人間の動きを見る視点として。

明日明後日と「深める会」を行います。

今回の参加者はお一人だけなので、複数の人数の中で、私から学んでくれたことをどう活かしているか、また抱えている問題点などを話し合っていただくという、深める会ならではの貴重な意見交換をしていただくことが出来ないのは申し訳ないのですが、その代りといっては何ですが、すべての時間を榊山さんのために構成することができます。

どちらがどうという意味ではなく、どんな状況になっても参加していただく方のためにベストを尽くすのは当然のことですから。

また、来週末には、3年連続となった札幌での西本塾を行います。
今回は西本塾2期生の諏訪さんの主催で、私は講師という形での参加となります。
参加してくださる方々に対して、少しでもお役にたてる内容にしたいと、色々頭を悩ませています。

最近のブログによく登場した、福岡の中学生長距離選手の「そら君」のレースも明後日に迫ってきました。
私の提唱する走りをどこまで体で表現してくれるか、そして自分の目標としている自己記録を更新できるか、とても楽しみにしています。

結果はもちろんですが、初めて指導を受けてくれて1か月という短い期間でしたが、お父さんと二人真剣に取り組んでくれたことが、私にとっては何より嬉しいことでした。

朗報を待っています。

また、お父さんから送られてくる動画を見て、遠隔地であってもそれなりに継続した指導ができることを確認できたことで、希望があればそれに応えることができると告知したところ、西本塾生の古賀さんからバドミントンという競技の動き分析を依頼していただき、これにも応えることができたように思います。

私がこれまで様々なスポーツ動作を観察してきた中で、どういう視点でそれらを見ているのか、私という人間に興味を持っていただいた方々が一番知りたいことはこれなのではないかと思います。

しかし、私のものの見方感じ方という部分は、当然ですが一朝一夕に作り上げられてきたものではありません。

私が人間の体を見るということのスタートは、施術者としての目線からでした。

なぜ痛みを感じるのだろう、蹴られたとか転んだとか捻ったとか、原因のはっきりしたものは勿論のこと、通常の練習やトレーニングを行っていても、痛くならない選手もいれば痛みを訴える選手もいる、その違いは何だろうと言うあたりがスタートだったと思います。

さらには同じ内容のトレーニングをしていても、要求される動きを身に付けて行く選手とそうでない選手も、当然ですが存在しました。

それがたんにセンスがあるとか、運動神経が良いとかいうことではなく、もっと他に根本的な問題があるのではないか、経験を重ねるごとに様々な疑問が湧いてきました。

その答えを提示してくれるものは、残念ながらありませんでした。

と言うよりもそんなことまで考えている人間はいなかったのかもしれません、自分はメディカルなトレーナー、リハビリ担当、またボールを使わない部分でのトレーニング指導、選手上がりで監督のアシスタントとして技術的な部分の指導をする、など等、自分の仕事に枠を設け、他の分野に立ち入らないことが暗黙の約束事だったのかもしれません。

私にはそんなしがらみがなく、本当はあったのかもしれませんが気がつかなかったというか無視したというか、選手のために少しでも自分にできることがあると思ったら、当然のようにそれを行ってきました。

そんなスタンスを通してきたため、組織としては受け入れられない部分が多くなったのかもしれませんが、自分の能力を必要としてくれる相手があるならと、方向性を変えることはありませんでした。

今回、陸上競技の長距離とバドミントンというまったく異質な競技の動きを、仕事として分析しアドバイスさせていただきましたが、改めて自分が培ってきた「視点」が、ことの本質を見るために必要なものであることを再確認できました。

この感覚は、残念ながら言葉にしたとしても共有していただくことは出来ないと思います。

「私と同じ視点を持ちたい」、多くの方からそう言われました。

そこにマニュアルは存在しません、日々そういう感性で人間の体を見続けてきた私の目にはそう映るというだけのことであって、それが唯一無二の正しいものの見方だと言っているわけではありません。

私にはどう見えるかと、答えを求めてくる人もありますが、それは答えではなく私の感性でしかないのです。

今、息子の智志に伝えているのは、まさに私の感性です。

生まれてからずっと私の言葉を聞いて育っていますから、既に分かったようなことを言いますが、それらは上辺のことで、現実的な経験はないのですから、説得力があるはずがありません。

それでも、身近で私の感性に触れられることは、他の誰にも与えられない特別な権利ですから、じっくりと時間をかけて自分の視点を作って行ってほしいと思います。

前置きばかりで終わってはいけませんので、今日どうしても書き残しておきたいテーマですが、「人間の動きを見る視点の基本は、関節の6方向への連動がどうなされているか」ということです。

関節の運動方向は、6方向に加えて離解と圧着という2つを加えて、本来は8方向なのですが、関節ですから当然隙間があるということが前提の運動方向ですので、最近は6方向に限定して話を進めています。

