普段の自分を知るために その2

前回は寝起きや、夜寝床に入るときの寝姿、仰向けに横になった自分の体をじっくり観察する方法を説明しました。

今回は、その体がどういう風に動いてくれるのか、その体の診方を説明していきます。

人間の体の観察方法には様々なものがあります。

現代医学であれば、X線やCTやMRIといった画像診断で、外から体の内側の情報が見られます。
また内視鏡によって、直接体の内部の様子を見ることもできるようになりました。

最近は内科に行っても、本当にこれで何かが分かるレベルのドクターはいるのだろうかと思ってしまう、聴診器や打診による診察方法もあります。

漢方では、視診や脈診といって、手首の橈骨動脈に指を当て、体の内部の状態を探るなどという方法もあります。
いずれにも理屈があり、分かる人には分かるのかもしれません。

診断方法としては長足の進歩を遂げているのだと思いますし、これからもどんどん新しい技術が開発されていくのでしょう。

病気を遺伝子レベルで解明し、がんの治療や、いずれ身に降りかかるであろう将来の病気の予想までできるのだそうですから、人間は本当にすごいことを考えるものです。

私は医学者でも宗教学者でもありませんし、これから年を取っていく中で、もっともっと長生きがしたいと思うようになるかもしれませんが、人間に限らず生きとし生けるものには始めがあって終わりがあります。

わが子が先天的後天的に限らず、難病にかかってしまえば(現実我が家でもそういう状況なのですが)自分の命と引き換えにでも助けてあげたいと思うのが、親の心だと思います。
科学の進歩に期待しているのは、私自身も同じ気持ちです。

しかし一方で、いつも思い出す光景があります。
だいぶ前にテレビで見たシーンなのですが、移動していく群れから少しずつ離れていく年老いた像、死期を悟り、おそらくはそれまで自分が率いてきた群れの一番後ろで、立派に育っていった子供や孫たちを見送り、林の中に消えていきました。

小さな像が、遅れる老像を振り返り「パオー」と呼びかけるのですが、先頭を歩く群れのボスは振り向くこともせず進んでいくという光景です。

老像が群れを離れ、歩いて行った先には、たくさんの像の骨がありました。
みんな自分の最後は自分で始末するというのが、像の掟なのでしょう。

もちろん人間に当てはめることなどできません、それでもできれば私もこういう心構えで年を取っていきたいと願っています。

話がそれましたが、私のもとを訪れてくる方々の究極の目的は、ちゃんと体が動くようにしてくれということに尽きると思います。

多少の痛みが残っていたとしても、今日明日、もっといえば一時間後の仕事ができるようにしてくれればいいという切実な訴えです。

ということは、私が体を診る一番大切な視点は、「どこをどう動かしたらどう痛いのか」ということで、結果として欲しいのも、その動作がとにかくできるレベルまで戻せたかということが、その方のお役にたてたかどうかを決める判断になると思うのです。

ですから、普段の自分の体がどこまでどういう風に動けて、どういう風には動けないのかという現実を知らなければ、せっかく体が動くようになっても、いつまでたっても痛みが消えないと思い続けるしかないのです。

寝違えを主訴に来られた方に多いのですが、首の可動域はほぼ完全に回復し、生活にまったく不自由な状態ではなくなっているにもかかわらず、「あーこれ以上振り向けない、ここまで行くと突っ張って」と、まるでもともと自分の首がお化け屋敷のろくろ首でもあったかのように言われる方があります。

「私でもそれ以上動きません、一周回せたら一緒にテレビ局に売り込みに行きましょう、一回ぐらい出られるかもしれませんよ」と冗談で返しても、まだ首をぐるぐる回し続けるのです。

それほど普段の自分を知らないという極端な例です。

そこで、仰向けに横になった状態から、まずは手足を大きく伸ばして、伸びをしてみましょう。

言われなくても寝起きには何気なくやっているという動きかもしれません。
その時、両手両足の角度はどうでしょう、右手は真上近いのに左手は横に向かって伸ばしていたとか、右足にはグーと伸ばしている感じがあるのに、左足はそのままだったり、真っ直ぐ体を伸ばしているつもりが腰を右に押し出していたり。

面白いですよ、あれ、自分の体こうやって動いてたんだ、新しい発見があるはずです。

そして、続けていくうちに、朝はこうだったような気がしたけど、夜はこうだとか、昨日はこうだったけど今日はとか、日々その瞬間の変化に気付いてくるかもしれません。

まずは大きく伸びをして、体の動きを眺めてください。

記録することも記憶することも必要ありません。

体そのものが何となく違いを感じて教えてくれます。

体の声に耳を傾けましょう。

次回、もっと色々な動きで体の声を聴くやり方をお伝えします。



追記
少しずつ読んで頂いている方が増えてきて、さらに頑張ろうという気持ちになっています。
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プロフィール

Author:西本 直
1993年、Jリーグサンフレッチェ広島を皮切りに、社会人野球三菱重工広島・協和発酵・ヴィッセル神戸・川崎フロンターレ、そして広島カープ佐々岡真司投手など、プロアマ問わず競技レベルのスポーツ選手から一般の方まで、トレーニングやメンテナンスの指導を行ってきました。
その経験と知識の蓄積を「西本理論」としてまとめ、一人でも多くの方に実践していただくことが、これからの私の使命であると信じ、このブログから発信していきます。
私の理論はスポーツ選手のみを対象としたものではなく、ビジネスマンや家庭の主婦まで老若男女すべてに当てはまる不変のものです。
指導や講演のご依頼も受け付けています。
実名でツイッターも書いていますので、チェックしてみてください。
また、2013年9月9日にConditioning Studio 操をオープンしました。こちらもご覧ください。
また、遠隔地にお住まいの方を対象とした動き分析とアドバイスを行っています。
詳細は「スタジオ操」のホームページ内の「遠隔サポート」をご覧ください。
今年2回目の西本塾を8月26・27の土日に開催を予定しています。
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なお、今回も参加者が5名に満たない場合は開催しません。
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