かたいを改善するには

このブログの内容、難しいでしょうか。
教科書に書いてあることがすべてだと思っていたり、たんにこうゆう分野に縁のなかった方から見れば、かなり異質な意味不明の内容に思えるかもしれません。
今日のテーマの通り、頭の中を柔軟にして読んでいただければと思います。

体の硬さを改善する方法と言えば、誰に聞いてもストレッチという言葉が出てくると思います。
少し年配の方なら柔軟体操という言葉になるでしょうか。

前回お話ししたように、遺伝的な要素である筋肉の端の腱や靭帯の形状によって、ある意味仕方がない部分もあります。

他者との比較で、あの人より硬い、あの人のように柔らかくなりたい、という願望にはお応えできないかもしれません。

今日説明することで分かっていただきたいのは、今日までご自分の体が硬いのは仕方がないことで、一念発起してふろ上がりのストレッチを続けても改善できなかったという方や、子供さんの体が硬いのは、申し訳ないけれど自分たち親の子供なんだから仕方がないと諦めてしまっている方々に、ストレッチの方法そのものの考え方や方法論の部分で、そうだったのかと思っていただけることができるかどうかにかかっているのです。

ストレッチの代表的な動作に、床の上で足を伸ばして座り(長座姿勢)足先のほうに体を倒して手の指が届くとか届かないとかいう形がありますね。

この姿勢で、まったく指先に届かないどころか、上半身がほとんど前傾しているように見えない、強烈な硬さが自慢になっている方までいます。

それをどうするかという時に、お風呂上りで体が温まっている間に、前に曲げられない体を、家族の誰かに後ろから押してもらうという行為に出ることになります。

これは一般家庭の中でだけ見られる光景ではありません。
スポーツの現場でも当たり前のように行われています。

子供の頃を含めて、一度もこの手のやり方で体の硬さを改善することを試みた経験のない人は、ほとんどいないと思います。

ストレッチの動作は様々ありますが、基本このやり方(曲がらないから無理にでも曲げる)で対応してきたはずです。

では結果として、体の硬さは改善されたでしょうか、答えはやはりほとんどの方がNOではないでしょうか。

いわゆる柔らかい体を持っている方に言わせると、「もう少し継続していれば誰でも柔らかくなるんだよ、あきらめが早いんだ」ということになります。
本人にしても、「自分は三日坊主で努力が足りないんだな」と、自らを責める真面目な方も多いと思います。

ではなぜ続かない、続けられないのでしょう。
それは効果が感じられないからです、体に変化があればよしもう少しと意欲もわいてきます、楽しみにもなってきます。
固い体を無理やり押されて辛い思いをした結果、何の変化もなければ続けられるわけがありません。

ここからが本題です。

私は筋肉の仕組みを3・5・7理論で説明しました。
単純な模式図でいうと、ノーマルな状態で5という単位の長さにある筋肉が、収縮の限度である3の方向に縮んでいくとき、関節の運動をにおける逆の方向へ作用する筋肉は、伸長される限度である7の方向へ伸びていくというものです。

腕の力こぶを作って、上腕二頭筋を収縮させれば、本来肘を伸ばすために存在する上腕三頭筋は、二頭筋の収縮を邪魔しないようにゆったりと7の方向にゆるんで伸びていくというイメージです。

であるなら長座の姿勢で、体が前傾できないという状況の体はいったいどうなっているのでしょう。

前傾する際に、その動きを邪魔しないようにゆったりと伸びてほしい筋肉はどの部分でしょうか。
これはやってみれば分かりますね、腰から背中、肩から首にかけての体の構面の筋肉たちです。
プラスして腰からおしり、腿の裏側からふくらはぎ、さらにはアキレス間のあたりまでという人もいるでしょう、とにかく体の後面が硬く突っ張って、体を前に行かせてくれません。

その伸びない筋肉に対して、当たり前のように外力によって後ろから前に押すことで、伸びることを強制しようとしてきたのです。

もともと体が硬いと言っている人は、ノーマルな状態も5ではなく4.8とか4.7という、すでに収縮方向にベクトルが向いたままの状態になっているかもしれません。

その筋肉に対して、無理に引き伸ばそうとするならば、筋肉はその刺激に素直に応えてくれるでしょうか。
最大の問題はここにあるのです。

筋性防衛という言葉があります、正式な医学用語の意味は、「腹部内臓器に病変があると,その臓器の近くの腹筋群に持続的な収縮がみられることがある。このような内臓病変にもとづく骨格筋の反射性収縮を筋性防御という」という難しい言葉なのですが、これを私流にアレンジして通常の骨格筋レベルの反応行為にも応用して考えてみると、「伸ばされたくない筋肉に対して、無理な外力によって伸長刺激を強要すると、筋肉はその刺激に対して逆の収縮する反応を起こすことによって、伸長を阻止しようとする」という分かったようなわからないような説明になります。
何か難しい理論を言っているようですが、私のこじつけの部分もあります。

この考え方でいけば、強い刺激のマッサージを受けた後に、逆に筋肉が張って痛みが出たということも説明がつきます。
良かれと思って外から入れた刺激に対して、筋肉の内面はその刺激以上の力で対抗したため、過度の緊張を起こした、という説明です、こういう経験をお持ちの方もあるはずです。

要するに、前に曲がらない体が、ただでさえ硬くて前に行きたくないのに、後ろから無理に押されることで、それ以上痛くならないように体を硬くして、逆に後ろに反る方向に力を発揮することで、押される力に対抗して体を守ってしまう、ということになってしまっているのです。

