誰に伝えるでもなく

このブログ、我ながらよく続いていると思います。

始めた当初は、あくまでも私が話しておきたいことを誰に向かってというわけではなく、一方的に発信していました。

それが、その真意を知りたい直接見てみたいという声に押されて、西本塾という形をとって、直接私の考えを伝えることを始めたことで、一方的な発信というよりも、その時々で多少の違いはあるにせよ、読んでいただいている方に向かって語りかけるような書き方になっています。

決して私の考えを押し付けているつもりはありません。

これまでの経験の中で培われてきたことを、自分なりの表現で文章にしています。

当然ですが、読んでいただいている方が、同じように受け取っているはずはないと思います。

共感していただけることもあれば、それは違うということがあって当然だと思います。

私が専門としている分野はある意味とても中途半端で、医療の分野の中では医師という存在の元に、現在セオリーと言われていることを元に活動しなければなりませんし、フリーな立場で自分を前面に出そうとすると、その根拠はとデータや数値がないと評価の対象にならないこともあります。

結果が全てだと頑張ってきましたが、それさえまったく同じ条件の複数の治験を比較することなどできるはずがありません。

人間の体を相手にする仕事をする限りは、孤高の覚悟も必要かもしれません。

一般の方を相手に腰痛等の施術をさせていただく際に思うことは、あまりにも自分の体のことを知らないというか、考えていないということです。

生まれてから大人になって生活してく過程に、体の使い方を誰かから指導されるという機会はありません。

スポーツを行うときに指導されることは、根本的な体の使い方ではなく、単にその競技を行うための技術を獲得していくための動きに過ぎません。

一般の方であってもスポーツ選手であっても、体を使うということの基本的な部分を、一度整理しておくことは必要なことではないでしょうか。

痛いところがあるから治してほしい、動きが悪いと言われるから、それを改善できるようにトレーニングを指導してほしい、大きく言えば求められるのはそのどちらかです。

そのどちらが目的であっても、その前に知っておいてもらわなければならないことがあって、逆に言えばそれさえ知ってさえいてくれれば、後のアイデアは自分で考えることもできるはずなのです。

この仕事を何年続けていても、毎回同じことを言わなければなりません。

同じ人間に対してでも、一度や二度では伝わっていないことがほとんどです。

言いたいことは、すでにこのブログの中に書き尽くしたかもしれません。

しかし、今発信することをやめてしまえば、本当に自分の思いを吐き出しただけの自己満足で終わってしまうでしょう。

私には届いてきませんが、もしかしたら読んでいただいている方々が、それぞれ感じたことをああだこうだと話のタネに使っていただいているかもしれません。

これまで教科書的な知識や理論が全てに優先されてきた分野の中に、一石を投じることができているとしたら、それだけで意味があることかもしれません。

私のこれだけは知っておいてほしいという部分、何年何十年と同じ話を繰り返しても、誰もがそんなことは知らなかった初めて聞いたということを、このブログの中ではこれでもかというくらい書いてきました。

それらをもっとわかりやすく整理してまとめた物を、書籍化したいという思いは、拙著を出させて頂いた出版社からは良い返事がもらえませんでした。

今改めてお話を聞いてくださるところがあって、先日伺ってきました。

まだ話が始まったばかりで、実現するかどうかはわかりませんが、私の思いはわかっていただけたと思います。

偉そうな言い方になりますが、何処かをどうすればどこかが良くなる式のお手軽な健康法では、本質を変えられないことは皆さんわかっているはずなのです。

ではどうするかという時に、やはり同じ理屈で手を替え品を替え、湧いて出てきては泡のように消えていく健康指南書の類を、読む方も作る方もそろそろ考え直してほしいのです。

