怪しい時もありますが本人は意識してやっているようです。いろいろ課題はありますので引き続きご指導よろしくお願い致します。
  • 2014-08-02│00:16 |
  • カイの父 URL│
  • [edit]

Post a comment

Secret


プロフィール

Author:西本 直
1993年、Jリーグサンフレッチェ広島を皮切りに、社会人野球三菱重工広島・協和発酵・ヴィッセル神戸・川崎フロンターレ、そして広島カープ佐々岡真司投手など、プロアマ問わず競技レベルのスポーツ選手から一般の方まで、トレーニングやメンテナンスの指導を行ってきました。
その経験と知識の蓄積を「西本理論」としてまとめ、一人でも多くの方に実践していただくことが、これからの私の使命であると信じ、このブログから発信していきます。
私の理論はスポーツ選手のみを対象としたものではなく、ビジネスマンや家庭の主婦まで老若男女すべてに当てはまる不変のものです。
指導や講演のご依頼も受け付けています。
実名でツイッターも書いていますので、チェックしてみてください。
また、2013年9月9日にConditioning Studio 操をオープンしました。
また、遠隔地にお住まいの方を対象とした動き分析とアドバイスを行っています。
詳細は「スタジオ操」のホームページ内の「遠隔サポート」をご覧ください。
「第25回西本塾」を11月18・19日の土日に開催を予定しています。
詳細はStudio操ホームページ内の「講習会情報」をご覧ください
尚、深める会も12月9・10日に予定しています。

最新記事

カレンダー

10 | 2017/11 | 12
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 - -

カウンター

検索フォーム

QRコード

QR