動きの意識と結果の整合性について。

ブログの更新頻度が減っています。
過去には自分の思いを吐き出す場所として、毎日の様に言葉を綴っていたこともありましたが、現在は私の後継者としての道を歩み始めた息子のために、少しでも空いた時間は彼のために使いたいという気持ちが強く、こうしてキーボードに向かう時間は大幅に少なくなってしまいました。

頑張りすぎてしまったのか、今日は体調不良で早退したため、予定を変更してブログを書いています。

スポーツの動作、選手の動きを見る時、私が一番考えることは、この選手は今現在結果として表現されているスポーツ競技の動作は、本当に本人が意図した結果なのだろうかということです。

基本的なことになりますが、選手が一番最初に考えなければならないことは、自分がどの様に体を動かしたいか、使いたいかということをきちんと意識できているかということです。

それなくしては評価のしようがありません。

ただがむしゃらにとか、臨機応変にとか、無意識に体が動いている、などという言い方をされることがありますが、その前に自分の体の仕組みをしっかり理解して、その機能を目的に対してどうやって効率的に使うのかということを考え、意図を持って体を動かすことがトレーニングであり、技術を獲得するということに他ならないと思います。

先日行われたサッカーのキリンカップ、私が一番注目していたのはガンバ大阪の宇佐美選手でした。

私はサッカーという競技で、ボールを蹴るという動作を行う際に、体の構造を生かして無理なく効率的に体を使う方法として、軸足となる足が着地した瞬間に、蹴り足の股関節がしっかりと伸展され、その後自然な重心移動の中で、大腿骨の骨頭部分がクランク状の形状であることを利用して自然に前方に振り出され、その結果として膝から下の部分も無理なく振り出されることでボールを蹴ることができると考えています。

以前にNewspicksの連載記事の中で使われたものだったと思いますが、本田選手がスポーツメーカーのポスターに写った姿が、そのイメージを端的に表してくれていました。

ただこの体の使い方はあくまでも基本であって、当然試合の流れの中で相手もあることですから、この通りの動作ができることのほうが少ないことは当然です。

そんな中でも宇佐美選手のボールの蹴り方は独特なものがあると感じていました。

ボールに対して手前から走ってきて、先ほどの説明の様な動作をするのが普通なのですが、彼は他の選手に比べて、ボールをかなり体の近くに保持しています。

そいいう形でドリブルができれば、相手にボールを奪われるリスクは間違いなく減ります、その代わり普通に蹴る動作はしずらくなります。

ところが彼は足元にあるボールに対して、手前からではなく、その場で膝を持ち上げます、股関節を伸展ではなく屈曲させるということです。

普通に考えれば窮屈になったはずの膝関節を小さく降り出して、鋭くまたコントロールされたシュートやパスを蹴ることができています。


子供の頃の動画も見ることができましたが、小学生くらいでこんな動きをされたら、相手の選手はどのタイミングで蹴るのか分からず、全く対応できていませんでした。

それはキーパーも同じで、いつシュートを蹴ったのか分からないまま対応できずに決められるというシーンもありました。

問題は、彼がこの動きを意図して行ってきたかということです。

股関節の屈曲からの膝関節の伸展という動作は、説明が難しくなるので省きますが、現実として体に無理がありとても難しい動作となります。

子供の頃のお山の大将で済んでいた頃や、現在でもプレッシャーの少ない試合状況の中では、彼はその特徴を十分に生かしたプレーができています。

しかし、相手のチームや選手の能力が同等以上と思われる状況や、個人として結果を求められる追い込まれた状況の中では、残念ながらその特徴が悪い方に出てしまい、動作のスピードやキックの正確性が極端に悪くなってしまう様に思います。

ここに今日のテーマとした「動きの結果と意識の整合性」が取れているかという問題を感じるのです。

彼が自分の動きの特徴をきちんと理解出来ていれば、自信を持って人と違う動作を武器として戦えるのですから。

上手くいかなくなった時に、考え込んでしまうのではなく、もう一度自分の動きを見つめ直すことができれば、彼は今以上の活躍を絶対にできると思うのです。

こういう例えはサッカーに限らずどんなスポーツでも見ることができます。

まずは人間として生まれて、その競技動作を効率的に行うための要素をしっかりと理解することから始めて、それを行うためのドリルを続けて行うことで体の動きを身につけ、さらにそれを応用して自分独自の動きへと発展させて行けば、何か問題が起こった時どこをどう修正すればいいのかが分かるはずです。

