西本塾を続けて思うこと


今日は雑感です。

私の考え方や経験したことを知りたい学びたいという方を相手に、「西本塾」と銘打って指導を始めたのが一昨年の10月でした。

今回で既に17回を数えることになりました。

まだたったの2年ですが、当初はこんなに続くとは自分でも思っていませんでした。

参加を希望してくれる人たちの動機も、当初は我ながら一般的とは思ってもらえない私の考え方や、実際に経験してきたことであるにもかかわらず、そんなことがあるはずがないと思われてしまうことばかり書いてあるブログの内容を読んで、野次馬根性でも良から、見たい聞きたい人はどうぞ、というスタンスでした。

それが数回のうちに、私の中でそれだけでは満足がいかなくなり、参加してくれる一人一人の現状や問題点を明確にして参加してもらい、それに対する答えになることを少しでも学んで帰って欲しい、お役に立ちたいと思うようになりました。

一日目の理論編で使っているレジュメも、4回目くらいには今の形に落ち着き、その時々の参加者に合わせて、少しずつ内容をアレンジして伝えるというやり方になりました。

基本的に毎回同じことをやっているのですが、毎回緊張感がありますし、終わった後も同じことを繰り返したという感覚になったことがありません。

それはもちろん毎回受講するメンバーが違うし、それぞれの背景も目的も違うのですから、すべての人を満足させるのは容易ではありません。

それでもできる限りそうなるように努力しているつもりです。

そんな2年間を過ごしてきて改めて思うことは、形の上ではもちろん私が教えるまた伝える立場であることは間違いないのですが、受講者のためにどういう風に伝えればいいのか、それはたんに言葉の問題だけではなく、伝える順番やたくさんあるポイントのどこに時間をかけるのかなど、毎回工夫することで、私自身の理解が深まるというか、分かっていたつもりのことが、さらに明確になっていくなど、まさに「受講者と一緒に学び合っている」という言葉がぴったりとなっています。

私の真剣さや熱さを褒めていただくこともありますが、そうさせているのはまさに受講者の皆さんの真剣さであり熱さであることは言うまでもありません。

講義の最後の時間に、各自感想を述べてもらう時間を取っていますが、きれいごとなど一言もなく、心からこの二日間を振り返った言葉を並べてくれます。

中には感情が高ぶり言葉に詰まる方さえいます。

そういう方たちの真剣さや熱さは、私の比ではないかもしれません。

だからこそ毎回、私自身しっかり心と身体の準備をして、スポーツ選手が試合に臨むのと同じような気持ちで、参加者を迎えています。

回を重ねていく中で明確になっていくことは、「自分のやってきたことは間違っていなかった」と言うことです。

「万人に当てはまることはない」と言いますが、私が伝えていることは原理原則の部分なので、それが当てはまらないということは、とりあえずありません。

各論の部分の方法論に至っては、色々な考え方があって当然だと思いますが、その基本となる人間の体の仕組みや、筋肉の性質特徴といった部分に関しては、当然ですが違うはずはありません。

それでもそれをどう使うかという所になった時に、〇〇トレーニングとか、〇〇式、といったオリジナリティーが加えられるのだと思います。

私が自分のやっていることに、インパクトのあるネーミングが付けられないのは、その一言で私のやっていることに対するイメージを作って欲しくないからです。

「西本理論」と言う言い方になってしまったものの、確立されてしまった理論があるわけではなく、私自身が試行錯誤している途中経過を、皆さんに正しく伝えるためには、固定のイメージにつながる固有名詞は絶対に避けなければならないと思っています。

ですから、「西本理論」などと立派な言い方をしていただく必要もなく、「広島にいる西本という男が、こういう考え方でこういう指導をしている」、そう思っていただければ十分です。

この2年の間にも、我ながら大きな変化や成長を感じます。

その中でも一番大きな変化は「姿勢」に対する考え方でしょう。

自分の体でやってみることで、ある程度はこれだという感覚は掴んでいました。

それを言葉にして伝えることも出来ていました。

ところがそれは私の体が表現できたことであって、伝えてもそれが出来ない人、その動きのイメージが当てはまらないという人は毎回必ずいたのです。

それは当然のことで、骨格も筋肉もそれぞれ違う人間が同じイメージで動けるはずがなかったのでした。

もちろん気づいてはいましたが、その人その人に合わせたアドバイスと言うか指導をする以外に方法はなく、まさにマニュアルが存在しないとはこのことでした。

それでも私が工夫して、私から指導を受けた際の言葉やそのニュアンスを、今度はその方が指導する立場となるわけですから、できるだけ言葉を選び、できるだけ標準化した言葉に置き換えていかなければなりませんでした。

これが何より難しい作業でした。

今日は具体的な部分には踏み込みませんが、下半身の骨盤・股関節と、背骨を介して上半身の肩関節・肩甲骨を連動させ、体が動くということを効率的に行うためには、どういう姿勢が要求されるのか、これが最重要ポイントになっています。

