ボールを投げるという動作について、プロ野球の投手に望むこと。

今日は定休日、いつもならゴルフの練習に行くことが多いのですが、今日は昨日買ってきた本を集中して読みたいので、家で過ごそうと思っています。

と言ってもゴルフの本なのですが、これまで読んだものとは一味もふた味も違うもので、昨日少し読みましたが、まだまったくイメージが湧かないほど難解なものです。

ここはひとつ腰を据えてじっくり読んで、私の動きづくりの理論にもヒントを頂けるのではと期待しています。
内容に関しては、私自身が理解できたら改めて記事にしたいと思います。

さて、あまり真剣には見ていないのですがプロ野球はセパ両リーグとも意外な展開で終盤を迎えています。

まずはパリーグですが、前半戦あれ程の強さを見せたソフトバンクホークスが、ここへきて失速し、日本ハムファイターズとトップを争うという予想だにしなかった展開を見せています。

そしてセリーグですが、地元広島カープが、それこそシーズン前に誰も予想しなかった快進撃を見せ、マジックナンバーが点灯した後も順調に数を減らして、25年ぶりの優勝へのカウントダウンが始まっています。

そんなカープファンも、長嶋巨人の時代に、同じくらいのゲーム差をつけて独走かと思われたシーズン後半に大逆転を喫し、メークミラクルという言葉で語り継がれることになったという苦い経験があるようで、常識的に見てももう大丈夫だろうという時期になっても、なかなか大きな声で「優勝」の二文字を口にするのを控えていたようです。

さすがにここまで来ると間違いないでしょうから、今、広島の街はカープが優勝したら何をしたら良いのだろうと、各方面で準備に余念がありません。

何せ25年振りのことですから、当時のことを知らない人の方が多いくらいになっています。

私が広島に移り住んだのはその後ですし、とくにカープに興味もなかったので、優勝どころかAクラスに入ることも珍しいカープが当たり前だと思っていました。

現在2軍の投手コーチをしている佐々岡真司君のパーソナルトレーナーとして9シーズンを戦いましたが、あくまでも個人の仕事であって、チーム全体の心配までは関知する立場にはありませんでしたし、優勝などという言葉とは無縁の9年間でしたから。

それが昨年までのカープとは全く違うチームになったように、選手と首脳陣そしてスタッフが、毎試合活き活きと戦うチームに変貌してしまいました、テレビの画面からでもその雰囲気は十分に伝わってきます。

中でも逆転勝ちの多さは群を抜いており、テレビを見ていても多少の失点は相手に対するハンデキャップというか、先行された方が試合そのものが面白いと感じるほどの強さを見せています。

ここでそのカープの強さに迫るのが今日の目的ではありません。

相手のチームがなぜこうも簡単に逆転を許してしまうのかという問題です。

先日の中日戦でも、接戦を戦い延長戦に入った10回表2アウトランナーなしから、まさかの7点を奪いそのまま裏を押さえての勝ちゲームという試合でした。

カープの打撃陣が凄いと言えばそれまでなのですが、後アウトを一つとればチェンジという場面から7点も取られてしまう中日の投手陣は何をしているのかということです。

これまでもボールを投げるという動作に関して何度か記事にしてきましたが、改めて私の考えを書いておきたいと思います。

投手が打者に対してボールを投げるという行為は、打者が見逃しか空振りをして三振に取るか、打ったボールがフライとなってノーバウンドで野手が取るか、ゴロを打たせ状況次第ですが、野手から野手への送球でアウトを取ることが目的です。

スピードがあるに越したことはありませんが、けっしてスピードガンコンテストをしているわけではありません。

では打者をアウトにするための投球動作とは、どういう要素が考えられるのでしょうか。

ピッチャープレートとホームベースの間は、18.44mと決められています。

その距離で向かい合うことに関してはすべての投手平等な条件です、ただ160㎝の身長の投手と2mを超すような投手では、打者から見える距離感はまったく違うものになることは当然のことです。

まずはその距離間の問題です、何をもっての距離感か、それは投手の指を離れた位置の問題です。

解説者の言葉でよく聞かれる「リリースポイントが打者に近いとか、この投手は球持ちが良い」と表現される問題です。

打者は投手の指からボールが離れたところから、自分のヒッティングポイントまでを目で追う訳ですから、その距離が短ければ短いほど打ちにくいということになります。

さらには現代野球では何種類もの変化球が存在しますので、その判断にも影響してきます。

そして究極の変化球である直球、最も空気抵抗を受けずに初速と終速の違いの少ない、いわゆる伸びのある速球を投げるためには、ボールが指から離れるリリースに瞬間に、どれだけ多くの回転をボールに与えられるかが勝負となります。

