指導の目的・誰のために

昨夜からの雨が降り続き、久し振りに雨模様の1日となりそうです。

なんとなく今の心境を綴ってみたくなりました。

年が改まり、種目によって異なりますが、今の時点ではオフで、これから今シーズンに向けて準備をしている状態の選手にとっては、色々な意味で大切な時期だと思います。

数は少ないですが、そういう選手を相手にトレーニングの指導をさせてもらう機会が何度かありました。

すでにブログを読んで、私の考え方やトレーニング理論に興味を持ってきてくれるのであれば話が早いのですが、誰かの紹介でということになるとそうはいきません。

私としては基礎の部分から説明して、その内容を体で理解してもらうという段取りで進めたいのですが、ここを訪れる選手にとっては、手っ取り早く自分の役に立つ何かを教えて欲しいというのが本音だと思います。

そういう感覚で来られるのが一番苦手な私ですが、縁あって私のところに来てくれたわけですから、少しでも役に立つことを教えてあげなければ、来てもらった甲斐がありません。

私の思いをぶつけるだけでは、相手を変えることはできません。

そうなると一番大切なことは、相手が何を求めているか、言い換えればどこに問題点を抱えているのか、それをしっかり明確にして、それに応えるためにはどういう考え方でそれを形にしていくのか、まずはお互いの共通認識を確立させなければなりません

私は自分の思いを語り出すと、何時間どころか数日間でも語り続けてしまう人間ですが、人の話をじっくり聴くということは正直苦手です。

会話というのはお互いの言葉のキャッチボールであることはわかっているつもりですが、限られた時間の中で、相手に自分の思いを伝えたいという気持ちが勝ってしまって、ついついこちらから一方的にボールを投げ続けてしまうことになります。

これがプライベートな関係の中で、たまたまそういう雰囲気になって話が始まったのなら、そこまでムキになることもないのですが、仕事としてお金をもらっている限りは、その対価以上のものを与えたいと思ってしまうのです。

現状、組織を相手の仕事はありませんから、個人的に私の指導を受けたいと言ってくれた時点で、私の頭はフル回転して、なんとかして活躍できる選手にしてあげたいと気合が入ってしまいます。

例えば組織を相手の仕事だと、目の前で話を聞いている選手たちは、私の話が聞きたいとか指導を受けたいという気持ちで、その場にいるわけではありません。

そういう雰囲気の中で指導を始めて、少しずつ考え方を浸透していかなければなりません。

私が言うのもなんですが、ここで焦ってしまわず時間をかけて積み上げていくことが必要です。

その中で、手応えを掴み自他共に認められるような良い変化を見せてくれる選手を、一人でも二人でも作っていくことで、周りの選手に好影響を与え、少しづつチーム全体に広がりを見せていくのに、もしかしたら数年はかかるのかもしれません。

私はそういう長期的な視野で仕事をすることが苦手でした。

今、目の前に立つ選手は、もう二度とここに来ないかもしれませんし、もしまた来てくれたとしても定期的にというわけにはいきません。

そうなるとなおさら、今日のこの短い時間で少しでも多くのことを伝えたいと、いつものように頑張りすぎてしまいます。

何人かの選手を指導して反省ではないですが、私の指導は間違ってはいないし、選手の役に立つ指導内容であることは確信していますが、少し指導の押し売りになってしまってはいないかと思ってしまうこともあります。

本当にそこまでのこと、この選手は求めていたのだろうか、もっと手前の部分に時間をかけてあげたほうがよかったのではないか、色々なことを考えてしまいます。

でも私のところにやってきてくれたからには、小手先のテクニックやトレーニングの方法の表面だけを指導して帰したのでは、私自身がもっと落ち込んでしまうような状況になることは、自分が一番分かっています。

今日明日と、そういう選手たちとの時間が待っていますが、私は私の持てる力をすべて出し切って、自己満足かもしれませんが、悔いの残らない指導をしたいと思います。

一度では伝えられないものも、二度目三度目になると明らかに変化が見られます。

それは動きそのものもそうですが、私の伝えようとする内容に対する興味というか取り組み方が変わってきます。

ここで行ったことを自分の環境に持ち帰って反復してみた時、それらの動きが自分にとって有益なものであることは間違い無く理解できると思います。

それぞれの変化や進化に合わせて、説明の仕方を変えながら、少しでも彼らの役に立ちたい、その気持ちが私の中にあり続ける限り、完璧はないにしても、お互いに満足できる時間を共有できると信じています。

今年の目標というと大袈裟かもしれませんが、私の一番苦手としてきた「相手の言葉に耳を傾ける、聞き上手になる」ということと、「自分の城にこもってしまわず、できるだけ外に出て人に出会う」ということもやっていきたいと思います。

自分のやってきたことに自信を持ちすぎて、この場所を守ることで自己満足に陥っている部分もないとは言えないので、人生の後半部分、もう少し遊び心というか余裕を持って生きて行くのもありかなと思うようになりました。

「誰かのために」と思ってやってきたことが、実は自分のためにになっていたかもしれないと気付き、本当の意味での「誰かのために」なっているかを行動の物差しとして、自分の言動を見直していきたいと思います。

「西本塾」を通じて、私の思いを受け取っていただいた方々が、それぞれの環境でそれを形にしてくれていることが伝わってきて、とても嬉しく思います。

なかなか形にできず悩んだり迷っている塾生も多いと思います。

自分の殻にこもらず、私にぶつけてきてください。

一緒に悩みましょう、一緒に考えましょう。

簡単に答えが出るような話ではないと思います。

だからこそ、同じ時間を共有し、私の考え方に共鳴してくれた皆さんには、何をおいてもお役に立ちたい、私はそう思っています。
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プロフィール

Author:西本 直
1993年、Jリーグサンフレッチェ広島を皮切りに、社会人野球三菱重工広島・協和発酵・ヴィッセル神戸・川崎フロンターレ、そして広島カープ佐々岡真司投手など、プロアマ問わず競技レベルのスポーツ選手から一般の方まで、トレーニングやメンテナンスの指導を行ってきました。
その経験と知識の蓄積を「西本理論」としてまとめ、一人でも多くの方に実践していただくことが、これからの私の使命であると信じ、このブログから発信していきます。
私の理論はスポーツ選手のみを対象としたものではなく、ビジネスマンや家庭の主婦まで老若男女すべてに当てはまる不変のものです。
指導や講演のご依頼も受け付けています。
実名でツイッターも書いていますので、チェックしてみてください。
また、2013年9月9日にConditioning Studio 操をオープンしました。こちらもご覧ください。
また、遠隔地にお住まいの方を対象とした動き分析とアドバイスを行っています。
詳細は「スタジオ操」のホームページ内の「遠隔サポート」をご覧ください。
西本塾を深める会を9月10日(日)に開催を予定しています。
詳細はstudio操のホームページ内の「講習会情報」をご覧ください。

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