原理原則から個への回帰

今週末には深める会を行います。

西本塾の参加者も多様化し、さらに受講条件を少し厳しくしたため、参加者の姿勢も回を重ねるごとに真剣さが増しています。

そんな中で深める会に参加しようという方々は、当初の想定をはるかに超え、私自身相当な覚悟で臨まなければ、せっかく集まっていただく皆さんに申し訳ないことになってしまいそうです。

こうして西本理論という言い方で、私の経験をまとめているのですが、その経験という部分を自分なりに考えてみると、故郷で開業し、中高校生また一般のスポーツ愛好家の方々から始まって、サッカー、野球、陸上、競輪、ゴルフ、バスケ、バレーなどなど、様々な競技の選手に関わってきました。

その選手たちを相手に、痛みを取るための施術行為から、動きの改善を目指すトレーニングまで、自分のできる範囲を超えて対応してきたと思います。

そして得た一つの結論が、「体作りから動き作りへ」という意識改革につながり、さらには種目や老若男女に関係なく、人として与えられたというか、持って生まれた能力を存分に発揮できる状態にしておくことこそが、トレーニングの目的であると確信するに至りました。

この表現も具体性を欠くというか、抽象的な表現ではありますが、様々なスポーツ選手に関わり、またそれぞれの種目の超一流選手の動きを私なりに分析して行く中で感じた最大公約数的な体の使い方は、すべて共通しているという結論を得ました。

その共通点というか重なる部分があまりにも多いため、私はどんな種目の選手であっても、良い方向へ導いて行ける自信というか確信ができてきました。

ただそれぞれの種目を専門的に行っている選手や指導者にとっては、原理原則は理解できた、動き作りのトレーニングの重要性も理解できた、それでも自分の行っていることに対してもっと具体的なアドバイスというか、指導をしてもらえないのかという要求が出るのも当然のことだと思います。

それはスポーツを行っている人に限らず、人の体を相手に仕事をしているセラピストにも言えることでしょう。

それこそ個別の要求には限りがありませんから。

人間の体はみんな同じなのだから、サッカーはこうで野球はこう、陸上競技ではこう使うなどという違いがあってはおかしいと、これが真理だ根っこを掘り起こせ、では逆に惑わすことになっているのでは、とも思うようになりました。

私こそ、この最大公約数にたどり着くまでは、個別の問題にそれこそ必死に取り組んで結果を求めてきました。

その過程をとばして、いくらこれが真理です、原理原則に従えば自ずと答えはわかるはずですと言われても、そこで大きくうなづける人が何人いるのでしょう。

深める会に二回三回と足を運んでくれる人たちに、根っこの掘り起こし方を指導し、その過程での苦労話を聞いているだけでは、さすがに申し訳ないと思うようになりました。

私が歩んできた道を、後ろから猛ダッシュで追いかけようという人たちですから、その場その場で必要な経験談や工夫してきたことを、今の状況に重ね合わせて話をしてあげることができなければ、深める会に参加していただく甲斐がないというものです。

個々から集めた最大公約数から、もう一度個に戻る作業が私自身に必要になってきました。

因果なものです、個を集めどんなことにも対応できる準備が整ってきたと思ったこの時期に、またみなさんの個に対応するために、意識を戻していかなければならないと。

これはけっして後退ではありません、一職人として作り上げてきたものを、学びたいと言ってくれる人が出てきたのですから、自分にとっては復習のつもりで学び直しをすればいいのですから。

これまで全く縁のなかった車椅子陸上やラクロスという競技の関係者ともご縁ができました。

人間の体は全て同じと言えない人たちを相手にしたり、全く未経験の競技を指導するための方策だったり、未経験のことほどワクワクするものはありません。

個を積み上げ、その中から得られた最大公約数である西本理論を、改めて個に還元して行く作業、受講してくださる皆さんと一緒に、さらに私自身を深める会にして行きたいと思います。

話題変わって、Newspicksの連載が「からだほわっと」の説明に移り、当然のように言葉では分からないから動画を要求するコメントがあり、編集担当からも、その要求に応えて欲しいと打診がありました。

このブログは何度も書いてきましたが、私が話しておきたいことを書く場であって、特定の誰かに向かって何かを指導する場ではありません。

時々そういう口調になってしまうことがあって、イラストや写真また動画といった、もっと分かりやすくする工夫を求められたりしますが、まったくそれにはお応えしていません。

Newspicksは原稿料をいただいて仕事として記事を書いていますので、本来ならばそういう要求にお応えしなければならないのかもしれませんが、こちらでここまで頑なに拒否しておいて、さらには西本塾でも撮影そのものをお断りしている中で、やはりそれを認めることはできないと、今朝お断りをしました。

何人かの塾生に相談しましたが、「私の理論や実技は直接私の体を通して学ぶものであって、動画を見て真似をして分かったような顔をして自分の引き出しに加えようとか言うことは違うと思う」という趣旨の意見に、改めて自分のやっていることの意味を問い直しました。

