科学(のようなもの)的な分析

今日は定休日、午前中はいつものようにゴルフ練習場で、90分打ち放題をフルに利用してしっかり打ち込んできました。

先日の諏訪さんとのレッスン会では、完璧なドライバーショットが連発しましたが、今日は欲の塊(笑)で力が入り、先週程にはうまく打てませんでした。

アイアンがあい変わらず好調なので、まあ良しとしましょう。

そして午後からは献血に行ってきました。
初めて献血をしたのは二十歳の頃で、渋谷の駅前に停まっていた献血車だったと思いますが、あれから36年かかって区切りの100回まであと1回ということになりました。

人の役に立てることなどほとんどない人間なので、せめてこういう形で誰かのお役にたてればと続けてきました。

以前は骨髄バンクにもドナー登録していましたが、50歳の時に糖尿病の宣告を受けてしまい、登録を外されてしまいました。

次に行くときには、自分に何かご褒美をあげてもいいかなと思うくらいです。

今日の問診担当の女医さんは、ご自分でも糖質制限食を実行されているそうで、少し話し込んでしまいました。

日本糖尿病学会ではいまだにカロリー制限のみを、糖尿病の食事療法として採用し続けていることに疑問を感じ、勉強を続けているそうです、こういう医師が増えてくれることを望んでいます。

さて月曜日はNewspicksの連載記事の配信日です。

もう4回目になりました、今回はテニスプレーヤーの動きを、おもに伸筋と屈筋のどちらをメインに使っているかという切り口と、上半身と下半身のそれぞれの部分の相関に関して書いてみました。

サッカーはいつも素人だと公言していますが、テニスもまったくの素人です。

ほんの一時期、21歳の頃だと思いますが、会社の独身寮に住んでいた時、寮対抗のテニス大会があって、「西本は野球をやっていたのだからテニスもできるだろ」と、意味不明な理由で参加を強制され、何か月か練習したことがあります。

ダブルスに出場して、とてもうまい先輩と組ませてもらったので1勝させてもらったことがいい思い出になっています。

とはいっても、どこに立っていればいいのかも分からず、他の先輩方から「西本右、今度は左、もっと前、いや後ろ」と指示を受けながら、とりあえず何回かボレーらしきものでポイントを取ったことを覚えています。

そんな程度ですから、普段からあまりテニスには興味はありませんでした。

というより、今回錦織圭選手の大活躍がなければ、テニスの試合がテレビ放送されることもほとんどなかったのではないでしょうか。

テニスと言えば、バラエティーで活躍する松岡修三さんのイメージしかありませんでしたから。

そんな私が書いた記事ですが、おおむね好評のようです。

初回二回と続いた野球の投手の動作分析、先週のFC東京の武藤選手、そして今回にテニスプレーヤーと、勢いに任せてこれからも様々なスポーツ競技、様々な選手を取り上げて、私なりの分析記事を書かせていただくことになっています。

その中でひとつ気になっていることがあります。

それは私の記事を、「科学的とか理論的」という表現で、評価していただいていることが多いことです。

過去言われ続けたことですが、私が言っていることは残念ながら、スポーツ科学の一端を担えるような内容ではありません。

「科学とは客観性があって、誰がその内容を追試しても、同じ結果が得られるものでなければならない」そうです。

今年話題になったSTAP細胞の例を見れば分かりやすいでしょうか、いくら私が実験すればこういう結果を出せますと言い張っても、同じ手順で第三者が行って同じ結果が出なければ、それは当然認められません。

論文というのは、その客観性を証明する唯一の方法で、それを書くことが出来なければ、ただの独りよがり、たわごとにすぎないと結論付けられてしまうのです。

世の中に認められるためには論文を書かなければならない、私には縁のない世界ですが、学位とかいうものを取らなければ、公の場所で自説を説くことも許されないのです。

ですから私が、スポーツ団体の要請を受けて「西本塾」でお伝えしているような内容を、たくさんの人の前でお話しする機会を頂くことはないでしょう。

私の言っていることやっていることは、一般の方から見ればそのように見ていただけるのかもしれませんが、あくまでも科学のようなもの、それを一般的に「科学的」なものという言い方をされています。

