思いを伝えるために

週末に行われた「深める会」毎回言っているようですが、今回もこれまで以上に深めるという目的に沿った内容で行うことができたように思います。

8人の参加をいただき、8通りの感性を持ち寄っていただくことができました。

まずは送っていただいた受講動機に沿って、西本理論の取り組みや問題点を話していただく時間を多くとりました。

深める会が、私からの指導内容を西本塾よりも詳しく、手取り足取りの部分を増やすということではなく、西本塾を受講して何を感じ何を伝えてきたか、それに対してどんな反応がありどう対処してきたか、そしてこれから先どうやってより深い理解を得、正しく伝えていくのかを、参加してくれた皆さんどおしが学び合い深め合うことこそが、本当の意味での深める会になると思いました。

そういう会にするためには、参加者のレベルがある程度揃っていないと難しいと思いました。

それは理解レベルや期間の問題ではなく、意識レベルの問題です。

もっと言えば、私から学んだことを誰かのために役立てたいという思いがどれだけあるかということです。

今回の参加者は、つい最近に行われた西本塾に参加したばかりの方から、既に1年以上経過した方、深める会にも複数参加し、お会いするのが4回目という方もいました。

当然複数回参加している方は、他の方に比べれば理論的な理解も実技の部分でも、他の参加者を一歩も二歩もリードしていることは間違いありません。

しかし、学べば学ぶほど難しさや奥深さを感じてくれて、分かったできたと思った時点で違う方向へ行ってしまうということを十分理解してくれていました。

本来こういう方でないと、私の伝えたいことは伝わっていかないのだろうと思います。

中には、西本塾を終えた時、この人はもう二度と再びここにはこないだろうと思っていた方も参加してくれました。

本人もそう思っていたと、正直に話してくれました。

ではなぜ来たのか、西本塾に参加しブログで読んで、書いてあったことはこういうことだったのかと自分なりに納得したところで満足し、理論や走りの実技も自分では分かったできたと思って持ち帰り、自分にもできると指導に活かし、1年間頑張ってきたが、とても満足できる結果を残せなかったことが、改めて参加しようと思った動機だそうです。

私に言わせれば、もちろん一生懸命伝えましたが、理論の部分も分かっているようには見えないし、実技に関してはその時の参加者の中で下から数えたほうがいいくらいの理解度でした。

それでも自分は分かったできたと思ったそうです、そんな状態の人に指導された子供たちは、申し訳ないですがかわいそうです。

そこにやっと自分で気づき、改めて勉強し直そうと参加してくれました。

こういう方が一番ありがたいのです。

中途半端な理解で分かったような気になって指導されては、私が出会うことのない誰かのためにという思いが、全く逆の意味に出てしまいます。

どんなに真剣に学んでいただいたとしても、私が満足できるレベルになってもらうのは難しいかもしれません。

わざわざ広島まで行ったのだから、ちゃんとできるように教えろよ、そう言われるかもしれませんが、そんな簡単なことならわざわざ広島に来なくてもどこかでで誰かが教えてくれるでしょう。

それでも学び続けようという気持ちさえあれば、少しづつでも必ず誰かのためにという目標は達成できると思います。

学びにもうこれでいいはないのです、学び続ける以外にないのです。

様々な思いを持って参加してくれた人たちでしたが、それぞれ確実にステージを上げて帰ってくれたと思います。

今回は参加者のお一人が、直前にふくらはぎの軽い肉離れを起こし、実技に参加できないため、受講自体を取りやめようか悩むほどの状態だと聞いていたので、ちょうどいい機会だと思い、そういう状況の人が私を頼って施術を受けに来てくれたという設定で、普段見せることがない私の施術をライブの解説付きで見てもらいました。

施術前後の状態は本人が驚くような変化があり、見ているみなさんも、私の説明を聞きながらも、なぜどうしてこれで痛みや可動域が改善させられるのだろうと、不思議な顔で見つめていました。

何も言ってくれないので「すごい」って言ってくださいよと、催促してしまいました(笑)

まさに自慢になりますが、これくらいのことができなくてプロの施術家を名乗ることはできません。

昨年の暮れにサッカー選手のトレーニング指導会の会場を貸していただいたオーナーさんが、目の前で真似事をしてぎっくり腰になった時も同じです。

まさに手品のように症状を改善できたことで、プロはすごいなと思ってもらえるのです。

1時間やることをやりました、また明日来てくださいでは明日はないのです。

午後からの走りも、なぜこの体の使い方が有効なのか、それがきちんと説明できなければダンスの振り付けを教えるに等しいと、改めてなぜどうしての部分をしっかり説明しました。

