背骨を使うということ

最近とくに時間の流れを早く感じてしまいます。

先々立てた予定が次々と目の前に迫ってきて、それらの一つひとつに真剣に向き合っているという充実感と、ひとつ終わるごとに残されたものが少なくなって行くような寂しさを感じたり、歳のせいでしょうか色々な思いが交錯しています。

もう何年かすれば、ある程度開き直れるというか、自分を客観的に見ることもできるようになるのかもしれませんが、今はまだ20年前と変わらない想いが自分を支配しているようで、不思議な感覚です。

金曜日からの札幌出張に備えて、明日の夜には広島空港横にあるホテルに前泊する予定です。

広島空港は市内中心部から離れているため、朝一の便に乗るのに万が一にも高速道路が通行止めにでもなってしまうと、代替えの交通機関では間に合わないことになってしまいます。

昨年もそうしましたが、私を待ってくださっている皆さんに、ご迷惑をかけることがないように万全を期して準備したいと思っています。

今回は、初めて西本塾と深める会を同時開催することにしました。

遠く北海道から広島に来ていただいた西本塾生の皆さんに感謝の気持ちを込めてこちらから伺うことにしましたが、昨年は初めて参加していただく方を対象の西本塾に、すでに受講していただいた方も同じ内容ではありますが、復習の意味で参加していただくという形を取りました。

今回初めて、初参加の方にも、本来深める会として参加したかった方にも、どちらにも満足していただける内容にしなければと色々構想を練ってきました。

残念ながら申し込みが少なく、新規が4名と深める会が3名そして、お二人は初日だけの参加ということになり、どういう構成にするのかなおさら難しくなりましたが、少人数の利点もあり、本来初日と二日目に分けて行う内容をミックスした形で時間配分していこうかと思っています。

ここにあるようなトレーニングマシンこそありませんが、必要な備品は小林さんと諏訪さんという強い味方が札幌には居て、しっかり準備していただいています、本当に感謝です。

どんな場所でどんな条件であっても最善を尽くす、私にはこれしかできませんが、今回も新しい試みが成功するよう頑張ってきます。

さて、札幌にはもちろん西本塾と深める会を開催するために、仕事として伺うのですが、西本塾に初めて参加していただいた際に書いていただいた参加動機が、趣味のゴルフを行っている人を対象にした施術環境を作りたいという諏訪さんのご好意もあって、前日の金曜日に諏訪さん小林さんと私の3人でラウンドをさせていただくことができました。

本当に楽しみにしていて、家族からは仕事に行くのかゴルフに行くのかどっち、とまで言われるほどでしたが、あいにくの雨にたたられ、その上ものすごく寒い日で、とても楽しめる状況ではありませんでした。

今年も諏訪さんが一緒に回っていただけるということで、明後日に迫ったニドムクラシックコースでのラウンドも、仕事と同様に心待ちにしています。

今回は天気も良さそうなので、豪快なドライバーショットをお見せすることができるよう、気合が入りすぎてまっすぐ飛ばないことが心配ですが、まずは楽しんでこようと思います。

ゴルフはもちろん趣味ですが、その体の使い方には私が提唱する西本理論のエッセンスをふんだんに取り入れることが、体を痛めることなく効率的にスイングできる秘訣のように思います。

コースに行けば平らな場所はありませんので、ナイススイングイコールナイスショットとはいきませんが、私のスイングも練習場では顔見知りになている年配のゴルファーさんたちからお褒めの言葉もいただけるようになってきました。

今一番重要なテーマとして取り組んでいることが、上半身を3分割で使うというイメージです。

このことはロッベン選手の練習風景を撮影した動画を見せてもらった時に、私の中にこれまで漠然としたイメージとしてあったものが、はっきりと言葉にすることができ、人に伝えることができるようになったものです。

人間の本体は骨盤、そして仙骨から積み上げられた腰椎、胸椎、頚椎で構成される背骨だと思います。

この部分の6方向への動きが人間の動作を構成しています。

6方向というのは、残りの圧着と離開、つまり隙間があるということを前提とすると、実際の運動方向は6方向になるという意味です。

数で言えば、仙骨1、腰椎5、胸椎12、頸椎7と計26個の椎骨があり、その間には椎間板という組織があって、それぞれの運動方向を確保してくれています。

「筋肉の仕事は骨を動かすこと」、それ以上でも以下でもない筋肉の仕事を上手に行ってもらわないと、せっかくこれだけの関節の数が与えられているのに、滑らかに動くことができなくなってしまいます。

たまたま今朝ツイッターで時々コメントをいただく方のブログに、私は試合を見ていませんが、昨夜行われた川崎対ドルトムント戦のことが書いてあり、今私がここでたくさんの方々に伝えている体の使い方そのものの差が、0対6という大敗に結びついたのではないかと思いました。

「90分間走り続ける能力ではなく、90分間頭と体をフルに動かし続ける能力」、これこそがサッカー選手に求められる能力であるということを訴え続けています。

それを可能にするために、走るという行為そのものに着目し、体の使い方を指導していますが、実はそのことも含めて、もっと根本にあるのが、「屈筋優位ではなく、伸筋を使って骨を動かす」ということが基本中の基本、根本の原理原則なのです。