私はどこでどんな形で仕事を続けていこうと、この仕事はやり遂げなければならないことだと思っています。

例え多くの方の目に触れる事が出来なかったとしても、まとめ上げることはするつもりです。

さて、サッカーシーズンも佳境に入り、J1は最終節を残すのみ、各チームほぼ順位も確定し、すでに来季に向かってのチーム編成が始まっていると思います。

雲をつかむような話ですが、私のブログを読んでくれたクラブの関係者が興味を持ってくれて話を聞きたいという事が、万に一つもあるかもしれないと、心の準備だけはできています。

もちろん具体的な話はありませんが、私が考えているようなことを現場が本気で考えて形にしていかないと、勝ち負けはもちろんですが、実際にプレーをする選手も応援してくださるサポーターの皆さんにとっても、なんら変化はないでしょうし、とにかく楽しくないと思います。

個人として組織としてもっと向上できる可能性があるにもかかわらず、旧態然とした考え方に固執していては、変化も進歩もできるはずがないのです。

私はその先達になりたいと思います。

現場に立てる可能性は限りなく低いですが、日本代表の試合をじっくり観戦しての感想や、個々の選手の動きの特徴のレポートは続けてみようかと思っています。

決して欠点を指摘して、この選手はダメだと言っているつもりはありません。

こういう意識でこういう体の使い方ができれば、もっと良いプレーができるかもしれないという思いで書いているのです。

ただそれらは本人の目に触れることはないでしょうし、もし見る事があってもそのことに真剣に取り組んでみようとは思はないでしょう。

誰に対して誰のために書いているのか、少し虚しく思うこともあります。

以前にも、ある選手に対する私の思いを本人に伝えてほしいというコメントをいただき、そのことを記事にしました。

先日その記事を見た方から、改めてもっと私からのアプローチをかけてほしいというコメントさえいただきました。

叶わぬこととは思いながら、私のような立場の人間にまで、1人の選手のために行動を起こしてくださる方がいるのです。

私の言葉が届かなくても、万に一つの確率だとしても、やはり続けなければならないと思います。

私の視点は私しか持っていないのですから。

そのことで、直接関わりはない人たちに対しても、もちろんサッカーをやっている人、その家族の方々、また指導している人、さらには応援しているサポーターの皆さんに、こういう見方があるよ、こういう動きができればきっと良いことがあるよということを、日の丸を背負って戦うレベルの選手たちを教材にして見ていただくことができれば、これはこれで大きな意味があるのではと思っています。

サッカーに限らず、今行われているプロ野球のプレミア12という大会に出場している選手たちからも学べることはたくさんあります。

私の視点を通した、人間の動きを分析するという作業、それが何になるのか誰の役に立つのか、そんなことを考えても仕方がありません。

誰のためにも何のためにもならなくても良いです、なるほどそういう見方もあるのかという気付きになってもらえれば十分です。

発信を続けていこうと思います。

書いている途中に、ある選手から電話がありました。

今年カープを戦力外になった篠田投手でした。

昨年一年間、彼を何とか再生しようと指導をさせてもらいましたが、思ったような結果を残すことができませんでした。

私が向かわせようとする方向性に対する取り組み方が中途半端で、こんな形では指導は続けられないと、昨シーズンの終了時に指導を打ち切りました。

今年は2軍のコーチとして佐々岡くんが就任したので、毎日直接指導を受けられることで、きっと活躍をしてくれると密かに期待していましたが、残念な結果となりました。

シーズン中はもちろん連絡など来るはずもないのですが、今かかってきた電話では、すでに元プロ野球選手としてではなく、12月1日から、正式に球団職員として社会人としてのスタートを切る、立派な青年としての態度というか話し方が出来ていて、正直驚いてしまいました。