まさに「動きづくり」の基本中の基本です。

まず単純に考えられるのは、ここで器具を使って体験していただくと分かるのですが、とにかく背骨をできるだけ大きなS字を描く曲線になっていることが必要だということは、誰でも理解できます。

しかし、その体幹部分さえ、お腹の部分をうまく使うことができなければ、ただしっかり反らせて、がっちり安定してしまうだけで、四肢の動きを生み出すことは出来ません。

いわゆる良い姿勢、背骨全体がしっかりと反った、イメージがしやすい言葉でいうと「シュッとした背中」という言葉がしっくりくるこの姿勢が良いと思ってきました。

それが走るという行為を指導していく中で、真っ直ぐ走る時でさえ、「シュッと」しすぎる背中が、実は上腕骨の動きを邪魔して、広背筋をうまく使えない原因になっていることに気がつきました。

当然横への動きや後方への動きでは、致命的とさえ思えることも分かってしまいました。

動きを生み出す③要素の一つである、捩じるという動きができなくなるからです。

私は出来るけれど、出来ない人がいることは分かっていましたが、すぐに出来るわけがない、練習してくださいで終わっていました。

やり方は間違っていないと思っていたからです。

それが私の肩甲骨自体の動きの可動域が、背骨を反らせた状態でも、普通の人には動かせない範囲まで動かせることで可能となっていたのではと思うようになりました。

ではどうやって指導すれば、同じ効果を得られる動きを身に付けてもらえるのか、それが先日名古屋から学びに来てくれている内田さんへの指導の中で生まれた「反った猫背」、あるいは「シュッとした猫背」と言う言い方になっていったのです。

まさに学び合うという言葉がぴったりに出来事でした。

私が出来ること、内田さんにも出来るはずのこと、さらにはロッベン選手を始めとする超一流選手たちに共通する背骨の使い方、それを言葉としてなんとか伝えられないか、その試行錯誤の中で生まれた言葉でした。

もちろんこの言葉を聞いただけで、私が伝えたいことがすべて伝わるわけではありません。

体の仕組みから学んでいただき、実技のドリルを繰り返し行う中で、この言葉がしっくりくる人もあるというレベルの話です、すべてがこれで解決したわけではもちろんありません。

それでもこれまでうまく伝えきれていなかった人に対しては、伝えやすくなることは間違いありません。

何より私自身の動きに迷いがなくなりました。

当分良い結果が出せていないゴルフにおいても、長いトンネルの先に光が見えたようで、次の機会を楽しみにしています。

西本塾は、今の私にとってはこれまで経験してきた以上の勝負の場であり、自分の能力と人間力を試されている場になっています。

厳しい言葉も発しますが、それさえ自分に対する言葉だと思っています。

週末は名古屋に行きます、私の考え方を広めてくれている内田さんの応援団として、これから内田さんが活動しやすくなるような内容にしなければなりません、西本塾イン名古屋ではありませんから。

どんな形でも、直接指導させていただけることは本当に有難いことです。

出来ることなら私の考えが、ストレートに伝わって欲しいのが本音です。

しかし、学んでくれた人たちがそれぞれ活動してくれていることも、本当に嬉しいと思っています。

千葉の松井真弥さんのフェースブックを見させてもらうと、まさに私が乗り移ったように熱い言葉が綴られています。

札幌には小林敬さん諏訪俊一さんに呼んでいただきました、千葉には望月竜也さんに呼んでいただきました、大阪の高校野球部の井上芳憲さんにも呼んでいただきました。

そして今回は、名古屋の内田雅倫さんに呼んでいただきます。

もっともっと色々な場所で色々な人を相手に伝えたいと思っています。

私を呼びたい、そう思ってもらえるように、もっともっと私自身が学ばなければなりません、学び続けます。

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プロフィール

Author:西本 直
1993年、Jリーグサンフレッチェ広島を皮切りに、社会人野球三菱重工広島・協和発酵・ヴィッセル神戸・川崎フロンターレ、そして広島カープ佐々岡真司投手など、プロアマ問わず競技レベルのスポーツ選手から一般の方まで、トレーニングやメンテナンスの指導を行ってきました。
その経験と知識の蓄積を「西本理論」としてまとめ、一人でも多くの方に実践していただくことが、これからの私の使命であると信じ、このブログから発信していきます。
私の理論はスポーツ選手のみを対象としたものではなく、ビジネスマンや家庭の主婦まで老若男女すべてに当てはまる不変のものです。
指導や講演のご依頼も受け付けています。
実名でツイッターも書いていますので、チェックしてみてください。
また、2013年9月9日にConditioning Studio 操をオープンしました。こちらもご覧ください。
また、遠隔地にお住まいの方を対象とした動き分析とアドバイスを行っています。
詳細は「スタジオ操」のホームページ内の「遠隔サポート」をご覧ください。
西本塾を深める会を9月10日(日)に開催を予定しています。
詳細はstudio操のホームページ内の「講習会情報」をご覧ください。

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