私らしくあり続けるために(雑感)

今朝の広島は朝から雨、肌寒い冬らしいお天気です。

冬は冬らしく、夏は夏らしくでないと、色々なところで問題が起こってくるのですね。

では私が私らしくあるということはどういう状態を指すのでしょうか。

自分が思っていることと他の人から見る私らしさは、もしかしたら全く違ったものかもしれません。

普通の会社員からの方向転換を志してから、早30年が過ぎました。

もし人生をどこかの時点からかやり直すことができるとしたら、今やっていることをもう一度やり直してみたいとは思わないような気がします。

いわゆる会社勤めの仕事には、おそらくつかないと思いますが、今のような仕事を同じようにやりたいかと言われたら、返事に困ってしまいます。

その一番の原因は、なぜ私がこうなって行ったかを自分が一番分かっていないからです。

そういう意味で私の人生は、まさに「あみだくじ」のようだ、という表現を使っています。

今目の前にあることに対して、自分ができる精一杯のことをやり切ることだけを考えてきました。

考えるというよりも、考えている余裕もなく、次から次へと押し寄せてくる難題に対応することで精一杯でした。

後先のことも考えず、誰かが導いてくれるのでもなく、自分のできることをやり通していく、そうするとまた次の難題が待ち受けていて、それが今までの環境と違う場所であったりした時には、1年先2年先の自分がどうなっているのか、想像しにくい方を選ぶというか、こっちを選べば色々な意味で安定するという方には進まないようにしてきました。

その結果が今の私です。

同じような仕事をしている人のプロフィールを見ると、まだ30歳くらいの方でも、すでに何千人という単位で施術やトレーニングの指導をしてきたと書いてあるものを目にすることがありますが、その頃の私はまだ会社勤めをしていましたから、スタートが遅く、とてもそういう方々にはかないません。

仕事としてから20年以上になりますが、そんなにたくさんの人数を相手にしてきたとはとても思えません。

私が誇れるのは数ではなく、相手に対して自分の能力を常に全力で発揮し続けてきたということだけです。

もちろん力不足で、私の思いや技術が通じることなく、お役に立てなかったこともあったと思いますが、それでも自分の中では相手のためにベストな方法をとったと思っています。

トレーニングと施術という、ある意味相反することの両方を仕事としていますが、そのどちらも相手にしているのは生身の人間であるということです。

方法論ではなく、心の部分というか、体に対する考え方を変えていただかなければ、本当の意味で動きを改善することも、痛みから解放されることもできないというのが、私がたどり着いた結論でした。

お金を頂いて行っている仕事です、決められた時間の中でマニュアルに沿った内容で対応することも一つの方法であり考え方だと思います。

そのマニュアルが明確であればあるほど、人に伝えやすいし広めて行くことも簡単なのかもしれません。

私にはそれができませんでした、おそらくこれからもできないと思います。

動きを良くしたい、痛みから解放されたい、漠然とした目的は同じであっても、同じ体の人間は二人といないし、心の部分はもっと複雑です。

誰に対しても当てはまるマニュアルなど存在するはずがありません。

それでも私は「結果責任」という言葉にこだわってきました。

どんな目的を持ってきた人であれ、「必ず、なるほどそういうことか」と納得させ、1時間であろうと4時間であろうと、その変化を実感させ、これをやり続ければ必ず自分は変われるという期待を持って帰ってもらえるレベルまで指導したいのです。

自分の年齢を考えても、勢いだけでは走り続けられないところが出てきました。

そのせいか、一人一人に対して今まで以上に結果にこだわるようになってきました。

スポーツ選手であれば、ほとんどは自分の子供のような年齢です。

そんな彼らに対して、単に仕事として接することが難しくなってきました。

もし自分の子供だったら、そう思うと、もっとできることがあるのでは、もっとこうやってくれれば変われるのにと、父親のような気持ちで接している自分に気づいてしまいます。

もちろん本当の子供であっても、親の思ったようには育ってくれませんし、巣立ってしまえば、便りがないのが元気な証拠ということもあると思います。

こちらがどんなに感情移入したとしても、相手はその場限りの指導者と選手という関係だとしか思ってはくれないかもしれません。

それは仕方がないことですが、だからこそ私は真剣に接したいのです。

そんな思いが少しずつ届くようになったのか、近況報告や指導内容に関する質問など、連絡をしてくれる選手が出てきました。

私にとって何よりも嬉しいいことです。

昨日も競輪の山賀雅人選手から、トレーニング後初レースの報告の電話がありました。

勝ち負けのはっきりする競輪という競技ですが、だからこそその過程である体の使い方に興味を持ってくれ、トレーニングの指導を受けてくれたのですから、そういう内容の話をしてくれるということは、私の伝えたかったことはしっかり伝わっていたということで、何より彼の競技生活に確実に良い変化をもたらせ続けることを確信させてくれました。

