痛みに対する不安と恐怖心

一昨日の日曜日、丸亀運動公園で行われたカマタマーレ讃岐対ファジアーノ岡山の、瀬戸大橋ダービーを観戦に行ってきました。

たった3日間とはいえ指導のお手伝いをさせていただいたチームです、せめて一度くらいは本拠地で行われる試合を観に行きたいと思っていましたが、今回それが実現しました。

1月に高松まで行った時に、時間的にも思った以上に近いし、乗り換えも高松で一回するだけでしたから、その気になればいつでもいけるなと思っていました。

サポーターの方たちは、もっと遠くまで全国を駆け回って選手たちを応援してくださっているのですね、本当に有難いことです。

たかだか広島から丸亀など、遠いところではありませんでした、本当に日帰りの距離でした。

駅からシャトルバスに乗り、岡山のサポーターの方たちと一緒に競技場に到着し、唐揚げと焼き鳥で腹ごしらえして観戦に臨みました。

1月以来ご縁ができたサポーターの方と並んで観戦しましたが、メインの応援団の方たちは、さすがにホームゲームですから気合が入っていました。

選手の入場に合わせて、配られていたポスターを高く掲げ、いちおうサポーター気分も味合わせていただきました。

この時掲げたポスターですが、瀬戸大橋が描かれたとても綺麗なポスターで、大事に持って帰ってきました。

試合は惜しくも0対1で敗れましたが、選手たちの動きは相手チームを上回っていたと思いました。

ウォーミングアップから見ましたが、サッカーの試合前に必要な動作をうまく組み合わせ、必要十分な内容だったと思います。

私がもしその内容を決める立場にあるとしたら、あとはその動きそのものの質というか、動きの目的意識を明確にするために、少し大げさなくらい誇張した動きを要求すると思います。

そのくらいやっておかないと、いざゲームが始まりボールを追いかけ、相手にぶつかるという状況の中では、これまで染み付いた動きが顔を出して当然ですから、冷静に自分の動きをコントロールできる状況の、アップやトレーニングにおいては、そこまでやらせておきたいと思います。

それでも岡山のアップに比べれば内容はかなり充実していたと思います。

だからというわけではないですが、試合開始から20分くらいまでの間は、岡山の選手の動き出しが明らかに遅く、あの時間帯に攻め切れていれば、そのあとのゲームプランはかなり楽になったと思います。

岡山の選手も徐々に動きは良くなってきましたが、それでも全体としては讃岐の方が動けていたように思います。

隣で観戦していたお二人と、後半駆けつけてくれた塾生の長尾さんも交え、色々話をしましたが、個人としてチームとしてのJ1との差というか気になったところは、基本動作であるボールをコントロールするファーストタッチの精度が少し低いような気がしました。

そのことでボールを奪われたり、次のプレーにスムーズに移行できなかったりということが起こり、結果としてチームとして連動していかないということになってしまいます。

いわゆるガチャガチャしている状態と言うのでしょうか、ボールが落ち着かず攻守の切り替えが目まぐるしく変化し、疲労が増してしまいます。

基本である足元の技術が彼らにないはずがないので、やはり走り方、体の使い方にもう一工夫あれば、もっと楽にゲームを進められるような気がしました。

私の言うことは、あくまでも体の使い方という目線になりますので、サッカーに詳しい方には異論があるとは思いますが、そういう見方もあるのかというところで参考にしていただければと思います。

さて今日は初めてここを訪れていただいた方があり、その方は典型的な50肩の症状でした。

それもかなりひどい状態で、2ヶ月近く痛みが続き、昨晩はどんな姿勢になっても痛みが強いので、ほとんど寝られなかったというほどでした。

こういう方の場合、ここまで痛みがひどいと、力を抜くということが全くできなくなってしまいます。

私が何をしようと、どんな姿勢や動きを要求しようと、とにかく痛みがでないように体を固くしてしまうのです。

これでは動ける動きもできませんし、痛くないはずの動きでも痛みが出てしまいます。

痛みは体が発してくれる大切なシグナルではありますが、ここまでくると、その意味合いを通り越しています。

私がいつも使う言葉で、「体が根に持ってしまっている」という状態です。

こうなる前に、体はとっくに黄色い警告信号を出し続けていたと思うのですが、それでもこんな状態になるまで放置されていたのですから(ご本人の名誉のためにお断りしておきますが、少し前に医療機関は受診されたそうです)もうこれ以上の状態になっては大変だと、まだ動く前から、脳が赤信号でストップをかけてしまうのです。