確かに一般の方々の健康指南書として、役に立ててもらうためには必要なツールかもしれませんが、なぜどうしてという一番大切な部分に目を向けさせることなく 、形だけを真似ても意味がないと言っている張本人が、「それをやっちゃあお終いよ」 と言うことですね。

直接私の手の届かない人たちのために、私と同じ思いを共有する仲間を作る活動はまだ始まったばかり、組織を作り徒党を組んでという気持ちではなく、私から本気で学ぼうという気持ちを持ってくれた人に、私の本気が届いた時、世の中に少しづつ広まって、誰かのためにという私の思いがたくさんの人に届けられると信じて、今の活動を続けて行きたいと思います。

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Re: 27日に予約をした竹中です。
竹中さん
コメントありがとうございます。
私のことを知っていただくきっかけはそれぞれですし、私のことをどう思うかもそれぞれです。
その中で直接会ってみたい施術を受けてみたい、西本塾に参加してみたい、これもまた様々です。
広島出身とのこと、ご縁があったようですね。
ご家族との貴重な時間の中、わざわざ来ていただくのですから、何かを持って帰ってください。
そして札幌開催の西本塾でもお会いできることを楽しみにしています。
  • 2015-05-20│10:13 |
  • 西本 直 URL│
  • [edit]
27日に予約をした竹中です。
西本先生へ

こんばんは。
27日の午前中に予約をしています。竹中友浩と申します。
先日はお電話で予約をさせていただきましたので、用件だけをお伝えするのみになってしまいました。
仕事は鍼灸師だと言いましたが、鍼灸のみを行っているわけではなく、痛みや不調を取り除くために、マッサージやストレッチにごく簡単なトレーニングも加え、「動ける身体づくり」を目指してケア中心に行っています。

知人に聞き、西本先生のブログを最初から拝見させていただきました。(もちろん全てを理解できる訳はありませんが、「朝3分の寝たまま操体法」とNewspicksも読んで少しでも理解できる状態で伺います。)

最初は広背筋を意識して使う??どういう事だろうと思いながら、ブログを読み始めました。すると、普段の自分の動きにも繋がっていると気付きました。
自分自身が骨盤後傾気味なので腰が辛くなった時は自然と腰を反るようにして痛みが出ないようにしてました。
ブログを読む前までは骨盤を立てるのに前側の筋肉を意識してやっていましたが、今は広背筋を意識して引き上げようにしてます。すると、意識が背中になるのでS字も作り易くなり、こういうことなのかぁ。と実感しています。
特に、サッカーに関する話題が多いので、すっと引き込まれます。

そうなると、自分が目指している「動ける身体づくり」はまだまだ体の使い方について必要な部分があると気付き、札幌でも「西本塾」が開催されていると知り、まずは施術を体感したいと思い連絡をさせていただいた次第です。

個人的には痛みなく私生活やスポーツを行う上で、施術とかトレーニングとかって分けるものではないと思っているので、もっと時間をつくりトレーニングも受けたいのですが、(私も細身で久しぶりに会う人には「痩せたんじゃない?」って言われるタイプの人間です。ここ最近、いわゆる屈筋を使うトレーニングをして少し筋肉は肥大しましたが、ブログを読んでこのままでいいのかなぁと思っています)

今回は実家の両親に孫の顔を見せることと、普段出来ていない家族サービスが目的で広島に帰る予定だったのですが、GWにブログをこと聞き、急遽家族に無理を言って帰る日に時間を少しもらいました。少しの時間で体感って思われるかもしれませんが、よろしくお願いいたします。

お会いできることをたのしみにしています。

竹中

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プロフィール

Author:西本 直
1993年、Jリーグサンフレッチェ広島を皮切りに、社会人野球三菱重工広島・協和発酵・ヴィッセル神戸・川崎フロンターレ、そして広島カープ佐々岡真司投手など、プロアマ問わず競技レベルのスポーツ選手から一般の方まで、トレーニングやメンテナンスの指導を行ってきました。
その経験と知識の蓄積を「西本理論」としてまとめ、一人でも多くの方に実践していただくことが、これからの私の使命であると信じ、このブログから発信していきます。
私の理論はスポーツ選手のみを対象としたものではなく、ビジネスマンや家庭の主婦まで老若男女すべてに当てはまる不変のものです。
指導や講演のご依頼も受け付けています。
実名でツイッターも書いていますので、チェックしてみてください。
また、2013年9月9日にConditioning Studio 操をオープンしました。こちらもご覧ください。
また、遠隔地にお住まいの方を対象とした動き分析とアドバイスを行っています。
詳細は「スタジオ操」のホームページ内の「遠隔サポート」をご覧ください。
西本塾を深める会を9月10日(日)に開催を予定しています。
詳細はstudio操のホームページ内の「講習会情報」をご覧ください。

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