だから科学ではないのです。

では科学として認められ証明されたことが本当に正しいことなのか、私はそうは思いません。

今から30年ほど前になると思いますが、長距離選手の回復力を測る指標として、血液中の乳酸値を量ることがことが流行しました。

グランドレベルやロードで、走り終えた瞬間に耳たぶから採血して量っているシーンを何度も目にしました。

それですべてが分かるかのように言われ、その数値の意味を指導に使いこなせることが、良いコーチの条件のように思われていました。

それが今どうでしょう、そんなことがあったことも知らない人がいるのではないでしょうか。

今でも多くの人材と予算をかけて、それに類するような指標となるものがないかと、真剣に研究されています。

おそらくそれらは研究が進めば一つの形として、論文となりスポーツ科学としてその地位を固め、能力向上に寄与する指標となっていくのでしょう。

しかしそれらは、いつも同じ運命です、それだけの時間とお金をかけたにもかかわらず、いつの間にか消えて行ってしまいます。

それはなぜか、人間の体の本質に迫ることなく、枝葉の問題に終始し、結局のところ「真理」にはたどり着くことができないからです。

あえて神様という言葉を使わせてもらえば、神様はそれほど簡単に人間の体を解明できるほど、簡単な構造には作ってくれていないのです。

動作解析だなんだと言っても、実際に行われている人間の動きを客観的に見えるように加工しただけで、それをどう使うかは人間の能力次第なのです。

例えば野球の投手が、100球を境に肘が下がってくるという分析がされたとします。

そんなことは機械に分析してもらわなくても、見れば分かりますし、何より本人が一番分かっています。

「それで」っていう感じです。

だから、それを改善するためにはどうすればいいのか、どういうトレーニングをしてどういう意識で体を操れば、肘を高い位置に保てるのか。

それ以前に、その投手にとって本当に理想的な肘の高さというものはどの辺りなのか、さらに肘の高さが結果として投げるボールにどういう影響を与えているのか、そういうことまで含めて選手にきちんと説明して納得させなければ、何も変わるはずはないのですから。

ですから私は、私の言う「科学的なものの見方」の方が、本来の意味でのスポーツ科学と言われているものより、よほど重要で役に立つものだと思います。

そこでまた言われるのが、お前の言うことには根拠も客観性もないという言葉です。

甘んじて受けましょう、しかし選手に対する影響力や実際の効果は絶対に負けた覚えはありません。

的確な言葉が見つかりませんが、私の視点は「スポーツ感性論」とでも言えばいいのでしょうか。

実際に行うのはロボットではありません、生身の人間です。

その時々のコンディションや心の持ちようも違うでしょう、機械にそれが判断できるわけがありません。

私の目に見えることがすべてだとはもちろん言いませんが、言われてみれば、という部分は絶対にあるはずです。

その部分を活かしてもらえるかどうかは、人間関係ができているかとか、その時のお互いの立場とかいろいろ要素はあると思います。

この連載せっかく頂いたチャンスです、様々なスポーツに切り込み「なるほどそういう見方もあるか」という読者を増やすことで、科学万能ではなく、科学のようなものを追及してきた「西本理論」にも、目を向けてくれる人が増えてくるかもしれません。

権威や立場を離れ、本当に選手のためになることを突き詰めて考え学び実践していく姿勢のない人は、もうやめた方がいいと思います。

スポーツの世界、いつまでたっても、なにも変わっていきませんから。

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No title
こうして西本塾に参加して頂いた方が、私のブログに書かれたことを通して、改めて私の伝えたことを思い返していただいたり、新たな気付きの部分を言葉にしていただくことは、本人のみならず他の参加者や、ブログ読者に大きな影響を与えていると思います。
皆さんがどう感じているか、私自身の学びの場にもなっています。
時には、頭を抱えてしまうようなコメントがあっても良いでしょう、それもその方の感想です。
コメントを通して問題点を語り合ったり、励まし合ったりしていただくことも、私の望んでいたことです。
一方通行ではなく、せめて双方向でありたいと思っています。
少しずつそうなりかけています。
私に対するご意見ご感想は、ぜひこのブログにお願いします。
  • 2014-10-28│22:29 |
  • 西本 直 URL│
  • [edit]
No title
今回ブログで書かれていた内容がものすごい自分に響いた内容でした。
と言うのも、私自身がデータだとかいわゆる科学的トレーニングというものに非常に興味を持ちそれを必死に学ぼうとしていたからです。
しかし、現場に出て指導していくうちに、特に 私の渡り歩いていた現場は予算も少なく高価な機械などまったくない現場ばかりで、そうなると何もできない自分がいてこれではダメだと気づき、さらに西本さんに出会い指導を受けたり西本さんの指導する姿を見ることで、指導者に本当に必要な力はこれなんだということに気づきました。
もちろん科学的なデータなどは検証の参考にはなるとは今でも思っているので、使いようによっては有効な手段の一つではあると思います。しかし西本さんの仰る通り、そのデータを見るのもまた人間の目であり、それらはあくまでも枝葉の一部でしかありません。
本当に大事なのはプレーする選手の動きとなる人間の身体や動きの本質を見て指導する根っこの部分ができければいくら枝葉の部分を持っていてもも何も意味がないということです。
そういうことにも改めて気づかせてくださった西本さんには深く感謝してお ります。
  • 2014-10-28│16:08 |
  • 井田 URL│
  • [edit]

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プロフィール

Author:西本 直
1993年、Jリーグサンフレッチェ広島を皮切りに、社会人野球三菱重工広島・協和発酵・ヴィッセル神戸・川崎フロンターレ、そして広島カープ佐々岡真司投手など、プロアマ問わず競技レベルのスポーツ選手から一般の方まで、トレーニングやメンテナンスの指導を行ってきました。
その経験と知識の蓄積を「西本理論」としてまとめ、一人でも多くの方に実践していただくことが、これからの私の使命であると信じ、このブログから発信していきます。
私の理論はスポーツ選手のみを対象としたものではなく、ビジネスマンや家庭の主婦まで老若男女すべてに当てはまる不変のものです。
指導や講演のご依頼も受け付けています。
実名でツイッターも書いていますので、チェックしてみてください。
また、2013年9月9日にConditioning Studio 操をオープンしました。こちらもご覧ください。
また、遠隔地にお住まいの方を対象とした動き分析とアドバイスを行っています。
詳細は「スタジオ操」のホームページ内の「遠隔サポート」をご覧ください。

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