体を整えるということ

二日間の「西本塾」を終え、いつものように心身ともにかなりの疲労を感じています。


今回は加えて、昨日の終了後に参加者のお一人から、ゴルフレッスンの依頼があり、いつも行きつけの練習場に二人してでかけ、1時間半ほどああだこうだとアドバイスをさせていただきました。

その方は、キャリアはお持ちですが10年ほどクラブを握っていなかったそうで、何かのきっかでで再開するに当たり、ちょうどいいタイミングだと思っていただいたようで、即席のレッスンとなりました。

正直私が教えるまでもなくお上手な方で、そのままでも問題はないくらいの腕前でしたが、私の手作りの練習器具を持参して、それを付けたまま実際に打ってもらうと、本人も驚く程ボールが曲がらず、これを付けたままコースを回れば、実力以上のスコアが出るのではというくらい、ナイスショットの連発でした。

この器具の秘密というか狙いは、器具を装着することで、両肘が体の正面を向き、トップで肘が開かず、肘が真下を向いたまま切り返しの動作に入り、インパクトで構えたフェイスの角度に戻ってくるため、ボールが曲がらずまっすぐ飛んでいくという理屈です。

そうはいっても、誰がやってもそうなるわけではないので、この方は元々お上手なのだと思いました。

私の300ヤード級のドライバーショットの球筋を、目の前で見てみたいというご希望もあったようで、それに応えるべく私も張り切ってドライバーを振りましたが、最近になく自分でも驚くような凄い当たりが連発して、私の方が驚いてしまうほどでした。

150ヤード先のネットの最上部に、下から突き上げるような弾道で、練習ボールでなくコースで使うボールであれば280ヤードは絶対に飛んでいるであろうという手ごたえのショットが続きました。

2年前にドラコン大会目指して、同じ練習場で打ち込んでいた時に匹敵する力強いスーパーショットの連発でした。

自分なりに原因を考えてみると、やはり人に教えるという目的で行ったことで、いつも自分が考えている正しい体の使い方やスイングのメカニズムを、どうやって伝えるかということを考え、その方のスイングを見て、どこにどういう意識を持てば、私の言っていることが動作として形にできるのかという、まさに私の本領発揮のレッスンだったからだと思います。

一人で行っている時には、どうしても途中から力が入ってしまい、考えている通りに打てなくなってしまうのですが、自分の言っていることをお手本として見せなければという気持ちだけで、欲張らずに振れたことが結果として良かったのだと思います。

そのあと二人で近所の鉄板焼きのお店で食事をしながら話をさせていただき、長い一日となりました。

今回の西本塾ででは、操体法をテーマとする時間の中で、おそらく施術を業としている方からしたら、まったく期待はずれな内容に終始しました。

ここ数回、少しずつそういう方向に変化してきたのですが、操体法を体を整えるための技術だと捉えてしまい、いわゆるテクニックを習得すれば、操体法が使えるようになると考えて参加してくる人に、そういう教え方をしてもおそらくまったく実践に使えるテクニックにはならないということを思い始めたからです。

私自身、その技術を学ぼうと渡辺先生の元に数年にわたって通い続けました。

しかし、その期間を費やしても現実的なテクニックとしての操体法は、習得できていなかったと思います。

一緒に講習会に参加した多くの方々の中には、3か月単位の講習会に参加し、操体法っていうのはこういうものかと、その方なりに理解して終了した方もたくさんいると思います。

私は数年を費やしても、そういう感覚にはなれませんでした。

一つのことを分かりかけると新たな疑問が湧きおこり、分かったとか出来たという感覚にはなれなかったのです。

今、人に伝える立場になって、何をどういう風に伝えることが、受講者の皆さんの今後にお役にたてるのかを考えた時、短い時間の中で、いくつかのテクニックを教えることより、体というものがどういう風にできていて、体が動くということはどういうことで、簡単に使われている体が連動するということがどういうことなのかを、自分の体で体験し感覚することが出来なければ、他者に対して施術行為をするとか、スポーツの現場で動きを指導することなど、絶対にできないのではないかと思うようになったのです。

体を整えるというと、一つ正しいと思われるモデルのような体があり、それから外れた部分を型にはめることが整えるという感覚になってしまっている場合が多いですが、私はそうは思いません。

自分の体を自分の思ったように動かせる体こそ、理想の体であるはずです。

その思ったように、という部分を分かっていない人が多いのです。

自分の体はどういう風に動ける能力を持っているのか、実際にそれを使いこなせているのか、もしかしたら自分の体の動きの可能性を知らないままで生きてきたのではないか、多くの体を真剣に見続けてきた私の率直な感想です。