そのもっとも基本となる自分のやらなければならない体の動作に対して、正しく意図できていない選手が多いのです。

スランプという言い方も、それが明確でないことの裏返しでしょう。

ある野球選手の投球動作に注目していますが、トータルとしての動きづくりではなく、腕をどう振るかという、まさに枝葉の部分に気持ちが行っているようで、今のままでは正しい方向へ進んでいけるとは思えません。

月曜日にきてくれた競輪選手とのトレーニングが楽しいのは、その部分にしっかり目が向けられているからです。

自転車を速く走らせるための動力は自分の体しかありません。

普通の選手は当然のようにそのエンジンをパワーアップさせようと、大きく強くを求めてトレーニングをしているのでしょう。

それも一つの考え方で否定するつもりはありませんが、同じ考えの選手ばかりだったら優劣はどこでついていくのでしょうか。

他にもっと重要な要素があるとは考えないのでしょうか。

そういう選手に出会えたことは私にとっても幸運なことです。

遠く離れていますので、普段は地元の西本塾生の指導を受けてくれています。

それでも今回2回目ですが、私のところにも来てくれました。

向上心というか学ぼうとする意欲は素晴らしいと思います。

「自分の動きを変えたい、こういう体の使い方をしたいという正しい目標を定めたい」、そのために私の話を聞いてくれます。

「自分にとって正しい方向性とは何か」、スポーツ選手にとって永遠のテーマだと思います。

その目標はどんどん高くなり、目標に沿った動きづくりのトレーニングも難しいものとなって行きます。

一人一人と向き合いながら、しっかりサポートしていきます。

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Comment

No title
こちらこそ返信ありがとうございます。
ご子息様の言葉期待しております。
ありがとうございました。
  • 2016-06-17│16:44 |
  • ao URL│
  • [edit]
Re: No title
コメントありがとうございます。
文章を書くのは好きなのですが、正直時間が取れません。
週末は西本塾がありますので、今週は更新が出来そうもありません。
息子も少しずつ色々なことを経験していますので、思ったことを文章にしてみろと伝えました。
私もどんなことを言葉にしてくれるのか楽しみにしています。
乞うご期待ということで今しばらくお待ちください。
  • 2016-06-17│13:08 |
  • 西本 直 URL│
  • [edit]
No title
いつもブログ楽しみにしています。
ご子息様に向かう時間が増えた、というのは大変喜ばしいことだと思います。
反面、ブログ読者としては寂しい気持ちもございます。
ご子息様の感想などブログで発信していただけたらいいなぁと勝手な妄想していたり・・・

次回の更新を楽しみにしています。
  • 2016-06-17│10:21 |
  • ao URL│
  • [edit]

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プロフィール

Author:西本 直
1993年、Jリーグサンフレッチェ広島を皮切りに、社会人野球三菱重工広島・協和発酵・ヴィッセル神戸・川崎フロンターレ、そして広島カープ佐々岡真司投手など、プロアマ問わず競技レベルのスポーツ選手から一般の方まで、トレーニングやメンテナンスの指導を行ってきました。
その経験と知識の蓄積を「西本理論」としてまとめ、一人でも多くの方に実践していただくことが、これからの私の使命であると信じ、このブログから発信していきます。
私の理論はスポーツ選手のみを対象としたものではなく、ビジネスマンや家庭の主婦まで老若男女すべてに当てはまる不変のものです。
指導や講演のご依頼も受け付けています。
実名でツイッターも書いていますので、チェックしてみてください。
また、2013年9月9日にConditioning Studio 操をオープンしました。
また、遠隔地にお住まいの方を対象とした動き分析とアドバイスを行っています。
詳細は「スタジオ操」のホームページ内の「遠隔サポート」をご覧ください。
「第25回西本塾」を11月18・19日の土日に開催を予定しています。
詳細はStudio操ホームページ内の「講習会情報」をご覧ください
尚、深める会も12月10日に予定しています。

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