スポーツにおける地域格差

今しがたツイートしましたが、昨年まで関わった社会人野球のメインイベントである、都市対抗野球大会が東京ドームで行われています。

私が子供の頃は、スポーツといえば野球がメインで、各地方の主要企業は必ずと言っていいほど硬式野球チームを持っていました。

私の高校の先輩にも、地元や県外の企業チームに進んだ方はたくさんいました。
それほど狭い門という訳でもなかったのです。

公式戦ともなると企業をあげて、社員どころかその家族まで動員して、まさにカネや太鼓の鳴り物を使っての大応援で、企業の一体感を醸し出す絶好の媒体でした。

その名残が、今でも東京ドームの応援席で繰り広げられています。
野球に興味のない人でも、入場料は内野席でも安いので、応援を見にドームに足を運んで見てください。
企業やそれぞれの地方色を全面に出した、グランドを見ているより面白いほどです。
間違いなく楽しんでいただけるはずです、私が保証します。

裏技ですが、どちらかのチームの応援受付に行けば、入場券に加えて応援グッズや軽いお弁当までもらえるチームもあります。
自チームの応援席を少しでもいっぱいにしたいので、チーム関係者でなくても喜んで入れてくれます。

その勝敗なのですが中国地区の戦績が思わしくありません。
私が初めて関わった平成8年には、準優勝という結果を残しましたが、それ以来夏の大会では上位に入ることができなくなりました。

社会情勢の変化で、企業チームは次々と活動を中止し、チーム数は激減してしまいました。
企業色は残っているものの、クラブチーム化したチームもたくさんあります。

そうなると、有望な選手にとっては売り手市場で、まずはプロからの誘いを優先し、次の選択肢となるのが、安定した大企業のチームということになるのです。

選手を引退した後のことを考えれば当然のことです。
さらに、大学が関東のリーグであれば、そのまま在京の企業チームを希望するのも仕方のないことです。

そうした状況の中で、地方のチームは大きな実績はなくても、何年かかけて育てられそうな原石のような選手を探し出す努力をしなければならないのです。
これはプロのスカウトも同じことを狙っていますから、こんな選手がいたのかという原石を探し出すのは至難の技です。

そうした中でも九州のチームが、ほとんど地元出身の選手だけで全国大会上位を維持し続けたことは、地方のチームに希望をもたらせました。

私もそういう状況の中で、個人の身体能力の向上や練習内容を工夫したり、選手の意識を変えることで、全国に通用するチーム作りのお手伝いをしたいと頑張ってきましたが、この環境の中では自分の力でできることもここまでかなと、昨年末に卒業させていただきました。

この20年様々な環境を経験して思うことがあります。
選手の素質云々は別として、スカウト活動をして行く中で選手の身体的な状況の把握があまいようなきがするのです。

だいぶ前から個人情報保護法という言葉が一人歩きして、選手の怪我の既往歴等が秘密にされたり、把握はしていても詳しいことまで聞き取れていないことがほとんどなのです。

送り出す側としては、何とかして採用して欲しいわけですから、選手にとって不利になることは言いたくないのは当然です。
しかし、そうやって採用された選手が、入団以前の故障が原因で活躍できないまま消えて行く例が後を絶たないのです。

それは本当にその選手のためになったのでしょうか。

そういう選手を受け入れて、ケアしていかなければならない医療スタッフには大きな負担となります。

有望な選手にとっては売り手市場だとは言いましたが、そうでない選手やその指導者にとっては、とにかく何処かに入りたい、何処かに入れてやりたいという気持ちになると思うのです。

スポーツ選手は入ってからが勝負です、期待されて入ったはいいけれど、活躍できなければ寂しい思いをするのは本人です。

そうした状況の中でも、中央の大企業や当然プロのチームであれば、毎年毎年新人を採用したり、途中でも移籍とかトレードとかいう方法で、戦力強化を行うことができます。

それが地方のチームとなると、新人の採用にも人数の制限が大きく、先ほどの話のように故障を抱えたままの選手を採ってしまうと、鍛えて育てることもできないことになります。

アベノミクスではないですが、スポーツの世界でも地方と中央の格差が大きくなって行くのかもしれません。
それでも生き残るためには、やはりきちんとした個人調査を行い、気持ちも身体もしっかりした鍛えがいのある選手を採用し、正しい理論をもとにしたトレーニングを行いながら経験を積ませていく、これしかないのではないでしょうか。

私にできることは、選手のために役立つという意味で、正しい理論の部分を広めていくことしかできませんが。

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プロフィール

Author:西本 直
1993年、Jリーグサンフレッチェ広島を皮切りに、社会人野球三菱重工広島・協和発酵・ヴィッセル神戸・川崎フロンターレ、そして広島カープ佐々岡真司投手など、プロアマ問わず競技レベルのスポーツ選手から一般の方まで、トレーニングやメンテナンスの指導を行ってきました。
その経験と知識の蓄積を「西本理論」としてまとめ、一人でも多くの方に実践していただくことが、これからの私の使命であると信じ、このブログから発信していきます。
私の理論はスポーツ選手のみを対象としたものではなく、ビジネスマンや家庭の主婦まで老若男女すべてに当てはまる不変のものです。
指導や講演のご依頼も受け付けています。
実名でツイッターも書いていますので、チェックしてみてください。
また、2013年9月9日にConditioning Studio 操をオープンしました。こちらもご覧ください。
また、遠隔地にお住まいの方を対象とした動き分析とアドバイスを行っています。
詳細は「スタジオ操」のホームページ内の「遠隔サポート」をご覧ください。

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