現場にいないもどかしさ

分かっているつもりですが、直接指導を受けて今すぐに結果が欲しい選手には、残念ながら彼らが実際にプレーをしている場所に、私が足を踏み入れることができません。

理論的な部分はここでしっかり伝えることができます。

動きについても最低限のことは伝えられるし、体の使い方や、なぜどうしての部分も理解させることができます。

今の自分に足らないもの、それを改善する方法、もう答えが分かっているにもかかわらず、結果として形にできないもどかしさを、選手も私もお互いに感じています。

先日観戦に行った讃岐のこともここに書きましたが、動きを変えるということは容易なことではありません。

慣れ親しんできた走るという行為に関しては特にそうなります。

速く走るためには、肘を90度に曲げしっかり腕を振って、腿を高く引き上げ、地面を強く蹴ることが必要だと教えられてきました。

それを腕は振らなくていい、腿は引き上げない、地面は蹴らないようにと、まったく真逆なことを言われても、それで速く走れるはずがないと思ってしまうのは仕方がないことです。

練習を重ねてスムーズな走りができるようになったとしても、ならばこの走りでさらに今までのイメージを加えると、もっと速く走れるようになるのではと思ってしまうのも当然かもしれません。

知識や理論の既成概念を打破するのはもちろんのこと、これまで当然のように行ってきた身体動作を変えるということには、相当な覚悟が必要となります。

現状厳しくなってきた自分の動きをなんとか変えようとして、一から取り組んでくれているにもかかわらず、実際のプレーに生きてこないことに、なぜ自分はできないのだろうという苛立ちも感じているようです。

理屈だけでなく、自分の体が絶対にこの体の使い方の方が良いと納得し、いくつかのドリルではきちんとできるようになって、、手応えを感じているにもかかわらずプレーに出せない、答えを知っているのに、回答用紙にかけないのと同じことです。

なんのプレッシャーもない状況ならそれができても、ここ一番でそれができない、それをなんとかできるように導くのが私の仕事です。

ピッチサイドに陣取り、一瞬一瞬の動きに目を光らせ、「今のは良いよ、それ違うだろ!」と、間髪入れず指示を送りながら、動きを作り上げていけば、もともと持っている能力は高い選手ですから、身について仕舞えばそれだけのことなのです。

言葉で言うのは簡単ですが、そこが難しいところです。

選手に対する直接指導ではなく、西本塾で教える時でもそうですが、私は結果にものすごくこだわります。

だから指導する時の言葉が荒くなったりすることもあります、それはきちんと伝えたいからです。

もっとうまく伝えなければとは思いながら、たまに本性が出てしまいます。

それが現役の選手となると話は違ってきます、今この瞬間から新しい動きを身につけてできるようにしてあげたい、そのためにはどうやって伝えたら良いのか、本当に色々工夫しています。

ただ最後の厚い壁は、私が現場にいないこと、生の動きを見て指導ができないことです。

あと一歩もう少しのところで足踏み状態となり、できるはずの動きができないという選手、もし現場でお互いの声が届くところで指導できたらと思わずにはいられません。

最後の詰めの部分の難しさ、これからの私に突きつけられた、一番難しい問題はズバリここにあるようです。

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プロフィール

Author:西本 直
1993年、Jリーグサンフレッチェ広島を皮切りに、社会人野球三菱重工広島・協和発酵・ヴィッセル神戸・川崎フロンターレ、そして広島カープ佐々岡真司投手など、プロアマ問わず競技レベルのスポーツ選手から一般の方まで、トレーニングやメンテナンスの指導を行ってきました。
その経験と知識の蓄積を「西本理論」としてまとめ、一人でも多くの方に実践していただくことが、これからの私の使命であると信じ、このブログから発信していきます。
私の理論はスポーツ選手のみを対象としたものではなく、ビジネスマンや家庭の主婦まで老若男女すべてに当てはまる不変のものです。
指導や講演のご依頼も受け付けています。
実名でツイッターも書いていますので、チェックしてみてください。
また、2013年9月9日にConditioning Studio 操をオープンしました。こちらもご覧ください。
また、遠隔地にお住まいの方を対象とした動き分析とアドバイスを行っています。
詳細は「スタジオ操」のホームページ内の「遠隔サポート」をご覧ください。
今年2回目の西本塾を8月26・27の土日に開催を予定しています。
詳細はstudio操のホームページ内の「講習会情報」をご覧ください。
なお、今回も参加者が5名に満たない場合は開催しません。
9月10日には深める会も予定しています。

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