そのために必要な要素がまさにボールを長く持ち続けるということになります。

スナップを聞かせるという表現がありますが、手首のスナップは手首関節の屈曲動作ではなく「内旋運動」がその仕事を行います。

肩から肘手首と、それぞれの関節が内旋動作という目的のために連動して、初めてボールに強いスピンをかけることができます。

投手が投球フォームを作って行くうえで、究極の目標となるのはこの動作です。

1センチでも1ミリでも、打者に近い所でボールを離す、それが結果として打者から見て、リリースポイントの直前までボールが投手の後ろ側に隠れ、見えた瞬間に自分に向かって飛んでくるという、最も打ちにくい投球動作でありボールになるということです。

その感覚が身に付いた投手ほど、当然ですがコントロールも良くなります、手首を小指から振出し手のひらが内旋する瞬間にボールが指を離れて行くのですから、肩肘手首と目的とするコースに向かって振り出していけば、そこに投げ込めない訳はないのです。

ではなぜその当たり前のことをプロの投手たちは出来ていないのでしょうか。

動作解析とかいうものも導入され、正しい体の使い方を指導しているという人も増えてきました、にもかかわらず日本のプロスポーツの最高峰と言われ、歴史もあるプロ野球の投手たちがいまだにそれが出来ないのです。

過去に指導した選手たちも、その事実は理解してくれたとしても、最終的に肩肘手首が内旋運動をしてくれることができるようになるための、一連の体の連動動作にまでは目を向けようとしません。

私が指導したらすべての投手が同じフォームになるという意味ではないのですが、自分がこれまで作り上げてきたと思っているフォームを見直すことなく、最後の最後の手先の部分だけを直そうとしてもできるわけはないのです。

そのために必要な各部分の意識、そしてそれを統合し連動させるためのドリルなど、地道に取り組むことなく、分かったような気持ちになってしまう選手が何と多かったことか。

こんなことを私が書いても、プロ野球の投手たちは私の指導を受けてはくれないでしょうが、サッカー選手の体の使い方も同じで、こうすればこうなるのにというはっきりとした方法論を既に持っていて、過去にそれを結果として示してきたにもかかわらず、私の理論や方法論が広まって行かないことにいら立ちすら覚えます。

野球の場合は、打者との駆け引きや配球といった問題もありますが、根本的な問題はいかに打者の近くでボールを離せるか、しっかりとしたスピンをかけられるか、その基本の上に他の変化球があるのです。

そこが分かっていないから肩や肘を痛めて戦線を離脱したり、たった一つのアウトが取れないままに7点も取られてしまうことになるのです。

本気で自分を変えようという選手はいないのでしょうか、私から見れば本当にもったいないと思う選手がたくさんいます。

すべての関節の6方向への連動性を十二分に発揮して、それぞれの競技動作に必要な動作を作り上げていく、野球の投手は試合の勝ち負けを決める80パーセント以上の責任を負っているはずです。

もっと本気で覚悟を持って自分の仕事に向き合ってほしいと思います。

もう間もなくカープの優勝が近づいてきます、25年ぶりの優勝、広島の街はどんなことになるのでしょうか。

それにしても今日の夜放送の「NHKプロフェッショナル」に登場する、サンフレッチェ広島の監督である「森保一」という男、2部降格阻止を期待され監督を請け負った彼が、どうやって4年間で3度の優勝に導いたのか、個人的な友人でもある彼の秘密を今日は是非見せて欲しいと思います。

セリーグ6チームの中で25年間も優勝できなかったカープと、18チームがひしめくJ1リーグで、優勝を重ねるサンフレッチェ広島というチーム、広島ではどうしてもカープの扱いが大きくなりますが、全国の皆さん、野球が好きサッカーが好きとかいうことを超えて、森保一という人間をもっと評価して欲しいと思います。

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プロフィール

Author:西本 直
1993年、Jリーグサンフレッチェ広島を皮切りに、社会人野球三菱重工広島・協和発酵・ヴィッセル神戸・川崎フロンターレ、そして広島カープ佐々岡真司投手など、プロアマ問わず競技レベルのスポーツ選手から一般の方まで、トレーニングやメンテナンスの指導を行ってきました。
その経験と知識の蓄積を「西本理論」としてまとめ、一人でも多くの方に実践していただくことが、これからの私の使命であると信じ、このブログから発信していきます。
私の理論はスポーツ選手のみを対象としたものではなく、ビジネスマンや家庭の主婦まで老若男女すべてに当てはまる不変のものです。
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また、2013年9月9日にConditioning Studio 操をオープンしました。こちらもご覧ください。
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詳細は「スタジオ操」のホームページ内の「遠隔サポート」をご覧ください。
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なお、今回も参加者が5名に満たない場合は開催しません。
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