屈筋を使うから力んでしまう、力んでしまうことで背骨が一本の棒としてしか使えないことで、26個の椎骨一つ一つに与えられた捻転という能力を使えなくしてしまう、その結果体を一体として動かす必要が出てくるため、地面の半力が必要な体重移動になってしまうのです。

その一連の体の動きは、相手から見ればすべてが予備動作として認識されてしまうため、相手の方が動きを先に読んで、動くことができるため対応が遅れてしまうことになるのです。

これを防止しようとして考えたのが静止ではなく、「アイドリング」という動きです。

いつでもどのタイミングでもどの方向にでも瞬時に動き出せる、前傾して腰を落とし半身になって対応するのではなく、骨盤を縦に揺らせて、自分が視線を向けた方に体が動き出す準備をするのです。

ここに、ロッベン選手の3分割のイメージが加わったことで、これまでの説明がより分かりやすく実戦的なものになったと思います。

いくら冷静な判断ができて、創造性豊かなプレーを行おうとしても、肝心な体自身が思ったように動いてくれないとしたら、これこそ机上の空論に終わってしまいます。

静止した状態から人間が動くというエネルギーを発動するためには、進みたい方向への前進、振り向きからの135度をフルに使った捻転、そして引力に任せる落下です。

この3つを最大限に活かすためには全身の関節を連動させることが必要なのです。

さらにはそれをもっと活かすためには、静止状態からではなく「アイドリング状態」を作って準備しておく必要があります。

走り続けるではなく動き続ける能力、それも体だけではなく頭も含めて、そのためには何が必要でどこを意識して動かさなければならないのか、根っこを掘る作業を続けていく中で、いろんなことが見えてきました。

けっして私が考え出したとかいうことではなく、おそらく人間はこうやって動いたら楽に効率的にと、先人が求め続けてきたものが少しずつ見えてきたのだと思います。

今日は本当はゴルフのスイングにおける3分割のイメージを文章にしようとキーボードに向かったのですが、昨夜の試合を想像しながら、やはりこの部分を真剣に見つめ直す指導者が出てこない限り、男子も女子も本質的な差は永遠に狭まっていかないように思いが強くなり、気づけばこういう記事になってしまいました。

いつまでたってもフィジカルの差だとか、個人の能力の差とか、経験の差とか、国民性の違いだなどと言っているようではまったく進歩はないかもしれませんね。

広島に帰ってくるまでブログの更新はありません、無駄足を踏ませるのは申し訳ないので書いておきます。

ゴルフで納得のスイングができ、諏訪さんをあっと言わせる飛距離のドライバーショットが打てたら、ツイートしたいと思います。

ああ、これ言っちゃうとツイートがないと、またやらかしたというのがバレバレですね(笑)

前回の記事にはたくさんの拍手をいただきました、ありがとうございます。

いつも閲覧者の数に比して拍手が少ないのを気にしていましたが、共感していただける内容にはちゃんと反応していただけることがわかりました。

いつも大した内容のことを書いているわけではありません、私が言いたいことを書いているだけですから。

では札幌でお会いする皆さん、よろしくお願いします。
スポンサーサイト

Trackback

Comment

No title
西本先生

この度は二回目の札幌開催を叶えていただき誠にありがとうございます。
今回は西本塾と深める会を同時開催されるということで、いつも以上に楽しみにしております。

また昨年同様、ラウンドまでお付き合いしていただけるということで、通常であれば緊張感を持って望むべきところなのですが、体から湧いてくるワクワク感を抑えることが難しい状況になっております。

西本先生の豪快なドライバーショットもそうですが、キレのあるアイアンショット、プロ顔負けのリカバリーショットなど、規格外のプレーを生で見せていただき、西本理論のエッセンスを学ばせていただければと思っております。

先日の「ゴルフレッスン」で教えていただいた「正しいトップの位置」、「アドレスの前傾角度に対して肩が水平になること」、「切り返しでの右腰の使い方」をイメージして素振りをしております。金曜日のラウンドでは少しでもこのイメージでスイング出来るように準備しておきます。

道中お気をつけてお越しください。心よりお待ちしております。
  • 2015-07-08│23:46 |
  • 諏訪俊一 URL│
  • [edit]

Post a comment

Secret


プロフィール

Author:西本 直
1993年、Jリーグサンフレッチェ広島を皮切りに、社会人野球三菱重工広島・協和発酵・ヴィッセル神戸・川崎フロンターレ、そして広島カープ佐々岡真司投手など、プロアマ問わず競技レベルのスポーツ選手から一般の方まで、トレーニングやメンテナンスの指導を行ってきました。
その経験と知識の蓄積を「西本理論」としてまとめ、一人でも多くの方に実践していただくことが、これからの私の使命であると信じ、このブログから発信していきます。
私の理論はスポーツ選手のみを対象としたものではなく、ビジネスマンや家庭の主婦まで老若男女すべてに当てはまる不変のものです。
指導や講演のご依頼も受け付けています。
実名でツイッターも書いていますので、チェックしてみてください。
また、2013年9月9日にConditioning Studio 操をオープンしました。こちらもご覧ください。
また、遠隔地にお住まいの方を対象とした動き分析とアドバイスを行っています。
詳細は「スタジオ操」のホームページ内の「遠隔サポート」をご覧ください。

最新記事

カレンダー

04 | 2017/05 | 06
- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31 - - -

カウンター

検索フォーム

QRコード

QR