私の考えをより深く理解していただくために。

8月ももうすぐ終わりですが、個人でやっている私の仕事には特に夏休みというものがありませんでしたので、今日から智志は休みを取らせて、青春18切符とやらで、15時間かけて東京に旅行に行くそうです。

若いからとはいえ、各駅停車の旅がどれだけしんどいか、今回が初めてではありませんが、私には想像もつきません。

さて、毎度自分の考えを整理しておくために、ブログに文字を連ねています。
スポーツの現場を離れ、一般の方を相手にすることが多くなった今、改めて体に向き合うことの難しさを感じています。

スポーツ選手であれば、それなりに自己管理という意識もありますし、故障やケガと隣り合わせの生活をしているわけですから、比較すれば意識は高いかもしれません。

高いと言っても正しい知識という意味では、体に向き合うにはまったく足らないものにしか過ぎませんが。

それが一般の方になると、普段自分の体に対してどういう風に向き合っているかといえば、健康診断で示される検査結果の数値を気にするくらいで、私の言う「体との対話」などという発想など持ち合わせているはずもありません。

そんな方々が、いざ自分の体に異常を感じた時、これは数値の問題ではなく、感覚としての痛みそのものや、機能的に動かせないなど、自覚症状がはっきりと現れて、はじめて私のところに足を運んでくるわけです。

目的はひとつ、その痛みを改善して欲しいという事にしか意識はありません。
「他に何を目的としてあなたの所に行くのか」、と言われればそれまでなのですが、腰が痛いから腰を治せ、そのためには腰に対して何かを施すことが、施術者の仕事だという固定概念があります。

私が言い続けている「木を見て森を見ず」は、痛みを抱えて訪れる方々にも、そしてそれに対応する施術者の側にも、どちらに対しても言いたいことなのです。

痛みを抱えてきた人に対して、もっと優しい気持ちの方を前面に出さなければならないと思うこともありますが、その方の考え方に支配され、体に対して真剣に向き合うこともなく、日々酷使され続けている体に対して、私はかわいそうだという思いの方が強くなってしまうのです。

もっと体のことを知って欲しい、自分の体と向き合って欲しい、そんな思いを込めて「1回5分体が喜ぶ健康術」を書かせてもらいました。

まだまだ発行部数は少ないですが、少しでも多くの方に読んでいただくことで、その方だけではなく、ご家族や友人に対しても、体との対話という発想を広げて欲しいと思います。

読んでいただいた方は、アマゾンの書評欄に忌憚のないご意見や感想を書き込んで頂き、それを見た方にも読んでみようかという興味を持っていただくきっかけにして欲しいと思いますので、ここで改めてお願いしたいと思います。

いつまでも対症療法的な施術や、どこかを触ればどこかが治るというような、短絡的なものの考え方を離れ、自分の体をもっと大切に扱って欲しい、そのためにはまず自分の体をもっと知らなければならない、そう思ってくれる人を増やしていきたいのです。

智志に対して直接的また間接的な指導を行うために、これまでとは違った意味で言葉の工夫をするようになったり、これまで経験を重ね分かっているつもりだったことも、きちんと言葉で説明できるようにしています。

そんなことを考えながら半年近くになりますが、私の口癖の「動きづくりのトレーニング」が、なぜ運動能力を高めることができるのか、また、操体の各操法がなぜ体の不調を改善できるのかを、より具体的に説明できるようになってきました。

とは言っても、いつも指摘されるように数値で表せるような説明ではありません。

しかし、実際にその考え方に沿って行うトレーニングや施術行為は、間違いなく私の考えた仮説通りの結果をもたらせてくれるのです。

それを日々感じさせてくれるのが智志の存在です。
中学卒業後は何の運動もしていない彼が、驚くほどの変化を見せ続けてくれる現実は、指導している私の方が驚いてしまうほどです。

20回という回数を重ねた西本塾のいちばん最初にお話しする4つのキーワードこそが、やはり西本理論の根幹であることを智志が再認識させてくれました。

実際に参加してくれた人たちにもう一度言いたいのは、お渡ししたレジュメをもう一度しっかり読み返して欲しいということです。

私の考え方の全ては、その中に凝縮されています。

現在は6方向として指導していますが、以前から言っていた圧着と離開を含め、関節の8方向に対してどうアプローチしていくか、と言うよりも、どこから動き始めても全身の関節がすべて滑らかに連動してくれる体こそが、健康の証であり、人より秀でた運動能力を発揮してくれる最も重要な要素であるという事実です。