2日目の施術を中心とした実技でも同じです。

施術の仕方を知っているだけでは、人間の体を診ることができないのです。

施術に関しては自分なりに追求してきた操体法というものを、経験や感覚ではなく、理論的とまでは言えないかもしれませんが、きちんとした言葉で伝えることができなければ、これこそ伝えていけるはずはないと思いました。

私独自の解釈かもしれませんが、そう思われたとしても私が誰かに伝えるためには、誰かに教えられたものではなく、私自身が納得できる言葉に整理して伝えなければならないと感じています。

そういうことを考えるようになったという意味でも、深める会の存在は、私自身を色々な意味で深めてくれています。

「学び合い深め合う」、私を含めて参加者全員がそういう共通の意識で臨んでくれた会になったと思います。

なんの準備がなくても、自分がやってきたこと考えていることを伝えればいいのですから、いつでもどんな相手にでも伝えられることはできると思うのですが、自己満足ではなく本当の意味で相手を納得させ、次の誰かに伝えてもらえるレベルに引き上げるためには、私自身がもっと努力しなければならないと感じています。

西本理論などと大上段に構えてしまうのではなく、起承転結がはっきりした理解しやすい理論であり実践方法としての西本理論を、改めて再構築する必要が出てきたように思います。

私の元で学んでくれた人たちが、「これを知らなければ、何の疑いもなく自分のやってきたこと学んできたことで満足し継続していたと思うが、聞いてしまった、知ってしまった、納得してしまった今、もう知らなかったとは言えない、なんとか伝える努力をしなければ」と思ってくれているようです。

本気でそう思ってくれた人たちに対して、もっと分かりやすくもっと実践的に伝えることが私に課せられた使命です。

私こそ、こんな活動をしなければ、こんな面倒なことを考える必要もなく、自己満足の世界に浸り続けることができたのにと思わないこともありません。

始めてしまいました、動き出してしまいました。

既に100人の方を西本理論に引きづり込んでしまいました。

私には責任があります、100人の受講者はもちろん、彼らから指導を受ける、私と直接出会うことのない、その数十倍いや数百倍になるかもしれない人たちに対して、中途半端な知識や実践方法が伝わらないよう、さらにはもっともっと良い方法を提案していけるように、私自身が立ち止まることを許されなくなってしまいました。

もう少し時間はかかるでしょうが、この人ならという人材も育成できそうな気もしてきました。

数字やデータは示せませんが、これまでの経験を自分なりに言葉にしていく作業、始めなければなりません。

いつになるかわかりませんが、永遠に完成しないことこそが、本当に真理を追求していく姿勢を貫くということなのではないでしょうか。

先にうまい言い訳を言ってしまいましたが、努力はもちろん続けます。

みなさんと一緒に学び合う中にこそヒントがたくさんありそうです。

西本塾では、まず私の思いを直接私の言葉でお伝えし、目で見て体を動かしてその事実を確認していただくことが、最低限の目標になると思います。

そして深める会では、まさに学び合い深め合って、誰かのためにという高い意識を共有できる仲間になっていただく、そんな会にしていきたいと思います。


みなさんご協力をお願いします。

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問題発見と仮説検証
二日間お世話になりましてありがとうございました。
いつも思う事ですが、目に見える現象でもその人のレベル、感性によって違って見えるのに、目に見えない事となればそれが如実に表れます。それが見えるようになるには自身の成長しかないと感じています。ただ漠然と物事を眺めているだけではなにも見えてこないので、なにを観るのかを明確にします。そして文字通り、わかるとできるは別物なのだと痛感致しております。

運動を考えた時にも運動そのものをしている本人の意識が成長しない限り結果として表に現れる運動そのものの質も成長しないのだと今回の客観的な視点からの助言を受けてそう感じました。
自分がどう見えているのか、それを知っているのは他人だけですから。

貴重な時間を共有できた皆様に感謝致します。ありがとうございました。

また地道に取り組んで参りたいと存じます。宜しくお願い致します。
  • 2015-05-29│07:58 |
  • 鍋田 URL│
  • [edit]
2日間ありがとうございました。
西本先生、奥様、受講生の皆様