整えてもらいたいと願う方も、整えてあげると思っている側も、目指さなければならない方向性が分かっていないままに、なんとなく歪みを正すとか、骨の位置を揃えるとかいう言葉に惑わされ本質を見失っているような気がするのです。

体に仕組まれたからくりを十二分に利用して、無理なく無駄なく動いてくれるはずの体、目指すところはそこしかないと思います。

それを知るための手掛かりは、自分の体で感じることです。

その探り方さえ知っていれば、どんなことにも対応できるはずです。

そういう意識を持ってもらうための体の動き方を提案し、やっていただくことが、単なる施術行為としての操体法ではなく、あらゆる体を使って行う行為を分析し、それぞれの目標を達成するための出発点になると信じています。

簡単な動きですが、そういう意識を持って行うことで、それぞれの立場に必要な体の診方、体に仕組まれたからくりを知る大きなヒントになると思います。

参加者のみなさんには、改めてそういう気持ちで、あの時間の中で感じた感覚を継続させていただきたいと思います。
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Re: 第8回西本塾に参加して
第2回と深める会に続き3度目の参加ありがとうございました。
神野さんとは信頼関係ができているという前提で、少し厳しいことを言わせていただきます。
今回頂いたコメント、またこれまで何度か頂いたコメント、内容が整理されていないのではないでしょうか。
口下手で上手く言えないとか、文章を書くことが苦手だとか、そういう問題ではありません。
ただ思いついたことが書かれているにすぎません。
私が伝えたこと、神野さんが受け取ったこと、そして理解できたことできなかったこと、もっともっと深く考えて言葉にする努力が必要だと思います。
今回の二日間の感想が、たったあれだけの分量の文字では寂しすぎます。
もっと自分に問いかけるのです、そして言葉にして整理していくのです。
そうでなければ何度ここに来ていただいても、何をお伝えしても、「分からん分からん」という言葉しか出てこないのです。
自分なりの根っこを掘る作業とはどういうものなのか、その中身を教えてください。
自分の頭の中をしっかり整理して、何を学んだのか、何が分かったのか、何が分からないのか、これからどうすればいいのか、どうしたいのか、これでもかというくらいの文章量でもう一度送ってきてください。
自分の殻を破るために、神野さんに必要なのはそこだと思います。
せっかくの情熱を空回りさせないためにも、「想いを言葉にする」努力をしてみてください。
  • 2014-10-21│15:27 |
  • 西本 直 URL│
  • [edit]
第8回西本塾に参加して
西本先生、奥様、参加者の皆様熱い二日間ありがとうございました。
第二回に参加後、既成概念が変わり約1年が経ち、その間自分なりに、根っこを掘る作業をしつつ、今回も今一度1からと参加させて頂きました。2回目という事もあり違う視点で、体感できましたし、気づくことが今回の先生のブログでした。身体が動かないんです。レジメをもらって頭で解ったつもりなだけで表現できないんです。これは、第二回の時から感じ、周りの皆さんできるから解るんやろなぁ。すげ〜なぁと思ってました。ただ、自分の同業者で国体や、四国リーグのトレーナーをしてる方のやってる話を聞くと、断然西本理論やろって本当に思ってしまいます。似て非なるものならぬよう精進していつか、選手の為に何かできるようになりたいです。又よろしくお願いします。
  • 2014-10-21│00:04 |
  • 神野慎哉 URL│
  • [edit]

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プロフィール

Author:西本 直
1993年、Jリーグサンフレッチェ広島を皮切りに、社会人野球三菱重工広島・協和発酵・ヴィッセル神戸・川崎フロンターレ、そして広島カープ佐々岡真司投手など、プロアマ問わず競技レベルのスポーツ選手から一般の方まで、トレーニングやメンテナンスの指導を行ってきました。
その経験と知識の蓄積を「西本理論」としてまとめ、一人でも多くの方に実践していただくことが、これからの私の使命であると信じ、このブログから発信していきます。
私の理論はスポーツ選手のみを対象としたものではなく、ビジネスマンや家庭の主婦まで老若男女すべてに当てはまる不変のものです。
指導や講演のご依頼も受け付けています。
実名でツイッターも書いていますので、チェックしてみてください。
また、2013年9月9日にConditioning Studio 操をオープンしました。こちらもご覧ください。
また、遠隔地にお住まいの方を対象とした動き分析とアドバイスを行っています。
詳細は「スタジオ操」のホームページ内の「遠隔サポート」をご覧ください。
今年2回目の西本塾を8月26・27の土日に開催を予定しています。
詳細はstudio操のホームページ内の「講習会情報」をご覧ください。
なお、今回も参加者が5名に満たない場合は開催しません。
9月10日には深める会も予定しています。

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