どの種目どの動きにはどこの筋肉が主に働くことが分かっているからと、その筋肉に狙いを絞ったトレーニングを重ね、筋肉を肥大させ筋力を向上させたことで、本来のしなやかな動きにブレーキをかけてしまう結果に結びつくなどとは誰も思っていないと思います。

私もついついこの筋肉をもっと強く、と思うこともありました。
地道な努力ではなく、目的地に対してショートカットしたくなる気持ちは十分わかります。

施術も同じです、痛みを訴える部分に、お互いどうしても気持ちが行ってしまいます。

限られた時間の中で、相手の満足する結果を出さなければ仕事として成り立ちません。

しかし、そう思って行った施術が良い結果をもたらすことはなく、自己嫌悪に陥ることもありました。

体の仕組みに沿って、体本来の動きを取り戻す、また、持って生まれた能力を発揮しきれていないことを自覚してもらい、新たな能力を授けるのではなく、眠っている能力に目覚めてもらう、そんな発想こそが良い結果をもたらせてくれました。

私が行う施術行為と動きづくりのトレーニングが、まったく同じ原理原則のもとに行われているというのはそういう意味です。

この思いは月日を重ねるごとに確信へと変わり、さらにその内容は深まり続けています。

それを発揮する対象は、これまでならば競技レベルのスポーツ選手であるべきで、私の能力を活かそうとしないスポーツ現場に、ある意味苛立ちも感じていました。

20年前よりも10年前よりも、そして3年前よりも、確実に私の指導できる内容のレベルは上がっていると思います。
それをどこの誰に対して発揮するかは、私に与えられた環境がすべてです。

今はこの場所で、私の元を訪ねてくれる人たちのために、さらに自分の考えを深める作業を続けています。

運動神経や運動能力と言った言葉は、生まれ持った遺伝的な要素が大きいと言われていますが、私はすべての関節の6方向の動きから始まったうねりが、全身に連動していく感覚を磨いていくことで、それぞれが持って生まれた能力を存分に発揮できるようにしておけば、それぞれのレベルで十分にスポーツ活動を楽しむことができると思うし、それが逆の意味で体に負担をかけない動き、「かわし動作」と呼んでいますが、故障しにくい体の動きを手に入れることにも繋がっていくと思います。

そういう意味では子供の頃からの取り組みがもっとも重要で、今月の深める会に参加してくれる、千葉県市川市で「からだ塾」を主宰して、子供達にスポーツ鬼ごっこの教室を開き、正しい体の使い方を指導している望月さんの活動は、素晴らしいことだと思います。

最後にもう一度、西本塾生の皆さん、もう一度レジュメを手に取ってください、そうして何度でも読み返してください。
そうすれば私が本当に伝えたかったことが、改めて見えてくるはずです。

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プロフィール

Author:西本 直
1993年、Jリーグサンフレッチェ広島を皮切りに、社会人野球三菱重工広島・協和発酵・ヴィッセル神戸・川崎フロンターレ、そして広島カープ佐々岡真司投手など、プロアマ問わず競技レベルのスポーツ選手から一般の方まで、トレーニングやメンテナンスの指導を行ってきました。
その経験と知識の蓄積を「西本理論」としてまとめ、一人でも多くの方に実践していただくことが、これからの私の使命であると信じ、このブログから発信していきます。
私の理論はスポーツ選手のみを対象としたものではなく、ビジネスマンや家庭の主婦まで老若男女すべてに当てはまる不変のものです。
指導や講演のご依頼も受け付けています。
実名でツイッターも書いていますので、チェックしてみてください。
また、2013年9月9日にConditioning Studio 操をオープンしました。こちらもご覧ください。
また、遠隔地にお住まいの方を対象とした動き分析とアドバイスを行っています。
詳細は「スタジオ操」のホームページ内の「遠隔サポート」をご覧ください。
西本塾を深める会を9月10日(日)に開催を予定しています。
詳細はstudio操のホームページ内の「講習会情報」をご覧ください。

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