サッカーの審判としての走るという行為

昨日は午後から3時間コースで指導を受けにきてくれたグループがありました。

その方達はサッカーの審判仲間として知り合ったということで、その中の一人が以前newspicksで連載していた中で、マイケルジョンソン選手の走り方について書いた記事に興味を持ち、仲間を誘って指導を受けてみようということになったそうです。

西本塾ではこのブログを熟読していることを参加の条件にしていますが、個人指導を希望してきていただく方も、入り口は「朝3分の寝たまま操体法」であったり、このブログであったり、ホームページやツイッターを読んでと、それぞれですが、最終的にはブログの内容に興味を持っていただいて、実際に話を聞きたい指導を受けたいという人がほとんどでした。

今回の3人は、住んでいる地域も別々で、たまたまそのうちの一人から誘いがあって参加したという動機だったので、いい意味でも悪い意味でも私という人間に対する先入観がなく、仲間どうしで来ているという気安さもあってか、普段指導している方に比べると少し緊張感にかけるところもありました。

ブログを読んでいないという人を相手にすることはほぼ初めてでしたし、3時間という限られた時間の中で、希望している内容をどうやって盛り込んでいくか、私にとっても良い経験となりました。

26・27・33歳と皆さん若い方でしたが、サッカーの審判という同じ立場で切磋琢磨し、こうして走るという行為を学ぼうという高い意識を持っていることに驚きました。

これまで選手や指導者を相手に指導をしてきましたが、言われてみればサッカーの審判こそ、私が提唱している走るという行為の体の使い方が必要なのではと思いました。

走るという行為は目的ではなく、正しいポジションに移動し的確なジャッジをするための、最も基本的な行為なのですから。

色々話を聞いてみると、選手と同じように時間内でどれくらいの距離を走れるとか、何十分走り続けられるかなど、数字で表すことができる能力が評価の対象とされ、そのためのトレーニングも当然行わなければならないそうです。

ある地域では専門の方の指導を受け、審判として楽に走れる走り方を学んでいるそうです。

一人の方は、直接ではないそうですが、先輩審判からその走り方の指導を受けたそうで、それなりに走れると思って参加してきたようでしたが、残念ながら3人の中で一番ぎこちない動きしかできませんでした。

大元の指導者の方がどんな方で、どんな指導をしているのかはわかりませんが、直接指導を受けたとしても受け取り方は様々なのに、その又聞きということになれば、まさに伝言ゲームのように話が変わっていくことは容易に想像できます。

私の指導でもそうですが、二日間の指導、そして屋外での1時間の指導で、全員が確実に変化はしますが、そこで到達できるレベルに差が出ることは当然のことです。

私の場合は実技に入る前に、体の仕組みから始まって様々な体に対する知識を提供しておいて、さらには室内で背中を使えるようにするための準備と、動きのドリルを行った上で屋外に出ていくという周到な準備を行っていますが、単にこうやって走るんですよという程度では、伝えることは不可能だと思います。

その方は、肩甲骨を使って走るという言葉がキーワードになり過ぎてしまい、背中を反らし両肩を後ろに引き寄せて、いわゆる胸を張った姿勢になっているため、肩甲骨が背骨に寄り過ぎてしまい、肩甲骨を使うどころか逆に動かしにくくなってしまい、とても窮屈そうな走り方になっていました。

大元の指導者の方は、サッカーのメジャーな組織でも審判に対して指導をする立場にあるそうで、家内にその話をすると、「そう言われたら胸を張って肘を後ろに引いたまま走っている審判多いよね」という言葉が返ってきました。

私は審判にまで目が行っていませんでしたが、そう言われるとそんな気もします。

腕を振らないとか、股関節の真下に着地するというキーワードは同じことを言われたと言っていましたが、以前指導した高校生の短距離選手や、一般の方でマラソンに取り組んでいるという方からも、同じ言葉を聞きました。

