屈筋から伸筋への主役の交代を促すために。

広島地方、台風の影響で雨が降り続いています。
これから近づいてくるので、ここ数日は気が抜けません。

まずは、西本塾生から興味深い報告がありましたので紹介させていただきます。

『現在、慢性呼吸不全症候群で、常時酸素吸入をしておられる80歳前の男性ご利用者にからだほわっとをさせていただいています。

上半身、特に肩甲骨周囲の筋緊張が高く、左の肩甲骨の動きがかなり低下しておられます。

血中の酸素飽和度が安静時でも85%前後(95%以上だと楽なご様子です)で、呼吸苦がある方です。

からだほわっとを行った後は、血中の酸素飽和度が98~99%まで上昇し、楽になられるようです。


全身の不必要な筋緊張が低下し、血液循環が向上し、酸素の取り込み率がUPし、血中の酸素飽和度が上昇したのでしょうか。

最近は「これが楽しみになりました」と言ってくださるようになりました。

からだほわっとの効果を更に実感させていただきました、ありがとうございます。』


というものです。

私が普段行っていることで、もう30年に渡って行っている施術行為の一つですが、こういうデータを提示していただくのは初めてです。

私のやっていることや考え方には客観性がないと言われ続けていますが、それにあえて反論する気もないのですが、こういう数字を見せていただくと、体と心の両方が喜んでくれているという証拠だと思え、本当に嬉しく思います。

是非これからも継続して行ってほしいと思います。

さて、サッカー兄妹のトレーニング、3日連続して行いましたが、たったの3日でも大きな変化を感じさせてくれ、これからの指導が楽しみになってきました。

高校3年生の兄には、もし私が現在Jクラブのフィジコかトレーナーの立場で、高校を卒業して入ってきた君を見たとしたら、「もう少し基礎的な体の能力を身に付けてから来て欲しかったね、今のままでは練習にもついて行けないし、ケガをするリスクも高いよ」という言葉を投げかけなければならないと伝えました。


どのスポーツにも言えることですが、子供の頃から一つの競技を専門に行ってきたため、人間として持って生まれた基礎的な能力が育っていないと感じています。

ある一定のカテゴリーで秀でることは出来るかもしれませんが、次々とカテゴリーが上がっていくにつれ、技術やテクニックだけでは通用しないことは明らかです。

かと言って、数字に表せるような筋力や体の大きさを求めたトレーニングを行っていると、これもまた人間として備わった動きを効率的に発揮するということができにくくしている場合もあります。

彼にはそのことを十分に理解させ、卒業までの短い期間ではありますが、次のステップに進んだ時に困ることのないよう、しっかりとした動きづくりのトレーニングを指導してあげたいと思っています。

中学3年生の妹も同じです、私の元を訪れたきっかっけは、体の痛みを何とかして欲しいということでした。

痛みに対して私は、原因は3つしかないと言っています。

1番目は、その運動に対応する体本来の力が備わっていないこと、2番目は、その運動を行うための正しい体の使い方が出来ていないこと、3番目は、1と2をクリアしていても、現状の能力を超える頻度や回数を行ってしまえば体は対応できないこと、この3つだと言っています。

私が知る限り、育成年代の故障の原因は、この3つの複合原因というよりも、すべてが当てはまっていると思います。

その原因は、指導者にそういう意識も知識もないことです。

年齢はもちろん、個々の身体能力に合わせた指導ができる指導者などいるはずがありません。

それぞれの運動に適した体の使い方という観点もまったく欠けていますし、体というものの基本的な仕組みを知っている指導者がどれだけいるでしょうか。

そして練習量の問題、育成年代で既にオーバーユースという状況に陥っている選手が何と多いことか。

そういう意味も含めて私は体の基礎的な構造から、西本塾で教えてきたつもりです。

広くこの考えが世間に認められる日は遠いのかもしれませんが、現実として、その弊害によりスポーツを離れてしまう子供や、成長を阻害されてしまっている子供がたくさんいることは事実です。

そこになぜ疑問を持って改善していこうという指導者が増えて行かないのか、かわいそうなのは子供たちです。

妹の方も、中学3年生としてはとても小柄で、体の力は現在の技術レベルとはリンクしていないと思います。

今後のことを考えると、今その部分に気づかなければ大きな成長は望めないと思います。

二人とも、そしてお母さんもその現実を素直に受け入れ、私の提案に一も二もなく賛同して、トレーニングを受けてくれています。

二人の真剣な取り組みは、屈筋から伸筋への主役の交代を、私の想像をはるかに超えて感じさせてくれています。

ある目的に対して屈筋を総動員して、自分の意識としてはこれ以上力を発揮できないという感覚、いわゆる力んでいると自他ともに感じられる状態よりも、伸筋を正しく連動させ、力むという感覚を排除した時に、結果として目的の動作を楽に行うことができるという感覚が、動きづくりのトレーニングの狙いです。

しばらくはこの兄妹とのトレーニングから、これまで築きあげてきた私の理論と実践の効果を、改めて再確認させてもらうことができそうです。

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プロフィール

Author:西本 直
1993年、Jリーグサンフレッチェ広島を皮切りに、社会人野球三菱重工広島・協和発酵・ヴィッセル神戸・川崎フロンターレ、そして広島カープ佐々岡真司投手など、プロアマ問わず競技レベルのスポーツ選手から一般の方まで、トレーニングやメンテナンスの指導を行ってきました。
その経験と知識の蓄積を「西本理論」としてまとめ、一人でも多くの方に実践していただくことが、これからの私の使命であると信じ、このブログから発信していきます。
私の理論はスポーツ選手のみを対象としたものではなく、ビジネスマンや家庭の主婦まで老若男女すべてに当てはまる不変のものです。
指導や講演のご依頼も受け付けています。
実名でツイッターも書いていますので、チェックしてみてください。
また、2013年9月9日にConditioning Studio 操をオープンしました。
また、遠隔地にお住まいの方を対象とした動き分析とアドバイスを行っています。
詳細は「スタジオ操」のホームページ内の「遠隔サポート」をご覧ください。
「第25回西本塾」を11月18・19日の土日に開催を予定しています。
詳細はStudio操ホームページ内の「講習会情報」をご覧ください
尚、深める会も12月10日に予定しています。

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