コンディショニングって何だろう

毎日のうだるような暑さで、熱中症が原因と思われる死亡者の数が、毎日のようにニュースで報告されています。

学生たちにとっては夏休みを利用したスポーツの大会が、全国各地で行われています。

インターハイや全中、それこそありとあらゆる年代の競技が、当たり前のように行われています。

高校野球も6日から夏の甲子園大会が始まります。

スポーツに対する考え方は様々で、思い入れの強さも普通の感覚では計り知れないものがあったりします。

しかし、どんなに気象条件が変化して、熱中症の危険性が叫ばれていても、「夏のこの時期のスポーツ大会はやめよう」という機運には繋がっていきません。

純粋にこの夏を目指し、努力を続けてきた選手たちに対して、「今日は35度以上の気温が予想されますから試合は中止します」などと言える大人はいません。

熱中症は死に至る危険性を含んだ、本当に危ない状態です、十分注意を払っていましたが申し訳ありません、では済まされる問題ではありません。

選手だけの問題ではありません、応援している観客の方こそ大きな危険性がたくさんあります。

この暑さはもう一過性のものではなく、地球環境の変化で日本の気候が亜熱帯に近づいてしまっているのですから、すべてを一から見直すくらいの大きな改革をしなければ、安心して子供達にスポーツをさせてあげられる環境は、もう不可能だと思います。

例えば小学校から大学まで、すべての学校にエアコンを完備し、従来の夏休み期間は涼しい学校で普通に授業を行い、10月くらいに長い秋休みを設けて、スポーツの大会を行ったり、大人もその時期に休暇を取りやすくして、家族旅行などに行きやすくすれば、諸々の問題点がクリアされると思います。

もちろん言うのは簡単で、実現は難しいことはわかりますが、大人も子供も関係なく、尊い命が犠牲になることを考えれば、手遅れになる前に行動を起こすことが何より大事なことだと思います。

さてそうは言っても、現実には猛暑の中、室内屋外を問わず、毎日たくさんの競技で試合や練習が行われています。

夏休み期間中ですから、時間は当然長くなります。

そんな中でどうやって安全を確保し、選手のコンディションを維持させれるか、技術や戦術を指導する以上に難しい問題だと思います。

ただこの暑さも、事前に準備ができる、ある意味想定の範囲の中だと思います。

昨年より今年が特別暑くなったという話ではなくなってきました。

大会の期間がずらせないという現実の中で、最大限の準備をするしかありません。

その方策は、それぞれが工夫して、大きな事故が起きないようにしていると思います。

先日行われたサッカー日本代表の試合をテレビ観戦しました。

結果はご存知の通りですが、翌日の報道で監督が協会の役員たちに対して持論をぶつけたという記事を目にしました。

詳しいことはわかりませんが、国の代表チームを預かる立場の監督としては、それぞれの大会に対してベストな準備をしたいと思うのは当然でしょう。

今回のようにJリーグでプレーしている国内組の選手たちの選抜メンバーで臨む場合、日程的に全体が集まって練習する期間はほとんどありません。

その中で自分のやりたいサッカー指導し、試合が行われる地域の気候条件に耐えられる体力的なトレーニングを行わせ、なおかつ少しでも良い条件で試合に臨めるためのコンディショニングも考えなければなりません。

これをすべて監督が満足行くレベルまで持って行こうと思ったら、どれだけの期間が必要となるでしょう。

優先されるのは戦術の指導であり、それを行うための体力的なトレーニングであり、コンディショニングという概念は残念ながら最後になってしまいそうです。

現実としてリードをして迎えたはずの後半は、相手チームのふわりと浮かしたロングボールをゴール前に集め、体の大きさと強さで圧倒しようという戦術に対応できず、その場に突っ立ったままの選手が多く見られました。

足が止まってしまったというよりも、どう対処して良いのかわからないという風に、私には見えました。

例えば、この試合から逆算してコンディショニングを最優先した調整期間を過ごしてきたとしたら、今回の選手たちはどんな動きができたのでしょうか。

もし、もう少し体力的には余裕があったとしても、代表チームの一員として何をなすべきかという、監督からの指導を受けられないままに試合に臨んだとしたら、これは代表チームの試合としてまったく意味がなくなってしまいます。

監督が協会に対して声を大にして言いたいことは分かるような気がします。

しかし現実には、前述の学生たちのスポーツ大会と同じことが起こっています。

理想と現実の大きなギャップです。

前回のW杯で、多分ドイツだったと思うのですが、主力選手がほとんど同一クラブの選手たちだったということを聞きましたが、そうであれば選手のトレーニングや試合感覚、そしてコンディショニングも含めて、日本のような寄せ集めではないわけですから、色々な意味できちんとした準備がしやすいのは当然だと思います。

協会にもいろいろな事情があるのでしょう、私にはよく分からないスポンサー問題など、大人の事情もあるようです。

ならば現実を直視し、監督には集めた選手に対して戦術的な指導に集中できるよう、Jリーグ全体としてフィジカルと言う部分を共通の問題点として捉え、底上げをして行くための方策が必要なのではないでしょうか。

まだまだ苦しい練習を乗り越えてきたのだから、自分達は大丈夫やれるんだ、という精神論にもとずいた体力強化が幅を利かせていますが、無駄に頑張るのではなく「頭と体を動かし続ける能力」を獲得するための体の使い方という発想に気づいてくれる指導者が増えてくれないことには、何も変わっていかないような気がします。

まだまだほんのわずかな人数ですが、少しずつそこに気づいてくれる指導者も出てきました。

そんな人たちと一緒に、彼らが指導する選手たちから少しずつ輪が広がっていくように、私のできることをやって行こうと思います。

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プロフィール

Author:西本 直
1993年、Jリーグサンフレッチェ広島を皮切りに、社会人野球三菱重工広島・協和発酵・ヴィッセル神戸・川崎フロンターレ、そして広島カープ佐々岡真司投手など、プロアマ問わず競技レベルのスポーツ選手から一般の方まで、トレーニングやメンテナンスの指導を行ってきました。
その経験と知識の蓄積を「西本理論」としてまとめ、一人でも多くの方に実践していただくことが、これからの私の使命であると信じ、このブログから発信していきます。
私の理論はスポーツ選手のみを対象としたものではなく、ビジネスマンや家庭の主婦まで老若男女すべてに当てはまる不変のものです。
指導や講演のご依頼も受け付けています。
実名でツイッターも書いていますので、チェックしてみてください。
また、2013年9月9日にConditioning Studio 操をオープンしました。こちらもご覧ください。
また、遠隔地にお住まいの方を対象とした動き分析とアドバイスを行っています。
詳細は「スタジオ操」のホームページ内の「遠隔サポート」をご覧ください。
西本塾を深める会を9月10日(日)に開催を予定しています。
詳細はstudio操のホームページ内の「講習会情報」をご覧ください。

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