ですから結果として、やればやるほど柔らかくならないということになってしまうのです。

ほとんどの方がこれまでの説明で、そうだったのかと思っているはずです。
いや自分はそうやって柔軟な体を作ったよという方もいるでしょう。
それはもともとその程度の柔軟性は持っていたのに、本来できる柔らかく使うことをしていなかっただけで、体に対して適度の刺激を与えることで、本来の能力を発揮できるようになったというのが私の考えです。

ではもともと硬い体に生まれた自分はやっぱり諦めるしかないのか、それでは淋しすぎます。
何度も言いますが他者との比較ではありません、もって生まれた能力、柔軟性を発揮できていない体を、なんとか自分本来の体に戻していこうという発想です。

やってみましょう。
長座の姿勢から、無理をせずにこの辺りまでならというところまで前傾してください。
そこから逆に、背中を反らすようなイメージで体を起こしてください、その時にこれ上反らせないという少し手前の無理のない角度で、後ろから肩甲骨の上部から肩のあたりを誰かに支えてみてもらってください。

自分は後ろに反らす、補助者は前に押す、この両者の力が拮抗して動かない状態、お互いが押し合っている感じです、そのまま5秒くらいキープして、ゆっくり力を抜きあいます。

力を入れる時は、力比べにならないように7割くらいの力で、そして緩める時もガクッと崩れないように、ほわっとやってください。

この動作を5回くらい続けてみてください。

いかがですか、1回ごとにこの辺りまでなら前傾できるよというスタートポジションが、足の指先方向に近づいていくのが分かると思います。
5回終了時には、スタート時との違いは明らかになっているはずです。

前にいかない体を後ろに倒す方向で動かし抵抗をかけたことで、どうして前に倒れやすくなったのでしょう。

7の方向に伸びてほしい、体の後ろ側に位置する筋肉に対して、逆に3の方向に縮むという運動をしてもらったのです。

ここに筋肉を調整していく考え方の本質があります。

3から7の間を収縮・伸展している筋原線維が、伸長方向への可動範囲を失ってしまっている場合、逆にほどよく収縮方向に運動させることで、結果として伸展方向が改善される、という仕組みが私たち誰の体にも備わっているのです。

これは、私の体へのアプローチのスタートとなった「操体法」の施術の経験の中で、様々な状態の体を改善していくうちに、自分なりに掴んだ感覚でした。

そしてそれをスポーツのトレーニングにも応用し、関節の可動域を広げ、実際の運動に使える可動域が広がり、運動の方向性が改善され、故障防止の観点からも大きな効果を得てきました。

説明したのは一つの例にすぎませんが、すべての動作に応用はできるはずです。

つくばで行った講演会でも、実技を交えて説明しましたが、即効性があり驚かれました。
それをさらに継続していただくことで、本来備わっているはずの、それぞれの体の柔軟性に近づくと理解していただきたいと思います。

みんなそれぞれ違う人間です、違うから面白いのです、人を羨むこともありません、自分なりの体で自分なりの使い方を楽しんでください。
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Re: No title
コメントありがとうございました。
このブログは私のこれまでの経験したことを一つの考え方としてまとめ、話しておきたいことという、一方的な思いから始まりました。
けっしてこのブログで不特定多数の方に何かを提供しようだとか、指導しようという目的で書いているのではありません。
内容に関して分かりづらい部分もあると思いますが、それをより分かりやすく説明して理解していただくことが目的でもありません。
このことはお断りしておかなければなりません。
お答えできる質問にはできるだけこたえるようにしていますが、このブログはそういう訳で、そこまで懇切丁寧に皆さんに理解していただける内容にまでしていこうとは思っていません。
私の文章から感じ取っていただいたことを、それぞれの立場で自由に使っていただくことには何の問題もありませんが、それ以上を求められても難しいと思います。
そうした中で、文章ではなく直接指導を受けたいという方が出てきたことで、きちんと私の考えを伝えるために西本塾という形をとらせていただきました。
ご指摘のように写真を使ったりもっと工夫をすれば分かりやすいとは思いますが、そういう理由でそこまで踏み込んで、皆さんすべてに理解していただける内容にするところまでは考えておりませんので、ご理解ください。
  • 2014-04-15│18:17 |
  • 西本 直 URL│
  • [edit]
No title
1番最初の記事から読ませていただいてます。
ぜひ写真なども掲載していただきたいです。
文だけでは少し分かりにくいです。
でもすごくべんきょうになります。
お願いします!!
ちなみにnumberの記事を読んで、西本さんに興味をもちました。
  • 2014-04-15│16:57 |
  • 鈴木 URL│
  • [edit]

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プロフィール

Author:西本 直
1993年、Jリーグサンフレッチェ広島を皮切りに、社会人野球三菱重工広島・協和発酵・ヴィッセル神戸・川崎フロンターレ、そして広島カープ佐々岡真司投手など、プロアマ問わず競技レベルのスポーツ選手から一般の方まで、トレーニングやメンテナンスの指導を行ってきました。
その経験と知識の蓄積を「西本理論」としてまとめ、一人でも多くの方に実践していただくことが、これからの私の使命であると信じ、このブログから発信していきます。
私の理論はスポーツ選手のみを対象としたものではなく、ビジネスマンや家庭の主婦まで老若男女すべてに当てはまる不変のものです。
指導や講演のご依頼も受け付けています。
実名でツイッターも書いていますので、チェックしてみてください。
また、2013年9月9日にConditioning Studio 操をオープンしました。こちらもご覧ください。
また、遠隔地にお住まいの方を対象とした動き分析とアドバイスを行っています。
詳細は「スタジオ操」のホームページ内の「遠隔サポート」をご覧ください。
西本塾を深める会を9月10日(日)に開催を予定しています。
詳細はstudio操のホームページ内の「講習会情報」をご覧ください。

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