人間が動いているというのは、基本的には移動を伴っていることを指していると思います。

移動しているというものの本体は、骨盤から背骨にかけてのいわゆる「体幹部分」だと思います。

腕や足の骨は、その部分の動き無くして勝手に動くことは出来ません。

いや座ったままで移動しなくても、手も足も動かせると言われると思いますが、二足歩行になった我々だけがそう思い込んでいるだけで、四足歩行の動物を見れば体幹部分の動きなしに、手足が動くことがないのは分かると思います。

我々は2足方向だからそんなことは関係ない、そう思ってしまったことで、人間は連動という概念を忘れかけていると思います。

話が外れますが、その典型的な現象が肩甲骨の動きを忘れて腕だけを動かし続けてしまうことによって起こる、40肩や50肩と呼ばれる症状です。

四足動物は骨盤から背骨をしなやかに連動させることで、チータのように凄いスピードで走ることができます。

西本塾でもその動画を見せますが、まさに我々がお手本としなければならない動きです。

一般的に知られるようになった言葉に、体幹トレーニングというものがありますが、私の理解では、そのトレーニングを行うことが、動物本来の関節の連動を妨げる要因になっているのではないかと思います。

体幹は安定させるものではなく、連動させるべきもののはずです。

それを痛烈に印象付けてくれたのが、サッカーのロッベン選手のトレーニング風景を撮った動画でした。

NewsPicksの連載の中でも記事にしましたが、私はロッベン選手の動きに3分割という概念を見出しました。

人間が移動していくためのエネルギーは3つ、上から下への落下するエネルギー、移動方向への重心の移動、そして体を捩じる捻転だと思います。

そのうちの捻転という動作が実は一番難しいものだと、最近特に思うようになりました。

捻転の理想角度は135度、これは私が常に発している言葉です。

この135度の作り方が何よりも重要だと考えるようになりました。

単純に捩じる振り向くのではなく、もちろん背中側に背骨がありますが、前側でいうと、肋骨と骨盤の間で骨のないフリーな部分、おへそのあたりですが、この部分を中心として上と下をどう捩じるのか、歩くこと走ることから始まって、ボールを投げる、ボールを蹴る、バットを振る、ゴルフクラブを振るなど、すべての動作に一番重要で一番難しい使い方だと思います。

先日来ていただいた競輪の選手や、トライアスロンの選手の方の指導の中でも、体幹を安定させるという言葉が独り歩きしてしまい、動かさないように固めてしまうことが正しい使い方だと思っているところが見られました。

バドミントンのスマッシュ然り、サッカーのキック動作然り、今私が取り組んでいる飛距離と方向性を両立させるゴルフスイング然り、ただ体を捩じるのではなく、お腹を中心とした上と下をどちらの方向にどれだけ捻じるのか、その結果として、あまり捩じっていないように見えるという人間の体の不思議な構造、人間の体を見るという視点の裏には、基本的な体の仕組みに加え、新たな使い方という部分に興味を持ち自分自身で実践していかなければ、他の人と違う視点にはならないと思います。

次回は野球やゴルフのスイングを例に、3分割の捻転動作を考察したものを言葉にしておきたいと思います。

スポンサーサイト

Trackback

Comment

Post a comment

Secret


プロフィール

Author:西本 直
1993年、Jリーグサンフレッチェ広島を皮切りに、社会人野球三菱重工広島・協和発酵・ヴィッセル神戸・川崎フロンターレ、そして広島カープ佐々岡真司投手など、プロアマ問わず競技レベルのスポーツ選手から一般の方まで、トレーニングやメンテナンスの指導を行ってきました。
その経験と知識の蓄積を「西本理論」としてまとめ、一人でも多くの方に実践していただくことが、これからの私の使命であると信じ、このブログから発信していきます。
私の理論はスポーツ選手のみを対象としたものではなく、ビジネスマンや家庭の主婦まで老若男女すべてに当てはまる不変のものです。
指導や講演のご依頼も受け付けています。
実名でツイッターも書いていますので、チェックしてみてください。
また、2013年9月9日にConditioning Studio 操をオープンしました。こちらもご覧ください。
また、遠隔地にお住まいの方を対象とした動き分析とアドバイスを行っています。
詳細は「スタジオ操」のホームページ内の「遠隔サポート」をご覧ください。
今年2回目の西本塾を8月26・27の土日に開催を予定しています。
詳細はstudio操のホームページ内の「講習会情報」をご覧ください。
なお、今回も参加者が5名に満たない場合は開催しません。
9月10日には深める会も予定しています。

最新記事

カレンダー

06 | 2017/07 | 08
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31 - - - - -

カウンター

検索フォーム

QRコード

QR