深める会の二日間お世話になりました。
私自身3度目の参加になりますが、今回もまた今までとは少し違うスタイルでの会で、考え方・見方・動かし方・施述の深みを出す機会になったと思います。
毎回受講生の方のバックグラウンドも違い、各々での感じ方・取り組み方も様々で自分がまだ経験していない部分の話も聞く事ができたりと、良い時間でした。
走り方の部分では、先生にはまだまだ足元にも及びませんがお褒め頂き、ここから先は自分自身の走り方を極める事ももちろんですが、しっかりと私の周りにいる方に還元していければと思っています。
その為には、今回のように他の受講生の方の走り方を多く見る事が出来たのも、大変勉強になりました。
人それぞれ少しずつ違いがある中でどのようにすれば同じ方向に持っていく事が出来るのかを考える事が今までよりも更に出来て、方向性の再確認をさせて頂きました。
人間同じように骨や筋肉があるけれども誰一人として同じように動かす事はないと思いますので、まずはカラダや動作を見てイメージをし、その描いた絵に辿り着けるように道筋を選んでいけるように努力していきます。
からだほわっとも同様に、相手との息を合わしどのようなアプローチをすれば相手のからだが喜んでくれるのかを常々考え感じながらしていければと思います。
怪我や痛みがあるから休むではなく、他に動かせるところはどこかにあるか、痛みのある中でもこの範囲なら動かす事が出来るといった見極めをすれば、早めの復帰や痛みの軽減が出来るという事も、1日目で十分に知る事ができたので今後に活かしていきます。全ては目の前にいる方の為に、真摯に向き合ってチャレンジしていきたいと思います。
例の子どもの保護者の方にも気持ちよく納得して頂く為の機会がある事が非常に楽しみでもあります。また報告させて頂きます。
今回も遅い時間までスイング特訓もして頂きありがとうございました。先生に教えて頂く事は、西本理論にも大いに当てはまり、スイングするのも楽しくなっていました。そして、前回もそうでしたが今回も先生の指導の分かりやすさが身に染みました。きっとあの場にいたお二人も始めると思います。(笑)

今回ご一緒に情報・考え方を共有する事が出来た受講生の皆様、出会いに感謝しております。西本ファミリーとしてこれからも一緒に頑張っていきましょう。貴重な二日間ありがとうございました。

そして、二日目は残念ながらお会いする事が出来ず、お礼を伝える事が出来ませんでしたが、今回も奥様にはビデオ撮影をして頂き感謝しております。おかげさまで二日目には先生・受講生の皆でフィードバックする事が出来、動き方に対して更に深める事が出来ました。ありがとうございました。

今回も貴重であっという間の二日間でした。「カラダを知る」という事に対して更に深みを出し、追い求め続けようと思います。二日間お世話になりました。最後になりましたが、西本先生ありがとうございました。今後とも宜しくお願い致します。
  • 2015-05-26│15:10 |
  • 竹内健太朗 URL│
  • [edit]

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プロフィール

Author:西本 直
1993年、Jリーグサンフレッチェ広島を皮切りに、社会人野球三菱重工広島・協和発酵・ヴィッセル神戸・川崎フロンターレ、そして広島カープ佐々岡真司投手など、プロアマ問わず競技レベルのスポーツ選手から一般の方まで、トレーニングやメンテナンスの指導を行ってきました。
その経験と知識の蓄積を「西本理論」としてまとめ、一人でも多くの方に実践していただくことが、これからの私の使命であると信じ、このブログから発信していきます。
私の理論はスポーツ選手のみを対象としたものではなく、ビジネスマンや家庭の主婦まで老若男女すべてに当てはまる不変のものです。
指導や講演のご依頼も受け付けています。
実名でツイッターも書いていますので、チェックしてみてください。
また、2013年9月9日にConditioning Studio 操をオープンしました。
また、遠隔地にお住まいの方を対象とした動き分析とアドバイスを行っています。
詳細は「スタジオ操」のホームページ内の「遠隔サポート」をご覧ください。
「第25回西本塾」を11月18・19日の土日に開催を予定しています。
詳細はStudio操ホームページ内の「講習会情報」をご覧ください
尚、深める会も12月10日に予定しています。

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