継続していかなければならないこと。

いつものことですが、休日になると色々なことを考えてしまいます。

もう振り返っている余裕はないのですが、3年前、いえもっと前のことを思い出してみても、今の私の姿を想像することは出来ません。

先々のことを考えて生きてきたわけではありませんが、誰かに自分の経験や技術を伝えるという行為は絶対にしないと思っていました。

結果的に挑戦した仕事に失敗してしまったことで、いつも私が口癖にしている「なぜどうして」の自問自答から始まりました。

自分がやってきたことがメジャーな組織の中ではまったく進歩していないばかりか、個人の職人としての技術よりも平準化された知識や技術で、トータルサポートするという、スタイルが主流となっていることに、私のような人間は危機感すら覚えてしまいました。

彼らが言う、一生懸命やっているということの方向性が違っているのではないかと。

元々の本業である痛みへの対処や、復帰へのリハビリの指導に関しては絶対的な自信を持っていましたが、それさえ受け入れられない現実はいかんともしがたいものでした。

今、個人としての活動をしている中、スポーツ選手のみを相手にしている時には考えられないような症状を訴えて、私の元を訪ねてきてくれる人がたくさんいます。

国民皆保険制度の中で、我々は健康な生活を送ることができるようになっているはずです。

しかし医療が進めば進むほど、何かが取り残されてしまっていくのを感じざるを得ません。

画像や数値ですべてが判断され、医師が顔を見ることもなく話を進め診察が終わってしまったという人の話も聞くことがあります。

症状は確かにあるが検査結果には異常は見られない場合もあります。

整形外科領域で言えば、医師とのコンタクトは初回の診察のみで、あとはリハビリ室へ通い続けるのみという場合もあります。

最新の医療機器やリハビリ機器の中で、これが当たり前だとお互いに思っているのだと思います。

そんな中、症状の変化が見られず、もしかしたらという希望を持って、私のような人間のところにまで来ていただくことになります。

私にできることは、しっかり話を聞いてあげて、現状をできるだけ分かり易く説明してあげることです。

それぞれの訴えをすべて解決できるはずはありません、それでも私の施術によってこういう変化があるかもしれないと、お互いが納得できる話し合いができれば、施術を受けていただく価値はあると思っています。

最近も30代後半の女性の方で、ネットで私の存在を知り来ていただいたのですが、いわゆる心療内科の領域の病名をつけられていて、本人も付き添ってこられたお父さんも、先の見えないトンネルの中で辛い日々を過ごされているようでした。

一週間後、二度目に来ていただいたときに、ご本人が私よりも父が喜んで、久し振りに機嫌よく晩酌を楽しんでいたと笑顔で話をしてくれました。

まだ具体的に何をどう改善できたというレベルではありませんが、もし自分の娘がそういう状態だったら、少し明かりが見えただけでも、このご家族にとっては大きな喜びになっていただいたのだと思いました。

ちょうどいま電話が鳴り、ハワイでお嬢さんの挙式を身内だけで挙げるのに、一か月前に思いつくような原因がないのに膝に水が溜まり、二度水を抜く処置を受けリハビリに通っているが改善されず、痛みもあり歩くことがままならないので、お嬢さんをエスコートしてバージンロードを歩く役目の父親として、なんとか恰好がつくようにならないかと、出発の10日前に来ていただいた方からお礼の電話をいただきました。

私より年長の方ですが、高校時代は地元の強豪校で鳴らしたスラッガーで、現在も立派な体格をされている方です。

無事に役目を果たせてほっとしたという報告と、短期間で膝の具合が回復したことを家族に驚かれ、昨日帰国して何はともあれ私にお礼をと思っていただいたのでした。

私の施術では、プライベートなことも含め色々なことをお話しします、この方も野球をやっていたということで、私が指導していた選手やチームのことも知っていたようで話が弾み、結婚式では何とか胸を張って歩きたいと、私の元を訪れた一番の目的も話していただき、私も気合を入れてその要求に応えました。

