普段の自分を知るために その6

シリーズに戻ります。

これまでは下半身からの動きを中心に説明してきましたが、今回は腕の動きから体がどう動いてくれるかをみていきます、名称は「腕ひねり」と覚えてください。

姿勢はまだ仰向けに寝たままです。
膝は伸ばしたままでも、立てた状態でもどちらでもかまいません。

視線は自然に天井を見上げて、そこに両手のひらを合わせて自然に肘を伸ばして、指先が視線の先の天井を指すような形をとります。

その姿勢から、合わせた手のひらをどちらかに回してみてください。

もちろん肘は曲がってきますし、肩甲骨も動きます、背中や背骨、腰や膝を立てていれば、その膝がどちらかに倒れてもかまいません。

体の末端である、重ね合わせた手のひらの動きが、どうやって体全体に伝わっていくのか、じっくり味わってください。

右に回した方がつながりがいいか、左に回した方が回しやすいか、動きを比べてみてください。

人間の体は、どこか一つの関節だけを動かそうと思っても、可動域という問題がありますので、すぐに動きが止まります。

どこかの関節だけを動かそうと思っても、実はその時には、すでに他の関節は動いています。

手のひらを回す動作自体は、手首の内旋と外旋動作です。

その動作を行うために、肘関節と肩関節は同時に動き出しています。
ですから手首の動きが止まった時点で、実は肩の動きも限界になっているのです。

肩の動きを助けるために肩甲骨が回りはじめ、背骨が横に湾曲し、骨盤が傾き、踵が伸ばされていく、そうです、これまで行ってきた動きの要素がすべて入っているのです。

膝を立ててスタートした人は、背骨の捩じり動作も加わります。

これが操体法を学ぶ上で、パターン化されたバリエーションが少ないと言われる一つの理由です。

Aという操法はここの動きを引き出せるから、どこそこの部分を改善するのに効果がある、どこそこが痛いという人には、Bという操法を行うことが効果的だ、そういう単純な発想ではないのです。

どの部分を強調して動き出しても、体の要求通りに動きを連ねていくと、誰がどうやっても体という、丸ごと一つのものとして動いてくれるのです。

ですから、ぎっくり腰でどんなに痛みが強く、えびのように丸まって動けない状態の人でも、腰が悪いのだから膝倒しをすれば改善できるという考え方では、仰向けで膝を立てるという基本姿勢が取れないから、いったいどうしたらいいのだろう、ということになってしまうのです。

ですから、これまで説明してきた「背伸び」「踵伸ばし」「膝たおし」「つま先上げ」「腕ひねり」なども、これをやらなくてはいけないとか、どういう順番でないといけないとか、ねばならないは一つもないのです。

拙著にも書きましたが、唯一注意事項は、からだとの対話に集中しすぎて気持ち良さを味わうことで、時間の感覚がゆったり流れてしまい、気付いたら布団を出るのが遅れてしまったということにならないようにしてくださいという、何ともとぼけた注意事項です。

私も毎朝、順番通りに全部なんてやっていません。
目が覚めた時に、もぞもぞっと自然に動き出す体の要求に身を任せて、なんとなく動き続けるだけです。
これって人間の本能ですよね、あくびをしながら手足を伸ばす動作など、まさに自然な体の要求です。

あとは、足首を色々な方向に回せば、布団を出て1日をスタートするスタンバイオッケーですね。

毎日とは言いません、できるだけこれまで説明してきたことを続けることで、自分の体がどういう風に動くのか、その時の感覚はどういうものか、なんとなくですがこの辺りまで倒れたとか、捻ったときあの辺りが見えたとかいう目安も、自宅の寝室ならできるかもしれません。
そうやって自分を知ることが、いざという時に自分がどこまで回復したかの目安になりますし、なにより体中の関節を8方向に動かすという、人間本来の仕組みに程よい刺激を入れ続ければ、そう簡単に体のバランスを崩してしまうこともなくなってしまうと思うのです。

いかがでしょうか、まずは自分の体を知ること、これがすべてのスタートになります。

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プロフィール

Author:西本 直
1993年、Jリーグサンフレッチェ広島を皮切りに、社会人野球三菱重工広島・協和発酵・ヴィッセル神戸・川崎フロンターレ、そして広島カープ佐々岡真司投手など、プロアマ問わず競技レベルのスポーツ選手から一般の方まで、トレーニングやメンテナンスの指導を行ってきました。
その経験と知識の蓄積を「西本理論」としてまとめ、一人でも多くの方に実践していただくことが、これからの私の使命であると信じ、このブログから発信していきます。
私の理論はスポーツ選手のみを対象としたものではなく、ビジネスマンや家庭の主婦まで老若男女すべてに当てはまる不変のものです。
指導や講演のご依頼も受け付けています。
実名でツイッターも書いていますので、チェックしてみてください。
また、2013年9月9日にConditioning Studio 操をオープンしました。こちらもご覧ください。
また、遠隔地にお住まいの方を対象とした動き分析とアドバイスを行っています。
詳細は「スタジオ操」のホームページ内の「遠隔サポート」をご覧ください。
西本塾を深める会を9月10日(日)に開催を予定しています。
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