同じようにサッカー選手からも連絡が届いています。

これまでこういうことがなかったので、相手がどうこうではなく、もしかしたら私自身が変わった証拠かなと思っています。

現役時代から変わらずその関係が続いているのが、今や日本一の名監督になってくれた森保一君かもしれません。

選手はある意味目先の結果が第一です、そのために努力をしているのですから。

私が主催している西本塾でも、同じ気持ちで指導をしています。

単に私の経験や技術を学ぶためではなく、本当の意味で誰かの役に立てるようになるためには、なにを知っていなければならないのか、それをどう使えばいいのか、いつも言っている枝葉の部分ではなく、物事の本質を極めて行く姿勢を学びにきて欲しいと思っています。

ここでも、そんなことより技術を教えて欲しいと思ってくることは当然のことだと思います。

そうであったとしても、2日間の中で、そうではない部分に気づいてもらえるように、考えて指導しているつもりです。

数年前までの私のモットーであった、「来るもの拒み去る者追わず」からは少し変化してきましたが、それでも私の体力気力を振り絞って、真剣に向き合う二日間に参加してもらう人は、相変わらず私の感覚というか、送られてくる受講動機から伝わってくる、私から何かを学びたいという真剣さで判断しています。

私はこういう人間ですと、ある意味隠すところなくこのブログで公開しています。

申し込んできてくれる相手のことは、私は何も知りません、どんな人がどんな思いで受講を希望してくれるのか、その文章からしか判断のしようがありません。

申し込み要項にそって、箇条書きのような方もいれば、その方の全てが伝わってくるような熱い文章を送ってくれる人もいます。

どんな内容であれ、判断するのは私です。

この人には伝えたい、伝えたことを誰かのために役立てて欲しい、そう思わせてくれた人に対してでなければ、私の2日間は報われませんから。

これまでたくさんの方に参加していただきましたが、選手たちと同じように、その後の近況報告を届けてくれる人が少ないことは残念に思います。

他の講習会に参加した時と同じ感覚で、まさか私がそこまで期待しているとは思ってくれてはいないのでしょうね。

3月出版予定の本のために時間を取られ、ブログの更新が滞っていますが、書き始めると言葉が止まりません。

今回の本の内容も、とにかく自分の体のことを知る努力なくして、どんな健康法を行っても意味がないということを言いたかったのです。

操体法から始まって様々な経験の中で積み重ねてきた私のやり方が一番だとか、他のやり方がダメだとか、そんなことを言うつもりはありません。

まずは自分の体のことを知る努力して欲しい、そのためには体と対話するという感覚が必要なのです。

言葉にも文法というものがあります、体との対話にも文法のようなものが必要なのです。

それが今の時代を反映するように、伝わればいいとう言葉になってしまっていることと同じように、お手軽にその場限りの対症療法で済ませようという人が多いと思います。

そんな人たちのために、少しだけ自分の体のことを考える時間を作って欲しい、その時の役に立てるものを書いたつもりです。

校正作業が続いていますが、私の担当する文字パートは最終段階にきました、もうひと頑張りです。


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プロフィール

Author:西本 直
1993年、Jリーグサンフレッチェ広島を皮切りに、社会人野球三菱重工広島・協和発酵・ヴィッセル神戸・川崎フロンターレ、そして広島カープ佐々岡真司投手など、プロアマ問わず競技レベルのスポーツ選手から一般の方まで、トレーニングやメンテナンスの指導を行ってきました。
その経験と知識の蓄積を「西本理論」としてまとめ、一人でも多くの方に実践していただくことが、これからの私の使命であると信じ、このブログから発信していきます。
私の理論はスポーツ選手のみを対象としたものではなく、ビジネスマンや家庭の主婦まで老若男女すべてに当てはまる不変のものです。
指導や講演のご依頼も受け付けています。
実名でツイッターも書いていますので、チェックしてみてください。
また、2013年9月9日にConditioning Studio 操をオープンしました。こちらもご覧ください。
また、遠隔地にお住まいの方を対象とした動き分析とアドバイスを行っています。
詳細は「スタジオ操」のホームページ内の「遠隔サポート」をご覧ください。
西本塾を深める会を9月10日(日)に開催を予定しています。
詳細はstudio操のホームページ内の「講習会情報」をご覧ください。

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