スポーツ選手にとって引退という現実は遅かれ早かれやってきます。

どんなに活躍した選手でも、人知れず消えていく選手でも同じです。

当然ですがこれからの人生のほうが圧倒的に長いはずです。

そのスタートでつまずかないように、プロ選手としてスタートを切った瞬間から、一社会人としての教育を始めなければならないことは当然のことです。

その結果として、読売巨人軍の選手が行っていた、野球賭博などという、まるで常識からは考えられないような行動をする選手が出てきてしまうのです。

挨拶もきちんとできない、目上の人に敬語も使えない、人として最低限の行動はどんな立場であっても必要なことです。

周りがちやほやしてくれるのは選手の間だけです。

私は厳しすぎるところがあったかもしれませんが、自分の行動に後悔はありません。

もう二度と話すことがないと思っていた篠田くんからの電話に、思いは伝わっていたんだと安心しました。

これからの人生、しっかり歩んでいってほしいと思います。

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Re: 応援しています。
応援のメッセージありがとうございます。
こうして言葉にしていただくことが何よりに励みになります。
西本塾では中途半端な指導はしたくないので、2日間の参加を義務付けています。
現在スポーツに携わっている選手や指導者の皆さんんは、日程的に参加が難しいことは十分承知しています。
先日も東京の大学生から、正月休み期間に指導が受けられないかという問い合わせがありました。
世の中のほとんどの方が揃って休みになるタイミングは、もしかしたらここしかないかもしれませんね。
まだ決めたわけではありませんが、年内は29日までで30日から休みにしようと思っています。
28日の月曜日は定休としていますが、ここは休まないつもりです。
そこで、26日の土曜日から27日日曜日、28日月曜日、そして29日火曜日の4日間のどこかで、普段来られない方々、特に高校生や大学生など現役の選手たちを対象とした、1日のみですが、ある程度の理論と実践を学んでいただく機会を作ろうかと考えています。
こういう気持ちにさせてくれたブー太郎さんにもぜひ参加していただければと思います。
実際にどの日にちが皆さんの都合が良いのかわかりませんので、できれば希望の日を教えていただければと思います。
もし、たくさんの方から希望があれば、複数の日程も考えています。
真剣にブログを読んでいただいている皆さんのために、できる限りにことをしたいと思います。
  • 2015-11-12│13:24 |
  • 西本 直 URL│
  • [edit]
応援しています。
昨年頃からブログを読ませて頂いている者です。
興味を持ち、一回目の記事から読み直しています。

現在大学にてサッカーに取り組んでいます。
西本塾にて指導を受けたいと思いつつ、お伺いできていません。
自分なりに解釈し、探り探りFBTなど行っています。

私の部活同期にも西本さんの考え方を少し伝えていますが、書籍のような形で深めることが出来ればとても嬉しく思います。
楽しみにしている人間がここにいる、ということをお伝えしたく、初めてコメントさせていただきました。
西本理論が広まることを願っています。
  • 2015-11-12│09:28 |
  • ブー太郎 URL│
  • [edit]

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プロフィール

Author:西本 直
1993年、Jリーグサンフレッチェ広島を皮切りに、社会人野球三菱重工広島・協和発酵・ヴィッセル神戸・川崎フロンターレ、そして広島カープ佐々岡真司投手など、プロアマ問わず競技レベルのスポーツ選手から一般の方まで、トレーニングやメンテナンスの指導を行ってきました。
その経験と知識の蓄積を「西本理論」としてまとめ、一人でも多くの方に実践していただくことが、これからの私の使命であると信じ、このブログから発信していきます。
私の理論はスポーツ選手のみを対象としたものではなく、ビジネスマンや家庭の主婦まで老若男女すべてに当てはまる不変のものです。
指導や講演のご依頼も受け付けています。
実名でツイッターも書いていますので、チェックしてみてください。
また、2013年9月9日にConditioning Studio 操をオープンしました。こちらもご覧ください。
また、遠隔地にお住まいの方を対象とした動き分析とアドバイスを行っています。
詳細は「スタジオ操」のホームページ内の「遠隔サポート」をご覧ください。
西本塾を深める会を9月10日(日)に開催を予定しています。
詳細はstudio操のホームページ内の「講習会情報」をご覧ください。

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