しかし、どちらもそういうイメージの走りにはなっていませんでした。

指導される言葉のイメージ通りの動きを、指導者が見せてくれないというか、指導されていることと実際に見せられる動きが一致していないという言葉も聞きました。

指導するというのは、まさに自分がやって見せなければ、なんの説得力もないのです。

もちろん実技だけではダメで、なぜどうしての根っこの部分がきちんと理解できていなければ、本当の意味での指導などできるわけがないのです。

どんなことでも正しく伝えるということは難しいことです。

自分の動きを変えることだけでも大変なことなのに、その技術を他者に対して指導するというレベルに達することは容易なことではありません。

今回はそれぞれが自分の審判としてのレベルアップということが目的できてくれたので、昨日学び経験したことを生かして、練習してくれれば十分役に立ててもらえると思います。

ブログを読んでいなかったため、これまで指導を受けた人たちの感想ももちろん目にしておらず、「こんなに走っているのにどうして息が上がらないのだろう、疲れを感じないのだろう」という素直な感想を聞くことができました。

体験した人にしか分からない感覚ですが、そんな馬鹿な、そんなことがあるはずがないという固定概念を打ち破るには良いきっかけになるかもしれません。

普段審判として走っているため、その違いはハッキリと感じられたはずですし、「こうやって走ればもっと冷静なジャッジができる」、心からそう思ってくれたと思います。

さて22・23日は今年最後の深める会を行います。

今回も4名の方が参加してくれることになり、それぞれが自分のレベルアップのために学びを深めに来てくれます。

受講動機にも書かれていますが、単に私から少しでも多くのことを学びたいという目的以外に、自分と同じように高い意識を持って集まってくる塾生の皆さんの熱を感じたいというか、同じ志を持った仲間どうしでしか作り出せない、なんとも表現しにくい緊張感というか雰囲気を感じたいと言ってくれる人が増えてきました。

まさに私も同じ気持ちです。

教える側教えられる側、そんな垣根が取り払われた一体感は、なんとも表現できない心地よさを感じます。

比較することはできませんが、他にこの感覚を味わえる空間は少ないと思います、それくらい充実した時間を過ごさせてもらっています。

昨年の末には、千葉でも深める会を行いましたが、今年は予定がありません。

関東地区からの参加者が一番多いのですが、塾生の横のつながりが薄いため、どなたかが中心になって私を呼んで深める会をやろうという機運には至らないようです。

どんなことでも継続する以外に学びを深める道はありません、できた分かったと思った時点で進歩は止まります。

志を同じくする仲間と接する機会を作ることで刺激を受け、成長の糧にすることができます。

そういう声が届くことを待っているのですが、今年はどうでしょうか。

昨日の3人を含め、たくさんの方との縁をいただきました、その一つ一つが私を成長させてくれていることは間違いありません。

私を信頼して集まってきてくれる方々のために、深める会を充実させたいと思います。

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プロフィール

Author:西本 直
1993年、Jリーグサンフレッチェ広島を皮切りに、社会人野球三菱重工広島・協和発酵・ヴィッセル神戸・川崎フロンターレ、そして広島カープ佐々岡真司投手など、プロアマ問わず競技レベルのスポーツ選手から一般の方まで、トレーニングやメンテナンスの指導を行ってきました。
その経験と知識の蓄積を「西本理論」としてまとめ、一人でも多くの方に実践していただくことが、これからの私の使命であると信じ、このブログから発信していきます。
私の理論はスポーツ選手のみを対象としたものではなく、ビジネスマンや家庭の主婦まで老若男女すべてに当てはまる不変のものです。
指導や講演のご依頼も受け付けています。
実名でツイッターも書いていますので、チェックしてみてください。
また、2013年9月9日にConditioning Studio 操をオープンしました。こちらもご覧ください。
また、遠隔地にお住まいの方を対象とした動き分析とアドバイスを行っています。
詳細は「スタジオ操」のホームページ内の「遠隔サポート」をご覧ください。
今年2回目の西本塾を8月26・27の土日に開催を予定しています。
詳細はstudio操のホームページ内の「講習会情報」をご覧ください。
なお、今回も参加者が5名に満たない場合は開催しません。
9月10日には深める会も予定しています。

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