何とかして欲しい、何とかしてあげたい、病院でどうにもならない状態がなぜ改善できたのか、自慢話ではなくお互いの思いが通じ合ってこその結果だったと思いました。

何でもどんなことにも対応できるとかいう話ではなく、もつれた糸にも端っこは必ずあるのですから、目を見て心を通わせれば何かが起こるかもしれないと思っています。

息子が一緒に仕事場にいるようになってから、不思議と難しい症状の方が来ていただく割合が増えてきたような気がします。

スポーツ現場で指導する私の姿も魅力ではあったと思いますが、目の前で一人一人と真剣に向き合う私の姿は、きっと息子の目にはそれ以上に大きな存在に映っていると思います。

これからのことは分かりませんが、縁あって私の元を訪れていただいた方々には、少しでもお役にたてるように心を尽くしていきたいと思います。

もう一つ意外だったことは、私が考えサッカーという競技にとって最も大事だと思って指導し始めた走るという行為が、改めてその必要性を多くの方が認識してくれるようになったことです。

「足が止まる」という言い方と、「フィジカルが弱い」という言葉でまとめられ、その実態に正しくアプローチされてこなかった部分を、私が単純に説明し明らかにしたことで、なるほどそういうことかと納得してくれる人が増えてきたのです。

私は経験者ではありませんから、知り合いにたくさん指導者がいるということはありませんが、私の指導を受けた人たちが各地で活動を続けてくれているおかげで、じわりじわりと広がりを見せています。

先日、個人指導と西本塾にも参加してくれたスクールコーチから、自分の今の現状では、教えていることがちゃんと伝わっているのか、選手たちの成長度や動きの変化を、客観的に判断できないから、一度試合を見に来てもらって、私の目で見た選手の動きを教えて欲しいというメールが届きました。

よし分かったと言いたいところですが、この行為こそ今の私の指導者としての仕事なわけで、ただ友人として近くはない場所まで車を走らせ、試合を観戦し指導してあげるということはできません。

先日、川崎対鳥栖の試合を観戦した際のことがブログやツイッターに載ったので、自分のところにもと思ってくれたのかもしれませんが、あの時のことは偶然が重なってのことで、もちろん仕事として行ったわけではありません。

サッカーに限らず、走るという行為、ただ前に走るだけではなく、前後左右の足の運びや体を三分割して使う意識、スピードの切り替えなど、私が今考えていること指導していることができるようになるだけでも、選手としての能力は間違いなく向上し、チームとしての成績も上がるはずです。

ただ現状の指導者たちは、そういう考え方にはなかなかなれないようで、未だにトップレベルの指導者からは指導を依頼されることはありません。

しかし、このままでは自分が教えている選手たちが大きな成長は出来ないと考える育成レベルの指導者や、もう一段のレベルアップを目指す現役の選手たちは、すでに行動を起こしています。

今はそういう彼らのために、私の理論と実践を深め、より良い指導ができるように準備しておこうと思っています。

とにかくこの活動を止めてしまっては、せっかくの指導に活かしてくれ始めた人たちに申し訳がありません。

私ではない誰かが、大きな成果を見せてくれる日も近いかもしれません。

とにかく続けることだと思います。

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プロフィール

Author:西本 直
1993年、Jリーグサンフレッチェ広島を皮切りに、社会人野球三菱重工広島・協和発酵・ヴィッセル神戸・川崎フロンターレ、そして広島カープ佐々岡真司投手など、プロアマ問わず競技レベルのスポーツ選手から一般の方まで、トレーニングやメンテナンスの指導を行ってきました。
その経験と知識の蓄積を「西本理論」としてまとめ、一人でも多くの方に実践していただくことが、これからの私の使命であると信じ、このブログから発信していきます。
私の理論はスポーツ選手のみを対象としたものではなく、ビジネスマンや家庭の主婦まで老若男女すべてに当てはまる不変のものです。
指導や講演のご依頼も受け付けています。
実名でツイッターも書いていますので、チェックしてみてください。
また、2013年9月9日にConditioning Studio 操をオープンしました。
また、遠隔地にお住まいの方を対象とした動き分析とアドバイスを行っています。
詳細は「スタジオ操」のホームページ内の「遠隔サポート」をご覧ください。
「第25回西本塾」を11月18・19日の土日に開催を予定しています。
詳細はStudio操ホームページ内の「講習会情報」をご覧ください
尚、深める会も12月10日に予定しています。

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