この状態が一番厄介です、3・5・7理論に沿った収縮と弛緩や、8方向の中で動作可能な方向性を見つけて、できるだけ遠隔の部位から患部の動きを促すことで、筋肉の柔軟性を回復し可動域を改善していくことで、全身が連動し本来の体の状態に回復させるという、私の施術理論に沿った動きができないのです。

こういう時に私が工夫するやり方はこうです。

まずは自分が何ができるかを自分の目で確認してもらうことです、一瞬でも姿勢を変えたりどころか手を動かすことなど全くできないと思い込んでいる頭に、「ほらこの動きならできるでしょう」と問いかけるのです。

最初は痛む右手ではなく、右手を左手で保持して他動運動として行わせます。

本来の他動運動は、本人ではなく、私が保持して行うのですが、動かされるということに対する恐怖心から、まったく思ったような他動運動を行うことができないのですが、痛くない方の自分の手が動かしてくれるのなら、流石に自分で自分を痛めつけるようなことはしないでしょうから、恐る恐るでも動かすことができるのです。

もちろんこの試みに入るまでには、いつものようにからだほわっとから始まって、全身のバランスを整えるための一通りのことは行っていて、十分勝算があってのことです。

さすがの「からだほわっと」も、その気持ち良さを味わってもらえる心の余裕はなく、ひたすら私が身体に語りかけるのみの施術にはなってしまいますが、それでも私としては体が緩んでくれる手応えは感じていますから、時間をかけて体との対話は進めてあります。

鏡で自分の体が動いていること、とくに痛いはずの右腕が左手によってとは言いながら、動いているという現実を見てもらうことで、少しずつではありますが表情が落ち着いてきました。

こうなってくると、今なら右手だけで動かしたらどれくらい動かせるのだろうと、指示していない動きを勝手にやろうとしますので、慌ててはいけませんと、これまでやってきたことを整理してお話しし、ここを出てからやっていいことやってはいけないこと、そして絶対にやっておいて欲しいことを説明して一回目が終了しました。

90分くらいかかっています、簡単にはいきません。

痛みという感覚は絶対に必要な感覚です。

しかし、こういう状況にまでなってしまうと、一番厄介な存在でもあります。

もちろん注意信号くらいの時に気づいていれば、ここまでにはなっていなかったと思いますが、痛みを怖がりすぎると改善が遅れてしまうこともあるのです。

いろいろな人を相手にしてきました、一人として同じ感覚の人間はいません。

その一人一人と真剣に向き合うことで、画一的な施術ではなく、体と心を相手にできるようになってきたと思います。

心を通じ合わせることが一番難しいことで、まだまだ試行錯誤ですが、最善の努力をしても通じない相手がいることも事実で、仕方がないことだと思うようにしています。

私の努力もまだまだ必要ですが、自分の体を道具のように酷使し続け、故障してしまったから治してくれという態度がミエミエの人は、治りにくいし、また同じことになっていく可能性が高いように思います。

newspicksの連載は終了しましたが、結局お手軽な方法論を求める人には、物足りない内容だったかもしれませんが、「体との対話」という主題に気付いていただいた方には、なんらかの変化が期待できるのではないでしょうか。

私にできることは小さなことかもしれませんが、一つづつ確実に積み上げていきたいと思います。

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プロフィール

Author:西本 直
1993年、Jリーグサンフレッチェ広島を皮切りに、社会人野球三菱重工広島・協和発酵・ヴィッセル神戸・川崎フロンターレ、そして広島カープ佐々岡真司投手など、プロアマ問わず競技レベルのスポーツ選手から一般の方まで、トレーニングやメンテナンスの指導を行ってきました。
その経験と知識の蓄積を「西本理論」としてまとめ、一人でも多くの方に実践していただくことが、これからの私の使命であると信じ、このブログから発信していきます。
私の理論はスポーツ選手のみを対象としたものではなく、ビジネスマンや家庭の主婦まで老若男女すべてに当てはまる不変のものです。
指導や講演のご依頼も受け付けています。
実名でツイッターも書いていますので、チェックしてみてください。
また、2013年9月9日にConditioning Studio 操をオープンしました。
また、遠隔地にお住まいの方を対象とした動き分析とアドバイスを行っています。
詳細は「スタジオ操」のホームページ内の「遠隔サポート」をご覧ください。
「第25回西本塾」を11月18・19日の土日に開催を予定しています。
詳細はStudio操ホームページ内の「講習会情報」をご覧ください
尚、深める会も12月10日に予定しています。

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