スポーツ選手の理想像

今日は、私が理想とするスポーツ選手像について触れておきたいと思います。

これまで接してきた、いわゆるアスリートと呼ばれるレベルの選手たちはサッカー・野球・競輪・ゴルフ・陸上競技などの競技者でした。

私自身は、幼いころから野球を始め、残念ながら高校野球を全うできないで終わってしまった中途半端な人間で、現実目の前にいて相手にしている選手たちに対しては、心の底から尊敬しうらやましくも思っていました。

この仕事を始めてから、少しずつ自分のやっていることに自信を持ち始めると、自分にはない素質と努力でこのポジションにまで達したことに関しては認めざるを得ないものの、さらにもう一歩というか現状に満足してしまっているように思えてなりませんでした。

すでに、一般の人間からは想像もつかない高みに達しているといえばそれまでですが、まだまだ向上していける伸びしろはいくらでもありそうな選手でも、自分はこれでこの世界に入ってきたんだという雰囲気を感じてしまいます。

プロの世界に届いた選手というのは、例えば野球であれば、子供のころからエースで4番、体も大きく周りからも期待され結果を残して当然という環境で中学高校と進んできたと思います。
超〇〇級、という言い方がありますが、小学生が中学生になると、そういわれた人間が周りに集まってきます。

さらに高校生になると、中学時代ライバルだったような、同じレベルの選手が増え、大学、プロとなればそういう選手ばかりの集団となり、小さな集団の中でお山の大将でいられた自分が、普通の人になっていくという現実に、自分もここまでかなあと、あきらめにも似た心境に早々と陥ってしまう選手をたくさん見てきました。

私に言わせれば、そこからが勝負です。そのユニフォームにそでを通さなければ、スタートラインに立てないのですから。

そこに、的確なアドバイスや指導ができる、本当の意味での指導者が存在し人間関係を築ければ、将来ある選手をもっともっと育てることができるのにと思わずにはいられませんでした。

それ以上に重要なポイントは、選手自身の人間性ではないでしょうか。

親から受け継いだ天賦の才能を、生かすも殺すも本人の考え方と人間性だと思います。

いわゆる学校の成績ではなく、本来人間として備わっていなくてはならない部分が欠けている選手は、正直伸びないと思います。

以前所属していたチームで新幹線で移動中、あろうことか段ボール箱を持ち込んでトランプゲームに興じる選手がいました。

もちろん貸切の車両ではありませんから、一般の乗客の方もたくさんおられます。
特にグリーン車というのは、お金が高くても少しでも快適な環境で移動をしたいという方々のはずです。

その中で、修学旅行の学生のようにはしゃぐ行為が許されていいのでしょうか。
フロントの人間にも、選手をリラックスさせるためには細かいことは大目に見てやってくれと言われ、悲しくなりました。

私は古い考え方の人間かもしれませんが、年長の方に対する物の言い方や態度には、最低限守られなくてはならないルールがあると思っています。

人間関係を築くことと、友達どうしのようなタメ口で会話をするようになることは、本質的に違うと思っています。

サッカーの国際試合で両チームの選手が並んだ時、日本のチームはいったいどこの国の選手たちかと思うくらい、髪の毛の色がまちまちだったり、長い髪を無造作に束ねていたりと、それが今風のかっこよさなのかもしれませんが、少なくともその競技のトップ選手として、たくさんの方々にい応援していただき、子供たちの目標とならんとする立場であることを、もう少し考えてもらえないでしょうか。

その結果がああいう姿形になっていて、世間の皆さんが認めているのだとしたら、現代に生きる日本人として私の考え方が古すぎるのでしょうが。

話が大きく本筋から外れてしまいました。

元広島カープの佐々岡真司投手をご存知でしょうか、現役生活18年間のうち後半の9年間、個人契約のパーソナルトレーナーとして一緒に戦いました。

私の運営していた小さなトレーニングルームで、広島にいる間はほぼ毎日のように通ってきてくれました。
素晴らしい成績を残した、超一流の投手です、褒めればきりがないのですが、私が9年間付き合ってもっとも感心したことを挙げておきます。

マシンを使って行う投手メニューと名付けた一連の流れがあるのですが、彼は9年間一度としてその地味なメニューに対して手を抜かなかったのです。

このトレーニングは現役の野球選手である限り絶対に必要不可欠なメニューであることは、最初にきちんと説明をしてあったのですが、それでも普通はまた今日もこれですかという雰囲気が、言葉にこそ出さなくても感じられて当然な部分もあります。
現実そういう選手もたくさんいました。

私はそういう雰囲気を絶対に見逃しませんし、そう感じられたらその瞬間に佐々岡投手との関係を切ろうと思っていました。

それが、中6日で登板するとして、同じ機械で同じことをやっても、登板した翌日、2日後3日後と筋肉の張りや可動域の違いをしっかり感じ取り、1日の休みを挟んで次の登板に向けてゆるめた筋肉を再調整するという作業を、繊細な意識を持って9年間取り組んでくれたのです。

その努力は、親しい人たちにも明かすことなく、表面上は付き合いがよく夜の付き合いもしっかりこなす、みんなに慕われるキャラクターを通し続けていました。

当たり前といえば当たり前でしょうか、その当たり前の努力を継続できるか否かが、プロとしての成功の可否に結び付いたのではないかと思っています。

自分が納得できる理論と指導者の下で、地道な努力を継続できる選手が一流になっていく。
ユニフォームを着ていない時でも、常に自覚を持って行動し、範となりうる人間であってほしい。

昭和33年生まれ時代遅れの人間の、選手に対する理想像でしょうか。
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プロフィール

Author:西本 直
1993年、Jリーグサンフレッチェ広島を皮切りに、社会人野球三菱重工広島・協和発酵・ヴィッセル神戸・川崎フロンターレ、そして広島カープ佐々岡真司投手など、プロアマ問わず競技レベルのスポーツ選手から一般の方まで、トレーニングやメンテナンスの指導を行ってきました。
その経験と知識の蓄積を「西本理論」としてまとめ、一人でも多くの方に実践していただくことが、これからの私の使命であると信じ、このブログから発信していきます。
私の理論はスポーツ選手のみを対象としたものではなく、ビジネスマンや家庭の主婦まで老若男女すべてに当てはまる不変のものです。
指導や講演のご依頼も受け付けています。
実名でツイッターも書いていますので、チェックしてみてください。
また、2013年9月9日にConditioning Studio 操をオープンしました。こちらもご覧ください。
また、遠隔地にお住まいの方を対象とした動き分析とアドバイスを行っています。
詳細は「スタジオ操」のホームページ内の「遠隔サポート」をご覧ください。

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