普段の自分を知るために その5

今回は、「からだとの対話の仕方」シリーズに戻ります。

操体法を学び始めた時、私と同時期に講習会に参加し、施術の技術の一つとして学ぼうとした人たちは、3か月の1クルーを終了しないままに止めてしまう人がいました。

一般の方向けの操体法の本を見ると、私が書いた本もそうですが、実技のパターンが少ないことに驚かれるかもしれません。

ですから受け取り方によっては、そのいくつかのパターンさえ覚えてしまえば、もうそれで操体法が分かったような気持ちになったのかもしれません。

それと、もうすでに何かしらの技術を持って、施術にあたっている方もいましたので、考え方と技術のバリエーションを増やしたいということだったのかもしれません。

一般の方が、このブログを読んでいただいて、ご自分の健康管理とくに腰痛や肩こりが少しでも楽になればという目的であれば、ご紹介するいくつかのパターンを覚えていただいて、毎日実践していただくだけで、十分効果を感じていただけると思います。

さて今日は、「つま先上げ」という動作です。

前回の「膝倒しは」、関節の8方向への展開中、おもに左右への捩じりを感じていただけたと思いますが、つま先上げは背骨の前後の動きを実感していただける動きとなります。

仰向けに寝たまま両膝を立て、左右に倒した膝倒しの後、今度は両足を立てたまま足先に意識を集中してください。

足の裏全体が床に着いていますよね、その状態から踵は着けたままで、つま先をゆっくり反らせ始めて、足首全体を反らせてみてください。

足首だけで動こうとすると、すぐにストップがかかります、その足首を反らそうと意識しているあなたの体はどうなっていますか。

お腹を膨らませて、腰から背中全体を反らそうとしていますか、それともお腹を引っ込めるようにして体を丸めることで、足先の動きをし易くしていますか。

私もそうですが、ある時は反らせた方が、またあるときは丸まった方がと、同じ人間でもその時その時で体の要求する動きは変わってくるのです。

お腹の上に両手を置けば、まさに腹式呼吸を行う時の要領そのままですね。

ぎっくり腰で誰にも触られたくないという時には、この腹式呼吸が一番効果的です。

足先は動かせなくても、足先を上げようとしたら背骨が動いた、という感覚で腹式呼吸を行えば、さらに効果的です。

最近腰痛の改善方法として、ただただうつ伏せで上半身を少し反らせた状態を続ける、ということが紹介されているのを目にしますが、腰痛を訴える方のほとんどは、背骨が猫背で丸くなったままで、あらゆる動きを行っていますから、背骨一つ一つの隙間は一定の間隔を保てず、後ろ側が開いて前側詰まったような状態にあるはずです。

このまま動けば、ただせさえ狭くなっている方はさらに神経を圧迫することになりますから、痛みが出て当然です。

うつ伏せで、クッションのようなものを顔か胸の下に敷いて、少しでも前側のつまりが改善されて、関節の隙間が広がれば、動きやすくもなるでしょうし、痛みが改善されても不思議ではありません。

しかし、背骨は前後だけの動きでは不十分です、なんといっても8方向が最も分かりやすい関節なのですから。

そのすべての方向への展開を、常に準備しておけば、ぎっくり腰になることも慢性的な腰痛に悩まされることも、ゼロとは言いませんが、必ず減ってくるはずです。

もう一度仰向けでつま先に意識を集中しましょう。

つま先を上げようとした瞬間、どうですか背骨どころか体全体、頭の先まで動きを感じられたはずです。

足先を上げるということはこういうことだったのか、体の動きをあなたの頭は納得していただけたでしょうか。

腹式呼吸などと難しいことを考えず、つま先上げですが、途中から足先のことまで忘れるくらい背骨の動きに集中してみてください。

膝倒しほどのダイナミックな動きではなく、横で見ていてもほとんど何もしていないようにしか見えない地味な動きですが、とても大事な動きです。

毎回そうですが、前回のはもう終わったから今日はこれね、ではなく最初の動きに一つ一つ足していってください。

以前の動き自体にも変化が出るかもしれませんし、それぞれが関連しあっていることも、身体が分かってくれるようになると思います。

無駄な力が抜け、筋肉の収縮に頼らない重さを使った動きを楽しんでみてください。
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プロフィール

Author:西本 直
1993年、Jリーグサンフレッチェ広島を皮切りに、社会人野球三菱重工広島・協和発酵・ヴィッセル神戸・川崎フロンターレ、そして広島カープ佐々岡真司投手など、プロアマ問わず競技レベルのスポーツ選手から一般の方まで、トレーニングやメンテナンスの指導を行ってきました。
その経験と知識の蓄積を「西本理論」としてまとめ、一人でも多くの方に実践していただくことが、これからの私の使命であると信じ、このブログから発信していきます。
私の理論はスポーツ選手のみを対象としたものではなく、ビジネスマンや家庭の主婦まで老若男女すべてに当てはまる不変のものです。
指導や講演のご依頼も受け付けています。
実名でツイッターも書いていますので、チェックしてみてください。
また、2013年9月9日にConditioning Studio 操をオープンしました。こちらもご覧ください。
また、遠隔地にお住まいの方を対象とした動き分析とアドバイスを行っています。
詳細は「スタジオ操」のホームページ内の「遠隔サポート」をご覧ください。

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